説明

ガラス含有熱転写シート

【課題】 本発明は、ガラス含有成形用組成物を用いて押出成形法で作製された、40〜70重量%のガラス配合率で含有されているガラス含有保護層を有するガラス含有熱転写シートの構造とその特性及び物性を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のガラス含有熱転写シートは、シート状基材の上に離型層、保護層及び接着層が積層状に設けられてなるガラス含有熱転写シートであって、前記保護層が熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%の球状ガラス粉末と機能性充填剤を含有しており、その表面が前記熱可塑性樹脂からなる平坦部、その熱可塑性樹脂に被覆された多数の球状ガラス粉末により形成される球状凸部からなり、この平坦部及び球状凸部から前記機能性充填剤の一部が突出していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品、家具などに使用する成形品、化粧合板等に使用する球状ガラス粉末が含有されている保護層を有するガラス含有熱転写シートに関する。更に詳しくは、熱可塑性樹脂中に40〜70重量%のガラス配合率で前記球状ガラス粉末が含有されている保護層を有するガラス含有熱転写シートに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国におけるフィルム・シート、容器、機械器具・部品、板等のプラスチック製品の生産実績は、平成14年が約583万トンで平成18年が約639万トンであり、過去5年間の間に9.6%の増加を示しており、平均で毎年1.9%ずつ増加し続けている。
上記プラスチック成形体のうち、特に容器は平成14年が約64万トン(全生産量の11%)で平成18年が約82万トン(全生産量の13%)であり、過去5年間の間に28.1%の増加を示し、平均で毎年5.6%ずつ増加し続けている。
【0003】
ところで、平成16年の日本のプラスチック生産量は約1408万トンに達しており、プラスチックの中で熱可塑性樹脂の生産量が上位を占めており、プラスチックの生産量の約90%が熱可塑性樹脂であり、その生産量が今後も伸びることが予想される状況にある。
本発明の発明者は、今日、地球規模の課題として喫緊に解決を迫られている、二酸化炭素等の地球温暖化問題、有限な石油資源の枯渇問題等をなんとか解決したいとの思いで日々熟慮を重ね続けた結果、一つの解決策として、熱可塑性樹脂にガラス粉末を大量に配合、例えば、70重量%のガラス粉末を配合させて押出機で混練し押出して成形用組成物が成形できるならば、熱可塑性樹脂の使用量が70%削減でき、そして、二酸化炭素の排出量が70%削減できるということに思い至ったものである。
【0004】
そこで、発明者は、本願出願前に、発明の名称「ガラス含有成形用組成物及びその製造方法」の発明を特願2008−129263号として特許出願しており、その発明の目的は、熱可塑性樹脂中にガラス粉末の配合率の増加により起きる、流動性の急激な低下の原因を取り除くことにより、熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%のガラス粉末を配合しても成形を可能とする成形用組成物及びその製造方法、そして、その成形用組成物の有する特性を提供すること、そして、地球規模の課題として緊急に解決を迫られている、二酸化炭素等の地球温暖化問題、有限な石油資源の枯渇問題の一つの解決策を提供することを目的としたものであり、その発明により熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%で球状ガラス粉末を含有させた成形用組成物の成形が可能となった。
【0005】
従来の成形技術では熱可塑性樹脂中に40重量%以上のガラス配合率で球状ガラス粉末を含有させた成形用組成物を成形することができなかったので、該ガラス含有成形用組成物を用いて押出成型法で作製された、前記ガラス含有熱転写シートに用いられる熱可塑性樹脂中に球状ガラス粉末を含有した保護層(以下、「ガラス含有保護層」という。)は当然ながら知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明者は、前記ガラス含有成形用組成物を成形して、その成形用組成物を用いて押出成形法で前記40〜70重量%のガラス配合率で含有されているガラス含有保護層を作製し、シート状基材の上に離型層、その上にガラス含有保護層、そして、接着層を積層してガラス含有熱転写シートを作製して、該ガラス含有熱転写シートの特性及び物性を調べたところ、従来の感熱シートにはない新規な特性及び物性があることが分かり、本発明を完成したものである。
【0007】
