説明

カンナビノイドCB1受容体のアゴニストとしての(インドール−3−イル)−複素環誘導体

本発明は、式中のA、X、X、X、Y、R、R、RおよびRが請求項で定義されるような一般式(I)を有するインドール誘導体、またはこれらの医薬的に許容される塩、同誘導体を含む医薬組成物、および疼痛治療における前記インドール誘導体の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インドール誘導体、同誘導体を含む医薬組成物および治療、特に疼痛治療におけるこれらのインドール誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
疼痛治療は、現在使用可能な薬物の副作用により制限されることが多い。重い疼痛を緩和するためにオピオイドが広く使用される。これらの薬剤は安価で有効であるが、重篤で生命を脅かす可能性のある副作用があり、特に顕著な副作用は呼吸障害および筋肉硬直である。さらに、オピオイドの投与可能な用量は、吐き気、嘔吐、便秘、掻痒および尿閉により制限され、その結果、患者はこれらの副作用に苦しむよりは次善の疼痛コントロールを受け入れることを選ぶことが多い。さらに、これらの副作用が、しばしば延長した入院を要する患者をもたらす。オピオイドは依存性が高く、多くの地域で指定薬物である。そのため、等鎮痛用で量、現在使用されている製品に比べて副作用プロファイルが改善された新たな鎮痛剤が求められている。
【0003】
カンナビノイドアゴニストが鎮痛剤および抗炎症剤となり得る証拠が蓄積されている。2タイプのカンナビノイド受容体が関係しており、カンナビノイドCB1受容体は主に中枢神経系に存在するが、抹消ニューロンでも発現し、他の抹消組織にはわずかに存在し、カンナビノイドCB2受容体は、大部分は免疫細胞に存在する(Howlett,A.C.ら,International Union of Pharmacology.XXVII.Classification of Cannabinoid Receptors.Pharmacol.Rev.54,161−202,2002)。CB2受容体が、カンナビノイドの免疫および抗炎症反応を緩和するのに関係する一方で、カンナビノイド受容体アゴニスト、特にCB1受容体で作用するアゴニストは、疼痛治療に有用であることが示唆されている(Iversen,L.およびChapman,V.Current Opinion in Pharmacology 2,50−55,2002およびこの中の参考文献を参照のこと)。
【0004】
WIN55,212−2,(R)−(+)−[2,3−ジヒドロ−5−メチル−[(モルホリニル)メチル]ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジニル]−(1−ナフタレニル)メタノンのメシレート塩は、鎮痛剤として米国特許第4,939,138(Sterling Drug Inc.)に開示された。該化合物は、アミノアルキルインドールのプロトタイプであり(Eissenstat,M.A.ら,J.Med.Chem.38,3094−3105,1995)、急性疼痛、持続性炎症性疼痛および神経因性疼痛の動物モデルにおいて、モルヒネと同等の効力の痛覚抑制を生み出すことができる強力なカンナビノイドCB1受容体アゴニストである。
【0005】
大麻類似の特質を有するアミノアルキルインドールの鍵となる構造特徴(Adam,J.およびCowley,P.Expert Opin.Ther.Patents,12,1475−1489,2002)は、米国特許第4,939,138(Sterling Drug Inc.)およびより最近ではWO02060447(University of Connecticut)で開示されているアミノアルキルインドールにおけるアロイル基によって、またはWO0158869(Bristol−Myers squibb)で開示されている化合物の置換アミド基によって例示されるように、インドール部分の1位におけるアミノアルキル置換基であり、インドール環の3位におけるさらなる崇高な置換基である。最近、3位における置換オキサジアゾール−5−イル環を有する1−(アミノアルキル)インドール誘導体が、WO0236590(Amrad Operations PTY Ltd.)でカンナビノイド受容体モジュレーターとして開示されており、鎮痛剤として有用である。
WO04000832(Akzo Nobel N.V.)において、1−[(インドール−3−イル)カルボニル]ピペラジン誘導体が、カンナビノイド受容体を緩和する鎮痛剤として開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
治療剤として使用するために、増大した水溶性などの改善特性を備えるカンナビノイドアゴニストが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、一般式Iを有するインドール誘導体
【0008】
【化2】

(式中、
Aは5員芳香族複素環を表し、X、X、およびXはN、O、SおよびCRから独立して選択され;
Rは、存在するとき、H、ハロゲンまたは(C1−4)アルキルであり;
YはCH、O、SまたはSOであり;
は(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ、CNまたはハロゲンであり;
はHまたは(C1−4)アルキルであり;もしくは
はRと一緒に、これらが結合する炭素および窒素原子と4から7員環を形成し;
はH、(C1−6)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり、該アルキル基は場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルホニル、CO−NR、CO−OR、CNまたはハロゲンで置換され;
はCO−NR、CO−OR、SO−R、SO−NR10またはCO−R11であり;もしくは
は、CO−NR、CO−OR、SO−R、SO−NR10、NH−CO−R11、NH−SO−NR12または2個のOH基で置換され;ならびに場合によりさらにOHで置換される(C1−3)アルキルであり;もしくは
は、Rと一緒にこれらが結合するN原子と、場合によりO、SおよびSOから選択されるさらなるヘテロ原子を含む4から8員環を形成し、該環はCH−OH、CO−NR1314、CO−OR、SO−R、SO−NR10、NH−CO−R11またはNH−SO−R12で置換され;もしくは該環は、NH−CO−R11又はNH−SO−R12で置換される(C1−3)アルキルで置換され;
は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり、場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシまたはCONRで置換され;
は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり;もしくは
は、Rと一緒にこれらが結合しているNと、場合によりO、SおよびSOから選択されるさらなるヘテロ原子を含む4から8員環を形成し、該環は場合によりOHで置換され;
は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり;
は、存在するとき、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
は、存在するとき、Hまたは、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルであり;
10は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり;
11は、存在するとき、Hまたは、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルであり;
12は、存在するとき、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルであり;
13は、存在するとき、Hまたはで、場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシまたはCONRで置換される(C1−4)アルキルであり;
14は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり;もしくは
14はCO−NR1314基が結合するC原子と一緒に、5−または6−員スピロ環を形成し;
ただし、YがSOである場合、
はさらにH、(C1−6)アルキル、または(C3−7)シクロアルキルを表すことができ、該アルキル基は場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルホニル、CN又はハロゲンで置換され;もしくはRは、Rと一緒にこれらが結合するNと、場合によりO、SおよびSOから選択されるさらなるヘテロ原子を含む4から8員環を形成し得、該環は場合によりOHで置換される)
もしくはこれらの医薬的に許容される塩を、たとえば周術期の疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、癌性疼痛ならびに多発性硬化症に伴う痙縮などの疼痛の治療に使用することができるカンナビノイドCB1受容体アゴニストとして提供する。
【0009】
式Iのインドール誘導体の定義において、YがSOの意味を有する場合という条件下でより広義に定義される。この条件は、2005年2月28日に申請された国際特許出願EP05/050833(AKZO NOBEL N.V.)において、YがCH、O又はSであるインドール誘導体に関連する初期の説明に関する。
【0010】
5−員芳香族複素環Aは、式Iの定義で用いる場合、N、O及びSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む5−員芳香族複素環を表す。これは、複素環Aを定義するのに用いられるX、X、及びXの少なくともひとつがCRとはなり得ないことを意味する。代表的複素環Aは、チオフェン、フラン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール及びイソチアゾール、イソチアジアゾール、イソオキサゾール及びイサキサジアゾールを含むこれらの異性体から誘導されるものである。好ましい複素環Aは1,2,4−オキサジアゾール(XはNであり、XはOであり、XはNである)、1,3,4−オキサジアゾール(XはNであり、XはNであり、XはOである)、1,2,4−チアジアゾール(XはNであり、XはSであり、XはNである)及びチアゾール(XはSであり、XはCRであり、XはNである)である。
【0011】
式Iの定義で用いられる(C1−4)アルキルという用語は、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルなどの1から4個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基を意味する。
【0012】
同様に(C1−6)アルキルという用語は、ヘキシル、ペンチル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルなどの1から6個の炭素原子を有する分枝または非分枝アルキル基を意味する。
【0013】
(C3−7)シクロアルキルという用語は、シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル及びシクロプロピルなどの3から7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0014】
(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルチオ及び(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルという用語は上記定義のような意味を有する。
【0015】
ハロゲンという用語は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0016】
式Iの定義において、Rは、Rと一緒に、これらが結合する炭素及び窒素原子と4から7員環を形成し得る。このような飽和環の例は、アゼチジニル−2−イル、ピロリジン−2−イル、ピペリジン−2−イル及びアゼピン−2−イルである。
【0017】
式Iの定義においてRは、Rと一緒に、これらが結合するNと4から8員環を形成し得、場合によりO、S及びSOから選択されるさらなるヘテロ原子を有する。このような環の例は、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、アゼピン−1−イル、モルホリン−4−イル及びチオモルホリン−4−イルである。好ましくは、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル及びモルホリン−4−イルである。
【0018】
式Iの定義において、Rは、Rと一緒に、これらが結合するNと4から8員環を形成し得、場合によりO、S及びSOから選択されるさらなるヘテロ原子を含有する。このような環の例は、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、アゼピン−1−イル、モルホリン−4−イル及びチオモルホリン−4−イルである。好ましくは、モルホリン−4−イルである。
【0019】
式Iのインドール誘導体の定義において、置換基R、R、R及びRが複数存在し得る。各々の置換基の意味は、各々の置換基に定義される意味から独立して選択される。
【0020】
式Iに従う好ましいインドール誘導体は、式中、Rは、存在するとき、Hであり;YはCH、OまたはSOであり;RはHであり;もしくはRは、Rと一緒にこれらが結合する炭素原子と5−員環を形成する。
【0021】
さらに好ましくは、式Iに従う化合物は、式中、複素環Aが1,2,4−オキサジアゾール(XはNであり、XはOであり、XはNである)、1,2,4−チアジアゾール(XはNであり、XはSであり、XはNである)、チアゾール(XはSであり、XはCRであり、XはNである)または1,3,4,−オキサジアゾール(XはNであり、XはNであり、XはOである)である。さらにより好ましい該化合物は、複素環Aが1,2,4−オキサジアゾール(XはNであり、XはOであり、XはNである)または1,2,4−チアジアゾール(XはNであり、XはSであり、XはNである)を表し、特に好ましくは、Rが場合によりOHで置換された(C1−6)アルキルであり、およびRがCO−NRで置換されたSO−R又は(C1−3)アルキルであり;もしくはRが、Rと一緒に、これらが結合するNと6−員環を形成し、該環がCO−NR1314で置換される。
【0022】
本発明のインドール誘導体の特に好ましくは、
−7−クロロ−3−[(5−{[4−(N−メチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−チオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
−7−クロロ−3−[(5−{4−[(N−(2−ヒドロキシル)エチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
−7−クロロ−3−[(5−{[N−(カルボキサミド)メチル]−N−メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
−7−クロロ−3−({5−[(N−{[N−(カルボキサミド)メチル]カルボキサミド}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
−7−クロロ−3−({5−[(N−{[N−(2−ヒドロキシエチル)カルボキサミド]メチル}−N−メチルアミノ}メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
−7−クロロ−3−({5−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)−(N−{メチルスルホニル})アミノ]メチル}−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
−7−エチル−3−[(5−{4−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
または医薬的に許容されるこれらの塩である。
【0023】
本発明のインドール誘導体は、一般に有機化学の当分野において公知の方法で調製し得る。
【0024】
式Iの(インドール−3−イル)複素環誘導体は、たとえば、Lが、ハロゲンまたはアルキルスルホネート基のような脱離基である式IIの化合物から、式NHRのアミンと該脱離基の求核置換により調製され得る。Lがアルキルスルホネート基である式IIの化合物は、Lがヒドロキシである式IIの化合物から、トリエチルアミンのような塩基の存在下でハロゲン化アルキニルスルホニルとの反応によって調製され得る。
【0025】
式Iの(インドール−3−イル)複素環は、式IIIの化合物から、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下で、式NHRのアミンを用いて還元的アミノ化により調製され得る。
【0026】
Lがヒドロキシである式IIの化合物は、Burke D.S.,Danheiser,R.L.Handbook of Reagents for Organic Synthesis:Oxidising and Reducing agents(Willey:New York,1999)で述べられているように、適切な酸化剤および還元剤を用いて酸化還元することにより、式IIIの化合物と相互転換し得ることは、当分野において周知である。同様に、Lがヒドロキシであり、Rがハロゲンである式IIの化合物は、R15が水素または(C1−4)アルキルである式IVの化合物から、適切な還元剤を用いて還元することによって調製され得る。
【0027】
【化3】

【0028】
