説明

ガラス物品の製造方法

【課題】 NiOを含むガラス物品の製造方法で、NiSの生成を極力減少できるガラス物品の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】 硫黄化合物を含むガラスバッチに、酸化ニッケル源として、酸化ニッケルを含むガラス熔融物または/および該ガラス熔融物バッチの圧縮成形物を混合して、熔融することを特徴とするガラス物品の製造方法である。
前記ガラス熔融物を、質量%で表して、SiO2 60〜80%,Al23 0〜 5%,MgO 0〜10%,CaO 0〜15%,MgO+CaO 5〜15%,Na2O 10〜18%,K2O 0〜 5%,Na2O+K2O 10〜20%,NiO 1〜15%を含む組成物となるように調整することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス物品の製造方法に関し、特に酸化ニッケルを含むガラス物品の製造方法に関する。特に、フロート法やロールアウト法によって板状に成形されるガラス板の製造方法において、ガラスの泡品質の向上、酸化還元条件の制御、NiSの生成減少の3つを成立させることができる製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ソーダライムシリカガラスは、所定の原料を秤量、混合し、これにカレットを加えたものを熔融窯に投入して製造される。投入原料は室温から昇温され、熔融窯の中で最高1500〜1600℃程度にまで加熱されて熔解、ガラス化される。
【0003】
ソーダライムシリカガラスを製造する場合、熔解・清澄を促進するために、ガラスバッチに硫黄化合物である硫酸塩化合物(硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム等)が加えられる。特に、硫酸ナトリウム(以下、芒硝と記す)を加えるのが一般的である。芒硝の融点は884℃であり、この温度以上になると、芒硝は液相となり、ガラス化反応を促進すると考えられる。
【0004】
なお、ガラスバッチに含まれる硫黄化合物は、主として上述の硫酸塩化合物である。このほかにも、カルマイト(登録商標)と呼ばれる硫黄を含む高炉スラグも、ガラスバッチに含まれる硫黄化合物として挙げられる。
【0005】
さらに芒硝は、ガラスバッチ中に共に加えられている炭素系還元剤(例えば、カーボン等)と反応し、硫化ナトリウム(Na2S)を生成すると考えられている。
【0006】
上述したNa2Sは、シリカ(SiO2)と反応し、シリカの熔解とガラスネットワークの形成を促すことから、ガラス化反応を促進するために重要な物質であると考えられている。サルファイドイオン(S2-)は、空気中では大変不安定であり、Na2Sを直接観察することは非常に難しい。
【0007】
このS2-の形成温度域について、正確な数値は明らかではなく、またガラスバッチの構成成分によっても変動するが、概ね800〜1200℃の温度域の近傍にあると考えられる。
【0008】
さて、酸化ニッケル(NiO)は、古くからガラス組成物における黄褐色〜暗紫色の着色原料として用いられてきた。近年では、自動車後部窓ガラスに用いられる、比較的可視光透過率の低いガラスの着色成分としても利用されている。このような低可視光透過率ガラスに含まれるNiO成分は、数十ppmから、多いものでは千ppm以上含まれる。
【0009】
ところで、上述したS2-は、酸化ニッケル(NiO)が存在すると、容易に反応して硫化ニッケル(NiS)を形成する。
【0010】
着色原料として用いる場合のほか、工業的に生産されるガラス物品には、ニッケルが混入する虞がある。例えば、金属ニッケルは、ステンレス鋼や溶接棒といった合金としても広く用いられており、これらニッケル合金の小片は、しばしば、工業ガラス原料やカレット中に紛れ込み、窯内に投入されることがあるからである。窯槽中でのニッケル合金の熔融反応は明らかではないが、合金中のニッケルもまた、上述のS2-と結合してNiSを形成すると考えられている。
【0011】
NiS生成温度域は明らかではないが、上述したS2-生成温度域から800℃以上と考えられ、かつ工業的な硫化ニッケルの生成温度が約1000℃であることから、800〜1200℃の温度域にあると推定される。
