説明

カルボン酸および/またはその誘導体の製造方法

アルコールおよび/またはその反応性誘導体を水素条件下にフェリエライト触媒の存在下で一酸化炭素と反応させることによるC1−C6脂肪族カルボン酸および/またはそのエステルもしくは無水物の製造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対応のアルコールおよび/またはその反応性誘導体をフェリエライトからなる触媒の存在下に一酸化炭素と反応させることによる、脂肪族カルボン酸および/またはその反応性誘導体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メタノールおよび一酸化炭素からの酢酸の製造は周知のカルボニル化プロセスであり、産業的に行われるものである。産業規模において、酢酸の製造は均質液相プロセスとして操作することができ、ここではカルボニル化反応を可溶性ロジウム/沃化物錯体およびたとえば沃化メチルのようなアルキル沃化物により触媒する。このプロセスの主たる欠点は、腐食問題および単一相からの生成物および触媒成分の分離に伴う困難性をもたらしうる沃化物の使用である。これら欠点の両者は、沃化物フリーの固体触媒を用いる不均質プロセスを開発できれば克服することができよう。
【0003】
英国特許第1185453号明細書は、特に銅、ロジウムおよびイリジウムを包含する触媒上活性な金属からなる或る種の多相触媒を開示しており、これらはシリカ、アルミナ、炭素、ゼオライト,粘土およびポリマーを包含する広範囲のキャリヤ材料に支持される。これら多相触媒は、ハロゲン化プロモータの存在下におけるメタノールから酢酸への不均質相カルボニル化に有用であると教示されている。同様なプロセスが英国特許第1277242号明細書にも開示されているが、これら特許はこの種のプロセスにおけるゼオライトの使用を例示していない。
【0004】
米国特許第4612387号明細書は、モノカルボン酸およびエステルの作成方法を開示しており、この方法は一酸化炭素を1〜4個の炭素原子を有する一価アルコールと結晶質アルミノシリケートゼオライトの存在下に接触させることからなり、アルミノシリケートゼオライトは少なくとも約6のシリカとアルミナとの比および少なくとも1気圧の圧力下に1〜12の範囲における拘束指数を有する。この規定に従う最も好適なゼオライトはZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−38およびZSM−35であり、ZSM−5が特に好適である。
【0005】
ジャーナル・キャタリシス、71、233−43(1981)は、ロジウムモルデナイト触媒および他の支持されたロジウム触媒のメタノールから酢酸へのカルボニル化に対する活性を測定すべく、光電子スペクトロスコピー(ESCA)の使用を開示している。
【0006】
アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・Ed 2006、45,1617−1620は、或る種のハロゲン化物フリーのゼオライト触媒の存在下に低温度にてジメチルエーテルから酢酸メチルへのカルボニル化を記載している。この論文は、モルデナイトの存在下におけるジメチルエーテルの水性カルボニル化およびフェリエライトを用いるジメチルエーテルの無水カルボニル化を例示している。
【0007】
欧州特許出願公開第0596632号A1明細書は、アルコールもしくはその反応性誘導体を実質的にハロゲンもしくはその誘導体の不存在下に実質的にモルデナイトゼオライトよりなる触媒の存在下で一酸化炭素と接触させることによる脂肪族カルボン酸の製造方法を開示しており、前記モルデナイトゼオライトは銅、ニッケル、イリジウム、ロジウムもしくはコバルトでイオン交換もしくは充填されたものであり、この方法は300〜600℃の範囲の温度および15〜200バールの範囲の圧力にて行うことを特徴とする。
【0008】
【特許文献1】英国特許第1185453号明細書
【特許文献2】英国特許第1277242号明細書
【特許文献3】米国特許第4612387号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0596632号A1明細書
【非特許文献1】ジャーナル・キャタリシス、71、233−43(1981)
【非特許文献2】アンゲバンテ・ヘミー・インターナショナル・Ed 2006、45,1617−1620
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従ってアルコールおよび/またはその反応性誘導体と一酸化炭素とからのカルボン酸および/またはその誘導体の改良型不均質製造方法につきニーズが残されている。
【0010】
今回、フェリエライト・ゼオライト(以下、フェリエライトと称する)を触媒として用いる不均質カルボニル化は、カルボニル化生成物(カルボン酸および/またはその誘導体)に対し顕著な選択性を与えることが突き止められた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って本発明は、(n+1)の炭素原子[nは6までの整数である]を有する脂肪族カルボン酸および/またはそのエステルもしくは無水物の製造方法を提供し、この方法はn個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび/またはその反応性誘導体を水性条件下にフェリエライト触媒の存在下で一酸化炭素と接触させることを特徴とする。
