説明

ガス精製中に得られるアミン含有スクラビング溶液を再生する方法およびシステム

本発明は、ガス精製中に得られ、COと硫黄化合物が化学的に結合したアミン含有洗浄溶液を再生する方法、および前記方法を実施するのに好適なシステムに関する。本発明によれば、a)汚染洗浄溶液を、数段階で加熱、圧縮および膨張して、COと硫黄化合物を分離し、b)膨張した洗浄溶液を2つの部分ストリームにさらに分け、一方の部分ストリームをプロセスに再循環する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス精製中に得られ、COおよび硫黄化合物が化学的に結合したアミン含有スクラビング溶液を再生する方法、ならびに前記方法を実施するのに好適なシステムに関する。様々なガス、例えば、バイオガス、化学プロセスからの廃ガス、製油所ガスまたは関連ガスは、COおよび硫黄化合物を含有しており、これらのガスをさらなる目的のために用いるか、または雰囲気へ放出する前に、スクラビングにより除去しなければならない。このプロセスを実施する方法には、物理または化学ガススクラビング法があり、化学スクラビングは、分離されたCOおよび硫黄化合物が化学的に結合したアミン含有スクラビング溶液を用いて実施されるのが好ましい。経済的な理由から、汚染アミン含有スクラビング溶液を再生して、回路で再使用できるようにすると有利である。
【背景技術】
【0002】
DE10 2005 051 952 B3号明細書には、COのみが結合した製油所またはバイオガスからのメタンおよび液体二酸化炭素の生成に関連した、アミン含有スクラビング溶液を再生する方法が記載されている。この方法では、吸収カラムから放出される汚染スクラビング溶液は、65バールまで圧縮され、熱交換器において、約175℃の温度まで加熱される。スクラビング溶液中の二酸化炭素の約10%は既に、ガス状相を、これらの条件下で通過している。スクラビング溶液を209℃の温度までさらに加熱することにより、99%を超える二酸化炭素が、スクラビング溶液から除去される。スクラビング溶液を、次に、脱着カラムに流すと、そこで、さらに熱を加えることにより、残りの二酸化炭素が除去される。再生スクラビング溶液を、次に、廃熱回収により、10℃まで徐冷する。
【0003】
この方法の欠点は、高運転圧力および高温であることである。これは、スクラビング溶液の喪失につながり、溶液の劣化の危険性を増大する。精製したスクラビング溶液はまた、少量の不純物を含有しており、再使用すると、悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ガス精製中に得られ、COおよび硫黄化合物が化学的に結合したアミン含有スクラビング溶液を再生する方法を考案し、より経済的な操業方法で、純度の高いスクラビング溶液を生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
また、この方法を実施する好適なシステムも考案される。目的は、請求項1に記載の特徴により、本発明に従って達成される。方法の有利な発展形態は、請求項2〜10に規定されている。方法を実施するのに好適なシステムは、請求項11の主題である。システムの有利な実施形態は、請求項12および13に規定されている。
【0006】
汚染スクラビング溶液を、少なくとも110℃、必要であれば、135℃、好ましくは125℃の温度まで加熱し、少なくとも4バール、好ましくは6〜12バールの圧力まで圧縮し、後に、第1の膨張段階において、好ましくは、1〜8バールの圧力まで膨張して、COおよび硫黄化合物の大部分を、スクラビング溶液からガスストリームとして除去する(プロセス工程a))。
【0007】
抽出したスクラビング溶液を、次に、少なくとも130℃、必要であれば、160℃、好ましくは145℃の温度まで加熱し、少なくとも4バール、好ましくは5〜8バールの圧力まで圧縮し、第2の膨張段階において、第1の膨張段階の膨張圧力より少なくとも0.5バール、必要であれば、3バール高い圧力まで膨張して、まだ存在しているCOおよび硫黄化合物の大部分を、スクラビングからガスストリームとして除去する(プロセス工程b))。第1および第2の膨張段階において、膨張は、フラッシュ膨張としてなされるのが好ましい。
【0008】
第2の膨張段階で除去されたスクラビング溶液を、70℃より低い温度まで冷却し、第3の膨張段階で標準圧力まで膨張し、まだ存在している残渣量の可溶性COを分離し、この部分ストリームを、標準温度まで、完全精製スクラビング溶液として冷却する(プロセス工程c))。
【0009】
第1の膨張段階および/または第2の膨張段階後に除去されたスクラビング溶液を、2つの部分ストリームへさらに分ける。一方の部分ストリームを、回路において、各膨張段階に戻し、その温度および圧力は、関連の膨張段階の条件まで調整する。膨張中、まだ存在している残渣量の硫黄化合物を、この部分ストリームから除去する。回路から除去されなかった他方の部分ストリームは、プロセス工程b)またはc)のいずれかに従ってさらに処理する。
