説明

ガスタービンエンジンおよびタービンエンジンロータ

【課題】流路断面積の減少を改善し、タービン部の効率を向上させる。
【解決手段】ロータスタック32は、ブレード段36A〜Cを支持するブレードディスク34A〜34Cを備える。ベーン段38A〜Cは、コア流路500に沿ってブレード段と交互に配置される。ボア52A〜Cは、ディスクの中央開口部を取り囲み、その中を低速シャフト29の一部分33が通る。外側に凹んだスペーサ62A,62Bは、ディスク34A〜Cの隣接するペアを連結するとともに、ディスクの隣接部分に接触係合する端部を有する。隣接ディスクの周縁部54との接触係合は、スペーサの断面を平坦にする遠心力により、速度とともに増加する長手方向の係合力を生じさせる。継手70A,70Bは、ディスク34A〜Cの間に位置するとともに、前方のディスクから後方に延びる第1の管状構造部74および後方のディスクから前方に延びる第2の管状構造部76を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンに関し、特に、中心で連結固定されたロータスタックを有するガスタービンエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、通常、エンジンの1つまたは複数のセクションに対応する1つまたは複数のロータスタックを備える。ロータスタックは、1つのセクションにおける連続する段の複数のディスクを備える。これらのディスクは、長手方向に間隔を隔てるとともに、ブレードを支持する。ステータ構造は、長手方向にロータディスクの間に位置する周方向のベーン段を備える。ロータディスクは、相対的に回転しないように互いに固定されており、ロータスタックは、共通のスプール(例えば、エンジンの低速/低圧スプール、高速/高圧スプール)上に固定され、他の構成部品に対し回転する。
【0003】
ロータディスクを一体に連結するために、多数のシステムが用いられている。例示的な中心連結(center−tie)システムにおいては、ディスクは、スリーブ状のスペーサにより、互いに長手方向に間隔を隔てて保持されている。スペーサは、1つまたは両方の隣接するディスクとともに単体として一体的に形成される場合がある。しかし、スペーサが、隣接するディスクのペアの少なくとも1つから独立していることが多く、締まりばめ、ないしキー構造を介してディスクに係合されている場合もある。このような締まりばめ、またはキー構造においては、係合を維持するために、ディスクスタックにわたる長手方向の圧縮力を維持することが要求される場合がある。圧縮力は、スタックの対向する両端部を、スタック内を通る中央のシャフトに固定することにより、得られる。スタックは、長手方向の予圧力(precompression force)を与えた状態でシャフトに取り付けられ、それにより、同等の大きさの引張力が、スタック内のシャフトの部分から伝わる。
【0004】
別の形態では、周方向に間隔を有するタイロッドの列の使用が含まれる。タイロッドは、ディスクを一体に連結するようにロータディスクのウエブ部分を通り延びている。そのようなシステムにおいては、対応するスプールは、ロータ内を通るシャフト部分を備えていない場合がある。代わりに、分割したシャフトセグメントが、ロータスタックの1つまたは両方の端部から長手方向外側に延びた形となる。
【0005】
効率および出力における所望の改良により、タービンエンジンの形態の発展が大いに促進されてきた。効率には、性能上の効率および生産効率が含まれる。
【0006】
SuciuおよびNorrisの米国特許出願第10/825,255号(特許文献1)、第10/825,256号(特許文献2)、および第10/985,863(以下、Suciuらの出願とする)では、1つまたは複数の外側にくぼんだディスク間スペーサを有するエンジンが開示されている。ロータが回転すると、遠心力により、長手方向のロータの圧縮が維持され、スペーサと少なくとも1つの隣接するディスクとの係合が維持される。この係合は、圧縮に加えて、ディスク間に長手方向のトルクを伝える。
【特許文献1】特開2005−299673号公報
【特許文献2】特開2005−299672号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、内側の開口部から外側周縁部にそれぞれ延びている第1のディスクおよび第2のディスクを備えるタービンエンジンに関する。継手(カップリング)は、第1のディスクと第2のディスクとの間でトルクおよび長手方向の圧縮力を伝える。継手は、トルクの大部分および圧縮力の大部分を伝える第1の手段と、第1の手段の半径方向外側に位置するとともに、第1および第2のディスクの振動を安定させる第2の手段と、を備える。
