説明

ガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法、小型容器用アダプター及び薄膜成膜装置

【課題】本発明の目的は、小型容器について、ガスバリア性を有する薄膜を均一に成膜し、十分なガスバリア性を得ることである。また、従来の装置をそのまま用いて、小型容器に薄膜を均一に成膜する、小型容器用アダプターを提供することである。
【解決手段】本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法は、容器が、胴部の水平断面での最大幅が40mm以下の小型容器であり、少なくとも、容器の高さよりも深底で、胴部の最大幅よりも大きい内径を有し、かつ、天面に開口部を有する空洞を備えた外部電極と、容器の外壁面と外部電極の空洞の内壁面との間に配置される誘電体部材とから構成される内部空間に、容器を収容する工程と、接地された原料ガス供給管を、外部電極と短絡させずに、外部電極の開口部を通して内部空間に挿入し、かつ、原料ガス供給管の末端を、容器の口部に向い合せで配置する工程と、を成膜する工程の前に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器、特に小型の容器の内壁面に、プラズマCVD(chemical vapor deposition)法によってガスバリア性を有する薄膜を成膜する方法に関する。また、成膜装置に装着する小型容器用アダプターに関する。さらに小型容器用の薄膜成膜装置に関する。当該容器は、例えば、少量の調味料、錠剤や医薬品が充填され、その保存性能が向上されている。
【背景技術】
【0002】
プラスチック容器は、臭いが収着しやすく、またガスバリア性が壜や缶と比較して劣るため、ビールや発泡酒等の酸素に鋭敏な飲料には用いることが難しかった。そこで、本出願人は、プラスチック容器における収着性やガスバリア性の問題点を解決すべく、硬質炭素膜(ダイヤモンドライクカーボン(DLC))等をコーティングする方法と装置を提案した(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1には、対象とする容器の外形とほぼ相似形の内部空間を有する外部電極と、容器の内側に容器の口部から挿入され、原料ガス導入管を兼ねた内部電極を用いて、容器の内壁面に硬質炭素膜をコーティングする装置が開示されている。このような装置では、容器内に原料ガスとして脂肪族炭化水素類,芳香族炭化水素類等の炭素源ガスを供給した状態で、外部電極に高周波電力を印加する。このとき、原料ガスが両電極間においてプラズマ化し、発生したプラズマ中のイオンは外部電極と内部電極との間で発生する高周波由来の電位差(自己バイアス)に誘引され、容器内壁に衝突し、膜が形成される。
【0003】
特許文献1に記載された装置のほか、原料ガス導入管を兼ねた内部電極を容器の内部に挿入せずに、容器の口部の外にその末端を配置する装置も開示されている(例えば、特許文献2又は3を参照。)。なお、この場合に、原料ガス導入管を容器の内部に挿入しないのは、成膜を何度も行っていくうちに原料ガス導入管を兼ねた内部電極に異物が付着し、放電不良が生じやすくなるため、この異物付着を抑制するためである。
【0004】
特許文献1〜3に記載された発明は、主として飲料用容器を対象としており、その容量は、特許文献1では例えば700ml、特許文献2では例えば400mlが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8‐53116号公報
【特許文献2】特開2007‐50898号公報
【特許文献3】特開2004‐189322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3に開示された容器よりも小型のプラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を均一に成膜する具体的技術は検討されたとはいえない。
【0007】
そこで、本発明者は、特許文献1に記載の装置に、(1)小型のプラスチック容器をセットして、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜の成膜を行い、また、(2)外部電極の内部空間の内壁面と小型容器の外壁面との隙間を埋める金属製の入れ子を装着して、外部電極を単にスケールダウンしたと同等の条件にてDLC膜の成膜を行った。しかし、(1)のテストでは、外部電極の内部空間の内壁面と小型容器の外壁面との距離が大きすぎて、自己バイアスがかかりにくく、密着性の優れた膜を成膜することができなかった。また、(2)のテストでは、容器の胴部においてホローカソード現象が顕著に生じ、容器が容易に熱変形した。ここで、本稿においては、以後、ホローカソードと言及する際には、プラズマが局所的に集中する結果、容器の表面に膜が不均一に成膜されるとともに、容器内表面において局所的に変形や変性などのプラズマダメージが生じることを意味する。このようなホローカソード現象が生じると、ガスバリア性や外観上の品質が損なわれ、商品価値が得られない。さらに(1)(2)に共通する事項として、原料ガス供給管を容器内に挿入すると、口部の口径が小さいために排気効率が劣り、真空引きの時間が余計にかかり、また、原料ガスを容器内に導入したときに、容器内部の圧力が高くなりすぎて、緻密なDLC膜が成膜できず、高速成膜もできなかった。さらに、口部の外面に成膜部分が拡大されてしまい、製品に外観品質上好ましくない事態が生じやすかった。そこで、(1)の容器の熱変形を抑制するため、高周波電力の出力を小さくする、成膜時間を短縮するなど、条件の変更を試みたが、2倍程度のバリア性しかえられず、不十分であった。また、(2)の真空引きの時間が長いこと及び成膜圧力が高くなってしまうことを抑制するため、原料ガス供給管を容器に挿入しないようにして(その結果として、原料ガス供給管が外部電極の内部空間内に挿入されない。)、容器の外部で原料ガスを供給したところ、プラズマが発生しにくくなり、また、仮にプラズマが発生したとしても容器の内部でプラズマが発生しにくいことがわかった。したがって、特許文献1に記載の成膜装置を単にスケールダウンしただけでは、小型の容器にガスバリア性を有する薄膜を成膜することが難しいことがわかった。
【0008】