それ故に、本発明は、前記ガラス含有成形用組成物を用いて押出成形法で作製された、40〜70重量%のガラス配合率で含有されているガラス含有保護層を有するガラス含有熱転写シートの構造とその特性及び物性を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、請求項1に係る発明のガラス含有熱転写シートは、シート状基材の上に離型層、保護層及び接着層が積層状に設けられてなるガラス含有熱転写シートであって、前記保護層が熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%の球状ガラス粉末と機能性充填剤を含有しており、該保護層の表面が前記熱可塑性樹脂からなる平坦部、その熱可塑性樹脂に被覆された多数の球状ガラス粉末により形成される球状凸部からなり、この平坦部及び球状凸部から前記機能性充填剤の一部が突出していることを特徴とする。
請求項2に係る発明のガラス含有熱転写シートは、前記シート状基材が熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%の球状ガラス粉末を含有するフィルムであることを特徴とする。
請求項3に係る発明のガラス含有熱転写シートは、前記シート状基材が紙、又はセロファン、PET、PA、PIのフィルムより一つを選択したことを特徴とする。
請求項4に係る発明のガラス含有熱転写シートは、前記機能性充填剤が、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、電磁波シールド剤、導電剤より選択した1種類又は2種類以上であることを特徴とする。
請求項5に係る発明のガラス含有熱転写シートは、前記機能性充填剤の粒径が、前記球状ガラス粉末より小さいことを特徴とする。
請求項6に係る発明のガラス含有熱転写シートは、前記ガラス含有保護層に印刷又は金属蒸着が施されていることを特徴とする。
請求項7に係る発明のガラス含有熱転写シートは、前記球状ガラス粉末の平均粒径が2〜40μmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のガラス含有保護層を有するガラス含有熱転写シートは、従来の技術では熱可塑性樹脂中に40重量%以上のガラス粉末を配合させて成形することが不可能とされていたガラス含有成形用組成物が、40〜70重量%のガラス配合率のガラス粉末を含有させて成形することが可能となり、その組成物を用いた押出成形法で作製した該ガラス含有熱転写シートも得ることが可能となった。
そのことにより、前記ガラス含有熱転写シートを焼却する際に、排出される二酸化炭素の排出量を最大で70%削減することができ、地球規模の課題である二酸化炭素による地球温暖化問題を解決する技術として貢献度が大きい。
また、本発明は、熱可塑性樹脂、即ち、石油の使用量を最大で70%削減することができ、地球規模の課題である有限な石油資源の枯渇問題に対処する技術として貢献度が大きい。
【0010】
そして、本発明は、前記成形体の焼却後に残った最大で70%のガラス粉末を樹脂に含有させて、再度ガラス含有成形用組成物を成形することで、70%のガラス粉末を何度でもリサイクルすることができ、循環型社会を形成する技術として貢献度が大きい。
更に、球状ガラス粉末の原料は日本に豊富にある資源であり、その材料費は低廉であるので、今日の高騰を続ける石油の代替可能な原料として有望である。
【0011】
本発明のガラス含有熱転写シートは、最終製品である家電製品、家具などに使用する成形品、化粧合板等の表面に転写して、その転写した表面のガラス含有保護層は、その表面硬度が2H以上と硬いので、該最終製品、例えば、床に敷くゴムシート等が傷つくのを保護することができる。
そして、前記転写した表面のガラス含有保護層に形成されている球状凸部から機能性充填剤の一部が突出しているので、機能性充填剤が備える抗菌作用、帯電防止作用、電磁波シールド作用、そして、導電作用が有効に発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
最初に、本願出願前に出願した特願2008−129263号(発明の名称「ガラス含有成形用組成物及びその製造方法」(以下、「先願発明」という。)のガラス含有成形用組成物の内容を説明して、その後に、本発明の「ガラス含有熱転写シート」を説明する。
前記ガラス含有成形用組成物の内容を説明するのは、前記ガラス含有熱転写シートの保護層及びシート状基材が前記ガラス含有成形用組成物を用いて押出成形法で作製されるものなので、該ガラス含有成形用組成物をどの様にして成形するのか説明することで、ガラス含有率40〜70重量%のガラス粉末及び熱可塑性樹脂の素材から、ガラス含有成形用組成物が成形できることを理解しやすくするためである。