式I、式II、式IIIまたは式IVの化合物は、複素環を構築するための当分野において周知の方法を用いて、式Vから式XIIの化合物から調製され得る。このような方法は、一般的参考文献Katritzky,A.R.:Comprehensive heterocyclic chemistry(初版、Pergamon Press,1984,特にVolume 4,Part 3,Five−membered rings with one oxygen,sulfur or nitrogen atomおよびVolume 6,Part 4B,Five−membered rings with two or more oxygen、sulfur or nitrogen atomsを参照のこと)で述べられている。
【0029】
【化4】

【0030】
式Vから式XIIの化合物は、式中R、R、L及びYが前に定義したような意味を有し、R15がHまたは(C1−4)アルキルであり、当業者に公知の文献手法または文献を改変した手法により調製され得る。
【0031】
たとえば、式VIの化合物は、適切な溶媒中でアンモニアとの反応によって式Vの化合物またはこの活性化された誘導体から調製され得る。式VIIの化合物は、五硫化リンまたはLawesson’s試薬のようなチオネーション試薬を用いて、式VIの化合物から調製され得る。
【0032】
他の手法として、式VIIの化合物は、ジメチルホルムアミドのような溶媒中でチオアセトアミドとの反応によって式VIIIの化合物から調製し得る。
【0033】
式VIIIの化合物は、トリエチルアミンのような塩基の存在下で、たとえば無水トリフルオロ酢酸を用いて脱水によって式VIの化合物から調製され得る。
【0034】
式Xの化合物は、適切な溶媒中でヒドロキシルアミンとの反応により式IXの化合物から調製され得る。
【0035】
LがNHである式XIの化合物は、式Vの化合物もしくはこの活性化誘導体から、オキソアセトニトリルを形成するためのシアニドアニオンとの反応と、これに続く活性炭担持パラジウムのような触媒の存在下での水素ガスのような還元剤を用いて一級アミンへのニトリルの還元により調製され得る。
【0036】
式XIIの化合物は、適切な溶媒中でヒドロキシルアミンとの反応によって式VIIIの化合物から調製され得る。
【0037】
式Vの化合物および式XIの化合物は、式XIIIの化合物のアシル化によって調製され得る。たとえば、式中、Rが水素である式Vの化合物は、ジメチルホルムアミドのような溶媒中で無水トリフルオル酢酸を用いて式XIIIの化合物のアシル化と、これに続く高温での水酸化ナトリウム水溶液を用いて加水分解により調製され得る。Lが塩素である式XIの化合物は、ピリジンのような塩基の存在下で塩化クロロアセチルを用いて式XIIIの化合物のアシル化により調製され得る。
【0038】
式IXの化合物は、たとえば、Vilsmeier反応(総説についてJutz,C.Adv.Org.Chem.9,pt.1,225−342,1976を参照)を用いてホルミル化によって式XIIIの化合物から調製され得る。
【0039】
別の手法として、式Vの化合物は、Wijngaardenら(J.Med.Chem.36,3693−3699,1993)またはHwuら(J.Org.Chem.59、1577−1582、1994)により述べられている手法もしくはこれらを改変した手法によって調製され得る。
【0040】
【化5】

【0041】
式XIIIの化合物は、当業者に公知の文献手法または文献を改変した手法によって調製され得る。たとえば、式XIIIの化合物は、式XVの化合物のアルキル化により、水素化ナトリウムのような塩基での処理により、これに続く式XVIのアルキル化試薬との反応により調製され得る。ここでYは前の定義のような意味を有し、Lは、ハロゲンまたはアルキルスルホネート基のような脱離基である。式XVの化合物は、市販品から得ることができ、当業者に周知の文献手法または文献を改変した手法により調製され得る。
別の手法として、式XIIIの化合物は、Fischerインドール合成またはこの改変手法を用いて式XIVの化合物から調製され得る(Chem.Rev.69,227−250,1969)。
【0042】
式XIVの化合物は、当業者に公知の文献手法または文献を改変した手法により調製される。
【0043】
式I、式II、式IIIまたは式IVの化合物は、別の手法として、一般な参考文献Hegedus,L.S.Transition Metals in the Synthesis of Complex Organic Molecules(第2版,University Science:Sausalito 1999)に記載されているような遷移金属触媒カップリング反応を用いて調製され得る。
【0044】
たとえば、式IIIの化合物は、Suzuki反応(Chem.Rev.95,2457−2483,1995)またはこの改変した反応を用いて式中Yがハロゲンである式XVIIの化合物とYがホウ酸またはホウ酸エステルである式XVIIIの化合物との反応により調製され得る。
【0045】
【化6】

【0046】
式XVIIの化合物及び式XVIIIの化合物は、市販品から得ることができ、当業者に公知の文献手法または文献を改変した手法により調製され得る。たとえば、Yが臭素である式XVIIの化合物はジメチルホルムアミドのような溶媒中で臭素を用いて式XIIIの化合物の臭素化により調製され得る。
【0047】
インドールの窒素は、前記の転換の間、アリルスルホニル基のような保護基を用いて一時的に保護され、合成の後の段階で脱保護、アルキル化されることが当業者により認識される。このような保護基は、中間体の安定性および求電子試薬に対するインドール環の反応性を変えるのに使用され得ることがさらに認識される。適切な保護基はKocienski,P.J.:Protecting Groups,Thieme,Stuttgart;New York,1994で記述される。
【0048】
同様に当業者は、式Iの様々な(インドール−3−イル)複素環誘導体が、ある一定の置換基RからRに対応する官能基の適切な転換反応により得ることができることを認識する。たとえば、式中RまたはRがC1からC6の直鎖、分枝または環状アルキル基で、場合によりヒドロキシル、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルホニル、CO−OR、CONR、ハロゲンまたはシアノで置換されている式Iの化合物は、RまたはRが水素である式Iの化合物を炭酸カリウムのような塩基の存在下で、C1からC6ハロゲン化アルキルまたは官能化されたC1からC6ハロゲン化アルキルと反応させることにより調製され得る。
【0049】
がCONRまたはCOORまたはCOR11である式Iの化合物は、トリエチルアミンのような塩基の存在下で、Rが、水素である式Iの化合物をC1からC4塩化アシル、または無水イソシアネートまたは官能化されたC1からC4塩化アシルと反応させて調製され得る。
【0050】
がSOである式Iの化合物は、トリエチルアミンのような塩基の存在下で、Rが水素である式Iの化合物をC1からC4またはC3からC7、アルキル、またはシクロアルキル、塩化スルホニル、または官能化されたC1からC4塩化アルキルスルホニルと、反応させて調製され得る。
【0051】
がSONR10の式Iの化合物は、ピリジンのような塩基の存在下で、Rが水素である式Iの化合物とスルファミドまたは官能化された塩化スルファモイルと、反応させて調製され得る。
【0052】
式Iのインドール誘導体とこれらの塩は、少なくとも一つのキラル中心を含有し得、したがって鏡像異性体およびジアステレオマーを含む立体異性体として存在し得る。本発明は、この範囲内の前記立体異性体および、式Iの化合物ならびこの塩の個々のRおよびS鏡像異性体(実質的には他の鏡像異性体を含まない、すなわち、他の鏡像異性体が5%未満、好ましくは2%未満、特に1%未満である)および、実質的に同等量の2種類の鏡像異性体を含むラセミ混合物を含むあらゆる割合においてこのような鏡像異性体混合物を含む。
【0053】
純粋な立体異性体を得る不斉合成またはキラル分離の方法は、たとえばキラル誘導または市販のキラル物質から出発物質にする合成、もしくは、たとえばキラル媒体上のクロマトグラフィーを用いて、またはキラル対イオンを備える結晶化による立体異性体の分離である、当分野において周知である。
【0054】
医薬的に許容される塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸及び硫酸のような無機酸、またはたとえばアスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸およびメタンスルホン酸のような有機酸で、式Iの化合物の遊離塩基を処理することで得られる。
【0055】
本発明の化合物は、水、エタノールなどのような医薬的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在するばかりでなく、非溶媒和形態でも存在し得る。一般的に溶媒和形態は、本発明の目的のための非溶媒和形態と等価であると考えられる。
【0056】
本発明は、さらに、医薬的に許容される補助剤および場合により他の治療剤と混合される、一般式Iのインドール誘導体または医薬的に許容されるこれらの塩を含む医薬組成物を提供する。「許容される」という用語は、組成物の他の成分と適合性があり、受容者に有毒ではないことを意味する。
【0057】
組成物は、たとえば、投与のためのあらゆる単位剤形で、経口、舌下、皮下、静脈内、硬膜外、髄空内、筋肉内、経皮、肺、局所または直腸投与などに適切なものを含む。好ましい投与経路は経口経路である。
【0058】
経口投与の場合、活性成分は錠剤、カプセル、粉末、顆粒、溶液、懸濁液などの独立した単位として提供される。
【0059】
非経口投与の場合、本発明の医薬成分は、たとえば、密封容器およびアンプル中の所定量の注射液のような単位用量および複数用量の容器で提供され、ならびに、使用前に、たとえば水のような滅菌液状担体を加えるだけを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥した)状態でも保存され得る。
【0060】
たとえば標準的な参考文献Gennaro、A.R.ら、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第20版、Lippincott Williams & Wilkins,2000,特にPart 5:Pharmaceutical Manufacturing)で記述されるような医薬的に許容される補助剤と混合して、活性剤はピル、錠剤のような固体の投与単位に圧縮され得る、もしくはカプセル、坐薬またはパッチに加工され得る。医薬的に許容される液体によって、活性剤は、流体組成物、たとえば、溶液、懸濁液、エマルジョンの形態での注射用製剤、もしくは鼻腔スプレーのようなスプレーとして適用され得る。
【0061】
固体の用量単位を調製する場合、フィラー、着色剤、高分子結合剤などのような従来の添加剤の使用が意図される。一般的に、活性化合物の機能を損なわないあらゆる医薬的に許容された添加剤が使用され得る。固体組成物として投与できる本発明の活性剤に適する担体は、ラクトース、スターチ、セルロースの誘導体など、またはこれらの混合物を含み、適切な量で使用される。非経口投与の場合、懸濁水溶液、等張生理食塩水および無菌注射溶液が使用され得、プロピレングリコールまたはブチレングリコールなどのような医薬的に許容される分散剤および/もしくは湿潤剤を含有する。
【0062】
本発明は、さらに、前記組成物に適した包装材と組み合わせて、以上に述べたような医薬組成物を含み、前記包装材は以上に述べたような使用のための組成物の使用説明書を含む。
【0063】
本発明のインドール誘導体は、CHO細胞を用いてヒトCB1受容体アッセイを測定すすると、CB1受容体のアゴニストであることがわかった。受容体結合ならびにカンナビノイド受容体モジュレーターのインビトロ生物活性を特定するための方法は、当分野において周知である。一般的に、発現される受容体は、試験される化合物に接触し、結合、官能基反応の刺激または阻害が測定される。
【0064】
官能基反応を測定するために、CB1受容体遺伝子、好ましくはヒト受容体をコードする分離DNAは適切な宿主細胞で発現される。このような細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞であるかもしれないが、他の細胞も適切である。好ましくは、この細胞は哺乳類起源である。
【0065】
組み換えCB1発現細胞株を構築するための方法は、当分野において周知である(Sambrookら、Molecular Cloning:a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,最新版)。受容体の発現は、所望のタンパク質をコードするDNAの発現により達成される。さらなる配列の連結および適切な発現系の構築の技術は、すべて、すでに当分野において周知である。所望のタンパク質をコードするDNAの一部又は全ては、標準的固相技術を用いて合成的に構築され、好ましくは連結を容易にする制限部位を含むことである。含まれているコード配列の転写および翻訳のために適切なコントロール要素は、DNAコード配列を提供することができる。周知のように、発現系は、広範囲の宿主と適合し現在利用可能であり、宿主は細菌のような原核生物宿主および酵母、植物細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞、鳥類細胞などのような真核生物宿主を含む。
【0066】
受容体を発現する細胞は、試験化合物と接触し、結合、官能基的反応の刺激または阻害を観察される。
【0067】
または発現CB1(またはCB2)受容体を含む分離細胞膜は、化合物の結合を測定するために使用され得る。
【0068】
化合物の結合を測定するために、放射活性または蛍光性ラベル化合物が使用される。最も広く使用される放射性ラベルカンナビノイドプローブは[H]CP55940であり、CB1およびCB2結合部位にほぼ同等の親和性を有する。
【0069】
機能性CB1アゴニスト活性は、たとえばcAMPまたはMAPキナーゼ経路における受容体が介在することによる変化の測定のような第二メッセンジャー反応を決定することにより測定され得る。したがって、このような方法は、宿主細胞の細胞表面上のCB1受容体の発現および試験化合物に細胞を暴露することを含む。その後、第二メッセンジャー反応が測定される。受容体への結合における試験化合物の効果により、第二メッセンジャーのレベルは増減する。
【0070】
暴露細胞における、たとえばcAMPレベルの直接測定に加え、受容体コードDNAによるトランスフェクションに加えて、この発現が受容体活性と相関するレポーター遺伝子をコードする第二DNAによるトランスフェクトションされる細胞も使用できる。一般的に、レポーター遺伝子の発現は、第二メッセンジャーのレベル変化に反応する任意の応答要素によってコントロールされるかもしれない。適切なレポーター遺伝子は、たとえばLacZ、アルカリホスファターゼ、ホタルルシフェラーゼおよび緑色蛍光タンパク質である。このような転写促進アッセイの原理は当分野において周知であり、たとえばStratowa,C.,Himmler、A.とCzernilofsky,A.P.,Curr.Opin.Biotechnol.6,574(1995)に記載されている。CB1受容体における活性アゴニスト化合物を選択するために、EC50値は<10−5M、好ましくは<10−7Mでなければならない。
【0071】
化合物は、たとえば周術期の疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、癌性疼痛ならびに多発性硬化症に伴う疼痛および痙縮のような疼痛の治療において鎮痛剤として使用され得る。
【0072】
本発明のカンナビノイドアゴニストは、多発性硬化症、痙縮、炎症、緑内障、吐き気、および嘔吐、食欲不振、睡眠障害、呼吸器疾患、アレルギー、てんかん、偏頭痛、心血管疾患、神経変性疾患、不安、外傷性脳損傷および発作を含む他の疾患の治療においても有用な可能性がある。
【0073】
この化合物はまた、他の薬剤、たとえばオピオイドおよびCOX−2選択的阻害剤を含む非ステロイド抗炎症薬(NSAID)のような鎮痛剤と組み合わせても使用できる。
【0074】
本発明の化合物は、症状を緩和するのに十分な量で、十分な期間にわたりヒトに投与され得る。実施例として、ヒトへの用量レベルは、0.001から50mg/kg体重の範囲、好ましくは0.01から20mg/kg体重の用量であり得る。
【0075】
本発明を以下の実施例で説明する。
【実施例】
【0076】
一般的方法
別途記述がないかぎりマイクロ波反応はEmrys Optimizer(商標)(Personal Chemistry)を用いて実施した。
【0077】
フラッシュカラムクロマトグラフィーをシリカゲル上で実施した。
【0078】
以下に略述する方法を用いて、セミ分取高圧液体クロマトグラフィー(semi−prep.HPLC)を実施した。
【0079】
方法(i):Waters Xterra(RP18,5μm)30mm×100mm;25分間にわたる10から100%アセトニトリル−水勾配;25ml/min;0.1%トリフルオロ酢酸緩衝液;254nmでUVにより検出。
【0080】
方法(ii):Waters Xterra(RP18,5μm)30mm×100mm;25分間にわたる10から100%アセトニトリル−水勾配;25ml/min;5mM重炭酸アンモニウム緩衝液、アンモニアでpH10に調整;254nmでUVにより検出。
【0081】
H NMRカップリング定数はHzである。
【0082】
中間体の調製
I:トルエン−4−硫酸テトラヒドロピラン−4−イルメチルエステル中間体