【0012】
本発明の方法において、触媒としてフェリエライトを使用すれば、カルボニル化生成物に対する高い選択性が低い炭化水素副生物(たとえばC−C12アルカン、アルケンおよびポリメチル化芳香族炭化水素)形成により達成することができる。
【0013】
本発明の方法において、脂肪族アルコールもしくはその反応性誘導体は一酸化炭素でカルボニル化される。この方法は6個まで(たとえば3個まで)の炭素原子を有する脂肪族アルコールにつき特に適用することができる。好適アルコールはメタノールである。
【0014】
アルコールの代案としてまたはアルコールに加えて使用しうるアルコールの反応性誘導体はジアルキルエーテル、アルコールのエステルおよびアルキルハライドを包含する。メタノールの適する反応性誘導体はたとえば酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび沃化メチルを包含する。アルコールとその反応性誘導体との混合物(たとえばメタノールと酢酸メチルとの混合物)も用いることができる。
【0015】
カルボニル化プロセスの生成物は脂肪族カルボン酸および/または脂肪族カルボン酸のエステルとすることができる。たとえばアルコールがメタノールである場合、生成物は主として酢酸からなるが、或る程度の酢酸メチルを含むこともできる。エステルが生成物である場合、これは公知方法により(たとえば反応性蒸留を用いる加水分解により)対応のカルボン酸まで変換することができる。
【0016】
本発明の方法は、水性条件下で行われる。アルコール、エステルもしくはエーテルまたはその任意の組合わせを含む供給物は水を含有することができる。好適には例えばメタノールのようなアルコールを供給物として使用する場合、水とアルコールとのモル比は10:1〜1:1の範囲、たとえば3:1または1:1の範囲である。たとえば酢酸メチルもしくはジメチルエーテルのようなエステルもしくはエーテル反応性誘導体を供給物として使用する場合、水とエステルもしくはエーテルとのモル比は好適には10:1〜1:1、たとえば2:1および1.5:1の範囲である。
【0017】
水をアルコールおよび/またはその反応性誘導体とは別途に或いはそれと一緒に供給することができる。水は液状または蒸気型にて存在することができる。
【0018】
代案として供給物の性質に応じ、たとえばメタノールおよび酢酸生成物のエステル化を介しまたはエーテルへのアルコール供給物の二量化により現場で発生させることもできる。好適には発生した水の量はアルコールもしくは誘導されるアルキル基またはエステルもしくはエーテル供給物と水との比が1未満または1に等しくなるようにすることができる。
【0019】
使用する一酸化炭素の純度は実質的に臨界的であるとは思われない。一酸化炭素は実質上に純粋な一酸化炭素、たとえば工業ガスの供給業者により典型的に供給される一酸化炭素を含むことができ、或いはたとえば窒素および反応体から所望のカルボニル化生成物への返還を阻害しない貴ガスのような少量の不純物を含有することもできる。一酸化炭素は水素と混合して使用することができる。好適にはCO:Hの比は1:3〜15:1(モル基準)の範囲、たとえば1:1〜10:1である。たとえば炭化水素のリホーミングまたは部分酸化により生成される一酸化炭素と水素との混合物(合成ガス)も本発明の方法に使用することができる。
【0020】
本発明の方法で使用される触媒はフェリエライト・ゼオライトである。フェリエライトはNa0.80.2MgSi15Al36.9Oまたは (Mg、Na、K、Ca)3−5Mg[A15−7Si27.5−3172]・18HOとして一般的に示される式を有するアルミノシリケート・ゼオライト型の鉱物の種類の一員である。この種の材料の工業的原料の多数を使用することができる。更に8.2〜10.5の拘束係数および20〜60の範囲のシリカとアルミナとの比を有することをも特徴とする。当業者には周知されているようにシリカとアルミナとの比は脱アルミニウム化技術を用いることによりたとえばフェリエライトの水熱処理または酸リーチングにより増大させることができる。更にフェリエライトは当業者に周知されているように特徴的なX線粉末回折パターンをも有する。フェリエライトに関する追加的情報はインターナショナル・ゼオライト・アソシエーションのウェブサイト、www.iza−online.orgに見ることができる。
【0021】
本発明の方法につきフェリエライトは10:1〜30:1、特に好ましくは15:1〜25:1の範囲のシリカ対アルミナのモル比を有することが好ましい。
【0022】
必要に応じフェリエライトはたとえばガリウム、鉄、硼素、銅、銀、金、ニッケル、コバルト、イリジウムおよびロジウムのような1種もしくはそれ以上の追加元素を含むことができる。この種の元素はその骨格に存在することができ、或いは公知手段によりフェリエライト上へ充填することもできる。たとえばフェリエライトは珪素およびアルミニウム原子の他にある種の他の元素をその骨格中に含むことができ、この種の骨格改変元素はガリウム、鉄もしくは硼素である。骨格改変元素は慣用の方法により、たとえば熱水合成により骨格中へ導入することができる。適する作成技術はたとえば欧州特許出願公開第234755号明細書およびキャタリシス・ツデー、110(2005)、第255〜263頁に記載されている。骨格改変材を使用する場合、フェリエライトは好適にはシリカと骨格改変元素の酸化物とのモル比を10:1〜100:1の範囲にて有することができる。
