説明

ガスアシスト射出成形用金型とガスアシスト射出成形方法

【課題】金型内の気密状態を高精度に検知することができ、連続成形過程での成形品の品質を保証し、量産成形性の向上を図ることが可能となるガスアシスト射出成形用金型とガスアシスト射出成形方法を提供する。
【解決手段】金型における固定側金型2と可動側金型5とにより形成されたキャビティ9内に、気体の注入を伴うガスアシストによって樹脂の射出成形を行う際に用いるガスアシスト射出成形用金型であって、前記キャビティ内に気体を注入するために設けられたガス供給装置17から、前記固定側金型の側に形成されたガス供給口に至るガス供給経路21に配設された第1の圧力計31と、前記可動側金型の側に形成された配管接続口に繋る配管に配設された第2の圧力計33と、前記ガスアシストによる射出成形中に、前記第1の圧力計と前記第2の圧力計とにより測定された圧力をロギングする手段と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスアシスト射出成形用金型とガスアシスト射出成形方法に関する。特に、金型のキャビティ内に気体注入を伴う樹脂の射出成形方法であるガスアシスト射出成形において、カウンタプレッシャの安定性を高精度に保証する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、樹脂の射出成形品に求められる精度や機能が高まるにつれて、それに応える一つの手法として、金型内に気体を注入し、樹脂を射出成形するガスアシスト射出成形方法が行われている。
例えば、特許文献1では、金型表面状態を高度に成形品に転写することができるようにした、つぎのようなガスアシスト射出成形方法が提案されている。
この方法では、まず、金型のキャビティを二酸化炭素などの特定のガス体を適度なガス圧で満たしてから樹脂が充填される。
これにより、ガス体は流動樹脂のフローフロントで吸収され、あるいは金型と樹脂の界面に入り込み、樹脂表面層に溶解する。
樹脂に溶解したガス体は可塑剤として作用し、樹脂の溶融粘度を下げ、特に樹脂表面の固化温度を選択的に低下させる。
これらにより、薄い樹脂表面層だけ固化温度が下がり、固化温度が金型表面温度以下となれば、樹脂充填工程中の固化が起きない。このような手法により、成形品の金型表面転写性の向上が図られている。
【0003】
ガスアシスト成形において、キャビティ内のガス圧は重要な成形因子の一つとなるため、これを管理するために金型内に圧力ゲージを挿入し、キャビティ内のガス圧を測定することが行われる。
例えば、ガス供給装置から金型に至る配管経路に圧力計を配置し、キャビティ内のガス圧力を1箇所で測定し、時間経過と圧力値の関係を波形データで取得することが広く行われている。
また、特許文献2によれば、所望の成形品を得るための条件として、樹脂を金型内に射出するに先立って金型内の成形空間を圧力P1で加圧する際に、成形空間内の圧力P1がガス供給路の圧力P2の5〜70%となることを規定している。金型には、これらの圧力を測定するために、圧力計がキャビティとガス供給路に1つずつ設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−245257号公報
【特許文献2】特開2009−039954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したガスアシスト射出成形方法において、金型キャビティに気体を注入して保持するためには、専用の金型構造が必要となる。
その際、気密性を高めるために、Oリングなどのシール材をパーティングラインやエジェクタピンの周囲に配置し、気体供給口を設けて気体供給装置と接続する。
さらに、気体がキャビティの近くまで確実に至るように気体の案内溝を加工し、キャビティの淵に設けた樹脂が入り込まない程度の微小な隙間からキャビティに気体を注入する。
気体の排気は供給経路と共通であるか、もしくは排出経路を別途設けてキャビティから案内溝を経て排出される。供給、排出経路には開閉弁を設置し、これによって供給、保持、排出の一連動作を制御する。
上記のような金型により連続成形を実施したとき、継続過程でショット積算によって金型の気密対象空間内の一部に樹脂カスが蓄積したり、樹脂の揮発成分が付着したりして金型内の導通箇所が目詰まりを起こすことがある。
あるいは、前記シール材の劣化によって、ガス供給時の金型空間内の気密性が低下することがある。
【0006】
