ガラス基板割断装置、ガラス基板割断方法及びガラス基板作製方法
【課題】ガラス基板の厚さ方向に付与する力が比較的弱くてもガラス基板を割断可能なガラス基板割断装置を提供する。
【解決手段】本発明によるガラス基板割断装置(100)は、主面(Ga)およびスクライブ線(S)の形成された主面(Gb)を有するガラス基板(G)のうちの主面(Ga)に力を付与する折割部材(10)と、ガラス基板(G)に引張応力を付与する引張応力付与部材(20)とを備える。折割部材(10)は、引張応力付与部材(20)によってガラス基板(G)に引張応力が付与された状態でガラス基板(G)の主面(Ga)に力を付与することにより、ガラス基板(G)を割断する。
【解決手段】本発明によるガラス基板割断装置(100)は、主面(Ga)およびスクライブ線(S)の形成された主面(Gb)を有するガラス基板(G)のうちの主面(Ga)に力を付与する折割部材(10)と、ガラス基板(G)に引張応力を付与する引張応力付与部材(20)とを備える。折割部材(10)は、引張応力付与部材(20)によってガラス基板(G)に引張応力が付与された状態でガラス基板(G)の主面(Ga)に力を付与することにより、ガラス基板(G)を割断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板割断装置、ガラス基板割断方法及びガラス基板作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板は液晶パネルまたはプラズマディスプレイパネルなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いられる。このようなガラス基板は、フロート法またはオーバーフロー法によって成形された比較的大きなガラス基板(「マザーガラス基板」とも呼ばれる。)を、所定のサイズに割断することによって作製される。典型的には、ガラス基板の割断は、ガラス基板にスクライブ線(分割線)を形成した後、または、ガラス基板にスクライブ線を形成しながら、スクライブ線に沿って衝撃や曲げ応力を付与することによって行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1は、2つのブレイク刃によってガラス基板の分断を行うブレイクユニットを開示している。特許文献1のブレイクユニットでは、ガラス基板を分断するために、ブレイク刃を始点としてガラス基板の両端を折り曲げるように力を付与している。また、特許文献1のブレイクユニットには、上部ダクトおよび下部ダクトが設けられており、分断によって生じたガラス粉(カレット)を吸引することにより、ガラス基板の品質の低下を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011‐026136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された割断(分断)方法では、ガラス基板を割断するためにガラス基板の厚さ方向に比較的強い力を付与することが必要なことがある。この場合、ガラス粉(カレット)が激しく飛散し、作製したガラス基板の品質が低下することがある。また、比較的強い力で割断を行う場合、ガラス基板の割断面の荒れによるガラス基板の品質の低下、または、割断不良が生じることがある。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス基板の厚さ方向に付与する力が比較的弱くてもガラス基板の割断を可能にするガラス基板割断装置、ガラス基板割断方法及びガラス基板作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるガラス基板割断装置は、第1主面およびスクライブ線の形成された第2主面を有するガラス基板のうちの前記第1主面に力を付与する折割部材と、前記ガラス基板に引張応力を付与する引張応力付与部材とを備え、前記折割部材は、前記引張応力付与部材によって前記ガラス基板に引張応力が付与された状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する。
【0008】
ある実施形態において、前記引張応力付与部材は、第1側部および第2側部を有する少なくとも1つの押圧部材を含み、前記少なくとも1つの押圧部材は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に引張応力を付与する。
【0009】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの押圧部材の前記第1側部および前記第2側部は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に対して鋭角に接する。
【0010】
ある実施形態において、前記折割部材は、前記少なくとも1つの押圧部材に連結している。
【0011】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの押圧部材は、前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第1主面に対して鋭角に接する第1押圧部材と、前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第2主面に対して鋭角に接する第2押圧部材とを有する。
【0012】
ある実施形態において、前第2押圧部材には、吸引口が取り付けられている。
【0013】
ある実施形態において、前記折割部材は、前記ガラス基板の前記第1主面のうちの前記スクライブ線に対応する線を挟んだ2つの領域に力を付与する。
【0014】
本発明によるガラス基板割断方法は、第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するガラス基板を用意する工程と、前記ガラス基板に引張応力を付与する工程と、前記ガラス基板に前記引張応力を付与した状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する工程とを包含する。
【0015】
本発明によるガラス基板作製方法は、マザーガラス基板を割断してガラス基板を作製するガラス基板作製方法であって、第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するマザーガラス基板を用意する工程と、前記マザーガラス基板に引張応力を付与する工程と、前記マザーガラス基板に前記引張応力が付与された状態で前記マザーガラス基板の前記第1主面に力を付与して前記マザーガラス基板を割断することによって作製されたガラス基板を取り出す工程とを包含する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ガラス基板の厚さ方向に付与する力が比較的弱くてもガラス基板の割断を行うことができる。このため、ガラス粉(カレット)の飛散に伴うガラス基板の品質の低下、割断面の荒れ、または、割断不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるガラス基板割断装置の実施形態の模式図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明によるガラス基板割断方法の実施形態を示す模式図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図および断面図である。
【図4】(a)〜(c)は図3に示した押圧部材を備える本実施形態のガラス基板割断装置におけるガラス基板割断方法を説明するための模式図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図および断面図である。
【図6】(a)〜(c)は図5に示した押圧部材を備える本実施形態のガラス基板割断装置におけるガラス基板割断方法を説明するための模式図である。
【図7】(a)〜(c)は本実施形態のガラス基板割断装置におけるガラス基板割断方法を説明するための模式図である。
【図8】(a)および(b)は本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式図である。
【図9】本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図である。
【図10】(a)および(b)は本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図である。
【図11】(a)は本実施形態のガラス基板割断装置における折割部材の模式図であり、(b)は(a)の折割部材を備えたガラス基板割断装置の模式図である。
【図12】本実施形態のガラス基板割断装置の模式図である。
【図13】本実施形態のガラス基板割断装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明によるガラス基板割断装置、ガラス基板割断方法及びガラス基板作製方法の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0019】
図1に、本実施形態のガラス基板割断装置100の模式図を示す。ガラス基板割断装置100は、折割部材10および引張応力付与部材20を備えている。ガラス基板割断装置100は、主面Ga、Gbを有するガラス基板Gを割断する。ガラス基板Gの主面Gbにはほぼ直線状に延びた溝がスクライブ線Sとして形成されている。図1ではスクライブ線Sを一点破線で示している。典型的には、スクライブ線Sの延びている方向に直交する断面を見た場合、スクライブ線SはV字形状またはU字形状を有している。
【0020】
また、図1では、ガラス基板Gの主面Gaのうちの、スクライブ線Sに対応(対向)する線S’を点線で示している。なお、スクライブ線Sは溝形状に形成されているのに対して、線S’には溝が設けられていない。本明細書において、主面Gaを第1主面Gaと記載することがあり、主面Gbを第2主面Gbと記載することがある。
【0021】
折割部材10はガラス基板Gの第1主面Gaに力を付与する。典型的には、折割部材10は、ガラス基板Gの第1主面Gaの線S’上またはその近傍に力を付与する。折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与することにより、スクライブ線Sの近傍に曲げ応力が発生する。
【0022】
