説明

ガス遮断装置

【課題】器具流量の適切な登録を行い使用時間制限機能の適切化を図ることを目的とする。
【解決手段】流量を計測する流量検出手段10と、計測値より瞬時流量を流量演算手段11で演算し、求めた瞬時流量より平均流量を求める平均流量演算手段12と、求めた平均流量より流量変化有か否かを判定する流量変化判定手段13と、流量変化判定手段13で増加変化時に流量変化分を流量登録し、減少変化時に流量変化分に近い登録流量を減少補正する流量登録手段14と、登録流量の合計値を計算する登録流量合計手段15と、流量変化判定手段13で登録流量合計値と平均流量とが異なる場合、登録合計流量と平均流量とから流量差を演算し、減少流量登録手段14bにより登録流量を減少補正させ流量差がなくなる迄行なわせる流量差演算手段16と、登録流量と監視判定値とから異常判定手段17で異常と判定時にガス供給を遮断手段19で遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス遮断装置に関し、特に器具自体の流量制御により使用流量が変化した場合でも使用時間制限機能による誤遮断を防止するガス遮断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガス遮断装置としては、通過ガス量に対応した流量信号を出力する流量測定手段と、流量信号が増減したときに使用中の個別器具の増減を推定し、増減した器具の推定個別演算流量と使用した時間を出力する個別器具推定手段と、あらかじめ使用する個別器具の流量を登録し登録個別流量と使用時間を出力する個別流量登録手段と、登録個別流量を記憶する個別流量記憶手段と、増減した器具の推定個別演算流量が個別流量記憶手段の登録個別流量に含まれず、かつ増減した器具の継続使用時間が第1の所定時間以上続いた場合に個別異常信号を出力する異常流量判定部と、前記個別異常信号を受信して、ガス流量の異常を警告報知する報知手段、またはガス通路を遮断する遮断手段と、個別器具推定手段の器具の推定個別演算流量が個別流量記憶手段の登録個別流量に含まれず、かつ個別器具推定手段の器具の使用した時間が第2の所定時間よりも長く第1の所定時間よりも短い場合個別流量推定手段の推定個別演算流量を個別流量記憶手段に登録する常時個別流量登録手段とを備えたガス遮断装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1のガス遮断装置について図4を用いて簡単に構成を説明すると、101は流量測定手段で、ガスメーターに取り付けられた流量センサである。102は個別器具推定手段で、流量センサ1の流量信号を一定計測期間(30秒)の平均流量として演算し、この平均流量の増減をもとに使用中の個別流量の増減を推定し、増減した器具の推定個別演算流量Qと使用した時間を出力する。この個別器具推定手段102は、平均流量が増加した場合はその増加分のガス器具が使用されたと判断し、平均流量が減少した場合はその減少分のガス器具を止めたと判断し、使用中の個別器具を推定する。103は個別流量登録手段で、その家庭で使用する個別器具の流量(Qi)を予めインプットする設定器である。104は個別流量記憶手段で、個別流量登録手段103の個別器具の流量(Qi)と常時個別流量登録手段107の流量を順次Q1,Q2,Q3,・・・,Qnと記憶する。105は異常流量判定部で、個別器具推定手段102から出力される推定個別流量Qが個別流量記憶手段104の{Q1,Q2,Q3,・・・,Qn}に含まれず、かつ推定個別流量Qが第1の所定時間(10分)以上続けば、個別異常信号Eを出力する。106は報知手段あるいは遮断手段で、個別異常信号Eを受けて警告報知するLCDやLED、またはガス通路を遮断する遮断弁を備えている。107は常時個別流量登録手段で、個別流量推定手段102から出力される推定個別流量Qが第2の所定時間(3分)以上かつ第1の所定時間(10分)以内の場合前記推定個別流量Qを個別流量記憶手段104に出力する。
【0004】
次に従来例の構成の動作を説明する。流量測定手段101の流量信号をもとに平均流量を計算する。この平均流量と前前回の計測の平均流量との変化流量をもとめ、増加の変化か減少の変化かを判断し、それぞれの処理により推定個別演算流量Qをもとめる。増加減少処理の結果あらたに出現したこの推定個別演算流量Qが、個別流量記憶手段104に含まれるかどうかかつ、第1の所定時間(10分間)使用されたかどうかの判断をする。含まれずかつ、10分以上使用されれば報知手段または遮断手段106を動作させる。含まれずまたは、10分以上使用されなければ、それぞれ未登録流量か、3分以上使用されたか、10分以下の使用時間であるかを判断し、すべてに合致していれば、常時個別流量登録手段107は、個別流量記憶手段104に登録の処理を行なう。
【0005】
いま、複数器具の同時使用により、Qt(例としてQ2+Q3)という平均流量の増加があり、使用時間がたとえば7分、すなわち、7分後に平均流量が減少した場合には、個別器具推定手段102より推定個別流量Qtを出力される。この推定個別流量Qtは、常時個別流量登録手段107により使用時間が3分以上かつ10分以下ということで個別流量記憶手段104に登録される。以降、個別流量記憶手段104に登録されるので、この流量が10分以上出現しても、遮断することはない。すなわち、同時立ち上げするケースの多いガス器具による誤遮断を低減することができる。また、買い替え器具等による、新しい個別流量Qk(3分以上10分以下)があった場合には、個別器具推定手段102より推定個別流量Qkが出力される。この推定個別流量Qkは、常時個別流量登録手段107により使用時間が3分以上かつ10分以下ということで個別流量記憶手段104に登録される。