ガスアシスト成形用金型内の気密空間は、キャビティを主としてガス供給口からガス溝やガスベントによって導通性が確保されているが、いくつもの金型構成部材で構成されているため、供給されたガスは前記部材を回り込むように充満する。
このようなことから、10MPaを越える高圧でガスを供給したとしても、気密対象空間を供給開始からキャビティを所定の圧力まで昇圧させて定常状態まで至らしめるまでに、数秒の時間が必要となる。
このため、上記した従来から広く行われているガス供給装置から金型に至る配管経路に圧力計を配置し、キャビティ内のガス圧力を1箇所で測定する方法では、成形中のガス昇圧時に精度良く金型の気密状態を検知することは困難である。
このような測定方法では、金型内の気密状態に変化が生じたときに、これを十分に検知することができないという問題を有している。
また、逐一成形品を測定、観察することで金型の状態を推測する方法では、成形管理、金型保守が非効率である。
なお、本明細書での金型内の気密状態とは、気密対象空間を閉塞しているシール材のシール性と、該空間内における金型構成部材間の気体導通性の両方を意味している。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、金型内の気密状態を高精度に検知することができ、連続成形過程での成形品の品質を保証し、量産成形性の向上を図ることが可能となるガスアシスト射出成形用金型とガスアシスト射出成形方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、つぎのように構成したガスアシスト射出成形用金型とガスアシスト射出成形方法を提供するものである。
本発明のガスアシスト射出成形用金型は、金型における固定側金型と可動側金型とにより形成されたキャビティ内に、気体の注入を伴うガスアシストによって樹脂の射出成形を行う際に用いるガスアシスト射出成形用金型であって、
前記キャビティ内に気体を注入するために設けられたガス供給装置から、前記固定側金型の側に形成されたガス供給口に至るガス供給経路に配設された第1の圧力計と、
前記可動側金型の側に形成された配管接続口に繋る配管に配設された第2の圧力計と、
前記ガスアシストによる射出成形中に、前記第1の圧力計と前記第2の圧力計とにより測定された圧力をロギングする手段と、
を有することを特徴とする。
また、本発明のガスアシスト射出成形方法は、金型における固定側金型と可動側金型とにより形成されたキャビティ内に、気体の注入を伴うガスアシストによって樹脂の射出成形を行うガスアシスト射出成形方法であって、
前記キャビティ内に気体を注入するために設けられたガス供給装置から、前記固定側金型の側に形成されたガス供給口に至るガス供給経路に配設された第1の圧力計と、
前記可動側金型の側に形成された配管接続口に繋る配管に配設された第2の圧力計と、
を用い、前記ガスアシストによる射出成形中に前記第1の圧力計と前記第2の圧力計とにより測定された圧力を比較し、前記固定側金型と前記可動側金型の気密状態を検知して射出成形を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、金型内の気密状態を高精度に検知することができ、連続成形過程での成形品の品質を保証し、量産成形性の向上を図ることが可能となるガスアシスト射出成形用金型とガスアシスト射出成形方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態におけるガスアシスト射出成形用金型の構成について説明する図。
【図2】本発明の実施例におけるガスアシスト射出成形用金型とガス供給装置について説明する図。
【図3】本発明の実施例におけるガス圧計で計測された波形を示す図。
【図4】従来例におけるガスアシスト射出成形用金型の構成を示す図。
【図5】従来例の金型内気密対象空間における金型構成部材の合わせ面に存在する隙間を示す図。
【図6】従来例の非成形時における金型内気密対象空間内におけるガスの流れを示す図。
【図7】従来例の樹脂充填後における金型内気密対象空間内におけるガスの流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態におけるガスアシスト射出成形用金型の構成について説明する。
まず、本実施例を説明する前に、図4を用いて従来例におけるガスアシスト射出成形用金型の構成を説明する。
