説明

カルボキシ末端をアミド化したペプチドの製造方法

本発明は、C末端をアミド化したリシンを有し、特にGLP−1の生物活性を有するカルボキシ末端(C末端)をアミド化したペプチドの製造、それらの化学的および/または生物工学的前駆体、ならびに中間生成物に関する。本発明はまた、それらの製造方法、および医薬製品を製造するための使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C末端をアミド化したリシンを有し、特にGLP−1の生物活性を有する、カルボキシ末端(C末端)をアミド化したペプチドの製造、それらの化学的または生物工学的前駆体および中間体、それらの製造方法、ならびにそれらの医薬製品製造のための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中で、糖尿病または肥満症に罹っている人の数が高い上昇率で増加しつつある。それゆえに、このような病気の分野において高い治療的有用性を示す薬物が、ますます高い特性でかつ大量に利用できるようにする必要があると予想される。
【0003】
米国特許出願第2004/0106547号(A1)は、エキセンディン(exendin)から誘導されたペプチドを記載しており、これは血糖値を低下させる作用を有することから、糖尿病、またはその他の代謝性疾患、例えば肥満症を発症させる可能性がある代謝性疾患の治療において可能性のある薬物として重要性を有する。特に、それらの生理学的な作用機序のために、糖尿病の続発症を低く抑えるか、またはかなり遅延させることが現在期待されている。
【0004】
米国特許出願第2004/0106547号(A1)で記載されているペプチドは、1個またはそれ以上のC末端リシン残基が導入されており、そのうちの末端の1つがC末端アミド化されているため、特に活性であることが見出されている。
【0005】
米国特許出願第2004/0106547号(A1)には、このようなペプチドを製造するための様々な製造方法が述べられている。そのうち一つは、生物工学的方法に関し、この方法では、酵母において細胞内発現させた後、細胞の分解産物から標的タンパク質が単離される。しかしながら、C末端がアミド化されたペプチドは、微生物を用いた場合ほんのわずかしか生産されないため、米国特許出願第2004/0106547号(A1)で提案されているような生物工学的製造の実施は、非常に難儀であるか、またはコストがかかるものでしかない。
【0006】
その代替法として、上記出願は、当該ペプチドの化学全合成を説明している。それに関して、改変されたメリーフィールド合成が提案されているが、この合成は、それでもなお非常に面倒であり、高いコストを伴う。その理由のなかでも、反応物としてペプチド合成で特に用いるために、上記合成に用いられるアミノ酸をまず、製造し、精製し、続いて化学修飾しなければならないことがある。合成の最後に、保護基を除去しなければならず、標的ペプチドまたは生成物は医薬品として製剤化可能とする前に精製しなければならない。従って、その化学全合成は、多大な費用をかければ実行可能だが、エコロジー面での利点はほとんどない。
【0007】
ペプチドをC末端でアミド化することができる酵素は、かなり以前からすでに知られている。これらの酵素は、ペプチジルグリシンα−アミド化酵素(PAM)と呼ばれる(Eipper等,Mol.Endocrinol.1987年11月;1(11):1987)。このようなPAM酵素の生産および精製は、当業者にはよく知られており、詳細に説明されている:その上、多くのこのような酵素調製物が市販されている(例えば、K Ohsuye等,Cytotechnology 31,1999:85〜94、US4708934、US5789234、US6255067、US6319685、およびJP0177184)。
【0008】
Bradbury等(Biochem.Biophys.Res.Commun.(1983)112(2):372〜377は、PAMが、C末端がそのアミノ酸であるグリシンからなるペプチドを基質として、選択的に認識することを「インビトロ」で示している。また彼等は、グリシンのN末端の位置における塩基性アミノ酸が、PAMの反応速度を非常に遅延させることも述べている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
塩基性アミノ酸のC末端配列、特に、C末端にグリシン残基をさらに有するオリゴまたはポリリシン配列を有するエキセンディン誘導体が、驚くべきことに、PAMによって基質として良好に認識されることが今や見出された。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、驚くべきことに、本発明によれば、アミド化ペプチド、特に米国特許出願第2004/0106547号(A1)に開示されているようなアミド化ペプチドを、生物工学的にかなり低コストで製造することが可能になり、それによれば、そのC末端グリシン伸長ペプチド前駆体/タンパク質から、1回の酵素を用いた工程によって所望の生成物を製造することができる。
【0011】
本発明に係る方法において、生物学的に活性なペプチドが製造されるが、このペプチドは、1個またはそれ以上の塩基性アミノ酸、好ましくはリシン、ヒスチジンおよび/またはアルギニン残基、特にリシン残基を含み、C末端がリシン残基であり、ここにおいて一番端にあるC末端のリシン残基は、C末端がアミド化されている。好ましくは、本発明に係る方法によって製造されたペプチドは、GLP−1、エキセンディン−4、またはそれらの生物学的に活性な類似体もしくは誘導体の生物活性を示す。
【0012】
従って、本発明は、特に、米国特許出願第2004/0106547号に記載の化合物番号2の生物工学的な製造を可能にする。この化合物番号2は、以下の配列(配列番号1):
【化1】

