説明

カルボニル化プロセス

メタノール、酢酸メチル、及び/又はジメチルエーテルを脱ケイ素モルデナイト触媒存在下で一酸化炭素を用いてカルボニル化することにより酢酸及び/又は酢酸メチルを製造するプロセス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱ケイ素(desilicated)モルデナイト触媒の存在下でメタノール及び/又はその反応性誘導体をカルボニル化するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
モルデナイトは、芳香族化合物のアルキル化、(ハイドロ)異性化、クラッキング等の多くの炭化水素変換プロセスにおける触媒としての使用が知られている。そのような炭化水素変換反応におけるモルデナイトの触媒性能の向上は複数の研究調査の対象となっている。非脱アルミニウムモルデナイトを脱ケイ素するための水酸化ナトリウムの使用が国際公開第2008/147190号パンフレット(特許文献1)に記載されている。この処理されたモルデナイトはベンゼンのアルキル化における触媒性能の向上を示した。
【0003】
2−メチル−2−ペンテンの異性化及びベンゼンのアルキル化におけるメソ多孔性モルデナイトの触媒挙動がXianfeng et al, Synthesis and characterisation of mesoporous mordenite, Journal of Catalysis 262 (2009) 257−265(非特許文献1)で研究されている。このメソ多孔性モルデナイトは、モルデナイトを水酸化ナトリウム及び/又は硝酸で処理することで調製された。異性化反応において、酸処理されたモルデナイトよりも未処理モルデナイトの方が2−メチル−2−ペンテンの変換に優れていることが見出された。ベンゼンのベンジル化におけるベンジルアルコールの変換は、未処理モルデナイト及び酸処理モルデナイトのいずれを用いた場合にも3%未満であった。アルキル化反応の結果は、反応の性質が異なるため、異性化反応の結果とは異なることが報告されている。
【0004】
一般的に、酸及び/又は塩基を用いてゼオライトを処理した結果は、1つの種類のゼオライトから別の種類のゼオライト、又は1つの反応タイプから異なる反応タイプを直接推測することはできない。
【0005】
モルデナイトは、メタノール及び/又はその反応性誘導体の気相カルボニル化における触媒としての使用が開示されている。例えば、国際公開第2006/121778号パンフレット(特許文献2)は、実質的無水条件下、モルデナイト又はフェリエライト触媒の存在下でジメチルエーテル等の低級アルキルエーテルを一酸化炭素を用いてカルボニル化することによる、低級脂肪族カルボン酸の低級アルキルエステルの製造プロセスを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2008/147190号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/121778号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Xianfeng et al, Synthesis and characterisation of mesoporous mordenite, Journal of Catalysis 262 (2009) 257−265
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
カルボニル化プロセス、特に酢酸及び/又は酢酸メチルを製造するためのメタノール及び/又はそのエステル誘導体若しくはエーテル誘導体のカルボニル化におけるモルデナイトのカルボニル化触媒活性及び/又はカルボニル化生成物への選択性を向上させることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
今回、触媒としてモルデナイトを使用するカルボニル化反応において、脱ケイ素処理したモルデナイトを使用することで触媒性能を向上させることができることを見出した。
【0010】
したがって、本発明は、メタノール、酢酸メチル、及びジメチルエーテルから選択されるカルボニル化可能な反応物質を触媒存在下で一酸化炭素を用いてカルボニル化することにより酢酸及び酢酸メチルの少なくとも1つを製造するプロセスであって、触媒が脱ケイ素モルデナイトである、プロセスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
モルデナイトの構造は周知であり、例えばThe Atlas of Zeolite Framework Types (C. Baerlocher, W. M. Meier, D. H. Olson, 5th ed. Elsevier, Amsterdam, 2001)に記載されている。ウェブベースのバージョン(http://www.iza−structure.org/databases/)は、モルデナイトを含むゼオライトのトポロジー的及び構造的詳細の概要である。
