説明

カルベン触媒を用いたシリル単位の縮合方法

本発明は、同一の又は異なる(有機)ケイ素化合物Pが有する少なくとも1個の≡SiOH単位と少なくとも1個の≡SiOR単位(ここで、Rは水素又は随意に1個以上のヘテロ原子を有するC1〜C20炭化水素基である)とを有効量の少なくとも1種の触媒Cの存在下で縮合させる方法であって、前記触媒Cがカルベンであることを特徴とする、前記方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、シリコーンの分野における縮合又は重縮合方法の分野である。
【背景技術】
【0002】
脱水剤として又は触媒としての働きをして重縮合を促進する各種化合物の存在下においてシラノール、シランジオール又はポリシロキサンジオールを重縮合させることができるということは、よく知られている(例えばWalter Nollによる論文「Chemistry and Technology of Silicones」、1968年版、第211〜218頁を参照されたい)。
【0003】
脱水剤の中では、硫酸及びリン酸のような酸化合物、酸塩化物、並びにイソシアネート、ホウ酸エステル等のような非酸化合物を挙げることができる。これらの化合物はすべて、化学量論的割合で用いなければならない。
【0004】
触媒の中では、ハロゲン化酸、水酸化アルカリのような塩基性触媒、及びトリエチルアミンのようなアミン類を挙げることができる。最後に、鉛、スズ、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム又はカリウムのような金属の有機金属化合物を用いて重縮合反応を活性化することもできる。
【0005】
さらに、これらの各種触媒は、シロキサン結合を開き、こうして解放された結合を重合させ、その結果として揮発性環状化合物を形成させることによって、シロキサン結合の平衡化反応をも促進してしまうように思われる(Journal of Polymer Science, 59, 259-269, 1962)。
【0006】
シリコーン分野における縮合プロセスは、α,ω−ジヒドロキシル化ポリジオルガノシロキサンと、ジ−、トリ−又はテトラアルコキシシランタイプのケイ素含有化合物とを用いるものであることもできる。このタイプの縮合反応については、先行技術文献に多くの触媒の例が記載されており、この触媒は官能化触媒とも称されるものである。その例としては、限定を意図するものではないが、アミン類、無機酸化物、有機チタン誘導体、チタン/アミン組合せ物、ヒドロキシルアミン、アルミニウムキレート、カルバメート及びオキシムを挙げることができる。
【0007】
これらの既知の触媒には、許容できない欠点がある。特にアミン類は、高反応性アルコキシシラン、例えば式ViSi(OCH3)3(ここで、Viはビニル基である)のアルコキシシランについてさえ、低い反応速度をもたらす。さらに、アミンには不快臭があり、毒性もある。これらは反応媒体を汚染し、最終製品を不安定にする。
【0008】
テトライソプロポキシチタンのようなチタン及び炭化水素基をベースとする触媒には、媒体のゲル化を引き起こすという有害作用があり、これは工業的段階においては特に厄介なことである。
【0009】
また、酢酸カリウムタイプ(米国特許第3504051号明細書)又は酢酸ナトリウムタイプ(米国特許第3563241号明細書)の官能化触媒も知られている。また、仏国特許第2604713号明細書に教示されたように、カルボン酸/アミン混合物も知られている。斯かる触媒には、腐蝕性が比較的高く、取扱いが難しいという問題がある。さらに、これらは架橋速度をそれほど改善できない。
【0010】
米国特許第5026811号明細書には、カルボン酸アルカリ金属塩、炭酸又は重炭酸アルカリ金属塩及び随意としてのカルボン酸アンモニウムの混合物から成る有機金属触媒を用いることによるポリメチルフェニルシロキサンタイプのシリコーン樹脂の架橋が記載されている。選択されるアルカリ金属は例えばリチウムであることができ、選択されるカルボン酸は例えば酢酸又は2−エチルヘキサン酸であることができる。これらの触媒混合物には、シリコーン媒体中に直接可溶ではなく、除去するのが難しい残留物をもたらすという欠点がある。
【0011】
さらに近年になって、ナトリウム若しくはカリウム(欧州特許公開第457693号公報及び米国特許第5196497号明細書)又はリチウム(米国特許第5079324号明細書)のようなアルカリ金属の水酸化物から成る官能化触媒(SiOH/SiOR縮合)が提供されている。この新規の類の触媒は、この用途に単独で用いた時に不適当であり、効果がなく、欠点があると当業者に思われているカルボン酸塩の代替品となることを目指すものである。残念ながら、これらのアルカリタイプの触媒には攻撃的な性状であるという欠点があり、この攻撃的な性状は、特に高温(例えば約100℃)において現れてくる。実際、それらが生じさせる高いアルカリ性は、縮合反応の反応成分及び生成物の分解をもたらす。加えて、この塩基性は反応媒体の取扱いを複雑にする。さらに、これらの無機水酸化物はシリコーン中に不溶性であり、極性溶剤を使用することを必要とし、これはそのアルカリ金属の再生した形の発現をもたらす。これらの形は、得られるポリマー及び/又は架橋生成物の溶解(lyse)現象(後戻り)を引き起こしてしまう。
【0012】
従って、このタイプの縮合反応の触媒作用を改善するために、欧州特許公開第0564253号公報には、極性又は非プロトン性溶剤を使用することを必要としないリチウム系の有機金属化合物から成る触媒を使用することが教示されている。より詳細には、開示されている触媒は、リチウムシラノレート又はアルキルリチウム、例えばt−ブチル若しくはn−ブチルリチウムである。これらの既知の触媒は明らかに、熱条件下では依然として反応成分及び生成物の分解をもたらす性質がある。この教示は、カルボキシレートルートを放棄することによってSiOH/SiOR反応の触媒作用を改善するという一般的傾向の延長線内に含まれる。得られる安定性に関して及び実際には得られる速度に関してさえ、達成される改善は満足できないもののままであるということを認めざるを得ない。
【0013】
金属は周囲温度においてさえ縮合反応の良好な触媒である。それらの有効性は明らかに温度に依存するが、しかしこれらの条件は脱メチルのような分解副反応を促進することがある。スズ、例えばジブチルスズジラウレートの形のスズは、特に網状構造製造の場合に、低温においてこれらの反応を触媒することができるので、一般的に用いられている。残念ながらこの金属は毒性が高く、最終的には取り替えなければならないだろう。
【0014】
従って、ポリシロキサンの分野における研究の1つの主流は、性能、特殊性及び無毒性を同時に有する触媒を開発することに向けられている。
【0015】
さらに、白金/カルベン錯体は、≡Si−ビニル単位を含むポリオルガノシロキサンの≡Si−H単位を含むポリオルガノシロキサンによるヒドロシリル化のための触媒として知られている。例として、カルベンをベースとする金属触媒の存在下でヒドロシリル化によって架橋してエラストマーを与えることができるシリコーン組成物を記載した国際公開WO02/098971号パンフレットを挙げることができる。この組成物は、
・ポリオルガノビニルシロキサン、例えばポリ(ジメチル)(メチルビニル)シロキサン、
・ポリオルガノヒドロシロキサン、
・次式:
【化1】

