説明

ガス栓カバー

【課題】ガス入口筒部(10)からガス出口筒部(11a)に至るガス通路が貫通する一方開放のガス栓本体(1a)と、その一方開放部に装着されて前記ガス通路を開閉する操作つまみ(12a)とからなり、ガス出口筒部(11a)は、ガス栓本体(1a)の胴部側壁から略直角方向に突設された形式のガス栓を被覆するガス栓カバーに関し、ガス栓の種類や形状に関係なく容易に装着でき、ガス栓の誤操作を確実に防止できるようにすること。
【解決手段】操作つまみ(12a)全体を略密嵌状態に被覆可能な一方開放の筒体とし、前記筒体の構成壁に前記一方開放の複数のスリット(24)を設け、前記構成壁は、ガス出口筒部(11a)の両側のガス栓本体(1a)の胴部側壁に沿って延長する長壁部(21)を有し、前記筒体の装着状態にて、操作つまみ(12a)の端縁に係止する係止突起(23)を前記構成壁の内周面に突設させたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス栓カバー、特に、操作つまみ側からガス栓本体に装着させるガス栓カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス栓カバーとして、実用新案登録第2522983号のものを提案した。このものは、ガス入口筒部及びガス出口筒部となる一対の配管接続部が、ガス栓本体の胴部側壁の、相互に対向する各位置から側方へそれぞれ突設すると共に、前記ガス入口筒部からガス出口筒部に至るガス通路を開閉するせんを回動操作する操作つまみが、前記胴部の一方開放端に設けられた形式の、主に、屋外に設置されるガス栓に被覆させるガス栓カバーに関するもので、操作つまみの不用意な誤操作を防止するものである。
【0003】
前記ガス栓カバーは、前記操作つまみ側から被覆させる一方開放の筒体とし、前記配管接続部に対応する各位置には、前記配管接続部を露出させるための切欠部が前記一方に開放するように形成されていると共に、前記切欠部の開放端側に係止突起が設けられている。そして、操作つまみ側から筒体を被覆させたときに、前記係止突起が前記配管接続部に下方から係止する態様となっている。
【0004】
このガス栓カバーでは、各切欠部を前記配管接続部に対応させると共に、その下端には、前記係止突起が係止される構成であるから、ガス栓に対して相対回動阻止状態に且つ抜け止め状態に被嵌させることができる。よって、カバーを装着させた状態においては、操作つまみがいたずらや衝撃によって不用意に回動させられることがなく、又、ガス栓のほぼ全体を被覆する構成となっているから、屋外設置型のガス栓を直射日光や風雨からも保護することができる。
【特許文献1】実用新案登録第2522983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のガス栓カバーでは、ガス栓本体の胴部下端近傍に突設されている配管接続部に下方から係止させる係止突起を設けた構成であるため、筒体は、ガス栓の全体を覆う大きさに構成されなければならない。このため、筒体の全体形状が大きくなる。
【0006】
屋外設置型のガス栓に対しては、いたずらや、直射日光、風雨から保護しなければならないことから、ガス栓全体を覆う構成であることは好ましいが、屋内設置型のガス栓であって、不使用状態にあるガス栓を誤って開操作する危険を防止するために被覆させるカバーとしては、ガス栓全体を覆う必要がない。
【0007】
又、屋内設置型のガス栓としては、ガス出口筒部として、ソケットが着脱可能なプラグ筒が胴部側壁から側方へ突設された構成のものが多く、又、ガス栓本体と配管接続部の位置関係も様々であり、一つのガス入口筒部に二つのガス出口筒部が設けられた二口ガス栓等、ガス栓の形状が一定しない。このため、ガス栓全体を覆う構成のガス栓カバーでは、ガス栓カバー全体の形状が大きくなってしまう上に、ガス栓の形状に応じてカバーを種々用意しなければならず、ガス栓の形状によっては装着が困難である上に、不経済であるという問題がある。
【0008】
本発明は、『ガス入口筒部からガス出口筒部に至るガス通路が貫通すると共に一方に開放しているガス栓本体と、前記ガス栓本体の一方開放部に装着されて前記ガス通路を開閉する操作つまみとからなり、前記ガス出口筒部は、前記ガス栓本体の胴部側壁から略直角方向に突設された形式のガス栓を被覆するガス栓カバー』において、ガス栓の種類や形状に影響されることなく、容易にガス栓に装着でき、ガス栓の誤操作を確実に防止できるガス栓カバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)請求項1に係る発明のガス栓カバーは、『前記操作つまみ全体を略密嵌状態に被覆可能な一方開放の筒体とすると共に、