を有する。
【0013】
従って、本発明の目的は、式I:
(AS)n−Xmp (式I)
[式中、
ASは、1個またはそれ以上の遺伝学的にコード可能なアミノ酸であり;
nは、5〜2000であり、好ましくは10〜1000であり、特に15〜500であり、非常に好ましくは20〜400であり;
Xは、1個もしくはそれ以上の塩基性アミノ酸、またはそれらの誘導体であり、好ましくはリシン、ヒスチジンおよび/またはアルギニンであり、特にリシンであり;
mは、1〜15であり、好ましくは3〜10であり、特に6〜8であり;
Yは、1またはそれ以上の中性の電荷を有するアミノ酸であり、好ましくはグリシンであり;ならびに、
pは、1〜10であり、好ましくは1〜5であり、特に1であり;
ここにおいて、n、mおよびpは整数であり、(AS)nおよび/または(AS)nmは、好ましくは生物学的に活性なペプチドまたはタンパク質である]
で示されるペプチドである。
【0014】
非常に好ましくは、配列番号2:
【化2】

(配列番号2)
に記載の式Iで示される化合物、および少なくとも60%、好ましくは80%、特に90%の相同性を有するそれらの生物学的に活性な誘導体である。
【0015】
また、さらなる本発明の目的は:
a)本発明に係るペプチドをコードする核酸分子、好ましくはDNA、cDNAまたはRNA分子;
b)本発明に係る核酸分子を含む発現カセット;
c)本発明に係る核酸分子または発現カセットを含むベクター、好ましくは発現ベクター、特に酵母および/または細菌細胞で発現させるための発現ベクター;
d)本発明に係る核酸分子、発現カセットまたはベクターを含む宿主細胞、好ましくは細菌細胞または酵母細胞(これらは場合により、酵素PAMも共発現する);
e)RNA分子からタンパク質への翻訳を可能にするインビトロでの発現系、
である。
【0016】
また、本発明のさらにその他の目的は、一般式II:
(AS)n−Xm−NH2 (式II)
[式中、
ASは、1個またはそれ以上の遺伝学的にコード可能なアミノ酸であり;
nは、5〜2000であり、好ましくは10〜1000、特に15〜500、非常に好ましくは20〜400であり;ならびに、
(AS)nおよび/または(AS)n−Xmは、生物学的に活性なペプチドまたはタンパク質であり;
Xは、1個もしくはそれ以上の塩基性アミノ酸、またはそれらの誘導体であり、好ましくはリシン、ヒスチジンおよび/またはアルギニンであり、特にリシンであり;
mは、1〜15であり、好ましくは3〜10であり、特に6〜8であり;ならびに、
nおよびmは整数である]
で示されるC末端をアミド化したペプチドの製造方法であって、
ここにおいて、
a)本発明に係る宿主細胞を適切な栄養培地中で培養し、
b)本発明に係るペプチドを発現させ、
c)場合により、本発明に係るペプチドを、酵素的な切断によって、適切なペプチド前駆体から切り離し、
d)工程b)からの発現産物、または工程c)からの中間生成物を、場合により精製した後に、α−アミド化酵素と反応させて、一般式IIで示される化合物を得、
e)適切な方法で、好ましくは分取用クロマトグラフィーを用いた方法で、一般式IIで示される化合物を精製する。
【0017】
しかしながら、当業者であれば、既知の生化学的または生物物理学的な分離方法を組み合わせることによっても所望の精製結果を得ることができることを承知している。
【0018】
好ましくは、本発明に係る方法は、配列番号1に記載の化合物を製造するために、C末端をアミド化したペプチドを製造するのに用いられる。
【0019】
まず第一に、本発明に係る方法に関して、微生物の異種ペプチド/タンパク質を生産する能力が利用される。このために、所望のペプチド/タンパク質配列をそれに対応するDNA配列に翻訳し、それを宿主特異的なプロモーター配列にカップリングさせる。ここにおいて、発現の方策に応じて、細胞内に留まりつつ融合タンパク質として直接的または間接的に形成されるような方法で、標的ペプチドを細胞によって発現させることができる。融合タンパク質は、PAMと直接反応させて、その後、化学的または酵素的に所望の標的タンパク質にプロセシングしてもよいし、またはそれとは逆の順番で、PAMとの反応によってアミド化を起こす前にまず融合フラグメントに切断してもよい。融合による方策が選択される場合、当業者には当然であるが、融合の相手方は、Lys−Xm−Glyを伸長させた標的ペプチドのN末端がプロセシング後も正しく残るような方法で相手方の切断が可能な架橋要素を介して一緒に結合していなければならない。架橋要素の設計については、多数の選択肢がある。例えばアミノ酸であるメチオニンが選択される場合、ハロゲン化シアンを用いた化学的な切断が考えられる。架橋要素として例えば配列DDDDKのペンタペプチドが選択される場合、エンテロキナーゼを用いた切断が考えられる。例えばテトラペプチド配列IEGRが選択される場合、Xa因子による切断を行うことができる。適切な設計である場合、ジェネナーゼ(Genenase(R))を、N末端にヒスチジンを有するタンパク質のプロセシング酵素として用いることができる。以下の実施例の章で、エンテロキナーゼを用いた切断を説明する。