【0012】
モルデナイトは商業的に入手することもでき、合成することもできる。市販されているモルデナイトの形態には、ナトリウム型、酸型、及びアンモニウム型が含まれる。
【0013】
以後、脱ケイ素処理に供されるモルデナイトを「モルデナイト前駆物質」と呼ぶ。
【0014】
モルデナイト前駆物質のシリカ:アルミナ比は少なくとも12:1、例えば12〜250:1であり得る。好ましくは、モルデナイト前駆物質のシリカ:アルミナ比は20〜100:1、例えば25〜60:1である。
【0015】
ゼオライトを脱ケイ素する方法は当該技術分野で公知であり、ゼオライト骨格からケイ素を選択的に除去する。モルデナイト前駆物質を脱ケイ素して本発明のプロセス中で触媒として使用するための脱ケイ素モルデナイトを作製する方法は、当該技術分野で公知の任意の脱ケイ素法であり得る。好ましくは、モルデナイト前駆物質は、塩基の水溶液を用いた処理により脱ケイ素される。好適な塩基としては、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物が含まれる。好ましいアルカリ金属水酸化物は水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。典型的には、塩基水溶液のpHは8以上である。アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物の好適な濃度は0.01〜1.0Mである。
【0016】
脱ケイ素の程度は、塩基濃度、処理温度、及び処理が続けられる時間の長さに依存する。0.01〜1.0Mの溶液では、温度0〜100℃、期間5分〜10時間で効果的な脱ケイ素を実現することができる。50〜75℃の中程度の温度が好ましい。
【0017】
塩基処理後、脱ケイ素モルデナイトをろ過し、水で洗浄して余分な塩基を除いた後、乾燥させる。この脱ケイ素モルデナイトを本発明のプロセスにそのまま使用してもよい。あるいは、例えばアンモニウム型に変換し、その後アンモニウム型を焼成することで、H型の脱ケイ素モルデナイトを調製してもよい。
【0018】
典型的な脱ケイ素処理では、反応容器中で、シリカ:アルミナ比が15〜60:1のH−モルデナイトのサンプルに水酸化ナトリウム溶液(0.2M)を添加し、60〜70℃で10〜45分間加熱する。その後、例えば容器を氷水混合物中に浸漬して反応液を急冷し、その後、ろ過して、脱イオン水で洗浄する。ろ過及び洗浄の後、モルデナイトを乾燥させ、焼成する。乾燥は通常約110℃で行われる。H−モルデナイトを水酸化ナトリウムで処理すると、ナトリウム型の脱ケイ素モルデナイトが得られる。ナトリウム型をアンモニウム塩の水溶液で交換し、ろ過して乾燥させることで、アンモニウム型の脱ケイ素モルデナイトを調製することができる。得られた脱ケイ素アンモニウムモルデナイトを例えば450〜550℃の温度で焼成すると、脱ケイ素H−モルデナイトが得られる。
【0019】
脱ケイ素モルデナイトは本発明のプロセスにおいて触媒として使用される。
【0020】
脱ケイ素モルデナイト触媒のシリカ:アルミナ比は少なくとも10:1、例えば10〜250:1、好ましくは15〜100:1、例えば25〜60:1、より好ましくは15〜40:1であり得る。
【0021】
好ましくは、本発明のプロセスで使用するための脱ケイ素モルデナイト触媒のシリカ:アルミナ比は15〜40:1であり、シリカ:アルミナ比が20〜50:1のモルデナイト前駆物質から調製される。
【0022】
好ましい実施形態では、脱ケイ素モルデナイト触媒は、脱アルミニウムモルデナイトであるモルデナイト前駆物質から調製される。
【0023】
本発明において、「脱アルミニウム」という用語は、モルデナイトからのアルミニウムの除去を指し、骨格及び表面のアルミニウムの除去を含む。脱アルミニウム法は当該技術分野で公知であり、スチーム及び/又は酸浸出を用いたゼオライトの処理が含まれる。例えば、米国特許第3,551,353号は、スチーム及び鉱酸に交互に接触させることによるモルデナイトの脱アルミニウムプロセスを記載しており、米国特許第5,238,677号は、ゼオライトをジカルボン酸に接触させてスチーム処理することによる、モルデナイト構造を有するゼオライトの脱アルミニウムプロセスを記載している。
【0024】
好ましくは、モルデナイト前駆物質として使用される脱アルミニウムモルデナイトは、少なくとも400℃、例えば400〜600℃の温度で、モルデナイトをスチーム又は不活性ガスとスチームの混合物に接触させることにより調製され得る。脱アルミニウムが起こる程度は、スチーム処理が行われる温度、スチーム処理時間、及びモルデナイトが曝されるスチームの濃度により変わる。典型的には、スチーム処理時間は少なくとも約1時間、好ましくは少なくとも3時間である。
【0025】