【0013】
(前記ガラス含有成形用組成物)
図1は先願発明のガラス含有成形用組成物を成形し、その組成物を製造する製造方法に用いられる押出機の一例である単軸押出機の縦断面図である。前記押出機によりガラス配合率40〜70重量%の球状ガラス粉末と熱可塑性樹脂を混練して押出してガラス含有成形用組成物が成形される。
【0014】
図1の単軸押出機を参照しながら、40〜70重量%の球状ガラス粉末と熱可塑性樹脂を混練して押出して、ガラス含有成形用組成物を成形する工程を説明する。
先願発明の実施形態に用いる単軸押出機の主要構造は、ホッパー、モーター、減速機、スクリュー、シリンダー、ヒーター・ブロワー(加熱・冷却装置)等から構成されていて、シリンダーの先端にアダプターを介してノズルダイが取り付けられている。従来の熱可塑性樹脂のみの混練、押出工程の場合には、ホッパーに投入された熱可塑性樹脂の成形材料(以下、「ペレット」という。)がスクリューのねじ山に沿って右側に送り出されていくが、樹脂の種類に応じてヒーター温度が設定されている。
【0015】
前記単軸押出機は、供給材料であるペレットと球状ガラス粉末を投入する2個のホッパーが備えられている。図1に示す押出機のホッパーを左側から順に第1、第2ホッパーと称し、第1ホッパーには熱可塑性樹脂のペレットが投入され、押出機の中間部付近に設けられている第2ホッパーには、球状ガラス粉末が投入される。第2ホッパーの配置位置は、第1ホッパーよりスクリューバレル内に供給されたペレットが、スクリューによる混練搬送に伴って溶融状態になる位置に設けてある。
【0016】
前記第1及び第2ホッパーが備えられた押出機は、樹脂材料と複数種類の充填剤、顔料等を配合して押出成形するものとして従来から知られているが、先願発明の第1及び第2ホッパーと従来のそれとの違いは、従来の第2ホッパーでは、ペレットの配合量に対して充填剤等のその配合率が極めて少ないので小型のホッパーが用いられているが、先願発明の第2ホッパーは球状のガラス粉末を大量に投入するので、その第2ホッパーの大きさはペレットの第1ホッパーと同等かそれより大きいものを用いる点、該ホッパーの上方に球状のガラス粉末を予熱する加熱装置(図示せず)が設けられている点が異なる。前記加熱装置は150℃〜350℃の範囲で加熱でき、一定温度に制御できるものであれば、通常用いられている加熱装置を用いることができる。
【0017】
従来の第2ホッパーに投入する充填剤、顔料等の温度は常温で用いているが、先願発明の球状のガラス粉末は、第2ホッパーに投入する前に熱可塑性樹脂の溶融温度と同じか、それに近似した温度に予熱してから投入する。この予熱温度は溶融温度と同じであることが最も好ましく、(該溶融温度±10%の温度)が好ましい。予熱温度が(前記溶融温度−10%の温度)より低い温度であると、溶融状態の熱可塑性樹脂から大量のガラス粉末が熱を奪うために流動性が低下する恐れがあり、予熱温度が(前記溶融温度+10%の温度)より高い温度であると、熱可塑性樹脂の粘性抵抗が下がりすぎて液体状態になりペレット化できない恐れがあるので、ガラス粉末の予熱温度は(溶融温度±10%の温度)の範囲が適切である。
【0018】
まず、決められた熱可塑性樹脂とガラス配合率にしたがって、供給するペレットの重量を計量して第1ホッパー内に投入し、スクリューによる混練搬送によって送られたペレットがヒーターにより溶融状態になる位置、即ち、第2ホッパーが配置されている位置で、供給する重量が計量された球状ガラス粉末を熱可塑性樹脂の溶融温度と同じか、それに近似した温度に予熱して第2ホッパー内に投入する。溶融熱可塑性樹脂中に投入された球状ガラス粉末が、混練されながら押出されてガラス含有成形用組成物が形成されて、その後に切断されてペレットが得られる。
【0019】
前記ヒーターの温度は使用される熱可塑性樹脂の融点に応じて決められており、例えば、HD−PEが230℃、PPが220℃、PETが250℃等である。そして、押出機のスクリューの回転数は、200回/分で配合物を混練しながら3mmの径のノズルダイから押し出して棒状にしたものを、水で冷やして長さ4mmに切断してペレットを得た。
【0020】
(球状ガラス粉末)
先願発明の球状ガラス粉末のガラス質は、SiO2、B23、P23の1種又は2種以上を網形成物とする、アルカリガラス、可溶性ガラス、無アルカリガラスが挙げられる。そして、その形状を球状にするには、ガラス繊維を粉砕して球状化する方法を用いることで平均粒径の分布をシャープにすることができる。該球状ガラス粉末のアルカリ分が多いと、熱可塑性樹脂の脆化を招きやすいので、アルカリ分の少ない可溶性ガラスが好ましく、更に、アルカリ分のない無アルカリガラスがより好ましい。
【0021】