【0020】
しかしながら、その代わりに、標的ペプチドが、輸送に耐え得るものであれば、それらを融合タンパク質の形態で、または天然の形態で直接的に培地に放出させてもよい。このため、遺伝子工学によって改変された細胞、特に微生物、好ましくは細菌または酵母の遺伝子工学的に改変された細胞を用いてもよい。発現系として細菌細胞が選択される場合、標的タンパク質を直接的に、または、それに相当する標的タンパク質を含む融合タンパク質を、ペリプラズムまたは培地中に放出させるという選択肢もある。
【0021】
原理的にそれに利用できる宿主生物および方法は、当業者既知である。これらも、大体において多数の供給元から商業的に入手可能である。典型的な例として、以下のような会社、ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs),インビトロジェン(Invitrogen)、およびロシュ(Roche)が挙げられる。このような会社が発行しているカタログの説明に、上記技術の大要を示す参考文献が記載されている。
【0022】
しかしながら、当業者であれば当然であるが、使用できるようになる微生物の範囲は絶えず広がっており、生物工学的方法のレパートリーも同様である。
この点において特化された実施態様もまた、本発明の対象に含まれる。
【0023】
典型的には、一例として、以下の宿主/ベクター系:E.コリ(E.coli)、S.カルノーサス(S.carnosus)、サルモネラ(Salmonella)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、またはシュードモナス(Pseudomonas)のような細菌、ならびに、K.ラクティス(K.lactis)、P.パストリス(P.pastoris)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、およびS.セレビジエ(S.cerevisiae)のような酵母が挙げられる。
【0024】
以下、一例として、E.コリK12、および、E.コリBをベースとした系の使用を説明する。しかしながら、当業者であれば承知していることであるが、一例として述べられたこれらの系は、例えば適切なプロモーターまたはその他の調節核酸配列、宿主細胞の遺伝学的特性、および用いられるベクター(例えば、DNAのコピー数、選択培地など)の選択から生じる多数の改変の可能性を提供する。さらに当業者には明白であるが、本明細書に記載された実施例は、現実的に実施される可能性に関して、ほんの一部の選択を代表しているに過ぎない。
【0025】
PAMを用いた「インビトロ」でのアミド化の1つの代替法は、1つの同じ宿主細胞内で、酵素をアミド化しようとする前駆タンパク質と共に共発現する場合に生じる。これは、宿主細胞内に、宿主特異的な調節配列の制御下でPAM活性をコードする遺伝子配列を導入することによって達成される。この発現配列は、対象の染色体DNA配列に安定的に組み入れてもよいし、または標的タンパク質のための発現プラスミドと並べて、第二のプラスミドに存在させてもよいし、または1つの同じベクター内に第二の発現カセットとして組み込んでもよく、または同じプロモーター配列の制御下で標的タンパク質をコードする遺伝子配列と同調する多シストロン性の発現単位でクローニングしてもよい。
【0026】
従って、本発明は、式Iで示されるペプチド、または式Iに少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、特に少なくとも90%の相同性を示すそれらの誘導体の、生物工学的な製造方法を含む。
【0027】
本発明に係る方法は、ペプチド前駆体を合成し、続いてこれを、酵素の存在下で直接的に、または1個もしくはそれ以上の塩基性アミノ酸、もしくはそれらの誘導体を順に連結させることによって、好ましくはリシン、ヒスチジンおよび/もしくはアルギニン残基を順に連結させることによって、特にリシンを連結させることによって(ここにおいて、この配列は、C末端がアミド化される)、式Iに相当するペプチドに変換する組換え生物を製造するという点で特徴付けられる。
【0028】
また、本発明のさらなる目的は、医薬製品または医薬製剤を製造するための、好ましくは糖質代謝障害を治療するための、特に好ましくは糖尿病を治療するための、本発明に係る方法によって製造された本発明に係る式Iで示される化合物または式IIで示されるC末端をアミド化したペプチド、特に配列番号1または2に記載の化合物の使用である。
【実施例】
【0029】
実施例1.AVE144−GlyをコードするE.コリに特異的なDNA配列の合成
まず第一に、ペプチドAVE144−Gly(配列番号2)をコードする遺伝子配列(配列番号3)を調製した:
配列番号3:
【化3】