モルデナイトは、鉱酸又はスチームのいずれかによる処理によって脱アルミニウムすることができるが、2つの処理を組み合わせて使用することが好ましい。したがって、スチーム処理に続けて鉱酸処理を行ってもよく、それが好ましい。鉱酸を用いた処理は、スチーム処理中に生成した余分な骨格アルミニウムを除去する。好適な鉱酸としては、塩酸及び硝酸が含まれる。典型的には、酸の濃度は0.5〜2.0Mである。酸処理は、モルデナイトチャネル内から余分な骨格アルミニウムがほぼ全て除去される時間続けられる。一般的に、酸濃度0.5〜2.0M、温度25〜100℃では、通常、1〜5時間で十分である。酸処理されたモルデナイトは、その後、ろ過され、脱イオン水で洗浄されて中性pHにされ得る。
【0026】
スチーム処理の前に、モルデナイトに一価金属を部分的に担持させることが好ましい。一価金属は、例えば元素周期表のI属又はII属に属する金属であり得る。I属金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、及びフランシウムである。これらのうち、リチウム、ナトリウム、及びカリウムが好ましく、ナトリウムが特に好ましい。II属金属は、銀、銅、及び金である。銀が好ましいII属金属である。
【0027】
モルデナイトに金属を担持させる技術は周知であり、例えば含浸(impregnation)及びイオン交換の方法が含まれる。一価金属は、含浸又はイオン交換のいずれかによってモルデナイトに担持され得る。一価金属を部分的に担持させるためには、モルデナイトに担持させる一価金属の量は、モルデナイト中に存在するアルミニウムのモル量よりも少ないべきである。
【0028】
必要に応じて、スチームによる処理の前に、金属担持モルデナイトを焼成してもよい。焼成は、(金属を部分的に担持させる前の)モルデナイトがアンモニウム型であった場合に好ましい。焼成は、アンモニアを除去してアンモニウムイオンを水素イオンに変換するために、少なくとも400℃等の高温で、数時間、空気中又は不活性ガス中で行われ得る。
【0029】
あるいは、任意のその他の公知の脱アルミニウム法が用いられ得る。好適な方法としては、アルカリ金属のヘキサフルオロケイ酸塩、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム等のヘキサフルオロケイ酸塩を用いた処理が含まれる。好適な手順は、例えばGarralon et al. Zeolites 8 (1988) 268に記載されている。
【0030】
脱アルミニウムは、モルデナイトのシリカ:アルミナ比を高める。一般的に、シリカ:アルミナ比の増加は5〜100%である。
【0031】
好ましくは、脱アルミニウムモルデナイト前駆物質のシリカ:アルミナ比は25〜50:1、例えば25〜40:1である。
【0032】
脱アルミニウムされたモルデナイト前駆物質はH型又はアンモニウム型であり得る。
【0033】
本発明のプロセスにおける触媒として使用するために、脱アルミニウムモルデナイト前駆物質を脱ケイ素処理し、脱ケイ素モルデナイトを生成する。
【0034】
好ましくは、本発明のプロセスで使用するための触媒は、H型の脱ケイ素モルデナイトである。好ましくは、本発明のプロセスで使用するための触媒は、脱アルミニウムされている脱ケイ素モルデナイトである。より好ましくは、触媒はH型の脱アルミニウム脱ケイ素モルデナイトである。
【0035】
触媒は、粉末、ペレット、又はその他の形態の押出物等の任意の好適な形態で本発明のプロセス中に使用され得る。
【0036】
触媒をバインダー材料と組み合わせてもよい。好ましくは、バインダーと組み合わされる触媒は脱アルミニウムされている。任意の好適なバインダーが使用され得る。特に有用なバインダーは、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ケイ酸マグネシウム、及びケイ酸マグネシウムアルミニウム、好ましくは、アルミナ又はシリカ−アルミナから選択される群の1又は複数等の無機酸化物材料である。好適なアルミナの例としては、ベーマイト型のアルミナ及びガンマアルミナが含まれる。
【0037】
好ましくは、バインダーは、無機酸化物が高温で安定であるような、特に触媒の焼成に使用され得る温度、例えば少なくとも400℃の温度、例えば400〜550℃の温度で安定であるような、耐熱(refractory)無機酸化物である。
【0038】
好適なバインダーは、メソ多孔性であり得、例えばメソ多孔度(mesoporosity)が1〜500m/gの無機酸化物であり得る。メソ多孔度とは、窒素BETにより測定されるメソ細孔(mesopore)の全表面積とバインダーの外部表面積の合計を意味する。メソ細孔とは、直径が2〜50ナノメートルの細孔である。
【0039】
好ましくは、メソ多孔性バインダーは更に、低いミクロ多孔度(microporosity)、例えば1〜100m/g、好ましくは1〜10m/gのミクロ多孔度を有する。ミクロ多孔度とは、窒素BETにより測定されるミクロ細孔(micropore)の全表面積とバインダーの外部表面積の合計を意味する。ミクロ細孔とは、直径が2ナノメートル未満の細孔である。