また、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gを面方向に引っ張る引張応力を付与する。典型的には、引張応力付与部材20は、スクライブ線Sの延びている方向に対して直交する面方向に作用する引張応力をガラス基板Gに付与する。
【0023】
本実施形態のガラス基板割断装置100では、引張応力付与部材20がガラス基板Gを引張った状態で、折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与してスクライブ線Sの近傍に曲げ応力が発生する際に、ガラス基板Gには面方向に作用する引張応力が付与されているため、折割部材10によってガラス基板Gの厚さ方向に付与される力が比較的弱くても、ガラス基板Gを割断できる。このため、ガラス基板Gの割断時に発生するガラス粉の飛散を抑制し、また、割断面の品質の向上および割断不良の抑制を図ることができる。
【0024】
なお、図1では、折割部材10はガラス基板Gの第1主面Ga側に配置されているのに対して、引張応力付与部材20はガラス基板Gの第2主面Gb側に配置されているように示されているが、後述するように、引張応力付与部材20はガラス基板Gの主面Ga側に配置されてもよく、または、引張応力付与部材20はガラス基板Gの主面Ga、Gbの両側に配置されてもよい。例えば、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gの主面Ga、Gbの少なくとも一方の面と接触して、スクライブ線Sの延びている方向に直交する面方向に引張応力を付与してもよい。あるいは、引張応力付与部材20はガラス基板Gの側方の端部に配置されてもよい。
【0025】
ここで、図2を参照して、本実施形態のガラス基板割断方法を説明する。
【0026】
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板Gを用意する。ガラス基板Gは主面Ga、Gbを有しており、主面Gbにスクライブ線Sが形成されている。
【0027】
次に、図2(b)に示すように、ガラス基板Gの面方向に引張応力を付与する。このとき、引張応力は、ガラス基板Gにおいて線S’またはスクライブ線Sあるいはそれらの近傍に対してスクライブ線Sの延びている方向とほぼ直交する面方向にほぼ均等に付与されることが好ましい。
【0028】
次に、図2(c)に示すように、ガラス基板Gに引張応力を付与した状態で、 折割部材10によってガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。これにより、ガラス基板Gのスクライブ線S近傍に曲げ応力が発生し、ガラス基板Gが割断される。なお、本実施形態では、ガラス基板Gをマザーガラス基板として用いており、マザーガラス基板Gの割断により、マザーガラス基板Gから、マザーガラス基板Gよりも小さいガラス基板を取り出すことができる。
【0029】
なお、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gに設けられた線S’またはスクライブ線Sの全体にわたって引張応力を付与してもよい。または、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gに設けられた線S’またはスクライブ線Sの一部に対して引張応力を付与してもよい。ただし、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gの線S’またはスクライブ線Sの全体にわたって引張応力を付与することが好ましい。
【0030】
図3を参照して、本実施形態のガラス基板割断装置100に用いられる引張応力付与部材の一例を説明する。ここでは、引張応力付与部材20として押圧部材22を用いている。図3(a)に押圧部材22の模式的な斜視図を示し、図3(b)に押圧部材22の模式的な断面図を示す。押圧部材22は、長手方向に延びた形状を有している。押圧部材22は比較的弾性率の高い材料から形成されていることが好ましい。
【0031】
押圧部材22は、底部22s0と、底部22s0から連続した側部22s1および側部22s2とを有している。本明細書において、側部22s1を第1側部22s1と記載することがあり、側部22s2を第2側部22s2と記載することがある。
【0032】
押圧部材22の長手方向に直交する方向に沿った断面を見た場合、底部22s0と第1側部22s1とのなす角θ1は鈍角であり、底部22s0と第2側部22s2とのなす角θ2は鈍角である。このため、押圧部材22の側部22s1と側部22s2の間の距離は底部22s0から離れるほど大きくなる。
【0033】
例えば、図3に示された押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する。以下、図4を参照して、図3に示した押圧部材22を用いたガラス基板割断方法を説明する。
【0034】
図4(a)に示すように、ガラス基板Gを介して押圧部材22と向かい合うように折割部材10を配置する。折割部材10はガラス基板Gの主面Ga側に配置されており、押圧部材22はガラス基板Gの主面Gb側に配置されている。なお、ここでは、折割部材10を棒形状に示している。
【0035】
図4(b)に示すように、押圧部材22はガラス基板Gの主面Gbと接するようにガラス基板Gに対して直進(移動)する。押圧部材22は、押圧部材22の長手方向がスクライブ線Sと平行になるようにガラス基板Gに対して配置されている。押圧部材22の側部22s1、22s2はスクライブ線Sの両側に配置されており、押圧部材22はスクライブ線Sを跨いでいる。押圧部材22の側部22s1は、ガラス基板Gの主面Gbに対して鋭角φ1に接し、押圧部材22の側部22s2は、ガラス基板Gの主面Gbに対して鋭角φ2に接する。押圧部材22をガラス基板Gに対して押圧することにより、側部22s1、22s2が広がるように変形し、これにより、ガラス基板Gに面方向に引張応力が付与される。
【0036】
次に、図4(c)に示すように、押圧部材22をガラス基板Gに引張応力を付与した状態で折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。これにより、ガラス基板Gの割断が行われる。なお、ここでは、押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gbと接触するようにガラス基板Gを押圧しており、これにより、押圧部材22は、面方向の引張応力とともに、スクライブ線Sを広げる方向の力も付与している。
【0037】
なお、図3および図4に示した押圧部材22には底部22s0が設けられており、側部22s1、22s2は底部22s0を介して連結されていたが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22には底部22s0が設けられておらず、側部22s1、22s2は直接連結されていてもよい。
【0038】
また、図3および図4において、押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gbを押圧しており、押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gaに力を付与する折割部材10とは別個に設けられていたが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22は折割部材10と連結していてもよい。
【0039】
ここで、図5を参照して折割部材10と連結した押圧部材22を説明する。図5(a)に本実施形態のガラス基板割断装置100に用いられる押圧部材22の模式的な斜視図を示し、図5(b)に押圧部材22の模式的な断面図を示す。押圧部材22は、底部22s0と、底部22s0から連続した側部22s1および側部22s2とを有している。ここでは、押圧部材22は折割部材10と連結している。例えば、折割部材10は、押圧部材22の底部22s0に取り付けられている。なお、折割部材10および押圧部材22は一体的に形成されてもよい。この押圧部材22において、底部22s0を基準とした側部22s1および側部22s2の先端までの高さは、底部22s0を基準とした折割部材10の先端までの高さよりも大きい。
【0040】
例えば、図5に示された押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gaに引張応力を付与する。ここで、図6を参照して、図5に示した押圧部材22を用いたガラス基板割断方法を説明する。
【0041】
図6(a)に示すように、連結した折割部材10および押圧部材22はガラス基板Gの主面Ga側に配置されている。なお、ガラス基板Gの主面Gbには、面全体にほぼ均等に力が付与されることが好ましい。例えば、ここでは図示していないが、ガラス基板Gの主面Gbは主面Gbとほぼ平行に広がったほぼ平坦な面(壁または床)と接しており、この平坦な面には、スクライブ線Sおよびその近傍に対応して、窪みまたは孔が設けられていることが好ましい。
【0042】
図6(b)に示すように、押圧部材22はガラス基板Gの主面Gaと接触するようにガラス基板Gに対して前進(移動)する。移動方向は、例えば、押圧部材22の底部22s0の主面の法線方向である。押圧部材22の側部22s1、22s2はガラス基板Gの線S’の両側に位置しており、押圧部材22は線S’を跨いでいる。押圧部材22の側部22s1は、ガラス基板Gの主面Gaに対して鋭角φ1に接し、押圧部材22の側部22s2は、ガラス基板Gの主面Gaに対して鋭角φ2に接する。なお、この時点では、折割部材10はガラス基板Gの主面Gaと接触していない。押圧部材22がガラス基板Gの主面Gaと接触することにより、ガラス基板Gの主面Gaに面方向の引張応力が付与される。
【0043】
次に、図6(c)に示すように、押圧部材22がさらに前進すると、押圧部材22の側部22s1、22s2が変形し、この変形に伴って押圧部材22に連結している折割部材10がガラス基板Gと接触する。押圧部材22によってガラス基板Gに面方向の引張応力が付与された状態で、折割部材10はガラス基板Gの主面Gaに力を付与し、これにより、ガラス基板Gの割断が行われる。
【0044】
なお、図5および図6に示した押圧部材22は折割部材10と連結されていたが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22は折割部材10とは別個に設けられてもよい。例えば、押圧部材22の底部22s0に孔が設けられており、折割部材10は押圧部材22の底部22s0の孔を貫通するように配置されてもよい。この場合、折割部材10および押圧部材22によるガラス基板Gに付与する力を個別に制御することができる。