前記球状ガラス粉末は、ガラス繊維の直径が20μmのものを材料として用いている。ガラス繊維はその直径が一定であるから、ガラス繊維の長さが前記直径20μmからばらつかないように粉砕することで、直径20μm、長さ10〜30μmの粉砕物が得られる。この粉砕物を炉の内部に設けた酸素バーナーによる2500〜3000℃の火炎に噴霧して球状化し、噴霧状の球体に炉の下部に設けた水の噴射装置より、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシランを0.1重量%含む水を噴射して、噴霧状態でシラン化処理を行いバグフィルターで捕集した。この捕集したガラス粉体は球状の平均粒径が10〜40μmの球状のガラス粉末である。このように、上記ガラス繊維の直径が20μmのものを材料として用いることで、平均粒径が10〜40μmの球状のガラス粉末が得られる。上記噴霧状態で行うシラン化処理を行う方法を、以下、「噴霧法」という。
【0022】
上記球状化したガラス粉末を前記噴霧法でシラン化処理をしたものが前記球状ガラス粉末である。換言すれば、この球状ガラス粉末はその表面がシラン化合物により全体的に覆われていることに特徴がある。
シラン化合物としては、以下の式で表されるものを挙げることができる。
4-n−Si−(OR’)n
(式中、Rは有機基を表し、R’はメチル基、エチル基又はプロピル基を表し、nは1〜3から選ばれる整数を表す)
【0023】
かかるシラン化合物としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤が挙げられる。
【0024】
従来から用いられているガラス粉末は、その形状が多角形、長方形等の様々な形状から構成されており、そして、その平均粒径が10〜100μmの広い分布幅にあるのに対して、先願発明のガラス粉末は形状が球状であり、その平均粒径が10〜40μmの範囲でその幅が非常に小さい。
【0025】
図2は上述した球状ガラス粉末の製造方法で得られた球状ガラス粉末の平均粒径の分布の頻度を示すグラフである。このグラフの横軸は前記球状ガラス粉末の粒径(μm)で、縦軸は分布の頻度(%)を示している。前記球状Eガラス粉末は、粒径が25μmで最高の分布頻度を示しており、その25μmを中心に正規分布曲線上の10〜40μmの範囲に分布しており、その範囲にある粒径の頻度が高いことがわかる。
図3は前記球状ガラス粉末の1000倍の電子顕微鏡写真である。この写真から球状ガラス粉末は、各々のその形状が球状であり、大小様々な粒径のものが存在していることが観察できる。
図2の球状Eガラス粉末の平均粒径の分布の頻度を示すグラフとこの図3の写真から、熱可塑性樹脂中の球状ガラス粉末は、その形状が真円の球形であり、大小様々な粒径のものが存在しているが、その平均粒径が10〜40μmであることが示されている。
【0026】
ところで、溶融熱可塑性樹脂中にガラス粉末を投入して混練する際に、その粒径が10μmより以下になると、微細粒子の割合が多くなり、比表面積の増加に伴い樹脂からガラス粉末が熱量を奪い、そのために樹脂の温度が急に低下することで溶融粘度が上昇し、剪断発熱により混練時の樹脂温度が極端に上昇するため、決められた両材料の配合率を調整することが困難になる。また、熱可塑性樹脂にガラス粉末を配合することで、一般的に、成形体の寸法安定性、機械強度(衝撃強度、曲げ強度等)、ソリ性、透過バリア性等の向上が図られるが、その粒径が10μmより以下になると、特に曲げ強度が低下するので好ましくない。
【0027】
前記粒径が40μmより大になると巨大粒子の割合が多くなり、混練時の溶融粘度の上昇は少ないが、ガラス含有組成物を一定サイズのペレットに切断する際に、カット刃の摩耗が激しくなり、大量の該ガラス含有組成物を連続して生産することが困難となり、生産上の問題が生じる。また、その粒径が40μmより大になると、特に衝撃強度が低下するので好ましくない。従って、平均粒径は10〜40μmの範囲が好適である。
【0028】
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、PE、PP、PET、PS、ABS、PVC、ポリカーボネート(以下、「PC」という。)、ポリ乳酸(以下、「PLA」という。)又はナイロン(以下、「Ny」という。)を挙げることができる。他にメタクリル樹脂、ポリアセタール、PBT、PTTの熱可塑性樹脂であれば使用することができる。
溶融状態にある熱可塑性樹脂中に最大で70重量%の球状ガラス粉末を配合して混練することにより、押出機の吐出口に設けたノズルダイより直径3mmの棒状に押し出して水で冷却してカッターで長さ約4mmに切断して、該熱可塑性樹脂中に球状ガラス粉末が独立して分散したペレット状のガラス含有成形用組成物が得られるが、直径及び長さはこれに限定されるものではない。
【0029】