の錯体(C3)又は(C4)から成る白金触媒、
・随意としての架橋抑制剤、及び
・随意としての充填剤(フィラー)
を含む。
【0016】
ヒドロシリル化は、縮合反応でも重縮合反応でもない。斯かるヒドロシリル化において、カルベンは白金のリガンドとしての働きをするだけであり、触媒としての働きはしない。さらに、触媒金属のリガンドとして用いられるカルベンはまた、シリコーンの分野以外の分野でも利用される。例えば欧州特許公開第0971941号公報には、シクロオレフィン類の熱メタセシスのためのルテニウム及びオスミウム/カルベン錯体をベースとする触媒が記載されている。
【0017】
さらに、2002年に発表されたJ.L. Hedrickらの論文(JACS, 124, No. 6, pp.914-915, 2002)には、N−ヘテロ環式カルベンを環状エステルの重合用の触媒として用いることができると教示されている。より詳細には、開始剤として用いられるアルコールの存在下でのL−ラクチド、ε−カプロラクトン及びβ−ブチロラクトンの重合用触媒として1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾール−2−イリデンが試験されている。メカニズムの観点から、カルベンはpKaが非常に高い(ジメチルスルホキシド中で測定してpKa=24)ので求核性が高く、従って環状エステルモノマーを攻撃して、下に示す開始/伝播プロセスに従って、開始剤のアルコールや成長中の鎖を攻撃し得る活性部分を与えることがあると信じられる。
【化2】

【0018】
より一層近年の完全な文献(JACS, 125, No. 10, pp.3046-3056, 2003を参照)には、加水分解の問題を回避するために現場でカルベンを調製することが記載されている。用いられる促進剤はチアゾリウム、イミダゾリウム及びイミダゾリニウムタイプのものであり、カリウムt−ブトキシドと接触させた時にそれぞれチアゾールカルベン、イミダゾール−2−イリデンカルベン及びイミダゾリン−2−イリデンカルベン触媒を与える。重合試験は、第1の類の触媒は高分子量を採算の合う選択性の良い態様で得ることを可能にしないことを示している。
【0019】
直鎖状又は環状ポリオルガノシロキサンの開環による重合及び/又は再配分によってポリオルガノシロキサンシリコーンを合成するための、強塩基の存在下でのイミダゾリウム塩の脱プロトン化によって得られるカルベンが近年報告されている(仏国特許第2864543号明細書)。
【特許文献1】米国特許第3504051号明細書
【特許文献2】米国特許第3563241号明細書
【特許文献3】仏国特許第2604713号明細書
【特許文献4】米国特許第5026811号明細書
【特許文献5】欧州特許公開第457693号公報
【特許文献6】米国特許第5196497号明細書
【特許文献7】米国特許第5079324号明細書
【特許文献8】欧州特許公開第0564253号公報
【特許文献9】国際公開WO02/098971号パンフレット
【特許文献10】欧州特許公開第0971941号公報
【特許文献11】仏国特許第2864543号明細書
【非特許文献1】Walter Noll, "Chemistry and Technology of Silicones", 1968 edition, pp. 211 to 218
【非特許文献2】Journal of Polymer Science, 59, 259-269, 1962
【非特許文献3】J.L. Hedrick et al., JACS, 124, No. 6, pp. 914-915, 2002
【非特許文献4】JACS, 125, No. 10, pp. 3046-3056, 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
これらの状況下で、本発明の1つの本質的な目的は、SiOH/SiORシリル単位を含む(有機)ケイ素化合物間のSiOH/SiOR縮合方法であって無毒性触媒を用いるものを提供することにある。
【0021】
本発明の別の目的は、用いる触媒が反応成分及び生成物に対して腐食性でも攻撃性でもなく、経済性が良く、しかも達成される反応速度が傑出している縮合方法を提供することにある。
【0022】
本発明の別の目的は、シリコーン媒体中に直接且つ容易に可溶な触媒を用いる縮合方法を提供することにある。
【0023】
本発明の別の本質的な目的は、前記の仕様を有する触媒を提供することにある。
【0024】
本発明の別の本質的な目的は、随意に水の存在下で架橋することができ、経済性がよく、迅速且つ簡単な態様でエラストマー又は樹脂を得ることが可能なシリコーン組成物を提供することにある。
【0025】
本発明の別の本質的な目的は、マスチック、剥離コーティング、接着剤又は繊維質若しくは非繊維質複合材料用のバインダーの構成成分としての上記の縮合触媒を含む上記の組成物の使用を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
これらの目的及び他の目的は、本発明によって達成される。本発明は、まず最初に、同一の又は異なる(有機)ケイ素化合物Pが有する少なくとも1個の≡SiOH単位と少なくとも1個の≡SiOR単位{ここで、Rは水素又はC1〜C20炭化水素基(随意に1個以上のヘテロ原子を有するもの)である}とを有効量の少なくとも1種の触媒Cの存在下で縮合させる方法であって、前記触媒Cがカルベンであることを特徴とする、前記方法に関する。
【0027】
この目的を達成するために、本発明者らは、全く驚くべきことに、そして予期しなかったことに、カルベン又はそれらの前駆体がシリル誘導体の縮合反応用の触媒として活性であることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の有利な特徴に従えば、前記触媒Cは、シングレット又はトリプレットの形(好ましくはシングレットの形)の2個の非結合性電子を含む。
【0029】
好ましくは、触媒Cは次式(I0)で表わされる一般構造を有する。
【化3】

(ここで、
X及びYはS、P、Si、N及びOより成る群から独立して選択され;
X及びYは随意に置換されていてもよく;
X及びYは、少なくとも1個の随意に置換された5員、6員若しくは7員炭化水素環によって、又はS、P、Si、N及びOより成る群から選択される1個以上のヘテロ原子を含む少なくとも1個の随意に置換された5員、6員若しくは7員ヘテロ環によって、結合することができる。)
【0030】
本発明に従う方法の1つの実施形態に従えば、用いられるカルベンは、次式(I)、(I')又は(I'')で表わされる一般構造を有する安定なカルベンであるのが有利である。
【化4】

