説明

カートリッジ式塗装システム

【課題】 塗料を無駄なく使用する。
【解決手段】 本発明は、ピストンにより画成された作動液室と塗料室とを備えるカートリッジを有し、作動液室に作動液を供給してピストンを介して塗料室の塗料をカートリッジから押し出して被塗装物に塗装する塗装装置と、カートリッジの塗料室に塗料を充填する充填装置と、カートリッジの作動液室に作動液を供給することによりピストンを介して塗料室の塗料をカートリッジから排出する排出装置とを含む塗装システムであって、塗装中に作動液室に供給した作動液量から塗料の使用量を推定し、また前記塗装前に充填装置がカートリッジの塗料室に塗料を充填して作動液室から排出された作動液量と前記塗装後に排出装置がカートリッジの作動液室に作動液を供給した作動液量との差から塗料の使用量を推定し、2つの推定使用量の大きい方を、充填装置は、前記塗装と同一内容の塗装を実行するときに充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料がカートリッジに収容された塗装システムに関し、複数の色の塗料を被塗装物に塗装する塗装システムの分野に属する。
【背景技術】
【0002】
複数の色の塗料を被塗装物に塗装する塗装システムにおいて、それぞれ異なる色の塗料が収容された複数のカートリッジと、カートリッジ内の塗料を被塗装物に噴霧する1つの塗料噴霧手段とを有するものがある。このような塗装システムにおいて、塗料の色の変更はカートリッジを交換することにより行われ、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0003】
この塗装システムは、ロボットアームにカートリッジを把持させ、把持状態のカートリッジから出る塗料を回転霧化頭によって噴霧するように構成されている。このシステムのカートリッジは、ピストンによって画成された作動液室と塗料室とを備えており、作動液室に作動液を供給することによりピストンに塗料室内の塗料をカートリッジ外に押し出させるように塗装システムは構成されている。また、このシステムは、塗装作業中に塗料がなくなることがないように、カートリッジ内に塗料が存在することを確認するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特許第3263373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、カートリッジ式塗装システムが使用する複数の色の塗料が頻繁に使用されるものばかりであれば問題はないが、使用頻度の低い塗料が存在することにより問題が生じることがある。使用頻度の高い塗料は使用されることなく長期間カートリッジの塗料室に収容されたままになることはないが、使用頻度の低い塗料は長期間カートリッジの塗料室に収容されたままになることがある。この場合、使用頻度の低い塗料はカートリッジ内で固化したり、塗料成分が分離するなどして劣化し、その結果、使用時に塗料がカートリッジがら押し出されず、または被塗装物に塗装した後の色合いが異なるなどの不具合の原因になることがある。また、使用頻度の低い塗料のために、カートリッジが塗装に使用されずに待機したままになり、該カートリッジの稼働率が低くなる。
【0006】
この対処として、使用頻度の低い塗料を使用する塗装作業が終了すると、残った塗料を取り出してカートリッジの塗料室を洗浄し、洗浄後に別の使用頻度の低い塗料を充填して該塗料を使用する塗装作業を実行する場合がある。これにより、カートリッジの稼働率が高くなり、カートリッジの保有数を少なくすることができる。すなわち、使用頻度の高い塗料は専用のカートリッジに収容され、使用頻度の低い塗料は使用時に共用のカートリッジに充填されて使用され、その使用後はカートリッジから取り出される。
【0007】
しかしながら、この場合、カートリッジの塗料室の洗浄時に、該カートリッジ内に残っていた塗料は廃棄されることになる。したがって、塗料が無駄になる。なお、この対処として、カートリッジから取り出した塗料を塗料タンクに戻すことが考えられるが、新品状態の塗料が収容されているタンクにカートリッジに残った塗料を戻すことにより、不純物などが混合するなどして新品状態の塗料の性質が損なわれる可能性が考えられる。
【0008】
そこで、本発明は、カートリッジの塗料室の洗浄時に廃棄される塗料を極力少なくすることにより、塗料を無駄なく塗装に使用することができるカートリッジ式塗装システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、
本体に着脱可能に取り付けられ、ピストンによって画成された作動液室と塗料室とを備えるカートリッジ、作動液室内に作動液を供給することによりピストンを介して塗料室内の塗料をカートリッジから押し出す作動液供給制御手段、およびカートリッジから押し出された塗料を被塗装物に対して噴霧する噴霧手段とを有する塗装装置と、
前記塗装装置から取り外されたカートリッジの塗料室内に塗料を充填する充填装置と、