【0008】
種々の実施例においては、第2の手段は、スペーサ(例えば、Suciuらの出願と同様または別のスペーサ)を備えていてもよい。第1の手段は、第1および第2のディスクに、放射状のスプライン継手、つまり互いに嵌合する第1および第2の複数の歯部をそれぞれ備えていても良い。第1のディスクのウエブの後方から延びている第1のスリーブの後方リムにおいて、第1の複数の歯部を形成してもよいし、第1のディスクのウエブと一体的に第1の複数の歯部を形成してもよい。第2のディスクのウエブの前方から延びている第2のスリーブの前方リムにおいて、第2の複数の歯部を形成してもよいし、第2のディスクのウエブと一体的に第2の複数の歯部を形成してもよい。第1および第2のディスクは、第1および第2のスリーブの内側に、内側環状隆起部をそれぞれ備える。第2の手段は、外側へ向かってくぼんだ長手方向の部分を有するスペーサを備えていてもよい。このくぼんだ部分は、第1および第2のディスクの回転速度の増加に伴って、圧縮力を増加させるのに効果的な厚さおよび長手方向の範囲を備える。エンジンは、高速/高圧タービン部および低速/低圧タービン部を備えていてもよい。第1および第2のディスクは、低速/低圧タービン部に位置する。エンジンは、減速式ターボファンエンジンであってもよい。引張(テンション)シャフトは、第1および第2のディスクの各々の内側開口部内を通って延びるとともに、第1および第2のディスクに対して実質的に回転しない。エンジンは、複数のベーンエアフォイルと、ベーンエアフォイルの半径方向内側に位置し、継手の第2の手段との間をシールするシール部分と、を有するベーン段を備えていてもよい。第3のディスクは、内側開口部から外側周縁部に向かって延びていてもよい。第2の継手は、第3のディスクと第2のディスクとの間でトルクおよび長手方向の圧縮力を伝える。第2の継手は、トルクの大部分および圧縮力の大部分を伝える第1の手段と、第1の手段の半径方向外側に位置し、振動を安定させる第2の手段と、を備える。エンジンは、長手方向に圧縮して、第1および第2のディスクを保持する中心から外れた連結部材を備えていなくてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1では、高速/高圧圧縮機(HPC)22を有するガスタービンエンジン20が図示されている。高速/高圧圧縮機(HPC)22は、低速/低圧圧縮機(LPC)23からコア流路500に沿って流れる空気を受けるとともに、燃焼室24に空気を供給する。高速/高圧タービン部(HPT)25および低速/低圧タービン部(LPT)26は、コアの流路500に沿って燃焼室24の下流側に位置する。エンジンは、バイパス流路501に沿った空気を送るファン28をさらに備える。別の実施例のエンジンは、他のシステムまたは構造のうち主だったものとして、およびオーグメンタ(図示せず)を備えていてもよい。
【0010】
エンジン20は、低速スプールおよび高速スプールを備える。低速および高速スプールは、エンジンの長手方向の中心軸つまり中心線502を中心に回転するように、複数のベアリングシステムを介してエンジンの静止構造物に取り付けられている。低速シャフト29は、低速/低圧圧縮機(LPC)および低速/低圧タービン部(LPT)のロータおよびブレードを支持し、低速スプールを形成する。低速シャフト29は、(例えば、溶接により)完全にまたは部分的に一体化したアッセンブリであってもよい。低速シャフト29は、エピサイクリックトランスミッション30によりファン28に連結され、低速スプールより低速でファンを駆動する。高速スプールは、高速/高圧圧縮機(HPC)および高速/高圧タービン部(HPT)のロータおよびブレードを支持する。
【0011】
図2は、低速シャフト29の後方部分33にわたって取り付けられたLPTロータスタック32が図示されている。例示的なロータスタック32は、前方/上流側から後方/下流側に向かって、例示的な3つのブレードディスク34A〜34Cを備え、各々のディスクは、対応するブレード段36A〜36Cを(例えば、相補的なスロットにモミの木形状のブレードルート部37を係合させ)それぞれ支持する。複数のベーン段38A〜38Cは、コア流路500に沿って、ブレード段と交互に並び連続的に配置されている。ベーンは、エアフォイルを有する。このエアフォイルは、コア流路の外側壁40の一部として形成された外側シュラウド/プラットフォーム39のルート部から、コア流路内側壁43の一部を形成する内側プラットフォーム42まで半径方向内側に延びている。第2のベーン段38Bおよび第3のベーン段38Cのプラットフォーム42は、内側に延びるフランジを有し、そのフランジに、段を有するハニカムシール44が(例えば、ねじまたは他の締め具により)取り付けられている。