【0012】
また1300℃以上の高温になると、一旦生成したNiSは再びガラス中に熔解あるいは拡散して消失すると考えられる。この熔解速度や拡散速度は、高温ほど大きいと推定される。
【0013】
さて、自動車用安全ガラスの一つとして、熱強化ガラスが用いられる。熱強化された窓ガラスでは、極めて稀に特に大きな外力を作用させなくても、自然に破損することがある。熱強化ガラスは、表面の圧縮応力層と内部の引張応力層とを有する。この引張応力層に微小な異物、とりわけ硫化ニッケル(NiS)が存在する場合には、時間の経過と共に、このNiSがα相からβ相への転移が生じ、その際の体積変化によって、熱強化ガラスを破損させてしまうことが知られている。
【0014】
このため、NiSを生じさせないために、様々なガラス製造方法が検討されている。
【0015】
特開昭49−118711号公報には、板ガラスの製造時における原料組成成分のうち芒硝の一部を硝石およびソーダ灰に置き換え、かつカーボンを含まないことを特徴とするガラス原料組成物が開示されている。
【0016】
米国特許第5,725,628号公報には、ソ−ダ石灰ガラスの製造工程において、硫化ニッケルを除去するためにマンガン化合物を少なくともニッケル含有量の1.4倍添加することを特徴とするガラス製造方法が開示されている。
【0017】
また、特開平7−144922号公報には、ソーダ石灰ガラスの製造方法において、バッチ物質に、モリブデン、砒素、アンチモン、ビスマス、銅、銀、ニクロム酸カリウムおよびクロマイト鉄並びにそれらの組合せから本質的になる群から選ばれた物質を少なくとも0.010重量%添加することを特徴とするガラス製造方法が開示されている。
【0018】
本出願人は、特開平9−169537号公報にて、ガラス原料中に含有されるニッケル系化合物及び/または前記ガラス原料の溶融過程で混入するニッケル系化合物に起因して溶融成形されたガラス中に生成される硫化ニッケルを、前記ガラス原料中に亜鉛化合物、金属塩または金属酸化物といった成分を微量添加させることにより抑制することを特徴とするソーダ石灰系ガラスの製造方法を開示した。
【0019】
一方、ガラス原料バッチに、フリットガラスやバッチ成分の一部を選択的に組み合わせて固化したものを加え、原料として用いる様々なガラスの製造方法も開示されている。
【0020】
特開平6−1633号公報には、高還元率または/および比較的高還元率フリットガラス、特定した芒硝および特定したカーボンを適宜特異に組み合わせて用いることで、ガラス中の還元率を特定範囲に入るようにコントロールすることにより、赤外線紫外線吸収ガラスを製造する方法が開示されている。
【0021】
特開平11−116270号公報には、V25を含有する着色フリットとSeを含有する着色フリットを添加して攪拌した後、成形することを特徴とする紫外線吸収無色透明ソーダライムシリカ系のガラス瓶の製造方法が開示されている。
【0022】
特表2005-519015号公報には、ガラスバッチ組成物の特定の構成成分を選択的に組み合わせて、ガラス融体におけるバッチ成分のグロスセグリゲーションを減少させ、更に熱反応経路を制御することで溶融効率を改善する方法が開示されている。
【特許文献1】特開昭49−118711号公報
【特許文献2】米国特許第5725628号公報
【特許文献3】特開平7−144922号公報
【特許文献4】特開平9−169537号公報
【特許文献5】特開平6−1633号公報
【特許文献6】特開平11−116270号公報
【特許文献7】特表2005-519015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
特開昭49−118711号公報に開示されたガラス製造方法は、ガラスの清澄作用を有する芒硝を減らしたため、ガラス中の泡が抜け切れない。また、ガラスの酸化還元状態を調整するカーボンを含まないので、光学特性を調整できない。このため、例えば、自動車用窓ガラスに必要な泡品質および光学特性を得ることができなかった。
【0024】
米国特許第5,725,628号公報は、強力な酸化剤として作用するマンガン化合物を多量に含むので、ガラスの酸化還元条件は酸化よりとなって、光学特性を調整できない。このため、例えば、自動車用窓ガラスに必要な光学特性を得ることができなかった。
