説明

カート用ホイール

【課題】ビードストッパーの着脱作業を容易にすると共に、ビードストッパー装着部からの空気漏れを防止し、リムの損傷を防止することを可能にしたカート用ホイールを提供する。
【解決手段】タイヤのビード部が嵌合されるリム2を備えたカート用ホイールにおいて、リム2のビードシート部と隣接する位置にリム2を貫通するように形成された穴22と、穴22に挿入される軸部31及び穴22よりも広い頭部32を有するビードストッパー3と、ビードストッパー3の軸部周りに配置されてビードストッパー3の頭部32とリム2との間に介在する弾性体リング5とを備え、穴22の内面に突起23を設ける一方で、ビードストッパー3の軸部31に突起23を収容可能であって2周未満の長さで螺旋状に延長するネジ溝34を設け、ネジ溝34の一方の端部を軸部31の先端側に開口し、ネジ溝34の他方の端部に突起23を係止する係止部35を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーシングカート等に使用されるカート用ホイールに関し、更に詳しくは、ビードストッパーの着脱作業を容易にすると共に、ビードストッパー装着部からの空気漏れを防止し、リムの損傷を防止することを可能にしたカート用ホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
レーシングカート等に使用されるカート用ホイールにおいては、タイヤのビード部がリムから脱落しないようにリムのビードシート部と隣接する位置に該リムを貫通するように穴を形成し、その穴にビードストッパーを挿入することが行われている。
【0003】
このようなビードストッパーはリムの穴に挿入される軸部と穴よりも広い頭部とを有しており、その軸部の外周面に雄ネジ部が加工されている。一方、リムの穴の内周面には雌ネジ部が加工されている。そして、ビードストッパーの軸部周りに配置されたリング状のパッキンをビードストッパーの頭部とリムとの間に介在させた状態でビードストッパーの軸部をリムの穴に螺合し、その軸部をリム外周面から十分に突き出させることにより、リムに対してビードストッパーを装着するようになっている(例えば、特許文献1〔従来技術〕参照)。
【0004】
しかしながら、上述のようなビードストッパーは装着及び取り外しに多大な時間を要するばかりでなく、ビードストッパーの締め付け時に過大な力を加えてしまうとパッキンの破損に至り、空気漏れを生じることがある。また、ビードストッパーのねじ込みの際にリムの穴に加工してある雌ねじ部を損傷し、修復不可能な状態に至ることがあり、その場合にはホイール自体が使用不能になるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−64004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ビードストッパーの着脱作業を容易にすると共に、ビードストッパー装着部からの空気漏れを防止し、リムの損傷を防止することを可能にしたカート用ホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明のカート用ホイールは、タイヤのビード部が嵌合されるリムを備えたカート用ホイールにおいて、前記リムのビードシート部と隣接する位置に該リムを貫通するように形成された穴と、該穴に挿入される軸部及び該穴よりも広い頭部を有するビードストッパーと、該ビードストッパーの軸部周りに配置されて該ビードストッパーの頭部と前記リムとの間に介在する弾性体リングとを備え、前記穴の内面に突起を設ける一方で、前記ビードストッパーの軸部に前記突起を収容可能であって2周未満の長さで螺旋状に延長するネジ溝を設け、該ネジ溝の一方の端部を前記軸部の先端側に開口し、該ネジ溝の他方の端部に前記突起を係止する係止部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、リムの穴の内面に突起を設ける一方で、ビードストッパーの軸部に突起を収容可能であって2周未満の長さで螺旋状に延長するネジ溝を設け、ネジ溝の一方の端部を軸部の先端側に開口し、ネジ溝の他方の端部に突起を係止する係止部を設けているので、ビードストッパーをリムに対して装着する際には、弾性体リングをビードストッパーの頭部とリムとの間に介在させた状態で、ネジ溝内に突起を収容しつつビードストッパーの軸部をリムの穴に挿入し、ビードストッパーを2周未満の回転数で締め付けるだけで良い。同様に、ビードストッパーをリムから取り外す際には、ビードストッパーを2周未満の回転数で緩めるだけで良い。そのため、ビードストッパーの着脱作業を従来よりも簡便に行うことができる。
