説明

ガス供給システム

【課題】ガス供給対象側への水分混入を抑制することが可能なガス供給システムを提供する。
【解決手段】水素カードル2と、水素カードル2からのガスを冷却するプレクーラ41と、プレクーラ41で冷却されたガスをガス供給対象へ放出するノズル3と、を備えたガス供給システム1であって、プレクーラ41内またはプレクーラ41よりも下流側に水分除去用の水分セパレータ9を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給対象に所定のガスを供給するガス供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体へのガス供給システムとして、例えば燃料電池車両に供給する燃料ガスとしての水素を貯蔵しておき、この貯蔵水素を水素補充に来た燃料電池車両に搭載されているガス貯蔵タンクへ供給する水素ステーションがある。
【0003】
また、この種の水素ステーションには、ガス供給対象側のタンクへの不純物の混入を防止するべく、水素ガス流路内に水素ガスから水分や異物等の不純物を捕捉して除去するフィルタ部と、捕捉された不純物のフィルタ部からの脱離を促進するために当該フィルタ部を加熱する加熱手段とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−322801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水素ステーションの建設中は、配管組み立て時に水分を含んだ外気が水素ガス流路内に不可避的に浸入してしまう。また、水素ステーションの運転開始後であっても、フィルタ部等をメインテナンス(例えば定期、不定期の交換)する時のように配管を取り外して再度組み立てる時には、水分を含んだ外気が水素ガス流路内に不可避的に浸入してしまう。
【0006】
このため、たとえフィルタ部を設けておいたとしても、建設時やメインテナンス時にフィルタ部の下流側に混入した大気中の水分や湿気が結露してこの結露水が移動体側ガス貯蔵タンクへ混入してしまうことを防ぐことは困難であった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガス供給対象側への水分混入を抑制することが可能なガス供給システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のガス供給システムは、ガス供給源と、前記ガス供給源からのガスを冷却する冷却部と、前記冷却部で冷却されたガスをガス供給対象へ放出する放出部と、を備えたガス供給システムであって、前記冷却部内または前記冷却部よりも下流側に水分除去部が設けられたものである。
【0009】
かかる構成によれば、ガス供給源からのガスが冷却部で冷却されて放出部から放出されることになり、その際に、冷却部内または冷却部よりも下流側に設けられた水分除去部がガスから水分を凍結させて捕捉することになる。
【0010】
本発明のガス供給システムにおいて、前記冷却部は、前記ガス供給源からのガスが流通するガス配管と、このガス配管内を流通するガスとの熱交換により当該ガスを冷却する冷媒が流通する冷媒配管と、これらガス配管及び冷媒配管を収納するケースと、を備えてなり、前記水分除去部は前記ガス配管に接続された状態で前記ケース内に収納されているものでもよい。
【0011】
かかる構成によれば、冷媒配管内の冷媒とガス配管内のガスとの間で熱交換が行なわれるだけでなく、冷媒配管内の冷媒とケース内の雰囲気との間でも熱交換が行なわれてケース内の雰囲気も冷却されるようになるため、冷却部内に設けられた水分除去部がガスから水分を凍結させて捕捉することになる。
【0012】
本発明のガス供給システムにおいて、前記水分除去部の下流側に当該水分除去部からのガスを冷却する第2の冷却部が設けられていても良い。
かかる構成によれば、水分除去部を通過した後のガスが第2の冷却部で再冷却されることになり、ガス供給対象側への水分混入を抑制できることに加えて、ガス供給時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0013】
本発明のガス供給システムにおいて、前記冷却部が、前記ガス供給源からのガスが流通し且つ前記水分除去部の入口側と連通する第1のガス配管と、この第1のガス配管内を流通するガスとの熱交換により当該ガスを冷却する冷媒が流通する第1の冷媒配管と、を備え、前記前記第2の冷却部が、前記水分除去部の出口側と連通して前記水分除去部からのガスが流通する第2のガス配管と、この第2のガス配管内を流通するガスとの熱交換により当該ガスを冷却する冷媒が流通する第2の冷媒配管と、を備え、前記第1のガス配管及び前記第1の冷媒配管と、前記第2のガス配管及び前記第2の冷媒配管とが、前記水分除去部を内包しない一つのケース内に収納されたものでもよい。