前記塗装装置から取り外されたカートリッジの作動液室内に作動液を供給することによりピストンを介して塗料室内の塗料をカートリッジから排出する排出装置と、
前記排出装置によって塗料が排出されたカートリッジの塗料室を洗浄する洗浄装置とを含むカートリッジ式塗装システムであって、
前記塗装装置から取り外されたカートリッジの作動液室内への作動液の供給量および作動液室内からの作動液の排出量を測定する作動液量測定手段と、
塗装作業中に前記塗装装置の作動液供給制御手段が作動液室に供給した作動液量に基づいて塗料の使用量を推定する第1使用量推定手段と、
前記塗装作業の実行前において、前記充填装置がカートリッジの塗料室に塗料を充填することによりカートリッジの作動液室から作動液が排出されたときに前記作動液量測定手段によって測定された作動液量と、前記塗装作業の実行後において、カートリッジの塗料室から塗料を排出するために前記排出装置がカートリッジの作動液室に作動液を供給したときに前記作動液量測定手段によって測定された作動液量との差から塗料の使用量を推定する第2使用量推定手段と、
前記第1使用量推定手段が推定した使用量と第2使用量推定手段が推定した使用量とを比較し、大きい方を前記塗装作業に必要な塗料の使用量として記憶する記憶手段とを有し、
前記充填装置は、前記塗装作業と同一内容の塗装作業が実行される場合、前記記憶手段に記憶されている前記塗装作業に必要な塗料の使用量に基づいて塗料をカートリッジの塗料室に充填することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカートリッジ式塗装システムにおいて、
前記充填装置は、連続して実行される複数の塗装作業に使用される塗料が同一であって前記複数の塗装作業それぞれに必要な塗料の使用量が前記記憶手段に記憶されている場合、各塗装作業に必要な塗料の使用量を合計した量に基づいて塗料をカートリッジの塗料室に充填することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、第1使用量推定手段により、塗装作業中に作動液室に供給した作動液供給量に基づいて、前記塗装作業において使用した塗料の量(第1使用量)が推定される。また、第2使用量推定手段により、前記塗装作業前に塗料室に塗料を充填することによりピストンを介して排出された作動液量と、前記塗装作業後に塗料液室内の塗料を排出するために作動液室に供給した作動液量との差から、前記塗装作業において使用した塗料の量(第2使用量)が推定される。この2つの推定した塗料の使用量を比較し、大きい方の使用量を記憶しておく。次に前記塗装作業と同一内容の塗装作業が実行される場合、記憶している使用量に基づいて塗料をカートリッジの塗料室に充填する。
【0012】
これにより、カートリッジの塗料室に充填された塗料はほぼ完全に塗装作業に使用されることになる(言い換えると、塗装作業に使用される量のみ塗料室に充填される。)。したがって、塗装作業終了後のカートリッジの塗料室洗浄時において廃棄される塗料がごく少量になり、塗料を無駄なく塗装に使用することができる。
【0013】
なお、塗装作業における塗料の使用量を異なる方法で2つ推定し、2つの推定した使用量の大きい方を記憶する理由は、次に実行される、前記塗装作業と同一内容の塗装作業の実行中に塗料がなくなることを確実に防止するためである。すなわち、小さい方の使用量でカートリッジの塗料室に塗料を充填した場合、その後の塗装作業中に塗料がなくなる可能性が、大きい方の使用量に比べて高いためである。
【0014】
また、請求項2によれば、連続して実行される複数の塗装作業に使用される塗料が同一であって前記複数の塗装作業それぞれに必要な塗料の使用量を記憶している場合、各塗装作業に必要な塗料の使用量を合計した量に基づいて塗料をカートリッジの塗料室に充填する。これにより、複数の塗装作業の合計作業時間は、各塗装作業が終了する度に続く塗装作業に必要な量の塗料を充填する場合に比べて短くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係るカートリッジ式塗装システムは、図1に概略的に示す塗装装置と、図2に概略的に示す塗料充填装置と、これら2つの装置を制御する図3に概略的に示す制御装置とから構成される。
【0016】
図1に符号100に示す塗装装置は、ヘッド部102と、ヘッド部102を保持しつつ該ヘッド部102の位置や姿勢を自在に制御するアーム部104とを備える、いわゆる塗装ロボットである。
【0017】
ヘッド部102は、図4に示すように、内部に塗料Pが充填されたカートリッジKを着脱可能に保持するように構成されている。また、ヘッド部102は、カートリッジKのフィード106の先端に形成された吐出口108から吐出された塗料Pを遠心力により霧化して被塗装物(例えば、自動車のバンパ)に対して噴霧する回転霧化頭110(請求の範囲に記載の噴霧手段に対応。)を備えている。
【0018】
カートリッジKは、その内部に、ピストン112によって画成された、塗料Pを収容するための塗料室114と、作動液Fを収容するための作動液室116とを有する。ピストン112が移動することにより、塗料室114と作動液室116それぞれの大きさは変化する。