【0040】
好ましくは、バインダーは、触媒の10〜80重量%、好ましくは触媒の20〜65重量%、より好ましくは触媒の35〜65重量%の量で存在し得る。
【0041】
好ましくは、本発明のプロセスに使用するための触媒、特に脱アルミニウムされている触媒は、シリカ、アルミナ、及びシリカ−アルミナの1又は複数から選択される耐熱無機酸化物であるバインダーと組み合わされてよく、この無機酸化物はメソ多孔性であり、好ましくはメソ多孔度が50〜500m2/gの無機酸化物である。
【0042】
本発明のプロセスでは、メタノール及び/又はその反応性誘導体が一酸化炭素でカルボニル化される。メタノールの代替物として又はメタノールに加えて使用され得るメタノールの反応性誘導体としては、酢酸メチル及びジメチルエーテルが含まれる。メタノールとその反応性誘導体の混合物、例えばメタノールと酢酸メチルの混合物を使用してもよい。ジメチルエーテルがカルボニル化可能な反応物質である場合、炭酸ジメチル等の任意の好適なジメチルエーテル源からその場(in−situ)でジメチルエーテルが生成されてもよい。例えば、液体炭酸ジメチルをガンマアルミナと接触させて炭酸ジメチルをジメチルエーテル及び二酸化炭素に分解してよい。
【0043】
使用されるカルボニル化可能な反応物質の性質に応じて、本発明のプロセスは、含水条件化で行われてもよく、実質的無水条件下で行われてもよい。
【0044】
好ましくは、カルボニル化可能な反応物質として酢酸メチルが用いられる場合、プロセスは水の存在下で行われる。水は、酢酸メチル:水のモル比が50:1〜2:1でフィード中に存在し得る。
【0045】
カルボニル化可能な反応物質がジメチルエーテルである場合、水がカルボニル化を阻害することが分かっているので、ジメチルエーテルを反応物質として使用する場合、プロセスは実質的無水条件下で行われることが好ましい。「実質的無水(substantially anhydrous)」とは、プロセス中、水が可能な限り少なく保たれていることを意味する。そのために、反応物質であるジメチルエーテル及び一酸化炭素(及び触媒)を、プロセスに導入する前に乾燥させることが好ましい。しかし、少量の水は、酢酸メチル生成物の形成に悪影響を与えず、許容され得る。好ましくは、水は、ジメチルエーテルの量に対して2.5wt%未満、例えば0.5wt%未満の量で存在し得る。
【0046】
一酸化炭素が主要成分である混合ガスを使用することが望ましいが、使用される一酸化炭素の純度は特に重要とは見なされない。窒素、希ガス等の不純物が少量存在しても許容され得る。一酸化炭素を水素と混合して使用してもよい。好ましくはCO:H比は、モルベースで1:3〜15:1、例えば1:1〜10:1である。例えば、炭化水素(合成ガス)の改質又は部分的酸化により生成する一酸化炭素と水素の混合物も本発明のプロセスに使用され得る。
【0047】
本発明のプロセスは、好ましくは、メタノール蒸気及び/又はジメチルエーテル蒸気並びに一酸化炭素ガスを、必要に応じて水素存在下で、所望の温度及び圧力に維持した触媒の固定床又は流動床を通過させることで行われる。
【0048】
好ましくは、プロセスは100〜400℃、例えば150〜350℃の温度で行われ得る。
【0049】
プロセスは1〜100barg、例えば10〜100bargの圧力で行われ得る。
【0050】
一酸化炭素とカルボニル化可能な反応物質のモル比は好ましくは1:1〜99:1、例えば1:1〜60:1である。
【0051】
プロセス中に水素が存在してもよく、水素は少なくとも0.1barg、例えば1〜30bargの分圧で存在し得る。
【0052】
ガス空間速度(GHSV)は好ましくは500〜40,000h−1、例えば2000〜10,000h−1である。
【0053】
プロセス中で使用する前に、例えば窒素、一酸化炭素、又は水素流下で少なくとも1時間高温に触媒を曝すことで、触媒を活性化する。
【0054】
所望であれば、カルボニル化可能な反応物質を触媒床の直前にアルミナ床又はコランダム床に接触させてもよい。
【0055】
好ましくは、本発明のプロセスはヨウ化物等のハロゲン化物の実質的非存在下で行われる。実質的とは、フィードガス及び触媒のハロゲン化物含有量、例えばヨウ化物含有量が500ppm未満、好ましくは100ppm未満であることを意味する。
【0056】
プロセスは固定床、流動床、又は移動床プロセスとして行われ得る。
【0057】
プロセスは連続プロセス又はバッチプロセスとして行われ得、好ましくは連続プロセスとして行われ得る。
【0058】
プロセスの生成物は酢酸及び/又は酢酸メチルである。カルボニル化可能な反応物質がメタノールである場合、カルボニル化生成物は酢酸であるが、カルボニル化の程度に応じて酢酸メチルも生成し得る。
【0059】