p−トルエンスルホニルクロリド(29.8g,157mmol)を、ジクロロメタン(200ml)中のテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−メタノール(20.0g,172mmol)およびピリジン(25.2ml,313mmol)混合物に少しずつ滴下した。混合物を室温で17時間攪拌した後、塩酸水溶液(2M;100ml)でクエンチした。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせ、真空濃縮した。ジクロロメタン:n−ヘプタン(5:1)からの再結晶により、トルエン−4−硫酸テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチルエステルを得た。母液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いn−ヘプタン中50%ジクロロメタンで溶出してさらに精製し、トルエン−4−硫酸テトラヒドテトラヒドロ−ピラン−4−イルメチルエステルをさらに得た(総収量41.6g,154mmol)。
【0083】
II:トルエン−4−硫酸1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イルメチルエステル中間体
ステップA:テトラヒドロ−チオピラン−4−カルボニトリル
ジメトキシエタン(2.5L)中のテトラヒドロ−チオピラン−4−オン(75g,646mmol)およびトルエンスルホニル−メチルイソシアニド(138.6g,710mmol)の混合物を0℃に冷却し、カリウムtert−ブトキシド(145g,1.29mol)のtert−ブタノール(1.3L)溶液を滴下した。混合物を室温に戻した後、3時間攪拌し、ジエチルエーテル(3L)で希釈、飽和重炭酸ナトリウム(2×1.5L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を真空で除去し、薄茶色の油状物質としてテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボニトリル(88.3g,646mmol)を得た。
【0084】
ステップB:テトラヒドロ−チオピラン−4−カルボン酸
テトラヒドロ−チオピラン−4−カルボニトリル(646mmol)のエタノール溶液(600ml)を高速で攪拌されている水酸化ナトリウム(258.4g,6.46mol)の水(1.1L)混合物に一度に添加した。その後混合物を90℃で2時間加熱し、0℃に冷却し、濃塩酸溶液でpH2に調節した。真空でエタノールを除去し、懸濁液をジクロロメタン(3×1L)で抽出した。その後、合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で蒸発させ、褐色の固体物質としてテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボン酸(96g,646mmol)を得た。
【0085】
ステップC:(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−メタノール
ボランジメチルスルフィド錯体(73.5ml,775mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(1.5L)に、15分かけてテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボン酸(646mmol)の無水テトラヒドロフラン(300ml)溶液を滴下処理した。次いで、この混合物を70℃で2時間加熱し、室温に冷却し、発泡がおさまるまで水を滴下しクエンチした。次いで、さらに水(500ml)を加え、真空でテトラヒドロフランを除去した。その後残留物を希塩酸溶液で酸性にし、ジクロロメタン(3×500ml)で抽出した。その後、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で溶媒を除去し褐色の油状物質として(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−メタノール(90.2g,646mmol)を得た。
【0086】
スッテプD:(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イル)−メタノール
過ヨウ素酸ナトリウム(304g,1.42mol)水溶液(3L)を(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−メタノールのメタノール溶液(1.7L)で処理し、この混合物を60℃で3時間加熱した。次いで、過ヨウ素酸ナトリウム(10g)を加え、さらに加熱を1時間続けた後、揮発成分を全て除去した。次いで、得られた粒状の残留物にジエチルエーテル(2×500ml)、ジクロロメタン(2×500ml)および50%(v/v)ジクロロメタンのメタノール(2×500ml)を連続して添加し振とうした。次いで、残った残留物をジクロロメタンを用いて18時間連続抽出で処理し、最初の溶媒抽出物にこの溶媒を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去し、オレンジ色の油状物質として(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イル)−メタノール(106.2g、646mmol)を得た。これは放置すると結晶化した。
【0087】
ステップE:トルエン−4−スルホン酸1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イルメチルエステル
(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イル)−メタノール(105g,640mmol),ピリジン(155ml,1.92mol)および4−ジメチルアミノピリジン(2.5g,20.5mmol)のクロロホルム溶液(1.5L)にp−トルエンスルホニルクロリド(244g,1.28mol)を15分かけて滴下処理した。この混合物を72時間攪拌し、水(2×1L)、飽和ナトリウムクロリド溶液(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を真空で除去し、油状の残留物を60%(v/v)n−ヘプタンのエチルアセテートとともに振とうし、ろ過により褐色の固体を得た。これを最小限のジクロロメタンに溶解し、セライトパッドを通してエチルアセテート(4L)で溶出した。次いで、溶液の体積が750mlになるまで真空で溶媒を除去し、n−ヘプタン(1.5L)を添加した。次いで、得られた懸濁液をろ過し、砂状固体として表題化合物を得た。
【0088】
H NMR(400MHz,CDCl):1.80−2.00(3H,m),2.07−2.15(2H,m),2.46(s,3H),2.90−3.09(m,4H),3.90(2H,d,J6.3),7.36(2H,d,J8.1)及び7.78(2H,d,J8.2)。
【0089】
(実施例1)
7−クロロ−3−({5−[N−(モルホリン−1−イルカルボキサミド)メチル]アミノメチル}−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール、塩酸塩
ステップA:7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸
7−クロロインドール(7.1g,47.0mmol)のジメチルホルムアミド溶液(60ml)を窒素雰囲気下で5℃に冷却し、無水トリフルオロ酢酸(7.6ml,54.0mmol)を10℃以下の温度に保ちながら10分かけて添加した。この混合物を5から10℃で2時間攪拌した後、水(600ml)に注いだ。得られた懸濁液を15分間攪拌し、沈殿物7−クロロ−3−[トリフルオロメチル]カルボニル]−1H−インドールをろ別し、中性になるまで水で洗浄した。湿り気のある固体を4M水酸化ナトリウム水溶液(500ml)に懸濁させ、攪拌しながら1時間加熱還流した。この混合物を冷却しジエチルエーテル(2×100ml)で洗浄した。その後水層を5M塩酸を用いてpH1に酸性化し、得られた細かい沈殿物をろ別し、中性になるまで水で洗浄し、乾燥してピンク色の固体として7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸(7.5g,38.0mmol)を得た。
【0090】
ステップB:1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸
10℃の7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸(7.5g,38.0mmol)のジメチルホルムアミド溶液(100ml)に、窒素雰囲気下で水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物,3.1g,76.0mmol)を、15℃以下の温度に保ちながら10分かけて滴下した。冷却浴から除去し、懸濁液を90分間攪拌した。トルエン−4−硫酸テトラヒドロピラン−4−イルメチルエステル(14.6g,53.0mmol)を添加した。この混合物を6時間攪拌しながら50℃に加熱した。ジメチルホルムアミドを蒸発により除去し、残留物を水(500ml)に溶解した。エマルジョンをジクロロメタン(2×100ml)で洗浄した。水層を5M塩酸を用いてpH1に酸性化し、沈殿物をろ別し、中性になるまで水で洗浄し乾燥して白色固体として1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸(15.0g,51.0mmol)を得た。
【0091】
ステップC:1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸アミド
オキサリルクロリド(9.0ml,102mmol)を、氷水で冷やした1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸(15.0g,51.0mmol)およびジクロロメタン(300ml)の混合物に滴下し、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。ジクロロメタンと過剰のオキサリルクロリドを蒸発により除去し、得られた残留物をジクロロメタン(300ml)と混合した。アンモニア水溶液(200ml)を添加し、次に炭酸カリウム(13.5g,102mmol)を添加した。得られた混合物を1時間攪拌した。沈殿物をろ別し、乾燥して白色固体として1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(8.0g,27.0mmol)を得た。残ったろ液を水(2×100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮し茶色固体として1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(5.0g,17.0mmol)を得た。
【0092】
ステップD:7−クロロ−3−([1,3,4]−オキソチアゾール−2−オン−5−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(8.0g,27.0mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(100ml)にクロロカルボニルスルフェニルクロリド(4.7ml,55.0mmol)を添加し、反応混合物を3時間加熱還流して冷却させた。沈殿物をろ別し、乾燥して白色固体として5−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール)−[1,3,4]−オキサチアゾール−2−オン(5.3g,15.0mmol)を得た。ろ液を真空濃縮し、得られた固体を5%エチルアセテートのn−ヘプタンで洗浄しその後乾燥し、ピンク色固体として7−クロロ−3−([1,3,4]−オキソチアゾール−2−オン−5−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(2.6g,7.0mmol)を得た。
【0093】
ステップE:7−クロロ−3−({5−エチルカルボキシレート}−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−([1,3,4]−オキソチアゾール−2−オン−5−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(0.79g,2.0mmol)のm−キシレン(10ml)懸濁液にエチルシアノホルメート(2.2ml,23mmol)を添加し、反応物にEmrys Optimizer EXP(商標)を用いて180℃で15分間マイクロ波を照射した。反応を同じ量で10回繰り返し、これらを合わせ、真空で溶媒を除去し、白色固体として7−クロロ−3−({5−エチルカルボキシレート}−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(7.1g,17mmol)を得た。
【0094】
ステップF:7−クロロ−3−({5−ヒドロキシメチル}−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−({5−エチルカルボキシレート}−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(7.1g,17.0mmol)のテトラヒドロフラン(80ml)およびメタノール(80ml)冷却溶液(氷/メタノール浴)にホウ水素化ナトリウム(1.9g,50.0mmol)を滴下した。反応物を18時間攪拌した後、1M塩酸(20ml)でクエンチした。メタノールおよびテトラヒドロフランを真空で除去し、ジクロロメタン(200ml)および2M塩酸(50ml)を添加した。有機層を分離し、食塩水(50ml)で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーを用いて精製(20%から50%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出)桃色固体として7−クロロ−3−({5−ヒドロキシメチル}−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(3.6g,10.0mmol)を得た。
【0095】
ステップG:メタンスルホン酸3(−1−{テトラヒドロピラン−4−イル}メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−[1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル
7−クロロ−3−({5−ヒドロキシメチル}−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(3.6g,10.0mmol)のジクロロメタン(150ml)冷却溶液(氷/メタノール浴)にメタンスルホニルクロリド(0.97ml,12.0mmol)およびトリエチルアミン(2.6ml,20.0mmol)を連続して添加した。1時間攪拌しながら反応を続けた後、分液ロートに注いだ。有機層を5%炭酸ナトリウム水溶液(2×100ml)、食塩水(1×100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去して、メタンスルホン酸3−(1−{テトラヒドロピラン−4−イル}メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−[1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(4.6g,10.0mmol)を得た。これは、さらなる精製をせずに使用した。
【0096】
ステップH:7−クロロ−3−({5−[N−(モルフォリン−1−イルカルボキサミド)メチル]アミノメチル}−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
メタンスルホン酸3−(1−{テトラヒドロピラン−4−イル}メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−[1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(0.20g,0.45mmol)の1−メチル−2−ピロリジノン溶液(4ml)に2−アミノ−(1−モルホリン−4−イル)エタノンヒドロクロリド(098g,0.54mmol)および炭酸カリウム(0.90g,0.68mmol)を添加した。反応物を室温で18時間攪拌した。反応物をジクロロメタン(8ml)で希釈し、5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄した後、2Mアンモニアのメタノールで溶出した。アンモニアのメタノール溶液を蒸発し、表題化合物(115mg,0.23mmol)を遊離塩基として得た。遊離塩基(0.04g,0.08mmol)をジクロロエタンに溶解し、塩化水素(2Mジエチルエーテル溶液;1.0ml,2.0mmol)を添加した。この混合物を真空で濃縮し、30%(v/v)ジクロロメタンのジエチルエーテルで再結晶し、1:1塩酸塩として表題化合物(0.02g,0.037mmol)得た。EsIMS:m/z 490.3[M+H]
【0097】
(実施例2)
(+/−)−7−クロロ−3−[(5−{2−カルボキシピロリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
メタンスルホン酸3−(1−{テトラヒドロピラン−4−イル}メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−[1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(実施例1;ステップ1G;0.08g,0.18mmol)をアセトニトリル(2ml)に溶解した。DL−プロリン(0.1g,0.9mmol)を添加し、この混合物に150℃で20分間マイクロ波を照射した。混合物をろ過し、semi−prep.HPLC(方法i)を用いて精製し、1:1トリフルオロ酢酸塩として表題化合物(0.005g,0.009mmol)得た。EsIMS:m/z 461.0[M+H]
【0098】
(実施例3)