【0012】
実施例においては、ディスク34A〜34Cの各々は、実質的に環状のウエブ50A〜50Cを有する。ウエブ50A〜50Gは、“ボア(bore)”として知られる内側の環状の隆起部分52A〜52Cから、モミの木形状のスロット55の列を有する外側周縁部54に向かって半径方向外側に延びている。ボア52A〜52Cは、ディスクの中央開口部を取り囲んでおり、その中を低速シャフト29の一部分33が隙間を備えて円滑に通過している。別の実施例においては、周縁部54とともに予め単体として(例えば、連続的な微細構造を備えた単一の部品として)ブレードを形成してもよいし、完全な単体としてではなく(例えば、破壊によってのみ取り外しが可能なように溶接により)ブレードを一体的に形成してもよい。
【0013】
外側スペーサ62A,62Bにより、互いに隣接するペアとなるディスク34A〜34Cがそれぞれ連結される。例示的なエンジンでは、スペーサ62A,62Bは、隣接するディスクとは別々に形成される。外側スペーサ62A,62Bは、隣接するディスクの隣接部分(例えば、周縁部54など)に接触係合する端部をそれぞれ有する。別の実施例におけるスペーサは、隣接するディスクの一方と(例えば、単体として形成されるか、あるいはディスクに溶接されて)一体的に形成され、他方のディスクとの接触係合部まで延びていてもよい。
【0014】
例示的なエンジンにおいては、(例えば、Suciuらの出願において記載されているように)スペーサ62A,62Bは、外側に向かってくぼんでいる。隣接ディスクの周縁部との接触係合は、遠心力によりスペーサの断面が平坦に近づくので、速度とともに増加する長手方向の係合力を生じさせる。例示的なスペーサ62A,62Bは、外側面を備えており、そこから、1つまたは複数の環状のシール歯部(例えば、前方歯部63および後方歯部64)が、隣接するハニカムシール44の隣接部分と近接シールとなるように半径方向外側に延びている。
【0015】
したがって、スペーサ62A,62Bの各々により、外側/外部の環状ディスク間キャビティ66(ハニカムシール44およびそれに対応する取付具を収容している部分)から内側/内部の環状ディスク間キャビティ65が隔てられている。
【0016】
付加的なディスク間の継手(カップリング)が、ディスク34A〜34Cの間に設けられている。図2では、対応するスペーサ62A,62Bの半径方向内側に位置する継手70A,70Bが図示されている。継手70A,70Bにより、隣接するボアの間に位置するディスク間キャビティ72から対応する環状のディスク間キャビティ65が隔てられている。例示的な継手70A,70Bの各々は、前方に位置するディスクから後方に向かってに延びているリング状の第1管状構造部74と、後方に位置するディスクから前方に向かってに延びているリング状の第2管状構造部76と、を備える(図3参照)。例示的な管状構造部74,76の各々は、対応する個々のディスクと単体として一体的に形成されており、ディスクのウエブとボアとの接合部付近からそれぞれ後方および前方に向かって延びている。
【0017】
管状構造部74の後方リムおよび管状構造部76の前方リムにおいて、管状構造部は、円周方向の列をなす互いに嵌合する放射状のスプラインつまり歯部78を有する(図3参照)。図示された例示的な歯部78は、半径方向のスパンとほぼ等しい長手方向のスパンと、多少長い円周方向のスパンと、を有する。例示的な歯部78は、端部つまり先端部82まで延びている先細りのテーパ状をなす側面80を有する。例示的なエンジンにおいては、管状構造部74,76のうち一方の各歯部の側面80は、管状構造部74,76の他方の隣接する歯部の隣接の側面と接触する。例示的なエンジンにおいては、各歯部の端部82とこれに対向する管状構造部の谷部における底部84との間にギャップを備える。このギャップにより、周方向の係合を強化する長手方向の圧縮力の増加が許容され、2つの管状構造部が堅固に係合して維持され得る。例示したスプライン機構の代わりに、スナップ式継手、湾曲した継手または他のスプライン機構を用いてもよい。