【0045】
また、図4および図6を参照して上述したガラス基板割断装置100では、押圧部材22はガラス基板Gの主面Ga、Gbの一方を押圧したが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22はガラス基板Gの主面Ga、Gbの両方を押圧してもよい。
【0046】
図7を参照して、本実施形態のガラス基板割断装置100によるガラス基板分断方法を説明する。このガラス基板割断装置100は、引張応力付与部材20として、ガラス基板Gの主面Gaに引張応力を付与する押圧部材22Aと、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する押圧部材22Bとを有している。また、ここでも、折割部材10は、押圧部材22Aに連結している。
【0047】
図7(a)に示すように、互いに連結した折割部材10および押圧部材22Aは、ガラス基板Gを介して押圧部材22Bと対向するように配置されている。折割部材10および押圧部材22Aはガラス基板Gの主面Ga側に配置されており、押圧部材22Bはガラス基板Gの主面Gb側に配置されている。
【0048】
図7(b)に示すように、押圧部材22Aがガラス基板Gの主面Gaと接触するようにガラス基板Gに対して前進(移動)するとともに押圧部材22Bがガラス基板Gの主面Gbと接触するようにガラス基板Gに対して前進(移動)する。押圧部材22Aの側部22as1、22as2はガラス基板Gの線S’の両側に位置しており、押圧部材22Aは線S’を跨いでいる。なお、この時点では、折割部材10はガラス基板Gの主面Gaと接触しない。押圧部材22Aがガラス基板Gの主面Gaと接触することにより、ガラス基板Gの主面Gaに面方向の引張応力が付与される。また、押圧部材22Bの側部22bs1、22bs2はガラス基板Gのスクライブ線Sの両側に位置しており、押圧部材22Bはスクライブ線Sを跨いでいる。押圧部材22Bがガラス基板Gの主面Gbと接触することにより、ガラス基板Gの主面Gbに面方向の引張応力が付与される。
【0049】
図7(c)に示すように、押圧部材22Aがさらに前進すると、押圧部材22Aの側部22as1、22as2が変形し、この変形に伴って押圧部材22Aに連結している折割部材10がガラス基板Gと接触する。折割部材10は、ガラス基板Gに面方向の引張応力が付与された状態でガラス基板Gの主面Gaに力を付与し、これにより、ガラス基板Gの割断が行われる。
【0050】
なお、図7に示したガラス基板割断装置100では、押圧部材22A、22Bは同様の形状を有しており、押圧部材22A、22Bはガラス基板Gの主面Ga、Gbにほぼ等しい引張応力を付与するが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gの主面Ga、Gbに付与される引張応力は異なってもよい。
【0051】
なお、図3〜図7に示した押圧部材22は単一の部材から構成されていたが、押圧部材22は複数の部材から構成されてもよい。
【0052】
図8を参照して、本実施形態のガラス基板割断装置100における押圧部材22を説明する。図8(a)に、押圧部材22の模式的な断面図を示す。押圧部材22は、支持部材22tと、支持部材22tに取り付けられた弾性部材22u1、22u2とを有している。支持部材22tは、底部22t0、側部22t1、22t2を有している。側部22t1には弾性部材22u1が取り付けられており、側部22t2には弾性部材22u2が取り付けられている。例えば、支持部材22tは、比較的硬い材料から形成されている。
【0053】
押圧部材22の側部22s1は、支持部材22tの側部22t1と、弾性部材22u1とから構成される。また、押圧部材22の側部22s2は、支持部材22tの側部22t2と、弾性部材22u2とから構成される。このように、押圧部材22の側部22s1、22s2の先端に弾性部材22u1、22u2を配置することにより、支持部材22tの材料を比較的自由に選択することができる。なお、図8(a)には、押圧部材22を示したが、図8(b)に示すように、支持部材22tと、弾性部材22u1、22u2とを有する押圧部材22に、折割部材10が連結していてもよい。
【0054】
また、押圧部材22には吸引口が取り付けられており、ガラス基板Gを割断する際に発生するガラス粉を吸引してもよい。
【0055】
図9に、本実施形態のガラス基板割断装置100において用いられる押圧部材22の模式図を示す。例えば、押圧部材22の底部22s0に吸引口22vが設けられている。ここでは図示していないが、この吸引口22vは可撓性ホースを介して吸引部材と接続される。このように、押圧部材22には吸引口22vが取り付けられていることにより、ガラス基板Gを割断する際に発生するガラス粉の吸引を行い、品質の低下をさらに抑制することができる。
【0056】
なお、図7に示したガラス基板割断装置100において、ガラス基板Gの主面Gaに引張応力を付与する押圧部材22A、および、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する押圧部材22Bのそれぞれに、図9に示した吸引口22vが取り付けられてもよい。このように、ガラス基板Gの主面Ga、Gbの両方に引張応力を付与する場合、ガラス粉の飛散は、ガラス基板Gの主面Gb側で特に生じやすいため、特に、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する押圧部材22Bに吸引口22vを取り付けることが好ましい。
【0057】
なお、図3〜図9では、押圧部材22の長手方向に沿った端部に位置する側面は開放されるように示されていたが、本実施形態はこれに限定されない。
【0058】
図10(a)に、本実施形態のガラス基板割断装置100において用いられる押圧部材22の模式図を示す。押圧部材22は、底部22s0、側部22s1、22s2に加えて押圧部材22の長手方向に沿った端部に位置する側部22s3、22s4を有している。ここでは、押圧部材22は、底部22s0、側部22s1、22s2、22s3および22s4のそれぞれによって規定される5つの面から構成されている。
【0059】
図10(a)に示した押圧部材22には、底部22s0を囲むように側部22s1、22s2、22s3および22s4が設けられている。このように、押圧部材22は、底部22s0を底とするケーシング形状であってもよい。
【0060】
側部22s3、22s4は、弾性率の高い材料から形成されていることが好ましい。ここでは、押圧部材22の底部22s0を基準とした側部22s3、22s4の高さは、側部22s1、22s2の高さとほぼ等しい。
【0061】
また、図10(a)に示した押圧部材22には、底部22s0に吸引口22vが設けられている。押圧部材22がガラス基板Gを押圧するときに、押圧部材22とガラス基板Gとによって外部から遮断された空間が形成されることにより、吸引効率を向上させることができる。
【0062】
押圧部材22の長手方向の長さはガラス基板Gの長さよりも大きいことが好ましい。ただし、押圧部材22の長手方向の長さはガラス基板Gの長さよりも小さくてもよい。この場合、図10(b)に示すように、押圧部材22の底部22s0を基準とした側部22s3、22s4の高さは、側部22s1、22s2の高さよりも小さく、押圧部材22の側部22s1、22s2がガラス基板Gと接するときに、押圧部材22の側部22s3、22s3はガラス基板Gと接触しないことが好ましい。なお、図10(a)および図10(b)には、押圧部材22のみを図示しているが、この押圧部材22に折割部材10が連結していてもよい。
【0063】
上述したように、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaのうちの線S’およびその近傍に力を付与する。ただし、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaのうちの線S’に対して力を付与することなくその近傍に力を付与してもよい。
【0064】
図11(a)に、本実施形態のガラス基板割断装置100に用いられる折割部材10の模式図を示す。折割部材10は、突起部10a1、10a2を有している。
【0065】
図11(b)に、図11(a)に示した折割部材10を備えるガラス基板G割断装置100の模式図を示す。図11(b)には図示していないが、突起部10a1、10a2は、線S’の延びている方向と平行に延びている。この場合、折割部材10の突起部10a1、10a2は、ガラス基板Gの主面Gaの線S’を挟んだ2つの領域と接触し、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaの線S’を挟んだ2つの領域に力を付与する。このように、折割部材10が突起部10a1、10a2を有している場合、折割部材10とガラス基板Gとの接触点が若干ずれることがあっても、スクライブ線Sを広げる方向の力をほぼ均等に付与することができる。
【0066】
ガラス基板Gの割断は保持部材によって保持された状態で行われてもよい。例えば、保持部材は、ガラス基板Gを水平方向に保持してもよく、あるいは、鉛直方向に保持してもよい。以下、図12および図13を参照して本実施形態のガラス基板割断装置100のより具体的な一例を説明する。
【0067】
図12に、本実施形態のガラス基板割断装置100の模式図を示す。図12に示したガラス基板割断装置100は、折割部材10と、押圧部材22Aと、押圧部材22Bとを備えている。押圧部材22A、22Bはガラス基板Gを介して対向するように配置されており、折割部材10は押圧部材22Aに連結している。
【0068】
押圧部材22A、22Bは、それぞれ、ケーシング形状の支持部材22tと、弾性部材22uとを有している。なお、図12では、図面が過度に複雑になることを避けるために、押圧部材22A、22Bの長手方向に沿った端部に位置する側部を省略して示している。
【0069】
押圧部材22A、22Bのそれぞれの側部22s1、22s2の先端には、弾性部材22uが取り付けられている。例えば、弾性部材22uとして、硬度90度、厚さ1〜3mmのリップゴムが用いられる。リップゴム22uは、例えば、支持部材22tにねじ止めされている。
【0070】