【0023】
更にフェリエライトが、たとえば銅、銀、ニッケル、イリジウム、コバルトもしくはロジウムのような1種もしくはそれ以上の金属で充填するか或いはイオン交換することもできる。1種もしくはそれ以上の金属によるフェリエライトの充填はたとえばイオン交換、含侵および初期湿潤化の周知技術など任意の方法によって行うことができ、フェリエライトをフェリエライト上のカチオン交換性部位の100%までイオン交換すべき場合、周知技術を用いて金属カチオンで交換することができる。交換フェリエライトにおける残余のカチオンはプロトンであることが好ましい。従ってアンモニア型または水素型からの交換プロセスを開始するのが便利である。
【0024】
イオン交換の代案としてアンモニウム型または水素型のフェリエライトに1種もしくはそれ以上の金属塩の溶液を含侵させ、次いで乾燥させることができ、好ましくはフェリエライトは、たとえば空気中でたとえば500〜600℃のような高温度にて金属充填もしくは交換の後に調整される。使用する量は好ましくは触媒全量に基づき0.001〜45.6重量%の金属含有量(たとえば0.01〜30重量%)を有する触媒を生成させるようにする。代案として金属充填は交換性部位に基づいて表すことができ、これは一般にフェリエライトの単位容積当たりまたは単位重量当たりのアルミニウムのモル数に等しくすべきである。金属充填は好適には交換性部位の1〜100モル%とすることができる。
【0025】
フェリエライト触媒は使用前にたとえばフェリエライト触媒を流動窒素、一酸化炭素もしくは水素の下で高められた温度にて少なくとも1時間にわたり処理することにより達成される。
【0026】
カルボニル化プロセスを実施する際、フェリエライト触媒をプロセスで用いられる温度および他の条件に対し耐性である不活性材料と混合することが望ましい。この種の材料は合成または天然産物質、並びにたとえばシリカもしくはカーボランダムのような無機質材料を包含する。
【0027】
必要に応じ触媒上にメタノールを供給するに先立ち、メタノールは予備ベット、たとえばγ−アルミナの予備ベッドに反応温度にて通過させることができる。
【0028】
本発明の方法は好ましくはメタノール蒸気および一酸化炭素ガスを所望温度および圧力に維持された触媒の固定床、流動床もしくは移動床に通過させて行われる。
【0029】
好ましくは本発明の方法は実質的にたとえば沃化物のようなハロゲン化物の不存在下に行われる。実質的とは供給ガスおよび触媒のハロゲン化物(たとえば沃化物)含有量が500ppm未満、好ましくは100ppm未満であることを意味する。
【0030】
プロセスは好適には200〜600℃、好ましくは250〜400℃の範囲の温度にて行われる。
【0031】
プロセスは好適には10〜200barg、好ましくは10〜150barg、たとえば25〜100bargの範囲の圧力にて行われる。
【0032】
一酸化炭素とアルコール(たとえばメタノールまたはその反応性誘導体)とのモル比は好適には1:1〜99:1の範囲、たとえば1:1〜30:1である。
【0033】
ガス空時速度(GHSV)は好適には500〜15,000h−1、たとえば2000〜10,000−1の範囲である。
【0034】
プロセスは固定床、流動床もしくは移動床プロセスのいずれかで行うことができる。
【0035】
このプロセスは連続法もしくはバッチプロセスのいずれかとして好ましくは連続法で行うことができる。
【0036】
実質的にプロセスは気相プロセスであり、反応体を液相もしくは気相およびガスとして抜取られた生成物に導入される。次いでカルボニル化生成物を冷却すると共に凝縮させることができる。酢酸メチルが生成物である場合これは反応性生成物から回収して酢酸を形成すべく加水分解することができる。次いで酢酸をたとえば蒸留のような慣用技術を用いて精製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明を実施例を参照して例示する。
【0038】
触媒作成
Cu−H−MORの作成
19のシリカとアルミナとの比を有する50.02gのモルデナイト(トソー・コーポレーション社)を50mlの水に溶解された0.033モルの硝酸銅ヘミペンタハイドレート(アルドリッチ社)で処理した。約10mlの水を混合物に添加して移動性スラリーを形成させた。この混合物を充分撹拌して磁気撹拌棒(約200rpm)を用いて空気が混合物へ導入されるのを回避した。撹拌を室温にて3時間にわたり継続させた。次いで得られた混合物を粉末が得られるまで回転蒸発器により乾燥させた。次いで粉末を110℃にて3時間にわたり空気中で乾燥させ、次いで24時間にわたり500℃にて焼成した。冷却の後、個体材料を12トンプレスおよび32mmダイのセットを用いてプレスし、次いで乳鉢と乳棒とを用いて軽度に磨砕して0.5〜1mmの粒子寸法を得た。モルデナイトは40重量%の銅を含有した(流動熱電対プラズマ吸収スペクトロスコピー(ICP)により測定)。