そこで本発明の目的は、小型容器について、ガスバリア性を有する薄膜を均一に成膜し、十分なガスバリア性を有するプラスチック容器を製造する方法を提供することである。また、特許文献1に記載の装置を始め、従来の装置、特に外部電極をそのまま用いて、小型容器にガスバリア性を有する薄膜を均一に成膜することを可能とする、小型容器用アダプターを提供することを目的とする。さらに、小型容器専用の薄膜成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、容器外部に原料ガス導入管の末端を配置し、容器の上端及び原料ガス導入管の末端を含む領域まで外部電極を延設し、かつ、容器外壁面と外部電極との間の空間に誘電体部材を配置することで、小型容器にガスバリア性を有する薄膜を均一に成膜し、十分なガスバリア性を発揮させることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法は、少なくとも口部、胴部及び底部を有するプラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜するガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法において、前記プラスチック容器が、前記胴部の水平断面での最大幅が40mm以下の小型容器であり、少なくとも、前記プラスチック容器の高さよりも深底で、前記胴部の最大幅よりも大きい内径を有し、かつ、天面に開口部を有する空洞を備えた外部電極と、前記プラスチック容器の外壁面と前記外部電極の空洞の内壁面との間に配置される誘電体部材とから構成される内部空間に、前記プラスチック容器を収容する工程と、接地された原料ガス供給管を、前記外部電極と短絡させずに、該外部電極の開口部を通して前記内部空間に挿入し、かつ、前記原料ガス供給管の末端を、前記プラスチック容器の口部に向い合せで配置する工程と、前記外部電極の空洞の内部ガスを排気する工程と、前記原料ガス供給管から、原料ガスを減圧下で吹き出させる工程と、前記外部電極に高周波電力を供給し、前記原料ガスをプラズマ化して、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする。なお、前記小型容器の前記胴部の水平断面での最大幅が40mm以下としたのは、当該40mm以下ではホローカソードが発生しやすいためであり、さらに30mm以下となると、この傾向が顕著となる。
【0010】
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法では、前記誘電体部材を、少なくとも前記プラスチック容器の胴部の周囲に配置することが好ましい。容器内部の電位分布や圧力分布を総合した結果として胴部において最もホローカソード現象が生じやすいため、誘電体部材を、少なくともプラスチック容器の胴部の周囲に配置することで、当該箇所の容器の熱変形を効果的に防止できる。
【0011】
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法では、前記プラスチック容器は、前記胴部の水平断面の形状の最大幅と最小幅との差が5mm以上であることを含む。胴部断面が円形であるよりは長径と短径を有する楕円形である方が、短径の箇所にてホローカソード現象が生じやすく、そのような形状であっても、ホローカソード現象の発生を防ぎ、容器の熱変形等を防止できる。
【0012】
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法では、前記プラスチック容器は、前記口部の口径が10mm以下の小口径容器であることを含む。原料ガス供給管の末端を、プラスチック容器の口部に向い合せで配置するため、口径が10mm以下の小口径容器であっても、排気効率の悪化を防ぎ、かつ、原料ガス供給時の容器内部の圧力を真空ユニット内と略同程度とすることができる。
【0013】
本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法では、前記原料ガス供給管の末端と前記プラスチック容器の口部との距離が30mm以上50mm以下となるように、前記外部電極の空洞の底に誘電体材料からなる台座を配置して調整することが好ましい。同一の外部電極を使用して、高さの異なる容器に薄膜を成膜する場合においても、プラスチック容器内に原料ガスを安定して導入することができ、かつ、均一な薄膜を成膜することができる。また、前記原料ガス供給管を脱着可能な仕様とし、高さの異なる容器に対応させた複数の長さのガス供給管を用意することによってもガス供給管末端と容器口部の距離を適切な範囲に調整することができる。
【0014】
本発明に係る小型容器用アダプターは、容量200ml以上のプラスチック容器を収容するための、深さが100mm以上で最大内径が50mm以上の空洞を有する外部電極、排気室及び前記外部電極と前記排気室との間に配置され、前記外部電極の空洞と前記排気室とを連通する絶縁部材を備えた成膜ユニットと、管形状を有し、管の一端が前記排気室に支持され、末端が前記外部電極の空洞の中に配置された原料ガス供給管と、前記排気室に接続され、前記外部電極の空洞の内部ガスを排気する排気手段と、前記外部電極に接続されたプラズマ発生用電力供給手段と、を有する、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する成膜装置に装着して、前記プラスチック容器よりも小径で小容量の小型容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜するための小型容器用アダプターであって、該小型容器用アダプターは、前記外部電極の空洞の底面に配置する、誘電体材料からなる台座又は金属板に誘電体部材を接合した台座であり、前記誘電体の部分が前記小型容器の少なくとも胴部に接し、かつ、該台座が、前記外部電極の空洞の上端から30〜50mmの深さの位置に小型容器の口部上端が位置するように高さ調整台となっていることを特徴とする。なお、上述した装置全体が、容器を、いわゆる倒立の状態で、口部を下方に、底部を上方に向けて、成膜する場合には、上述の底面は天面と、上端は下端などと読み替える。容器の配置に傾きがある場合も同様に解釈する。また、以後の記載も同様に解釈するものとする。
【0015】
本発明に係る小型容器用アダプターでは、前記台座は、前記小型容器の少なくとも胴部までを収容する深さの縦穴を有していることが好ましい。容器の少なくとも胴部及び底部の周囲には誘電体が配置されるのでホローカソード現象の発生を抑制でき、また、台座の縦穴が小型容器のホルダの役目も為す。誘電体の配置によりホローカソード現象の発生を抑制できる理由は、容器内表面と接地部との電位差を緩和できるためと予想される。
【0016】
本発明に係る薄膜成膜装置は、胴部の水平断面での最大幅が40mm以下の小型プラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する薄膜成膜装置であって、前記プラスチック容器を収容するための深さが100mm以上で最大内径が50mm以上で前記プラスチック容器の高さよりも5mm以上深い空洞を有する外部電極、排気室及び前記外部電極と前記排気室との間に配置され、前記外部電極の空洞と前記排気室とを連通する絶縁部材を備えた成膜ユニットと、管形状を有し、管の一端が前記排気室に支持され、末端が前記外部電極の空洞の中に配置された原料ガス供給管と、前記排気室に接続され、前記外部電極の空洞の内部ガスを排気する排気手段と、前記外部電極に接続されたプラズマ発生用電力供給手段と、
前記外部電極の空洞の底面に配置する、誘電体材料からなる台座又は金属板に誘電体部材を接合した台座と、を有し、かつ、前記台座は、誘電体の部分が前記小型容器の少なくとも胴部に接する形状を有し、前記原料ガス供給管の末端は、前記プラスチック容器の口部に向い合せで配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、小型容器について、ガスバリア性を有する薄膜を均一に成膜することができ、その結果、十分なガスバリア性を発揮させることができる。また、本発明に係る小型容器用アダプターは、従来の装置をそのまま用いて、小型容器にガスバリア性を有する薄膜を均一に成膜することができるので、装置を別途準備したり、大幅に改造する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】成膜装置の一例を示す概略図である。