【0019】
塗料室114は、塗装作業時、吐出口108を介して外気と連絡される。塗料室114と吐出口108との間のフィード106内の流路には弁機構118が設けられており、この弁機構118は、塗装時などに開弁するように構成されている。具体的に説明すると、弁機構118は、塗料室114と吐出口108との間のフィード106内の流路を閉じる弁体120と、弁体120を閉弁方向に押圧するばね122とから構成され、ばね122の押圧力に抗して図示しない経路からパイロットエアを供給することにより開弁するように構成されている。
【0020】
塗料室114内の塗料Pを吐出口108から吐出させるために、すなわちピストン112によって該塗料Pを押圧するために、図1に示すように、作動液室116内に作動液を供給する作動液供給制御装置150を塗装装置100は有する。
【0021】
作動液供給制御装置150は、カートリッジKの作動液室116内に供給する作動液Fを収容するシリンダ152を有する。シリンダ152内にはピストン154が設けられており、シリンダ152内の作動液Fはピストン154によって押圧されることによりカートリッジKの作動液室116に供給される。
【0022】
シリンダ152内のピストン154は、ボールねじ156とベルト158とを介してサーボモータ160により移動される。したがって、シリンダ152内から作動液室116に送られた作動液Fの供給量は、例えばエンコーダ162が検出するサーボモータ160の回転量に基づいて推定することができる。
【0023】
また、シリンダ152内に作動液Fを供給する、または作動液Fをシリンダ152内に供給するときに開弁されるバルブ164と、閉弁するバルブ126とが設けられている。このバルブ164は、例えば電磁弁であって作動液源(例えば、作動液Fのタンク)とシリンダ152との間に設けられており、ピストン154がサーボモータ160によって移動されるときは閉弁するように構成されている。一方、バルブ126は、作動液Fをシリンダ152内に供給するときに閉弁し、それ以外は常時開弁している。
【0024】
さらに、作動液供給制御装置150とカートリッジKの作動液室116の間の作動液Fが通過する通路(ヘッド部102内の通路)124には、図4に示すように、チャック弁127が設けられ、このチャック弁127はカートリッジKをヘッド部102に装着したときに開弁するように構成されている(それ以外は閉じている。)。
【0025】
このような塗装装置100によれば、塗装時は、塗料室114内に塗料Pが充填されたカートリッジKがヘッド部102に取り付けられ、サーボモータ160によりピストン154を介してシリンダ152内の作動液Fが押圧される。そして、シリンダ152内の作動液FがカートリッジKの作動液室116に供給される。
【0026】
作動液室116に作動液Fが供給されることにより、カートリッジKのピストン112を介して塗料室114内の塗料Pが押圧される。そして弁機構118が開弁状態になり、塗料室114内の塗料Pは吐出口108から吐出される。吐出された塗料Pは回転霧化頭110により被塗装物に噴霧される。
【0027】
次に、図2を参照しながら塗装システムの塗料充填装置を説明する。
【0028】
図に符号200に示す塗料充填装置は、カートリッジKの塗料室114内に塗料を充填するとともに、塗装装置100によって塗装作業に使用されたカートリッジKの塗料室114内の残塗料Pを排出して洗浄するように構成されている(塗料充填装置は、請求の範囲に記載の排出装置や洗浄装置としても機能する。)。
【0029】
また、塗料充填装置200は、色が異なる塗料P、P’を充填できるように構成されている。具体的に言えば、この塗料充填装置200を含む塗装システムは、使用頻度の高い塗料は専用のカートリッジに充填し、使用頻度の低い塗料は共用のカートリッジに充填するようにしてある。この塗料充填装置200は、共用のカートリッジKに対して塗料充填や洗浄を行うものである。
【0030】
図2に示すカートリッジKは複数の塗料PとP’が充填される共用のカートリッジであって、塗料充填装置200は、このカートリッジKに対する塗料充填時や洗浄時、または待機時に該カートリッジKを保持するためのストッカ202を備える。ストッカ202は、吐出口108を残してカートリッジKのフィード106およびその周辺の外周面と液密に接触した状態で、該カートリッジKを保持するように構成されている。
【0031】
ストッカ202には、カートリッジKを保持しているときに、塗料室114と接続される流路204と、作動液室116と接続される流路206と、吐出口108と接続される流路208とが設けられている。
【0032】
