説明

ガスバリア性積層紙

【課題】粘土層を利用したガスバリア性積層紙について、粘土層の粘土粒子の積層を高度に配向させることで充分なガスバリア性を得ることができて、しかも、粘土層の形成時に紙に水分が吸収されないようにする。
【解決手段】基材紙、樹脂層、粘土層の順に積層された積層構造を有すると共に、有機溶剤に可溶性の樹脂で形成された樹脂層の上から、水分散型の粘土分散液として調整された状態で粘土を塗工することにより、粘土層で、粘土粒子を配向して積層された状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用紙容器の材料として使用するのに好適なガスバリア性のある積層紙に関し、特に、ガスバリア性を有する層として粘土層を使用したガスバリア性積層紙に関する。
【背景技術】
【0002】
食品用の容器では、内容物との関係から充分なガスバリア性を求められるケースが多いことから、そのようなガスバリア性の機能を容器に付与するために、従来から、容器用の材料となる紙や樹脂シートにガスバリア層として積層する皮膜として、アルミ箔やエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムなどが使用されている。
【0003】
しかしながら、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムが積層された積層材では充分なガスバリア性能が得られない虞があり、また、アルミ箔が積層された積層材を使用した場合でも、成形加工時での加熱による熱ダメージや応力により、ピンホールやしわが発生しやすいなどの問題があることで、結果的には予定したガスバリア性能を充分に得られない虞があった。
【0004】
これに対し、近年、粘土粒子を利用したガスバリア性の皮膜が提案されており、そのようなガスバリア性の皮膜について、下記の特許文献1には、「水可溶性高分子及び粘土を、水あるいは水を主成分とする分散媒である液体に分散させ、均一な粘土分散液を調整し、この分散液を静置し、粘土粒子を沈積させるとともに、分散媒である液体を固液分離手段で分離して、膜状に形成させ」ることで、「粘土粒子の積層を高度に配向させた自立膜である水可溶性高分子複合粘土膜」を形成するということが開示されている。
【特許文献1】特開2005−313604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の特許文献1に記載されたようなガスバリア性の粘土膜を紙容器の材料に適用しようとした場合に、紙容器の材料の基材となる原紙(基材紙)に粘土の皮膜を塗工する際に、水分散型の粘土分散液として調製した状態で原紙に塗工することとなるが、そうした場合に、粘土分散液の水分が紙に吸収されて、紙のセルロース繊維を膨潤させてしまうことから、紙の表面が波打ちを起こしてフラットな表面を維持することが難しくなると共に、乾燥に多大の時間を要することとなり、さらに、乾燥後には紙が反り返ってしまう、というような問題が生じることとなる。
【0006】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、粘土層を利用したガスバリア性積層紙について、粘土層の粘土粒子の積層を高度に配向させることで充分なガスバリア性を得ることができて、しかも、粘土層の形成時に紙に水分が吸収されないようにするということを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために、粘土層を利用したガスバリア性積層紙として、基材紙、樹脂層、粘土層の順に積層された積層構造を有すると共に、有機溶剤に可溶性の樹脂で形成された樹脂層の上から、水分散型の粘土分散液として調整された状態で粘土が塗工されることにより、粘土層では、粘土粒子が配向して積層された状態となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
上記のような本発明のガスバリア性積層紙によれば、ガスバリア性のある層が粘土層であることから、容器として使用するときには電子レンジにも対応でき、容器として使用した後の環境汚染の問題は殆どない。しかも、水分散型の粘土分散液として調整された状態で粘土を塗工することにより、製造工程を煩雑にすることなく、一般的なコーティング装置により製造できて生産コストを抑えることができると共に、形成された粘土層では、粘土粒子が配向して積層された状態となっていることで、高いガスバリア性を得ることができる。
【0009】
また、基材紙と粘土層との間に樹脂層を形成していることで、粘土粒子を水に分散させた粘土分散液として調整した状態で基材紙に対して粘土を塗工する際に、粘土分散液の水分が基材紙に吸収されるのを防止することができて、紙の表面の波打ちや紙の反り返りを防止することができる。また、基材紙の表面の樹脂層を有機溶剤に可溶性の樹脂で形成することにより、樹脂層を形成する際に、基材紙のセルロース繊維が膨潤することがない。さらに、基材紙の表面に樹脂層を形成することにより、基材紙の表面性を樹脂層で滑らかに整わせて、その樹脂層上に均一な粘土層を形成することができ、安定したガスバリア性を得ることができると共に、粘土層の接着性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
粘土層を利用したガスバリア性積層紙について、粘土層の粘土粒子の積層を高度に配向させることで充分なガスバリア性を得ることができて、しかも、粘土層の形成時に紙に水分が吸収されないようにするという目的を、最良の形態として以下の実施例に具体的に示すように、基材紙、樹脂層、粘土層の順に積層された積層構造を有すると共に、有機溶剤に可溶性の樹脂で形成された樹脂層の上から、水分散型の粘土分散液として調整された状態で粘土を塗工することにより、粘土層で、粘土粒子を配向して積層された状態とする、ということで実現した。