(ここで、
1、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、独立してアルキル基;随意に置換されたシクロアルキル基;又は随意に置換されたアリール基を表わし、また、
1及びR2基が一緒になって、随意に置換された5員若しくは6員炭化水素環、又はS、P、Si、N及びOより成る群から選択される1個以上のヘテロ原子を含む随意に置換された5員若しくは6員ヘテロ環を形成することもできる。)
【0031】
本発明に従う方法の1つの実施形態に従えば、前記触媒Cは、次式(II)又は(II')に相当するものである。
【化5】

[ここで、
A及びBは独立してC又はNを表わし、ここで、
・式(II)においてAがNを表わす場合にはT4が存在せず、BがNを表わす場合にはT3が存在せず;
・式(II')においてAがNを表わす場合にはT4又はT4'が存在せず、BがNを表わす場合にはT3又はT3'が存在しない:
ものとし;
3、T3'、T4及びT4'は独立して水素原子;アルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたシクロアルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基;アルケニル基;アルキニル基;又はアリール部分が随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリールアルキル基を表わし;或は
3及びT4は、A及びBがそれぞれ炭素原子を表わす場合に、互いにそしてA及びBと一緒になってアリールを形成することができ、この場合、T3'及びT4'は存在しないものとし;
1及びT2は独立してアルキル基;随意にアルキル基で置換されたアルキル基;ペルフッ素化アルキル基若しくは随意にペルフルオロアルキル基で置換されたアルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたシクロアルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基;アルケニル基;アルキニル基;又はアリール部分が随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリールアルキル基を表わし;或は
1及びT2は独立して次式(V):
【化6】

{ここで、
V1は随意に置換された飽和又は不飽和二価炭化水素基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C10アルキレンであり、
V2は次の置換基:
・式−ORaのアルコキシ(ここで、Raは水素、アルキル又はアリールに相当する);
・式−Si(ORb)x(Rc)3-xのシリル(ここで、Rbは水素、アルキル、シリル又はシロキサニルに相当し、Rcはアルキル又はアリールに相当し、そしてxは0〜3の範囲の整数である);
・アミン、好ましくは−N(Ra)2(ここで、Raは水素、アルキル又はアリールに相当する):
の群から選択される一価基である}
の一価基を表わし、或は
1、T2、T3、T3'、T4及びT4'置換基は、式(II)及び(II')中の2つの隣接した頂点上に位置する場合に対になって飽和又は不飽和炭化水素鎖を形成することもできる。]
【0032】
用語「アルキル」とは、飽和の随意に(例えば1個以上のアルキル基で)置換された直鎖状又は分岐鎖状の(好ましくは1〜10個、例えば1〜8個、より一層好ましくは1〜7個の炭素原子を有する)炭化水素鎖を意味する。アルキル基の例には、特にメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチル、イソブチル、n−ブチル、n−ペンチル、イソアミル及び1,1−ジメチルプロピルがある。アルコキシ基のアルキル部分も、上で定義した通りである。ペルフッ素化アルキル基又はペルフルオロアルキル基で随意に置換されたアルキル基は、次式:
【化7】

(ここで、pは0、1、2、3又は4を表わし、
qは1〜10までの整数であり、
q2q+1は直鎖状又は分岐鎖状である)
に相当するのが好ましい。この基の好ましい例には、−(CH2)2−(CF2)5−CF3及び−(CF2)7−CF3がある。
【0033】
「アリール」という表現は、6〜18個の炭素原子を有する単環式又は多環式(好ましくは単環式又は二環式)芳香族炭化水素基を意味する。本発明において用語「芳香族多環式基」とは、2個以上の芳香族核が互いに縮合(オルト縮合又はオルトペリ縮合)した基(即ち、少なくとも2個の共通の炭素を一対で有する基)を意味するものとする。前記芳香族炭化水素基(「アリール」)は、例えば1個以上のC1〜C3アルキルで、1個以上のハロゲン化炭化水素(例えばCF3)で、1個以上のアルコキシ(例えばCH3O)で、又はケトン単位(例えばCH3CO−)を1個以上含む1個以上の炭化水素基で、随意に置換されていてよい。アリールの例としては、フェニル、ナフチル、アントリル及びフェナントリル基を挙げることができる。
【0034】
「アリールアルキル」という表現は、上記のアルキル基がその炭化水素鎖上を上記の1個以上のアリール基で置換されたものを意味する。その例には、ベンジル及びトリフェニルメチルがある。
【0035】
用語「シクロアルキル」とは、単環式又は多環式(好ましくは単環式又は二環式)の(好ましくは3〜10個、より一層好ましくは3〜8個の炭素原子を有する)飽和炭化水素基を意味するものとする。用語「飽和多環式炭化水素基」とは、2個以上の環状核がσ結合によって互いに結合し且つ/又は対になって縮合した基を意味するものとする。多環式シクロアルキル基の例には、アダマンタン及びノルボルナンがある。単環式シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルがある。
【0036】
用語「アルケニル」とは、少なくとも1個のオレフィン性二重結合(より一層好ましくは1個だけの二重結合)を有する置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状不飽和炭化水素鎖を意味するものとする。このアルケニル基は、好ましくは2〜8個の炭素原子、より一層好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。この炭化水素鎖は、1個以上のO、N又はSのようなヘテロ原子を随意に含む。アルケニル基の好ましい例には、アリル及びホモアリル基がある。
【0037】
用語「アルキニル」とは、少なくとも1個のアセチレン性三重結合(より一層好ましくは1個だけの三重結合)を有する置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状不飽和炭化水素鎖を意味するものとする。このアルキニル基は、好ましくは2〜8個の炭素原子、より一層好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。例として、アセチレニル基及びプロパルギル基を挙げることができる。この炭化水素鎖は、1個以上のO、N又はSのようなヘテロ原子を随意に含む。
【0038】
用語「シリル」とは、本発明に従えば、少なくとも1個のケイ素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状基を意味するものとする。シリル基の例としては、ポリジメチルシロキサン鎖がある。
【0039】
式(II)及び(II')のカルベンは、少なくとも2個の縮合した核を有することができ、即ち2つの隣接した頂点に位置する少なくともT1、T2、T3、T3'、T4及びT4'からの2個の基が一緒になって(好ましくは3〜6個の炭素原子を有する)飽和又は不飽和炭化水素鎖を形成することができる。用語「飽和又は不飽和炭化水素鎖」とは、オレフィン性二重結合又はアセチレン性三重結合タイプの1個以上の不飽和を含んでいても含んでいなくてもよい直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素鎖を意味するものとする。
【0040】
式(II)又は(II')における好ましい実施形態は、上記の式(II)においてA=B=炭素原子である形である。
【0041】
この式(II)における好ましいT1及びT2は、次のものである:
・アルキル、特にn−プロピル、n−ペンチル若しくはネオペンチル(−CH2−C(CH3)3);
・シクロアルキル、特にシクロペンチル、シクロヘキシル若しくはアダマンチル;
・アルケニル、特にアリル(−CH2−CH=CH2)、メタリル(−CH2−C(CH3)=CH2);
・アルキニル、特にプロパルギル若しくはホモプロパルギル(−(CH2)2−C≡CH);又は
・上記の一価基(V)、特に次のもの。
【化8】