【0014】
また、本発明のガス供給システムにおいて、前記ガス供給源に水素が貯蔵されており、前記ガス供給対象が水素を燃料ガスとして当該燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行なう燃料電池が搭載された燃料電池車両であっても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明のガス供給システムによれば、ガス供給対象側への水分混入を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガス供給システムを示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るガス供給システムの水分セパレータを示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るガス供給システムの水分セパレータの別の例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るガス供給システムを示す構成図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るガス供給システムを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態に係るガス供給システムについて説明する。このガス供給システムは、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行なう燃料電池が搭載された燃料電池車両に対して燃料ガスである水素ガスを供給する水素ステーションに適用されるものである。
【0018】
第1実施形態に係るガス供給システム1は、図1に示すように、水素を貯蔵する水素カードル2(ガス供給源)と、燃料電池車両に搭載されている水素タンク(ガス供給対象)に向けて水素ガスを放出するノズル3(放出部)と、これらを結ぶガス供給流路4とを有している。ノズル3は、いわゆるディスペンサに設けられている。
【0019】
ガス供給流路4には、水素カードル2側から順に、水素カードル2からの水素ガスを圧縮して吐出する圧縮機6と、圧縮機6から吐出された水素ガスを蓄える蓄圧器7と、蓄圧器(ガス供給源)7の下流側のガス供給流路4を開閉する手動弁8と、導入された水素ガスから水分を捕捉して除去する水分セパレータ9(水分除去部)と、水分セパレータ9の下流側のガス供給流路4を開閉する手動弁10と、ガス供給流路4の端末近傍に設けられてノズル3からの水素ガスの放出を制御する遮断弁11とが設けられている。
【0020】
また、ガス供給システム1は、上記した水分セパレータ9を通るパージ流路14を有している。パージ流路14には、一端にパージ用の不活性ガスである窒素等を貯蔵するパージ用ガスボンベ15が、他端側にフレームアレスタや水封装置等の逆火防止装置16が設けられており、パージ用ガスボンベ15と水分セパレータ9との間に手動弁17が、逆火防止装置16と水分セパレータ9との間に手動弁18が設けられている。パージ流路14の開放端は、逆火防止装置16を通過後のガスを大気に放出するようになっている。
【0021】
さらに、ガス供給システム1は、上記した水分セパレータ9で捕捉した水分を外部(ガス供給流路4外)に放出する排出流路20を有しており、排出流路20には、手動弁21が設けられている。
【0022】
上記した水分セパレータ9は、いわゆる気液分離器であり、図2に示すように、内側に空間部25が形成された有底円筒状のセパレータ本体26と、このセパレータ本体26にその上部開口部を閉塞するように取り付けられるプラグ27と、セパレータ本体26とプラグ27との隙間をシールするOリング28とを有するもので、低コストでメンテナンス容易な構造となっている。
【0023】
そして、上部に配置されるプラグ27には空間部25に連通する導入口30および導出口31が形成され、セパレータ本体26には、底部に空間部25に連通する排出口32が形成され、かつ、側壁部に導入口33および導出口34が形成されている。水分セパレータ9は、プラグ27の導入口30がガス供給流路4の手動弁8側に、プラグ27の導出口31がガス供給流路4の手動弁10側に、セパレータ本体26の導入口33がパージ流路14の手動弁17側に、セパレータ本体26の導出口34がパージ流路14の手動弁18側に、セパレータ本体26の排出口32が排出流路20に、それぞれ接続される。
【0024】