【0030】
PCR技術を用いて遺伝子配列の合成を行った。このために、以下の5種のプライマーを化学的なDNA合成によって合成した。この合成を、エクスペディット(ExpediteTM)DNA合成システムを用いて行った。
【0031】
a)プライマーzp5uは、以下の配列(配列番号4)を有する:
【化4】

配列番号4は、センス鎖の領域1〜23を含む。
【0032】
b)プライマーzp3aは、以下の配列(配列番号5)を有する:
【化5】

配列番号5は、アンチセンス鎖の領域1〜59を含む。
【0033】
c)プライマーzp3bは、以下の配列(配列番号6)を有する:
【化6】

配列番号6は、アンチセンス鎖の領域40〜108を含む。
【0034】
d)プライマーzp3cは、以下の配列(配列番号7)を有する:
【化7】

配列番号7は、アンチセンス鎖の領域91〜164を含む。
【0035】
e)プライマーzp3dは、以下の配列(配列番号8)を有する:
【化8】

配列番号8は、アンチセンス鎖の領域144〜197を含む。
【0036】
これらのプライマーを用いて、4回のPCR反応を、標準条件下で、54℃で連続的に行った。反応1において、プライマーzp3aおよびzp5uそれぞれ100ngを用いた。PCRのサイクル数は5とした。反応2において、反応物の40分の1を、プライマーzp5uおよびzp3bそれぞれ100ngで10サイクルで処理した。反応3において、反応2の産物の40分の1を、プライマーzp5uおよびzp3cそれぞれ100ngでさらに10サイクルで処理した。最後に、25回のPCRサイクルで、反応3からの産物の40分の1と、プライマーzp5uおよびzp3dとを用いて、所望のDNAフラグメントを合成し、その長さをゲル電気泳動でチェックした。所望のDNAフラグメントを精製し、製造元(ニューイングランドバイオラボ)の説明書に従って制限酵素EcoR1、続いてHind3と反応させた。
【0037】
平行して、プラスミドpUC19(ニューイングランドバイオラボ)のDNAを、酵素EcoR1とHind3で処理した。1.2%アガロースゲルを用いて切断処理した混合物からフラグメントを分離し、残りのpUC19由来のベクターフラグメントと反応4からの所望の生成物を単離した。精製したフラグメントを、T4リガーゼ反応によって16℃で一晩ライゲーションした。続いて、コンピテントE.コリ細胞(ストラタジーン(Stratagene)、E.コリXL10ゴールド株(E.coli XL10Gold))を、上記のライゲーション混合物で形質転換し、25mg/lアンピシリンを含む寒
天プレート上で平板培養した。個々のクローンからプラスミドDNAを単離し、DNA配列解析によって特徴を調べた。
【0038】
所望のフラグメントを有するプラスミドDNAを、pSCHPUCZP10と命名した。これを、E.コリK12細胞中で本発明に係るペプチド前駆体を合成する発現ベクターを製造するための出発原料として用いた。
【0039】
実施例2:ペプチド前駆体AVE144−Glyをコードする発現ベクターの構築
ペプチドAVE144−Glyを製造するために、そのコード配列を、インビトロジェン社製のベクターpThioHisA(カタログ番号K360−01)に導入した。エンテロキナーゼ認識配列DDDDKを介してペプチド前駆体AVE144−Glyと連結したチオレドキシンを含む融合タンパク質を形成した。エンテロキナーゼ(インビトロジェン)での処理により、AVE144−Glyを切り離した。これは、実施例7(以下)に従ってPAM(和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemicals Ind.Ltd.))の存在下で標的タンパク質AVE144−NH2に変換できる。
【0040】
以下の配列を有する2種のプライマーを合成した:
BamH1切断部位を有するプライマーZp_thiohisf(配列番号9):
【化9】