流路204は、チャック弁132を介してカートリッジK内の流路128を介して塗料室114に接続される。流路206は、チャック弁133を介してカートリッジK内の流路130(作動液供給制御装置150から供給される作動液Fも流れる流路)を介して作動液室116に接続される。これらのチャック弁132、133は、カートリッジKをストッカ202に装着したときに開弁し、それ以外は閉じている。なお、図4に示すように、塗装装置100のヘッド部102にカートリッジKが保持されているときは、流路128の開口がヘッド部102によって閉じられている。
【0033】
また、それぞれの流路204、206、208にはバルブが接続されている。流路204には、塗料室114に供給する塗料Pを供給するための塗料P用バルブ210と、塗料P’を供給するための塗料P’用バルブ212と、塗料室114内を洗浄する洗浄液を供給するための洗浄液バルブ214と、塗料室内114内に空気を送るためのエアバルブ216とが、並列に接続されている。
【0034】
流路206には、作動液室116に作動液Fを供給するまたは該作動液室116から作動液Fを回収するための作動液バルブ218が接続されている。そして、流路208には、カートリッジKの吐出口108から流体(塗料、洗浄液、空気、およびこれらの混合物)20を吐出するための排出バルブ220が接続されている。
【0035】
塗料P用バルブ210と塗料P’用バルブ212それぞれは、例えば電磁弁であって、塗料源(図示せず、例えば、塗料が蓄えられたタンク)からの塗料をカートリッジKの塗料室114に供給するときに開弁される。当然ながらこの2つのバルブ210,212が同時に開弁状態になることはない。
【0036】
洗浄液バルブ214は、例えば電磁弁であって、洗浄液源(図示せず、例えば、洗浄液が蓄えられたタンク)からの洗浄液をカートリッジKの塗料室114に供給するときに開弁される。すなわち塗料室114の洗浄時に開弁される。
【0037】
エアバルブ216は、例えば電磁弁であって、空気をカートリッジKの塗料室114に供給するときに開弁される。
【0038】
作動液バルブ218は、例えば電磁弁であって、作動液源からの作動液Fを作動液室116に供給するとき、または作動液室116から作動液Fを回収するときに開弁される。また、作動液バルブ218の反作動液室116側には、流量計222が、さらに流量計222の反作動液室116側には切り替えバルブ224が接続されている。
【0039】
流量計222は、供給方向と回収方向に流れる作動液Fの流量を測定するように構成されている。流量計222が設けられている理由は後述する。
【0040】
切り替えバルブ224は、作動液Fを作動液室116に供給するときは作動液供給路226側を開弁して作動液回収路228側を閉弁し、一方、作動液Fを作動液室116から回収するときは作動液供給路226側を閉弁して作動液回収路228側を開弁するように構成されている。
【0041】
排出バルブ220は、例えば電磁弁であって、カートリッジKの吐出口108から流体(塗料、洗浄液、空気、およびこれらの混合物)20が吐出されるときに開弁される。吐出物は、排出バルブ220を通過して廃液タンク(図示せず)に蓄えられる。
【0042】
この塗料充填装置200の動作を説明する。
【0043】
塗装装置100によって使用された、塗料Pが塗料室114内に残っているカートリッジKに塗料P’を充填する場合の動作を例に挙げて説明する。
【0044】
まず、カートリッジKがストッカ202に保持される前は、6つのバルブ、210〜220は閉弁状態である。
【0045】
カートリッジKがストッカ202に保持されると、切り替えバルブ224の作動液供給路226側が開弁され、弁機構118と作動液バルブ218と排出バルブ220が開弁される。これにより、作動液室116に作動液Fが供給され、カートリッジK内のピストン112が塗料室114内に残っている塗料Pを吐出口108から吐出する。
【0046】
ピストン112が限界まで塗料室114側に移動すると、開弁状態の作動液バルブ218が閉弁される。そして、閉弁状態の洗浄液バルブ214が開弁状態にされる。これにより、洗浄液バルブ214から流路204、128を介して塗料室114に洗浄液が供給される。供給された洗浄液は、ピストン112では吐出しきれなかった塗料室114内とフィード106内流路に残っていた塗料Pとともに吐出口108から流路208に流れ入り、開弁状態の排出バルブ220を通過して廃液タンクに流れ出る。
【0047】
所定の時間が経過すると(カートリッジK内に残っていた塗料Pが完全に洗浄液によって洗い流されると)、開弁状態の洗浄バルブ214が閉弁され、閉弁状態のエアバルブ216が開弁される。これにより、エアバルブ216から、流路204、流路128、塗料室114、フィード106内流路、吐出口108、流路208と順に介して排出バルブ220に向かって空気が流れる。
【0048】
所定の時間が経過すると(空気によって洗浄液が完全にカートリッジK内から排出されると)、開弁状態のエアバルブ216が閉弁され、閉弁状態の塗料P’用バルブ212が開弁される。これにより、塗料P’が塗料室114に供給される。
【0049】