【0011】
なお、本発明のガスバリア性積層紙において、粘土粒子を配向して積層させるということは、粘土粒子の単位構造層(厚さ約1ナノメートル)を、層面の向きを同一にして積み重ね、層面に垂直な方向に、高い周期性を持たせることを意味するものである。このような粘土粒子の配向を得るためには、希薄で均一な粘土分散液を水平に静置し、粘土粒子をゆっくりと沈積させると共に、分散媒である液体をゆっくりと蒸発させて、膜状に成形することが重要である。
【0012】
上記のような基材紙、樹脂層、粘土層の順に積層された積層構造を有する本発明のガスバリア性積層紙の実施例について以下に説明する。
【実施例】
【0013】
本実施例のガスバリア性積層紙では、水分散型の粘土分散液として調整される粘土で、粘土層に含まれる粘土として、例えば、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、へクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイトのうちの一種以上からなるものが使用されており、そのような粘土を使用することで、粘土層(粘土膜)としたときに、柔軟性に優れ、ピンホールが存在せず、高温条件下においても高いバリア性を得ることができる。
【0014】
なお、この粘土層の厚さについては、5〜100μmの範囲とすることで、充分なガスバリア性と良好な生産性を得ることができる。即ち、粘土層の厚さが5μmより薄いと、ガスバリア性が充分に得られない虞があり、一方、粘土層の厚さが100μmより厚いと、粘土材料を無駄に消費するだけでなく、粘土分散液の塗工や乾燥に時間がかかって生産性が悪くなる虞がある。
【0015】
粘土層の粘土は、粘土層を形成する際に、水(又は水を主成分とする分散媒である液体)により希薄で均一な粘土分散液として調製されるものであるが、この粘土分散液における粘土濃度は、好適には0.5〜10重量%(より好ましくは1〜3重量%)である。即ち、この粘土濃度が0.5重量%より薄い場合、乾燥に時間がかかりすぎる虞があり、また、粘土濃度が10重量%よりも濃い場合、よく粘士が分散せず、粘土粒子の配向が悪く、均一な膜ができない虞がある。
【0016】
粘土層と基材紙との間に積層される樹脂層の樹脂は、有機溶剤に可溶性の樹脂で、そのような樹脂として、例えば、セルロース系樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、カルボキシルメチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、メトキシエチレンマレイン酸系樹脂、テトラメチルアンモニウムクロリド樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、CMCナトリウム、カプロラプタム、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリアミノ樹脂、ポリ乳酸、スルフォン酸ポリマー、ブチルラバー、ポリイソブチレン、ラテックスポリマーのうちの一種以上が使用されている。
【0017】
特に、セルロース系樹脂、アルキド樹脂、カルボキシルメチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、メトキシエチレンマレイン酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ラテックスポリマーのうちの一種以上を使用することが好ましい。そして、そのような樹脂を使用することで、樹脂を塗工する際に、基材紙のセルロース繊維が膨潤するのを防止すると共に、粘土層との接着性を向上させることができる。さらに好ましくは、樹脂層の樹脂として、有機溶剤と水の両方に可溶性の樹脂を使用することで、樹脂層上に水分散型の粘土分散液を塗工した際に、粘土分散液の水分と樹脂層の樹脂とを相互作用させて、樹脂層と粘土層との接着性をさらに向上させることができる。なお、粘土層と樹脂層とを合わせた層に対する樹脂層の割合(重量割合)については、0.1〜10%とするのが好ましい。
【0018】
樹脂層を形成する樹脂を溶解させる有機溶剤として、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、iプロピルアルコール、nプロピルアルコール、ブチルアルコール、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸2ブチル、酢酸nブチル、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコール、エチルセロソルブなどが使用されている。
【0019】
なお、この樹脂層の厚さについては、1〜100μmの範囲とすることで、粘土分散液の水分の基材紙への浸透を充分に防ぐことができると共に、良好な生産性を得ることができる。即ち、樹脂層の厚さが1μmより薄いと、基材紙に充分なコーティングが行われず、粘土分散液の水分が基材紙に浸透したり、樹脂層と粘土層との接着性が低下したりする虞があり、一方、樹脂層の厚さが100μmより厚いと、樹脂材料を無駄に消費するだけでなく、有機溶剤に溶かした樹脂の溶液を基材紙に塗工する際に、乾燥に時間がかかって生産性が悪くなる虞がある。
【0020】