【0025】
特開平7−144922号公報に開示されたガラス製造方法は、ガラスバッチにNiOを含むことを前提としておらず、あくまでコンタミネーションとして、ごくわずかにガラス原料に導入され形成されるNiSのための対策であった。このため、例えば、NiOを含むガラス組成物のNiS対策には、利用できなかった。
【0026】
特開平9−169537号公報もまた、酸化剤として作用する亜鉛化合物を添加する必要があるため、ガラスのレドックスは酸化よりとなって光学特性の調整が困難になる。このため、例えば、自動車用窓ガラスに必要な品質および光学特性を得ることが困難であった。
【0027】
特開平6−1633号公報は、高還元率フリットガラスとガラス原料バッチの芒硝、カーボンを組み合わせて用いることで、ガラスの還元率を調整する方法は開示されている。しかし、NiS生成防止の効果の有無については、開示も示唆もされていない。
【0028】
特開平11−116270号公報は、V25とSeをそれぞれ含有するガラスフリットを添加することで、紫外線吸収無色透明ソーダライムシリカ系ガラスの光学特性を得る方法が開示されている。しかし、ガラスフリットの組成については、硼珪酸塩系等の低融点ガラスを用いるものであり、NiS生成防止効果が得られるものではなかった。
【0029】
特表2005-519015号公報は、特定のバッチ成分を選択的にフリット化、ペレット化または予備反応等させることで、バッチ成分のグロスセグリゲーションを減少させ、更に熱反応経路を制御することで溶融効率の向上を図る方法が開示されている。しかし、NiS生成防止の効果の有無については、何ら開示も示唆もされていない。
【0030】
ところで、上述した炭素系還元剤は、ガラスの酸化還元状態を決定するために重要な働きを持っている。ガラスの酸化還元状態を表す指標には、ガラス中の全酸化鉄に対する二価鉄の割合(FeO比)を用いるのが一般的である。カーボンのような還元剤は、FeO比を上げる働きがある。一方、硫酸塩化合物や硝酸塩化合物は、FeO比を下げる働きがある。
【0031】
ガラス中の二価鉄は、赤外線をよく吸収する。自動車用の窓ガラスでは、この二価鉄による吸収を利用して、高い熱線吸収性能を得ることが行われている。この場合、製品としてのガラスの均質性や泡品質を維持しながら、所望のFeO比を得る必要がある。
【0032】
一方、ガラス中に生成されるNiSは、ガラスの酸化還元状態とも深くかかわっている。定性的には、NiSはガラスが酸化状態であれば生成しにくく、還元状態であれば生成しやすいことが知られている。上述のFeO比でいえば、高い熱線吸収性能を得るために高いFeO比を得ようとすれば、NiSはより生成しやすくなる。
【0033】
したがって、所望の光学特性を得るために、特に必要な高いFeO比にしながら、NiSの生成を抑制する技術が必要である。
【0034】
これらの状況に鑑み、本発明は、NiOを含むガラス物品でNiSの生成を極力少なくできるガラス物品の製造方法の提供を目的とする。さらには、ガラスの泡品質や酸化還元状態に影響されずに、しかもNiSの生成を極力少なくできるガラス物品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明者らは、ガラスを熔融する工程の800〜1200℃付近の温度域で、NiOとS2-が出会うことを阻害することが、NiS個数を減少させるために非常に重要であると考えた。
【0036】
そこで、NiOの周囲を、S2-を含まないガラス熔融物で取り囲めばよいと着想した。これを実現するために、以下の方法を考え出した。
(1)NiOを含むガラス熔融物を用いる
(2)NiOを含むバッチの圧縮成型物を用いる
【0037】
(1)NiOを含むガラス熔融物
本発明による具体的な解決方法の第一は、予めNiOを含むガラス熔融物を準備しておき、これを用いる方法である。このガラス熔融物の原料中には、硫酸塩を含ませない。ガラス熔融物は、フリットの形態で用いることが好ましい。
【0038】
このガラス熔融物の組成は、最終的なガラス物品の組成と比較して、logη=4の温度が同程度か、それより高いことが好ましい。logη=4の温度が低いと、特定の温度域でNiOを含むガラス熔融物が速やかに周囲に拡散してしまう。このため、NiOの周囲を、S2-を含まない酸化物からなるガラス成分で取り囲むことが十分でなくなる。例えば、最終的なガラス組成物がソーダライムシリカ系ガラスである場合、logη=4の温度が約1000℃以上であるガラスとすることが好ましい。