【0042】
さらに式(II)において、好ましくは、T3及びT4の両方が水素に相当するか、又は一緒になってアリール、より一層好ましくはフェニルを形成するかである。
【0043】
カルベンの例としては、Bourissouらによる"Chem Rev., 2000, 100, 39-91"の論文の第48頁の表2に記載されたものを挙げることができる。この48頁の表2を参考用に本明細書に取り入れる。
【0044】
本発明に従えば、カルベンは、別途調製してもよく、また、少なくとも1種の前駆体からその場で生成させてもよい。
【0045】
有利には、前記前駆体は、カルベンに対応する塩であって、少なくとも1種の塩基と反応してその場でカルベンを生成するものである。
【0046】
例えば、式(II)及び(II')の好ましいカルベンについては、対応する塩は一般式(III)又は(III')の対応するヘテロ環式塩である。
【化9】

[ここで、
A、B、T1、T2、T3、T3'、T4及びT4'は上で定義した通りであり;
1は独立してブレンステッド酸(プロトン酸)から誘導されるアニオン、好ましくは
・式Go−COOHのカルボン酸{ここで、Goはアルキル、有利にはC1〜C22アルキル;又はアリール、有利にはC6〜C18アリール(随意に1個以上のC1〜C6アルキルで置換されたもの)を表わす};
・式Go−SO3Hのスルホン酸(ここで、Goは上で定義した通りである);
・式Go−PO3Hのホスホン酸(ここで、Goは上で定義した通りである);
・単独の又は互いとの組合せとしての次の無機酸:HF、HCl、HBr、HI、H2SO4、H3PO4、HClO4及びHBF4;並びに
・それらの組合せ物:
より成る群から選択されるブレンステッド酸から誘導されるアニオンを表わす。]
【0047】
塩(III)に関しては、Z1-アニオンは有機又は無機ブレンステッド酸(プロトン酸)から誘導されるアニオンである。通常、Z1-アニオンは6より小さいpKaを示す酸から誘導される。好ましくは、Z1-は4より小さいpKa、より一層好ましくは2より小さいpKaを有する酸から誘導される。ここで言うpKa値は、水中で測定した時の酸のpKa値である。酸の例には、式Go−COOHのカルボン酸{ここで、Goはアルキル、例えば(C1〜C22)アルキル;又はアリール、例えば(C6〜C18)アリール(1個以上のアルキル、好ましくは1個以上の(C1〜C6)アルキルで随意に置換されたもの)を表わす};式Go−SO3Hのスルホン酸(ここで、Goは上で定義した通りである);及び式Go−PO3Hのホスホン酸(ここで、Goは上で定義した通りである)があり;他の酸には、HF、HCl、HBr、HI、H2SO4、H3PO4、HClO4及びHBF4がある。
【0048】
好ましいカルボン酸の例には、酢酸、安息香酸及びステアリン酸がある。好ましいスルホン酸としてはベンゼンスルホン酸が挙げられ、好ましいホスホン酸としてはフェニルホスホン酸が挙げられる。
【0049】
本発明に従えば、より特定的にはHCl、HI、HBF4及びHPF6酸から誘導されるZ1-アニオンが好ましい。
【0050】
かくして、本発明に従って特に好ましいZ1-アニオンは、ハライド、テトラフルオロホウ酸及びヘキサフルオロリン酸アニオンである。
【0051】
イミダゾリウム塩の例のいくつかを下に挙げる。
【化10】

【0052】
これらの供給物は、商品として入手できるものであるか、又は商品として入手できる化合物から当業者が容易に調製することができるものである。
【0053】
式(III)においてA=B=Cである塩の合成方法は、米国特許第5077414号明細書に記載されている。この方法は:
・次式(X):
【化11】

のα−ジカルボニル化合物
(ここで、T6及びT7は互いに独立して水素又は随意に置換された炭化水素基を表わす)
と、
・HCHO並びに式T7−NH2及びT8−NH2の2種のアミン
(ここで、T7及びT8は互いに独立して随意に置換された炭化水素基を表わす)
とを好適な酸の存在下で反応させることを含む。
【0054】
式(III)の塩中のZ1アニオンの性状は、この工程において用いる酸に依存する。用いることができる酸は、例えば上に列挙したもの及びZ1が誘導されるものである。
【0055】
式(III)の塩の他の調製方法は、Chem. Eur. J., 1996, 2, No. 12, pages 1627-1636、及びAngew. Chem. Int. Ed. Engl., 1997, 36, 2162-2187に与えられている。
【0056】
本発明に従うカルベンはまた、酸触媒を用いてジアミン及びアルデヒドの縮合によって調製された前駆体を熱で活性化することによってその場で生成させることもできる。このタイプの前駆体は、N−ヘテロ環式カルベン又はNHCと称され、Chem. Eur. J., 2004, 10, pages 4073-4079に記載されている。特に、第4076頁の表1に記載されたカルベンの前駆体を参考用に本明細書に取り入れる。
【0057】
好ましい方法論に従えば、本方法は、カルベン及び/又はその前駆体をベースとする触媒C並びに(有機)ケイ素化合物P並びに随意としての1種以上の塩基の少なくとも一部を液状反応媒体中に溶解させた均質触媒反応によって実施される。
【0058】
有利には、カルベン及び/又はその前駆体をベースとする触媒Cの溶解性は、少なくとも1種の可溶化助剤を用い且つ/又は少なくとも1個の好適な基で置換されたカルベンを用いることによって、調節される。
【0059】
可溶化助剤の例としては、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン等のような溶剤を挙げることができる。可溶化基の例としては、アルキル、アリール、フッ素化基、シリル、シロキサン、例えばポリジメチルシロキサン鎖等を挙げることができる。
【0060】
これらの基は、前記の式(I0)、(I)、(I')、(II)、(II')、(III)及び(III')に属することができる。
【0061】
本発明に従って厳選されたカルベンの驚くべき利点の1つは、低温において迅速な反応が可能であることに由来する。かくして、本方法は、縮合又は重縮合反応を、T≦200、好ましくは100≦T≦150、より一層好ましくはT≦100のような温度T(℃)において実施することを特徴とする。
【0062】
実施に当たっては、この温度は、特に経済性がよく且つ工業的に実施するのが容易である周囲温度であることができる。しかしながら、シリコーン相の粘度を下げるために、それより高い温度で実施することも全く同様に可能である。本発明に従う方法は、この点において適応性が大きい。
【0063】
量的には、反応媒体中の出発(有機)ケイ素化合物P100g当たりのモル数としての触媒Cの濃度[C]は、[C]≦1、好ましくは10-5≦[C]≦10-1、より一層好ましくは10-5≦[C]≦10-3となるような濃度である。
【0064】
本発明の好ましい形態に従えば、前記(有機)ケイ素化合物Pは、ケイ素末端の少なくとも1つが少なくとも1個のヒドロキシル又は少なくとも1個の加水分解可能若しくは縮合可能な基を含むポリオルガノシロキサンAであり、このポリオルガノシロキサンは、次式(A1)に相当するものであるのが好ましい。
【化12】