図4に示すように、従来例の金型は、固定側ダイセット1、2、固定側抱き駒3、可動側ダイセット5、6、可動側抱き駒4、エジェクタピン13からなる。
パーティングライン面7にはOリング23が、固定側ダイセット1と2の合わせ面8にはOリング24が、可動側ダイセット5に対して可動側抱き駒4が収まるポケットの底面12にはUパッキン22が配されており気密仕様となっている。9はキャビティ、10はスプルー、11はノズルタッチ部である。
固定側ダイセット2にはガス供給兼排出口21が設けられており、配管19によってガス供給装置17と接続されている。
ガスをキャビティ内の樹脂に作用させ易くするために、前記ガス供給兼排出口21は固定側抱き駒3に突き当たり、そこからは溝によってパーティングライン面7に至る。
図4には省略されているが、キャビティの周囲には樹脂は通さないがガスを通すガスベントが掘られている。
ガス供給装置から供給される気体は減圧弁18によって圧力調整され、ガス供給兼排出口21へと至る経路には圧力ゲージ14が設けられている。これによりキャビティ内の圧力を測定し所望のカウンタプレッシャに達するとガスを金型内で保持するために電磁弁16が閉じられる。
保持時間が終了すると電磁弁15が開いてガスが排出され、成形のワンサイクルが終了する。
【0012】
つぎに、上記従来例の金型における金型内の気密対象空間について、図5を用いて説明する。
図5に示すように、ガスは前記ガス溝、ガスベントから優先的に流れてスプルーを含むキャビティに充満する。
また、固定側ダイセット1と固定側ダイセット2の合わせ面20、固定側ダイセット1と固定側抱き駒3の合わせ面27や、
可動側ダイセット5と可動側抱き駒4の合わせ面25、エジェクタピン13とエジェクタピン穴の勘合面26には、少なくとも数十μm単位の隙間が存在するため、これらの空間にもガスは回りこむ。
【0013】
前記隙間にはキャビティに遅れること数秒でガスが充満するため、金型内の気密対象空間がスプルーを含むキャビティと前記隙間の集合から成ると考えた場合、金型内の気密対象空間のカウンタプレッシャが定常状態に達するまでは数秒程度の時間を要する。
【0014】
ここで、Uパッキン22が劣化してシールが不完全になった場合について考える。
図6に、矢印を用いて非成形時における金型内のガスの流れを図示する。×印はUパッキン22が気密性を失っていることを示す。矢印の大小はガスの流れ易さを指し、矢印が太いほどガスの流れが多いことを示す。
非成形中ではガス圧計14からキャビティまでの導通は確立されているため、エジェクタピンからガスが漏れているとガス圧計にてカウンタプレッシャの低下をレスポンスよく検知することができる。
これに対して、図7に成形中における金型内のガスの流れを、図6と同様に図示する。
成形中の射出完了後はキャビティとスプルーは樹脂28で満たされるため、ガスはキャビティ及びスプルーを通ることができない。
エジェクタピンの裏側からガスが漏れていたとすると、可動側ダイセットと可動側抱き駒の合わせ面を通って圧力計まで圧力の損失が伝わるまでに数秒の時間を要することになり、圧力の計測に時間遅れが大きくなる。
これは、すなわち金型内気密対象空間における圧力検知の精度が低いことを指す。
このように上記従来例のものでは、金型の気密性が変化したとき精度よく検知することができない。
光学部品を量産成形するにおいて、カウンタプレッシャの安定性を高精度に保証する必要があるため、従来構成では精度が不足していた。
【0015】
そこで、本実施形態では、金型の固定側金型の側だけでなく可動側金型の側の気密性の変化も敏感に検知することができるように構成し、金型の気密状態を高精度に測定することができるように形成されている。
具体的には、図1に示すように構成される。図1において、上記した図4に示した構成と同様の構成には同一の符号を付されているので、共通する部分の説明は省略する。
図1において、29は配管接続口、31は圧力計(第1の圧力計)、33は圧力計(第2の圧力計)、34は供給弁、35は配管、36は経路である。
本実施形態のガスアシスト射出成形用金型においては、圧力計31がガス供給口21に至るガス供給経路に配設されていると共に、固定側金型と可動側金型とのパーティングライン面を隔てて、ガス供給口21とは別に配管接続口29が配設されている。
ガス供給装置17、減圧弁18から前記ガス供給口21に至る経路36に供給弁34と圧力計31を設ける。また、配管接続口29に繋る配管35を備え、配管35の終端部に圧力計33を設ける。