【図2】図1のA‐A破断面を示す概略図である。
【図3】プラスチック容器の形状例を示す図であり、(a)〜(c)は縦断面概略図であり、(d)〜(e)はB‐B破断面の概略図である。
【図4】成膜装置に装着する小型容器用アダプターの第2形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0020】
先ず、本実施形態に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法において使用する成膜装置について説明する。ここで説明する成膜装置は例示であり、本実施形態に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法の各工程を行なうことが可能である限り、適宜変形してもよいことはいうまでもない。
【0021】
特許文献1に記載の成膜装置を小型容器の形状に合わせてそのままスケールダウンしたものは、ホローカソード現象が生じやすく、容器の熱変形が生じる。そこで、外部電極の空洞は小型容器の大きさよりも大きいタイプを使用する。例えば容量200ml以上の容器を完全に収容することができる空洞を有する外部電極を備えた成膜装置を使用することが好ましい。容量200ml以上とするのは、飲料用PETボトル向けの成膜装置を活用して小型容器に成膜する意図もある。このような装置としては、容量200ml以上、例えば700mlの容器の外面形状とほぼ同一形状若しくは相似形状の内面形状の空洞を設けた外部電極、いわゆる相似型の外部電極を有する成膜装置(例えば特許文献1が開示する成膜装置。)と同型の成膜装置を変形して使用することができる。また、外部電極に設けた空洞の形状が、有底円筒形状のいわゆる円筒型の外部電極を有する成膜装置(例えば特許文献2又は3等が開示する成膜装置。)と同型の成膜装置を変形して使用することができる。これらの装置はそのまま使用することはできず、変形して使用するが、例えば、原料ガス供給管の末端の位置が所定位置となるように変形する。図1は、成膜装置の一例を示す概略図である。図1は縦断面図であり、この成膜装置はプラスチック容器8の主軸を中心として、回転対称の形状を有している。ここで容器の主軸は原料ガス供給管を兼ねる内部電極の主軸とほぼ一致している。図2は、図1のA‐A破断面を示す概略図である。図1及び図2に示した円筒型の外部電極を有する成膜装置を例としてさらに詳細に説明する。
【0022】
成膜装置100は、プラスチック容器8を収容する外部電極3と、原料ガス供給管となる内部電極9と、外部電極3の空洞30のガスを排気する排気手段の真空ポンプ23と、外部電極3に接続されたプラズマ発生用電源27と、外部電極3の空洞30とプラスチック容器8の口部の上方にて連通する排気室5と、外部電極3と排気室5とを電気的に絶縁させる絶縁部材4とを有する。
【0023】
図3は、プラスチック容器8の形状例を示す図であり、(a)〜(c)は縦破断概略図であり、(d)〜(e)はB‐B破断面の概略図である。プラスチック容器8(8a,8b,8c)は、少なくとも口部81、胴部84及び底部85を有する。プラスチック容器8は、一般的に、胴部84に対して口部81が縮径した形状を有しているが、その細部は必ずしも統一されず、容器のデザインによって適宜変更される。図3(a)は、口部81と胴部84との間に首部82と肩部83を有しており、図3(b)(c)は、口部81と胴部84との間に肩部83を有している。したがって、内容物によって容器の肩形状、首形状又は口形状が異なる。プラスチック容器8としては小型容器を対象とし、胴部84の水平断面での最大幅が40mm以下である。プラスチック容器8は、胴部84における水平断面の形状が円形である形状のほか、図3(d)に示すように胴部の水平断面の形状が楕円形である場合、図3(e)に示すように胴部の水平断面の形状が長方形である場合を含む。ここで、厳密な楕円形又は長方形のほか、全体としてこれらの形状に近似形状の形態も包含する。一般に断面円形よりも断面楕円形又は断面長方形の方が、短径又は短辺の対向部分においてホローカソードが生じやすいが、本実施形態では、このような場合でも成膜が可能である。ホローカソードが生じやすい小型容器は、胴部84の水平断面での最大幅が40mm以下となるが、これは、例えば、図3(d)(e)のlを最大幅、sを最小幅とすると、最大幅lが40mm以下ということである。一般的な500ml容量のペットボトルの胴部水平断面での径は65〜70mmであるため、これと比較すると、プラスチック容器8は、細径の容器である。胴部84の水平断面での最大幅は、さらに小型とする場合は、30mm以下とする。胴部84の水平断面での最小幅の下限値は、特に制限はないが、例えば、20mmである。また、最大幅lと最小幅sとの差が5mm以上10mm以下である容器も成膜対象とする。これらの容器の高さは例えば30〜130mmであり、より小型とする場合70mm以下が好ましい。容器の高さの下限値は例えば30mmである。その結果、プラスチック容器8は、容量が90ml以下、さらに小型を望む場合は50ml以下の小容量容器となる。なお、容量の下限値は例えば10mlである。そして、プラスチック容器8の口部の口径(内径)は、小型に対応するために10mm以下、好ましくは8mm以下であることを包含する。なお、プラスチック容器8の口部の口径(外径)は、内径に肉厚分2〜6mmが加算される。プラスチック容器8の充填物は、例えば、調味料、錠剤や医薬品である。
【0024】
プラスチック容器8を成形する際に使用する樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンテレフタレート系コポリエステル樹脂(ポリエステルのアルコール成分にエチレングリコールの代わりに、シクロヘキサンディメタノールを使用したコポリマーをPETGと呼んでいる、イーストマンケミカル製)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ‐4‐メチルペンテン‐1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂又はアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂である。この中で、PETが特に好ましい。
【0025】
成膜ユニット(真空チャンバ)7は、外部電極3と、排気室5と、絶縁部材4とを備えている。
【0026】