【0039】
(SiO2
また、このガラス熔融物は、最終的に他の原料と混じり合って均質なガラス組成物を形成する必要がある。そのため、最終的なガラス組成と比較して、粘性が高すぎると他の原料と混ざりにくくなって、色斑を生じるなどの不具合を生じることがある。このため、このガラス熔融物は、SiO2成分を60〜80%含むことが好ましく、65〜80%がより好ましい。
【0040】
(NiO)
本発明の製造方法において、このガラス熔融物のみが、最終的なガラス物品に対してNiOを供給する。最終的なガラス物品におけるNiOの含有率は、ガラス熔融物中のNiO含有率と、使用するガラス熔融物の割合との積で表される。最終的なガラス物品と組成の異なるガラス熔融物を添加する割合については、均質なガラスを得る観点から、少ない方が好ましい。
【0041】
一方、ガラス熔融物中のNiO含有率が高くなるに従って、最終的なガラス物品中に生成するNiS個数は増加する傾向にある。このため、ガラス熔融物中のNiO含有率は、15%以下が好ましく、6%以下がより好ましい。
【0042】
(形状、粒径)
ガラス熔融物は、球状、円筒状、扁平板状、薄片状、立方体状、糸状と様々な形状に成形されて、用いられるとよい。特に球状、円筒状、立方体状等の比表面積の比較的小さい形状に成形されることが好ましい。ガラス熔融物は最終的なガラス組成物の均質性を損なわない範囲で、なるべく大きな形状で用いられることが好ましい。
【0043】
ガラス熔融物の形状が概略粒子状である場合は、それを球体とみなして換算した場合、平均粒径が少なくとも1.5mmとなるように成形することが好ましく、平均粒径が少なくとも5mmであることが、より好ましい。粒径とは粒子の直径のことである。
ガラス熔融物の形状が概略薄片状である場合は、その厚みを少なくとも0.5mmとなるように成形することが好ましい。薄片状の場合、その平均粒径は少なくとも10mmであるとよい。
【0044】
このガラス熔融物において、体積V(mm3)に対する表面積S(mm2)の割合(S/V)で表して、4mm-1以下であることが好ましい。例えば、ガラス熔融物を球体とした場合、直径1.5mmではS/V=4mm-1であり、直径2mmではS/V=3(mm-1)であり、直径6mmでは、S/V=1mm-1である。したがって、ガラス熔融物の形状を球状とした場合、S/Vが4mm-1以下とするには、直径を1.5mm以上にするとよい。
【0045】
(2)NiOを含む圧縮成形物
本発明による具体的な解決方法の第二は、予めNiOを含むガラス熔融物のバッチを圧縮し成形した圧縮成形物を用意して、これを用いる方法である。この圧縮成形物中には硫酸塩を含ませない。なお、ガラスバッチの原料を圧縮成形することは、ブリケット化と呼ばれることがある。
【0046】
圧縮成形物を熔融したときのガラス組成は、基本的に上述したNiOを含むガラス熔融物のそれと同じでよい。
【0047】
また圧縮成形物は、上述したガラス熔融物と同様に、最終的には他の原料と混じり合って均質なガラス組成物を形成する必要がある。そのため、最終的なガラス組成と比較して、圧縮成形物を熔融したときの粘性が高すぎると、他の原料と混ざりにくくなって、色斑を生じるなどの不具合を生じることがある。そのため、圧縮成形物は、SiO2成分を60〜80%含むことが好ましく、65〜80%がより好ましい。
【0048】
(形状)
圧縮成形物は球状、円筒状、扁平板状、薄片状、立方体状、糸状と様々な形状に成形して用いてよい。特に球状、円筒状、立方体状等の比表面積の比較的小さい形状に成形されることが好ましい。
【0049】
この圧縮成形物において、体積V(mm3)に対する表面積S(mm2)の割合(S/V)は、圧縮成形物を球体とした場合、1mm-1以下であることが好ましい。したがって、圧縮成形物を球体とした場合の直径は、6mm以上が好ましい。
【0050】