カルボニル化可能な反応物質がジメチルエーテルである場合、プロセスの主要生成物は酢酸メチルであるが、少量の酢酸も生成し得る。
【0060】
本発明のプロセスにより生成した酢酸は、蒸気の形態で回収し、その後液体に凝縮することができる。酢酸はその後、蒸留等の従来技術を用いて精製することができる。
【0061】
酢酸メチルがプロセスの生成物である場合、少なくとも一部は、カルボニル化反応生成物から回収されてそのまま売られてもよく、且つ/又はカルボニル化反応器にリサイクルされてもよく、且つ/又は少なくとも一部は、回収されてそのまま別の化学的プロセスのフィードストックとして使用されてもよく、且つ/又はその少なくとも一部は、酸触媒存在下での反応蒸留等の公知の技術を用いて酢酸へと加水分解されてもよい。
【0062】
以下に実施例を用いて本発明を説明する。
【実施例1】
【0063】
触媒調製
触媒A:脱ケイ素脱アルミニウムH−モルデナイト
触媒Aの調製に用いたモルデナイト前駆物質は脱アルミニウムH−モルデナイトである。
【0064】
脱アルミニウムH−モルデナイトは、一価金属の担持、焼成、スチーム処理、及び鉱酸を用いた処理によりアンモニウムモルデナイトから調製した。
【0065】
50gのアンモニウムモルデナイト(CBV21A、ゼオリスト・インターナショナル社(Zeolyst International)製;シリカ:アルミナ比20:1)を、120mlの脱イオン水中で3.02gのNaNO(35.5mmol)と混合して室温で16時間撹拌した。次いで、減圧下で水を除去し、得られた固形分をオーブン中で温度110℃にて20時間乾燥させ、その後、静止空気下で500℃にて3時間焼成して、ナトリウムを部分的に担持したH−モルデナイトを生成した。
【0066】
20gのナトリウム担持H−モルデナイトを、15〜20cmのガラス製ラシヒリングを詰めた石英管中に固定した。温度プログラム(10分かけて周囲温度から90℃、90℃で30分維持、10分かけて110℃に加熱、110℃で30分維持、その後、60分かけて500℃に加熱し、その温度で4時間維持)を用いて500℃に加熱したこの管に窒素(80cm−1)をフィードした。500℃で管に脱イオン水をフィード(1ml・分−1)することでスチームを4時間発生させた後、水流を止めた。次いで、窒素雰囲気流下で石英管を周囲温度に冷却した。
【0067】
次いで、20gのスチーム処理されたモルデナイトをHCl水溶液(200ml、1M)を用いて80℃で1時間処理した。溶液をろ過し、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄して固形分から微量の塩化物イオンを全て除去し、その後、オーブン中で110℃にて20時間乾燥させた。乾燥させた固形分(脱アルミニウムH−モルデナイト)を誘導結合プラズマ原子発光分光分析(ICP−OES)により分析した結果、シリカ:アルミナ比は35:1であった。
【0068】
次いで、以下のように水酸化ナトリウム溶液を用いた処理により脱アルミニウムH−モルデナイトを脱ケイ素した。
【0069】
10gの脱アルミニウムモルデナイトをNaOH水溶液(300ml、0.2M)を用いて65℃で0.5時間処理した。溶液をろ過し、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて乾燥させた。
【0070】
8.2gの乾燥固形分を、NHNO水溶液(82ml、1M)を用いて80℃で1時間交換した。交換は3回行った。3回目の交換後、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で110℃にて20時間乾燥させ、その後、静止空気下で500℃にて3時間焼成した。焼成した固形分(脱アルミニウム脱ケイ素H−モルデナイト)をICP−OESにより分析した結果、シリカ:アルミナ比は29:1であった。
【0071】
触媒B:H−モルデナイト
10gのシリカ:アルミナ比が20のアンモニウムモルデナイト(CBV21A、ゼオリスト・インターナショナル社製)を静止空気下で500℃にて3時間焼成し、H−モルデナイトを得た。
【0072】
触媒C:脱アルミニウムH−モルデナイト
量を以下のように変更したこと以外は触媒Aと同様に脱アルミニウムH−モルデナイトを調製した:(i)8gのモルデナイトをスチーム処理に供し、(ii)8gのスチーム処理モルデナイトを80mlのHClで処理した。触媒CのICP−OES分析により、シリカ:アルミナ比が37:1であることが示された。
【0073】
触媒D:脱ケイ素H−モルデナイト
以下のように水酸化ナトリウム溶液で処理することでモルデナイトを脱ケイ素した。
【0074】
40gのアンモニウムモルデナイト(CBV21A、ゼオリスト・インターナショナル社製;シリカ:アルミナ比20:1)を、NaOH水溶液(1200ml、0.2M)を用いて65℃にて0.5時間処理した。溶液をろ過し、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、その後、オーブン中で温度110℃にて乾燥させた。次いで、乾燥させた固形分(脱ケイ素モルデナイト)を以下にようにしてH型に変換した。