外部電極3は、金属等の導電材で中空に形成されて成膜ユニット(真空チャンバ)の主部材となり、コーティング対象のプラスチック容器8、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂製の容器であるPETボトルを収容する空洞30を有する。空洞30は、プラスチック容器8の高さよりも深底で、胴部84の最大幅よりも大きい内径を有し、かつ、天面に開口部を有する。空洞30は、例えば、容量200ml以上のプラスチック容器を収容することができ、深さが100mm以上(好ましくは200mm以上)で最大内径が50mm以上(好ましくは70mm以上)であることが好ましい。空洞30の深さは、容器高さよりも、5〜50mm大きいことが好ましく、より好ましくは、10〜30mmである。ただし、誘電体からなる板又は金属板を空洞30の底面に配置することで、空洞30の深さが容器高さよりも50mmを超えて深くても調整は可能である。そして、外部電極3は、上部外部電極2と下部外部電極1からなり、上部外部電極2の下部に下部外部電極1の上部がO−リング10を介して着脱自在に取り付けられるよう構成されている。上部外部電極2から下部外部電極1を脱着することでプラスチック容器8を装着することができる。外部電極3は、絶縁部材4と外部電極3との間に配置されたO−リング37並びに上部外部電極2と下部外部電極1の間に配置されたO−リング10によって外部から密閉されている。なお、外部電極3は、図1では上部外部電極2と下部外部電極1の2分割の場合を示したが、製作の都合上3個以上に分割して、それぞれの間をO−リングでシールしても良い。
【0027】
絶縁部材4は、外部電極3の空洞30と排気室5の内部空間31とを連通させる箇所となる排気室5の開口部32bに合わせて、開口部32aを有する。すなわち、絶縁部材4には、プラスチック容器8の口部の上方の位置に相当する箇所に開口部32aが形成されている。絶縁部材4は、ガラスやセラミックス等の無機材料、或いは耐熱性樹脂で形成されていることが好ましい。
【0028】
排気室5は、金属等の導電材で中空に形成されており、内部空間31を有する。排気室5と絶縁部材4との間はO−リング38によってシールされている。そして、内部空間31と空洞30とを空気的に連通させるために、開口部32aに対応してほぼ同形状の開口部32bが排気室5の下部に設けられている。排気室5は、配管21、圧力ゲージ20、真空バルブ22等からなる排気経路を介して真空ポンプ23に接続されており、その内部空間31が排気される。
【0029】
絶縁部材4の上に排気室5が配置されることによって蓋6を形成して、外部電極3を密封し、密閉可能な成膜ユニット7が組み上がることとなる。
【0030】
誘電体部材40aは、プラスチック容器8の外壁面と外部電極3の空洞30の内壁面との間に配置される。プラスチック容器8の底面に誘電体をさらに配置しても良い。誘電体としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ化炭素樹脂、硬質塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂などのプラスチック樹脂、ガラス又はセラミックスである。プラスチック容器8の外壁面周りにおける誘電体の肉厚は2〜30mmが好ましい。誘電体部材40を、少なくともプラスチック容器8の胴部84の周囲に配置することが好ましい。プラスチック容器8の胴部84において、特に図3(d)(e)に示すようにプラスチック容器8の胴部の水平断面が楕円形又は長方形のように最大幅lと最小幅sとの差があると、胴部84の最小幅の箇所にてホローカソード現象が起きやすい。このため、胴部84の周囲に誘電体部材40aを配置することはホローカソード現象の発生予防のために有効である。そして、プラスチック容器8の胴部84の周囲の全体に誘電体部材40aを配置することがより好ましく、胴部84及び底部85の周囲の全体に誘電体部材40aを配置することがさらに好ましく、容器の側面全体の周囲に誘電体部材40aを配置することが最も好ましい。また、少なくとも誘電体部材40aの一部とプラスチック容器8とを接触させることが好ましく、図2に示すように、誘電体部材40aは、水平断面で見た場合、プラスチック容器8の側面の全周にわたって接していることがより好ましい。プラスチック容器8の胴部の水平断面が楕円形又は長方形のように最大幅lと最小幅sとに差がある場合には、誘電体部材40aは胴部84の形状に合わせた形状を有していることが好ましい。また、誘電体部材40aと外部電極3とは、隙間があっても良いが、原料ガスの流れを安定させるために誘電体部材40aと外部電極3とは、接していること(形態a)が好ましく、又は、誘電体部材40aと外部電極3の間に導電体部材40bを配置する(形態b)ことが好ましい。図1及び図2では、形態bを図示したが、誘電体部材40aの肉厚を大きくすることで、形態aとすることが可能である(例えば図4を参照。)。形態aの場合は誘電体部材40aが台座40となり、形態bの場合は誘電体部材40aである台座40に導電体部材40bが備わっている。
【0031】
内部空間30は、少なくとも、外部電極3と誘電体部材40aとから構成される。すなわち、外部電極3の空洞30に誘電体部材40aからなる台座40を配置すると、外部電極3と誘電体部材40aとからなる内部空間が形成され、この内部空間にプラスチック容器8が収容されることとなる(形態a)。または、外部電極3の空洞30に、誘電体部材40aに導電体部材40bが備わっている台座40を配置する(形態b。図1に図示。)と、外部電極3と誘電体部材40aと導電体部材40bとからなる内部空間が形成され、この内部空間にプラスチック容器8が収容されることとなる。そして、肉厚が異なる導電体部材40bを複数用意しておくと、空洞の内径の異なる外部電極を使用したとしても、誘電体部材40aの種類を変更せずに調整することが可能である。形態bにおいて、誘電体部材40aの上端を、必要に応じて導電体部材40bとあわせて、開口部の絶縁部材32aの底面に接するように構成してもよい。前記内面空間を誘電体部材、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製(テフロン(登録商標))が内表面となるように構成しておくと、該内表面に付着する炭素粉の清掃が容易となる。
【0032】
台座40は、上部外部電極2と下部外部電極1とをはずしたのち、下部外部電極1に嵌め込んで、図1に示すように外部電極3の空洞30内に収容する。変形例としては、図4に示すように、下部外部電極1の底1aを分離可能としておき、下部外部電極1の底1a(金属板)に誘電体部材40aを接合した台座の形態とし、底1aを外部電極3(下部外部電極1)から分離することで、プラスチック容器8を出し入れしてもよい。図4に示した変形例は、形態aの変形例である。なお、底1a(金属板)と外部電極3(下部外部電極1)とは、電気的に導通させておく必要がある。
【0033】
内部電極9は原料ガス供給管を兼ねており、管形状を有し、その内部にガス流路が設けられており、この中を原料ガスが通過する。内部電極9の末端にはガス吹き出し口9a、すなわちガス流路の開口部が設けられている。内部電極9の一端は、排気室5の内部空間31の壁で固定され、内部電極9は内部空間31、開口部32a、32bを通して成膜ユニット7内に配置されている。外部電極3内にプラスチック容器8がセットされたとき、内部電極9の末端であるガス吹き出し口9aは、外部電極3の空洞30内に配置される。すなわち、絶縁部材4よりもさらに深く挿入される。内部電極9の末端の外部電極3の空洞30への挿入の程度は、管の長さで調整することができる。さらに、ガス吹き出し口9aは、プラスチック容器8の口部に向い合せで配置される。例えば、図1に示すように、プラスチック容器8が口部を上に向けてセットされた場合には、口部上方にガス吹き出し口9aが配置される。すなわち、内部電極9はプラスチック容器8に挿入されない。内部電極9(原料ガス供給管)の末端9aと容器口部上端8uとの距離は、30〜50mmが好ましく、35〜45mmがより好ましい。内部電極9の末端9aと容器口部上端8uとの距離は、誘電体部材40aの底の厚さ又は管の長さで調整することができる。内部電極9は、接地されていることが好ましい。また、内部電極9は、外部電極3とは短絡させない。