なお、圧縮成型物を球体とするには、静水圧にて圧縮する必要があり、これは一般的でない。圧縮成形物を作製する場合、最も容易なのは一軸方向に加圧、成形する方法である。その場合は円筒状、板状、薄片状、直方体状といった、加圧面が平行平面となる形状、あるいは、打錠機のような装置と金型を用いることで、加圧面が曲面となる扁平形状とするのが一般的である。
【0051】
(組成)
圧縮成形物は、硝酸塩化合物や水酸化物等の素早く分解してしまう原料や、硫酸塩化合物等の高温で液相を形成する原料を含まない方が好ましい。圧縮成形物は、主として酸化物、炭酸塩化合物からなる原料を用いることが好ましい。例えば、ソーダライムシリカ系ガラスにおいては、珪砂と、苦灰石、石灰石、ソーダ灰からなる原料群から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
【0052】
圧縮成形物におけるNiO含有率については、上述したガラス熔融物と同様である。
【0053】
圧縮成形物は、バッチ中にNiO以外の着色成分を含んでよく、特に酸化鉄を含むことがより好ましい。圧縮成形物中に酸化鉄を含むことにより、それ自身の持つ酸化力、またはFeとSとの親和力の作用によって、より高いNiS抑制効果が得られると推定される。圧縮成形物中に酸化鉄を含む場合は2%以上が好ましい。
【0054】
(ガラス物品の組成)
本発明のガラス物品の製造方法において、製造されるガラス物品の組成としては、基本的に着色成分としてNiOを含むソーダライムシリカガラスが好ましい。具体的な基本ガラス組成としては、質量%で表示して、
SiO2 65〜80%,
Al23 0〜 5%,
MgO 0〜10%,
CaO 5〜15%,
MgO+CaO 5〜15%,
Na2O 10〜18%,
2O 0〜 5%,
Na2O+K2O 10〜20%,
23 0〜 5%
を含む組成が例示でき、着色成分であるNiOを0.03〜2.0%含むことが好ましい。
【0055】
さらにこのガラス物品は、その色調などの光学特性を調整するために、NiO以外の着色成分を含んでもよく、その種類は特に限定されない。酸化鉄はもちろんのこと、TiO2やCeO2,CoO,Seなどを含んでもよい。
【0056】
着色成分の含有率としては、NiOのほかにさらに、
T−Fe23 0を超え1.4%まで、
(T−Fe23は、Fe23に換算した全酸化鉄である)
TiO2 0を超え1%まで、
CeO2 0を超え2%まで、
CoO 0を超え0.03%まで、
Se 0を超え0.003%まで、
の少なくとも1種を含む場合を示すことができる。
【0057】
さらに、着色成分として、NiOのほかにさらに、
T−Fe23 0.1〜1.4%
(T−Fe23は、Fe23に換算した全酸化鉄である),
T−Fe23に対するFeOの割合が、0.15〜0.5の範囲にあり,
TiO2 0〜1%,
CeO2 0〜2%,
CoO 0.01〜0.03%,
Se 0〜0.003%,
であることが好ましい。このような着色成分とすると、紫外線や赤外線の吸収に優れ、可視光透過率が比較的小さいガラス物品を得ることができる。
【0058】
本発明の製造方法により製造されるガラス物品に酸化鉄を含む場合、FeO比が20〜30%の範囲内であることが好ましく、21〜27%がより好ましい。
【0059】
以上述べてきたように、本発明の製造方法では、ガラス熔融物または該バッチの圧縮成形物を、硫黄化合物を含むガラスバッチに混合して、ガラスを熔融している。また、ガラス熔融物および該バッチの圧縮成形物を、同時にガラスバッチに混合して、ガラスを熔融してもよい。
【発明の効果】
【0060】
本発明のガラスの製造方法によれば、NiSの生成を極力減少させたガラス物品を提供することができる。
【0061】
また、従来のガラスの製造方法におけるNiS対策では、硫黄化合物を含む清澄剤や還元剤の添加する割合が制限されていた。しかし、本発明のガラスの製造方法によれば、NiS対策のために、芒硝などの硫黄化合物を含む清澄剤の添加する割合が制限されない。さらに、還元剤の添加する割合も制限されない。そのため、ガラスの酸化還元状態を制御する清澄剤や還元剤の添加する割合を、NiS対策とは独立に調整することが可能となった。
この結果、NiSの生成を極力減少させつつ、ガラスの泡品質を保ったり、酸化還元状態を制御することによって、容易にガラスの光学特性を設計したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明のガラス物品について、詳細に説明する。