水分セパレータ9は、セパレータ本体26の底部を下にして設置されることで、プラグ27の導入口30から導入されプラグ27の導出口31から排出される水素ガスから水分を捕捉することになり、捕捉した水分を空間部25内で底部上に溜める。ここで、パージ流路14は、水分セパレータ9からの水の浸入を抑制するため、水分セパレータ9への接続部分以外を水分セパレータ9よりも上方に設置するのが好ましい。
【0025】
なお、水分セパレータ9としては、例えば、図3に示すように、U字配管37にその曲部38をバイパスするようにバイパス配管39を設けたものを用いてもよい。この場合、U字配管37の一端が上記した導入口30となり、U字配管37の他端が上記した導出口31となって、導入口30から導入され導出口31から排出される水素ガスから水分を捕捉してU字配管37のバイパス配管39よりも下側の曲部38に溜めることになる。そして、曲部38に、上記した排出口32、導入口33および導出口34が形成されている。
【0026】
そして、第1実施形態に係るガス供給システム1は、図1に示すように、水分セパレータ9がプレクーラ41(冷却部)内に設けられている。
本実施形態に係るプレクーラ41は、不図示の冷媒供給源から供給される例えば低温窒素ガス等の冷媒が流通する冷媒配管5a,5bと、この冷媒配管5a,5bに内挿あるいは外挿され且つ蓄圧器7から手動弁8を介して供給される水素ガスが流通するガス配管4a,4bとを有する二重管構造の熱交換部と、この熱交換部を覆うプレクーラケースとを備えて構成されている。
【0027】
図1での図示は省略しているが、熱交換部を構成している冷媒配管5a,5bおよびガス配管4a,4bは、熱交換面積の拡大を図るべく蛇行流路を形成するように構成されており、この蛇行流路の途中、より好ましくは下流側(プレクーラ41の出口側)に水分セパレータ9が接続されている。ただし、水分セパレータ9は、蛇行流路の任意の位置に接続することが可能である。
【0028】
プレクーラケースは、熱交換部の保護および熱交換部と外気との断熱に資するものであり、熱交換部全体を当該熱交換部から所定の間隔をおいて覆うように構成されている。したがって、本実施形態の水分セパレータ9は、熱交換部と共にプレクーラケース内に収納されていることになる。これにより、冷媒配管5a,5b内を流通する冷媒は、ガス配管4a,4b内を流通する水素ガスを冷却するだけでなく、熱交換部周辺の雰囲気すなわちプレクーラケース内の雰囲気をも冷却するので、水分セパレータ9の全体がプレクーラ41内で冷却可能になっている。
【0029】
また、水分セパレータ9より上流側のプレクーラ41内にあるガス供給流路4には、当該ガス供給流路4内の温度を検出する温度センサ42が設けられており、温度センサ42には、この温度センサ42の検出値に基づいてプレクーラ41の温度制御を行う制御部43が接続されている。
【0030】
なお、温度センサ42は、水分セパレータ9の近傍のガス供給流路4内の温度を検出するため、水分セパレータ9内の温度に相当する温度を検出することができるが、水分セパレータ9内の温度を直接検出しても良い。また、プレクーラ41として、ガス供給対象の温度を所定温度以下に抑えつつ可能な限り短時間で水素ガス充填を行なうために設置されるプレクーラを共用してもよいし、そのようなプレクーラとは別個に設置するようにしてもよい。
【0031】
第1実施形態に係るガス供給システム1は、通常状態では、パージ流路14の手動弁17および手動弁18が閉じられ、ガス供給流路4の手動弁8および手動弁10が開かれており、プレクーラ41がオン状態で使用される。
【0032】
つまり、この状態で供給対象にノズル3を接続して遮断弁11を開くと、水素カードル2から圧縮機6で圧縮され蓄圧器7に溜められていた水素ガスが、開状態の手動弁8、水分セパレータ9、開状態の手動弁10、開状態の遮断弁11、ノズル3を介して供給対象に供給される。その際、水素ガスは主として水分セパレータ9の通過時にプレクーラ41で予め冷却されてノズル3から供給対象に放出される。
【0033】
上記の最中に、水素ガス中に含まれる水分は、水分セパレータ9で捕捉されることになり、その際に水分セパレータ9がプレクーラ41で冷却されているため、水分が凍結状態で水分セパレータ9に溜められることになる。なお、制御部43は、水分セパレータ9で捕捉する水分を凍結させるため、水分セパレータ9内の温度を所定温度である0℃以下、好ましくは過冷却を考慮して−5℃〜−10℃以下とするように、温度センサ42で検出される温度に基づいてプレクーラ41を制御する。
【0034】
つまり、水分セパレータ9内の温度が所定温度以下であれば、プレクーラ41の設定温度をそのまま維持し、水分セパレータ9内の温度が所定温度より高ければ、プレクーラ41の設定温度を1℃下げるといった制御を行う。
【0035】