例示的なエンジンにおいては、継手70A,70Bは、隣接するディスク間の主要な圧縮経路に沿って、長手方向の圧縮力および長手方向のトルクの大部分を伝える。スペーサ(継手)62A,62Bを介して、これよりも非常に少ない長手方向の力が伝えられ、この力は、ディスクの位置を維持するとともに、ディスクの振動を安定させるように主に機能する。パッケージング上の制限により、力の伝達の低下が生じ得る。例示的なエンジンにおいては、対応するボア52Aから前方に延びている前方ハブ90および対応するボア52Cから後方に延びている後方ハブ92により、シャフト29と係合するLPTロータの前方端部および後方端部が形成される。このようにハブ90,92が相補的に半径方向内側に位置することにより、相対的に外側の位置での力の伝達が影響を受ける。ハブを外側に移動しようとすると、長手方向の大きさが増し、それにより、パッケージングおよび他の問題が生じる。したがって、継手70A,70Bは、ディスクのボア52A,52Cとハブ90,92との結合部付近の半径方向位置に有利に配置される。
【0018】
継手によって伝達される主な圧縮およびトルクが比較的内側に位置することで、別の形態に比較して、設計の可能性および利点が提供される。ギア減速式ターボファンの使用は、ファンの設計速度と低速スプールの設計速度とを無関係なものとする。これにより、低速スプールの速度を増加させる可能性が生じる。そのような増加した速度(例えば、9〜10,000rpmの範囲の典型的な運転速度)には、負荷の増加が伴う。増加した負荷に抵抗するために、外側の重量、例えば、ディスクを互いに連結し、トルクおよび力を伝える外側のフランジおよびボルトなどを減少させることが望ましい場合がある。スプールを3本備えたエンジン(例えば、ファンが低速スプールに直接連結されているエンジン)の中間スプールのタービン部において、同様の可能性が生じる。
【0019】
例示的なエンジンにおいては、低速シャフト29は、中心の引張固定具として用いられ、圧縮力でロータ32のディスクを保持する。ディスクは、前方から後方にシャフト29に取り付けられる(例えば、まずディスク34Aを取り付け、次にスペーサ62A、ディスク34B、スペーサ62B、ディスク34Cを順に取り付け、スタックを圧縮し、ロックナットまたは他のエレメント96(図2参照)を取り付けて、スタックを予圧状態にしておく)。
【0020】
ディスクの外側周縁部におけるロータスタックの締め付けは、いくつかの方法で行うことができる。スペーサ62A,62Bの外側へのくぼみにより、スペーサ62A,62Bを通る二次的な圧縮経路に沿って、速度に応じて増加する長手方向の圧縮力が生じる。さらに、静止状態では、前方ディスク34Aおよび後方ディスク34は、それぞれ前方および後方に皿状に撓んでいる。回転すると、遠心力により、ディスク34A,34Cがまっすぐになり、ディスク34A,34Cの周縁部54が長手方向内側(すなわち、それぞれ後方および前方)に移動する。この傾向は、スペーサ62A,62Bの平坦化しようとする作用に少なくとも部分的に抵抗する。少なくとも部分的にこの平坦化に抵抗することにより、相対的に広い速度範囲にわたり、ハニカムシール44との良好なシールが実現される。
【0021】
前述の原理を、現存のエンジン形態の再構成、または新しく設計する工程において適用してもよい。種々の設計技術を用いてもよい。種々の設計技術には、模擬実験および実際のハードウェア試験が含まれる。模擬実験/試験は、静止状態および1つまたは複数のゼロを超える速度条件下で行われる。ゼロを超える速度条件は、定常状態の運転条件および過渡条件の一方または両方を含んでいてもよい(例えば、加速、減速およびそれらの組み合わせ)。模擬実験/試験は、繰り返し行われる。繰り返し行われる模擬実験/試験には、
スペーサの厚さ、スペーサの曲率または他の形状のパラメータ、ベーンのシール形状のパラメータ、静止状態のシールとスペーサの距離(シールとスペーサの特定の位置を変更することも含んでいてもよい)などのスペーサ62A,62Bのパラメータを変更することが含まれる。繰り返し行われる模擬実験/試験には、管状構造部74,76の厚さ形状、歯部78のサイズと幾何学形状、継手の半径方向の位置などの継手70A,70Bのパラメータを変えることが含まれる。
【0022】