{ここで、
xは0、1、2又は3であり;
nは1以上、好ましくは10以上の整数であり、
6基は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素又はC1〜C20炭化水素基、好ましくはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、(シクロ)アルキニル(直鎖状若しくは分岐鎖状のもの)、アリール、アラルキル若しくはアルキルアリール(随意に置換されたもの、有利には随意に1個以上のハロゲンで置換されたもの)タイプの前記炭化水素基に相当し、メチル、エチル、プロピル及びブチル基が特に好ましく;
Yは同一であっても異なっていてもよく、加水分解可能若しくは縮合可能な基又はヒドロキシル基、好ましくは−OR'基(ここで、R'は上記のR6と同じ定義を有し、さらに随意に1個以上のヘテロ原子を含むC1〜C20炭化水素基、特にオキシム、エノキシエーテル又はポリエーテル単位を含むC1〜C20炭化水素基に相当することもできる)を表わし;
6基の少なくとも一部は随意にYに相当することができ、そして
少なくとも2個のY基がポリオルガノシロキサンAの構造中に存在する。}
【0065】
式(A1)のオイルの粘度は、一般的に25℃において10〜106mPa・sの範囲である。R6基の例としては、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル及びオクチル、ビニル基、又はフェニル基を挙げることができる。置換されたR6基の例としては、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロフェニル及びβ−シアノエチル基を挙げることができる。
【0066】
一般的に工業的に用いられる式(A1)の物質においては、R6基の少なくとも60%(数基準)がメチル基であり、その他の基は一般的にフェニル及び/又はビニル基である。
【0067】
加水分解可能な基Yの例としては、ヒドロキシル、アミノオキシ、ケチミノキシ、イミノオキシ、アルコキシ又はアルコキシアルキレンオキシ基を挙げることができる。
【0068】
アルコキシ基Yとしては、1〜8個の炭素原子を有する基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ及びオクチル基を挙げることができ、アルコキシアルキレンオキシ基Yとしては、メトキシメチレンオキシ基を挙げることができる。
【0069】
本発明の有利な特徴に従えば、R6は少なくとも1個の重合及び/又は架橋反応性官能基{有利には不飽和単位、好ましくはエチレン性不飽和(例えば、ビニル、(メタ)アクリル)単位又はエポキシ化(例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル若しくはグリシドキシプロピル)単位から成るもの}を含むことができる。こうして導入される反応性は、縮合によるもの以外の官能化又は架橋をもたらすことができ、これは例えば架橋開始剤の存在下又は不在下における光活性化及び/又は熱活性化であることができる。
【0070】
斯かるポリオルガノシロキサンAの例としては、式(A1)のα,ω−ジヒドロキシル化オルガノポリオルガノシロキサンを挙げることができる。これらは一般的に25℃において500mPa・s〜500000mPa・s、好ましくは800mPa・s〜400000mPa・sの範囲の粘度を有するオイルである。これらは、式(R6)2SiO2/2のジオルガノシロキシ単位から本質的に成り且つ構造(R6)3SiO1/2の単位を末端とする線状ポリマーである。しかしながら、例えばR6SiO3/2及びSiO4/2のような一般的に不純物として存在する他の単位がジオルガノシロキシ単位の数に対して最大1%程度の割合で存在することは、除外されない。
【0071】
実施に当たっては、ベースオイルのケイ素原子に結合した記号R6で表わされる有機基は、メチル、エチル又はプロピル基、ビニル基のような1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基及びβ−シアノエチル基から選択されるのが有利である。好ましくは、全R6基の少なくとも60%がメチル基であり、多くとも1%がビニル基である。
【0072】
式(R6)2SiO2/2で表わされる単位の例としては、式(CH3)2SiO2/2、(CH3)(CH2=CH)SiO2/2及びCH3(C65)SiO2/2のものを挙げることができる。
【0073】
これらベースオイルの大部分は、シリコーン製造業者によって販売されている。さらに、それらの製造技術はよく知られている:例えばそれらは仏国特許第1134005号明細書、仏国特許第1198749号明細書及び仏国特許第1226745号明細書に記載されているのが見出される。
【0074】
(有機)ケイ素化合物Pの別の例としては、3〜15個のシロキサン単位、好ましくは3〜6個のシロキサン単位を含む環状構造を有するポリジオルガノシロキサンであって前記単位の少なくとも1個が前記のY官能基を少なくとも1個有するものを挙げることができる。
【0075】
別態様に従えば、前記(有機)ケイ素化合物Pは、線状又は環状炭化水素主鎖から成り且つシリル又はシロキシ単位(R63-x)(Yx)SiO:
(ここで、xは0、1、2又は3であり、
6及びYは前記の通りである)
を少なくとも1個含むポリマーA2から成ることができる。
【0076】
2が線状である場合、これはその少なくとも一方の末端、好ましくは両方の末端に斯かるシリル又はシロキシ単位を含むのが有利である。線状炭化水素主鎖は、例えば(コ)ポリマー、好ましくはポリウレタン、ポリアミド又はポリエーテルタイプ等の(コ)ポリマーであることができる。
【0077】
本発明の別の好ましい形態に従えば、前記(有機)ケイ素化合物Pは、次の一般式(B)のシランであるケイ素含有化合物Bである。
【化13】