前記筒体の構成壁に前記一方に開放する複数のスリットが形成され、
前記構成壁は、前記ガス出口筒部の基端部両側に位置する前記ガス栓本体の胴部側壁に対応する長壁部を有し、
前記筒体の装着状態にて、前記操作つまみの前記ガス栓本体側の端縁に係止する係止突起が、前記構成壁の内周面に突設されていること』を特徴とするものである。
上記手段は次のように作用する。
カバーを被覆させるガス栓としては、例えば、ガス入口筒部として配管接続部が突設され、ガス出口筒部として、ソケットが着脱自在に接続可能なプラグ筒がガス栓本体の胴部側壁から側方に突設された構成の、屋内設置型のガス栓が採用可能であり、この種ガス栓の胴部の一方開放端に装着されている操作つまみを被覆するようにカバーを装着させる。
【0010】
カバーは一方開放の筒体からなり、その構成壁のうち、長壁部が前記ガス出口筒部の両側に位置するように操作つまみを筒体内に挿入させていく。前記構成壁は前記操作つまみ全体に略密嵌状態に被覆する大きさに設定されていると共に、内周面の所定位置には係止突起を内方へ突設させているが、前記構成壁には、一方へ開放するように複数のスリットが設けられていることから、前記筒体は、構成壁の内径を拡径させながら、操作つまみに被覆させることができる。そして、前記係止突起が、操作つまみの端縁に達した時点で、前記内径は元の径に復帰し、前記係止突起が前記操作つまみの前記端縁に係止する。これにより、筒体は操作つまみに抜け止め状態に装着される。
【0011】
又、ガス栓本体の胴部側壁から突出しているガス出口筒部の基端部両側に、前記筒体の構成壁のうち、長壁部が位置する装着態様としたから、筒体を回動させようとしても、前記長壁部が前記ガス出口筒部の基端部に周方向に当接することとなり、筒体は、ガス栓本体に対して、回り止め状態となる。言い換えれば、接触や物の衝突などでガス栓カバーを回動させようとする力が作用しても、回動させることができないから、不用意に操作つまみがガス栓本体に対して回動させられることはない。
【0012】
(2)請求項2に係る発明のガス栓カバーは、前記請求項1に記載のガス栓カバーにおいて、『前記長壁部間に、前記長壁部よりも短く設定された短壁部が設けられ、
前記筒体の装着状態にて、前記短壁部の開放端が前記ガス出口筒部に当接するように前記短壁部の長さが設定されていること』を特徴とするもので、筒体を操作つまみに被せると、ガス栓本体の胴部側壁から側方に突出しているガス出口筒部に、筒体の構成壁の短壁部の開放端が当接するため、前記短壁部がガス出口筒部に当接した時点で、筒体は、それ以上、押し込まれることがない。このように、前記短壁部の開放端は、押し込み方向のストッパーとして機能することとなるから、操作つまみも、それ以上、ガス栓本体側に押し込まれることがない。
【0013】
(3)請求項3に係る発明のガス栓カバーは、前記請求項1又は請求項2に記載のガス栓カバーにおいて、『前記筒体の内壁から、前記操作つまみの把持部の両側の凹部に対応する位置に、突片を突出させた』ことを特徴とするもので、ガス栓カバーには、前記長壁部と前記突片とが具備されており、ガス栓本体と操作つまみとの関係にて、操作つまみが閉状態でないと、ガス栓カバーを取り付けることができない。よって、ガス栓カバーの装着に際しては、ガス栓が不使用であることと同時に閉状態であることを確認して取り付けることになる。
【0014】
(4)請求項4に係る発明のガス栓カバーは、前記請求項1から3に記載のガス栓カバーにおいて、『前記筒体を透明樹脂製とした』ことを特徴とするもので、筒体を被せた状態でも、前記筒体を透して操作つまみの向きを確認することができる。
【0015】
(5)請求項5に係る発明のガス栓カバーは、上記各請求項に記載のガス栓において、『前記筒体の前記構成壁の拡径を阻止する止めリングを、前記操作つまみに被覆させた状態の前記筒体に外嵌させたこと』を特徴とするもので、一般に、ガス栓の不使用時には、プラグ筒等のガス出口筒部に保護キャップが被嵌されている。この保護キャップは、紛失防止のために、連結帯を介して、止めリングに連結されている。前記止めリングは、通常、ガス栓本体に止着されているものであるが、この請求項に係る発明のものでは、例えば、この止めリングを利用して、操作つまみに装着状態にある筒体に、上から外嵌させる構成とした。これにより、筒体の開放端の拡径を阻止することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、ガス栓カバーとして、一方開放の筒体を設け、これをガス栓の操作つまみに被せるだけで、前記筒体をガス栓に対して抜け止め状態に且つ回り止め状態に被覆できるようにしたから、ガス入口筒部の位置や、ガス出口筒部の形状等に影響を受けることなく、ガス栓にカバーを容易に且つ確実に装着することができる。又、ガス栓全体を覆う構成ではないので、カバー全体の大きさが無駄に大きくならず、経済的である。