【0075】
10gの脱ケイ素モルデナイトを、NHNO水溶液(100ml、1M)を用いて80℃で1時間交換した。交換は3回行った。3回目の交換後、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて20時間乾燥させ、その後、静止空気中で500℃にて3時間焼成した。焼成した固形分(脱ケイ素H−モルデナイト)をICP−OESにより分析した結果、シリカ:アルミナ比は19:1であった。
【0076】
触媒A〜Dを用いたカルボニル化反応
ハステロイ製反応管に0.6mlの触媒(粒子サイズ250〜500ミクロン)及び0.2gのガンマアルミナ予備床(pre−bed)を充填した。電気加熱ジャケットを用いて触媒を加熱した。反応器及び加熱ジャケットは130℃に維持したキャビネット中に収容した。反応器を、大気圧、窒素流下で130℃に加熱し、その時点で、80mol%の一酸化炭素と20モル%の水素とのガス状混合物を流量(GHSV)5000/時間で反応器に導入した。反応器を20bargに加圧し、温度300℃に加熱し、これらの条件下に2時間維持した。次いで、液体炭酸ジメチルを反応器にフィードして76モル%の一酸化炭素、19モル%の水素、及び5モル%のジメチルエーテルを含むガスフィードを供給することでカルボニル化反応を開始させた。反応は、300℃、20barg、ガス空間速度(GHSV)5000h−1の条件下で100時間続けた。一定の反応オフガス流を取り、温度130℃で大気圧に下げ、ガスクロマトグラフィーにかけてアセチル体生成物(酢酸及び酢酸メチル)を分析した。酢酸メチル及び酢酸についての反応器排出物のガスクロマトグラフィー分析から、アセチル体生成物の空時収量(STY)を、生成した酢酸メチルと酢酸の和に相当する酢酸のモル等量として計算し、触媒1リットル当たり、1時間当たりの酢酸のグラム数として表した。結果を表1に示す
【0077】
【表1】

【0078】
表1の結果は、脱アルミニウム触媒である触媒A及びCに関して、脱ケイ素触媒Aが非脱ケイ素触媒Cよりも効果的なカルボニル化触媒であることを明確に示している。同様に、非脱アルミニウム触媒である触媒D及びBについて、脱ケイ素触媒Dは非脱ケイ素触媒Bより高いカルボニル化触媒活性を示している。
【実施例2】
【0079】
触媒調製
触媒E
50gのH−モルデナイト(BASF社製;シリカ:アルミナ比40.5:1)を、NaOH水溶液(1500ml、0.2M)を用いて65℃で0.5時間処理した。溶液をろ過し、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて乾燥させた。35gの乾燥固形分(脱ケイ素モルデナイト)を、NHNO水溶液(350ml、1M)を用いて80℃で1時間交換した。交換は3回行った。3回目の交換後、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて一晩乾燥させた。
【0080】
上記で調製した30gの脱ケイ素材料及び15gのアルミナバインダー(サソール社(Sasol)製、Pural SCF)を、自由流動粉末(free flowing powder)が得られるまでビュッヒ社製の粉末乾燥フラスコ中で一緒に穏やかにミリングすることで混合した。次いで、周囲温度、周囲圧力でローターエバポレーターを用いて速度100rpmにて1時間粉末をブレンドし、その後、静止空気雰囲気下で500℃にて3時間焼成した。
【0081】
触媒F
30gのH−モルデナイト(BASF社製;シリカ:アルミナ比40.5:1)及び15gのアルミナバインダー(サソール社製、Pural SCF)を上記触媒Eに記載した方法により組み合わせた(combine)。
【0082】
触媒E及びFを用いたカルボニル化反応
一酸化炭素を用いたジメチルエーテル(DME)のカルボニル化における触媒として使用する前に、触媒E及びFを、空気プレスを用いて13mmのダイセット中で10トンで圧縮し、破砕し、粒径125〜160ミクロンにふるい分けた。
【0083】
カルボニル化反応は、国際公開第2005063372号に記載されている種類の16個の同一の反応器からなる加圧流反応器(pressure flow reactor)ユニット中で行った。各反応器の内径は9.2mmであり、各反応器の中央に直径3.2mmの管を嵌合させ、その中に熱電対を配置した。
【0084】
125〜160μmのふるい分級物の10cmのコランダム床を各反応器中に配置した。乾燥質量ベースで(触媒を30℃/分のランプ速度で室温から600℃に加熱することにより測定される触媒の燃焼による消失により決定される)1.948g(約3ml)の触媒を3mlのコランダムで希釈してコランダム床の上に配置した。希釈された触媒を、粒径125〜160ミクロンのコランダム床11cmで覆った。ペレットサイズ125〜160ミクロンの1gのガンマアルミナ(BASF社製、SAS 250)をコランダムの上に深さ2cmで置いた。