押圧部材22Aにおいて側部22s1の先端と側部22s2の先端との間の距離は約60mm〜80mmである。押圧部材22Aの底部22s0の幅(線S’またはスクライブ線Sの延びている方向に直交する方向の長さ)は30mm〜40mmである。また、押圧部材22Aの底部22s0を基準とした押圧部材22Aの側部22s1、22s2の先端(弾性部材22u)の高さは100mmであり、押圧部材22Aの側部22s1、22s2の高さは折割部材10の高さよりも約2mm大きい。また、押圧部材22Aには吸引口22vが設けられている。なお、ここでは、押圧部材22A、22Bは同様の形状を有している。
【0071】
押圧部材22A、22Bは直動ガイドによってガラス基板Gの主面Ga、Gbの法線方向に沿って移動可能に支持されている。押圧部材22A、22Bは、移動部材40の推進力によって移動する。移動部材40により、押圧部材22A、22Bは直線方向に移動する。例えば、移動部材40は、エアシリンダーまたは電動機とボールねじとの組み合わせによる駆動ユニットであってもよい。または、移動部材40は、エアーシリンダーと、電動機およびボールねじの駆動ユニットとの複合方式であってもよい。例えば、移動部材40が、エアーシリンダーと、電動機およびボールねじの駆動ユニットとの複合方式である場合、弾性部材22uがガラス基板Gと接するまでエアーシリンダーで押圧部材22A、22Bを移動させ、その後、電動機で押圧してもよい。あるいは、反対に、まず、弾性部材22uがガラス基板Gと接するまで電動機で押圧部材22A、22Bを移動させ、その後、エアーシリンダーで押圧部材22A、22Bを移動させてもよい。
【0072】
図12に示したガラス基板割断装置100では、ガラス基板Gは保持部材30に保持される。例えば、保持部材30はガラス基板Gの上端近傍をクランプしてガラス基板Gを吊り下げるように保持する。ガラス基板Gは垂直(鉛直)方向に垂下された状態で搬送される。
【0073】
例えば、ガラス基板Gの1辺は2mを超えている。押圧部材22A、22Bの長手方向の長さはガラス基板Gよりも長い。これにより、ガラス基板Gの割断時に、割断面がスクライブ線Sからずれることを抑制できる。
【0074】
ガラス基板Gの割断は以下のように行われる。まず、スクライブ線Sの形成されたガラス基板Gがガラス基板割断装置100に搬送される。例えば、ガラス基板Gは、スクライブ装置(図示せず)によってスクライブ線Sが形成された後、保持部材30によって保持されたまま搬送装置によってガラス基板割断装置100まで搬送される。
【0075】
次に、ガラス基板Gのスクライブ線Sに対応する線S’(図12には図示せず)と整合するように、折割部材10およびガラス基板Gの位置をあわせる。次に、押圧部材22A、22Bのそれぞれの弾性部材22uが接触するまで、押圧部材22A、22Bがガラス基板Gに対して前進する。押圧部材22A、22Bの弾性部材22uが接触するとき、折割部材10はガラス基板Gとは接触していない。その後、さらに、押圧部材22A、22Bがガラス基板Gに対して前進することにより、ガラス基板Gの線S’およびスクライブ線Sに直交する面方向に引張応力が発生する。移動部材40の推進力によって押圧部材22A、22Bがガラス基板Gと接した後、弾性部材22uが外方向に開くように変形することにより、ガラス基板Gのスクライブ線Sの近傍に引張応力が生じる。
【0076】
その後、さらに、押圧部材22A、22Bがガラス基板Gに近づくように移動すると、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaの線S’およびその近傍で接触し、線S’にわたってガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。このとき、ガラス基板Gには、押圧部材22A、22Bによって引張応力が付与されており、ガラス基板Gは比較的弱い力で割断される。
【0077】
なお、少なくとも割断を行う際に、吸引口22vを介して押圧部材22A、22Bで覆われた空間に対して吸引を行うことにより、ガラス基板Gを割断する際に生じるガラス粉の飛散を抑制できる。
【0078】
なお、図12に示したガラス基板割断装置100では、ガラス基板Gは垂下された状態で保持および搬送されたが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gは、主面Ga、Gbの法線が鉛直方向に沿うように保持および搬送されてよい。
【0079】
図13に、本実施形態のガラス基板割断装置100の模式図を示す。図13に示したガラス基板割断装置100は、ガラス基板Gの向きおよびそれに関連した構成を除いて図12を参照して上述したガラス基板割断装置100と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0080】
図13に示したガラス基板割断装置100において、ガラス基板Gの主面Ga、Gbの法線は鉛直方向を向いており、ガラス基板Gは水平方向に搬送される。ここでは、ガラス基板Gを保持する保持部材30としてローラコンベアが用いられており、ローラーコンベア30は、ガラス基板Gを保持するとともにガラス基板Gの搬送にも用いられる。
【0081】
典型的には、ガラス基板Gがガラス基板割断装置100に搬送される前に、スクライブ形成装置(図示せず)においてガラス基板Gの下面にスクライブ線Sが形成される。このため、ガラス基板Gの主面Gaは上方を向いており、ガラス基板Gの主面Gbは下方を向いている。
【0082】
なお、図12および図13に示したガラス基板割断装置100において、押圧部材22A、22Bの長さはガラス基板Gの長さよりも大きく、ガラス基板Gは一度に割断されたが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gの割断は、スクライブ線S(または線S’)に沿って徐々に行われてもよい。また、ガラス基板Gの割断を徐々に行う場合、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gのうちの折割部材10によって力の付与される領域近傍に対して引張応力を付与すればよい。ただし、ガラス基板Gが比較的大きい場合、ガラス基板Gの割断は、領域ごとに徐々に進行するのではなく、一度に行われることが好ましい。
【0083】
また、図12および図13を参照して上述した説明では、ガラス基板Gは、搬送可能に保持された状態で割断されたが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gの割断は、保持部材に保持されていない状態で行われてもよい。例えば、ガラス基板Gは、平坦面上に配置された状態で割断されて、割断後、別途設けられた搬送手段によって搬送されてもよい。
【0084】
また、図3から図13を参照して上述した説明では、引張応力付与部材20の一例として押圧部材22を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gの端部をクランプして引張ることにより、引張応力を付与してもよい。例えば、張応力付与部材20は、ガラス基板Gにおいて、スクライブ線Sの延びている方向に対して一方の側と他方の側をそれぞれクランプして引張ることにより、面方向に引張応力を付与してもよい。
【0085】
また、上述した説明では、折割部材10は棒形状に示されていたが、本実施形態はこれに限定されない。折割部材10は、ローラ形状であってもよい。例えば、ガラス基板Gの主面Gbにおいて、線Sをまたぐように配置された2つのローラがガラス基板Gの主面Gbに対して力を付与しながら線Sと平行に移動するとともに、ガラス基板Gの主面Gaにおいて、1つのローラがガラス基板Gの主面Gaに対して力を付与しながら線S’に沿って移動してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、ガラス基板の割断時に発生するガラス粉の飛散を抑制することができる。このようにマザーガラス基板を割断することによって得られたガラス基板は、液晶パネルまたはプラズマディスプレイパネルなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0087】
10 折割部材
20 引張応力付与部材
100 ガラス基板割断装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板割断装置、ガラス基板割断方法及びガラス基板作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板は液晶パネルまたはプラズマディスプレイパネルなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いられる。このようなガラス基板は、フロート法またはオーバーフロー法によって成形された比較的大きなガラス基板(「マザーガラス基板」とも呼ばれる。)を、所定のサイズに割断することによって作製される。典型的には、ガラス基板の割断は、ガラス基板にスクライブ線(分割線)を形成した後、または、ガラス基板にスクライブ線を形成しながら、スクライブ線に沿って衝撃や曲げ応力を付与することによって行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1は、2つのブレイク刃によってガラス基板の分断を行うブレイクユニットを開示している。特許文献1のブレイクユニットでは、ガラス基板を分断するために、ブレイク刃を始点としてガラス基板の両端を折り曲げるように力を付与している。また、特許文献1のブレイクユニットには、上部ダクトおよび下部ダクトが設けられており、分断によって生じたガラス粉(カレット)を吸引することにより、ガラス基板の品質の低下を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011‐026136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された割断(分断)方法では、ガラス基板を割断するためにガラス基板の厚さ方向に比較的強い力を付与することが必要なことがある。この場合、ガラス粉(カレット)が激しく飛散し、作製したガラス基板の品質が低下することがある。また、比較的強い力で割断を行う場合、ガラス基板の割断面の荒れによるガラス基板の品質の低下、または、割断不良が生じることがある。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス基板の厚さ方向に付与する力が比較的弱くてもガラス基板の割断を可能にするガラス基板割断装置、ガラス基板割断方法及びガラス基板作製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるガラス基板割断装置は、第1主面およびスクライブ線の形成された第2主面を有するガラス基板のうちの前記第1主面に力を付与する折割部材と、前記ガラス基板に引張応力を付与する引張応力付与部材とを備え、前記折割部材は、前記引張応力付与部材によって前記ガラス基板に引張応力が付与された状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する。