【0034】
ここで、図1に示した外部電極3の空洞30内に収容する誘電体部材40aを台座とする形態、又は図4に示した下部外部電極1の底1a(金属板)に誘電体部材40aを接合した台座の形態は、外部電極3の空洞30の上端3uから30〜150mmの深さの位置に容器の口部上端8uが位置するように高さ調整台となっていることが好ましい。このとき、台座は小型容器用アダプターとなっている。外部電極3の空洞30の深さの大小にかかわらず、小型容器用アダプターによって外部電極3の空洞30の上端3uと容器の口部上端8uとの距離を30〜150mmに調整することが可能であり、外部電極3を特別に製作しなくても済む。また、台座は、小型容器の少なくとも胴部までを収容する深さの縦穴を有している形状とすることが好ましい。容器の少なくとも胴部及び底部の周囲には誘電体が配置されるのでホローカソード現象の発生を抑制でき、特に図4に示した台座の場合は、台座の取り外すとプラスチック容器8をセットすることができるが、台座の縦穴が小型容器のホルダの役目も為す。
【0035】
原料ガス供給手段16は、プラスチック容器8の内部に原料ガス発生源15から供給される原料ガスを導入する。すなわち、内部電極9の基端には、配管11の一方側が接続されており、この配管11の他方側は真空バルブ12を介してマスフローコントローラー13の一方側に接続されている。マスフローコントローラー13の他方側は配管14を介して原料ガス発生源15に接続されている。この原料ガス発生源15はアセチレンなどの炭化水素ガス系原料ガスを発生させるものである。
【0036】
本発明におけるガスバリア性を有する薄膜とは、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を含む炭素膜、Si含有炭素膜、又は、SiOx膜等の金属酸化物膜等の酸素透過を抑制する薄膜をいう。原料ガス発生源15から発生させる原料ガスは、上記薄膜の構成元素を含む揮発性ガスが選択される。ガスバリア性を有する薄膜を形成する際の原料ガスは公知公用の揮発性原料ガスが使用される。
【0037】
原料ガスとしては、例えば、DLC膜を成膜する場合、常温で気体又は液体の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水素類などが使用される。特に炭素数が6以上のベンゼン、トルエン、o‐キシレン、m‐キシレン、p‐キシレン、シクロヘキサン等が望ましい。食品等の容器に使用する場合には、衛生上の観点から脂肪族炭化水素類、特にエチレン、プロピレン又はブチレン等のエチレン系炭化水素、又は、アセチレン、アリレン又は1‐ブチン等のアセチレン系炭化水素が好ましい。これらの原料は、単独で用いても良いが、2種以上の混合ガスとして使用するようにしても良い。さらにこれらのガスをアルゴンやヘリウムの様な希ガスで希釈して用いる様にしても良い。また、ケイ素含有DLC膜を成膜する場合には、Si含有炭化水素系ガスを使用する。SiOx膜を成膜する場合は、Si含有炭化水素ガスと酸素とをガス導入管に供給して使用する。他の金属酸化膜も同様であり、当該金属を含有する原料ガスと酸素を使用する。
【0038】
本発明でいうDLC膜とは、iカーボン膜又は水素化アモルファスカーボン膜(a‐C:H)と呼ばれる膜のことであり、硬質炭素膜も含まれる。またDLC膜はアモルファス状の炭素膜であり、SP結合も有する。このDLC膜を成膜する原料ガスとしては炭化水素系ガス、例えばアセチレンガスを用い、Si含有DLC膜を成膜する原料ガスとしてはSi含有炭化水素系ガスを用いる。
【0039】
また、ケイ素含有DLC膜を成膜する場合には、Si含有炭化水素系ガスを使用する。珪化炭化水素ガス又は珪化水素ガスとしては、四塩化ケイ素、シラン(SiH)、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)等の有機シロキサン化合物等が使用される。また、これらの材料以外にも、アミノシラン、シラザンなども用いられる。金属酸化物薄膜として酸化アルミニウム薄膜(AlOx膜)を成膜する場合には、例えば、トリアルキルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ‐n‐ブチルアルミニウム、ジメチルイソプロピルアルミニウムを用いる。
【0040】
真空ポンプ23は、成膜ユニット7の内部のガスを排気する。すなわち、排気室5に配管21の一端が接続され、配管21の他端は真空バルブ22に接続され、真空バルブ22は配管を介して真空ポンプ23に接続されている。この真空ポンプ23はさらに排気ダクト24に接続されている。なお、配管21には圧力ゲージ20が接続され、排気経路での圧力を検出する。真空ポンプ23を作動させることによって、プラスチック容器8の内部ガス並びに外部電極3の空洞30のガスが開口部32a,32bを介して排気室5の内部空間31に移動し、内部空間31のガスは配管21を含む排気経路を通して真空ポンプ23に送られる。
【0041】
成膜ユニット7は、リーク用の配管17が接続されていて、配管17は真空バルブ18を介して、リーク源19(大気開放)と連通されている。
【0042】
プラズマ発生用電力供給手段35は、プラズマ発生用電源27と、プラズマ発生用電源27に接続された自動整合器26とを備え、プラズマ発生用電源27は自動整合器26を介して外部電極3に接続される。プラズマ発生用電源27の出力を外部電極3に印加し、内部電極9と外部電極3との間に電位差が生ずることによってプラスチック容器8の内部に供給された原料ガスがプラズマ化する。プラズマ発生用電源27の周波数は、例えば、1〜100MHzの範囲とする。
【0043】
図1では、プラスチック容器8の口部が上方に向うように成膜ユニット7が形成されているが、プラスチック容器8の口部が下方に向うように成膜ユニット7を形成しても良い。
【0044】
本発明に係る薄膜成膜装置は、一般的な飲料用ボトルにガスバリア性を有する薄膜を成膜する装置を使用する形態のほか、小型容器の専用成膜装置である形態がある。このような薄膜成膜装置は、胴部の水平断面での最大幅が40mm以下の小型プラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する薄膜成膜装置であって、前記プラスチック容器を収容するための深さが100mm以上で最大内径が50mm以上で前記プラスチック容器の高さよりも5mm以上深い空洞を有する外部電極、排気室及び前記外部電極と前記排気室との間に配置され、前記外部電極の空洞と前記排気室とを連通する絶縁部材を備えた成膜ユニットと、管形状を有し、管の一端が前記排気室に支持され、末端が前記外部電極の空洞の中に配置された原料ガス供給管と、前記排気室に接続され、前記外部電極の空洞の内部ガスを排気する排気手段と、前記外部電極に接続されたプラズマ発生用電力供給手段と、前記外部電極の空洞の底面に配置する、誘電体材料からなる台座又は金属板に誘電体部材を接合した台座と、を有し、かつ、前記台座は、誘電体の部分が前記小型容器の少なくとも胴部に接する形状を有し、前記原料ガス供給管の末端は、前記プラスチック容器の口部に向い合せで配置されている。基本的な構成は、図1、2又は4に示した成膜装置と同様である。