所定の時間が経過すると(塗料P’が確実に吐出口108まで充填されると)、開弁状態の排出バルブ220が閉弁される。そして、切り替えバルブ224の作動液回収路228側が開弁された後、閉弁状態の作動液バルブ218が開弁される。これにより、塗料P’が塗料室114に供給されることによりピストン116が作動液室116側に移動する。
【0050】
塗料室114に塗料P’が充填されると、開弁状態の塗料P’用バルブ212と作動液バルブ218が閉弁される(6つのバルブ210〜220全てが閉弁状態になる。)。これにより、カートリッジKに対する塗料P’の充填が終了する。
【0051】
ここからは、上述の塗装装置100と塗料充填装置200とを制御する、カートリッジ式塗装システムの制御装置を説明する。
【0052】
図3は、制御装置300を含む塗装システムの制御系を概略的に示している。
【0053】
塗装システムの制御装置300は、塗装装置100を制御するための塗装装置制御部302と、カートリッジ着脱装置400を制御するためのカートリッジ着脱装置制御部304と、塗料充填装置200を制御するための塗料充填装置制御部306と、被塗装物の塗装に必要な塗料の量を推定する塗料必要量推定部308と、データを記憶する記憶部310とを有する。
【0054】
塗装装置制御部302は、図1に示す塗装装置100を制御するものであって、アーム部104を制御することによりヘッド部102の位置や姿勢を制御したり、作動液供給制御装置150のサーボモータ160やバルブ164を制御することにより、被塗装物に塗装するように構成されている。
【0055】
カートリッジ着脱装置制御部304は、塗装装置100のヘッド部102に取り付けられているカートリッジKを取り外し、塗料充填装置200のストッカ202に取り付ける、またはその逆を行うカートリッジ着脱装置400を制御するように構成されている。例えば、塗装装置100が塗装作業終了後にヘッド部102を所定の着脱位置に移動させると、カートリッジ着脱装置400がその位置のヘッド部102からカートリッジKを取り外して対応するストッカ202に取り付けるように、制御部304はカートリッジ着脱装置400を制御する。
【0056】
塗料充填装置制御部306は、図2に示す塗料充填装置200を制御するものであって、上述したように弁機構118と7つのバルブ210〜220、224を制御することにより、塗料充填装置200に、塗装作業を実行する前にカートリッジKに塗料を充填させたり、塗装作業後にカートリッジK内の残塗料を排出して洗浄させたりするように構成されている。
【0057】
塗料必要量推定部308は、塗料充填装置200によって塗装作業終了後にカートリッジKから排出されて廃棄される量が最小となるように、流量計222が測定した作動液Fの流量とエンコーダ162が検出したサーボモータ160の回転量とに基づいて、被塗装物に対して最低限必要な塗料の量を推定するように構成されている。詳細については後述する。
【0058】
記憶部310は、種々のデータを記憶するためのものである。記憶されているデータについては後述する。
【0059】
ここからは、塗装システムの制御装置300が行う、本発明に関わる制御動作について説明していく。制御装置300の制御動作は、図5に示す制御フローを参照しながら説明する。
【0060】
図5に示す制御フローは、複数種類のバンパーそれぞれに複数種類のカラーの塗料のいずれか1つを塗装することができる塗装システムの制御フローの一例である。
【0061】
まず、ステップ100において、制御装置300は、例えば生産計画情報によって指示された塗装作業が初めて行われるものであるか否かを判定する。ここでは、バンパBmにカラーCnの塗料を塗装することを例えば作業者が作成した塗装プログラム(バンパBmに対応した姿勢や位置にヘッド部102の動作を制御するプログラム)を介して指示され、過去にバンパBmにカラーCnの塗料を塗装したことがあるか否かを判定している。
【0062】
この判定は、記憶部310に記憶されている塗料必要量データベースのデータを参照して行われる。図6に、塗料必要量データベースのテーブルを示す。この塗料必要量データベースは、塗装システムが塗装する複数種類のバンパと、各バンパに対して使用する複数のカラーの塗料それぞれの必要量との関係を示している。例えば、バンパB2に赤1の塗料を塗装する場合、その塗料の必要量は72ccである。また、塗料の必要量が記載されているバンパとカラーの組み合わせは、過去に塗装システムが塗装したことがあることを示す(過去に塗装したことがない組み合わせには、「E」が示されている。)。したがって、制御装置300はバンパBmとカラーCnの組み合わせに対応する塗料必要量のデータがデータベース上に存在するか否かを判定する。塗料必要量データがデータベース上に存在せずバンパBmに対してカラーCnの塗料を塗装することが初めてである場合、ステップ110に進む。塗料必要量データがデータベース上に存在する場合、ステップ120に進む。
【0063】
ステップ110において、制御装置300は、バンパBmに対するカラーCnの塗料を塗装することが初めてなので(塗料の必要量が未知なので)、十分量(または最大量)のカラーCnの塗料をカートリッジKの塗料室114に塗料充填装置200に充填させる。そして、ステップ130に進む。