[ここで、
7は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素又はC1〜C12炭化水素基、好ましくはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、(シクロ)アルキニル(直鎖状若しくは分岐鎖状のもの)、アリール、アラルキル若しくはアルキルアリール(随意に置換されたもの、有利には随意に1個以上のハロゲンで置換されたもの)タイプの前記炭化水素基に相当し、メチル、エチル、プロピル及びブチル基が特に好ましく;
Y'は同一であっても異なっていてもよく、加水分解可能若しくは縮合可能な基又はヒドロキシル基、好ましくは−OR'基
{ここで、R'は上記のR7と同じ定義を有し、さらに随意に1個以上のヘテロ原子を含むC1〜C20炭化水素基、特に
・次式:
【化14】

(ここで、R8は独立して直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル又はC2〜C8アルケニルを表わす)
のオキシム残基;
・次式:
【化15】

(ここで、R9は独立して直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル又はC3〜C8シクロアルキルを表わし、そして
bは0又は1である)
のアルコキシ残基;
・次式:
【化16】

(ここで、R10は飽和又は不飽和、置換又は非置換、分岐鎖状又は非分岐鎖状の脂肪族、脂環式又は芳香族一価C1〜C13炭化水素基を表わす)
のアシル残基;又は
・次式:
【化17】

(ここで、R11基は同一であっても異なっていてもよく、水素又は飽和若しくは不飽和、置換若しくは非置換、分岐鎖状若しくは非分岐鎖状の脂肪族、脂環式若しくは芳香族一価C1〜C13炭化水素を表わす)
のエノキシ残基:
を含むC1〜C20炭化水素基に相当することもできる}
を表わし;
aは3又は4である。]
【0078】
ケイ素含有化合物Bの例としては、より特定的には、ポリアシルオキシシラン、ポリアルコキシシラン、ポリケチミノキシシラン及びポリイミノオキシシラン、特に次のシランを挙げることができる。
・CH3Si[ON=C(CH3)(C25)]3;CH2=CH−Si[ON=C(CH3)C25)]3
・CH3Si(ON=CH−CH3)3
・Si(OCH3)4
・Si(OCH2CH3)4
・Si(OCH2CH2CH3)4
・(CH3O)3SiCH3
・(C25O)3SiCH3
・(CH3O)3SiCH=CH2
・(C25O)3SiCH=CH2
・(CH3O)3SiCH2−CH=CH2
・(CH3O)3Si[CH2−(CH3)C=CH2]
・(C25O)3Si(OCH3)
・Si(OCH2−CH2−OCH3)4
・CH3Si(OCH2−CH2−OCH3)3
・CH2=CHSi(OCH2CH2OCH3)3
・C65Si(OCH3)3
・C65Si(OCH2−CH2−OCH3)3
・H−Si(OCH3)3及びHSi(OC25)3
・(CH3O)3Si−[−(CH2)2−CH2Cl]
・(CH3O)3Si−[−(CH2)3−OOC−(CH3−)C=CH2]
・(C25O)3Si−(CH2)2−CH2Cl
・(CH3O)3Si−(CH2)3−NH2
・(C25O)3Si−(CH2)3−NH2
・(CH3O)3Si−(CH2)3−NH−(CH2)2−NH2
・(C25O)3Si−(CH2)3−NH−(CH2)2−NH2
・(CH3O)3Si−(CH2)3−SH
・(CH3)CH2=CH)Si(OCH3)2;及び
・それら混合物。
【0079】
特に好ましいシランは、次のものである。
・Si(OC25)4、CH3Si(OCH3)3、CH3Si(OC25)3
・(C25O)3Si(OCH3)、CH2=CH−Si(OCH3)3
・CH3(CH2=CH)Si(OCH3)2、CH2=CH−Si(OC25)3;及び
・それらの混合物。
【0080】
本発明の別の別形態に従えば、前記(有機)ケイ素化合物Pは、前記の少なくとも1個のY'基で官能化され且つその構造中に式(R12)3SiO1/2(M単位)、(R12)2SiO2/2(D単位)、R12SiO3/2(T単位)及びSiO4/2(Q単位)のものから選択される少なくとも2種のシロキシ単位を有し、これらの単位の内の少なくとも1種がT又はQ単位であるポリオルガノシロキサン樹脂Dである(ここで、R12基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ飽和又は不飽和の置換又は非置換脂肪族、脂環式又は芳香族一価C1〜C13炭化水素基を表わす)。
【0081】
これらのシリコーン樹脂はよく知られた分岐鎖状ポリオルガノシロキサンポリマーであり、それらの調製方法は多くの特許文献に記載されている。用いることができる樹脂の具体例としては、前記のY'基で官能化されたMQ、MDQ、TD及びMDT樹脂を挙げることができる。
【0082】
より好ましくは、用いることができる樹脂の例として、T単位を少なくとも20重量%含み且つ0.3〜5%の範囲のY'基重量含有率を有する官能化されたTD及びMDT樹脂を挙げることができる。さらにより一層好ましくは、このタイプの樹脂であってその構造中のR12置換基の少なくとも80%(数基準)がメチル基であるものが用いられる。この樹脂のY'官能基は、M、D及び/又はT単位に結合していることができる。
【0083】
本発明の別の好ましい別形態に従えば、前記縮合反応は、前記の少なくとも1種のケイ素含有化合物A及び/又はB及び/又はDの間で実施される。
【0084】
本発明の別の主題は、(随意に水の存在下で)架橋可能なシリコーン組成物であって、
・上で定義した通りの少なくとも1種のケイ素含有化合物A及び/又はB及び/又はD、並びに
・上で定義した通りの少なくとも1種の触媒C
を含むことを特徴とする前記シリコーン組成物にある。
【0085】
これらの成分に従うこの区別に加えて、本発明のシリコーン組成物は2つの大きい類に分けることもできる。
【0086】
第1の類は、1成分型の系から成るもの、即ち、1つの容器だけから成り、大気中の湿分を排除して貯蔵した時に安定な系から成るものである。この場合、エラストマーを得るための硬化は、前記のカルベン前駆体、例えば(NHC)を熱活性化することによって実施される。
【0087】
第2の類は、多成分型の系、即ち、いくつかの(好ましくは2つの)容器から成り、触媒Cが架橋可能部分から隔離された系から成る。
【0088】
本発明に従う組成物又は系は、充填剤及び/又は可塑剤(好ましくは中性又は僅かに塩基性の性状のものであって触媒Cに対して有害な影響がないもの)を含むことができることに留意すべきである。
【0089】
考えられる充填剤は、補強用若しくは半補強用充填剤、又は増量用充填剤である。これらは、ケイ藻土シリカタイプの中性若しくは塩基性ケイ質充填剤又はカーボネートから選択するのが好ましい。これらのシリカは、BET法に従って測定して少なくとも50m2/g、好ましくは少なくとも70m2/g超の比表面積、0.1μm未満の一次粒子平均寸法、及び200g/リットル未満の嵩密度を有するものである。
【0090】
これらのシリカは、好ましくはそのままで、又は通常用いられる有機ケイ素化合物で処理した後に、添加することができる。これらの有機ケイ素化合物には、ヘキサメチルジシロキサン若しくはオクタメチルシクロテトラシロキサンのようなメチルポリシロキサン類、ヘキサメチルシラザン若しくはヘキサメチルシクロトリシラザンのようなメチルポリシラザン類、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン若しくはジメチルビニルクロロシランのようなクロロシラン類、又はジメチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン若しくはトリメチルメトキシシランのようなアルコキシシラン類が包含される。上で一般的態様において規定したシリコーン組成物用のベースは、当業者によく知られている。これらは、文献、特に多くの特許文献に詳細に記載されており、大部分は商品として入手できる。
【0091】
従って、本発明の別の主題事項は、上記の組成物又は上記の架橋可能なシリコーンエラストマーの系を、
・様々な性状の固体支持体、有利には石材、コンクリート、金属、木材、ガラス、セラミック、紙若しくは板用のコーティング、特に剥離コーティングの製造に、
・織布若しくは不織布繊維材料のコーティングに、
・繊維質若しくは非繊維質複合材料(この随意としての繊維は無機若しくは有機繊維である)用のバインダー、特に撥水性バインダーとして、又は
・マスチック若しくは漏れ防止用材料として、
使用することにある。
【0092】
以下の実施例は、本発明に従う方法及び触媒のより良好な理解を可能にし、すべての利点及び可能な別の実施形態を浮き彫りにするだろう。
【実施例】
【0093】
総論:
【0094】
用いたカルベンCは、次式:
【化18】