このような構成により、射出成形中において双方の圧力値を比較することによって、固定側だけでなく可動側における気密性の変化も敏感に検知することが可能となり、気密対象空間の圧力検知の精度を向上させることができる。
また、これにより金型内へ圧力センサー挿入を伴わず、容易に当該構造を構築できることから、コストメリットもある。
また、連続成形のショット積算や金型メンテナンス前後での金型の気密状態の変化を高精度に検知することが可能となり、カウンタプレッシャの高い安定性が求められる成形品の品質を保証し、量産成形性を高めることが可能となる。
【実施例】
【0016】
以下に、本発明の実施例における金型のキャビティ内に気体の注入を伴うガスアシストにより樹脂の射出成形を行う際に用いるガスアシスト射出成形用金型の構成例について、図2を用いて説明する。
図2において、37は固定型ダイセット、38は固定型ダイセット、39は可動型ダイセット、40は可動型ダイセット、41は可動型ダイセット、42は可動型ダイセット、43はエジェクタプレートである。
44は固定側抱き駒、45は可動側抱き駒、46はセンターピン、47はエジェクタピン、48はスプルーブッシュ、49はUパッキン、50はOリング、51はガス注入口、52は配管接続口である。
注入口51及び配管接続口52はステンレス管によってガス供給装置53と接続されている。
【0017】
本実施例では、配管接続口52に繋がれたステンレス管62の終端部に圧力計59とともに排出弁55を配置する。
このように配管接続口をガス排出口とすることにより、ガス排出時に前記終端部から効率的にガスを排気することができる。
ガス供給装置は内部に制御ユニット54を有し、制御ユニット54によって排出弁55、供給弁56、バイパス弁57の開閉、圧力計(ガス圧計)58、圧力計(ガス圧計)59が計測する圧力値のロギングと監視を行う。
昇圧ユニット63はガスボンベ60と接続されており、ガスボンベから供給されたガスを制御ユニットで設定された圧力まで昇圧する機能を持つ。
【0018】
ガス供給前には昇圧ユニット63からステンレス管61を経て、注入口51からガスが金型に導入される。
ガスは金型内で注入口51から固定側ダイセット内を通過して、突き当たり部の合わせ穴から固定側抱き駒44内で直角に曲がって優先的にパーティングライン面に至る。
図内では省略しているが、パーティングライン面でキャビティの周囲に加工された10μm以下のガスベントを通ってガスはキャビティへと供給される。
ガスベントはガスを通すが樹脂を通さない。
ガスは金型の中で金型構成部品44、45、46、47、48の隙間にも流れてあらゆる経路から固定側から可動側へと流れて配管接続口52へと至り、最終的にステンレス管62を経てガス供給装置内で閉じられている排出弁55、バイパス弁57の一端に達する。
ガス圧は注入弁に設けられた圧力計58と排出弁に設けられた圧力計59の二箇所で測定する。
【0019】
つぎに、ガスアシスト成形中におけるガス圧の測定プロセスを説明する。
まず、金型が閉じて型締めがかかると同時にガスアシスト成形が開始する。
ガス供給前は全ての電磁弁が閉じた状態になっているが、供給時には供給弁56が開いてキャビティに充填される樹脂にガスを作用させる。
金型内へガスを注入するタイミングは樹脂射出前でも良いし、樹脂射出後でも良い。
ガス圧計58、ガス圧計59で金型内のカウンタプレッシャを測定し、所望の値に達すると供給弁56は閉じて保持状態になる。
保圧工程に入ってゲートシール完了後に排出弁55とバイパス弁57が開いて金型内のガスが排出される。
こうすることで、金型内の固定側に充満していたガスがステンレス管61から、可動側に充満していたガスがステンレス管62から排出されることになり、効率的にガスを排出することが可能となる。
ガス排出後、冷却工程を経て金型が開いて型開限にて成形品が突き出され、ガスアシスト成形の1サイクルが終了する。
【0020】
本実施例では、成形中のガス圧計58、ガス圧計59をロギングすることにより、ショットカウント毎に成形品の良否を判定するシステムを構築し、連続成形過程における不良品の発生を検出可能とした。
光学成形品の表面形状は主に保圧工程開始からゲートシールまでに形作られるため、この時間帯におけるカウンタプレッシャは形状精度を左右する重要な成形因子の一つとなる。
本実施例では、射出時間が4.5秒、ゲートシール時間が保圧工程に入ってから5秒後であったため、射出開始から数えて4.5秒から9.5秒の時間帯がガス圧測定のタイミングとなるが、ここでは射出開始から8秒後のガス圧を測定した。