7−クロロ−3−[(5−(4−スピロ{(2−ピロリジノン−3−イル)ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
メタンスルホン酸3−(1−{テトラヒドロピラン−4−イル}メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−[1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(実施例1;ステップ1G;0.10g,0.23mmol)を1−メチル−2−ピロリジノン(1ml)および4−スピロ−[3−(2−ピロリジノン)]ピペリジンヒドロクロリド(0.21g,1.1mmol)に溶解し、炭酸カリウム(0.30g,2.3mmol)を加え、この混合物に100℃で5分間マイクロ波を照射した。混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄した後、2Mアンモニアメタノールで溶出した。semi−prepHPLC(方法ii)で精製し、遊離塩基として表題化合物(0.03g,0.062mmol)を得た。EsIMS:m/z 500.0[M+H]
【0099】
(実施例3A)
(S)−7−クロロ−3−[(5−{[({N−カルボキシアミド}メチル)−2−カルボキサミド]ピロリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4−チアジアゾール−3−イル])−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
7−クロロ−3−[(5−{[({N−カルボキシ}メチル)−2−カルボキサミド]ピロリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドールを、4−スピロ−[3−(2−ピロリジノン)]ピペリジンヒドロクロリドの代わりにH−Pro−Gly−OHを用いて実施例3の方法に従って調製した。7−クロロ−3−[(5−{[({N−カルボキシ}メチル)−2−カルボキサミド]ピロリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(35mg,0.068mmol)をジクロロメタンに溶解し、オキサリルクロリド(0.012ml、0.14mmol)を加え、反応物を室温で18時間攪拌した。ジクロロメタンと過剰のオキサリルクロリドを蒸発により除去し、得られた残留物をジクロロメタン(10ml)と合わせた。アンモニア水溶液を添加し、反応物を1時間攪拌した。混合物を分液ロートに移し、水(2×10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。セミ分取HPLC(方法ii)で精製し、遊離塩基として表題化合物(0.008g,0.015mmol)を得た。EsIMS:m/z 517.2[M+H],[α]22+1.7°(メタノール中c=0.60mg/ml)。
【0100】
(実施例4)
(R)−7−クロロ−3−[(5−{[3−N−アセチルアミノ]ピロリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
メタンスルホン酸3−(1−{テトラヒドロピラン−4−イル}メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−[1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(実施例1;ステップ1G;100mg,0.227mmol)をジクロロメタン(1ml)に溶解し、3(R)−(+)−アセトアミドピロリジン(0.145g,1.14mmol)を加え、この混合物に100℃で3分間マイクロ波を照射した。その後、反応物をジクロロメタンで希釈し、分液ロートに移し、重炭酸ナトリウムで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄した後、2Mアンモニアメタノールで溶出した。溶媒を真空で除去し、表題化合物(70.1mg,0.148mmol)を得た。EsIMS:m/z:474.0[M+H],[α]22+28.8°(メタノール中c=2.60mg/ml)。
【0101】
(実施例4A)
7−クロロ−3−[(5−{2−(R)−[ヒドロキシメチル]ピロリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
表題化合物を実施例4の方法に従って調製し、3−アセタミドピロリジンの代わりにL−(+)−ピロリノールを用いてHPLC(方法ii)で精製した。EsIMS:m/z:447.0[M+H]。
【0102】
(実施例5)
7−メトキシ−3−[(5−{[(N−カルボキサミド)メチル]メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,トリフルオロ酢酸塩
メタンスルホン酸3−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−メトキシ−インドール−3−イル)−([1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(106mg,0.25mmol)を7−クロロインドールの代わりに7−メトキシインドールを用いて実施例1の方法に従って調製し、アセトニトリル(2ml)に溶解し、マイクロ波容器に移した。N−メチルグリシンアミドヒドロクロリド(53mg,1.26mmol)および炭酸カリウム(174mg,1.26mmol)を添加し、Emrys Optimizer EXP(商標)を用いて反応混合物に150℃で30分間マイクロ波を照射した。遊離塩基をsemi−prep.HPLC(方法i)で精製し、1:1トリフルオロ酢酸塩(17.4mg,0.03mmol)として表題化合物を得た。EsIMS:m/z 452.1[M+Na],429.8[M+H]
【0103】
(実施例6)
7−クロロ−3−[(5−{N−[2−メチルスルホナミド]エチレンアミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
メタンスルホン酸3−[7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−イル]−([1,2,4]−チアジアゾール−5−イルメチルエステル(実施例1;ステップ1G;44mg,0.10mmol)炭酸カリウム(55mg,0.4mmol)およびN−(メタンスルホンアミド)エチレンジアミン塩酸塩(35mg,0.20mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)/アセトニトリル(2ml)混合物に160℃で10分間マイクロ波を照射した。反応混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄し、2Mアンモニアをメタノールで溶出した。アンモニアメタノール溶液を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、67から100%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタン、次に10%(v/v)エチルアセテートのメタノールで溶出、遊離塩基の表題化合物を得た。遊離塩基のジエチルエーテル溶液(5ml)に塩化水素(1Mジエチルエーテル溶液;1ml)を添加して塩酸塩を生成させた。混合物を真空で濃縮、1:1塩酸塩(10mg,0.022mmol)として表題化合物を得た。EsIMS:m/z506.0[M+Na],484.4[M+H]
【0104】
(実施例6A)
7−クロロ−3−[(5−{[(N−カルボキサミド)メチル]アミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
表題化合物をN−(メタンスルホンアミド)エチレンジアミン塩酸塩の代わりにグリシナミドクロリドを用いて、実施例6の方法に従って調製した。EsIMS:m/z442.1,[M+Na],420.0[M+H]
【0105】
(実施例7)
7−クロロ−3−({5−[(N−{2−メトキシ}エチル)−(N−{メチルスルホニル})アミノ]メチル}−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
メタンスルホン酸3−[7−クロロ−1−{テトラヒドロピラン−4−イル}メチル−1H−インドール−3−イル]−([1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(実施例1;ステップ1G;60mg,0.14mmol)および2−メトキシエチルアミン(41mg,0.54mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液の混合物に160℃で10分間マイクロ波を照射した。反応混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄し、2Mアンモニアのメタノールで溶出した。アンモニアメタノール溶液を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、0から10%(v/v)エチルアセテートのメタノールで溶出し、7−クロロ−3−[(5−{[N−(2−メトキシエチル)アミノ]メチル})−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(58mg,0.14mmol)を得た。ジクロロメタン(2ml)中、7−クロロ−3−[(5−{[(N−(2−メトキシエチル)アミノ)メチル]}−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(58mg,0.14mmol)、トリエチルアミン(17mg,0.17mmol)およびメタンスルホニルクロリド(19mg,0.17mmol)の混合物を室温で18時間攪拌した。過剰量のメタンスルホニルクロリドをメタノール(0.5ml)でクエンチし、混合物をカラムクロマトグラフィーを用いて精製(33から67%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出)して表題化合物(37mg,0.074mmol)を得た。EsIMS:m/z521.0[M+Na],499.1[M+H]
【0106】
(実施例7A)
7−クロロ−3−[(5−{[(N−{カルボキサミド}メチル)]−(N−{2−メトキシエチルスルホニル})アミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
表題化合物をメタンスルホニルクロリドの代わりに7−クロロ−3−[(5−{N−[(カルボキサミド)メチル]アミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例6A)および2−メトキシエタンスルホニルクロリドを用いて実施例7の方法に従って調製した。EsIMS:m/z564.0[M+Na],542.0[M+H]
【0107】
(実施例8)
7−クロロ−3−[(5−{N−[(2−スルホナミド)−2−メトキシエチル]エチレンアミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
N−(2−tert−ブトキシカルボニル)−エチレンジアミン(0.63ml,4.00mmol)およびトリエチルアミン(0.67ml,4.80mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液に、0℃で2−メトキシエタンスルホニルクロリド(761mg,4.80mmol)を添加し、この混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物はジクロロエタンと水の間に分配した。水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮しN−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)−2−メトキシエタンスルホンアミドを得た。N−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエチル)−2−メトキシエタンスルホンアミドおよび5N HCl(8ml)の混合物のメタノール(8ml)を室温で2時間攪拌後、50℃で1時間攪拌し、真空で濃縮してN−(2−アミノエチル)−2−メトキシエタンスルホンアミド塩酸塩を得た。表題化合物の遊離塩基をメタンスルホン酸3−[7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−イル]−([1,2,4]−チアジアゾール−5−イルメチルエステルおよびN−(2−アミノエチル)−2−メトキシエタンスルホンアミド塩酸塩を用いて、実施例6の方法に従って調製した。
【0108】
表題化合物の得られた未精製遊離塩基を分取LCMSで精製し、表題化合物のトリフルオロ酢酸塩を得た。EsIMS:m/z 528.0[M+H]
【0109】
(実施例9)
7−エチル−3−[(5−{[N−(カルボキサミド)メチル]−N−メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
実施例1に従って、7−クロロインドールの代わりに7−エチルインドールを用いて調製されたメタンスルホン酸3−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−エチル−1H−インドール−3−イル)−([1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(30mg,0.07mmol)を、5mlマイクロ波容器中で、ドライジクロロメタン(1ml)に溶解した後、炭酸カリウム(70mg,0.51mmol)を添加し、次にN−メチルグリシンアミドヒドロクロリド(26mg,0.21mmol)を添加した。混合物をマイクロ波オーブンで100℃で3分間加熱した。室温に冷却後、混合物を水とジクロロメタンの間に分配した。有機層を分離し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空で蒸発させた。未精製油状物質を2gのSCXカラムおよび2gのシリカ分離カラムを用いて、50%から100%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出しながら精製した。遊離塩基をドライジクロロメタン中に溶解し、2MのHClエーテル溶液を加えることでこの塩酸塩に転換し、表題化合物(7.9mg,0.017mmol)を得た。EsIMS:m/z 428.1[M+H]
【0110】
(実施例10)
(+/−)−7−エチル−3−[(5−{[3−メチルスルホニル]ピロリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
実施例1に従って、7−クロロインドールの代わりに7−エチルインドールを用いて調製されたメタンスルホン酸3−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−エチル−1H−インドール−3−イル)−([1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル(60mg,0.14mmol)を、5mlマイクロ波容器中で、ドライジクロロメタン(1ml)に溶解し、次に(+/−)−3−(メチルスルホニル)ピロリジン(104mg,0.7mmol)に溶解した。この混合物をマイクロ波オーブンで100℃で3分間加熱した(固定したホールドタイムのスイッチを入れる)。室温に冷却後、混合物をジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥するまで蒸発させた後、未精製生成物を2gのシリカ分離カラムを用いて、50%から100%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出しながら精製した。生成物を含有するフラクションを合わせ、乾燥するまで蒸発させ、さらに2g Strata(商標)SCXカラムで精製した。遊離塩基をドライジクロロメタン中に溶解し、2M HClのエーテル溶液を加えることでこの塩酸塩に転換し、表題化合物(8.0mg,0.015mmol)を得た。EsIMS:m/z489.1[M+H]
【0111】
(実施例10A)
7−エチル−3−[(5−{4−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,
表題化合物を、3−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−クロロ−1H−インドール−3−イル)−([1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステルの代わりにメタンスルホン酸3−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−エチル−1H−インドール−3−イル)−([1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル、および2−アミノ−1−モルホリン−4−イル−エタノンヒドロクロリドの代わりに4−[({2−ヒドロキシ}エチル)−カルボキサミド]ピペリジンを用いて、実施例1に従って調製した。EsIMS:m/z512.3[M+H]
【0112】
(実施例11)
(+/−)−7−エチル−3−[(5−{[2−ヒドロキシメチル]モルホリン−4−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,