【0064】
一方、ステップ120においては、バンパBmに対するカラーCnの塗料のデータベース上の必要量(またはそれにマージン量を加えた量)をカートリッジKの塗料室114に塗料充填装置200に充填させる。そして、ステップ130に進む。
【0065】
ステップ110またはステップ120中のステップ130において、制御装置300は、塗料充填装置200がカートリッジKの塗料室114に充填したカラーCnの塗料の量を示す、流量計222の測定値Q1を取得する。上述したように(図2に示すように)、塗装室114に塗料が充填されると、それによりピストン112が作動液室116内の作動液Fを流量計222に向かって押し出すので、流量計222が測定した作動液Fの流量が塗料の充填量と一致する。
【0066】
カラーCnの塗料の充填が終了すると、制御装置300は、ステップ140において、カートリッジ着脱装置400を制御して、カラーCnの塗料が充填されたカートリッジKを塗料充填装置200から取り外して塗装装置100のヘッド部102に取り付ける。
【0067】
カラーCnの塗料が充填されたカートリッジKがヘッド部102に取り付けられると、制御装置300は、ステップ150において、塗装装置100を制御してバンパBmに対する塗装を実行する。
【0068】
ステップ150中のステップ160において、制御装置300は、エンコーダ162の検出値に基づいて、バンパBmの塗装に使用されたカラーCnの塗料の量、すなわち塗装作業において実際にカートリッジKから吐出された塗料の量Q2を取得する(推定する)。これは、エンコーダ162が検出するサーボモータ160の回転量は、カートリッジKの作動液室116に供給した作動液Fの量と対応するとともに、その供給された作動液量とカートリッジKから吐出される塗料の量が一致することにより可能とされる。この使用量Q2は、請求の範囲に記載の第1使用量推定手段が推定する量に該当する。
【0069】
バンパBmに対する塗装作業が終了すると、ステップ170において、制御装置300は、カートリッジ着脱装置400を制御して、使用されたカートリッジKを塗装装置100から取り外して塗料充填装置200のストッカ202に取り付ける。
【0070】
使用されたカートリッジKがストッカ202に取り付けられると、ステップ180において、制御装置300は、塗料充填装置200を制御して、カートリッジKの塗料室114内に残るカラーCnの塗料を排出させる。
【0071】
ステップ180中のステップ190において、制御装置300は、塗料充填装置200がカートリッジKの塗料室114から排出したカラーCnの塗料の量を示す、流量計222の測定値Q1を取得する。上述したように(図2に示すように)、ピストン112を介して塗料室114に残る塗料を排出するために作動液Fが作動液室116に供給されるので、流量計222が測定する供給された作動液Fの量がピストン112によりカートリッジKから排出された塗料の量と一致する。
【0072】
ステップ200において、制御装置300の塗料必要量推定部308は、ステップ130で取得した充填量値Q1と、ステップ190で取得した排出量値Q1とから、バンパBmに対して使用されたカラーCnの塗料の使用量Q1を算出する(推定する)。具体的には、使用量Q1は、充填量値Q1から排出量値Q1を減算して算出される。このQ1は、請求の範囲に記載の第2使用量推定手段が推定する量に該当する。
【0073】
次のステップ210において、制御装置300の塗料必要量推定部308は、異なる方法で推定された2つの使用量Q1、Q2の大小を比較する。Q2がQ1に比べて大きい場合、ステップ220に進む。そうでない場合、ステップ230に進む。
【0074】
Q2がQ1に比べて大きい場合、ステップ220において、制御装置300の塗料必要量推定部308は、バンパBmに必要なカラーCnの塗料の量、すなわち必要量はQ2であると決定する。続いて、ステップ240に進み、塗料必要量データベース上のバンパBmに必要なカラーCnの塗料の量をQ2に更新する(バンパBmに対するカラーCnの塗料の塗装が初めてだった場合、Q2とする。)。そして、S250に進む。
【0075】
一方、Q2がQ1に比べて大きくない場合、ステップ230において、制御装置300の塗料必要量推定部308は、バンパBmに必要なカラーCnの塗料の量、すなわち必要量はQ1であると決定する。続いて、ステップ260に進み、塗料必要量データベース上のバンパBmに必要なカラーCnの塗料の量をQ1に更新する(バンパBmに対するカラーCnの塗料の塗装が初めてだった場合、Q1とする。)。そして、S250に進む。
【0076】
ステップ250において、制御装置300は、次の塗装作業に必要な塗料の充填に備えるために、塗料充填装置200を制御してカートリッジKの塗料室114を洗浄する。そして終了する。
【0077】