【0010】
回路から除去されたスクラビング溶液を、例えば、5〜10バールの圧力まで圧縮し、各膨張段階の運転温度より少なくとも2〜10℃高い温度まで加熱する。
【0011】
まだ存在している残渣量の可溶性COおよび硫黄化合物を、第2の膨張段階で除去する。(温度と圧力)を得られるこの条件下で、スクラビング溶液から漏れたCOを、第3の膨張段階で再溶解する。すると、最大純度で、スクラビング溶液が得られる。スクラビング溶液を、標準温度まで冷却した後、スクラビング回路に戻すと、COおよび硫黄化合物を、バイオガスから除去することができる。提案された方法によって、異なる物質が含まれた汚染スクラビング溶液を、比較的低圧および低温で再生することが可能となる。複数のレベルの圧力および温度制御膨張が計画されるからである。さらに、スクラビング溶液中の水の量が保持される。蒸気により除去されたある割合の蒸発水を、凝縮後、精製スクラビング溶液に戻すことができるからである。
【0012】
汚染スクラビング溶液の複数の段階膨張によって、CO、HSおよびCOS(有機硫黄化合物)のより選択的な除去を行うことが可能となる。個々のフラッシュ膨張中に、異なる圧力および温度条件に起因する、他の物質と共にスクラビング溶液から漏れた水の量を大幅に減じることができる。水の蒸発熱は、ガスから除去すべき成分より5倍大きいため、必須の再生に必要なエネルギーの量をかなり減じることができる。プロセス工程a)およびb)に従って、膨張段階において蒸気として除去された二酸化炭素、水および硫黄化合物で構成されたガス混合物は、汚染スクラビング溶液を加熱するための熱媒体として用いられ、プロセスにおいて、標準温度まで冷却される。第2の膨張段階で得られた精製スクラビング溶液は、汚染スクラビング溶液を加熱するための熱媒体として用いられる。
【0013】
エネルギーに関して特に有利かつ熱水も提供する方法が提供される。凝縮水は、分離器において標準温度まで冷却されたガス混合物(蒸気)から除去される。ドーズ量のこの水を、必要なアミン含量を維持するために、完全精製スクラビング溶液と混合する。
【0014】
第1および第2の膨張段階で除去されたガスストリーム(COおよび硫黄化合物)は、必要であれば、下流の脱硫プラントで脱硫することができる。
【0015】
第1の膨張段階における反応時間は、スクラビング溶液に超音波処理を行うことによってさらに減じることができる。この段階におけるドウェルまたは反応時間は、従って、同じ除去性能で、約30%まで減じることができる。同じ方法を用いて、第3または第4の膨張段階を、第2の膨張段階の下流に配置することができる。
【0016】
精製スクラビング溶液のpHを測定し、膨張段階における汚染スクラビング溶液の温度を設定するための制御変数として用いることができる。膨張段階において、回路から除去された部分ストリーム対供給された汚染スクラビング溶液の量の比は0.2〜5である。
【0017】
第1および/または第2の膨張段階における部分量のスクラビング溶液の回路からの計画された除去には次のような利点がある。
【0018】
小部分のストリームの回路からの除去によって、少量のエネルギー消費で維持されるべき経済的な保持運転が可能となる。また、部分ストリーム、圧力および部分ストリーム回路の温度を、バイオガス中の硫黄化合物の量に対して調整し、制御変数として用いることができる。
【0019】
高純度の再生スクラビング溶液は、バイオガスを精製するのにも用いると、さらに利点がある。
【0020】
形成されたスクラビング溶液には、85g/l以上の二酸化炭素および15g/l以上の硫黄化合物を除去する能力がある。従って、同量のCOを、以前より少量のスクラビング溶液で除去することができ、最も重要なのは、大量の硫黄化合物も除去できることである。このため、少量の炭化水素がまた、少量のスクラビング溶液で、スクラビング溶液に溶解する。この方法により生じるメタン損失は、従って、ほぼ0.05%未満である。少量のスクラビング溶液を用いることによって、エネルギー消費が減じる。
【0021】
本方法を実施するのに好適なシステムは、フロー方向に組み込まれるスクラビング溶液を運ぶための循環路、第1のポンプ、少なくとも1つの熱交換器、連続して接続された少なくとも2つの膨張装置、および第1の分離器を含む。第2のポンプおよび下流熱交換器は、第1と第2の膨張装置間の循環ラインに組み込まれている。膨張装置の少なくとも1つの下流で、パイプループは回路ラインから分岐され、このパイプループは、回路から部分量の精製スクラビング溶液を除去し、それを膨張装置に戻すための膨張装置に接続されている。第3のポンプおよびさらに、熱交換器がパイプループに組み込まれている。
【0022】