図4Aは、上述したガラス含有成形用組成物の製造方法で製造されたガラス含有成形用組成物(ペレット)の電子顕微鏡写真である。この電子顕微鏡写真は、PPに球状Eガラス粉末50重量%を配合して得られた、ペレットを側面から垂直に切断した切断部を50倍に拡大して撮影したものである。
図4Bは、前記切断部を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
図4Cは、前記ペレットの側面を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
図4Bのペレットの切断部の写真から、該ペレットはPP中に個々の球状のガラス粉末が凝集することなく独立して分散された状態で配合されていることが観察される。
このことから、前記球状ガラス粉末が噴霧法によりその表面がシラン化合物により全面的に被覆されることで、押出機内で混練し押し出して成形された前記ペレットが樹脂中に球状のガラス粉末が凝集することなく独立して分散された状態で配合されていることが判明した。
【0030】
そして、図4Aの写真の中点より上下端部の近い位置まで円を描き、その円を均等に16分割して、16の各区画に配合されている球状ガラス粉末の数を目視して数え、その数えた結果を表1に示す。
なお、16分割線上に球状ガラス粉末がある場合には、1/2として球状ガラス粉末数の計算を行った。
【表1】


表1の測定結果から、各区画における球状ガラス粉末数は、140±1の範囲にあることから、ペレット中に球状ガラス粉末が均一に分散されていることを示している。
以上のことから、本願発明のガラス含有成形用組成物は、ガラス粉末が、球状の形状であり、10〜40μmの平均粒径であり、その表面がシラン化合物により全面的に被覆されており、熱可塑性樹脂中に投入された球状のガラス粉末のガラス配合率で、独立して均一に分散されている状態で含有されているものであることが判明した。
【0031】
ガラス含有成形用組成物の製造方法を詳述したが、その方法を簡潔明瞭に述べるならば、該製造方法は、最初に、高温加熱された噴霧状態下で、シラン化合物が全面的に被覆された前記球状ガラス粉末を得て、重量を計量した熱可塑性樹脂を押出機内に投入して溶融して、前記熱可塑性樹脂が溶融状態にある領域に、重量を計量して予熱したガラス配合率40〜70重量%の前記球状ガラス粉末を押出機内に投入して、溶融状態にある熱可塑性樹脂中に前記投入された球状のガラス粉末を混練し押出すことで、ガラス含有成形用組成物を成形できる。
なお、上記の製造方法では、押出機内に投入する球状のガラス粉末を溶融温度と同じか、それに近似した温度に予熱する最良の実施形態の例を示したが、この例に限定されるものではなく、従来のペレットの成形に用いられている溶融温度(加温、冷却)、スクリュー速度等を制御する製造方法で成形されるガラス含有成形用組成物も、本発明のガラス含有成形用組成物に含まれるものである。
【0032】
次に、前記ガラス含有成形用組成物を用いて押出成形法により作製されてなるガラス含有熱転写シートのシート状基材及びガラス含有保護層を以下に説明する。
(シート状基材)
本発明に用いる前記ガラス含有熱転写シートを剥離可能に接着するシート状基材は、熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%の球状ガラス粉末を含有するフィルムを使用するが、従来使用されている紙、又はセロファン、PET、PA、PI等のフィルムに、ポリシロキサンなどのシリコーン系、アクリル系感圧接着剤系、ワックス系などの剥離可能な接着剤を塗布したシートを使用することもできる。
【0033】
(ガラス含有保護層)
ガラス含有保護層の成形は、熱可塑性樹脂に球状ガラス粉末40〜70重量%と機能性充填剤を、一定の流動性を保って均一混合されたペレットを成形して、該ペレットを押出成形機(Tダイ又はインフレーション)によりガラス含有保護層にする。
ガラス40重量%以下の配合ではそれらの効果は得られない。ガラス70重量%以上ではガラス含有保護層の成形が困難で実用化できない。
ガラス含有保護層を支持体とするシート状基材は、多くの熱転写シートで従来から用いられており、インモールド成形による金型内部で成形と同時にインモールド転写を行う自動作業には必要なものである。シート状基材として、例えば、PETに球状ガラス粉末を含有させたものを用いれば、該球状ガラス粉末の熱伝導性が良好なために、熱接着の効率が向上する。
【0034】
本発明のガラス含有保護層に用いる熱可塑性樹脂としては、PE,Ny,PP,PETが挙げられる。ガラス含有保護層の厚さは50〜200μmが好ましく、更に100μm以下が好ましい。