の対応するトリフル酸イミダゾリウムから、次の手順:
【化19】

に従った脱プロトンによって得られるシクロヘキシルジアミノカルベンである。
【0095】
その他の出発原料は、商品として入手できる。
【0096】
例1
【0097】
30ミリリットルのフラスコ中で次のものを混合する:
(a)3ミリリットルの量の、次式:
【化20】

(ここで、MOHは(CH3)2(OH)SiO1/2であり、
Dは(CH3)2SiO2/2である)
のシリコーンオイル(環状オリゴマーを除去するために脱蔵済のもの);及び
(b)様々な量の触媒C。
この混合物を撹拌しながら80℃に16時間加熱する。結果を表1にまとめる。
【0098】
【表1】

【0099】
Mn=数平均分子量
Mw=重量平均分子量
【0100】
考察:
【0101】
この例は、本発明に従うカルベンタイプの触媒がシラノールの重縮合を触媒することを示している。この実験結果は新規であり、先行技術には記載されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の又は異なる(有機)ケイ素化合物Pが有する少なくとも1個の≡SiOH単位と少なくとも1個の≡SiOR単位(ここで、Rは水素又は随意に1個以上のヘテロ原子を有するC1〜C20炭化水素基である)とを有効量の少なくとも1種の触媒Cの存在下で縮合させる方法であって、
前記触媒Cがカルベンであることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記触媒Cがシングレット又はトリプレットの形、好ましくはシングレットの形の2個の非結合性電子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒Cが次式:
【化1】

(ここで、
X及びYはS、P、Si、N及びOより成る群から独立して選択され;
X及びYは随意に置換されていてもよく;
X及びYは、少なくとも1個の随意に置換された5員、6員若しくは7員炭化水素環によって、又はS、P、Si、N及びOより成る群から選択される1個以上のヘテロ原子を含む少なくとも1個の随意に置換された5員、6員若しくは7員ヘテロ環によって、結合することができる)
を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒Cが次式(I)、(I')又は(I''):
【化2】

(ここで、
1、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、独立してアルキル基;随意に置換されたシクロアルキル基;又は随意に置換されたアリール基を表わし、また、
1及びR2置換基が一緒になって、随意に置換された5員若しくは6員炭化水素環、又はS、P、Si、N及びOより成る群から選択される1個以上のヘテロ原子を含む随意に置換された5員若しくは6員ヘテロ環を形成することもできる)
で表わされる一般構造を有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒Cが次式(II)又は(II'):
【化3】

[ここで、
A及びBは独立してC又はNを表わし、ここで、
・式(II)においてAがNを表わす場合にはT4が存在せず、BがNを表わす場合にはT3が存在せず;
・式(II')においてAがNを表わす場合にはT4又はT4'が存在せず、BがNを表わす場合にはT3又はT3'が存在しない:
ものとし;
3、T3'、T4及びT4'は独立して水素原子;アルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたシクロアルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基;アルケニル基;アルキニル基;又はアリール部分が随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリールアルキル基を表わし;或は
3及びT4は、A及びBがそれぞれ炭素原子を表わす場合に、互いにそしてA及びBと一緒になってアリールを形成することができ、この場合、T3'及びT4'は存在しないものとし;
1及びT2は独立してアルキル基;随意にアルキル基で置換されたアルキル基;ペルフッ素化アルキル基若しくは随意にペルフルオロアルキル基で置換されたアルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたシクロアルキル基;随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリール基;アルケニル基;アルキニル基;又はアリール部分が随意にアルキル若しくはアルコキシ基で置換されたアリールアルキル基を表わし;或は
1及びT2は独立して次式(V):
【化4】

{ここで、
V1は随意に置換された飽和又は不飽和二価炭化水素基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C10アルキレンであり、
V2は次の置換基:
・式−ORaのアルコキシ(ここで、Raは水素、アルキル又はアリールに相当する);
・式−Si(ORb)x(Rc)3-xのシリル(ここで、Rbは水素、アルキル、シリル又はシロキサニルに相当し、Rcはアルキル又はアリールに相当し、そしてxは0〜3の範囲の整数である);
・アミン、好ましくは−N(Ra)2(ここで、Raは水素、アルキル又はアリールに相当する):
の群から選択される一価基である}
の一価基を表わし、或は
1、T2、T3、T3'、T4及びT4'置換基は、式(II)及び(II')中の2つの隣接した頂点上に位置する場合に対になって飽和又は不飽和炭化水素鎖を形成することもできる]
に相当するものであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒Cを別途調製し且つ/又は少なくとも1種の前駆体からその場で生成させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記前駆体がカルベンに対応する塩であって、少なくとも1種の塩基と反応してその場で触媒Cを生成するものであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記の対応する塩が一般式(III)又は(III'):
【化5】