【0008】
ある実施形態において、前記引張応力付与部材は、第1側部および第2側部を有する少なくとも1つの押圧部材を含み、前記少なくとも1つの押圧部材は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に引張応力を付与する。
【0009】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの押圧部材の前記第1側部および前記第2側部は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に対して鋭角に接する。
【0010】
ある実施形態において、前記折割部材は、前記少なくとも1つの押圧部材に連結している。
【0011】
ある実施形態において、前記少なくとも1つの押圧部材は、前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第1主面に対して鋭角に接する第1押圧部材と、前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第2主面に対して鋭角に接する第2押圧部材とを有する。
【0012】
ある実施形態において、前第2押圧部材には、吸引口が取り付けられている。
【0013】
ある実施形態において、前記折割部材は、前記ガラス基板の前記第1主面のうちの前記スクライブ線に対応する線を挟んだ2つの領域に力を付与する。
【0014】
本発明によるガラス基板割断方法は、第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するガラス基板を用意する工程と、前記ガラス基板に引張応力を付与する工程と、前記ガラス基板に前記引張応力を付与した状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する工程とを包含する。
【0015】
本発明によるガラス基板作製方法は、マザーガラス基板を割断してガラス基板を作製するガラス基板作製方法であって、第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するマザーガラス基板を用意する工程と、前記マザーガラス基板に引張応力を付与する工程と、前記マザーガラス基板に前記引張応力が付与された状態で前記マザーガラス基板の前記第1主面に力を付与して前記マザーガラス基板を割断することによって作製されたガラス基板を取り出す工程とを包含する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ガラス基板の厚さ方向に付与する力が比較的弱くてもガラス基板の割断を行うことができる。このため、ガラス粉(カレット)の飛散に伴うガラス基板の品質の低下、割断面の荒れ、または、割断不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるガラス基板割断装置の実施形態の模式図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明によるガラス基板割断方法の実施形態を示す模式図である。
【図3】(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図および断面図である。
【図4】(a)〜(c)は図3に示した押圧部材を備える本実施形態のガラス基板割断装置におけるガラス基板割断方法を説明するための模式図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図および断面図である。
【図6】(a)〜(c)は図5に示した押圧部材を備える本実施形態のガラス基板割断装置におけるガラス基板割断方法を説明するための模式図である。
【図7】(a)〜(c)は本実施形態のガラス基板割断装置におけるガラス基板割断方法を説明するための模式図である。
【図8】(a)および(b)は本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式図である。
【図9】本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図である。
【図10】(a)および(b)は本実施形態のガラス基板割断装置における押圧部材の模式的な斜視図である。
【図11】(a)は本実施形態のガラス基板割断装置における折割部材の模式図であり、(b)は(a)の折割部材を備えたガラス基板割断装置の模式図である。
【図12】本実施形態のガラス基板割断装置の模式図である。
【図13】本実施形態のガラス基板割断装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明によるガラス基板割断装置、ガラス基板割断方法及びガラス基板作製方法の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0019】
図1に、本実施形態のガラス基板割断装置100の模式図を示す。ガラス基板割断装置100は、折割部材10および引張応力付与部材20を備えている。ガラス基板割断装置100は、主面Ga、Gbを有するガラス基板Gを割断する。ガラス基板Gの主面Gbにはほぼ直線状に延びた溝がスクライブ線Sとして形成されている。図1ではスクライブ線Sを一点破線で示している。典型的には、スクライブ線Sの延びている方向に直交する断面を見た場合、スクライブ線SはV字形状またはU字形状を有している。
【0020】
また、図1では、ガラス基板Gの主面Gaのうちの、スクライブ線Sに対応(対向)する線S’を点線で示している。なお、スクライブ線Sは溝形状に形成されているのに対して、線S’には溝が設けられていない。本明細書において、主面Gaを第1主面Gaと記載することがあり、主面Gbを第2主面Gbと記載することがある。
【0021】
折割部材10はガラス基板Gの第1主面Gaに力を付与する。典型的には、折割部材10は、ガラス基板Gの第1主面Gaの線S’上またはその近傍に力を付与する。折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与することにより、スクライブ線Sの近傍に曲げ応力が発生する。
【0022】
また、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gを面方向に引っ張る引張応力を付与する。典型的には、引張応力付与部材20は、スクライブ線Sの延びている方向に対して直交する面方向に作用する引張応力をガラス基板Gに付与する。
【0023】
本実施形態のガラス基板割断装置100では、引張応力付与部材20がガラス基板Gを引張った状態で、折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与してスクライブ線Sの近傍に曲げ応力が発生する際に、ガラス基板Gには面方向に作用する引張応力が付与されているため、折割部材10によってガラス基板Gの厚さ方向に付与される力が比較的弱くても、ガラス基板Gを割断できる。このため、ガラス基板Gの割断時に発生するガラス粉の飛散を抑制し、また、割断面の品質の向上および割断不良の抑制を図ることができる。
【0024】
なお、図1では、折割部材10はガラス基板Gの第1主面Ga側に配置されているのに対して、引張応力付与部材20はガラス基板Gの第2主面Gb側に配置されているように示されているが、後述するように、引張応力付与部材20はガラス基板Gの主面Ga側に配置されてもよく、または、引張応力付与部材20はガラス基板Gの主面Ga、Gbの両側に配置されてもよい。例えば、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gの主面Ga、Gbの少なくとも一方の面と接触して、スクライブ線Sの延びている方向に直交する面方向に引張応力を付与してもよい。あるいは、引張応力付与部材20はガラス基板Gの側方の端部に配置されてもよい。
【0025】
ここで、図2を参照して、本実施形態のガラス基板割断方法を説明する。
【0026】
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板Gを用意する。ガラス基板Gは主面Ga、Gbを有しており、主面Gbにスクライブ線Sが形成されている。
【0027】
次に、図2(b)に示すように、ガラス基板Gの面方向に引張応力を付与する。このとき、引張応力は、ガラス基板Gにおいて線S’またはスクライブ線Sあるいはそれらの近傍に対してスクライブ線Sの延びている方向とほぼ直交する面方向にほぼ均等に付与されることが好ましい。
【0028】
次に、図2(c)に示すように、ガラス基板Gに引張応力を付与した状態で、 折割部材10によってガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。これにより、ガラス基板Gのスクライブ線S近傍に曲げ応力が発生し、ガラス基板Gが割断される。なお、本実施形態では、ガラス基板Gをマザーガラス基板として用いており、マザーガラス基板Gの割断により、マザーガラス基板Gから、マザーガラス基板Gよりも小さいガラス基板を取り出すことができる。
【0029】
なお、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gに設けられた線S’またはスクライブ線Sの全体にわたって引張応力を付与してもよい。または、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gに設けられた線S’またはスクライブ線Sの一部に対して引張応力を付与してもよい。ただし、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gの線S’またはスクライブ線Sの全体にわたって引張応力を付与することが好ましい。
【0030】
図3を参照して、本実施形態のガラス基板割断装置100に用いられる引張応力付与部材の一例を説明する。ここでは、引張応力付与部材20として押圧部材22を用いている。図3(a)に押圧部材22の模式的な斜視図を示し、図3(b)に押圧部材22の模式的な断面図を示す。押圧部材22は、長手方向に延びた形状を有している。押圧部材22は比較的弾性率の高い材料から形成されていることが好ましい。