柔軟性を必要とする場合にはLDPE.LLDPEが適合する。ガラス含有保護層に印刷又は金属蒸着を行って熱転写シートとすることは、球状ガラス粉末の透け効果により有効である。
転写表面の硬度を2H以上にするには、球状ガラス50重量%以上の配合が好ましい。平均粒径で2〜40μmが良いが、更に10〜20μmが好ましい。粒径2μm以下は硬度が得られ難く、粒径40μm以上はガラス含有保護層の生産が無理である。
熱伝導率は球状ガラス粉末50重量%以上の配合で34%以上の向上となり、熱転写時間の短縮による生産性の向上が得られる。
【0035】
(接着層)
接着層にはホットメルト接着剤が用いられる。ナイロン系、ポリエステル系、変性オレフィン系、EVA系、ゴム系のホットメルト接着剤があり、軟化温度は90℃から150℃を任意に選択して用いる。接着層の形成は、上記ガラス含有保護層に溶融塗布するか又は溶剤で液状にして塗工する。接着層によりプラスチック、金属、木材、紙、陶器に熱と押圧でガラス含有保護層を転写接着することができる。
(機能性充填剤)
本発明の機能性充填剤としては、その粒径が球状ガラス粉末の粒径より小さいものが好ましい。本発明の実施例3によるガラス含有保護層の表面の電子顕微鏡写真を図5A、5Bに示す。
【0036】
図5A、5Bに見られる表面の凹凸は、ガラス含有保護層製造時に溶融状態の樹脂が固化する際に、固化による収縮力により表面の球状ガラスの間の樹脂が収縮して球状ガラスが突出し、表面が凹凸になる。球状ガラスの表面は機能性充填剤を含有する樹脂で被覆されており、機能性充填剤は球状ガラスと共に表面に突出して機能性充填剤の機能効果が得られる。ガラスを配合しない場合には固化の収縮力により、機能性充填剤には内部の流動感に移行する作用が働き、表面に形成される樹脂面膜の下に機能性充填剤が移行するので機能性が得られ難い。
抗菌剤には、銀ゼオライト、銀ガラス、銀燐酸ジルコニウムが挙げられる。難燃剤には、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムがある。帯電防止剤、耐電剤、導電剤には、炭素微粉末、金属微粉末を使用できる。電磁波シールド剤には、炭素微粉末、金属被覆炭素微粉末、ニッケル微粉末、導電性フィブラス微粒子を挙げられる。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
抗菌性熱転写シートを以下に説明する。
(1)ガラスと銀抗菌剤を含有するガラス含有保護層の作成;
LDPEとしてLJ802(商品名:日本ポリエチレン株式会社製品)に、シラン処理をした球状ガラス粉末(平均粒径20μm)を40重量%と、銀ゼオライト抗菌剤としてAJ10N(平均粒径2-5μm)(商品名;シナネンゼオミック株式会社製品)を0.1、0.2、0.4重量%(対LDPE重量%)を配合して押出成形機によりペレットにした。該ペレットを押出成形機(インフレーション)により、シリンダー温度180℃、ヘッド温度160℃、スクリュー回転数120rpmにより押出してインフレーションの延伸率を10倍として厚さ90μmのガラス含有保護層を作成した。
(2)上記ガラスと銀抗菌剤を含有するガラス含有保護層を、シリコーン系離型接着剤を塗布した、平均粒径2μmの球状ガラス粉末60重量%を含有するPETシート状基材20μmに積層して剥離可能に接着した。
(3)該積層接着した上記ガラス含有保護層面にアルミ蒸着処理を施して、その上にEVA系ホットメルトとしてHM223(商品名;セメダイン株式会社製品)を塗布して実施例1の抗菌性熱転写シートを作成した。
【0038】
比較例は、球状ガラス粉末を配合しない銀抗菌剤を配合した保護層を成形して、上記と同様の手順で熱転写シートを作製した。
作製した熱転写シートを、ABS樹脂による化粧用コンパクト容器の射出成形時に、金型に挿入して、インモールド法でコンパクト容器の表面に連続的に熱転写した。
容器の転写面の、表面粗さ、抗菌性、熱伝導率を測定して表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
表面粗さは、JIS B 0610-1982に基づき、3次元粗さ測定器MODEL 3FK.による最大高さと、十点平均粗さの測定値を示した。
抗菌性は、JIS Z2801に基づき抗菌性試験を行った。菌株として大腸菌(NBRC 3301).黄色ブドウ球菌(NBRC 12732)を2.5×105個/mlを植菌して35℃で24時間培養して菌を洗い出して生菌数を測定した。
鉛筆硬度は、JIS K 5401に基づく測定値を示した。
熱伝導率は、ASTM E 1530に基づいてアルパック理工株式会社製の熱伝導率測定装置(GH-Dにより測定した。
【0041】