メタンスルホン酸3−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−エチル−1H−インドール−3−イル)−([1,2,4]チアジアゾール−5−イルメチルエステル)(60mg,0.14mmol)を、5mlマイクロ波容器中でドライアセトニトリル(1.5ml)に溶解し、次に(+/−)−2−ヒドロキシメチルモルホリントリフルオロ酢酸塩(207mg,0.9mmol),炭酸カリウム(200mg,1.47mmol)およびヨウ化カリウム(150mg;0.9mmol)を溶解した。混合物を160℃で5分間マイクロ波オーブンで加熱した。室温に冷却し、混合物が乾燥するまで蒸発させ、残留物をジクロロメタンと水の間に分配した。水層を分離し、水で再び洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥するまで蒸発させた。未精製生成物を2gのシリカ分離カラムで50%から100%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出しながら精製した。生成物を含有するフラクションを合わせ、乾燥するまで蒸発させ、さらに2gのSCXカラムで精製した。遊離塩基をドライジクロロメタン中に溶解し、2M HClのエーテル溶液を加えることでこの塩酸塩に転換し、表題化合物(44.3mg,0.09mmol)を得た。EsIMS:m/z457.4[M+H]
【0113】
実施例5の手法を、N−メチルグリシンアミドヒドロクロリドの代わりとなるアミンを用いて、反応時間を30分の代わりに5分にして、以下の化合物を調製するためにさらに使用し、実施例10に従う手法で精製した。
【0114】
(実施例12)
7−エチル−3−[(5−{N−[4−(カルボキサミド)メチル]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,
表題化合物をピペリジン−4−N−メチルカルボン酸アミドを用いて調製した。EsIMS:m/z482.1[M+H]
【0115】
(実施例12A)
7−エチル−3−[(5−{[(S)−(メチルカルボキシレート)メチル]−N−(1−ヒドロキメチル)メチルアミノ}−メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,
表題化合物を(S)−N−メチル−シリンを用いて調製した。EsIMS:m/z473.0[M+H]
【0116】
(実施例12B)
7−エチル−3−[(5−{[N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)]メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,
表題化合物をN−メチル−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミンを用いて調製した。EsIMS:m/z445.4[M+H]
【0117】
(実施例13)
(S)−7−クロロ−3−[(5−{[3−N−(2−ヒドロキシルエチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
ステップA:7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール
7−クロロインドール(45g,296mmol)のジメチルホルムアミド(450ml)溶液に水素化ナトリウム(60%鉱油分散;17.8g,444mmol)を滴下して処理した。この混合物を室温で30分間攪拌した。その後トルエン−4−スルホン酸1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イルメチルエステル(95.45g,300mmol)を15分かけて滴下し、混合物を室温で72時間攪拌した。反応物を水(2L)でクエンチし、沈殿物をろ過し、水(3×300ml)で洗浄、乾燥して無色固体の表題化合物(79g,266mmol)を得た。
【0118】
ステップB:7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボン酸
1−[(1,1−ジオキソヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−7−クロロ−1H−インドール(79g,266mmol)のジメチルホルムアミド(800ml)溶液を、窒素雰囲気下でアセトン/氷浴中にて冷却し、無水トリフルオロ酢酸(74.3ml,532mmol)を温度を5℃以下に保持しながら滴下した。この混合物を室温まで暖め2時間以上攪拌した後、水(3L)でクエンチした。得られた7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(トリフルオロメチル)−カルボニル]−1H−インドール沈殿物をろ過し、水(3×700ml)で洗浄した。湿った固体をエタノール(500ml)に懸濁させ、4M水酸化ナトリウム水溶液(500ml)を加え、混合物を2時間攪拌しながら加熱還流した。混合物を冷却し、エタノールを真空で除去した。水(500ml)およびn−ヘプタン(200ml)を加え、混合物を5M塩酸水溶液でpH2に酸性にした。懸濁液をろ過し、水(3×500ml)で洗浄後、乾燥して淡茶色固体の表題化合物(70g,205mmol)を得た。
【0119】
ステップC:7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボキサミド
7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボン酸(70g,205mmol)のテトラヒドロフラン溶液(750ml)を、窒素雰囲気下で0℃に冷却し、オキサリルクロリド(23ml,266mol)を滴下した。この混合物を室温で16時間攪拌し、揮発成分を真空で蒸発させ、残留物をジクロロメタンに懸濁させた。得られた混合物を、冷却した(0℃)水酸化アンモニウム(33%水溶液,750ml)および炭酸カリウム(56.5g,410mmol)の混合物に、ゆっくり(3分以上かけて)添加した。得られた2層懸濁液を1時間攪拌した。次いでジクロロメタンを真空で除去し、pHを塩酸水溶液で8から9に調整した。その後懸濁液をろ過し、水(2×300ml)、n−ヘプタン(2×300ml)およびジエチルエーテル(2×300ml)で洗浄後、乾燥して砂色固体の表題化合物(66.5g,195mmol)を得た。
【0120】
ステップD:7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−([1,3,4]−オキサチアゾール−2−オン−5−イル)−1H−インドール
7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボキサミド(10.0g,29.3mmol)およびクロロカルボニルスルフェニルクロリド(5.05ml,60.9mmol)の混合物のテトラヒドロフラン(150ml)を、窒素雰囲気下で攪拌しながら3時間穏やかに還流した。この反応混合物を真空で濃縮後、冷却し固体をろ過した。この固体をアセトン中に取り、混合物は真空で濃縮後、冷却し、得られた淡黄色固体をろ過、乾燥して表題化合物(8.7g,21.8mmol)を得た。
【0121】
ステップE:7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−エトキシカルボニル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドール;7−クロロ−3−シアノ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドールとの約1:1混合物
7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−([1,3,4]−オキサチアゾール−2−オン−5−イル)−1H−インドール(8.3g,20.8mmol)およびエチルシアノホルメート(20ml,202mmol)の混合物の混合キシレン(200ml)を3時間激しく加熱還流した。得られた溶液を真空で濃縮後、冷却し、更なる沈殿が起きなくなるまでn−ヘプタンで希釈した。得られた固体をろ過し、n−ヘプタンで洗浄後、乾燥して淡黄色固体の表題混合物(8.2g)を得た。
【0122】
ステップF:7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−ヒドロキシメチル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)−1H−インドール
7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオ−ピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−エチルカルボキシル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドールおよび7−クロロ−3−シアノ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール(8.0g)の前出混合物のジクロロメタン/メタノール(1:1;240ml)溶液に、室温でホウ化水素ナトリウム(1.34g,35.4mmol)を5分間かけて滴下した。反応物を15分間攪拌した。その後アセトン(20ml)を加え混合物をさらに5分間攪拌した。混合物の体積が少なくなるまで真空で濃縮した後、更なる沈殿が起きなくなるまで水で希釈した。沈殿物をろ過し、水で洗浄後、空気乾燥した。固体をジクロロメタン(200ml)に溶解し、水(100ml)、食塩水(100ml)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥してろ過した。溶液は真空で濃縮した。静置すると、わずかな表題化合物が結晶化したのでろ過した(4.5g,10.9mmol)。ろ液をさらに濃縮すると、前出ステップで得たニトリルが結晶,7−クロロ−3−シアノ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール(1.7g)を得た。
【0123】
ステップG:7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−{5−[(メタンスルホニルオキシ)メチル]−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)}−1H−インドール
7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−ヒドロキシメチル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドール(4.5g,10.9mmol)のジクロロメタン(200ml)懸濁液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.7ml,21.4mmol)を添加し、次にメタンスルホニルクロリド(1.01ml,13.1mmol)を2から3分間かけて滴下した。反応物を15分間攪拌後、氷水でクエンチし、さらに10分間攪拌した。層を分離し、有機層を水(100ml),塩水(100ml)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥しろ過した。真空で溶媒を除去し、残留物をアセトンから再結晶して桃色固体の表題化合物(4.2g,8.6mmol)を得た。
【0124】
ステップH:(S)−7−クロロ−3−[(5−{[3−N−(2−ヒドロキシエチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−{5−[(メタンスルホニルオキシ)メチル]−([1,2,4]−チアゾジアゾール−3−イル)}−1H−インドール(245mg,0.5mmol)、(S)−N−(2−ヒドロキシエチル)ニペコタミド(103mg,0.6mmol)[市販の(S)−Boc−ニペコチン酸およびエタノールアミンの標準的なアミドカップリングで調製される]および炭酸カリウム(103mg,0.75mmol)の混合物のアセトン(10ml)を5時間加熱還流した。反応は不完全なのでさらに(S)−N−(2−ヒドロキシエチル)ニペコタミド(40mg)を加え、2時間さらに還流を続けた。無機物をろ過し、溶媒を真空で除去し、残留物をジクロロメタンと水の間に分配した。その後未精製生成物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄した後、2Mアンモニアのメタノールで溶出した。アンモニアのメタノール溶液を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーを用いて4から6%(v/v)ジクロロメタンのエタノールで溶出して精製し、表題化合物の遊離塩基を得た。遊離塩基のジクロロメタン溶液(5ml)に塩化水素(1Mジエチルエーテル溶液)を加え、痕跡量のメタノールを含むジクロロメタンからエーテルで2回沈殿させ、非結晶固体の表題化合物225mg(0.37mmol)を得た。EsIMS:m/z 566.5[M+H],[α]−3.37°(メタノール中c=1.78mg/mL)
【0125】
(実施例13A)
7−クロロ−3−[(5−{[4−(N−メチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−チオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
表題化合物をステップHにおける(S)−N−(2−ヒドロキシエチル)ニペコタミドの代わりにピペリジン−4−N−メチルカルボン酸アミドを用いて実施例13の手法に従い、反応時間2時間で調製し、水を加え、次にアセトンから結晶化して精製した。EsIMS:m/z 536.5,538.5[M+H]
【0126】
(実施例14)
7−クロロ−3−[(5−{[4−ヒドロキシ]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−チオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
7−クロロ−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−チオピラン−4イルメチル)−3{−[5−[(メタン−スルホニルオキシ)メチル]−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)−1H−インドール(98mg,0.2mmol)を1−メチル−2−ピロリジノン(0.5ml)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(69μl,0.4mmol)および4−ヒドロキシ−ピペリジン(26mg,0.26mmol)に溶解し添加し、この混合物を40℃で3時間暖めた。溶液を室温に冷やし水をゆっくり加え、ろ過可能な半固体の生成物を沈殿させた。未精製生成物をシリカクロマトグラフィーを用いてエタノールのジクロロメタン4%(v/v)で溶出した。痕跡量のエタノールを含有するジクロロメタンからジエチルエーテルで沈殿させて塩酸塩に転換し、非結晶固体の表題化合物(55mg,0.11mmol)を得た。EsIMS:m/z 495.4,497.4[M+H]
【0127】
(実施例14A)
7−クロロ−3−[(5−{[N−(2−メトキシ)エチル]メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−チオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
表題化合物を4−ヒドロキシ−ピペリジンの代わりにN−2−(メトキシエチル)メチルアミンを用いて調製した。EsIMS:m/z483.3,485.3[M+H]
【0128】
(実施例14B)
7−クロロ−3−[(5−{[N−(2−ヒドロキシ)エチル]メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−チオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
表題化合物を4−ヒドロキシ−ピペリジンの代わりに2−メチルアミノ−エタノールを用いて調製した。EsIMS:m/z469.5,471.5[M+H]
【0129】
(実施例14C)
7−エチル−3−[(5−{[4−(メチルスルホンアミド)メチル]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
表題化合物を、実施例1に従ってメタンスルホン酸3−(1−テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−7−エチル−1H−インドール−3−イル)−([1,2,4]−チアジアゾール−5−イルメチルエステルを用いて、7−クロロインドールの代わりに7−エチルインドールを用いて、および実施例14に従って4−ヒドロキシ−ピペリジンの代わりにN−(2−tert−ブトキシカルボニル)−4−アミノメチル−ピペリジンを用いて調製した。N−(2−tert−ブトキシカルボニル)基を、室温でトリフルオロ酢酸(2ml)のジクロロメタン(10ml)を用いて除去させた。次にトリフルオロ酢酸塩をメタンスロホニルクロリド(13.8μl,0.18mmol)のジクロロメタン、およびDIPEA(56μl,0.3mmol)で、室温で処理し、シリカクロマトグラフィーにより表題化合物を得た。EsIMS:m/z 532.0[M+H]
【0130】
(実施例15)
7−クロロ−3−({5−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)−(N−{メチルスルホニル})アミノ]メチル}−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