【0085】
一酸化炭素:水素のモル比が4:1のガスフィードを反応器1個当たり12L/hの流量で用いて反応器を反応圧70barまで加圧した。次いで、反応器を1℃/分で220℃まで加熱し、その温度で滞留時間3時間維持した。次いで、温度を1℃/分で300℃に上げ、再度、滞留時間を3時間とした。次いで、ガスフィードを、モル比が70.8:17.7:6:5:0.5の一酸化炭素、水素、ジメチルエーテル、アルゴン、及び酢酸メチルの混合物に変え、総流量を反応器1個当たり12L/h、ジメチルエーテル蒸気の供給量を反応器1個当たり0.72L/h、酢酸メチル蒸気の供給量を反応器1個当たり0.06L/hとした。16個の反応器の出口間における圧力のぶれを等しくするために0〜150ml/分の可変流量で窒素を導入した。各反応器の出口流を定期的にガスクロマトグラフィーにかけ、反応物質及びカルボニル化生成物の濃度を決定した。反応は、300℃、70bar、ガス空間速度(GHSV)4000/hの条件下で263時間続けた。
【0086】
ガスクロマトグラフィー分析から、アセチル体生成物の空時収量(STY)を、生成した酢酸メチルと酢酸の和に相当する酢酸のモル等量として計算し、触媒1リットル当たり、1時間当たりの酢酸のグラム数で表した。アセチル体生成物は主に酢酸メチルであった。結果を表2に示す。
【0087】
【表2】

【0088】
表2の結果は、脱ケイ素された触媒である触媒Eが非脱ケイ素触媒である触媒Fよりも有意に効果的であることを明確に示している。
【実施例3】
【0089】
触媒調製
触媒G:脱アルミニウムH−モルデナイト
10gのナトリウムモルデナイト(CBV10A、ゼオリスト・インターナショナル社製;シリカ:アルミナ比13)を、HCl水溶液(200ml、1M)を用いた100℃で1時間の処理により脱アルミニウムした。溶液をろ過し、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて一晩乾燥させた。乾燥させた固形分(脱アルミニウムモルデナイト)をICP−OESにより分析した結果、シリカ:アルミナ比は29.5:1であった。
【0090】
5gの脱アルミニウムモルデナイトを、NHNO水溶液(50ml、1M)を用いて80℃で1時間交換した。交換は3回行った。3回目の交換後、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて一晩乾燥させ、静止空気下で500℃にて3時間焼成した。
【0091】
触媒H:脱アルミニウムH−モルデナイト
20gのナトリウムモルデナイトを環流下で1.0MのHCl水溶液400mlを用いて1時間処理したこと以外は触媒Gと同様な方法で、シリカ:アルミナ比が34:1の触媒Hを調製した。
【0092】
触媒I:脱アルミニウム脱ケイ素H−モルデナイト
10gの脱アルミニウムモルデナイト(触媒H)を、NaOH水溶液(300ml、0.2M)を用いて65℃で0.5時間処理することで脱ケイ素した。溶液をろ過し、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて乾燥させた。乾燥させた脱アルミニウム脱ケイ素モルデナイトを、NHNO水溶液(100ml、1M)を用いて80℃で1時間交換した。交換は3回行った。3回目の交換後、固形分を過剰量の脱イオン水で洗浄し、オーブン中で温度110℃にて20時間乾燥させ、静止空気下で500℃にて3時間焼成した。焼成した固形分(脱アルミニウム脱ケイ素H−モルデナイト)をICP−OESにより分析した結果、シリカ:アルミナ比は29.5:1であった。
【0093】
触媒G〜Iを用いたカルボニル化反応
カルボニル化反応は、例えば国際公開第2006107187号に記載されている種類の16個の同一の並行する等温並流管状反応器からなる加圧流反応器ユニット中で行った。反応器は、4個の反応器のブロック4つに配置され、各ブロックは独立して温度調節される。各反応器は、圧縮されて100〜160μmにふるい分けられた触媒0.072g(約100μL)が置かれた孔径20マイクロメートルの金属シンター(sinter)を有し、4000h−1のガス空間速度(GHSV)を提供する。破砕して100〜160μmにふるい分けた100μLのガンマアルミナ(SAS200、BASF社製)を触媒床の上に置いた。ガンマアルミナ床の上にカーボランダム(Carborundum)を置いた。各触媒を、反応器1個当たりの流量3.1mL/分の窒素下にて、5℃/分のランプ速度で大気圧にて300℃に加熱し、300℃で1時間維持した。次いで、窒素を、一酸化炭素が77.6mol%、水素が19.3mol%、Heが3.1mol%のガス状フィードに交換した。このガス状フィードの流量は反応器1個当たり6.1ml/分とした。次いで、圧力を60bargに上げ、2時間平衡化させた。69.7mol%の一酸化炭素、17.5mol%の水素、2.8mol%のHe、5mol%の二酸化炭素、及び5mol%のジメチルエーテルを含むガスフィードを、反応器1個当たり6.7ml/分の流量で各反応器に導入した。反応は160時間続けた。各反応器の出口流を定期的にガスクロマトグラフィーにかけ、反応物質及びカルボニル化生成物の濃度を測定した。