実施例1の表面粗さは、最大高さで21.6μmであり、平均粗さは16.5〜18.4μmで、インフレーションの延伸率により粗さが大きくなる傾向にある。抗菌性では、実施例1で銀ゼオライト0.1%(対PE%)の配合の抗菌性が、比較例1の0.4%(対PE%)に対応する抗菌性であり、明らかに優位性がある。PEの熱伝導率は0.303W/m・Kであるが、球状ガラス粉末50重量%配合により0.408W/m・Kであり、34.6%の向上である。
【0042】
図5Aは、実施例1のLDPE50重量%フィルムを垂直方向から撮影した表面構造を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。図5Bは、前記フィルムを傾斜45°の方向から撮影した表面構造を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
図5Aの写真は、前記フィルムの表面が多数の球状部で覆われていることを示している。
図5Bの写真は、前記球状部がフィルムの表面から上方に突出した多数の球状凸部であることを示し、該球状凸部以外の領域が熱可塑性樹脂からなる平坦部からなることを示している。
【0043】
図5A及び5B図の写真から、前記フィルムは、球状ガラス粉末が50重量%のガラス配合率で含有されており、その表面が前記熱可塑性樹脂からなる平坦部、そして、その熱可塑性樹脂に被覆された多数の球状ガラス粉末により形成される球状凸部からなり、この平坦部及び球状凸部で表面粗さを形成しているものである。
【0044】
(実施例2)
難燃性熱転写シートを以下に説明する。
(1)ガラスと難燃剤を含有するガラス含有保護層;
PPとしてMH4(商品名;日本ポリプロ株式会社製品)に、シラン処理をした球状ガラス粉末(平均粒径20μm)を50重量%と、難燃剤として三酸化アンチモン(日本精鉱株式会社製品)を、0.3,0.6,1.0%(対PP重量)を配合して押出成形機によりペレットにし、該ペレットを押出成形機(Tダイ)により、シリンダー温度220℃、ヘッド温度240℃、スクリュー回転数150rpm. により押し出して実測厚さ70μmのガラス含有保護層を作成した。
【0045】
(2)上記ガラス含有保護層を、シリコーン系離型接着剤を塗布した紙をシート状基材として、積層して剥離可能に接着した。
(3)該積層接着した上記ガラス含有保護層面に壁布柄を印刷して、その上にEVA系ホットメルトとしてHM223(製品名;セメダイン株式会社製品)を塗布して接着層を設けて難燃性熱転写シートを作成した。
【0046】
比較例として、球状ガラス粉末を配合しない三酸化アンチモンを配合した保護層を成形して、上記と同様の手順で熱転写シートを作製した。
作製した熱転写シートを、建材用の塩化ビールシート(厚さ300μm)に熱転写した。
転写製品の、表面粗さ、難燃性、熱伝導率を測定して表2に示す。
測定条件は実施例1に記載と同じである。難燃性試験は、米国UL94に基づく垂直燃焼試験を行った。評価はV−0>V−1>V−2>HBの順に難燃性が低くなり、V−0が最も高い。
【0047】
【表2】

実施例2の表面粗さは、最大高さで16.5μmであり、平均粗さは8.5−8.7μmの突出がある。比較例2−1の難燃剤0.3重量%では難燃性がHBであるが、実施例2−1は、V−1で延焼を最小限にくい止めるレベルに向上している。ガラスと難燃剤の配合により、従来は効果が得られない低濃度で難燃性が得られており明らかな差がある。熱伝導率は、比較例2の0.204に対して実施例2では0.347となって70%の向上である。
【0048】
(実施例3)
帯電防止性熱転写シートを以下に説明する。
(1)ガラスと帯電防止性剤を含有するガラス含有保護層;
PETとしてIFG8L(商品名;カネボウ株式会社製品)に、シラン処理をした球状ガラス粉末(平均粒径15μm)を60重量%と、帯電防止性剤としカーボンブラック(三菱化学株式会社製品)を1.0、2.0%(対PPET重量)を配合して押出成形機によりペレットにした。該ペレットを押出成形機(インフレーション)により、シリンダー温度240℃、ヘッド温度250℃、スクリュー回転数120rpmにより押出して7倍の延伸率で実測厚さ70μmのガラス含有保護層を作製した。
(2)上記ガラス含有保護層を、シリコーン系離型接着剤を塗布したPET厚さ25μmのガラス含有保護層をシート状基材として、積層して剥離可能に接着した。
(3)該積層接着した上記ガラス含有保護層面にマーブル調の印刷を施して、その上にEVA系ホットメルトとしてHM223(製品名;セメダイン株式会社製品)を塗布して接着層を設けて帯電防止性熱転写シートを作製した。
【0049】
比較例として、球状ガラス粉末を配合しないカーボンブラックを配合した保護層を成形して、上記と同様の手順で熱転写シートを作製した。
作製した熱転写シートを、床に敷くゴムシートに熱転写した。
転写製品の、表面粗さ、帯電防止性、熱伝導率を測定して表3に示す。