【0006】
以降、個別流量記憶手段104に登録されるので、この流量が10分以上出現しても遮断することはない。それぞれの家庭で使用する個別器具をあらかじめ記憶し、個別器具以外の流量によるガス漏れによる事故を未然に防ぐことができ、器具の同時立ち上げあるいは器具の買い替え等による誤遮断を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−44239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成では、個別流量記憶手段に登録された以外の流量が新たに検出された場合のガス通路の遮断、あるいは登録個別流量として新たに登録することで誤遮断を防止するという機能は有しているものの、個別器具推定手段は個別器具を推定する際、登録個別流量として登録している器具が器具自身の流量制御により正常範囲内で流量が少しづつ変化した状態で使用を停止した場合、登録時の個別流量と異なる値となり、登録個別流量を削除する際に間違って違う登録個別流量を削除してしまうケースがあり、この場合、登録個別流量の少ない方を削除し、多い方が残ってしまうと、器具を連続して使用可能な制限時間が短縮されることになり、予想以上に短い時間でガス遮断弁が作動してガスの供給を停止してしまうことになり、反対に登録個別流量の多い方を削除し、少ない方が残ってしまうと、連続使用制限時間が延長されることになり、使用流量の大きな器具を使用する場合等は安全性の面で課題を有することになる。
【0009】
例えば、シャワーなどを使用するとき給湯器は設定湯温に保つ為にガス流量を温度偏差に応じて制御し燃焼量を可変する場合があり、またファンヒータ等は一定室温に保つ為にガス流量を制御し燃焼量を可変する場合がある。このような場合、器具使用開始時に個別器具推定手段で求め個別流量登録手段に登録された推定個別演算流量が負荷変動に対応した燃焼量制御によりガス流量が徐々に減少し時間経過と共に初期の推定個別演算流量と差異が生じる場合がある。通常、複数器具使用中に他方の器具が使用停止或いは大きな流量変化が発生すると、その変化量に基づいて個別流量登録手段の推定個別演算流量を登録し直すが、上記使用形態の如く小さい変化率で徐々に変化する場合は推定個別演算流量の登録し直し処理が実行されず、器具使用停止や器具使用追加のタイミングで推定個別演算流量の登録し直し処理を行った場合に、燃焼量制御等で減少した実際の流量と登録された流量の合計値とが異なる場合があり、このような場合、登録された流量の合計値が実際の流量より多めの状態で監視されることになり、器具連続使用制限時間が短めにシフトされ誤遮断に繋がることになる。つまり、実使用流量とは異なった監視を行うため誤遮断を防止できないという課題を有していた。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するもので、器具使用停止を検出したとき、所定の登録個別流量を削除した後の登録個別流量と流量演算手段で求められる平均流量値を比較し所定以上の差が有る場合にその差分データに基づいて登録個別流量を補正することで、小さい変化率でガス流量が徐々に変化するような使用形態においても登録個別流量を実際の使用流量に近づけることができ、誤遮断がなく、安全性の高いガス遮断装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、異常発生時にガスの供給を遮断するガス遮断装置であって、流量を計測する流量検出手段と、前記流量検出手段の計測値より瞬時流量値を演算する流量演算手段と、前記流量演算手段で求めた瞬時流量より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量より流量変化の有無を判定する流量変化判定手段と、前記流量変化判定手段で検出した流量変化が増加時に流量変化分を流量登録すると共に、減少時に流量変化分に近い登録流量を減少補正する流量登録手段と、前記流量登録手段により登録された登録流量の合計値を計算する登録流量合計手段と、登録流量合計値が平均流量より大きい場合、登録合計流量と平均流量との流量差を演算し、流量登録手段により登録流量を減少補正させ前記流量差がなくなる迄行なわせる流量差演算手段と、器具の使用状態を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、前記流量登録手段の登録流量と前記監視値記憶手段の判定値とから異常の有無を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段での異常判定成立時にガスの供給を遮断する遮断手段とを備えたものである。
【0012】