【0017】
又、前記筒体の構成壁に長壁部を設けて、ガス栓本体に対して回り止め状態に装着可能としたから、ガス栓カバーが装着されている操作つまみをうっかり回動させる不都合はない。すなわち、不使用状態にあるガス栓の操作つまみに本発明のガス栓カバーを被覆させておくことにより、不使用状態にあるガス栓の操作つまみの誤操作を確実に防止することができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、上記効果に加えて、ガス栓に筒体を被覆させた状態では、操作つまみを押し込むことができないようにしたから、押し回し式のガス栓の操作つまみが押される不都合を防止することができ、ガス栓の誤操作を一層、確実に防止することができる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、上記効果に加えて、ガス栓の操作つまみを閉位置にした状態でのみ、ガス栓カバーを取り付けることができる。そのため、不使用のガス栓にガス栓カバーを取り付ける際に、開位置でゴムキャップや過流出防止弁によってガスの放出が止められている誤開放の不使用ガス栓が発見でき、これらのガス栓の操作つまみを完全に閉位置にして、ガス栓カバーを取り付けることができる。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、筒体を被せた状態で、操作つまみの向きを認識することができるから、操作つまみが閉状態であることを目で確認でき、使用者に安心感を与えることが出来る。又、操作つまみに対する係止突起の位置等、ガス栓カバーの装着状況も目で確認することができるので、ガス栓カバーのガス栓への装着が一層確実となる。
【0021】
請求項5に係る発明によれば、筒体に止めリングを外嵌させて、前記筒体の開放端の拡径を防止できるようにしたから、筒体は操作つまみに対して抜け止め状態にロックされることとなる。よって、ガス栓カバーの不用意な脱落を一層確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1番目の実施の形態のガス栓カバーを二口ガス栓に装着した状態を示す、カバーのみを断面とした正面図であり、図2は、図1の左側面図である。
【0023】
この実施の形態で採用したガス栓は、図1に示すように、ガス入口筒部としての一つの配管接続部(10)から、左右に分岐させた分岐流路(図示せず)が左右一対のガス栓本体(1a)(1b)の内部に形成されていると共に、ガス出口筒部としてのプラグ筒(11a)(11b)が、図2に示すように、各ガス栓本体(1a)(1b)の胴部側壁から前方(図面では右側)に向かって水平に突出するように、それぞれ設けられている。又、前記ガス栓本体(1a)(1b)の上方開放部には、それぞれ、前記分岐流路で分岐されたガス流路を開閉する操作つまみ(12a)(12b)が装着されている。
【0024】
図1に示すガス栓の場合、一対のガス栓本体(1a)(1b)のうち、向かって右側のガス栓本体(1b)のみが使用され、左側のガス栓本体(1a)は不使用とする。よって、左側のガス栓本体(1a)にのみガス栓カバー(2)を装着させる。
【0025】
ガス栓カバー(2)は、図3に示すように、下方開放の樹脂製の筒体からなり、操作つまみ(12a)を略密嵌状態に収容する内径に構成されたつまみ収容室(20)が設けられていると共に、ガス栓カバー(2)を構成している構成壁を周方向にほぼ四分割した状態における、相互に対向する各構成壁を下方へ延長させて一対の長壁部(21)(21)が構成されていると共に、前記長壁部(21)(21)間に位置する他の対向する各構成壁は、前記長壁部(21)(21)よりも短く設定されて、短壁部(22)となっている。
【0026】
長壁部(21)は、図1又は図2に示すように、操作つまみ(12a)をガス栓カバー(2)のつまみ収容部(20)内に収容させた、ガス栓カバー(2)の装着完了状態にて、プラグ筒部(11a)の基端部両側に位置するように、ガス栓本体(1a)の胴部側面に沿って垂下させられていると共に、その長さは、プラグ筒部(11a)の水平方向の中心線に達する程度に設定されている。
【0027】
又、短壁部(22)は、図2に示すように、ガス栓カバー(2)の前記装着完了状態にて、その下端が、プラグ筒部(11a)の基端部の水平方向の頂部(13)に当接する長さに設定されている。
【0028】