メタンスルホン酸3−[7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−イル]−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イルメチルエステル(実施例1;ステップ1G;300mg,0.68mmol),グリシンエチルエステル塩酸塩(114mg,0.82mmol)およびトリエチルアミン(206mg,2.04mmol)のテトラヒドロフラン(4ml)の混合物に、160℃で10分間マイクロ波を照射した。反応混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄後、2Mアンモニアのメタノールで溶出した。アンモニアのメタノール溶液を真空で濃縮し、7−クロロ−3−[(5−{[(エチルカルボキシレート)メチル]アミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(144mg,0.32mmol)を得た。ジクロロメタン(2ml)中、7−クロロ−3−[(5−{[(エチルカルボキシレート)メチル]アミノ}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(60mg,0.13mmol)、トリエチルアミン(19mg,0.19mmol)およびメタンスルホニルクロリド(18mg,0.16mmol)の混合物を室温で2時間攪拌した。過剰量のメタンスルホニルクロリドをエタノール(0.5ml)で急却し、混合物をカラムクロマトグラフィーを用いて33から60%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出して精製し、7−クロロ−3−[(5−[({エチルカルボキシレート}メチル)−(N−{メチルスルホニル})アミノ]メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(46mg,0.87mmol)を得た。7−クロロ−3−[(5−[({エチルカルボキシレート}メチル)−(N−{メチルスルホニル})アミノ]メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(35mg,0.066mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)およびメタノール(1ml)混合溶液にホウ化水素ナトリウム(10mg,0.27mmol)を加え、この混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を5N HCl(0.1ml)でクエンチ後、真空で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーを用いて33から100%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出し、次に10%(v/v)エチルアセテートのメタノールで溶出して精製し、表題化合物(19mg,0.039mmol)を得た。EsIMS:m/z507.0[M+Na],485.1[M+H]
【0131】
(実施例16)
7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−3−({4−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}−[1,3]−チアゾール−2−イル)−1H−インドール,塩酸塩
ステップA:7−クロロ−1−シクロヘキシルメチルインドール
7−クロロインドール(4.91g,32.4mmol)のジメチルホルムアミド(60ml)溶液に0℃、窒素雰囲気下で、水素化ナトリウム(60%鉱油分散,1.43g,35.6mmol)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。臭化シクロヘキシルメチル(5.0ml,35.6mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物に水素化ナトリウム(60%鉱油分散,358mg,8.94mmol)を添加した。15分攪拌後、臭化シクロヘキシルメチル(1.25ml,8.96mmol)を添加した。混合物を70℃で1.5時間攪拌しながら加熱した。室温まで冷却後、混合物をジクロロメタンと水の間に分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーを用いて0から5%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出して精製し、7−クロロ−1−シクロヘキシルメチルインドール(8.1g,32.0mmol)を得た。
【0132】
ステップB:7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−3−[(トリフルオロメチル)カルボニル]−1H−インドール
7−クロロ−1−シクロヘキシルメチルインドール(8.1g,32.0mmol)のジメチルホルムアミド(40ml)溶液を、窒素雰囲気下で0℃に冷却し、無水トリフルオロ酢酸(4.1ml,36.0mmol)を添加した。混合物を室温で4時間攪拌した。この混合物をエチルアセテートと水の間に分配した。水層をエチルアセテートで抽出し、有機層を合わせ、食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。得られた結晶をn−ヘプタンで洗浄し、7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−3−[(トリフルオロメチル)カルボニル]−1H−インドール(8.6g,25.0mmol)を得た。
【0133】
ステップC:7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸
7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−3−[(トリフルオロメチル)カリボニル]−1H−インドール(8.6g,25.0mmol)および4N NaOH(60ml)のエタノール(40ml)混合物を85℃で18時間攪拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物を5N HClで酸性にし、ジクロロメタンと水の間に分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、真空で濃縮した。得られた結晶をn−ヘプタンで洗浄し7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸(64g,21.9mmol)を得た。
【0134】
ステップD:7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸アミド
オキサリルクロリド(4.95g,39.0mmol)を7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸(6.4g,21.9mmol)およびジクロロメタン(150ml)の混合物に、氷水で冷却しながら滴下し、得られた混合物を室温で20時間攪拌する。ジクロロメタンと過剰のオキサリルクロリドを蒸発除去し、得られた残留物をジクロロメタン(100ml)と混合した。 アンモニア水溶液(33%,50ml)および炭酸カリウム(6.05g,43.8mmol)を氷水浴で冷却しながら混合物に添加した。室温で2時間攪拌後、反応混合物を真空で濃縮し、その後得られた固体を水、次にn−ヘプタンで洗浄し、減圧乾燥し、7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(6.4g,22.0mmol)を得た。
【0135】
ステップE:7−クロロ−3−[4−(クロロメチル)チアゾール−2−イル]−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(1.74g,6.0mmol)、Lawesson試薬(4.85g,12.0mol)、トルエン(150ml)およびテロラヒドロフラン(50ml)の混合物を室温で3日間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーを用いて20から50%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンで溶出して精製し、7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(1.38g,4.50mmol)を得た。7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(921mg,3.00mmol)、1,3−ジクロロアセトン(571mg,4.50mmol)の混合物のトルエン(30ml)を40℃で18時間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、得られた結晶を10%ジクロロメタン(v/v)のn−ヘプタンで洗浄し、7−クロロ−3−[4−(クロロメチル)チアゾール−2−イル]−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール(587mg,1.55mmol)を得た。
【0136】
ステッップF:7−クロロ−1−(シクロヘキシル)メチル−3−({4−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]メチル}−[1,3]−チアゾール−2−イル)−1H−インドール
7−クロロ−3−[4−(クロロメチル)チアゾール−2−イル]−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール(140mg,0.37mmol)、4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン(85mg,0.74mmol)、炭酸カリウム(56mg,0.41mmol)、ヨウ化ナトリウム(55mg,0.37mmol)およびアセトニトリル(3ml)の混合物に160℃で5分間マイクロ波を照射した。反応混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄した後、2Mアンモニアのメタノールで溶出した。アンモニアメタノール溶液を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィーを用いて0から25%のメタノールエチルアセテートで溶出して精製し、表題化合物の遊離塩基を得た。遊離塩基のジエチルエーテル溶液(10ml)に塩化水素(1Mジメチルエーテル溶液;2ml)を加えることで、ヒドロクロリド塩を形成した。混合物を真空で濃縮し、1:1塩酸塩として表題化合物(167mg,0.36mmol)を得た。EsIMS:m/z 458.4[M+H]
【0137】
(実施例16A)
7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−3−(4−{[N−(カルボキサミド)メチル−N−メチルアミノ]メチル}−[1,3]−チアゾール−2−イル)−1H−インドール
混合物のジメチルホルムアミド(2ml)中、7−クロロ−3−[4−(クロロメチル)チアゾール−2−イル]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例16で述べたように、臭化シクロヘキシルメチルの代わりにトルエン−4−硫酸テトラヒドロピラン−4−イルメチルエステルを用いて調整)(40mg,0.10mmol)、N−メチルグリシンアミドヒドロクロリド(18.4mg,0.15mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(35μl,0.21mmol)およびヨウ化ナトリウム(16mg,0.10mmol)に160℃で5分間マイクロ波を照射した。反応混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをジクロロメタンで洗浄し、ジクロロメタン中10%(2Mアンモニアのメタノール)で溶出した。生成物をカラムクロマトグラフィーを用いて、3:97(v/v)(2Mアンモニアのメタノール):ジクロロメタンで溶出し、表題化合物(39mg,0.09mmol)を得た。EsIMS:m/z 433.5,435.4[M+H]
【0138】
(実施例17)
7−クロロ−3−[(5−{4−[ヒドロキシメチル]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(クロロヘキシル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
1−クロロヘキシルメチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸(実施例16で調製したように;(2.0g,6.8mmol)のジクロロエタン(60ml)の懸濁液にオキサリルクロリド(1.2ml,14mmol)を加え、2時間攪拌して反応させ、一晩静置した。溶媒と過剰の試薬を真空で除去した。得られた残留物をジクロロメタン(10ml)に溶解し、水素化ヒドラジン(1.7ml,34mmol)のジエチルエーテル(60ml)冷溶液(氷/メタノール浴)を5分以上滴下した。その後反応混合物をさらに40分間攪拌し、この体積を真空中で半分に減少させ、ろ過した。ろ液をさらに濃縮し,得られた沈殿物をろ過下した。沈殿物を合わせ、真空で乾燥して1−シクロヘキシルメチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸ヒドラジン(2.3g,7mmol)を得た。
【0139】
1−シクロヘキシルメチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸ヒドラジン(0.71g,2.3mmol)のジクロロメタン(20ml)の懸濁液に炭酸カリウム(1.6g,11mmol)を加え、1時間攪拌して反応させた。反応混合物を氷/エタノール浴で冷却し、クロロアセチルクロリド(0.2ml,3.0mmol)を添加し、1時間攪拌して反応させた。飽和重炭酸ナトリウム溶液(30ml)を添加し、室温まで暖めて反応させた。反応混合物を9:1(v/v)ジクロロメタン:メタノール(3×20ml)で抽出し、有機層を合わせ、食塩水(1×30ml)で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去して1−シクロヘキシルメチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸 N’−(2−クロロアセチル)ヒドラジン(0.6g,2.0mmol)を得た。
【0140】
1−シクロヘキシルメチル−7−クロロ−1H−インドール−3−カルボン酸 N’−(2−クロロアセチル)ヒドラジン(0.6g,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムヒドロオキサイド、内塩(0.78g,3.0mmol)を添加し、得られた反応混合物に150℃で15分間マイクロ波を照射した。反応混合物をメタノールでクエンチし、溶媒を蒸発させた。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーで33から50%(v/v)エチルアセテートのn−ヘプタンを用いて精製して黄色固体の7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル]−1−(クロロヘキシル)メチル−1H−インドール(0.48g,1.0mmol)を得た。
【0141】
7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,3,4−]−オキサジアゾール−2−イル)−1−(シクロヘキシル)メチル−1H−インドール(0.08g,0.2mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液に4−ピペリジンメタノール(0.13g,1.0mmol)を添加し、反応混合物に100℃で20分間マイクロ波を照射した。得られた混合物をセミ分取HPLC(方法ii)で精製し遊離塩基として表題化合物(10mg,0.02mmol)を得た。遊離塩基をジクロロメタンに溶解後、塩化水素(2Mジエチルエーテル溶液;1.0ml,2.0mmol)を添加した。過剰の試薬と溶媒を蒸発により除去し、白色固体の表題化合物(1:1ヒドロクロリド塩)を残した。EsIMS:m/z 433.3[M+H]
【0142】
(実施例18)
(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−メリルスルホニル}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ステップA:(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−tert−ブトキシカルボニル}ピロリジン−2−イル)−([1,2]−ジヒドラジド)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ジクロロメタン(35ml)中、1−(テトラヒドロピラン)メチル−7−クロロ−3−(カルボン酸ヒドラジド)−1H−インドール(臭化シクロヘキシルメチルの代わりにトルエン−4−スルホン酸テトラヒドロピラン−4−イリメチルエステルを用いて、実施例17に従って調製した)(1.0g,3.2mmol)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート(1.8g,4.7mmol)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(1.6ml,9.1mmol)およびN−Boc−[L]−プロリン(756mg,3.52mmol)の混合物を室温で16時間攪拌した。その後反応混合物をHCl水溶液で洗浄し、飽和重炭酸溶液で洗浄し、ジクロロメタンを真空で濃縮した。褐色ガム状物質として(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−tert−ブトキシカルボニル}ピロリジン−2−イル)−([1,2]−ジヒドラジド)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(2.5g,50.0mmol)を得た。
【0143】
ステップB:(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−tert−ブトキシカルボニル}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