上記発明によれば、器具が使用され器具流量が登録されている時、流量変化判定手段で流量変化と判定されない微少な流量変化が継続した後、何らかの器具が使用開始された時初めて流量変化と判断され流量登録手段に流量登録されるが、流量登録後登録流量合計値と平均流量との流量差がある場合には登録前に流量変化が発生したと判定し、登録流量合計値と平均流量との流量差を求め、登録された流量のうち最も近い登録流量より減少補正することにより、使用器具の合計流量と監視する流量登録値合計とが一致し対応した使用時間で監視することができ、誤って微少流量変化した流量を器具と間違って再登録しその流量を使用時間監視し早期に使用時間遮断し、ガス事業者の不要な出動回数が増大したり、暖房器具のように本来長時間使用可能であるのに短時間で停止し使い勝手の低下するのを防止することができ、かつ安全性の高い。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガス遮断装置は、複数器具使用し複数の器具流量が登録されている時、器具制御により流量変化判定手段で変化判定されない微小な流量減少が継続したり、或いは微少な流量増加が継続している状態で、何らかの器具が使用された場合、使用している全器具流量の平均流量と流量登録手段の合計流量との流量差で登録された流量値を減少補正し直したり、或いは登録流量を加算補正することにより、常に全使用器具の平均流量と流量監視する流量登録手段の合計流量とを常に一致させた状態で監視しており、監視する器具流量に不足がなく、継続的に微少流量変化した状態より何らかの器具使用開始、停止した時に登録流量を減少変化流量で減少補正が行われるが、この時に登録流量が大きい場合、減少補正しすぎたと判定して登録流量と減少変化流量との流量差を再登録し、その流量を使用時間監視し早期に使用時間遮断し、ガス事業者の不要な出動回数が増大したり、暖房器具のように本来長時間使用可能であるのに短時間で停止し使い勝手の低下するのを防止でき、信頼性や安全性の高いガス遮断装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態におけるガス遮断装置とガス器具の設置形態を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における遮断装置の制御ブロック図
【図3】本発明の実施の形態2における同ガス遮断装置の制御ブロック図
【図4】従来のガス遮断装置の制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、異常発生時にガスの供給を遮断するガス遮断装置であって、流量を計測する流量検出手段と、前記流量検出手段の計測値より瞬時流量値を演算する流量演算手段と、前記流量演算手段で求めた瞬時流量より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量より流量変化の有無を判定する流量変化判定手段と、前記流量変化判定手段で検出した流量変化が増加時に流量変化分を流量登録すると共に、減少時に流量変化分に近い登録流量を減少補正する流量登録手段と、前記流量登録手段により登録された登録流量の合計値を計算する登録流量合計手段と、登録流量合計値が平均流量より大きい場合、登録合計流量と平均流量との流量差を演算し、流量登録手段により登録流量を減少補正させ前記流量差がなくなる迄行なわせる流量差演算手段と、器具の使用状態を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、前記流量登録手段の登録流量と前記監視値記憶手段の判定値とから異常の有無を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段での異常判定成立時にガスの供給を遮断する遮断手段とを備えたもので、器具を使用開始したことを流量検出手段で検出し、流量演算手段で瞬時流量に換算し、平均流量を求め流量登録手段により流量登録されるが、複数の器具が使用され器具流量が登録されている時、器具の流量制御により流量変化判定手段で流量変化と判定されない微少な流量変化が長時間継続した後、何らかの器具が使用開始された時初めて流量変化と判断され流量登録手段に流量登録されるが、流量登録後に登録流量合計値と平均流量との流量差がある場合には登録前に流量変化が発生したと判定し、登録流量合計値と平均流量との流量差を求め、登録された流量のうち最も近い登録流量より減少補正することにより、使用器具の合計流量と監視する流量登録値合計とが一致し、即ち全ての使用器具の流量を流量登録させ、対応した使用時間で監視することができ、誤って微少流量変化した流量を器具と間違って再登録しその流量を使用時間監視し早期に使用時間遮断し、ガス事業者の不要な出動回数が増大したり、暖房器具のように本来長時間使用可能であるのに短時間で停止し使い勝手の低下するのを防止することができ、かつ安全性の高いガス遮断装置を実現することができる。
【0016】
第2の発明は、複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、異常発生時にガスの供給を遮断するガス遮断装置であって、流量を計測する流量検出手段と、前記流量検出手段の計測値より瞬時流量値を演算する流量演算手段と、前記流量演算手段で求めた瞬時流量より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量より流量変化の有無を判定する流量変化判定手段と、前記流量変化判定手段で検出した流量変化が増加時に流量変化分を流量登録すると共に、減少時に流量変化分に近い登録流量を減少補正する流量登録手段と、登録流量の合計値を計算する登録流量合計手段と、登録流量合計値と前記平均流量とから流量差を求める流量差演算手段と、平均流量から登録流量合計を引いた流量差がプラスの場合、前記流量変化判定手段による流量変化検出で登録された流量以外の最大の登録流量に求めた流量差を加算させる流量差加算手段と、器具の使用状態を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、流量登録手段の登録流量と監視値記憶手段の判定値とから異常の有無を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段での異常判定成立時にガスの供給を遮断する遮断手段とを備えたもので、器具を使用開始したことを流量検出手段で検出し、流量演算手段で瞬時流量に換算し、平均流量を求め流量登録手段により流量登録されるが、複数の器具が使用され器具流量が登録されている時、器具の流量制御により流量変化判定手段で流量変化と判定されない微少な流量変化が長時間継続した後、何らかの器具が使用開始された時初めて流量変化と判断され流量登録手段に流量登録されるが、流量登録後、登録流量合計値と平均流量との流量差がある場合には、登録前に流量変化が発生したと判定し、登録流量合計値と平均流量との流量差を求め、登録された流量のうち最も近い登録流量より加算補正することにより、使用器具の合計流量と監