又、ガス栓カバー(2)を装着した状態における操作つまみ(12a)の下端に対応する長壁部(21)及び短壁部(22)の内周面には、操作つまみ(12a)の下端に下方から係止可能な係止突起(23)が内方に向かって環状に突設されていると共に、ガス栓カバー(2)の頂部の裏面からは、操作つまみ(12a)の把持部(121)の両側の凹部(122)にそれぞれ対応するように、突片(25)(25)がガス栓カバー(2)内に突出している。
尚、長壁部(21)と短壁部(22)との間、及び、長壁部(21)及び短壁部(22)の各中心線に沿った各位置には、下方に開放するスリット(23)がそれぞれ形成されている。
【0029】
この実施の形態のガス栓カバー(2)を二口ガス栓の一方のガス栓本体(1a)の操作つまみ(12a)に装着させるには、操作つまみを閉状態で、長壁部(21)(21)がプラグ筒部(11a)の両側に位置するように、つまみ収容部(20)内に操作つまみ(12a)を挿入させる。つまみ収容部(20)の内径は、操作つまみ(12a)に略密嵌状態に収容される大きさに設定されていると共に、その下方には、係止突起(23)が内方に突設された形状となっているが、ガス栓カバー(2)の構成壁には合計8本のスリット(24)が下方に開放するように形成されているから、ガス栓カバー(2)の構成壁は、下方開放部を拡径させながら、操作つまみ(12a)に被嵌させていくことができる。このとき突片(25)(25)は操作つまみ(12a)の把持部(121)の両側の凹部(122)(122)に位置することとなる。そして、係止突起(23)が、操作つまみ(12a)の下方に到達した時点で、ガス栓カバー(2)の構成壁は初期状態に復帰し、係止突起(23)が操作つまみ(12a)の下端に下方から抜け止め状態に係止されることとなる。
【0030】
又、この装着状態にて、プラグ筒部(11a)の基端部両側に、長壁部(21)(21)がそれぞれ位置する態様となるから、接触や物の衝突によりガス栓カバー(2)を回動させようとする力が作用しても、長壁部(21)の側縁がプラグ筒部(11a)の基端部に当たって、回動することがない。さらに、短壁部(22)の下端が、プラグ筒部(11a)の水平方向の頂面(13)に当接する装着態様であるから、ガス栓カバー(2)を下方へ押さえつけても、それ以上、ガス栓カバー(2)を下方へ押し込むことができない。
【0031】
このように、ガス栓カバー(2)は、操作つまみ(12a)に対して、回り止め状態で且つ下方へ押し込み阻止状態に装着されるため、ガス栓カバー(2)が装着されている状態では、操作つまみ(12a)は回動させることも、下方へ押し込むこともできない。よって、操作つまみ(12a)が、回動式であっても、押し回し式であっても、不用意に回動させられてガス栓が開状態となる危険はなく、不使用状態にあるガス栓本体(1a)の操作つまみ(12a)の誤操作を確実に防止することができる。
尚、開状態で使用中のガス栓にガス栓カバー(2)を取り付けようとした場合には突片(25)(25)が操作つまみ(12a)の把持部(121)に当って、係止突起(23)が、操作つまみ(12a)の下方に到らないので、ガス栓カバー(2)を取り付けることができない。
【0032】
ガス栓本体(1a)を使用する際には、ガス栓カバー(2)を強制的に抜き取れば良い。
図4に示すものは、本発明の第2番目の実施の形態のガス栓カバー(2)であって、ガス栓カバー(2)全体を透明樹脂製とすると共に、不使用状態にあるガス栓本体(1)のプラグ筒部(11)に、プラグキャップ(3)が被嵌される形式のガス栓の操作つまみ(12)に装着させたものである。
【0033】
この実施の形態では、ガス栓カバー(2)を、上記したように、透明樹脂製の筒体とすることにより、ガス栓カバー(2)を操作つまみ(12)に装着したままで、操作つまみ(12)の向きを目で確認することができる。よって、不使用状態にあるガス栓が閉状態であることを常時確認することができ、使用者に安心感を与えることができる。
【0034】
又、プラグキャップ(3)は、不使用状態にあるプラグ筒部(11)を保護するために、プラグ筒部(11)に被嵌させる従来の構成のものが採用可能であり、一般に、その紛失を防止するために、樹脂製の連結帯(31)を介して、止めリング(30)に連結されている。そして、この実施の形態のものでは、この止めリング(30)を、操作つまみ(12)に被嵌させたガス栓カバー(2)の上から外嵌させる構成とした。これにより、ガス栓カバー(2)の構成壁は、止めリング(30)によって、拡開阻止状態にロックされることとなるから、操作つまみ(12)に装着状態にあるガス栓カバー(2)を、確実に抜け止め状態に保持することができる。
【0035】
さらに、図5に示すものは、ガス栓カバー(2)の形状を、操作つまみ(12)の形状に略一致するように構成したものであり、この実施の形態のものでも、ガス栓カバー(2)を装着させたままで、操作つまみ(12)の向きを確認することができる。