【0009】
また、ビードストッパーの締め付けは突起が係止部に到達した時点で終了すれば良く、過大な締め付けに起因する弾性体リングの破損を生じ難いので、ビードストッパー装着部からの空気漏れを防止することができる。しかも、リムの穴の内面には損傷し難い突起を設けているので、リムの損傷を防止することができる。
【0010】
ネジ溝の他方の端部に形成される係止部は、ビードストッパーが締め付けられて弾性体リングに反撥力が生じている状態において突起を係止する機能を備えている。係止部においては、ネジ溝の他方の端部をビードストッパーの軸方向と直交する方向に延長させた構造とするか、或いは、ネジ溝の他方の端部を軸部の先端側へ向けて屈曲させた構造とすることが好ましい。特に、係止部においてネジ溝の他方の端部を軸部の先端側へ向けて屈曲させた場合、ビードストッパーの外れをより確実に防止することができる。
【0011】
この場合、ビードストッパーのリムへの装着作業において弾性体リングが最も圧縮された状態での該弾性体リングの厚さBがその無負荷状態での厚さAの50%〜60%となり、かつ突起が係止部に係止された状態での弾性体リングの厚さCがその無負荷状態での厚さAの70%〜80%となるように軸部に対してネジ溝を配設することが好ましい。これにより、ビードストッパーの着脱作業を円滑に行うことを可能にすると共に、ビードストッパーの外れをより確実に防止し、かつ空気漏れをより確実に防止することができる。
【0012】
弾性体リングの断面形状は円形又は楕円形であることが好ましい。また、弾性体リングはニトリルゴムを主成分とし、そのJIS−A硬度が40〜70であることが好ましい。これにより、良好な空気漏れ防止性能を確保することができる。ここで、JIS−A硬度とは、JIS K6253に規定されるデュロメータ硬さ試験においてAタイプのデュロメータを用いて測定されるデュロメータ硬さである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態からなるカート用ホイールをそれに組み付けられたタイヤと共に示す正面図である。
【図2】図1のカート用ホイールのリムを拡大して示す断面図である。
【図3】図1のカート用ホイールのリムに形成されたビードストッパー用の穴を拡大して示す平面図である。
【図4】図1のカート用ホイールのビードストッパーを示す平面図である。
【図5】図1のカート用ホイールのビードストッパーを示す側面図である。
【図6】図1のカート用ホイールのビードストッパーをリムに装着した状態を示す側面図である。
【図7】ビードストッパーの変形例を示す側面図である。
【図8】ビードストッパー用の穴の変形例を示す側面図である。
【図9】図8の穴に対応するビードストッパーを示す平面図である。
【図10】図8の穴に対応するビードストッパーを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなるカート用ホイールを示し、図2はそのリムを拡大して示し、図3はそのリムに形成されたビードストッパー用の穴を拡大して示し、図4〜図6はそのビードストッパーを示すものである。
【0015】
図1に示すように、カート用ホイールWは、車軸に装着されるディスク1と空気入りタイヤTのビード部が嵌合されるリム2とから構成されている。カート用ホイールWはリム2に装着される複数個のビードストッパー3を備えており、これらビードストッパー3が周上で等間隔に配置されている。なお、4は空気バルブである。
【0016】
図2に示すように、リム2のビードシート部21と隣接する位置にはリム2を貫通するように穴22が形成されている。一方、ビードストッパー3は、穴22に挿入される軸部31と、穴22よりも広い頭部32と、頭部32に付設された摘まみ部33とを備えている。ビードストッパー3の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、金属や合成樹脂を使用することができる。
【0017】