視する流量登録値合計とが一致し、即ち全ての使用器具の流量を流量登録させ、対応した使用時間で監視することができ、誤って微少流量変化した流量を器具と間違って再登録しその流量を使用時間監視し早期に使用時間遮断し、ガス事業者の不要な出動回数が増大したり、暖房器具のように本来長時間使用可能であるのに短時間で停止し使い勝手の低下するのを防止することができ、かつ安全性の高いガス遮断装置を実現することができる。
【0017】
第3の発明は、第1または第2の発明の遮断装置の手段の全てもしくは一部をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、プログラムであるのでマイコン等を用いて本発明の遮断装置の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置とガス器具の設置形態を示す図、図2は同ガス遮断装置の制御ブロック図である。
【0020】
各家庭のガス供給管1の入口部分にガス遮断装置2が設置され、このガス遮断装置2を経由した後のガス配管3から分岐して、各家庭で使用する種々のガス器具が設置された場所まで配管され、ガスが供給される。例えば、屋外には給湯器4が設置され、この給湯器4で生成される湯が水配管を介して台所の給湯栓5、浴槽やシャワー装置が設置された風呂6、リビング等に設置された床暖房7に供給され、種々の使用形態を形成している。
【0021】
また、屋内にあっては、台所に設置されたガステーブル8、リビングや寝室等に設置されたガスファンヒータ9にガスが供給され、必要に応じて適宜使用される。
【0022】
そして、設置されたガス器具が使用されガスの消費が発生するとガス遮断装置2でその使用量が計測され、その使用量が検針値として累積記憶されている。このガス遮断装置2に記憶されたデータはガス事業者からの定期的なデータ要求指令に基づいて所定の情報処理を行った後、ガス料金やガス使用量あるいはガス事業者が提供する割引サービス等の情報として需要家及びガス事業者に使用される。
【0023】
そして、ガス遮断装置2には、ガス入口とガス出口を有したガス流路が形成され、ガス流量を計測する流量検出手段10が設けられている。なお、流量検出手段10としては種々の方式があり、本実施の形態で示す流路内に設置された一対の超音波センサで超音波信号を一方から他方に発信し、その伝搬時間より使用ガス流量を検出するものや、流路内に熱線式センサを設け、流れにより変化するインピーダンスより流量を求めるもの、さらには、計量膜によりガス量を検出し、計量膜の機械的動作を磁石とリードスイッチあるいは磁気抵抗素子等により電気的パルス信号として流量を検出するものがある。
【0024】
そこで、超音波センサを用いた流量検出手段10について簡単に説明すると、超音波を送信または受信する第1送受信器と、受信または送信する第2送受信器が流れ方向に対抗して配置され、制御回路によって送受信の切り換えが可能になっている。この第1送受信器と第2送受信器の信号を処理して流量を計測するもので、上流から下流に超音波を送信する。そして、第2送受信器で受信し計時手段で伝搬時間を計測する。
【0025】
次に、切換手段で下流から上流に向かって超音波信号を送信し、伝搬時間を計測する。そして、第1送受信器と第2送受信器との超音波の伝搬時間差から流路の大きさや流体の
流れ状態に対応した流量係数を掛けて流量演算手段11で流量値を求める。流量は瞬時流量値として予め定めた周期毎に求められる。
【0026】
そして、所定周期毎に計測し求めた瞬時流量値は平均流量演算手段12に入力され、所定個数の瞬時流量値を集合して平均流量値として算出される。この平均流量値より流量変化判定手段13で器具流量有無の変化を判定する。今回求めた平均流量と前回の平均流量より変化判定を行う。その後、今回の平均流量は時系列的に流量変化判定手段13に記憶される。即ち、流量変化判定手段13では、今回平均流量演算手段12で算出された平均流量値と前回の平均流量とを比較して、予め定めた以上の変化流量或いは流量変化率があるか否かを判定し、器具の使用開始有無、或いは流量変化有無を判断する。例えば、需要家が給湯器4を使用すると流量値はゼロから所定の流量まで変化、あるいは他の器具を使用中に給湯器4等が使用されると求めた平均流量と前回の平均流量とから流量変化率あるいは流量変化量が所定以上あったか否かで器具の使用/停止、或いは流量変化の有無を判断する。
【0027】
そして、流量変化判定手段13で流量変化が検出されると、器具の使用開始か、あるいは器具の使用停止かを判断し、器具が使用された場合は流量変化分を流量登録手段14に登録流量値として設定する。ここで流量登録手段14は、増加流量登録手段14aと減少流量登録手段14bとからなる。流量増加側の変化が検出される度に器具が追加使用されたと判定して、都度流量変化分を新規に流量登録値として設定する。反対に、器具の使用が停止された場合は流量登録手段14に登録されている登録流量値のうち流量変化分に近い登録流量値をその器具が停止されたと判定し流量登録値より削除し、登録流量を大きい順番に再度変更登録する。