EcoR1切断部位を有するプライマーZP_thiohisrev(配列番号10):
【化10】

【0041】
PCR反応で、標準条件下で、プライマーZp_thiohisfとZP_thiohisrevを、テンプレートとしてのpSCHPUCZP10のDNAと共に用いた。PCRフラグメントを製造し、酵素BamH1およびEcoR1で切断した後、これを、BamH1およびEcoR1でそれに対応して開環させたpTHIOHisAベクターに、T4リガーゼ反応で直接挿入した。コンピテントE.コリBL21細胞をライゲーション混合物で形質転換し、25mg/lアンピシリンを含む選択用寒天上で平板培養した。いくつかのクローンからプラスミドDNAを再び単離し、PCR、続いてDNA配列解析で解析した。所望の陽性クローンをpTHIOHisAZP10−Glyと命名し、これを、米国特許第5496924号の実施例14と同様にして融合タンパク質の発現に関してチェックした。陽性発現解析に基づいて、1つのクローンを選択し、より大量の試料を製造するために発酵させた。形成された融合タンパク質は、エンテロキナーゼ認識配列を介してAVE144−Glyと連結したチオレドキシンを含む(配列番号12)。
【0042】
米国特許第5496924号(その内容は、参照により本願に組み入れる)は、原則的に特別に設計された融合タンパク質の生産が可能な発現系を提案している。この系の利点は、小さいバラスト含量を有する(with a small ballast content)融合タンパク質を生産することができることにある。配列セグメントA−Bが、エンテロキナーゼ認識配列DDDDKを介してAVE144−Glyと融合している場合、以下の遺伝子およびアミノ酸配列(配列番号11および12)を有する融合タンパク質が得られる:
配列番号11:
【化11】

配列番号12:
【化12】

【0043】
コード遺伝子配列の調製をPCR技術によって行った。このために、以下のプライマーを合成した:
1)プライマーpsw3_zpcolf(配列番号13):
【化13】

【0044】
従って、このプライマー配列は、エンテロキナーゼ認識部位、およびAVE144−Glyコード配列の開始部位をカバーしている。
【0045】
2)プライマーpsw3_zpcolrev(配列番号14):
【化14】

【0046】
従って、この配列は、米国特許第5496924号の表1に従って、アミノ酸34〜38、およびアミノ酸であるメチオニンに関するコドンの3分の2をカバーしている合成インターロイキン−2の配列に相当する。プライマー配列の残りは、プライマーpsw3_zpcolfとオーバーラップする。
【0047】
3)pBprimef1(配列番号15):
【化15】

【0048】
このプライマーは、プラスミドpK50(米国特許第5496924号の図33)に含まれるEcoR1切断部位と上流側でハイブリダイゼーションする。
【0049】
4)Hind3切断部位を有するpsw3_zp10colrev(配列番号16):
【化16】