水分セパレータ9内に捕捉した水分を除去する場合、ガス供給流路4の手動弁8および手動弁10を閉じることで、水分セパレータ9と、ノズル3および蓄圧器7との連通を遮断した状態とし、この状態で、パージ流路14の手動弁17および手動弁18を開いて水分セパレータ9内の水素ガスをパージ用ガスボンベ15からの窒素ガスでパージし、逆火防止装置16を介して大気に放出する。
【0036】
このようにして水分セパレータ9内の水素濃度を低下させた状態で、手動弁18を閉じるとともにプレクーラ41をオフして、水分セパレータ9内に捕捉され凍結されていた水分を液体とする。そして、排出流路20の手動弁21を開いて水分を水分セパレータ9から、窒素ガスの圧力を利用して排出する。
【0037】
その後、排出流路20の手動弁21を閉じ、パージ流路14の手動弁17を閉じてから、ガス供給流路4の手動弁8および手動弁10を開いて通常状態に戻す。
【0038】
以上に述べた第1実施形態に係るガス供給システム1によれば、水素ガスがプレクーラ41で冷却されてノズル3から放出されることになり、その際に、プレクーラ41内に設けられた水分セパレータ9において水素ガスに混入した水分を凍結させて捕捉することになる。
【0039】
よって、水素ガスの温度上昇を抑制しつつ水分を除去することが可能となる。特に、ガス供給システム1への水素ガスの初回充填時やメンテナンス時においては大気中の水分がガス供給システム1へ混入しやすいが、このような場合でも水分を良好に除去することができる。また、水分セパレータ9の全体がプレクーラ41に覆われてプレクーラ41で冷却可能となっているため、水分セパレータ9で捕捉した水分を良好に凍結させることができる。
【0040】
さらに、水分セパレータ9内の水素ガスの温度を温度センサ42が設けられているため、プレクーラ41によって水分セパレータ9内の水素ガスの温度を良好に制御できる。また、フィルタではなく水分セパレータ9で水分を排出可能に捕捉するため、フィルタのように劣化して交換する頻度が高くなく、メンテナンスのためにガス供給流路4内に水分を含んだ外気が浸入することを抑制できる。
【0041】
なお、上記したパージ流路14、パージ用ガスボンベ15、逆火防止装置16、手動弁17および手動弁18は、必ずしも設けなくても良い。
【0042】
次に、第2実施形態に係るガス供給システムを、図4を参照して、第1実施形態に係るガス供給システムとの相違部分を中心に説明する。
【0043】
第1実施形態に係るガス供給システム1では、プレクーラ41内に水分セパレータ9を設ける構成としたが、第2実施形態に係るガス供給システム1では、プレクーラ41をガス供給流路4における水分セパレータ9の上流側、具体的には手動弁8の上流側に配置している。言い換えれば、ガス供給流路4におけるプレクーラ41よりも下流側に水分セパレータ9を設けている。
【0044】
このような第2実施形態に係るガス供給システム1でも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。しかも、プレクーラ41と水分セパレータ9とを別々にしているため、水分セパレータ9のメンテナンスが容易であるとともに、水分セパレータ9が外気にさらされることにより水分セパレータ9内の水分の解凍に要する時間を短くできる。
【0045】
次に、第3実施形態に係るガス供給システムを、図5を参照して、第1実施形態に係るガス供給システムとの相違部分を中心に説明する。
【0046】
第1実施形態に係るガス供給システム1では、プレクーラ41内に水分セパレータ9を設ける構成としたが、第3実施形態に係るガス供給システム1では、プレクーラ41をガス供給流路4における水分セパレータ9の上流側および下流側、具体的には手動弁8の上流側および手動弁10の下流側に配置している。
【0047】
すなわち、本実施形態のプレクーラ41は、蓄圧器7と手動弁8との間に位置するガス供給流路4の一部(以下、第1のガス配管4a)と、手動弁10と遮断弁11との間に位置するガス供給流路4の一部(以下、第2のガス配管4b)とが、水分セパレータ9を内包しない一つのプレクーラケースに収納されていると共に、このプレクーラケース内における第1のガス配管4a及び第2のガス配管4bにそれぞれ外挿あるいは内挿された第1の冷媒配管5a及び第2の冷媒配管5bを備え、これら第1及び第2の冷媒配管5a,5b内に、第1及び第2のガス配管内4a,4bを流通する水素ガスを冷却する冷媒が流通する構成になっている。
【0048】
このような第3実施形態に係るガス供給システム1でも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。しかも、第2実施形態と同様にプレクーラ41と水分セパレータ9とを別々にしているため、水分セパレータ9のメンテナンスが容易であるとともに、水分セパレータ9が外気にさらされることにより水分セパレータ9内の水分の解凍に要する時間を短くできる。