テトラヒドルフラン(15ml)中、(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−tert−ブトキシカルボニル}ピロリジン−2−イル)−([1,2]−ジヒオラジド)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(2.5g,5mmol)およびBurgess試薬(1.43g,10mmol)の混合物に、5バッチのEmrys Optimizer EXP(商標)を用いて200℃で5分間マイクロ波を照射した。反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを用いてn−ヘプタン、ジエチルエーテル、最後にジクロロメタンで溶出して直接精製し、(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−tert−ブトキシカルボニル}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(1.0g,2.0mmol)を得た。
【0144】
スッテプC:(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−メチルスルホニル}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ジクロロメタン(10ml)中、(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−tert−ブトキシカルボニル}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(210mg,0.43mmol)およびテトラフルオロ酢酸(1ml,13.0mmol)の混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物にジクロロメタン(10ml)中、トリエチルアミン(93μl,0.66mmol)、メタンスルホニルクロリド(21μl,0.3mmol)およびジメチルアミノピリジン(2mg,0.018mmol)の混合物を添加し、室温で16時間攪拌しながら放置した。有機物を2M HCL水溶液(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過して真空で溶媒を除去した。得られた残留物をフラッシュカムクロマトグラフィーを用いてジクロロメタンで溶出し、直接精製して、最後にエタノールおよび水で再結晶して、固体の表題化合物(25mg,0.048mmol)を得た。EsIMS:465.0m/z[M+H]
【0145】
(実施例18A)
(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−(カルボキサミド)エチル}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
表題化合物をエチルイソシアネートを用いて調製した。EsIMS:480.0m/z[M+Na],[α]22−40.0°(メタノール中c=2.55mg/ml)
【0146】
(実施例18B)
(S)−7−クロロ−3−[(5−{N−シクロプロパンスルホニル}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
表題化合物をシクロプロパンスルホニルクロリドを用いて調製した。EsIMS:513.0m/z[M+Na],[α]22−56.0°(メタノール中c=1.0mg/ml)
【0147】
以下の化合物は、N−Boc−[L]−プロリンの代わりにN−Boc−[D]−プロリンを用いて、実施例18の以下の方法で調製した。
【0148】
(実施例18C)
(R)−7−クロロ−3−[(5−{N−(N’,N’−ジメチルスルホンアミド)}ピロリジン−2−イル)−([1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
表題化合物をジメチルスルファモイルクロリドを用いて調製した。EsIMS:516.0m/z[M+Na],[α]22+58.5°(メタノール中c=1.40mg/ml)
【0149】
(実施例19)
7−クロロ−3−[(5−{4−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
ステップA:7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−カルボニトリル
ホスホラスオキシクロリド(9.6ml,103mmol)を、7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−カルボン酸アミド(20.0g,68.3mmol)のジメチルホルムアミド(200ml)冷却溶液(5から10℃)に圧力平衡分液ロートで滴下した。ホスホラスオキシクロリドを完全に添加し、10分間攪拌して反応させ、室温まで暖めた後さらに30分間攪拌した。その後反応混合物を注意深く氷水(2000ml)に注ぎ、得られた沈殿物をろ過し、水で洗浄した。その後ろ過ケーキをジクロロメタンに溶解し、水および食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥して、真空で溶媒を除去した。得られた固体をジエチルエーテルから結晶化して、白色固体の7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−カルボニトリル(12.9g,46.9mmol)を得た。
【0150】
ステップB:7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−カルボキサミド
エタノール(280ml)中の7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−カルボニトリル(12.9g,46.9mmol)とジ−イソ−プロピルエチルアミン(16.7ml,96.0mmol)の懸濁液にヒドロキシルアミンヒドロクロリド(6.8g,121.4mmol)を添加した。反応混合物を加熱還流し、6時間攪拌後、室温まで冷却して溶媒を真空で除去した。固体をジクロロメタンに溶解し、水と食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空で除去した。得られた固体をジエチルエーテルから結晶化し、灰色がかった白色固体の7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−カルボキサミジン(13.1g,42.5mmol)を得た。
【0151】
ステップC:7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール−3−カルボキサミジン(5.3g,17.2mmol)のテトラヒドロフラン(150ml)攪拌溶液にモレキュラーシーブ(5.3g)を加えて、反応混合物を60分間攪拌した。水素化ナトリウム(2.8g,116.6mmol)を滴下し、反応混合物をさらに60分間攪拌した後、30分間40℃で加温した。その後反応物を−70℃(ドライアイス/アセトン浴)に冷却し、クロロアセチルクロリド(2.8ml,35.2mmol)を圧力平衡分液ロートで滴下した。その後反応物を室温に暖め、4時間さらに攪拌し、水(5ml)を添加しクエンチしてろ過し、真空で溶媒を除去した。固体をジクロロメタンに溶解し、水および食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去した。得られた残留物を1%(v/v)エタノールのジクロロメタンおよび3%(v/v)エタノールのジクロロメタンで溶出し、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。フラクションを含有した生成物を合わせ、真空で溶媒を除去し、得られた固体をジエチルエーテルから再結晶して白色固体の7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(4.1g,11.2mmol)を得た。
【0152】
ステップD:7−クロロ−3−[(5−{4−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)カルボキシアミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(0.25g,0.68mmol)のアセトニトリル(2ml)溶液にピペリジン−4−カルボン酸(2−ヒドロキシエチル)アミノ(0.24g,1.36mmol)および炭酸カリウム(0.15g,1.05mmol)を加えた。反応物を室温で72時間攪拌後、ジクロロメタン(8ml)で希釈し、20g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄し、2Mアンモニアのメタノールで溶出する。アンモニアのメタノール溶液を蒸発乾燥した。これをジクロロメタンに再溶解し、炭酸ナトリウム溶液、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空で除去した。固体をジクロロメタンに溶解し、塩化水素(2Mジエチルエーテル溶液)を添加した。得られた塩酸塩をエタノールおよびジエチルエーテルの混合液で沈殿させ、1:1塩酸塩(190mg,0.38mmol)として表題化合物を得た。EsIMS:m/z502.3[M+H]
【0153】
(実施例20)
7−クロロ−3−[(5−{[N−(カルボキシアミド)メチル]−N−メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラ−ヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例19;ステップC;1.5g,4.09mmol)の1−メチル−2−ピロリジノン(5ml)溶液に、N−メチルグリシンアミドヒドロクロリド(1.0g,8.19mmol)およびカルボン酸カリウム(3.4g,24.6mmol)を添加した。反応物を室温で18時間攪拌し、ジクロロメタン(10ml)で希釈し、20gStrata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄した後2Mアンモニアのメタノールで溶出した。アンモニアのメタノール溶液を蒸発乾燥した。これをジクロロメタンに再溶解し、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空で除去した。得られた残留物を2%(v/v)エタノールのジクロロメタンで溶出し、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。固体をジクロロメタンに溶解し、塩化水素(2Mジエチルエーテル溶液)を添加した。得られた塩酸塩をアセトンから結晶化し、1:1塩酸塩(1.24g,2.73mmol)として表題化合物を得た。EsIMS:m/z418.3[M+H]
【0154】
(実施例20A)
7−クロロ−3−({5−[(N−{[N−(カルボキシアミド)メチル]カルボキシアミド}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−[(5−{[N−(カルボキシアミド)メチル]−N−メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩(1.19g,2.6mmol)のジメチルホルムアミド(15ml)溶液を窒素雰囲気下で0℃に冷却し、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散;420mg,10.5mmol)を添加した。混合物を室温まで暖め、室温で1時間攪拌した。その後2−クロロアセトアミド(257mg,2.7mmol)を添加し、この混合物を4日間攪拌した。反応混合物を20g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブを10%メタノールのジクロロメタンで洗浄し、10%(2Mアンモニアのメタノール)のジクロロメタンで溶出した。生成物をカラムクロマトグラフィーを用いて5:95(v/v)(2Mアンモニアのメタノール):ジクロロメタンで溶出し、表題化合物(32mg,0.07mmol)を得た。EsIMS:m/z 475.3,[M+H]
【0155】
(実施例20B)
7−クロロ−3−({5−[(N−{[N−(2−ヒドロキシエチル)]カルボキシアミド}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ステップA:7−クロロ−3−({5−[(N−{メトキシカルボニル}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例19;ステップC;1.0g,2.7mmol)のアセトニトリル(50ml)溶液にサルコシンメチルエステルヒドロクロリド(754mg,5.4mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.94ml,5.4mmol)を添加した。混合物を60℃に加熱しながら18時間攪拌した。その後混合物を真空で濃縮し、残留物をジクロロメタンに取り、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で溶媒を除去して茶色油状物質の7−クロロ−3−({5−[(N−{メトキシカルボニル}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(1.2g,2.7mmol)を得た。
【0156】
ステップB:7−クロロ−3−({5−[(N−{カルボキシル}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−({5−[(N−{メトキシカルボニル}メチル)−N−メチルアミノ]−メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(1.2g,2.7mmol)のメタノール(20ml)溶液および水(2ml)に水素化ナトリウム(146mg,3.6mmol)を添加した。混合物を攪拌しながら60℃で2時間加熱した。混合物を真空で濃縮し、20g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄後、2Mアンモニアのメタノールで溶出し、淡黄色粉末の7−クロロ−3−({5−[(N−{カルボキシル}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(750mg,1.8mmol)を得た。
【0157】
ステップC:7−クロロ−3−({5−[(N−{[N−(2−ヒドロキシエチル)]カルボキサミド}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−({5−[(N−{カルボキシ}メチル)−N−メチルアミノ]メチル}−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(500mg,1.2mmol)のジクロロメタン(20ml)懸濁液にジイソプロピルエチルアミン(0.65ml,4.8mmol)およびエタノールアミン(0.29ml,4.8mmol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、環無水1−プロピルリン酸(50%酢酸エチル溶液;1.42ml,2.4mmol)を滴下した。混合物を室温に暖め、1時間攪拌した。その後混合物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、炭酸ナトリウム溶液(5% w/vの水;50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去した。残留物を2:98(v/v)メタノール:ジクロロメタンで溶出してフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、無色油状物質を得た。ジエチルエーテルにより白色固体の表題化合物(269mg,0.6mmol)を得た。EsIMS:m/z462.1,[M+H]
【0158】
(実施例21)
(S)−7−クロロ−3−({5−[N−(1−カルボキシアミド−2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノ]メチル}−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール,塩酸塩
アセトニトリル(2ml)中、7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例19;ステップC;29mg,0.08mmol)、炭酸ナトリウム(9mg,0.09mmol),ヨウ化ナトリウム(12mg,0.08mmol)およびN−メチル−L−セリナミド(14mg,0.12mmol)の混合物に160℃で5分間マイクロ波を照射した。反応混合物を5g Strata(商標)SCXギガチューブを通してろ過した。チューブをメタノールで洗浄し、2Mアンモニアのメタノールで溶出した。アンモニアメタノール溶液を真空で濃縮し、得られた残留物を、カロムクロマトグラフィーを用いて50から100%(v/v)エチルアセテートn−ヘプタン、次に10%(v/v)メタノールエチルアセテートで溶出して精製し、遊離塩基として表題化合物を得た。遊離塩基のジエチルエーテル(5ml)溶液に、塩化水素(1Mジエチルエーテル溶液;1ml)を添加し塩酸塩を形成させた。混合物を真空で濃縮し、1:1塩酸塩(24mg)として表題化合物を得た。EsIMS:m/z 470.5[M+Na],448.3,[M+H],[α]22+3.1°(メタノール中c=2.75mg/ml)
【0159】
(実施例22)