【0050】
平行して2種のPCRを行った。一方は、プラスミドpK50のDNAで、プライマー対pBprimef1およびpsw3_zpcolrevを用いて50℃で行い、他方の反応は、プラスミドpTHIOHisAZP10−GlyのDNAで、プライマー対psw3_zpcolfおよびpsw3_zp10colrevを用いて54℃で行った。そのPCR産物をゲル電気泳動によって分離した後、精製し、それぞれのアリコートの1つを1:1の比率で混合し、続いてプライマー対pBprimef1およびpsw3_zp10colrevを用いた第三のPCRで反応させた。そのPCR産物を酵素EcoR1およびHind3で処理し、これらの酵素で平行して、開環したプラスミドpK50に、T4リガーゼ反応で挿入した。コンピテントE.コリBL21細胞を、ライゲーション混合物で形質転換し、25mg/lアンピシリンを含む選択的な寒天上で平板培養した。いくつかのクローンからプラスミドDNAを再び単離し、PCR、続いてDNA配列解析で解析した。陽性クローンをpBZP100と命名し、融合タンパク質の発現に関してチェックした。
【0051】
その発現産物をマススペクトロメトリーとSDS−PAGEで分析し、N末端をタンパク質配列解析によって決定した。より大量の試料を発酵するのに適したクローンを選択した。
【0052】
実施例3:実施例2で構築された系の発酵
標的ペプチド誘導体(融合タンパク質)をコードする様々なプラスミドベクターで形質転換されたE.コリBL21細胞を、無機塩培地または複合培地(実施例1を参照)を含む発酵槽中で、30℃または37℃、pH7.0で培養した。NH4+溶液(26%水溶液)を用いてpH調整を行った。培養ブロス中の溶存酸素を30%で一定に維持する制御法によって培養物への通気を確保した。無機塩培地の流加プロセスにおいて、バッチ段階の完了後、グルコース溶液(60%w/v)を供給した(8g/L/時間〜26g/L/時間で)。タンパク質発現の誘導を、IPTGの添加によって(最終濃度(f.c.)1〜4mM)行った。誘導時間は6〜8時間とした。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)で標的タンパク質の発現を検出した。
【0053】
E.コリBL21/pBZP100中でのAVE144−Gly(−融合タンパク質)の発現を、以下に記載しているように行った:
−80℃で保存したE.コリBL21細胞の恒久培養物から細胞懸濁液100μLを回収し、前培養培地0.5L中で37℃で振盪しながら10〜16時間インキュベートした。発酵槽中のメインの培養物に、適切な量の前培養物を用いてOD600が0.01〜0.05の植菌密度で植え付けた。
【0054】
前培養培地
5g/Lのバクトトリプトン、
10g/Lの酵母抽出物、
5g/LのNaCl。
【0055】
メインの培養
炭素源としてグルコースをベースとした規定の無機塩培地(最少培地)(Jeffrey H Miller:Experiments in Molecular Genetics,コールドスプリングハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)(1972))。
【0056】
最初にメインの培地中に存在するグルコースが消費された後、そこにグルコース溶液を供給した。IPTG(f.c.は1mM)添加によって誘導されたタンパク質発現と、誘導後の融合タンパク質の最大発現を観察した。
【0057】
例えばノヴェックス社(Novex)製のSDS−PAGE解析システム(NuPage(R)ノヴェックス12%ゲルシステム,インビトロジェン(InvitrogenTM))を用いて、製造元の説明書に従って、異なる培養時点で発酵槽から回収した細胞懸濁液のOD600nmが0.02の部分を解析した。
【0058】
実施例4:融合タンパク質の精製
BZP−AVE144−Gly融合タンパク質の単離
組換えE.コリ株(バイオマス200g)を、トリス緩衝液(50mMトリス/HCl,pH7.4;1mMのEDTA)300mlに再懸濁した。2倍高圧で均質化することによって(ラニー(Rannie)製の高圧ホモジナイザー,1000bar)細胞を崩壊させた。ホモジネート中の不溶性成分を遠心分離によって除去した。加圧下で上清をろ過し(ザルトリウス(Sartorius)製の0.22μmフィルター,タイプ111)、緩衝液(50mMトリス/HCl,pH7.3;1mMのEDTA)で予め平衡化させたクロマトグラフィーカラム(ソースS(Source S),アマシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences))上にアプライした。サンプルをアプライした後に、平衡緩衝液(カラム体積の2倍)で洗浄工程を行い、続いて、10%高塩濃度緩衝液(50mMトリス/HCl,pH7.3;1MのNaCl,1mMのEDTA)でさらなる洗浄工程を行った。高塩濃度緩衝液をカラム体積の5倍以上で用いて塩濃度勾配を適用することによって分画化を行った。個々の分画の融合タンパク質含量を、SDSゲル電気泳動(NuPage(R)ノヴェックス12%ゲルシステム,インビトロジェン)によって試験した。融合タンパク質を含む分画を合わせ、5〜10倍に濃縮した(ミリポア(Millipore)製の限外ろ過セル,10kDaで分離する膜)。緩衝液をエンテロキナーゼ緩衝液(50mMトリス/HCl,pH7.4;50mMのNaCl,2mMのCaCl2)に交換することによるプロテアーゼ切断反応に、この濃縮物を直接用いるか、または切断反応の前に、ゲルろ過(スーパーデックス75(Superdex 75),アマシャム・バイオサイエンス)によってさらに精製した。
【0059】
エンテロキナーゼ(インビトロジェン)を製造元の説明書に従って用いて、エンテロキナーゼ緩衝液(20mMトリス/HCl,50mMのNaCl,2mMのCaCl2,pH7.4)中で融合タンパク質の切断を行った。