【0049】
さらに、水分セパレータ9を通過することで若干温められた水素ガスをプレクーラ41で再び冷却してノズル3から供給先へ供給できる。
【0050】
なお、この第3実施形態では、水分セパレータ9の上流側に位置する第1のガス配管4a及び第1の冷媒配管5aと、水分セパレータ9の下流側に位置する第2のガス配管4b及び第2の冷媒配管5bとが、一つのプレクーラケース内に収納されている例について説明したが、第1のガス配管4a及び第1の冷媒配管5aを一つのプレクーラケース内に収納し、この第1のプレクーラケースとは別体をなす第2のプレクーラケース内に第2のガス配管4b及び第2の冷媒配管5bを収納する構成としてもよい。
【0051】
この場合には、第1のガス配管4aと第1の冷媒配管5aと第1のプレクーラケースとにより一つの冷却部が構成され、この冷却部とは別個に、第2のガス配管4bと第2の冷媒配管5bと第2のプレクーラケースとにより第2の冷却部が構成されることになる。
【0052】
なお、図5に示すプレクーラ41は、第1のガス配管4a及び第1の冷媒配管5aを収納する第1のプレクーラケースと、第2のガス配管4b及び第2の冷媒配管5bを収納する第2のプレクーラケースとが一つのプレクーラケースによって共用されているとも云えるので、水分セパレータ9の上流側と下流側のそれぞれに冷却部及び第2の冷却部を備えていると云うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1…ガス供給システム、2…水素カードル(ガス供給源)、3…ノズル(放出部)、4a…第1のガス配管(ガス配管)、4b…第2のガス配管(ガス配管)、5a…第1の冷媒配管(冷媒配管)、5b…第2の冷媒配管(冷媒配管)、7…蓄圧器(ガス供給源)、9…水分セパレータ(水分除去部)、41…プレクーラ(冷却部、第2の冷却部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給源と、
前記ガス供給源からのガスを冷却する冷却部と、
前記冷却部で冷却されたガスをガス供給対象へ放出する放出部と、
を備えたガス供給システムであって、
前記冷却部内または前記冷却部よりも下流側に水分除去部が設けられているガス供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載のガス供給システムにおいて、
前記冷却部は、前記ガス供給源からのガスが流通するガス配管と、このガス配管内を流通するガスとの熱交換により当該ガスを冷却する冷媒が流通する冷媒配管と、これらガス配管及び冷媒配管を収納するケースと、を備えてなり、
前記水分除去部は前記ガス配管に接続された状態で前記ケース内に収納されているガス供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載のガス供給システムにおいて、
前記水分除去部の下流側には当該水分除去部からのガスを冷却する第2の冷却部が設けられているガス供給システム。
【請求項4】
請求項3に記載のガス供給システムにおいて、
前記冷却部は、前記ガス供給源からのガスが流通し且つ前記水分除去部の入口側と連通する第1のガス配管と、この第1のガス配管内を流通するガスとの熱交換により当該ガスを冷却する冷媒が流通する第1の冷媒配管と、を備え、
前記前記第2の冷却部は、前記水分除去部の出口側と連通して前記水分除去部からのガスが流通する第2のガス配管と、この第2のガス配管内を流通するガスとの熱交換により当該ガスを冷却する冷媒が流通する第2の冷媒配管と、を備え、
前記第1のガス配管及び前記第1の冷媒配管と、前記第2のガス配管及び前記第2の冷媒配管とが、前記水分除去部を内包しない一つのケース内に収納されているガス供給システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のガス供給システムにおいて、
前記ガス供給源に水素が貯蔵されており、
前記ガス供給対象が水素を燃料ガスとして当該燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行なう燃料電池が搭載された燃料電池車両であるガス供給システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−265912(P2010−265912A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115288(P2009−115288)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】