【0031】
押圧部材22は、底部22s0と、底部22s0から連続した側部22s1および側部22s2とを有している。本明細書において、側部22s1を第1側部22s1と記載することがあり、側部22s2を第2側部22s2と記載することがある。
【0032】
押圧部材22の長手方向に直交する方向に沿った断面を見た場合、底部22s0と第1側部22s1とのなす角θ1は鈍角であり、底部22s0と第2側部22s2とのなす角θ2は鈍角である。このため、押圧部材22の側部22s1と側部22s2の間の距離は底部22s0から離れるほど大きくなる。
【0033】
例えば、図3に示された押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する。以下、図4を参照して、図3に示した押圧部材22を用いたガラス基板割断方法を説明する。
【0034】
図4(a)に示すように、ガラス基板Gを介して押圧部材22と向かい合うように折割部材10を配置する。折割部材10はガラス基板Gの主面Ga側に配置されており、押圧部材22はガラス基板Gの主面Gb側に配置されている。なお、ここでは、折割部材10を棒形状に示している。
【0035】
図4(b)に示すように、押圧部材22はガラス基板Gの主面Gbと接するようにガラス基板Gに対して直進(移動)する。押圧部材22は、押圧部材22の長手方向がスクライブ線Sと平行になるようにガラス基板Gに対して配置されている。押圧部材22の側部22s1、22s2はスクライブ線Sの両側に配置されており、押圧部材22はスクライブ線Sを跨いでいる。押圧部材22の側部22s1は、ガラス基板Gの主面Gbに対して鋭角φ1に接し、押圧部材22の側部22s2は、ガラス基板Gの主面Gbに対して鋭角φ2に接する。押圧部材22をガラス基板Gに対して押圧することにより、側部22s1、22s2が広がるように変形し、これにより、ガラス基板Gに面方向に引張応力が付与される。
【0036】
次に、図4(c)に示すように、押圧部材22をガラス基板Gに引張応力を付与した状態で折割部材10がガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。これにより、ガラス基板Gの割断が行われる。なお、ここでは、押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gbと接触するようにガラス基板Gを押圧しており、これにより、押圧部材22は、面方向の引張応力とともに、スクライブ線Sを広げる方向の力も付与している。
【0037】
なお、図3および図4に示した押圧部材22には底部22s0が設けられており、側部22s1、22s2は底部22s0を介して連結されていたが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22には底部22s0が設けられておらず、側部22s1、22s2は直接連結されていてもよい。
【0038】
また、図3および図4において、押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gbを押圧しており、押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gaに力を付与する折割部材10とは別個に設けられていたが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22は折割部材10と連結していてもよい。
【0039】
ここで、図5を参照して折割部材10と連結した押圧部材22を説明する。図5(a)に本実施形態のガラス基板割断装置100に用いられる押圧部材22の模式的な斜視図を示し、図5(b)に押圧部材22の模式的な断面図を示す。押圧部材22は、底部22s0と、底部22s0から連続した側部22s1および側部22s2とを有している。ここでは、押圧部材22は折割部材10と連結している。例えば、折割部材10は、押圧部材22の底部22s0に取り付けられている。なお、折割部材10および押圧部材22は一体的に形成されてもよい。この押圧部材22において、底部22s0を基準とした側部22s1および側部22s2の先端までの高さは、底部22s0を基準とした折割部材10の先端までの高さよりも大きい。
【0040】
例えば、図5に示された押圧部材22は、ガラス基板Gの主面Gaに引張応力を付与する。ここで、図6を参照して、図5に示した押圧部材22を用いたガラス基板割断方法を説明する。
【0041】
図6(a)に示すように、連結した折割部材10および押圧部材22はガラス基板Gの主面Ga側に配置されている。なお、ガラス基板Gの主面Gbには、面全体にほぼ均等に力が付与されることが好ましい。例えば、ここでは図示していないが、ガラス基板Gの主面Gbは主面Gbとほぼ平行に広がったほぼ平坦な面(壁または床)と接しており、この平坦な面には、スクライブ線Sおよびその近傍に対応して、窪みまたは孔が設けられていることが好ましい。
【0042】
図6(b)に示すように、押圧部材22はガラス基板Gの主面Gaと接触するようにガラス基板Gに対して前進(移動)する。移動方向は、例えば、押圧部材22の底部22s0の主面の法線方向である。押圧部材22の側部22s1、22s2はガラス基板Gの線S’の両側に位置しており、押圧部材22は線S’を跨いでいる。押圧部材22の側部22s1は、ガラス基板Gの主面Gaに対して鋭角φ1に接し、押圧部材22の側部22s2は、ガラス基板Gの主面Gaに対して鋭角φ2に接する。なお、この時点では、折割部材10はガラス基板Gの主面Gaと接触していない。押圧部材22がガラス基板Gの主面Gaと接触することにより、ガラス基板Gの主面Gaに面方向の引張応力が付与される。
【0043】
次に、図6(c)に示すように、押圧部材22がさらに前進すると、押圧部材22の側部22s1、22s2が変形し、この変形に伴って押圧部材22に連結している折割部材10がガラス基板Gと接触する。押圧部材22によってガラス基板Gに面方向の引張応力が付与された状態で、折割部材10はガラス基板Gの主面Gaに力を付与し、これにより、ガラス基板Gの割断が行われる。
【0044】
なお、図5および図6に示した押圧部材22は折割部材10と連結されていたが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22は折割部材10とは別個に設けられてもよい。例えば、押圧部材22の底部22s0に孔が設けられており、折割部材10は押圧部材22の底部22s0の孔を貫通するように配置されてもよい。この場合、折割部材10および押圧部材22によるガラス基板Gに付与する力を個別に制御することができる。
【0045】
また、図4および図6を参照して上述したガラス基板割断装置100では、押圧部材22はガラス基板Gの主面Ga、Gbの一方を押圧したが、本実施形態はこれに限定されない。押圧部材22はガラス基板Gの主面Ga、Gbの両方を押圧してもよい。
【0046】
図7を参照して、本実施形態のガラス基板割断装置100によるガラス基板分断方法を説明する。このガラス基板割断装置100は、引張応力付与部材20として、ガラス基板Gの主面Gaに引張応力を付与する押圧部材22Aと、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する押圧部材22Bとを有している。また、ここでも、折割部材10は、押圧部材22Aに連結している。
【0047】
図7(a)に示すように、互いに連結した折割部材10および押圧部材22Aは、ガラス基板Gを介して押圧部材22Bと対向するように配置されている。折割部材10および押圧部材22Aはガラス基板Gの主面Ga側に配置されており、押圧部材22Bはガラス基板Gの主面Gb側に配置されている。
【0048】
図7(b)に示すように、押圧部材22Aがガラス基板Gの主面Gaと接触するようにガラス基板Gに対して前進(移動)するとともに押圧部材22Bがガラス基板Gの主面Gbと接触するようにガラス基板Gに対して前進(移動)する。押圧部材22Aの側部22as1、22as2はガラス基板Gの線S’の両側に位置しており、押圧部材22Aは線S’を跨いでいる。なお、この時点では、折割部材10はガラス基板Gの主面Gaと接触しない。押圧部材22Aがガラス基板Gの主面Gaと接触することにより、ガラス基板Gの主面Gaに面方向の引張応力が付与される。また、押圧部材22Bの側部22bs1、22bs2はガラス基板Gのスクライブ線Sの両側に位置しており、押圧部材22Bはスクライブ線Sを跨いでいる。押圧部材22Bがガラス基板Gの主面Gbと接触することにより、ガラス基板Gの主面Gbに面方向の引張応力が付与される。
【0049】
図7(c)に示すように、押圧部材22Aがさらに前進すると、押圧部材22Aの側部22as1、22as2が変形し、この変形に伴って押圧部材22Aに連結している折割部材10がガラス基板Gと接触する。折割部材10は、ガラス基板Gに面方向の引張応力が付与された状態でガラス基板Gの主面Gaに力を付与し、これにより、ガラス基板Gの割断が行われる。
【0050】
なお、図7に示したガラス基板割断装置100では、押圧部材22A、22Bは同様の形状を有しており、押圧部材22A、22Bはガラス基板Gの主面Ga、Gbにほぼ等しい引張応力を付与するが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gの主面Ga、Gbに付与される引張応力は異なってもよい。
【0051】
なお、図3〜図7に示した押圧部材22は単一の部材から構成されていたが、押圧部材22は複数の部材から構成されてもよい。
【0052】
図8を参照して、本実施形態のガラス基板割断装置100における押圧部材22を説明する。図8(a)に、押圧部材22の模式的な断面図を示す。押圧部材22は、支持部材22tと、支持部材22tに取り付けられた弾性部材22u1、22u2とを有している。支持部材22tは、底部22t0、側部22t1、22t2を有している。側部22t1には弾性部材22u1が取り付けられており、側部22t2には弾性部材22u2が取り付けられている。例えば、支持部材22tは、比較的硬い材料から形成されている。
【0053】
押圧部材22の側部22s1は、支持部材22tの側部22t1と、弾性部材22u1とから構成される。また、押圧部材22の側部22s2は、支持部材22tの側部22t2と、弾性部材22u2とから構成される。このように、押圧部材22の側部22s1、22s2の先端に弾性部材22u1、22u2を配置することにより、支持部材22tの材料を比較的自由に選択することができる。なお、図8(a)には、押圧部材22を示したが、図8(b)に示すように、支持部材22tと、弾性部材22u1、22u2とを有する押圧部材22に、折割部材10が連結していてもよい。