測測定条件は実施例1に記載と同一であるが、帯電防止性については表面の電気抵抗率を、高抵抗率計MCP−HT260型(ダイアインスツルメント社製)により、印加電圧500V.充電時間1分にして、JISK6911に基づき表面抵抗率を測定した。
【0050】
【表3】

実施例3の表面粗さは比較例より顕著に粗く、これは球状ガラス粉末の突出による。表面抵抗率から、比較例3では帯電防止性は得られないが、同じ濃度の配合で実施例では優れた帯電防止性が得られており、従来との差が明白である。熱伝導率では、115%の向上となっている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】先願発明のガラス含有成形用組成物を成形し、その組成物を製造する製造方法に用いられる押出機の一例である単軸押出機の縦断面図である。
【図2】球状Eガラス粉末の平均粒径の分布の頻度を示す対数グラフである。
【図3】球状Eガラス粉末の1000倍の電子顕微鏡写真である。
【図4A】ガラス含有成形用組成物の製造方法で製造されたガラス含有成形用組成物(ペレット)を側面から垂直に切断した切断部を50倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
【図4B】前記ペレットを側面から垂直に切断した切断部を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
【図4C】前記ペレットの側面を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
【図5A】LDPE50重量%フィルムを垂直方向から撮影した表面構造を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。
【図5B】LDPE50重量%フィルムを傾斜45°の方向から撮影した表面構造を100倍に拡大して撮影した電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基材の上に離型層、保護層及び接着層が積層状に設けられてなるガラス含有熱転写シートであって、
前記保護層が熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%の球状ガラス粉末と機能性充填剤を含有しており、該保護層の表面が前記熱可塑性樹脂からなる平坦部、その熱可塑性樹脂に被覆された多数の球状ガラス粉末により形成される球状凸部からなり、この平坦部及び球状凸部から前記機能性充填剤の一部が突出していることを特徴とするガラス含有熱転写シート。
【請求項2】
前記シート状基材が熱可塑性樹脂中にガラス配合率40〜70重量%の球状ガラス粉末を含有するフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のガラス含有熱転写シート。
【請求項3】
前記シート状基材が紙、又はセロファン、PET、PA、PIのフィルムより一つを選択したことを特徴とする請求項1に記載のガラス含有熱転写シート。
【請求項4】
前記機能性充填剤が、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、電磁波シールド剤、導電剤より選択した1種類又は2種類以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つの請求項に記載のガラス含有熱転写シート。
【請求項5】
前記機能性充填剤の粒径が、前記球状ガラス粉末より小さいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つの請求項に記載のガラス含有熱転写シート。
【請求項6】
前記ガラス含有保護層に印刷又は金属蒸着が施されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つの請求項に記載のガラス含有熱転写シート。
【請求項7】
前記球状ガラス粉末の平均粒径が、2〜40μmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つの請求項に記載のガラス含有熱転写シート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate


【公開番号】特開2009−279829(P2009−279829A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133933(P2008−133933)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000212005)
【出願人】(595118010)
【Fターム(参考)】