【0045】
次に、本実施形態に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法を、DLC膜を成膜する場合で説明する。本発明に係るガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法は、(1)成膜ユニット7の主要部品である外部電極3に、胴部の水平断面での最大幅が40mm以下の小型のプラスチック容器8を収容する工程と、(2)成膜ユニット7内にプラスチック容器8を配置する工程と、(3)真空ポンプ23を作動させて外部電極3の空洞のガスを排気する工程と、(4)原料ガス供給管である内部電極9から、原料ガスを減圧下で吹き出させる工程と、(5)外部電極3に高周波電力を供給し、原料ガスをプラズマ化して、プラスチック容器8の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する工程を有する。
【0046】
(プラスチック容器の収容工程及び配置工程)
成膜ユニット7内は、真空バルブ18を開いて大気開放されており、外部電極3の下部外部電極1が上部外部電極2から取り外された状態となっている。次に上部外部電極2の下側から上部外部電極2内の空間にプラスチック容器8を差し込み、外部電極3の内部空間30内に設置する。次に、下部外部電極1を上部外部電極2の下部に装着し、外部電極3はO−リング10によって密閉される。以上の操作により、少なくとも、プラスチック容器8の高さよりも深底で、胴部84の最大幅よりも大きい内径を有し、かつ、天面に開口部を有する空洞30を備えた外部電極3と、プラスチック容器8の外壁面と外部電極3の空洞30の内壁面との間に配置される誘電体部材40aとから構成される内部空間に、プラスチック容器8が収容されることとなる。そして、接地された原料ガス供給管9は、外部電極3と短絡させずに、外部電極3の開口部を通して内部空間に挿入し、すなわち、図1では外部電極3の空洞30の上端3uよりも下側に原料ガス供給管9の末端9aが配置される。さらに、原料ガス供給管9の末端9aは、プラスチック容器8の口部に向い合せで挿入されずに配置される。原料ガス供給管を容器口部に挿入すると、隙間が小さく、ガスの流れが不安定となる。ここで原料ガス供給管9の末端9aとプラスチック容器8の口部との距離が30mm以上50mm以下となるように、外部電極3の空洞30の底に誘電体材料及び導電体材料からなる台座40(誘電体部材40aおよび導電体材料40b。図1に示した形態b。)又は誘電体材料からなる台座(図4の誘電体部材からなる台座40。形態a。)を配置して調整することが好ましい。例えば、台座40が図1に示す誘電体部材40aと導電体材料40bとからなる場合又は誘電体部材からなる台座40である場合には、誘電体部材の底の肉厚の厚いものから薄いものまで複数揃えておき、小型容器の種類に合わせて、選択して使用する。あるいは、誘電体部材とは別体の誘電体板を準備し、誘電体部材40aの下に敷いて、小型容器8と原料ガス供給管9の末端9aとの位置関係を調整しても良い。原料ガス供給管9の末端9aとプラスチック容器8の口部との距離が30mm未満では、真空引き不良や口部の外部への成膜による外観不良が生じる場合があり、50mmを超えると原料ガスがプラスチック容器8内に効率よく入らない場合がある。
【0047】
(外部電極の内部のガスの排気工程)
次に、プラスチック容器8の内部を原料ガスに置き換えするとともに所定の成膜圧力に調整する。すなわち、図1に示すように、真空バルブ18を閉じた後、真空バルブ22を開き、真空ポンプ23を作動させ、外部電極3の内部のガスを、絶縁部材4によって外部電極3と電気的に絶縁されている排気室5を経由して排気する。これにより、プラスチック容器8内を含む成膜ユニット7内が配管21を通して排気され、成膜ユニット7内が真空となる。このときの成膜ユニット7内の圧力は、例えば0.1〜50Paである。
【0048】
(原料ガスを吹き出させる工程)
次に、真空バルブ12を開き、原料ガス発生源15においてアセチレンガス等の炭化水素ガスを発生させ、この炭化水素ガスを配管14内に導入し、マスフローコントローラー13によって流量制御された炭化水素ガスを配管11及びアース電位の内部電極(原料ガス供給管)9を通してガス吹き出し口9aから吹き出させる。これにより、炭化水素ガスがプラスチック容器8内に導入される。そして、成膜ユニット7内とプラスチック容器8内は、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、DLC膜の成膜に適した圧力(例えば1〜100Pa程度)に保たれ、安定化させる。
【0049】
(ガスバリア性を有する薄膜の成膜工程)
次に、プラスチック容器8の内部に向けて原料ガスを減圧された所定圧力下で吹き出させているときに、外部電極3に高周波電力(例えば、6.0MHzや13.56MHz)を供給する。この電力をエネルギー源として、プラスチック容器8内の原料ガスがプラズマ化される。これによって、プラスチック容器8の内壁面にDLC膜が成膜される。すなわち外部電極3に高周波電力が供給されることによって、外部電極3と内部電極9との間でバイアス電圧が生ずると共にプラスチック容器8内の原料ガスがプラズマ化されて炭化水素系プラズマが発生し、DLC膜がプラスチック容器8の内壁面に成膜される。このとき、自動整合器26は、出力供給している電極全体からの反射波が最小になるように、インダクタンスL、キャパシタンスCによってインピーダンスを合わせている。
【0050】
次に、プラズマ発生用電源27の出力を停止し、プラズマを消滅させてDLC膜の成膜を終了させる。ほぼ同時に真空バルブ12を閉じて原料ガスの供給を停止する。
【0051】
次に、成膜ユニット7内及びプラスチック容器8内に残存した炭化水素ガスを除くために真空ポンプ23によって排気する。その後、真空バルブ22を閉じ、排気を終了させる。このときの成膜ユニット7内の圧力は1〜100Paである。この後、真空バルブ18を開く。これにより、成膜ユニット7が大気開放される。
【0052】
いずれも成膜時間は数秒程度と短いものとなる。DLC膜の膜厚は5〜100nmとなるように形成する。
【実施例】
【0053】
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
【0054】
(実施例1)