本実施形態によれば、初めて行われる塗装作業後は塗料充填装置200によってカートリッジKに残った塗料は廃棄されることになるが、後に初めて行われた塗装作業と同一内容の塗装作業が実行される場合、塗料充填装置200がカートリッジKに充填する量は塗料必要量データベースに基づいた必要量とされる。
【0078】
これにより、カートリッジKの塗料室114に充填された塗料はほぼ完全に塗装作業に使用されることになる。したがって、塗装作業終了後のカートリッジKの塗料室114の洗浄時において廃棄される塗料がごく少量になり、塗料を無駄なく塗装に使用することができる。
【0079】
なお、塗装作業における塗料の使用量を2つの異なる方法で2つ推定し(Q1とQ2を推定し)、2つの推定した使用量の大きい方を記憶する理由は、次に実行される、使用量Q1とQ2を推定したときの塗装作業と同一内容の塗装作業の実行中に塗料がなくなることを確実に防止するためである。
【0080】
これは、使用量Q1やQ2を推定するためのエンコーダ162や流量計222の検出誤差を考慮したものであり、小さい方の使用量でカートリッジKの塗料室114に塗料を充填した場合、その後の塗装作業中に塗料がなくなる可能性が、大きい方の使用量に比べて高いためである。
【0081】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0082】
例えば、上述の実施形態において、例えば複数のバンパに同一色の塗料を塗装する場合(同一色の塗料を使用する複数の塗装作業が連続して実行される場合)がある。この場合、1つのバンパに対する塗装作業を実行する度に、カートリッジを塗装装置から塗料充填装置に取り付け、塗料充填後に再び塗装装置に戻すのは、時間を無駄にする(複数の塗装作業の合計作業時間が長くなる。)。
【0083】
この対処として、連続して実行される複数の塗装作業(バンパ)に使用される塗料が同一であって複数の塗装作業(バンパ)それぞれに必要な塗料の使用量が記憶部に記憶されている塗料必要量データベース上にデータとして存在する場合、各塗装作業に必要な塗料の使用量を合計した量の塗料をカートリッジの塗料室に充填するようにしてもよい。
【0084】
このための塗装システムの制御装置の制御フローの一例を図7に示す。
【0085】
ステップ500において、塗装システムの制御装置は、複数のバンパに使用される塗料の色が同一であるか否かを判定する。例えば生産計画情報により複数のバンパ(同一種類の複数のバンパまたは少なくとも1つは異なる種類の複数のバンパ)に同一色の塗料を連続して塗装するかを確認する。
【0086】
次にステップ510において、塗装システムの制御装置は、使用される塗料が同一色と確認された複数のバンパに対する塗料必要量が、塗料必要量データベースに記憶されているか否かを判定する。
【0087】
ステップ500で複数のバンパに塗装される塗料の色が同一であることが確認され、且つステップ510で各バンパに対する塗料必要量が塗料必要データベースに記憶されていることが確認された場合は、ステップ520に進み、カートリッジを塗装装置から取り外すことなく複数のバンパに連続塗装することを決定する。そうでない場合、各バンパ1つずつ単独の塗装作業(図5にフローで示す制御)が実行される。
【0088】
ステップ520に続くステップ530において、塗装システムの制御装置は、塗料必要量データベースに基づいて、各バンパの塗料必要量の合計を算出する。
【0089】
ステップ540において、塗装システムの制御装置は、ステップ530で算出した合計に所定のマージン量を加算した塗料の充填量を算出する。これは、複数のバンパに対する連続塗装中に塗料がなくならないようにするためである。
【0090】
ステップ550において、塗装システムの制御装置は、塗料充填装置に、ステップ540で算出した充填量の塗料をカートリッジの塗料室に充填させる。
【0091】
ステップ560において、塗装システムの制御装置は、カートリッジ着脱装置に、ステップ550で塗料が充填されたカートリッジを塗料充填装置から取り外して塗装装置に取り付けさせる。
【0092】
ステップ570において、塗装システムの制御装置は、塗装装置に複数のバンパに対する連続塗装作業を実行させる。連続塗装作業は、例えば所定の塗装位置に順次バンパが連続して搬送されてくる、または複数のバンパそれぞれが配置されている複数の場所に塗装装置のヘッド部が移動することにより行われる。
【0093】
複数のバンパに対する連続塗装作業が終了すると、ステップ580において、塗装システムの制御装置は、カートリッジ着脱装置に、使用されたカートリッジを塗装装置から取り外して塗料充填装置のストッカに取り付けさせる。
【0094】
ステップ590において、制御装置300は、終了した連続塗装作業の次の塗装作業に必要な塗料の充填に備えるために、塗料充填装置に、カートリッジの塗料室を洗浄させる。そして終了する。
【0095】
この制御により、塗料の色が同一であって塗料必要量が塗料必要量データベースに記憶されている複数のバンパに対する塗装作業の合計時間が短い時間になる。
【0096】