本実施例のガスバリア性積層紙では、粘土層に対して、粘土との相互作用により柔軟性や強度を向上させるために、30重量%未満の添加物を含ませているが、この添加物としては、例えば、セルロース系樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、カルボキシルメチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、メトキシエチレンマレイン酸系樹脂、テトラメチルアンモニウムクロリド樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、CMCナトリウム、カプロラプタム、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリ乳酸、スルフォン酸ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、ポリアミノ酸のうちの一種以上からなるものが使用されている。
【0021】
特に、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、カルボキシルメチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、メトキシエチレンマレイン酸系樹脂、テトラメチルアンモニウムクロリド樹脂、CMCナトリウム、カプロラプタム、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ乳酸、スルフォン酸ポリマーのうちの一種以上からなるものを使用するのが好ましい。そして、そのような添加物を使用することで、添加剤と粘土とが相互作用して、柔軟性および強度の点で優れた粘土膜が生成され、粘土膜の引っ張り、捩れ等による容易な破壊が抑えられ、自立膜として利用可能な優れた特性を有する粘土層(粘土膜)を得ることができる。
【0022】
さらに、本実施例のガスバリア性積層紙では、粘土層に対して、その表面(樹脂層とは反対側の面)に公知の適宜の樹脂による保護層を形成しており、この保護層によって、粘土層を物理的、化学的に保護することができて、外からの影響により粘土層のガスバリア性が損なわれるのを防止できるようにしている。
【0023】
上記のような各層を備えた本実施例のガスバリア性積層紙を製造する方法の一例を説明すると、先ず、基材紙の少なくとも一方の表面に、有機溶剤に可溶性の樹脂を有機溶剤に溶解して塗工し、種々の固液分離方法、遠心分離、真空乾燥、加熱蒸発法などで乾燥して、基材紙上に樹脂層を形成してから、次いで、基材紙上に樹脂層を乾燥させた後(或いは、完全に乾ききらないうちに)、水(或いは水を主成分とする液体)中に粘土を均一に分散させた水分散型の粘土分散液を、樹脂層の表面にコーティングした後、分散媒である水分を充分に乾燥させることで、基材紙の表面に均一な二層構造の被膜(樹脂層と粘土層)を形成させた積層紙としている。
【0024】
上記のように形成された積層紙では、基材紙と粘土層との間に樹脂層を形成していることで、粘土粒子を水に分散させた粘土分散液を塗工する際に、粘土分散液の水分が基材紙に吸収されるのを樹脂層により防止することができて、紙の表面の波打ちや紙の反り返りを防止することができる。また、基材紙の表面の樹脂層を有機溶剤に可溶性の樹脂で形成することにより、樹脂層を形成する際に、基材紙のセルロース繊維が膨潤することがない。さらに、基材紙の表面に樹脂層を形成することにより、基材紙の表面性を樹脂層で滑らかに整わせて、その樹脂層上に均一な粘土層を形成することができ、安定したガスバリア性を得ることができると共に、粘土層の接着性を向上させることができる。
【0025】
さらに、本実施例の場合には、粘土層の表面(樹脂層とは反対側の面)と、基材紙の表面(樹脂層とは反対側の面)に対して、汎用の樹脂でコーティングすることにより保護層を形成している。なお、基材紙の表面に対するコーティングについては、場合によっては省略しても良いものである。
【0026】
上記のように製造された本実施例のガスバリア性積層紙は、高い柔軟性を有するものであり、略円錐型、立方体、四面体などの任意の形状に成形できることから、その後、種々の形状の容器に加工することで、ガスバリア性に優れた種々の形状の食品用紙容器を製造することができる。そして、そのような紙容器では、ガスバリア性のある層が粘土層であることから、容器として使用するときには電子レンジにも対応でき、容器として使用した後の環境汚染の問題は殆どない。
【0027】
上記のように食品用紙容器の材料として使用される本実施例のガスバリア性積層紙によれば、粘土層で粘土粒子が配向して積層された状態となっていることにより、ピンホールが存在せず、高いバリア性を有することができて、室温における積層紙の酸素透過度を約1cc/m・day・atm以下にすることができる。
【0028】
ところで、上記のような本実施例のガスバリア性積層紙、即ち、基材紙の上に形成された樹脂層の上から水分散型の粘土分散液を用いて粘土層を形成したガスバリア性積層紙と、比較例1として、基材紙に対して直接に水分散型の粘土分散液を用いて粘土層を形成したものと、また、比較例2として、基材紙に対して直接にアルコール分散型粘土を用いて粘土層を形成したものとを、それぞれ用意して、それらの性状を比較した。
【0029】
なお、基材紙としては、何れも、240g/mのコップ用原紙を使用した。また、実施例の樹脂層にはアルコール分散型樹脂を使用し、樹脂層の塗工や粘土層の塗工については、ワイヤーバーK#300を用いて行った。また、実施例と比較例1では、粘土として「クニピア」(商品名 クニミネ工業株式会社製)を使用して、粘土と二種類の添加剤を蒸留水に分散した塗工液を調整し、また、比較例2では、「クニピア」の代わりに、アルコール分散型粘土として、「ルーセンタイト」(商品名 コープケミカル株式会社製)を使用して、粘土と添加剤を蒸留水に分散した塗工液を調整した。
【0030】