【0039】
H−FERの作成
20のシリカ:アルミナ比を有する約50gのアンモニウムフェリエライト(ゼオリスト・インターナショナル、CP914C)を110℃にて3時間にわたり空気中で乾燥させ、次いで空気中で500℃にて24時間にわたり焼成した。冷却の後、固体材料を12トンプレスおよび32mmダイのセットによりプレスし、次いで乳鉢および乳棒を用いて軽度に磨砕して0.5〜1mmの粒子寸法を得た。
【0040】
Cu−H−FERの作成
20のシリカ:アルミナ比を有する50.27gのアンモニウムフェリエライト(ゼオリスト・インターナショナル、CP914C)を0.033モルの硝酸銅ヘミペンタハイドレート(アルドリッチ社)(50mlの水に溶解)で処理した。約10mlの水を混合物に添加して移動性スラリーを形成させた。この混合物を充分撹拌して磁気撹拌棒(約200rpm)により混合物中への空気の導入を回避した。撹拌を室温にて3時間にわたり持続させた。次いで得られた混合物を粉末が得られるまで回転蒸発器により乾燥させた。次いで粉末を110℃にて空気中で3時間にわたり乾燥させ、次いで空気中で500℃にて24時間にわたり焼成させた。冷却の後、固体材料を12トンプレスおよび32mmダイのセットによりプレスし、次いで乳鉢および乳棒を用いて軽度に磨砕し、0.5〜1mmの粒子寸法を得た。
【0041】
Ag−H−FERの作成
20のシリカ:アルミナ比を有する17.03gのアンモニウムフェリエライト(ゼオリスト・インターナショナル、CP914C)を50mlの水に溶解された0.0065モルの硝酸銀(アルドリッチ社)で処理した。この混合物を充分撹拌して磁気撹拌棒(約200rpm)の使用により混合物中への空気の導入を回避した。撹拌を室温にて3時間にわたり持続した。得られた混合物を次いで粉末が得られるまで回転蒸発器により乾燥させた。次いで粉末を110℃にて空気中で18時間にわたり乾燥させ、次いで500℃にて空気中で24時間にわたり焼成させた。冷却後、固体材料を13トンプレスおよび32mmダイのセットによりプレスし、次いで乳鉢および乳棒を用いて軽度に磨砕し、0.5〜1mmの粒子寸法を得た。
【0042】
メタノールカルボニル化
カルボニル化反応を約13mm直径の単一チューブの固定床反応器にて行った。各反応につき5mlの触媒を完全な混合を確保すべく等しい粒子寸法の25mlのシリカビーズで1:5の比に希釈した。実施例1〜4(実施例1aではない)において約10ml容積のγ−アルミナ予備床を用いた。反応器中へ触媒(使用する場合は予備床)の充填後、反応器を窒素により反応圧力(30barg)まで加圧し、次いで反応温度(300℃)まで加熱した。次いで触媒床を一酸化炭素により反応圧力および温度にて2時間にわたり処理した。予備処理の後、水素、一酸化炭素およびメタノールを反応器に供給し、反応を24時間まで操作し続けた。この時間の後、供給ガスを停止すると共に窒素で冷却し、次いで排気した。メタノールからエーテルへの二量化によりおよび生成物酢酸でのメタノールのエステル化により水がその場で発生した。
【0043】
ガス状生成物を3個のアジリエント・カラム・モジュールおよび3個の熱伝導率検出器が装着されたアジリエント3000ガスクロマトグラフによりオンラインで分析した。液体生成物を液体収集ノックアウトポットに7℃で集め、クロムパックCP−ワックス52カラムおよび火炎イオン化検出器が装着されたクロムパックCP9000ガスクロマトグラフで所定間隔にて分析した。
【0044】
各反応を3000GHSVおよび9:1のCO:メタノールの比にて行った。
【0045】
これら実験の結果を下表1に示す。アセチル生成物に対する感度を式により計算した:
([AcOH]out+[MeOAc]out+[EtOAc]out)X100/([CH]out+[AcOH]out+[MeOAc]out+[AcH]out+[EtOH]out+2x[EtOAc]out+2x[Acetone]out+Σ(nx[C2−12]out)
[ここでAcOHは酢酸であり;MeOAcは酢酸メチルであり;EtOAcは酢酸エチルであり;CHはメタンであり;AcHはアセトアルデヒドであり;EtOHはエタノールである。全ての成分はモル数で表す。]
【0046】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(n+1)の炭素原子[nは6までの整数である]を有する脂肪族カルボン酸および/またはそのエステルもしくは無水物の製造方法において、n個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび/またはその反応性誘導体を水性条件下にフェリエライト触媒の存在下で一酸化炭素と接触させることを特徴とする製造方法。
【請求項2】
フェリエライトが10:1〜30:1の範囲のシリカ:アルミナのモル比を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フェリエライトが15:1〜25:1の範囲のシリカ:アルミナのモル比を有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