7−クロロ−3−[(5−{[N−シクロプロピルスルホニル]−N−メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ステップA:7−クロロ−3−[(5−{N−メチルアミノ}メチル)−(1,2,4)オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ジクロロメタン(50ml)中、7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例19;ステップC;700mg,1.9mmol)および8Mメチルアミンのエタノール(5.0ml,40mmol)の混合物を40℃で2時間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物を5g Strata(商標)SCXカラムを通してメタノールおよびアンモニア溶液で溶出し精製した。真空で混合物を濃縮して、褐色油状物質の7−クロロ−3−[(5−{N−メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(660mg,1.8mmol)を得た。EsIMS:361.1m/z[M+H]
【0160】
ステップB:実施例18の方法に従って、シクロプロパンスルホニルクロリドとの反応により表題化合物を得た。EsIMS:465.0m/z[M+H]
【0161】
(実施例22A)
7−クロロ−3−[(5−{N−(N’,N’−ジメチルスルホンアミド)}−N−メチルアミノ)メチル]−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
実施例22の方法に従って、ジメチルスルファモイルクロリドを用いて表題化合物を得た。EsIMS:489.9m/z[M+Na]
【0162】
(実施例23)
7−クロロ−3−[(5−{[N−(ホルムアミド)エチル]アミノ}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ステップA:7−クロロ−3−[(5−アミノメチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例19;ステップC;500mg,1.4mmol)およびメタノール中2Mアンモニア(3.0ml,6.0mmol)の混合物にEmrys Optimizer EXP(商標)を用いて120℃で20分間マイクロ波を照射した。反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物を5g Strata(商標)SCXカラムを通してメタノールおよびアンモニア溶液を溶出し、精製した。反応混合物を真空で濃縮し、ジクロロエタン(1ml)に溶解し、2M HClのジエチルエーテルを添加して、塩酸塩として7−クロロ−3−[(5−アミノメチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(500mg,1.8mmol)を得た。EsIMS:347m/z[M+H]
【0163】
ステップB:実施例18の方法に従って、エチルイソシアネートとの反応により表題化合物を得た。EsIMS:418.1m/z[M+H]
【0164】
(実施例24)
7−クロロ−3−[(5−{[N−メトキシメチルホルミル]アミノ}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ジクロロメタン(10ml)中、7−クロロ−3−[(5−アミノメチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール塩酸塩(実施例23のように調製)(50mg,0.14mmol)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェート(53mg,2.1mmol)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(51μl,9.1mmol)およびメトキシ酢酸(15μl,0.15mmol)の混合物を室温で16時間攪拌した。有機を2M HCl水溶液(20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し,真空で溶媒を除去した。セミ分取HPLC(方法i)で精製し、固体として表題化合物(10mg,0.024mmol)を得た。EsIMS:419.1 m/z[M+H]
【0165】
(実施例25)
7−クロロ−3−[(5−{N−(N’,N’−ジメチルスルホンアミド)}−(N−{2−ヒドロキシ}エチルアミノ)メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール
ジクロロメタン(3ml)中、7−クロロ−3−[(5−クロロメチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール(実施例19;ステップC;500mg,1.4mmol)および2−エタノールアミン(0.5ml,8.0mmol)混合物に100℃で60分間Emrys Optimizer EXP(商標)を用いてマイクロ波を照射した。反応混合物を真空で濃縮し、5g Strata(商標)SCXカラムを通してメタノールおよびアンモニア溶液で溶出し、精製して180mgの黄色液体を得た。残留物を、トリメチルシリルクロリド(63μl,0.51mmol)、イミダゾール(35mg,0.51mmol)およびジメチルアミノピリジン(2mg,0.018mmol)と室温で30分間混合した。水(5ml)を加え、反応物を真空で濃縮した。残留物およびジ−イソ−プロピルエチルアミン(63μl、0.48mmol)、ジメチルスルファモイルクロリドクロリド(20μl,0.27mmol)およびジメチルアミノピリジン(2mg,0.018mmol)の混合物のジクロロメタン(10ml)を室温で16時間放置して攪拌した。有機を2M HCl水溶液(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過し、真空で溶媒を除去した。semi−prep.HPLC(方法i)で精製し、固体の表題化合物(10mg,0.021mmol)を得た。EsIMS:498.1m/z[M+H]
【0166】
(実施例26)
CHO細胞内において発現されるヒトCB1受容体の有効性および効力のインビトロ測定
ヒトCB1受容体およびルシフェラーゼレポーター遺伝子を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、ペニシリン/ストレプトマイシン(50U/50μg/ml)およびファンギゾン(1μg/ml)を含有するフェノールレッド/無血清DMEM/F−12nut Mixに懸濁させ、1ウェルあたり3×10個の細胞密度で96ウェルプレートに接種した(最終体積100μl)。細胞を一晩(約18時間、37℃、5%CO2/95%大気)培養し、アッセイを行った。試験化合物(10mMジメチルスルホキシド溶液)をF12Nut Mixで希釈し、0.11mMから0.11nMの範囲の保存溶液を得た。保存溶液(10μl)をウェルに直接添加した。プレートを37℃で5時間培養して、ルシフェラーゼ酵素のアゴニスト誘発性発現を行った。抑えた照明の下で、LucLite基質(Packard;製造元の説明書に従って再構成した;100μl)をそれぞれのウェルに添加した。プレートをTop Sealで覆い、室温で5分間培養した後、Packard TopCount(単一光子計数、計数時間0.01分、計数遅延5分)で計数した。
【0167】
EC50値を得るために、化合物濃度(M)に対する1秒あたりの計数(CPS)のプロットに「最良適合」曲線を最小二乗和法によりフィットさせた。表1に、本発明のいくつかの代表的な化合物について得られたpEC50値を示す。
【0168】
【表1】



【0169】
(実施例27)
マウスにおけるホルマリンテスト
マウス6匹ずつの4から6グループに、賦形剤および試験化合物の4から5種類の用量(通常、0.03,0.1,3および10μmol/kgの間)のうちひとつを尾に静脈内投与した(賦形剤:生理食塩水中10%Tween−80;注射量10ml/kg)。5分後、左後肢足背の皮下に、5%ホルマリンの20μlを注射した。ホルマリン投与後すぐに、マウスを試験チャンバーに入れ、検出器(Automated Nociceception Analyser(ANA);Department of Anesthesiology、University of California、San Diego)を用いて、それぞれのチャンバー個別にデータ採取を始めた。2つの侵害相(Yaksh et al,2001)で検出される計数(足をなめる、足を持ち上げる、足を噛む、足を振り回す動作)として、侵害行動を測定した。ホルマリン注入後0から5分の間(第1相)およびホルマリン注入後20から30分の間(第2相)の侵害行動をそれぞれのマウスについて記録し計数し、賦形剤を投与したマウスの計数の平均値と比較し、計算した。それぞれのマウスについて値を取得した時点で、それぞれの投与グループの平均値およびs.e.mを計算した。その後パーセント抑制データを用いて第1相および第2相のED50を計算した。
【0170】
実施例10A、15、19および20の化合物は、ED50<5μmol/kgにおいて第2相の侵害行動を抑制した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iを有するインドール誘導体、
【化1】

(式中、Aは5員芳香族系複素環を表し、X、XおよびXはN、O、SおよびCRから独立して選択され;
Rは、存在するとき、H、ハロゲンまたは(C1−4)アルキルであり;
YはCH、O、S、またはSOであり;
は(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ、CNまたはハロゲンであり;
はHまたは(C1−4)アルキルであるか;もしくは
はRと一緒に、これらが結合する炭素原子および窒素原子と4から7員環を形成し;
はH、(C1−6)アルキル、または(C3−7)シクロアルキルであり、前記アルキル基は場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルホニル、CO−NR、CO−OR、CNまたはハロゲンで置換され;
はCO−NR、CO−OR、SO−R、SO−NR10またはCO−R11であるか;もしくは
は、CO−NR,CO−OR、SO−R、SO−NR10、NH−CO−R11、NH−SO−R12または2個のOH基で置換され;ならびに場合によりさらにOHで置換される(C1−3)アルキルであり;もしくは
はRと一緒にこれらが結合する窒素原子と、場合によりO、SおよびSOから選択されるヘテロ原子をさらに含有する4から8員環を形成し、前記環はCH−OH、CO−NR1314、CO−OR、SO−R、SO−NR10、NH−CO−R11またはNH−SO−R12で置換されるか;もしくは前記環は、NH−CO−R11またはNH−SO−R12で置換される(C1−3)アルキルで置換され;
は、存在するとき、Hまたは、場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシまたはCONRで置換される(C1−4)アルキルであり;
は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり;もしくは
はRと一緒にこれらが結合する前記N原子と、場合によりO、SおよびSOから選択されるヘテロ原子をさらに含有する4から8員環を形成し、前記環は場合によりOHで置換され;
は、存在するとき、Hもしくは(C1−4)アルキルであり;
は、存在するとき、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
は、存在するとき、Hまたは、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルであり;
10は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり;
11は、存在するとき、Hまたは、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルであり;
12は、存在するとき、場合によりOHまたは(C1−4)アルキルオキシで置換される(C1−4)アルキルであり;
13は、存在するとき、Hまたは、場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシまたはCONRで置換される(C1−4)アルキルであり;
14は、存在するとき、Hまたは(C1−4)アルキルであり;もしくは
14は、CO−NR1314基が結合する炭素原子と一緒に5−または6−員スピロ環を形成し;
ただし、YがSOである場合、
はさらにH、(C1−6)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルを表すことができ、前記アルキル基は場合によりOH、(C1−4)アルキルオキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルホニル、CN、またはハロゲンで置換され、;もしくはRはRと一緒に、これらが結合するN原子と、場合によりO、SおよびSOから選択されるさらなるヘテロ原子を含有する4から8員環を形成し得、前記環は場合によりOHで置換される)
もしくは医薬的に許容されるこれらの塩。
【請求項2】
Rが、存在するとき、Hであり;
YがCH、OまたはSOであり;
がHであり;もしくは
がRと一緒に、これらが結合する炭素原子および窒素原子と5員環を形成する、請求項1のインドール誘導体。
【請求項3】
がNまたはSであり;
がS、O、NまたはCRであり;
がNまたはOである、
請求項1または2のインドール誘導体。
【請求項4】
複素環Aが1,2,4−オキサジアゾール(XはNであり、XはOであり、XはNである)、1,2,4−チアジアゾール(XはNであり、XはSであり、XはNである)、チアゾール(XはSであり、XはCRであり、XはNである)または1,3,4−オキサジアゾール(XはNであり、XはNであり、XはOである)である、請求項3のインドール誘導体。
【請求項5】
複素環Aが1,2,4−オキサジアゾール(XがNであり、XがOであり、XがNである)または1,2,4−チアジアゾール(XがNであり、XがSであり、XがNである)である、請求項4のインドール誘導体。
【請求項6】
が、場合によりOHで置換されている(C1−6)アルキルであり;
がSO−Rであり;もしくは
が、CO−NRで置換されている(C1−3)アルキルであり;または
が、Rと一緒にこれらが結合するN原子と6員環を形成し、前記環がCO−NR1314で置換されている、請求項5のインドール誘導体。
【請求項7】
7−クロロ−3−[(5−{[4−(N−メチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−チオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
7−クロロ−3−[(5−{4−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
7−クロロ−3−[(5−{[N−(カルボキサミド)メチル]−N−メチルアミノ}メチル)−([1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
7−クロロ−3−({5−[(N−{[N−(カルボキサミド)メチル]カルボキサミド}メチル)−N−メチル−アミノ]メチル}−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
7−クロロ−3−({5−[(N−{[N−(2−ヒドロキシエチル)カルボキサミド]メチル}−N−メチルアミノ)−メチル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
7−クロロ−3−({5−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)−(N−{メチルスルホニル})アミノ]メチル}−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル))−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
7−エチル−3−[(5−{4−[(N−{2−ヒドロキシ}エチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)メチル−1H−インドール;
または医薬的に許容されるこれらの塩から選択される、請求項1のインドール誘導体。
【請求項8】
治療における使用のための、請求項1から7のいずれか一項のインドール誘導体。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項のインドール誘導体を医薬的に許容される助剤と混合して含む、医薬組成物。
【請求項10】
疼痛治療のための薬物の調製における、請求項1で定義されるとおりの式Iの(インドール−3−イル)複素環誘導体の使用。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項のインドール誘導体の治療有効量を、周術期の疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、癌性疼痛ならびに多発性硬化症に伴う疼痛および痙縮などの疼痛の治療を必要とする患者に投与することによる、周術期の疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、癌性疼痛ならびに多発性硬化症に伴う疼痛および痙縮などの疼痛の治療の方法。

【公表番号】特表2009−506010(P2009−506010A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527455(P2008−527455)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065496
【国際公開番号】WO2007/023143
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】