【0036】
上記各実施の形態のガス栓カバー(2)は、操作つまみに抜け止め状態に装着できるようにしたから、ガス栓全体を覆う大きさ形状に構成する必要がなく、従来のものに比べて、ガス栓カバー(2)を小さく構成することができる。これにより、材料費を節約することができ、ガス栓への装着も容易となる。
【0037】
ガス栓としては、配管接続部(10)が、図1、図2に示すもののように、ガス栓本体(1a)(1b)の下方から連設されている形式のものでも、図5に示すもののように、ガス栓本体(1)の胴部側壁から後方へ突設されている形式のものでも、又、プラグ筒部(11)が、図2に示すもののように、水平方向に真直ぐに突出している形状のものでも、図5に示すもののように、略L字状に屈曲された形状のものでも、ガス栓の種類や形状に影響を受けることなく、ガス栓カバー(2)を装着させることができる。よって、1つのガス栓カバー(2)の使用範囲が広がり、使い勝手の良いものとなる。
さらに、この実施の形態では、ガス栓として二口ガス栓を採用したが、一口ガス栓に対しても使用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1番目の実施の形態のガス栓カバーを二口ガス栓に装着した状態を示す、カバーのみを断面とした全体正面図。
【図2】図1の左側面図。
【図3】本発明の第1番目の実施の形態のガス栓カバーの説明図。
【図4】本発明の第2番目の実施の形態のガス栓カバーをプラグキャップ付きのガス栓の装着させた状態を示す側面図。
【図5】本発明の第3番目の実施の形態のガス栓カバーの説明図。
【符号の説明】
【0039】
(1)(1a)(1b) ・・・・・ ガス栓本体
(10)・・・・・・・・・ ガス入口筒部(配管接続部)
(11)(11a)(11b)・・・・・ガス出口筒部(プラグ筒部)
(12)(12a)(12b)・・・・・操作つまみ
(121) ・・・・・・・・・把持部
(122) ・・・・・・・・・凹部
(2) ・・・・・・・・・・ガス栓カバー
(21)・・・・・・・・・・長壁部
(22)・・・・・・・・・・短壁部
(23)・・・・・・・・・・係止突起
(24)・・・・・・・・・・スリット
(25)・・・・・・・・・・突片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス入口筒部からガス出口筒部に至るガス通路が貫通すると共に一方に開放しているガス栓本体と、前記ガス栓本体の一方開放部に装着されて前記ガス通路を開閉する操作つまみとからなり、前記ガス出口筒部は、前記ガス栓本体の胴部側壁から略直角方向に突設された形式のガス栓を被覆するガス栓カバーにおいて、
前記操作つまみ全体を略密嵌状態に被覆可能な一方開放の筒体とすると共に、
前記筒体の構成壁に前記一方に開放する複数のスリットが形成され、
前記構成壁は、前記ガス出口筒部の基端部両側に位置する前記ガス栓本体の胴部側壁に対応する長壁部を有し、
前記筒体の装着状態にて、前記操作つまみの前記ガス栓本体側の端縁に係止する係止突起が、前記構成壁の内周面に突設されていることを特徴とするガス栓カバー。
【請求項2】
請求項1に記載のガス栓カバーにおいて、前記長壁部間に、前記長壁部よりも短く設定された短壁部が設けられ、
前記筒体の装着状態にて、前記短壁部の開放端が前記ガス出口筒部に当接するように前記短壁部の長さが設定されていることを特徴とするガス栓カバー。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のガス栓カバーにおいて、前記筒体の内壁から、前記操作つまみの把持部の両側の凹部に対応する位置に、突片を突出させたことを特徴とするガス栓カバー。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス栓カバーにおいて、前記筒体を透明樹脂製としたことを特徴とするガス栓カバー。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のガス栓カバ一において、前記筒体の前記構成壁の拡径を阻止する止めリングを、前記操作つまみに被覆させた状態の前記筒体に外嵌させたことを特徴とするガス栓カバー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−232382(P2008−232382A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76384(P2007−76384)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000151977)株式会社藤井合金製作所 (66)
【Fターム(参考)】