図1の成膜装置を使用して、図3(c)のボトルで胴部水平断面が図3(d)の形状のPETボトルの内面にDLC膜を成膜した。このPETボトルは、内容量15ml、ボトル高さ49.4mm、口部外径10.6mm、口部内径8.5mm、図3(d)の最大幅lの長さが32mm、最小幅sの長さが28mm、樹脂量5.6gであった。外部電極3の空洞30は、内径70mm、高さ(深さ)260mmの円筒形状を有しており、この空洞30の天面の開口部に、外部電極3の上端3uを基準として、150mmの深さまで原料ガス供給管9(外径6mm、内径4mm)の末端を挿し込んだ。このとき、PETボトル口部の上方に原料ガス供給管9の末端を配置し、PETボトル口部と原料ガス供給管9の末端との距離を50mmとした。この状態を実現するために用いた小型容器用アダプターであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製(テフロン(登録商標))の誘電体部材40aは、底の肉厚を6mm、ボトル側面の最大肉厚6mm、縦穴の深さ50mmとし、PETボトルの底部から口部の先端まで側面を誘電体で囲んだ。誘電体部材40aの外壁面と外部電極3の空洞30の内壁面と間隔は、ステンレス製の導電体部材(台座)40bで実質隙間がない構成とした。原料ガスはアセチレンとした。プラズマ発生用電源としては、13.56MHzの高周波電源を用いた。ガス流量は40sccm、高周波出力800W、成膜時間は4秒とし、成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ20nmであった。
【0055】
(実施例2)
ガス流量は80sccmとした以外は実施例1と同様に成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ20nmであった。
【0056】
(実施例3)
ガス流量は120sccmとした以外は実施例1と同様に成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ20nmであった。
【0057】
(実施例4)
ガス流量は80sccmとし、高周波出力1200Wとした以外は実施例1と同様に成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ20nmであった。
【0058】
(実施例5)
図1の成膜装置を使用して、図3(c)のボトルで胴部水平断面が図3(d)の形状のPETボトルの内面にDLC膜を成膜した。このPETボトルは、内容量50ml、ボトル高さ77.4mm、口部外径10.6mm、口部内径8.5mm、図3(d)の最大幅lの長さが44mm、最小幅sの長さが32mm、樹脂量10.1gであった。外部電極3の空洞30は、内径70mm、高さ(深さ)260mmの円筒形状を有しており、この空洞30の天面の開口部に、外部電極3の上端3uを基準として、30mmの深さまで原料ガス供給管9(外径6mm、内径4mm)の末端を挿し込んだ。このとき、PETボトル口部の上方に原料ガス供給管9の末端を配置し、PETボトル口部と原料ガス供給管9の末端との距離を30mmとした。この状態を実現するために用いた小型容器用アダプターであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製(テフロン(登録商標))の誘電体部材(台座)40aは、底の肉厚を6mm、ボトル側面の最大肉厚6mm、縦穴の深さ50mmとし、PETボトルの底部から口部の先端まで側面が誘電体で囲んだ。誘電体部材40aの外壁面と外部電極3の空洞30の内壁面と間隔はステンレス製の導電体部材(台座)40bで実質隙間がない構成とした。空洞の底面にはステンレス製の部材を配置した。原料ガスはアセチレンとした。プラズマ発生用電源としては、13.56MHzの高周波電源を用いた。ガス流量は40sccm、高周波出力800W、成膜時間は4秒とし、成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ20nmであった。
【0059】
(比較例1)
小型容器用アダプターの材質をステンレス製とし、ガス流量は40sccm、高周波出力500W、成膜時間は1秒とし、成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ4nmであった。
【0060】
(比較例2)
ガス流量を80sccmとした以外は比較例1と同様に成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ5nmであった。
【0061】
(比較例3)
ガス流量を120sccmとした以外は比較例1と同様に成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ5nmであった。
【0062】
(比較例4)
高周波出力600Wとした以外は比較例1と同様に成膜を行なった。ボトルの胴部に結晶化による白濁が生じた。DLC膜の成膜はなされていたが、性能評価できるボトルではなかった。
【0063】
(比較例5)
成膜時間を1.2秒とした以外は比較例1と同様に成膜を行なった。ボトルの胴部に結晶化による白濁が生じた。DLC膜の成膜はなされていたが、性能評価できるボトルではなかった。
【0064】
(比較例6)
空洞30の天面の開口部に、原料ガス供給管9の末端を挿し込まずに、外部電極3の上端3uを基準として、10mm上方に原料ガス供給管9の末端を配置した。原料ガス供給管9を短くすることで、高さ調整を行った。このとき、PETボトル口部の上方に原料ガス供給管9の末端を配置し、PETボトル口部と原料ガス供給管9の末端との距離を55mmとした。それ以外は実施例1と同様に成膜を行なった。放電不良が生じやすく、また、放電不良が生じない場合であっても、ボトル内部にはほとんど成膜されなかった。
【0065】
(比較例7)
原料ガス供給管9の長さを調整し、末端9aが容器口部に挿入され、容器高さの中央に位置するように構成した。それ以外は実施例1と同様に成膜を行なった。DLC膜の膜厚は、ほぼ20nmであった。ボトル口部の外部の広範囲に明らかに成膜部分が生じた。
【0066】
(比較例8)
誘電体部材を用いずに、厚さ6mmのステンレス板の上にPETボトル載せて成膜を行った以外は実施例1と同様に成膜を行なった。容器の外部にプラズマが集中し、容器の外壁面にDLC膜が成膜された。
【0067】
(参考例A)
未コートのPETボトルを参考例Aとした。
【0068】
(酸素バリア性)
表1に酸素バリア性を示した。この容器の酸素透過度は、Modern Control社製 Oxtran 2/21を用いて、23℃、90%RHの条件にて測定し、窒素ガス置換開始から72時間後の測定値(表1中、OTR値)を記載した。DLC膜の膜厚は、KLA tencor社製、Alpha-step iQを用いて測定した。BIF値とは、未コートボトルを基準として、酸素バリア性が何倍向上したかを示す値である。
【0069】

【表1】

【0070】
実施例1〜5はいずれも良好なガスバリア性が得られた。一方、比較例4によれば、高周波電力を600Wとするとボトルが白濁化するため、500Wを印加するのが上限であった。このとき、ボトル内部のほとんどの部分に形成されたDLC膜は、膜厚5nm以下の薄い薄膜と推察された。また、比較例5によれば、成膜時間を1.2秒とボトルが白濁化するため、1.0秒を印加するのが上限であった。このときも膜厚5nm以下の薄い薄膜と推察された。よって、比較例1〜3においては、高周波電力を500W、成膜時間を1.0秒として、白濁しない条件にて、原料ガスの流量を変化させた。しかし、膜厚が薄く、BIFは1.5〜2.1であり、装置のスケールダウンを図るだけではガスバリア性を向上させたPET容器は得られないことがわかった。