【0028】
この削除処理も同様に、流量減少側の変化が検出される度に器具の使用が停止されたと判断して都度、登録流量値の削除処理を実行する。流量変化量が登録流量値と一致しない場合、各登録流量と流量変化量との差で最も小さい登録流量、或いは各登録流量と流量変化量との差と登録流量との変化割合を求め、最も小さい変化割合の流量値を流量変化値で減少補正し、最も近い器具の流量変化と判定し登録値を昇順に変更する。
【0029】
次に、登録流量合計手段15では、流量登録手段14で登録された流量値の合計流量を求める。流量差演算手段16は、登録流量合計手段15での登録流量の合計値と平均流量演算手段12で求めた使用器具全体の平均流量とから流量差の有無を求め、ある場合その流量差を求める。登録合計流量から平均流量を引きプラスの流量差がある場合、流量差を流量登録手段14の減少流量登録手段14bに再入力し、登録される前に登録されていた器具流量のうち最も近い登録流量より減少補正する。
【0030】
即ち、器具増加による流量変化で登録された場合、その直前まで登録され使用していた器具が制御により流量変化検出されない微小な流量変化を長時間された場合、登録時点で登録合計値より実際の平均流量が少ない場合があり、検出した流量差は既に登録されていた流量のいずれかが変化したと判定し、最も近い登録流量を求め減少補正する。そして、この流量差がなくなるまでこの補正を繰り返し実施する。
【0031】
そして、異常判定手段17は、設定された登録流量で使用器具の監視を行う。監視値記憶手段18は、流量域毎に対応した使用時間の制限時間値、あるいは使用最大流量の監視判定値等が記憶されている。例えば、ストーブ等へガスを供給するホースが何らかの原因で外れた時、異常な大流量が発生するが、そのような状態を監視するための合計流量遮断値や、器具の通常使用する最大使用時間よりはるかに長く使用された場合に対応して使用時間の制限時間を規定した使用時間遮断の制限時間等を監視値記憶手段18に記憶している。この設定値と流量登録手段14の登録流量値とを異常判定手段17で比較判定するこ
とで、登録流量値が使用最大流量値を超えていないか、或いは器具の使用時間が登録流量に対応した連続使用の制限時間を超えていないか等監視する。この異常判定手段17で異常成立と判定した時遮断手段19に遮断信号を送ってガス供給を停止する。また、報知通信手段20は、遮断状態や遮断内容を液晶表示素子等に表示すると共にガスの安全監視を行っているガス事業者のセンターに電話回線等の通信により通報する。
【0032】
次に、以上のように構成されたガス遮断装置2の動作を説明する。需要家宅で保有しているガス器具、例えば、給湯器4やガスファンヒータ9等が使用されるとその流量を流量検出手段10で検出する。例えば超音波センサを用いた場合は超音波信号の伝搬時間が検出値として計測され、この信号が流量演算手段11に送られて瞬時流量値として換算され、平均流量演算手段12で所定個数毎の平均流量値として演算される。求められた平均流量は流量変化判定手段13で定期的に器具流量変化有無の判定を行う。流量変化判定手段13では流量変化判定後、時系列的に複数個記憶される。この流量変化判定手段13に記憶された過去の平均流量(例えば、前回、或いは前々回とか、N回前の平均流量記憶値等)と今回の平均流量とから流量変化の有無を求める。
【0033】
つまり、所定間隔で出力される平均流量値を用いてその変化状態から器具の使用あるいは器具の停止を判断するとともに、その変化時の流量変化分をもって使用器具の登録流量とし、流量登録手段14に新規登録したり、既に登録済みの登録流量を減少補正、或いは削除したりすることで、変化時点の使用器具に対応した登録流量を正確に設定することができる。
【0034】
例えば、給湯器4を使用すると例えば過去流量零の場合、1500L/h等の流量に変化するが、その変化を今回の平均流量と過去の平均流量とを比較し変化有無を求める。その変化率或いは変化量が所定以上の場合変化有として、何らかの器具使用有と判定して流量登録手段14に登録する。或いは、ガステーブル8使用中に給湯器4を使用すると流量変化判定手段13の過去流量にガステーブル8の流量が記憶されており、流量変化判定手段13では今回の平均流量と過去流量記憶値とから変化流量を求め、同様に現在の流量からの変化率、或いは変化流量が所定以上の場合に変化有りとして変化流量を流量登録手段14に登録する。
【0035】
ここで流量登録手段14では流量変化有時求めた平均流量が、増加流量登録手段14aと減少流量登録手段14bに入力される。流量変化判定手段13で流量増加と判定信号が入力されると前回の平均流量との増加流量が流量登録される。又、複数の器具使用中に、いずれかの器具が使用停止されたり、流量が変化すると流量変化判定手段13では過去の流量記憶値と平均流量とから減少変化かを判定し、その減少変化流量を出力し、流量登録手段14は減少変化流量より登録された流量のうち最も近い流量登録値を削除したり、或いは削減する。流量変化量が登録流量値と一致しない場合、各登録流量と流量変化量との差で最も小さい登録流量、或いは各登録流量と流量変化量との差と登録流量との変化割合を求め、最も小さい登録流量を流量変化値で減少補正し、最も近い器具の流量変化と判定し登録値を昇順に変更する。