特に、ビードストッパー3の構成材料の引っ張り強力は50MPa以下であると良い。つまり、空気入りタイヤTをリム2から外す際に、誤ってビードストッパー3を外さないでビードブレーカーを用いてビード部をビードシート部21から落とす作業を行ってしまう可能性がある。ビードストッパー3の構成材料として引っ張り強力が50MPa以下の材料を用いた場合、上記のような誤った作業を行ってしまった際、ビードストッパー3が折損することでリム2の破損を防止することができる。
【0018】
ビードストッパー3の軸部31の周りには弾性体リング5が配置され、この弾性体リング5がビードストッパー3の頭部32とリム2との間に介在するようになっている。弾性体リング5の断面形状は円形又は楕円形になっている。また、弾性体リング5はニトリルゴムを主成分(ゴム成分の50重量%以上がニトリルゴム)とし、そのJIS−A硬度が40〜70であると良い。このような材料及び硬さを採用することにより、弾性体リング5に基づく空気漏れ防止性能を十分に確保することができる。
【0019】
図3に示すように、穴22の内面には塊状の突起23が形成されている。この突起23は穴22の周上の一部でその内面から穴22の中心に向かって突き出している。一方、ビードストッパー3の軸部31には、図4及び図5に示すように、突起23を収容可能な断面形状を有すると共に2周未満の長さで螺旋状に延長する1本のネジ溝34が加工されている。ネジ溝34の一方の端部は軸部31の先端側に開口しているが、ネジ溝34の他方の端部は終端して突起23を係止するための係止部35を形成している。より具体的には、係止部35において、ネジ溝34の他方の端部を軸部31の先端側へ向けて屈曲させた構造となっている。
【0020】
次に、上述したカート用ホイールWにおけるビードストッパー3の着脱方法について説明する。ビードストッパー3をリム2に対して装着する際には、弾性体リング5をビードストッパー3の頭部32とリム2との間に介在させた状態で、ネジ溝34内に突起23を収容しつつビードストッパー3の軸部31をリム2の穴22に挿入し、ビードストッパー3を2周未満の回転数で締め付ける。これにより、ビードストッパー3は図6に示すような状態でリム2に対して装着される。同様に、ビードストッパー3をリム2から取り外す際には、ビードストッパー3を2周未満の回転数で緩めるだけで良い。そのため、従来のように回転数として12〜15回を要していた場合とは異なって、ビードストッパー3の着脱作業を簡便に行うことができる。
【0021】
また、ビードストッパー3の締め付けは突起23がネジ溝34の終端である係止部35に到達した時点で終了すれば良く、過大な締め付けに起因する弾性体リング5の破損を生じ難いので、ビードストッパー3の装着部からの空気漏れを防止することができる。しかも、リム2の穴22の内面にはネジ山ではなく塊状の突起を設けているので、リム2の損傷を防止することができる。
【0022】
特に、上述した実施形態では、係止部35においてネジ溝34の他方の端部を軸部31の先端側へ向けて屈曲させた構造になっているため、ビードストッパー3の脱落を効果的に防止することができる。つまり、ビードストッパー3を締め付ける過程において突起23がネジ溝34の最も頭部32に近い位置にあるとき弾性体リング5は最も圧縮された状態になり、突起23がネジ溝34の終端である係止部35に到達したときには弾性体リング5の圧縮が一定量解放されるが依然として圧縮状態が維持される。そのため、このような状態では弾性体リング5の復元力に基づいて突起23が係止部35にしっかりと係止されるので、ホイールWに振動が生じてもビードストッパー3が不意に回動することはない。また、係止部35においてネジ溝34の他方の端部を軸部31の先端側へ向けて屈曲させた場合、突起23がネジ溝34の終端である係止部35に到達したことを作業中の反力に基づいて容易に認識できるという利点もある。
【0023】
上記実施形態において、ビードストッパー3のリム2への装着作業において弾性体リング5が最も圧縮された状態での該弾性体リング5の厚さBがその無負荷状態での厚さAの50%〜60%となり、かつ突起23が係止部35に係止された状態での弾性体リング5の厚さCがその無負荷状態での厚さAの70%〜80%となるように軸部31に対してネジ溝34を配設するのが良い。これにより、ビードストッパー3の着脱作業を円滑に行うことを可能にすると共に、ビードストッパー3の外れをより確実に防止し、かつ空気漏れをより確実に防止することができる。弾性体リング5の厚さBが厚さAの50%未満であるとビードストッパー3の着脱作業が難しくなり、逆に厚さAの60%超であるとビードストッパー3が外れ易くなる。また、弾性体リング5の厚さCが厚さAの70%未満であると弾性体リング5が破損し易くなり、逆に厚さAの80%超であると空気漏れを生じ易くなる。