【0054】
また、押圧部材22には吸引口が取り付けられており、ガラス基板Gを割断する際に発生するガラス粉を吸引してもよい。
【0055】
図9に、本実施形態のガラス基板割断装置100において用いられる押圧部材22の模式図を示す。例えば、押圧部材22の底部22s0に吸引口22vが設けられている。ここでは図示していないが、この吸引口22vは可撓性ホースを介して吸引部材と接続される。このように、押圧部材22には吸引口22vが取り付けられていることにより、ガラス基板Gを割断する際に発生するガラス粉の吸引を行い、品質の低下をさらに抑制することができる。
【0056】
なお、図7に示したガラス基板割断装置100において、ガラス基板Gの主面Gaに引張応力を付与する押圧部材22A、および、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する押圧部材22Bのそれぞれに、図9に示した吸引口22vが取り付けられてもよい。このように、ガラス基板Gの主面Ga、Gbの両方に引張応力を付与する場合、ガラス粉の飛散は、ガラス基板Gの主面Gb側で特に生じやすいため、特に、ガラス基板Gの主面Gbに引張応力を付与する押圧部材22Bに吸引口22vを取り付けることが好ましい。
【0057】
なお、図3〜図9では、押圧部材22の長手方向に沿った端部に位置する側面は開放されるように示されていたが、本実施形態はこれに限定されない。
【0058】
図10(a)に、本実施形態のガラス基板割断装置100において用いられる押圧部材22の模式図を示す。押圧部材22は、底部22s0、側部22s1、22s2に加えて押圧部材22の長手方向に沿った端部に位置する側部22s3、22s4を有している。ここでは、押圧部材22は、底部22s0、側部22s1、22s2、22s3および22s4のそれぞれによって規定される5つの面から構成されている。
【0059】
図10(a)に示した押圧部材22には、底部22s0を囲むように側部22s1、22s2、22s3および22s4が設けられている。このように、押圧部材22は、底部22s0を底とするケーシング形状であってもよい。
【0060】
側部22s3、22s4は、弾性率の高い材料から形成されていることが好ましい。ここでは、押圧部材22の底部22s0を基準とした側部22s3、22s4の高さは、側部22s1、22s2の高さとほぼ等しい。
【0061】
また、図10(a)に示した押圧部材22には、底部22s0に吸引口22vが設けられている。押圧部材22がガラス基板Gを押圧するときに、押圧部材22とガラス基板Gとによって外部から遮断された空間が形成されることにより、吸引効率を向上させることができる。
【0062】
押圧部材22の長手方向の長さはガラス基板Gの長さよりも大きいことが好ましい。ただし、押圧部材22の長手方向の長さはガラス基板Gの長さよりも小さくてもよい。この場合、図10(b)に示すように、押圧部材22の底部22s0を基準とした側部22s3、22s4の高さは、側部22s1、22s2の高さよりも小さく、押圧部材22の側部22s1、22s2がガラス基板Gと接するときに、押圧部材22の側部22s3、22s3はガラス基板Gと接触しないことが好ましい。なお、図10(a)および図10(b)には、押圧部材22のみを図示しているが、この押圧部材22に折割部材10が連結していてもよい。
【0063】
上述したように、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaのうちの線S’およびその近傍に力を付与する。ただし、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaのうちの線S’に対して力を付与することなくその近傍に力を付与してもよい。
【0064】
図11(a)に、本実施形態のガラス基板割断装置100に用いられる折割部材10の模式図を示す。折割部材10は、突起部10a1、10a2を有している。
【0065】
図11(b)に、図11(a)に示した折割部材10を備えるガラス基板G割断装置100の模式図を示す。図11(b)には図示していないが、突起部10a1、10a2は、線S’の延びている方向と平行に延びている。この場合、折割部材10の突起部10a1、10a2は、ガラス基板Gの主面Gaの線S’を挟んだ2つの領域と接触し、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaの線S’を挟んだ2つの領域に力を付与する。このように、折割部材10が突起部10a1、10a2を有している場合、折割部材10とガラス基板Gとの接触点が若干ずれることがあっても、スクライブ線Sを広げる方向の力をほぼ均等に付与することができる。
【0066】
ガラス基板Gの割断は保持部材によって保持された状態で行われてもよい。例えば、保持部材は、ガラス基板Gを水平方向に保持してもよく、あるいは、鉛直方向に保持してもよい。以下、図12および図13を参照して本実施形態のガラス基板割断装置100のより具体的な一例を説明する。
【0067】
図12に、本実施形態のガラス基板割断装置100の模式図を示す。図12に示したガラス基板割断装置100は、折割部材10と、押圧部材22Aと、押圧部材22Bとを備えている。押圧部材22A、22Bはガラス基板Gを介して対向するように配置されており、折割部材10は押圧部材22Aに連結している。
【0068】
押圧部材22A、22Bは、それぞれ、ケーシング形状の支持部材22tと、弾性部材22uとを有している。なお、図12では、図面が過度に複雑になることを避けるために、押圧部材22A、22Bの長手方向に沿った端部に位置する側部を省略して示している。
【0069】
押圧部材22A、22Bのそれぞれの側部22s1、22s2の先端には、弾性部材22uが取り付けられている。例えば、弾性部材22uとして、硬度90度、厚さ1〜3mmのリップゴムが用いられる。リップゴム22uは、例えば、支持部材22tにねじ止めされている。
【0070】
押圧部材22Aにおいて側部22s1の先端と側部22s2の先端との間の距離は約60mm〜80mmである。押圧部材22Aの底部22s0の幅(線S’またはスクライブ線Sの延びている方向に直交する方向の長さ)は30mm〜40mmである。また、押圧部材22Aの底部22s0を基準とした押圧部材22Aの側部22s1、22s2の先端(弾性部材22u)の高さは100mmであり、押圧部材22Aの側部22s1、22s2の高さは折割部材10の高さよりも約2mm大きい。また、押圧部材22Aには吸引口22vが設けられている。なお、ここでは、押圧部材22A、22Bは同様の形状を有している。
【0071】
押圧部材22A、22Bは直動ガイドによってガラス基板Gの主面Ga、Gbの法線方向に沿って移動可能に支持されている。押圧部材22A、22Bは、移動部材40の推進力によって移動する。移動部材40により、押圧部材22A、22Bは直線方向に移動する。例えば、移動部材40は、エアシリンダーまたは電動機とボールねじとの組み合わせによる駆動ユニットであってもよい。または、移動部材40は、エアーシリンダーと、電動機およびボールねじの駆動ユニットとの複合方式であってもよい。例えば、移動部材40が、エアーシリンダーと、電動機およびボールねじの駆動ユニットとの複合方式である場合、弾性部材22uがガラス基板Gと接するまでエアーシリンダーで押圧部材22A、22Bを移動させ、その後、電動機で押圧してもよい。あるいは、反対に、まず、弾性部材22uがガラス基板Gと接するまで電動機で押圧部材22A、22Bを移動させ、その後、エアーシリンダーで押圧部材22A、22Bを移動させてもよい。
【0072】
図12に示したガラス基板割断装置100では、ガラス基板Gは保持部材30に保持される。例えば、保持部材30はガラス基板Gの上端近傍をクランプしてガラス基板Gを吊り下げるように保持する。ガラス基板Gは垂直(鉛直)方向に垂下された状態で搬送される。
【0073】
例えば、ガラス基板Gの1辺は2mを超えている。押圧部材22A、22Bの長手方向の長さはガラス基板Gよりも長い。これにより、ガラス基板Gの割断時に、割断面がスクライブ線Sからずれることを抑制できる。
【0074】
ガラス基板Gの割断は以下のように行われる。まず、スクライブ線Sの形成されたガラス基板Gがガラス基板割断装置100に搬送される。例えば、ガラス基板Gは、スクライブ装置(図示せず)によってスクライブ線Sが形成された後、保持部材30によって保持されたまま搬送装置によってガラス基板割断装置100まで搬送される。
【0075】
次に、ガラス基板Gのスクライブ線Sに対応する線S’(図12には図示せず)と整合するように、折割部材10およびガラス基板Gの位置をあわせる。次に、押圧部材22A、22Bのそれぞれの弾性部材22uが接触するまで、押圧部材22A、22Bがガラス基板Gに対して前進する。押圧部材22A、22Bの弾性部材22uが接触するとき、折割部材10はガラス基板Gとは接触していない。その後、さらに、押圧部材22A、22Bがガラス基板Gに対して前進することにより、ガラス基板Gの線S’およびスクライブ線Sに直交する面方向に引張応力が発生する。移動部材40の推進力によって押圧部材22A、22Bがガラス基板Gと接した後、弾性部材22uが外方向に開くように変形することにより、ガラス基板Gのスクライブ線Sの近傍に引張応力が生じる。
【0076】
その後、さらに、押圧部材22A、22Bがガラス基板Gに近づくように移動すると、折割部材10は、ガラス基板Gの主面Gaの線S’およびその近傍で接触し、線S’にわたってガラス基板Gの主面Gaに力を付与する。このとき、ガラス基板Gには、押圧部材22A、22Bによって引張応力が付与されており、ガラス基板Gは比較的弱い力で割断される。
【0077】
なお、少なくとも割断を行う際に、吸引口22vを介して押圧部材22A、22Bで覆われた空間に対して吸引を行うことにより、ガラス基板Gを割断する際に生じるガラス粉の飛散を抑制できる。
【0078】
なお、図12に示したガラス基板割断装置100では、ガラス基板Gは垂下された状態で保持および搬送されたが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gは、主面Ga、Gbの法線が鉛直方向に沿うように保持および搬送されてよい。
【0079】