【0036】
そして、登録された全ての流量値は、登録流量合計手段15で加算され合計流量が求められる。流量差演算手段16では求めた平均流量と登録流量合計値とから流量差を求める。流量差が零でない場合、使用器具流量が監視されるべき流量登録手段14に流量登録されていないと判定し、流量差分の流量で再度登録流量の補正を行う。
【0037】
複数の器具が使用され流量登録手段14に流量登録されている時、更に何らかの器具が使用され流量増加した時、その挙動を流量変化判定手段13で検出すると流量変化分を流量登録手段14の増加流量登録手段14aにより登録される。しかし、登録される直前ま
で既に使用している器具が流量制御され、流量変化判定手段13で検出されない微少な流量変化が長時間継続されていた場合、登録時点で、登録合計流量と平均流量とが異なっている。
【0038】
即ち、登録合計流量より器具使用の平均流量を差し引いた流量差がプラスの場合、登録されている器具流量のいずれかが流量変化し少なくなっていると判定する。求めた流量差で流量登録手段14の減少流量登録手段14bにより減少補正される。この処理により登録流量と平均流量とが一致する。もし、複数器具流量が登録されている場合、求めた流量差分流量が登録されている流量のどちらか、あるいはもっと近い登録流量はいずれかかを判定する。
【0039】
例えば、(登録流量−流量差)/登録流量のように登録流量からの変化度合いを求め、最も小さい流量の器具が流量変化を生じたと判定される。従って、生じた流量差を、流量変化を起したと判定される登録流量より減少補正する。もし減少補正し、流量差が残った場合、次に近い流量登録値より減少補正する。結果、流量差が無くなるまで補正する。
【0040】
ガステーブル8やガスファンヒータ9を使用中に給湯器4の使用を開始する使用形態において、床暖房等に使用した場合は運転初期の負荷が大きい場合と安定状態の負荷が小さい場合、或いはシャワー等で最初水温と設定温度との差が大きい時から湯温が安定すると燃焼量が大きく変化する。このような場合、流量登録手段14の増加流量登録手段14aによりガステーブル8やガスファンヒータ9の増加流量が登録されている状態で、更に給湯器4の流量が登録される。給湯器4の運転初期に流量変化有として給湯器4の使用流量が、即ちこの時点の平均流量値が登録流量として流量登録手段14に登録される。
【0041】
そして、運転が継続されると室温が安定化すると、燃焼量すなわちガス流量が比例制御により減少方向に制御されるが、徐々に変化する場合があり流量変化判定手段13で変化有と判定できない微小な変化が長時間継続する。このような場合、流量変化がないため流量登録手段14の登録値は変化しない。そして、給湯器4を停止すると、流量変化判定手段13により流量が減少方向と判定され、減少流量登録手段14bにより減少した流量に相当する登録流量が削除される。
【0042】
この時流量変化判定タイミング毎、或いは平均流量を求める毎登録流量の合計値を演算しており、器具変化によって、新たに求まった平均流量と登録流量の合計値とが一致するように、流量差分を求め、もし流量差があり登録流量が少ない場合、新たな流量として登録され、逆に登録流量が大きい場合、登録流量の最も小さい登録流量より流量差分だけ減少補正し、再登録される。即ちガステーブル8やガスファンヒータ9の流量が、実際は使用しているが、給湯器4の流量変化しない流量減少の結果、流量登録された合計流量値と検出された平均流量値(即ち実流量の全体流量値)とが一致しない状態で流量監視されるのを防止している。
【0043】
そして、異常判定手段17はこの再設定された登録流量で監視値記憶手段18内の該当の使用時間制限時間を参照して使用器具を監視する。監視時間が経過し異常発生時、遮断手段19を作動させてガスの供給を停止することで安全性を確保するようにしている。
なお、本実施の形態に使用した数値限定は一例であり、又、使用形態も本実施の形態に限定されるものではない。
【0044】
以上のように、流量変化判定手段13で所定以上の流量変化が検出されない程度の微小な流量減少状態より、何らかの器具が使用開始されるという大きな流量変化を検出した時、流量変化により登録された流量以外の、既に登録されている流量の器具が既に減少制御を行っていたと判定し、登録流量の合計流量値と実際の全使用器具の平均流量との流量差
を求め、求めた流量差で既に登録された流量を減少補正し登録し直すことにより、常に全登録流量合計値と実際の使用中の器具流量とが一致し、その状態で登録された最大流量を異常判定手段17で監視することができ、使用器具に対応した適切な使用制限機能を確保することでき、実際の平均流慮と登録流量減少補正されない為に誤った使用時間監視による誤遮断を防止でき、又、器具の異常使用であるのに遅く遮断したり、逆に早期に遮断するのを防止でき、安全性や信頼性が極めて高く、かつ早期遮断によるガス事業者の不要な出動を削減することができ、使い勝手が高い。
【0045】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置の制御ブロック図であり、図1、図2及び図4と同一機能を有するものは同一符号を付す。
【0046】
図3で、21は流量差加算手段で、流量変化判定手段13で流量変化検出し流量登録手段14で流量登録した際、登録流量合計手段15と平均流量演算手段12の出力とより流量差演算手段16で流量差を求め、何らかの流量差があった場合、流量登録補正要求を出力する。即ち、この場合流量差が流量変化直前までに発生していたことより、流量変化判定手段13で検出されない微小な変化が継続して発生したと判定し、その流量差分を既に登録されている登録流量のうち最も大きい流量値に加算補正する。