【0060】
実施例5:配列番号3を含むチオレドキシン融合タンパク質の精製
組換えE.コリ株(バイオマス200g)を、50mMトリス緩衝液(pH7.4;1mMのEDTA)に再懸濁した。2倍高圧で均質化することによって(ラニー製の高圧ホモジナイザー,1000bar)細胞を崩壊させた。ホモジネート中の不溶性成分を遠心分離によって除去した。加圧下で上清をろ過し(ザルトリウス製の0.22μmフィルター,タイプ111)、緩衝液(50mMトリス/HCl,pH7.4;1mMのEDTA)で予め平衡化させたクロマトグラフィーカラム(ソースQ,アマシャム・バイオサイエンス)上にアプライした。サンプルをアプライした後に、平衡緩衝液(カラム体積の2倍)で洗浄工程を行い、高塩濃度緩衝液をカラム体積の6倍以上で用いて(50mMトリス/HCl,pH7.4;0.3MのNaCl,1mMのEDTA)塩濃度勾配を適用することによって、分画化を行った。個々の分画の融合タンパク質含量を、SDSゲル電気泳動(NuPage(R)ノヴェックス12%ゲルシステム,インビトロジェンTM)によって試験した。融合タンパク質を含む分画を合わせ、5〜10倍に濃縮した(ミリポア製の限外ろ過セル,10kDaで分離する膜)。この濃縮液を、ゲルろ過クロマトグラフィー(スーパーデックス75,アマシャム・バイオサイエンス)によってさらに分画した。予め平衡化したカラム(50mMトリス/HCl,pH7.4;200mMのNaCl)に、濃縮した融合タンパク質溶液をカラム体積の5%までローディングした。平衡緩衝液でリンスすることによって溶離を行った。SDSゲル電気泳動(NuPage(R)ノヴェックス12%ゲルシステム,インビトロジェンTM)によって、個々の分画の融合タンパク質含量を再度試験した。適切な分画を合わせ、約5mg/mlに濃縮し(ビバスピン(Vivaspin)濃縮装置,10kDで分離,ビバサイエンス(Vivascience))、緩衝液のエンテロキナーゼ緩衝液(20mMトリス/HCl,pH7.4;50mMのNaCl)への交換を、透析ろ過(diafiltration)ユニット(ビバサイエンス)によって行った。
【0061】
次に、実施例4と同様にエンテロキナーゼを用いて、前駆体段階のAVE144−Gl
yをプロセシングした。
【0062】
実施例6:エンテロキナーゼによる切断反応液からの切断産物の分離
エンテロキナーゼを用いて融合タンパク質を切断した後、イオン交換クロマトグラフィー(ソース30S,アマシャム・バイオサイエンス)で切断産物をそれぞれ分離した。この溶液のイオン強度を、塩化ナトリウムの添加によって約10mS/cmに調製した。予め平衡化したカラム(20mMトリス/HCl,pH7.4;NaClで伝導率を約10mS/cmに調製した)にタンパク質溶液をアプライした後、未結合物質を、緩衝液(20mMトリス/HCl,pH7.4;NaClで伝導率を約10mS/cm調製した)で洗浄して除いた。AVE144−Glyペプチドの溶離を、500mMのNaClまでの濃度勾配をカラム体積の10倍以上でアプライすることによって行った。
【0063】
AVE144を含む分画またはAVE144への前駆体段階の同定を、SDSゲル電気泳動、HPLCおよびマススペクトロメトリーによって行った。適切な分画を合わせ、有機溶媒を除去した後、凍結乾燥した。
【0064】
最終的に、アミノ酸配列を確認するために、エドマン(Edman)によって単離されたAVE144−Glyを完全に配列解析した。
【0065】
実施例7:AVE144−GlyのAVE144−NH2への変換
この反応を、酵素PAM(ペプチジル−グリシン−アミド化酵素,和光純薬工業株式会社(注文番号161−16971))を製造元の反応条件に関する説明書に従って用いて行った。
【0066】
以下の溶液を作製した:
1μMのCuSO4
5mMのKI、
3mMのアスコルビン酸ナトリウム、
230U/mlのカタラーゼ(ウシ,フルカ(Fluka))、
600U/mlのPAM(和光純薬)、
0.001%トリトン(Triton)X−100を含む0.1Mのトリス/HCl(pH7.0)。
【0067】
この溶液を37℃で1時間プレインキュベートし、AVE144Glyタンパク質溶液(トリス/HCl,pH7.0,最終濃度80μg/ml)を添加した。次に、この反応混合物を37℃でさらにインキュベートした。異なる時間でサンプリングすることによって反応経過を追った。最大の変換がなされた時点で、50mMのEDTA溶液を添加することによって反応を止めた。
【0068】
次に、この反応混合物を、イオン交換クロマトグラフィー(ショウデックス社(Shodex Co.),カラムタイプIEC CM−825(8×75mm))で分離した。
このカラムに、以下の濃度勾配を適用した:
溶離液A−40mMolのリン酸緩衝液(pH7)+20%アセトニトリル、
溶離液B−50mMolのリン酸緩衝液(pH7)+1MのNaCl。
【0069】
このカラムを、室温で、2ml/分または1ml/分の通過流速(throughfloro rate)で稼働させた。
【0070】
溶離した分画(280nmで検出)を回収し、関連するペプチドの質量をMALDI−MSによって測定した。ブルカー(BRUKER)製のリフレックスIV(Reflex)タイプの装置を用いてマススペクトロメトリー分析を行った。このサンプルをMALDI−MS解析に直接用いるか、または50%TAaq(1:1の0.1%TFA+50%アセトニトリル)で約50pmol/μlの濃度に希釈した。
【0071】
AVE144−NH2の期待された質量が確認された。得られた産物はさらなる製薬用途に供給することができる。
【0072】