本発明の1つまたは複数の実施例の説明がなされた。しかしながら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更形態がなされることが理解されるであろう。例えば、従来のエンジン形態の再設計品として適用する場合、従来形態の詳細は、あらゆる特定の実施態様に影響を及ぼす場合がある。したがって、他の実施例は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ガスタービンエンジンの長手方向に亘る部分断面図。
【図2】図1のエンジンの低圧タービンロータスタックの長手方向に亘る部分断面図。
【図3】図2のスタックの2つのディスクの嵌合するスプラインの放射状の図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側開口部から外側周縁部まで半径方向にそれぞれ延びている第1のディスクおよび第2のディスクと、
前記第1のディスクと前記第2のディスクとの間でトルクおよび長手方向の圧縮力を伝えるとともに、
前記トルクの大部分および前記圧縮力の大部分を伝える第1の手段と、
前記第1の手段の半径方向外側に位置するとともに、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクの振動を安定させる第2の手段と、を備える
継手と、
を備えることを特徴とするタービンエンジン
【請求項2】
前記第1の手段が、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクにそれぞれ設けられた互いに嵌合する第1および第2の複数の歯部を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
前記第1の複数の歯部が、前記第1のディスクのウエブから後方に延びるとともに、前記ウエブと一体的に形成されている第1のスリーブの後方リムに位置し、
前記第2の複数の歯部が、前記第2のディスクのウエブから前方に延びるとともに、前記ウエブと一体的に形成されている第2のスリーブの前方リムに位置し、
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクが、前記第1のスリーブおよび前記第2のスリーブの内側に内側環状隆起部をそれぞれ有することを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
【請求項4】
前記第2の手段が、外側に向かって長手方向にくぼんだ部分を有するスペーサを備え、前記外側に向かって長手方向にくぼんだ部分が、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクの回転速度の増加とともに前記スペーサに亘る長手方向の力を増加させるのに効果的な厚さおよび長手方向の範囲を備えることを特徴とする請求項2に記載のエンジン。
【請求項5】
前記第1の手段、前記第2の手段および中央の引張シャフトが、前記第1のディスクと前記第2のディスクとの間に実質的に唯一の構造的な連結をもたらすことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項6】
前記エンジンが、低速/低圧タービン部を備え、
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクが、前記低速/低圧タービン部に位置することを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項7】
前記エンジンが、減速式ターボファンエンジンであることを特徴とする請求項6に記載のエンジン。
【請求項8】
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクの各々の内側開口部を通って延びるとともに、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクに対して実質的に回転しない引張シャフトをさらに備える請求項1に記載のエンジン。
【請求項9】
前記第1のディスクと前記第2のディスクとの間にベーン段をさらに備え、
前記ベーン段が、複数のベーンエアフォイルと、前記ベーンエアフォイルの半径方向内側に位置して、前記の継手の第2の手段との間をシールするシール部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項10】
内側開口部から外側周縁部に半径方向に延びている第3のディスクと、
前記第3のディスクと前記第2のディスクとの間でトルクおよび長手方向の圧縮力を伝えるとともに、