膨張装置のヘッドに、蒸気を除去するためにラインが配置されており、このラインは、凝縮水を除去するために、第2の分離器に接続されている。少なくとも1つの熱交換器が、蒸気を冷却するために、このラインに組み込まれている。第2の分離器は、第1の分離器に、ドーズ量の凝縮水を運ぶためのラインを介して接続されている。
【0023】
連続して接続された3つの熱交換器は、汚染スクラビング溶液を、必要な運転温度まで徐々に加熱するために、第1の膨張装置の上流に配置されている。第1の熱交換器は、蒸気を運ぶラインに組み込まれ、第2の熱交換器は、精製熱スクラビング溶液を運ぶラインに組み込まれている。第3の熱交換器は、外部熱媒体により加熱され、間欠的にオンオフすることができる。この熱交換器は、概して、始動期間にのみ用いられる。
【0024】
提案されたシステムは、様々な出力に用いることができ、高度のエネルギー効率を有している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のスクラビング溶液を再生する方法を実施するシステムの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を実施例により説明する。関連図面は、COおよび硫黄化合物が不純物として結合した汚染スクラビング溶液を再生するシステムのフローチャートを示す。
【0027】
システムは、例えば、バイオガスに含まれるCOおよび硫黄化合物が、アミンスクラビングにより除去されるバイオガス処理プラントの一部である。COおよび硫黄化合物の不純物は、再使用できるようにするために、このスクラビング溶液から除去されなくてはならない。
【0028】
アミン濃度40%、温度38℃、85gCO/lおよび6gHS/lのローディング量により得られた汚染スクラビング溶液(約9m/h)を、ライン1を介して流し、循環ポンプP1を介して、連続して接続されたW1、W2およびW3の3つの熱交換器へと流し、前述の熱交換器において約65℃、次に、約125℃まで加熱し、圧力7.5バールまで圧縮する。熱された汚染スクラビング溶液を、次に、第1のフラッシュ膨張装置F1(第1の膨張段階)に入れ、そこで圧力約4.5バールまで膨張させる。スクラビング溶液中の約60%の化学結合不純物(二酸化炭素および硫黄化合物)は、膨張プロセス中に、400秒未満の後反応時間内および約125℃の反応温度で放出され、フラッシュ膨張装置F1のヘッドで、蒸気として、ライン6を介して除去される。こうした条件下で、スクラビング溶液中の化学結合したCOの割合は、85g/lから40g/lへ、硫黄化合物は6g/lから4g/lへ減少する。部分的に浄化されたスクラビング溶液を、この時点で、熱交換器W4へ、ポンプP2により、ライン2を介して供給し、熱媒体として熱油により温度約140℃まで加熱し、圧力6.5バールまで圧縮し、第2のフラッシュ膨張装置F2(第2の膨張段階)に流し、そこで圧力約5.5バールまで膨張させる。フラッシュ膨張中、化学結合したCOの割合は、40g/lから22g/lへ、硫黄化合物は4g/lから2.5g/lへ減少する。分離した不純物は、フラッシュ膨張装置F2のヘッドで、蒸気として、ライン6を介して除去された後、5.5から4.5バールへさらに圧力を減じる。これによって、蒸気中の水分含量が大幅に減少し、スクラビング溶液を精製するのに必要な全体のエネルギーが減少する。プラントの下部で、精製されたスクラビング溶液は、ライン3を介して除去され、2つの部分ストリームへとさらに分かれる。分岐ライン3bは、ループラインとして構成されていて、フラッシュ膨張装置F2へ戻される。ポンプP3と熱交換器W7は、この循環ライン3bに組み込まれていて、この熱交換器は、熱媒体として熱油により加熱される。従って、スクラビング溶液の部分ストリーム(18m/h)は、ライン3bを介して連続的にポンピングされ、循環する。循環するスクラビング溶液の温度は、介在する熱交換器W7により、約145℃で一定に維持される。こうした条件下で、スクラビング溶液中の化学結合したCOの割合は、22g/lから8g/lへ、硫黄化合物は2.5g/lから0.9g/lへ減少する。従って、生成されたスクラビング溶液には、二酸化炭素を除去するのに77g/lおよび硫黄化合物を除去するのに5.1g/lのローディング能力がある。必要であれば、追加のフラッシュ膨張段階(図示せず)を下流に取り付けると、スクラビング溶液のローディング能力を若干増大することができる。
【0029】
回路から除去された部分ストリームと、ライン1を介して供給された汚染スクラビング溶液の量の比は、0.2〜5である。部分ストリームライン3aを介して、約145℃の温度で除去されたある量のスクラビング溶液(9m/h)は、熱交換器W2を流れて、同時に、汚染スクラビング溶液を加熱する熱媒体として用いられ、約68℃まで冷やされる。スクラビング溶液は、下流熱交換器W5において、冷却水により、さらに冷やされ(22℃まで)、圧力の制御されたやり方で、分離器A1に運ばれる。この分離器において、4.5バールから標準圧力まで、さらに減圧がなされる。これによって、まだ化学的に結合していたCOの分解がなされ、最大可能な純度のスクラビング溶液が得られる。分離器A1のヘッドで流れ出たガス混合物(COと硫黄化合物)は、ライン9を介して除去される。