【0024】
図7はビードストッパーの変形例を示す側面図である。図7において図6と同一物については同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。本実施形態では、ネジ溝34の他方の端部は終端して突起23を係止するための係止部35Aを形成している。係止部35Aにおいては、ネジ溝34の他方の端部をビードストッパー3の軸方向と直交する方向に延長させた構造になっている。
【0025】
上述した実施形態では、ビードストッパー3をリム2に対して装着する際には、弾性体リング5をビードストッパー3の頭部32とリム2との間に介在させた状態で、ネジ溝34内に突起23を収容しつつビードストッパー3の軸部31をリム2の穴22に挿入し、ビードストッパー3を2周未満の回転数で締め付ける。突起23がネジ溝34の終端である係止部35Aに到達したとき弾性体リング5は圧縮状態になり、しかも係止部35Aにおいてネジ溝34の他方の端部をビードストッパー3の軸方向と直交する方向に延長させた構造となっているため、弾性体リング5の復元力に基づいて突起23が係止部35Aに係止される。これにより、ビードストッパー3は図7に示すような状態でリム2に対して装着される。
【0026】
この場合、突起23が係止部35Aに係止された状態での弾性体リング5の厚さCがその無負荷状態での厚さAの70%〜80%となるように軸部31に対してネジ溝34を配設するのが良い。これにより、空気漏れをより確実に防止することができる。弾性体リング5の厚さCが厚さAの70%未満であると弾性体リング5が破損し易くなり、逆に厚さAの80%超であると空気漏れを生じ易くなる。
【0027】
図8はビードストッパー用の穴の変形例を示し、図9及び図10は図8の穴に対応するビードストッパーを示すものである。図8〜10において図3〜5と同一物については同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0028】
図8に示すように、穴22の内面には一対の突起23が周上の対向する位置に形成されている。これら突起23は穴22の周上の一部でその内面から穴22の中心に向かって突き出している。一方、ビードストッパー3の軸部31には、図9及び図10に示すように、突起23を収容可能な断面形状を有すると共に2周未満の長さで螺旋状に延長する2本のネジ溝34が2つの突起23に対応する位置にそれぞれ加工されている。ネジ溝34の一方の端部は軸部31の先端側に開口しているが、ネジ溝34の他方の端部は終端して突起23を係止するための係止部35を形成している。つまり、係止部35において、ネジ溝34の他方の端部を軸部31の先端側へ向けて屈曲させた構造となっている。
【0029】
この場合、穴22の内面に一対の突起23を設ける一方で、ビードストッパー3の軸部31に2本のネジ溝34を設けているので、ビードストッパー3の装着時の挙動を安定させることができ、しかもビードストッパー3の係止力を高めることができる。
【実施例】
【0030】
タイヤのビード部が嵌合されるリムを備えたカート用ホイールにおいて、リムのビードシート部と隣接する位置に該リムを貫通するように形成された穴と、該穴に挿入される軸部及び該穴よりも広い頭部を有するビードストッパーと、該ビードストッパーの軸部周りに配置されて該ビードストッパーの頭部とリムとの間に介在する弾性体リングとを備え、リムの穴の内面に突起を設ける一方で、ビードストッパーの軸部に突起を収容可能であって2周未満の長さで螺旋状に延長するネジ溝を設け、該ネジ溝の一方の端部を軸部の先端側に開口し、該ネジ溝の他方の端部に突起を係止する係止部を設けた実施例1(図6)及び実施例2(図7)のカート用ホイールを作製した。比較のため、ねじ込み式のビードストッパーを備えた従来例のカート用ホイールを用意した。
【0031】
これらホイールについて、下記の評価方法により、装着作業時間指数、離脱作業時間指数、作業後の空気漏れトラブル頻度指数、走行中の空気漏れトラブル頻度指数、リム損傷頻度指数を評価し、その結果を表1に示した。