【0094】
ガスクロマトグラフィー分析から、アセチル体生成物の空時収量(STY)を、生成した酢酸メチル及び酢酸の和に相当する酢酸のモル等量として計算し、触媒1リットル当たり、1時間当たりの酢酸のグラム数として表した。アセチル体生成物は主に酢酸メチルであった。結果を表3に示す。
【0095】
【表3】

【0096】
触媒I及びGのシリカ:アルミナ比は同じであるが、表3の結果は、触媒I(脱ケイ素触媒)のカルボニル化触媒活性が触媒G(非脱ケイ素触媒)と比べて有意に向上していることを明確に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタノール、酢酸メチル、及びジメチルエーテルから選択されるカルボニル化可能な反応物質を触媒の存在下で一酸化炭素を用いてカルボニル化することにより酢酸及び酢酸メチルの少なくとも1つを製造するプロセスであって、前記触媒が脱ケイ素モルデナイトである、プロセス。
【請求項2】
前記脱ケイ素モルデナイトが脱アルミニウムされている、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記脱ケイ素モルデナイトが水素型である、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記脱ケイ素モルデナイトのシリカ:アルミナ比が15〜40:1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記脱ケイ素モルデナイトが、モルデナイト前駆物質をアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物の水溶液で処理することにより調製される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記モルデナイト前駆物質が、モルデナイトに一価金属を部分的に担持させ、前記部分的に担持させた金属モルデナイトをスチームで処理し、その後前記スチーム処理されたモルデナイトを鉱酸で処理することにより調製された脱アルミニウムモルデナイトである、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記触媒がバインダーと組み合わされている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記バインダーが無機酸化物である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記触媒が脱アルミニウムされている、請求項7又は8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記カルボニル化可能な反応物質がジメチルエーテルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記カルボニル化可能な反応物質がジメチルエーテルであり、前記ジメチルエーテルの量に対して2.5wt%未満の量で水が存在する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記プロセスが水素存在下で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記プロセスが酢酸メチルを生成する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記酢酸メチルの少なくとも一部が酢酸へと加水分解される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記プロセスが連続プロセスとして行われる、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプロセス。

【公表番号】特表2012−526786(P2012−526786A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510354(P2012−510354)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000916
【国際公開番号】WO2010/130972
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(591001798)ビーピー ケミカルズ リミテッド  (66)
【氏名又は名称原語表記】BP CHEMICALS LIMITED
【Fターム(参考)】