【0030】
二酸化炭素、水および硫黄化合物で構成され、フラッシュ膨張装置F1およびF2のヘッドで、蒸気として、ライン6を介して除去されたガス混合物を、熱交換器W1へ運び、汚染スクラビング溶液を加熱するための熱媒体として用い、プロセスにおいて、温度約60℃まで冷やす。ガス混合物を、下流熱交換器W6において、冷却水により平常温度(約25℃)まで冷やし、分離器A2へ流す。ライン7を介して、分離器A1へ運ばれたドーズ量の凝縮水は、この分離器に付着して、分離器において完全精製スクラビング溶液と混ざる。二酸化炭素と硫黄化合物で構成されたガスストリームは、ライン8を介して除去される。分離器A2の運転圧力は、フラッシュ膨張装置F1内の圧力(約4.5バール)にほぼ一致している。
【0031】
分離器A1に蓄積し、COおよび硫黄化合物を含まない完全精製スクラビング溶液(9m/h)を、バイオガス処理プラントのガススクラバーに、ポンプP4により、ライン4を介して供給する。精製スクラビング溶液のpHを、ライン4においてモニターし、ライン7により供給される凝縮水の量を、必要であれば、調整する。
【0032】
スクラビングプロセスは、公知の方法より明らかに高い特有の性能で実施することができる。その理由は、アミン含有スクラビング溶液の高いローディング能力による。従って、スクラビングプロセスに必要なスクラビング溶液の特定量は少ない。炭化水素(バイオガスに含まれるメタン)は、スクラビング溶剤において限られた範囲までしか溶解しないため、少量のスクラビング剤を用いると、少量の炭化水素が溶解して、精製バイオガスが、高い割合のメタンを含むようになる。
【0033】
熱交換器W3、W4およびW7は、熱媒体として熱油に外部から供給する手段により加熱する必要があるだけで、原則として、熱交換器W3を、始動期間に操作に投入すればよいので、汚染スクラビング溶液を再生するために提案された溶液はまた、エネルギー効率のよい作業方式ももたらす。熱油は、ライン5を介して供給および誘導される。熱交換器W1およびW2は、プロセスまたは精製スクラビング溶液に形成された熱蒸気により加熱される。さらに、熱水は、熱交換器W5およびW6における廃熱回収により生成され、他の目的に、例えば、バイオガス処理の熱交換媒体として用いることができる。冷却水は、熱水として、ライン10を介して供給および誘導される。ガスストリーム(COおよび硫黄化合物)は、ライン8および9を介して誘導され、他の目的に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス精製中に得られ、COと硫黄化合物が化学的に結合したアミン含有スクラビング溶液を再生する方法であって、汚染スクラビング溶液が、数段階で、毎回、高温まで加熱され、不純物が、プロセスにおいて、前記スクラビング溶液から除去され、精製スクラビング溶液が、廃熱回収により冷却される方法において、
a)前記汚染スクラビング溶液を、少なくとも110℃の温度まで加熱し、少なくとも4バールの圧力まで圧縮した後、第1の膨張段階において膨張させ、COおよび硫黄化合物の大部分が、前記スクラビング溶液からガスストリームとして除去され、
b)除去された前記スクラビング溶液を、少なくとも130℃の温度まで加熱し、少なくとも4バールの圧力まで圧縮した後、前記第1の膨張段階の膨張圧力よりも少なくとも0.5バール高い圧力まで、第2の膨張段階において膨張させ、まだ存在しているCOおよび硫黄化合物の大部分が、前記スクラビング溶液からガスストリームとして除去され、
c)前記第2の膨張段階において除去された前記スクラビング溶液を、低い70℃の温度まで冷却し、第3の膨張段階において標準圧力まで膨張させ、まだ存在している残渣量の可溶性COを除去し、この部分ストリームを、標準温度まで、完全精製スクラビング溶液として冷却し、
d)前記第1の膨張段階および/または第2の膨張段階後に除去された前記スクラビング溶液を、2つの部分ストリームへさらに分け、回路中の一方の部分ストリームを、各膨張段階に戻し、その温度および圧力を、関連した膨張段階の状態まで調整し、まだ存在している残渣量の硫黄化合物を、膨張中にこの部分ストリームから除去し、他方の部分ストリームを、プロセス工程b)またはc)のいずれかに従ってさらに処理する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プロセス工程a)およびb)に従って、前記膨張段階において蒸気として除去された二酸化炭素、水および硫黄化合物で構成されたガス混合物を、前記汚染スクラビング溶液を加熱するための熱媒体として用い、標準温度まで冷却することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