[ここで、
A、B、T1、T2、T3、T3'、T4及びT4'は請求項6に記載の通りであり;
1は独立してブレンステッド酸(プロトン酸)から誘導されるアニオン、好ましくは
・式Go−COOHのカルボン酸{ここで、Goはアルキル、有利にはC1〜C22アルキル;又はアリール、有利にはC6〜C18アリール(随意に1個以上のC1〜C6アルキルで置換されたもの)を表わす};
・式Go−SO3Hのスルホン酸(ここで、Goは上で定義した通りである);
・式Go−PO3Hのホスホン酸(ここで、Goは上で定義した通りである);
・単独の又は互いとの組合せとしての次の無機酸:HF、HCl、HBr、HI、H2SO4、H3PO4、HClO4及びHBF4;並びに
・それらの組合せ物:
より成る群から選択されるブレンステッド酸から誘導されるアニオンを表わす]
の対応するヘテロ環式塩であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記(有機)ケイ素化合物Pが、そのケイ素末端の少なくとも1つが少なくとも1つのヒドロキシル基又は少なくとも1つの加水分解可能若しくは縮合可能な基を含むポリオルガノシロキサンAであり、該ポリオルガノシロキサンが好ましくは次式(A1):
【化6】

{ここで、
xは0、1、2又は3であり;
nは1以上、好ましくは10以上の整数であり、
6基は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素又はC1〜C20炭化水素基、好ましくはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、(シクロ)アルキニル(直鎖状若しくは分岐鎖状のもの)、アリール、アラルキル若しくはアルキルアリール(随意に置換されたもの、有利には随意に1個以上のハロゲンで置換されたもの)タイプの前記炭化水素基に相当し、メチル、エチル、プロピル及びブチル基が特に好ましく;
Yは同一であっても異なっていてもよく、加水分解可能若しくは縮合可能な基又はヒドロキシル基、好ましくは−OR'基(ここで、R'は上記のR6と同じ定義を有し、さらに随意に1個以上のヘテロ原子を含むC1〜C20炭化水素基、特にオキシム、エノキシエーテル又はポリエーテル単位を含むC1〜C20炭化水素基に相当することもできる)を表わし;
6基の少なくとも一部は随意にYに相当することができ、そして
少なくとも2個のY基がポリオルガノシロキサンAの構造中に存在する}
に相当する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記(有機)ケイ素化合物Pが次の一般式(B):
【化7】

[ここで、
7は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素又はC1〜C12炭化水素基、好ましくはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、(シクロ)アルキニル(直鎖状若しくは分岐鎖状のもの)、アリール、アラルキル若しくはアルキルアリール(随意に置換されたもの、有利には随意に1個以上のハロゲンで置換されたもの)タイプの前記炭化水素基に相当し、メチル、エチル、プロピル及びブチル基が特に好ましく;
Y'は同一であっても異なっていてもよく、加水分解可能若しくは縮合可能な基又はヒドロキシル基、好ましくは−OR'基
{ここで、R'は上記のR7と同じ定義を有し、さらに随意に1個以上のヘテロ原子を含むC1〜C20炭化水素基、特に
・次式:
【化8】

(ここで、R8は独立して直鎖状又は分岐鎖状のC1〜C8アルキル、C3〜C8シクロアルキル又はC2〜C8アルケニルを表わす)
のオキシム残基;
・次式:
【化9】

(ここで、R9は独立して直鎖状又は分岐鎖状C1〜C8アルキル又はC3〜C8シクロアルキルを表わし、そして
bは0又は1である)
のアルコキシ残基;
・次式:
【化10】

(ここで、R10は飽和又は不飽和、置換又は非置換、分岐鎖状又は非分岐鎖状の脂肪族、脂環式又は芳香族一価C1〜C13炭化水素基を表わす)
のアシル残基;又は
・次式:
【化11】

(ここで、R11基は同一であっても異なっていてもよく、水素又は飽和若しくは不飽和、置換若しくは非置換、分岐鎖状若しくは非分岐鎖状の脂肪族、脂環式若しくは芳香族一価C1〜C13炭化水素を表わす)
のエノキシ残基:
を含むC1〜C20炭化水素基に相当することもできる}
を表わし;
aは3又は4である]
のシランであるケイ素含有化合物Bである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記(有機)ケイ素化合物Pが請求項10に記載の少なくとも1個のY'基で官能化され且つその構造中に式(R12)3SiO1/2(M単位)、(R12)2SiO2/2(D単位)、R12SiO3/2(T単位)及びSiO4/2(Q単位)(ここで、R12基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれ飽和又は不飽和の置換又は非置換脂肪族、脂環式又は芳香族一価C1〜C13炭化水素基を表わす)のものから選択される少なくとも2種のシロキシ単位を有し、これらの単位の内の少なくとも1種がT又はQ単位であるポリオルガノシロキサン樹脂Dである、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記縮合反応が請求項9〜11のいずれかに記載の少なくとも1種のケイ素含有化合物A及び/又はB及び/又はDの間で実施されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記触媒C及び/又はその前駆体並びに前記出発有機ケイ素化合物並びに随意としての1種以上の塩基の少なくとも一部を液状反応媒体中に溶解させた均質触媒反応によって実施されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1種の可溶化助剤を用い且つ/又は少なくとも1個の好適な基で置換されたカルベンを用いることによって前記触媒C及び/又はその前駆体の溶解性を調節することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
T≦200、好ましくは100≦T≦150、より一層好ましくはT≦100となる温度T(℃)において実施することを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
水が随意に存在する下で架橋可能なシリコーン組成物であって、
・請求項9〜11のいずれかに記載の少なくとも1種のケイ素含有化合物A及び/又はB及び/又はD、並びに
・請求項1〜8のいずれかに記載の少なくとも1種の触媒C
を含むことを特徴とする、前記シリコーン組成物。
【請求項17】
様々な性状の固体支持体、有利には石材、コンクリート、金属、木材、ガラス、セラミック、紙若しくは板用のコーティング、特に剥離コーティングの製造に、
織布若しくは不織布繊維材料のコーティングに、
繊維質若しくは非繊維質複合材料(この随意としての繊維は無機若しくは有機繊維である)用のバインダー、特に撥水性バインダーとして、又は
マスチック若しくは漏れ防止用材料として
の、請求項16に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2009−534497(P2009−534497A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505933(P2009−505933)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000665
【国際公開番号】WO2007/122325
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(507421304)ブルースター シリコーン フランス (62)
【氏名又は名称原語表記】BLUESTAR SILICONES FRANCE
【住所又は居所原語表記】21,AVENUE GEORGES POMPIDOU F−69486 LYON CEDEX 03 FRANCE
【出願人】(506369944)サントル ナスィオナル ド ラ ルシェルシュ スィアンティフィク (45)
【Fターム(参考)】