前記トルクの大部分および前記圧縮力の大部分を伝える第1の手段と、
前記第1の手段の半径方向外側に位置し、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクの振動を安定させる第2の手段と、を備える
第2の継手と、
をさらに備える請求項1に記載のエンジン。
【請求項11】
長手方向に圧縮して前記第1のディスクおよび前記第2のディスクを保持する中心から外れた円周方向に並んだ連結部材を備えていないことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項12】
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクを直接固定する留め具を備えていないことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
【請求項13】
中央シャフトと、
前記シャフトを囲む中央開口部をそれぞれ有するとともに、隣接するペアの間に環状キャビティを画定する複数のブレードディスクと、
前記ブレードディスクの間に広がる複数のベーン段と、
前記複数のディスクの中の第1のディスクと第2のディスクとを連結する放射状のスプライントルク継手と、
スペーサと、
を備え、
前記スペーサは、
第1のディスクおよび前記第2のディスクの回転速度の増加に伴って、前記スペーサに亘る長手方向の力を増加させるのに効果的な外側方向へくぼんだ長手方向の断面外形と、
半径方向外側に延びて、前記ベーン段の1つとともにシールする少なくとも1つのシールエレメントと、
を備えることを特徴とするガスタービンエンジン。
【請求項14】
前記ベーン段の前記の1つに位置して、前記シールエレメントとともにシールするハニカムシール手段をさらに備える請求項13に記載のエンジン。
【請求項15】
前記第1のディスクおよび前記第2のディスクが、タービン部のディスクであることを特徴とする請求項13に記載のエンジン。
【請求項16】
前記エンジンが、減速式ターボファンエンジンであることを特徴とする請求項13に記載のエンジン。
【請求項17】
内側開口部から外側周縁部に向かって半径方向にそれぞれ延びている複数のディスクと、
前記ディスクの対応する1つにそれぞれ支持された複数のブレード段と、
前記ブレード段の間に広がる複数のベーン段と、
前記ディスクの隣接するペアの間にそれぞれ位置する複数のスペーサと、
前記複数のディスクおよび前記複数のスペーサを支持し、これらとともに中心軸を中心に回転する中央シャフトと、
を備え、
第1の前記ディスクと第2の前記ディスクとの間に位置する第1のスペーサが、隣接する1つのベーン段の第2の手段とともにシールする第1の手段を有し、
前記第1のスペーサの半径方向内側に、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクの互いに嵌合する第1および第2の部分を有し、前記第1のディスクと前記第2のディスクとの間で長手方向の力およびトルクを伝えることを特徴とするタービンエンジンロータ。
【請求項18】
嵌合する前記第1および第2の部分が、放射状のスプラインを備えることを特徴とする請求項17に記載のロータ。
【請求項19】
前記第1のスペーサが、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクと別々に形成されるとともに、前記第1のディスクおよび前記第2のディスクの対応する部分内にそれぞれ実質的に締まりばめした第1の端部および第2の端部を有することを特徴とする請求項17に記載のロータ。
【請求項20】
ステータと組み合わされるロータであって、
前記スペーサが、長手方向の断面を備え、
前記長手方向の断面が、静止状態で実質的に外側へくぼんでいる第1の部分を有し、
前記第1の手段は、前記第1の部分から半径方向外側に延びており、
前記第2の手段は、ハニカム部材を備えていることを特徴とする請求項17に記載のロータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−170197(P2006−170197A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336708(P2005−336708)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】