フェリエライトをイオン交換し、または銅、銀、ニッケル、イリジウム、コバルトおよびロジウムから選択される少なくとも1種の金属で充填する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
フェリエライトをイオン交換し、または銅および銀から選択される少なくとも1種の金属で充填する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
金属充填がアルミニウムの単位容積当たり1〜100モル%の範囲である請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
フェリエライトがガリウム、鉄および硼素の少なくとも1種から選択される骨格改変元素からなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
フェリエライトが10:1〜100:1の範囲の骨格改変元素のシリカ:酸化物モル比を有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
フェリエライト触媒を使用に先立ち活性化させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
フェリエライトを窒素、一酸化炭素および空気の少なくとも1種と少なくとも1時間にわたり高められた温度で接触させることにより活性化させる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アルコールがメタノールである請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
反応性誘導体がエーテルである請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
エーテルがジメチルエーテルである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
水をアルコールおよび/またはその反応性誘導体と一緒にまたは別途に供給する請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
水:アルコールのモル比が10:1〜1:1の範囲である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
水対エステルもしくはエーテル反応性誘導体とのモル比が10:1〜1:1の範囲である請求項14に記載の方法。
【請求項17】
水:エステルもしくはエーテルのモル比が2:1である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
水素をもプロセスに供給する請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
プロセスを200〜600℃の範囲の温度にて行う請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
プロセスを10〜200bargの範囲の圧力にて行う請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
一酸化炭素とアルコールもしくはその反応性誘導体とのモル比が1:1〜99:1の範囲である請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ガス空時速度が500〜15000h−1の範囲である請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
プロセスを固定床、流動床または移動床プロセスとして行う請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
プロセスを連続法として操作する請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
プロセスを実質的にハロゲン化物の不存在下に行う請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
メタノールをH−フェリエライト、銀で充填されたフェリエライトおよび銅で充填されたフェリエライトから選択されるフェリエライト触媒の存在下に一酸化炭素と接触させることにより酢酸を作成する請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2009−533402(P2009−533402A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504799(P2009−504799)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001095
【国際公開番号】WO2007/116201
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(591001798)ビーピー ケミカルズ リミテッド  (66)
【氏名又は名称原語表記】BP CHEMICALS LIMITED
【Fターム(参考)】