そのような実施例と各比較例とを比較して見ると、下記の表1に示すように、実施例の積層紙では、基材紙との密着性、表面状態、柔軟性(伸び)、機械適性(強度)の何れにも問題はなく、酸素透過度も0.05cc/m・day・atmであって、充分なガスバリア性を有するものであることが判った。一方、比較例1、2では、基材紙との密着性、表面状態、柔軟性(伸び)、機械適性(強度)の全てに問題があり、酸素透過度も、比較例1では150cc/m・day・atm、また、比較例2では500cc/m・day・atm以上であって、何れも効果的なガスバリア性が得られないものであることが判った。
【0031】
【表1】

【0032】
さらに、実施例について、粘土層の厚さ(厚さの測定については、基材紙へ塗工した場合には実測が困難であるため、PETフィルムなどに同条件で塗工した時の仮の厚さを代用している)とガスバリア性の関係を検証した結果、下記の表2に示すように、粘士層の厚さが5μm程度以上から酸素透過度が略安定した1cc/m・day・atm以内となることが判った。なお、得られた積層紙の表面にポリエチレンラミネートによる保護層を施してから、カップ成型機により成型したところ、問題なく紙カップを成形することができた。
【0033】
【表2】

【0034】
なお、上記の表2だけでなく、図1から見ても、粘土層の厚さが8μm程度から酸素透過度が0.05以下で安定してくることがわかる。なお、この領域では、アンダーコート(樹脂層)の厚みによる直接の影響は殆ど見られない。
【0035】
以上、本発明のガスバリア性積層紙の一実施例について説明したが、本発明は、上記のような実施例にのみ限定されるものではなく、例えば、樹脂層の樹脂や、粘土層の粘土や、粘土層中の添加物などについては、必ずしも実施例中に例示したものにのみ限定されるものではなく、また、積層紙の表面(基材紙の表面や粘土層の表面)の保護層については場合によっては省略しても良いものであり、さらに、積層紙の用途についても、必ずしも食品用の容器にのみ限定されるものではない等、適宜に設計変更可能なものであることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のガスバリア性積層紙について、粘土層の厚さと酸素透過度(cc/m・day・atm)との関係を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材紙、樹脂層、粘土層の順に積層された積層構造を有すると共に、有機溶剤に可溶性の樹脂で形成された樹脂層の上から、水分散型の粘土分散液として調整された状態で粘土が塗工されることにより、粘土層では、粘土粒子が配向して積層された状態となっていることを特徴とするガスバリア性積層紙。
【請求項2】
樹脂層に含まれる樹脂が、セルロース系樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、カルボキシルメチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、メトキシエチレンマレイン酸系樹脂、テトラメチルアンモニウムクロリド樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、CMCナトリウム、カプロラプタム、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリアミノ樹脂、ポリ乳酸、スルフォン酸ポリマー、ブチルラバー、ポリイソブチレン、ラテックスポリマーのうちの一種以上によるものであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層紙。
【請求項3】
粘土層に含まれる粘土が、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイトのうちの一種以上によるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性積層紙。
【請求項4】
粘土層中に30重量パーセント未満の添加物が含まれており、この添加物が、セルロース系樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、カルボキシルメチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、メトキシエチレンマレイン酸系樹脂、テトラメチルアンモニウムクロリド樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、CMCナトリウム、カプロラプタム、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリ乳酸、スルフォン酸ポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、ポリアミノ酸のうちの一種以上によるものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のガスバリア性積層紙。
【請求項5】
粘土層の樹脂層とは反対側の表面に、樹脂による保護層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のガスバリア性積層紙。
【請求項6】
食品用紙容器の材料として使用されるものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガスバリア性積層紙。

【図1】
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【公開番号】特開2009−18525(P2009−18525A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183874(P2007−183874)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】