最後に補足すると、上述の実施形態において具体的に説明した塗料充填装置は、使用頻度の低い複数の塗料が充填される共用のカートリッジ用であったが、使用頻度の高い塗料のみが充填される専用のカートリッジにも使用可能である。この場合、塗料用バルブが1つになる。
【0097】
また、専用カートリッジは他の塗料が充填されることがないため、その塗料充填装置は、洗浄液や空気をカートリッジの塗料室に供給することにより該塗料室を洗浄するための構成要素(例えば、上述の洗浄液バルブやエアバルブ)を省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように本発明によれば、塗料を無駄にすることなく、複数の塗料を被塗装物に塗装することができる。したがって、複数の色で塗装するカートリッジ式塗装システムの分野において好適に利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施形態の塗装システムの塗装装置を概略的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の塗装システムの塗料充填装置を概略的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の塗装システムの制御装置を含む該システムの制御系を示す図である。
【図4】図1の塗装装置のヘッド部の拡大断面図である。
【図5】塗装システムの制御装置の制御フローの一例を示す図である。
【図6】塗料必要量データベースのテーブルを示す図である。
【図7】塗装システムの制御装置の別の制御フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
100 塗装装置
112 ピストン
114 塗料室
116 作動液室
150 作動液供給制御手段(作動液供給装置)
200 充填装置、排出装置、洗浄装置(塗料充填装置)
222 作動液流量測定手段(流量計)
300 第1使用量推定手段、第2使用量推定手段(制御装置)
310 記憶手段(記憶部)
K カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に着脱可能に取り付けられ、ピストンによって画成された作動液室と塗料室とを備えるカートリッジ、作動液室内に作動液を供給することによりピストンを介して塗料室内の塗料をカートリッジから押し出す作動液供給制御手段、およびカートリッジから押し出された塗料を被塗装物に対して噴霧する噴霧手段とを有する塗装装置と、
前記塗装装置から取り外されたカートリッジの塗料室内に塗料を充填する充填装置と、
前記塗装装置から取り外されたカートリッジの作動液室内に作動液を供給することによりピストンを介して塗料室内の塗料をカートリッジから排出する排出装置と、
前記排出装置によって塗料が排出されたカートリッジの塗料室を洗浄する洗浄装置とを含むカートリッジ式塗装システムであって、
前記塗装装置から取り外されたカートリッジの作動液室内への作動液の供給量および作動液室内からの作動液の排出量を測定する作動液量測定手段と、
塗装作業中に前記塗装装置の作動液供給制御手段が作動液室に供給した作動液量に基づいて塗料の使用量を推定する第1使用量推定手段と、
前記塗装作業の実行前において、前記充填装置がカートリッジの塗料室に塗料を充填することによりカートリッジの作動液室から作動液が排出されたときに前記作動液量測定手段によって測定された作動液量と、前記塗装作業の実行後において、カートリッジの塗料室から塗料を排出するために前記排出装置がカートリッジの作動液室に作動液を供給したときに前記作動液量測定手段によって測定された作動液量との差から塗料の使用量を推定する第2使用量推定手段と、
前記第1使用量推定手段が推定した使用量と第2使用量推定手段が推定した使用量とを比較し、大きい方を前記塗装作業に必要な塗料の使用量として記憶する記憶手段とを有し、
前記充填装置は、前記塗装作業と同一内容の塗装作業が実行される場合、前記記憶手段に記憶されている前記塗装作業に必要な塗料の使用量に基づいて塗料をカートリッジの塗料室に充填することを特徴とするカートリッジ式塗装システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカートリッジ式塗装システムにおいて、
前記充填装置は、連続して実行される複数の塗装作業に使用される塗料が同一であって前記複数の塗装作業それぞれに必要な塗料の使用量が前記記憶手段に記憶されている場合、各塗装作業に必要な塗料の使用量を合計した量に基づいて塗料をカートリッジの塗料室に充填することを特徴とするカートリッジ式塗装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−101319(P2009−101319A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277366(P2007−277366)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】