凝縮水を、標準温度まで冷却した前記ガス混合物(蒸気)から除去し、前記凝縮水を、ドーズ量で、完全精製スクラビング溶液と混合することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記汚染スクラビング溶液を、6〜12バールの圧力まで膨張させる前に圧縮し、1〜8バールの圧力まで膨張中に膨張させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセス工程a)およびb)による前記膨張段階において、フラッシュ膨張を実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の膨張において得られた前記精製スクラビング溶液を、前記汚染スクラビング溶液を加熱するための熱媒体として用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも前記第1および第2の膨張段階において除去された前記ガスストリームを、下流脱硫プラントで脱硫することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記スクラビング溶液に、前記第1の膨張段階中、超音波処理を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記精製スクラビング溶液のpHを測定し、前記膨張段階において、前記汚染スクラビング溶液の温度を調整するための制御変数として機能させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記膨張段階において、前記回路から除去された前記部分ストリーム対汚染スクラビング溶液に供給された量の比が、0.2〜5であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法を実施するためのシステムであって、前記スクラビング溶液を運ぶための循環ライン(1、2、3、3a、4)を計画し、第1のポンプ(P1)、少なくとも1つの熱交換器(W1、W2、W3)、連続して接続された少なくとも2つの膨張装置(F1、F2)および第1の分離器(A1)が、前記循環ラインへ、フローの方向へ組み込まれていて、第2のポンプ(P2)および下流熱交換器(W4)が、両膨張装置(F1、F2)間に配置されていて、ループライン(3b)が、前記膨張装置(F2)の少なくとも1つの下流の前記循環ライン(3)に組み込まれ、部分量の精製スクラビング溶液を前記回路から除去するために、前記膨張装置(F2)に接続されていて、第3のポンプ(P3)および熱交換器(W7)が、前記ループライン(3a)に組み込まれていることを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記蒸気を除去するためのライン(6)が、前記膨張装置(F1、F2)のヘッドに配置されていて、前記ラインが、前記凝縮水を除去するための第2の分離器(A2)に接続されていて、前記蒸気を冷却するための少なくとも1つの熱交換器(W1、W6)が、このラインに組み込まれ、前記第2の分離器が、前記第1の分離器(A1)に、凝縮水を運ぶためのライン(7)を介して接続されていることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記汚染スクラビング溶液を、必要な運転温度まで徐々に加熱するために連続して接続された3つの熱交換器(W1、W2、W3)が、前記第1の膨張装置(F1)の上流に配置されていて、前記第1の熱交換器(W1)は、前記蒸気を運ぶライン(6)に組み込まれ、前記第2の熱交換器(W2)は、前記精製熱スクラビング溶液を運ぶライン(3a)に組み込まれ、前記第3の熱交換器(W3)は、外部熱媒体により加熱可能、かつ間欠的にオンオフすることができることを特徴とする請求項11または12に記載のシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2010−540243(P2010−540243A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528281(P2010−528281)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006615
【国際公開番号】WO2009/092403
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(510097987)デーゲーエー デーエル.−インジェニエーア. ギュンター エンジニアリング ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】