図13に、本実施形態のガラス基板割断装置100の模式図を示す。図13に示したガラス基板割断装置100は、ガラス基板Gの向きおよびそれに関連した構成を除いて図12を参照して上述したガラス基板割断装置100と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0080】
図13に示したガラス基板割断装置100において、ガラス基板Gの主面Ga、Gbの法線は鉛直方向を向いており、ガラス基板Gは水平方向に搬送される。ここでは、ガラス基板Gを保持する保持部材30としてローラコンベアが用いられており、ローラーコンベア30は、ガラス基板Gを保持するとともにガラス基板Gの搬送にも用いられる。
【0081】
典型的には、ガラス基板Gがガラス基板割断装置100に搬送される前に、スクライブ形成装置(図示せず)においてガラス基板Gの下面にスクライブ線Sが形成される。このため、ガラス基板Gの主面Gaは上方を向いており、ガラス基板Gの主面Gbは下方を向いている。
【0082】
なお、図12および図13に示したガラス基板割断装置100において、押圧部材22A、22Bの長さはガラス基板Gの長さよりも大きく、ガラス基板Gは一度に割断されたが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gの割断は、スクライブ線S(または線S’)に沿って徐々に行われてもよい。また、ガラス基板Gの割断を徐々に行う場合、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gのうちの折割部材10によって力の付与される領域近傍に対して引張応力を付与すればよい。ただし、ガラス基板Gが比較的大きい場合、ガラス基板Gの割断は、領域ごとに徐々に進行するのではなく、一度に行われることが好ましい。
【0083】
また、図12および図13を参照して上述した説明では、ガラス基板Gは、搬送可能に保持された状態で割断されたが、本実施形態はこれに限定されない。ガラス基板Gの割断は、保持部材に保持されていない状態で行われてもよい。例えば、ガラス基板Gは、平坦面上に配置された状態で割断されて、割断後、別途設けられた搬送手段によって搬送されてもよい。
【0084】
また、図3から図13を参照して上述した説明では、引張応力付与部材20の一例として押圧部材22を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、引張応力付与部材20は、ガラス基板Gの端部をクランプして引張ることにより、引張応力を付与してもよい。例えば、張応力付与部材20は、ガラス基板Gにおいて、スクライブ線Sの延びている方向に対して一方の側と他方の側をそれぞれクランプして引張ることにより、面方向に引張応力を付与してもよい。
【0085】
また、上述した説明では、折割部材10は棒形状に示されていたが、本実施形態はこれに限定されない。折割部材10は、ローラ形状であってもよい。例えば、ガラス基板Gの主面Gbにおいて、線Sをまたぐように配置された2つのローラがガラス基板Gの主面Gbに対して力を付与しながら線Sと平行に移動するとともに、ガラス基板Gの主面Gaにおいて、1つのローラがガラス基板Gの主面Gaに対して力を付与しながら線S’に沿って移動してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、ガラス基板の割断時に発生するガラス粉の飛散を抑制することができる。このようにマザーガラス基板を割断することによって得られたガラス基板は、液晶パネルまたはプラズマディスプレイパネルなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0087】
10 折割部材
20 引張応力付与部材
100 ガラス基板割断装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面およびスクライブ線の形成された第2主面を有するガラス基板のうちの前記第1主面に力を付与する折割部材と、
前記ガラス基板に引張応力を付与する引張応力付与部材と
を備え、
前記折割部材は、前記引張応力付与部材によって前記ガラス基板に引張応力が付与された状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する、ガラス基板割断装置。
【請求項2】
前記引張応力付与部材は、第1側部および第2側部を有する少なくとも1つの押圧部材を含み、
前記少なくとも1つの押圧部材は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に引張応力を付与する、請求項1に記載のガラス基板割断装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの押圧部材の前記第1側部および前記第2側部は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に対して鋭角に接する、請求項2に記載のガラス基板割断装置。
【請求項4】
前記折割部材は、前記少なくとも1つの押圧部材に連結している、請求項2または3に記載のガラス基板割断装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの押圧部材は、
前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第1主面に対して鋭角に接する第1押圧部材と、
前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第2主面に対して鋭角に接する第2押圧部材と
を有する、請求項2から4のいずれかに記載のガラス基板割断装置。
【請求項6】
前第2押圧部材には、吸引口が取り付けられている、請求項5に記載のガラス基板割断装置。
【請求項7】
前記折割部材は、前記ガラス基板の前記第1主面のうちの前記スクライブ線に対応する線を挟んだ2つの領域に力を付与する、請求項1から6のいずれかに記載のガラス基板割断装置。
【請求項8】
第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するガラス基板を用意する工程と、
前記ガラス基板に引張応力を付与する工程と、
前記ガラス基板に前記引張応力を付与した状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する工程と
を包含する、ガラス基板割断方法。
【請求項9】
マザーガラス基板を割断してガラス基板を作製するガラス基板作製方法であって、
第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するマザーガラス基板を用意する工程と、
前記マザーガラス基板に引張応力を付与する工程と、
前記マザーガラス基板に前記引張応力が付与された状態で前記マザーガラス基板の前記第1主面に力を付与して前記マザーガラス基板を割断することによって作製されたガラス基板を取り出す工程と
を包含する、ガラス基板作製方法。
【請求項1】
第1主面およびスクライブ線の形成された第2主面を有するガラス基板のうちの前記第1主面に力を付与する折割部材と、
前記ガラス基板に引張応力を付与する引張応力付与部材と
を備え、
前記折割部材は、前記引張応力付与部材によって前記ガラス基板に引張応力が付与された状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する、ガラス基板割断装置。
【請求項2】
前記引張応力付与部材は、第1側部および第2側部を有する少なくとも1つの押圧部材を含み、
前記少なくとも1つの押圧部材は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に引張応力を付与する、請求項1に記載のガラス基板割断装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの押圧部材の前記第1側部および前記第2側部は、前記ガラス基板の前記第1主面または前記第2主面に対して鋭角に接する、請求項2に記載のガラス基板割断装置。
【請求項4】
前記折割部材は、前記少なくとも1つの押圧部材に連結している、請求項2または3に記載のガラス基板割断装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの押圧部材は、
前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第1主面に対して鋭角に接する第1押圧部材と、
前記第1側部および前記第2側部が前記ガラス基板の前記第2主面に対して鋭角に接する第2押圧部材と
を有する、請求項2から4のいずれかに記載のガラス基板割断装置。
【請求項6】
前第2押圧部材には、吸引口が取り付けられている、請求項5に記載のガラス基板割断装置。
【請求項7】
前記折割部材は、前記ガラス基板の前記第1主面のうちの前記スクライブ線に対応する線を挟んだ2つの領域に力を付与する、請求項1から6のいずれかに記載のガラス基板割断装置。
【請求項8】
第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するガラス基板を用意する工程と、
前記ガラス基板に引張応力を付与する工程と、
前記ガラス基板に前記引張応力を付与した状態で前記ガラス基板の前記第1主面に力を付与することにより、前記ガラス基板を割断する工程と
を包含する、ガラス基板割断方法。
【請求項9】
マザーガラス基板を割断してガラス基板を作製するガラス基板作製方法であって、
第1主面と、スクライブ線の形成された第2主面とを有するマザーガラス基板を用意する工程と、
前記マザーガラス基板に引張応力を付与する工程と、
前記マザーガラス基板に前記引張応力が付与された状態で前記マザーガラス基板の前記第1主面に力を付与して前記マザーガラス基板を割断することによって作製されたガラス基板を取り出す工程と
を包含する、ガラス基板作製方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−87004(P2013−87004A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227629(P2011−227629)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】
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