【0032】
装着作業時間指数:
ホイールにビードストッパーを装着する際の作業時間を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど装着作業時間が短いことを意味する。
【0033】
離脱作業時間指数:
ホイールからビードストッパーを取り外す際の作業時間を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど離脱作業時間が短いことを意味する。
【0034】
作業後の空気漏れトラブル頻度指数:
ホイールにビードストッパーを装着した後、タイヤに空気圧を充填し、静止状態での空気漏れトラブルの発生頻度を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど空気漏れトラブルが少ないことを意味する。
【0035】
走行中の空気漏れトラブル頻度指数:
ホイールにビードストッパーを装着した後、タイヤに空気圧を充填し、走行中の空気漏れトラブルの発生頻度を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど空気漏れトラブルが少ないことを意味する。
【0036】
リム損傷頻度指数:
ホイールに対してビードストッパーを着脱作業を行い、リム損傷の発生頻度を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどリム損傷が少ないことを意味する。
【0037】
【表1】

【0038】
表1から明らかなように、実施例1,2のホイールは、従来例に比べて、装着作業時間指数、離脱作業時間指数、作業後の空気漏れトラブル頻度指数、走行中の空気漏れトラブル頻度指数、リム損傷頻度指数がいずれも優れていた。
【符号の説明】
【0039】
1 ディスク
2 リム
3 ビードストッパー
4 空気バルブ
5 弾性体リング
21 ビードシート部
22 穴
23 突起
31 軸部
32 頭部
33 摘まみ部
34 ネジ溝
35 係止部
W カート用ホイール
T 空気入りタイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのビード部が嵌合されるリムを備えたカート用ホイールにおいて、前記リムのビードシート部と隣接する位置に該リムを貫通するように形成された穴と、該穴に挿入される軸部及び該穴よりも広い頭部を有するビードストッパーと、該ビードストッパーの軸部周りに配置されて該ビードストッパーの頭部と前記リムとの間に介在する弾性体リングとを備え、前記穴の内面に突起を設ける一方で、前記ビードストッパーの軸部に前記突起を収容可能であって2周未満の長さで螺旋状に延長するネジ溝を設け、該ネジ溝の一方の端部を前記軸部の先端側に開口し、該ネジ溝の他方の端部に前記突起を係止する係止部を設けたことを特徴とするカート用ホイール。
【請求項2】
前記係止部において前記ネジ溝の他方の端部を前記軸部の先端側へ向けて屈曲させたことを特徴とする請求項1に記載のカート用ホイール。
【請求項3】
前記ビードストッパーの前記リムへの装着作業において前記弾性体リングが最も圧縮された状態での該弾性体リングの厚さBがその無負荷状態での厚さAの50%〜60%となり、かつ前記突起が前記係止部に係止された状態での前記弾性体リングの厚さCがその無負荷状態での厚さAの70%〜80%となるように前記軸部に対して前記ネジ溝を配設したことを特徴とする請求項2に記載のカート用ホイール。
【請求項4】
前記弾性体リングの断面形状が円形又は楕円形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカート用ホイール。
【請求項5】
前記弾性体リングがニトリルゴムを主成分とし、そのJIS−A硬度が40〜70であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカート用ホイール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−71708(P2012−71708A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218523(P2010−218523)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】