【0047】
次に、以上のように構成されたガス遮断装置2の動作を説明する。需要家宅で保有しているガス器具、例えば、給湯器4やガスファンヒータ9等が使用されるとその流量を流量検出手段10で検出する。例えば超音波センサを用いた場合は超音波信号の伝搬時間が検出値として計測され、この信号が流量演算手段11に送られて瞬時流量値として換算され、平均流量演算手段12で所定個数毎の平均流量値として演算される。求められた平均流量は流量変化判定手段13で定期的に器具流量変化有無の判定を行う。流量変化判定手段13では流量変化判定後、時系列的に複数個記憶される。この流量変化判定手段13に記憶された過去の平均流量(例えば、前回、或いは前々回とか、N回前の平均流量記憶値等)と今回の平均流量とから流量変化の有無を求める。
【0048】
つまり、所定間隔で出力される平均流量値を用いてその変化状態から器具の使用あるいは器具の停止を判断するが、その流量変化が増加時、流量変化分をもって使用器具の登録流量とし、流量登録手段14に新規登録する。逆に流量変化が減少時、流量変化分の流量値が既に登録済みの登録流量と最も近いものを選択し減少補正する。
【0049】
例えば、過去流量零の状態で給湯器4を使用する場合、1500L/h等の流量に変化するが、その変化を今回の平均流量と過去の平均流量とを比較し変化有無を求める。その変化率或いは変化量が所定以上の場合に変化有として、何らかの器具使用有と判定して流量登録手段14に登録する。或いは、ガステーブル8使用中に給湯器4を使用すると流量変化判定手段13の過去流量にガステーブル8の流量が記憶されており、流量変化判定手段13では今回の平均流量と過去流量記憶値とから変化流量を求め、同様に現在の流量からの変化率、或いは変化流量が所定以上の場合に変化有りとして変化流量を流量登録手段14に登録する。
【0050】
ここで、流量登録手段14では流量変化有時求めた平均流量が、増加流量登録手段14aと減少流量登録手段14bに入力される。流量変化判定手段13で流量増加と判定信号が入力されると前回の平均流量との増加流量が流量登録される。又複数の器具使用中に、いずれかの器具が使用停止されたり、流量が変化すると流量変化判定手段13では過去の流量記憶値と平均流量とから減少変化かを判定しその減少変化流量を出力し、流量登録手段14は減少変化流量より登録された流量のうち最も近い流量登録値を削除したり、或いは削減する。流量変化量が登録流量値と一致しない場合、各登録流量と流量変化量との差
で最も小さい登録流量、或いは各登録流量と流量変化量との差と登録流量との変化割合を求め、最も小さい登録流量を流量変化値で減少補正し、最も近い器具の流量変化と判定し登録値を昇順に変更する。
【0051】
そして、登録された全ての流量は、登録流量合計手段15で加算され合計流量が求められる。流量差演算手段16では求めた平均流量と一致しているかを判定する為に、登録流量合計値とから流量差を求める。流量差が零でない場合、使用している器具が温度制御等のために流量変化し、結果登録流量と一致しない場合がある。何らかの器具を使用開始することによる流量変化を検出した場合、変化直前の平均流量から流量変化検出後の平均流量が新しく使用開始した器具流量として登録される。その時、登録流量合計手段15と登録時点の平均流量との流量差を流量演算手段16で求める。この時、流量差が零でない場合、既に登録されている器具の流量が器具の制御機能により変化したと判定する。流量差演算手段16で求めた流量差がプラスの場合、即ち平均流量から登録流量合計を引いた流量差がプラスの場合、流量変化検出により新たに登録された流量を除き流量差加算手段21により、既に登録されている流量に加算される。もし複数の流量が登録されている場合、大きい流量が登録されている方に加算する。即ち流量が大きい方が器具制御を行う器具と判定する。このようにして常に実際の流量(平均流量)と登録流量とを一致させて使用監視するようにしている。
【0052】
ガステーブル8やガスファンヒータ9を使用中に給湯器4の使用形態において、床暖房等に使用した場合は運転初期の負荷が大きい場合と安定状態の負荷が小さい場合、或いはシャワー等で最初水温と設定温度との差が大きい時から湯温が安定すると燃焼量が大きく変化する。このような場合、流量登録手段14の増加流量登録手段14aによりガステーブル8やガスファンヒータ9の増加流量が登録され、更に給湯器4の流量が登録される。給湯器4の運転初期に流量変化有として給湯器4の使用流量が、即ちこの時点の平均流量値が登録流量として流量登録手段14に登録される。
【0053】
そして、運転が継続されると室温が安定化すると、燃焼量すなわちガス流量が比例制御により減少方向に制御される。その後部屋のドアや窓を開放されたりすると、室温が徐々に低下しガス流量が比例制御により増加方向に制御される。この時流量変化判定手段13で検出されない程度の増加流量の場合がある。このような流量変化判定手段13で変化有りと判定できない微小な変化が長時間継続している時は、流量登録手段14に登録されている流量と定期的に求めた平均流量とが不一致となる。このような時に別の器具が使用された場合、まず流量変化による変化流量分を、器具流量として流量登録手段14に先に登録し、次に徐々に増加した流量分を登録流量合計値と平均流量との流量差分として流量差演算手段16で求める。この流量差分は新しく流量登録する前に既に登録されていた器具の流量の変化流量として、流量差加算手段21により流量差分を加算させるために出力する。流量登録手段14の増加流量登録手段14aでは新規登録せずに前述の過去の登録流量に加算する。結果平均流量と登録合計流量とが一致する。また新しく登録する前の登録流量が複数存在する場合、徐々に増加した流量差分は登録流量のうちの大きい方に加算する。即ち大きい流量の器具の方が比例制御等の電子制御搭載の場合が多いためである。