【0071】
比較例6は、原料ガス導入管の末端が、外部電極の空洞内に配置されていないため、放電不良が10回に1回ぐらいの割合で生じた。比較例7は、原料ガス導入管の末端が、容器内部に配置されているため、原料ガス供給管の外壁とボトル口部の内壁面との間隔が1mm程度であり、排気経路が狭く、ボトル内の圧力が高いためからか、ガスバリア性のあるDLC膜が得られなかった。比較例8は、ボトルの内壁面には成膜されなかった。
【符号の説明】
【0072】
1 下部外部電極
2 上部外部電極
3 外部電極(成膜ユニット)
3u 外部電極(空洞)の上端
4 絶縁部材
5 排気室
6 蓋
7 成膜ユニット
8,8a,8b,8c プラスチック容器(PETボトル)
8u,容器口部の上端
9 内部電極(原料ガス供給管)
9a ガス吹き出し口
10,37,38 O−リング
11,14,17,21 配管
12,18,22,真空バルブ
13 マスフローコントローラー
15 原料ガス発生源
16 原料ガス供給手段
19 リーク源
20 圧力ゲージ
23 真空ポンプ
24 排気ダクト
26 自動整合器(マッチングボックス,M.BOX)
27 プラズマ発生用電源
30 外部電極の空洞
31 排気室の内部空間
32,32a,32b 開口部
35 プラズマ発生用電力供給手段
40 台座
40a 誘電体部材
40b 導電体部材
81 口部
82 首部
83 肩部
84 胴部
85 底部
100 成膜装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも口部、胴部及び底部を有するプラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜するガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法において、
前記プラスチック容器が、前記胴部の水平断面での最大幅が40mm以下の小型容器であり、
少なくとも、前記プラスチック容器の高さよりも深底で、前記胴部の最大幅よりも大きい内径を有し、かつ、天面に開口部を有する空洞を備えた外部電極と、前記プラスチック容器の外壁面と前記外部電極の空洞の内壁面との間に配置される誘電体部材とから構成される内部空間に、前記プラスチック容器を収容する工程と、
接地された原料ガス供給管を、前記外部電極と短絡させずに、該外部電極の開口部を通して前記内部空間に挿入し、かつ、前記原料ガス供給管の末端を、前記プラスチック容器の口部に向い合せで配置する工程と、
前記外部電極の空洞の内部ガスを排気する工程と、
前記原料ガス供給管から、原料ガスを減圧下で吹き出させる工程と、
前記外部電極に高周波電力を供給し、前記原料ガスをプラズマ化して、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する工程と、
を有することを特徴とするガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法。
【請求項2】
前記誘電体部材を、少なくとも前記プラスチック容器の胴部の周囲に配置することを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法。
【請求項3】
前記プラスチック容器は、前記胴部の水平断面の形状の最大幅と最小幅との差が5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法。
【請求項4】
前記プラスチック容器が、前記口部の口径が10mm以下の小口径容器であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法。
【請求項5】
前記原料ガス供給管の末端と前記プラスチック容器の口部との距離が30mm以上50mm以下となるように、前記外部電極の空洞の底に誘電体材料からなる台座を配置して調整することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のガスバリア性を有するプラスチック容器の製造方法。
【請求項6】
容量200ml以上のプラスチック容器を収容するための、深さが100mm以上で最大内径が50mm以上の空洞を有する外部電極、排気室及び前記外部電極と前記排気室との間に配置され、前記外部電極の空洞と前記排気室とを連通する絶縁部材を備えた成膜ユニットと、
管形状を有し、管の一端が前記排気室に支持され、末端が前記外部電極の空洞の中に配置された原料ガス供給管と、
前記排気室に接続され、前記外部電極の空洞の内部ガスを排気する排気手段と、
前記外部電極に接続されたプラズマ発生用電力供給手段と、
を有する、前記プラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する成膜装置に装着して、前記プラスチック容器よりも小径で小容量の小型容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜するための小型容器用アダプターであって、
該小型容器用アダプターは、前記外部電極の空洞の底面に配置する、誘電体材料からなる台座又は金属板に誘電体部材を接合した台座であり、前記誘電体の部分が前記小型容器の少なくとも胴部に接し、かつ、該台座が、前記外部電極の空洞の上端から30〜50mmの深さの位置に小型容器の口部上端が位置するように高さ調整台となっていることを特徴とする小型容器用アダプター。
【請求項7】
前記台座は、前記小型容器の少なくとも胴部までを収容する深さの縦穴を有していることを特徴とする請求項6に記載の小型容器用アダプター。
【請求項8】
胴部の水平断面での最大幅が40mm以下の小型プラスチック容器の内壁面にガスバリア性を有する薄膜を成膜する薄膜成膜装置であって、
前記プラスチック容器を収容するための深さが100mm以上で最大内径が50mm以上で前記プラスチック容器の高さよりも5mm以上深い空洞を有する外部電極、排気室及び前記外部電極と前記排気室との間に配置され、前記外部電極の空洞と前記排気室とを連通する絶縁部材を備えた成膜ユニットと、
管形状を有し、管の一端が前記排気室に支持され、末端が前記外部電極の空洞の中に配置された原料ガス供給管と、
前記排気室に接続され、前記外部電極の空洞の内部ガスを排気する排気手段と、
前記外部電極に接続されたプラズマ発生用電力供給手段と、
前記外部電極の空洞の底面に配置する、誘電体材料からなる台座又は金属板に誘電体部材を接合した台座と、を有し、かつ、
前記台座は、誘電体の部分が前記小型容器の少なくとも胴部に接する形状を有し、
前記原料ガス供給管の末端は、前記プラスチック容器の口部に向い合せで配置されていることを特徴とする薄膜成膜装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−116541(P2012−116541A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268830(P2010−268830)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】