キャビティに供給するガス圧は7.4MPaとし、ガス圧計の測定誤差を考慮して良品条件範囲を±0.1MPaとした。
【0021】
図3に、成形開始から第一保圧終了後までガス圧計58、ガス圧計59が計測したガス圧の経時変化を波形で出力したグラフを示す。
成形の工程を分かり易くするためにスクリュ後方で計測した保圧も併記した。
射出工程から第一保圧工程に切り替わると同時にガス圧は収束しており、8秒後で圧力計58の値は7.3MPa、圧力計59の値は7.5MPaを計測しており、良品条件を満たしている。
ショットカウント毎に前記判定を行い、連続成形過程における何らかの原因による金型内気密性の変化に対する成形品の品質変化をシステム管理する。
表1はロギングデータで3415ショット目から不良品が発生しており、金型メンテナンスが必要であることを示している。
[表1]

【符号の説明】
【0022】
1:固定側ダイセット
2:固定側ダイセット
3:固定側抱き駒
4:可動側抱き駒
5:可動側ダイセット
6:可動側ダイセット
7:パーティングライン面
8:固定側ダイセットの合わせ面
9:キャビティ
10:スプルー
11:ノズルタッチ部
12:ポケット底面
13:エジェクタピン
21:ガス供給兼排出口
22:Uパッキン
23:Oリング
24:Oリング
29:配管接続口
31:圧力計
33:圧力計
34:供給弁
35:配管
36:経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型における固定側金型と可動側金型とにより形成されたキャビティ内に、気体の注入を伴うガスアシストによって樹脂の射出成形を行う際に用いるガスアシスト射出成形用金型であって、
前記キャビティ内に気体を注入するために設けられたガス供給装置から、前記固定側金型の側に形成されたガス供給口に至るガス供給経路に配設された第1の圧力計と、
前記可動側金型の側に形成された配管接続口に繋る配管に配設された第2の圧力計と、
前記ガスアシストによる射出成形中に、前記第1の圧力計と前記第2の圧力計とにより測定された圧力をロギングする手段と、
を有することを特徴とするガスアシスト射出成形用金型。
【請求項2】
前記ロギングする手段は、前記第1の圧力計と前記第2の圧力計とにより測定された圧力をロギングすることによって、ショットカウント毎のカウンタプレッシャを監視する手段を含み構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスアシスト射出成形用金型。
【請求項3】
前記ガス供給装置から前記固定側金型の側に形成されたガス供給口に至るガス供給経路に供給弁が設けられ、前記第1の圧力計が前記ガス供給口と前記供給弁の間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスアシスト射出成形用金型。
【請求項4】
前記可動側金型の側に形成された配管接続口がガス排出口によって形成され、該ガス排出口に接続された配管に設けられた排出弁と共に前記第2の圧力計が配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスアシスト射出成形用金型。
【請求項5】
金型における固定側金型と可動側金型とにより形成されたキャビティ内に、気体の注入を伴うガスアシストによって樹脂の射出成形を行うガスアシスト射出成形方法であって、
前記キャビティ内に気体を注入するために設けられたガス供給装置から、前記固定側金型の側に形成されたガス供給口に至るガス供給経路に配設された第1の圧力計と、
前記可動側金型の側に形成された配管接続口に繋る配管に配設された第2の圧力計と、
を用い、前記ガスアシストによる射出成形中に前記第1の圧力計と前記第2の圧力計とにより測定された圧力を比較し、前記固定側金型と前記可動側金型の気密状態を検知して射出成形を行うことを特徴とするガスアシスト射出成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−255541(P2011−255541A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130106(P2010−130106)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】