【0054】
そして、異常判定手段17はこの再設定された登録流量で監視値記憶手段18内の該当の使用時間制限時間を参照して使用器具を監視する。監視時間が経過し異常発生時、遮断手段19を作動させてガスの供給を停止することで安全性を確保するようにしている。
なお、本実施の形態に使用した数値限定は一例であり、又使用形態も本実施の形態に限定されるものではない。
【0055】
以上のように、流量変化判定手段13で所定以上の流量変化が検出されない時に徐々に流量の増加変化がある場合、何らかの器具使用のタイミングにより、既に登録されている
器具の制御による変化流量と判定して、流量差分を登録された器具流量に加算補正し、流量登録手段14の合計値と実際の使用中の器具流量とを一致させた状態で、最大の登録流量を異常判定手段17で監視することができ、使用器具に対応した適切な使用制限機能を確保することでき、誤った使用時間監視による誤遮断を防止でき、又器具の異常使用であるのに遅くする遮断したり、逆に早期に遮断するのを防止でき、安全性や信頼性が極めて高く、かつ早期遮断によるガス事業者の不要な出動を削減することができ、使い勝手が高い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明に係るガス遮断装置は、使用量が微少に変化する器具の使用時間の制限機能を適切化に図るものであり、水道メータでの水量監視やディジタル電力メータの器具毎の使用電気量監視等の器具監視装置全般に適用できるものである。
【符号の説明】
【0057】
10 流量検出手段
11 流量演算手段
12 平均流量演算手段
13 流量変化判定手段
14 流量登録手段
15 登録流量合計手段
16 流量差演算手段
17 異常判定手段
18 監視値記憶手段
19 遮断手段
20 報知通信手段
21 流量差加算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、異常発生時にガスの供給を遮断するガス遮断装置であって、流量を計測する流量検出手段と、前記流量検出手段の計測値より瞬時流量値を演算する流量演算手段と、前記流量演算手段で求めた瞬時流量より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量より流量変化の有無を判定する流量変化判定手段と、前記流量変化判定手段で検出した流量変化が増加時に流量変化分を流量登録すると共に、減少時に流量変化分に近い登録流量を減少補正する流量登録手段と、前記流量登録手段により登録された登録流量の合計値を計算する登録流量合計手段と、登録流量合計値が平均流量より大きい場合、登録合計流量と平均流量との流量差を演算し、流量登録手段により登録流量を減少補正させ前記流量差がなくなる迄行なわせる流量差演算手段と、器具の使用状態を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、前記流量登録手段の登録流量と前記監視値記憶手段の判定値とから異常の有無を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段での異常判定成立時にガスの供給を遮断する遮断手段とを備えたガス遮断装置。
【請求項2】
複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、異常発生時にガスの供給を遮断するガス遮断装置であって、流量を計測する流量検出手段と、前記流量検出手段の計測値より瞬時流量値を演算する流量演算手段と、前記流量演算手段で求めた瞬時流量より平均流量を求める平均流量演算手段と、前記平均流量演算手段で求めた平均流量より流量変化の有無を判定する流量変化判定手段と、前記流量変化判定手段で検出した流量変化が増加時に流量変化分を流量登録すると共に、減少時に流量変化分に近い登録流量を減少補正する流量登録手段と、登録流量の合計値を計算する登録流量合計手段と、登録流量合計値と前記平均流量とから流量差を求める流量差演算手段と、平均流量から登録流量合計を引いた流量差がプラスの場合、前記流量変化判定手段による流量変化検出で登録された流量以外の最大の登録流量に求めた流量差を加算させる流量差加算手段と、器具の使用状態を監視する判定値を記憶する監視値記憶手段と、流量登録手段の登録流量と監視値記憶手段の判定値とから異常の有無を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段での異常判定成立時にガスの供給を遮断する遮断手段とを備えたガス遮断装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遮断装置の手段の全てもしくは一部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−249514(P2010−249514A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95819(P2009−95819)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】