従って、当業者既知の方法で、生物学的に活性なペプチドまたはペプチド誘導体に適切な医薬製剤用の添加剤を添加することによって医薬製剤を製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
(AS)n−Xmp (式I)
[式中、
ASは、1個またはそれ以上の遺伝学的にコード可能なアミノ酸であり;
nは、5〜2000であり、好ましくは10〜1000、特に15〜500、非常に好ましくは20〜400であり;
Xは、1個もしくはそれ以上の塩基性アミノ酸、またはそれらの誘導体であり、好ましくはリシン、ヒスチジンおよび/またはアルギニンであり、特にリシンであり;
mは、1〜15であり、好ましくは3〜10であり、特に6〜8であり;
Yは、1またはそれ以上の中性の電荷を有するアミノ酸であり、好ましくはグリシンであり;
pは、1〜10であり、好ましくは1〜5であり、特に1であり;
ここにおいて、n、mおよびpは整数であり、(AS)nおよび/または(AS)n−Xmは、好ましくは生物学的に活性なペプチドまたはタンパク質である]
で示される化合物。
【請求項2】
配列番号2で定義される請求項1に記載の化合物、および少なくとも60%の相同性を有するそれらの生物学的に活性な誘導体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物をコードする核酸分子。
【請求項4】
DNAまたはRNAである、請求項3に記載の核酸分子。
【請求項5】
cDNAである、請求項3または4に記載の核酸分子。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の核酸分子を含む発現カセット。
【請求項7】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の核酸分子、または請求項6に記載の発現カセットを含むベクターであって、ここで該ベクターは場合により調節配列を含むベクター。
【請求項8】
発現ベクターである、請求項7に記載のベクター。
【請求項9】
細菌または酵母中で発現させるための、請求項7または8に記載のベクター。
【請求項10】
a)請求項3〜5のいずれか一項に記載の核酸分子、
b)請求項6に記載の発現カセット、または
c)請求項7〜9のいずれか一項に記載のベクター、
を含む宿主細胞。
【請求項11】
細菌細胞または酵母細胞である、請求項10に記載の宿主細胞。
【請求項12】
さらに酵素PAMを共発現する、請求項10または11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
請求項2または3に記載の核酸分子を含む、インビトロでの発現系。
【請求項14】
さらに酵素PAMを共発現する、請求項13に記載のインビトロでの発現系。
【請求項15】
一般式II:
(AS)n−Xm−NH2 (式II)
[式中、
ASは、1個またはそれ以上の遺伝学的にコード可能なアミノ酸であり;
nは、5〜2000であり、好ましくは10〜1000、特に15〜500、非常に好ましくは20〜400であり;そして
(AS)nおよび/または(AS)n−Xmは、好ましくは生物学的に活性なペプチドまたはタンパク質であり、
Xは、1個もしくはそれ以上の塩基性アミノ酸、またはそれらの誘導体であり、好ましくはリシン、ヒスチジンおよび/またはアルギニンであり、特にリシンであり;
mは、1〜15であり、好ましくは3〜10であり、特に6〜8であり;ならびに、
nおよびmは整数である]
で示されるC末端をアミド化したペプチドの製造方法であって、
a)請求項10〜12で定義された宿主細胞、または請求項13または14で定義された発現系を、適切な栄養培地中で培養し、
b)請求項1に記載の化合物を発現させ、
c)場合により、請求項1に記載の化合物を、酵素による切断、または化学的な切断によって適切なペプチド前駆体から切り離し、
d)工程b)からの発現産物、または工程c)からの中間生成物を、場合により精製工程を行った後、α−アミド化酵素と反応させ、
e)適切な方法で、好ましくは分取用クロマトグラフィーを用いた方法によって、一般式IIで示されるC末端をアミド化したペプチドを精製する、
ことからなる、上記方法。
【請求項16】
請求項2で定義された化合物、好ましくは配列番号2に記載の化合物を製造するための、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に従って定義された化合物は、酵素的な切断によって、適切なペプチド前駆体から切り離される、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に従って定義された化合物は、酵素エンテロキナーゼによって、適切なペプチド前駆体から切り離される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
医薬製品または医薬製剤を製造するための、請求項15〜18のいずれか一項に従って得られたC末端をアミド化したペプチドの使用。
【請求項20】
医薬製品または医薬製剤を製造するための、請求項1または2に記載の化合物の使用。
【請求項21】
糖質代謝障害を治療する医薬を製造するための、請求項19または20に記載の使用。
【請求項22】
糖尿病を治療する医薬を製造するための、請求項21に記載の使用。

【公表番号】特表2008−521415(P2008−521415A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543728(P2007−543728)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012365
【国際公開番号】WO2006/058620
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】