【0063】
(1)ガラス熔融物の製造
ガラス熔融物は以下の手順に従って作製した。基礎ガラス成分の原料として、珪砂,苦灰石,石灰石およびソーダ灰を、着色成分原料として、酸化ニッケルを用いた。上述の原料を所定の割合で混合し、バッチを調合した。
【0064】
調合したバッチは、白金ルツボを用いて、1450〜1550℃に設定した電気炉で4時間保持して、熔融した。その後、ガラス融液から、上述した種々の形状、例えば薄片状や球状(マーブル)など、所望の形状・大きさのガラス熔融物を得た。
【0065】
(2)圧縮成形物の製造
バッチの圧縮成形物は、以下の手順に従って作製した。原料として、珪砂,苦灰石,石灰石およびソーダ灰を、着色成分原料として、酸化ニッケルおよび酸化鉄を適宜用いた。上述の原料を所定の割合で混合し、適量を所定の型枠に投入し、プレス機で20秒間およそ4〜20[×104N](4〜20t)で押圧し、所望の形状に成形した。型枠には、φ25mm×3mm厚,φ16mm×5mm厚の形状に塩化ビニルパイプを切断したものを、φ70mm×10mm厚の鉄製ダイスで挟んで用いた。
【0066】
(ガラス板の製造)
ガラス物品の一例として、ガラス板を以下の手順に従って作製した。基本ガラス成分の原料として、珪砂,苦灰石,石灰石,ソーダ灰,芒硝および炭酸カリウムを用いた。着色成分として、酸化ニッケル,酸化第二鉄,酸化チタン,酸化セリウム,酸化コバルトおよび金属セレンを用い、さらに炭素系還元剤を用いた。酸化ニッケル原料としては、前記ガラス熔融物またはバッチ圧縮成形物を用いた。上述の原料を、所定の割合で混合し、ガラスバッチを調合した。
【0067】
なお、各実施例におけるFeO比は、炭素系還元剤(カーボン粉末等)によって制御した。
また、粉末の酸化ニッケル原料を用いたガラスバッチも調合し、ガラス板を作製し、比較例とした。
【0068】
調合したバッチは、白金ルツボを用いて、1450℃に設定した電気炉で4時間保持し、熔融・清澄した。その後、ガラス融液を炉外で鉄板上に、厚さが約6mmになるように流し出し、冷却固化してガラス体を得た。このガラス体には引き続いて徐冷操作を施した。徐冷操作は、このガラス体を650℃に設定した別の電気炉の中で30分保持した後、その電気炉の電源を切り、室温まで冷却することによって行った。
【0069】
この徐冷操作を経たガラス体を光学顕微鏡(倍率:10〜100倍)で観察し、ガラス体中に存在するNiSの個数を計測した。
観察後のガラス体を、通常のガラス加工技術を適用して切断・研削・光学研磨し、1辺が約50mm,厚み3.1mmの略正方体であって、両側の主平面が光学研磨されたガラス板を作製した。
【0070】
(基本ガラス組成)
作製したガラスの基本ガラス組成を表1に示した。基本ガラス組成AとBとは、着色成分を除くガラス組成はほぼ同じであり、着色成分の含有率の多少により、各成分の含有率が異なっている。各成分の含有率は、X線蛍光分析法,化学分析法または炎光分析法など、その成分に適した汎用の分析方法を用いた、定量分析値である。なお、表中の含有率は全て質量%表示であり、分析結果の丸め誤差により、その合計が100%とはなっていない。
【0071】
【表1】

【0072】
基本ガラス組成AとBとでは、着色成分が異なっており、NiOやCoOの含有率は同程度であり、Fe23の含有率が大きく異なっている。さらに、基本ガラス組成AはCeO2を含んでおり、基本ガラス組成BではSeを含んでいる。
【0073】
(1)NiOを含むガラス熔融物を用いた実施例
実施例F1〜F23は、いずれも酸化ニッケル源として、酸化ニッケルを含むガラス熔融物を用いて、ガラス物品を製造した例である。各実施例に用いたガラス熔融物の組成を表2〜表4に示した。
【0074】
【表2】

【0075】
表2に示した実施例F1〜F4は、ガラス熔融物中のNiOの含有率を変化させたものである。最終的なガラス物品におけるNiO含有率が、表1の基本ガラス組成Bとなるように、ガラス熔融物の割合を調整した。また表2には、ガラス物品100g当たりのNiS個数とFeO比を示した。
【0076】
実施例F1〜F4のFeO比は、17.5〜18.9%であった。後述するように、酸化ニッケル粉末をニッケル源として用い、実施例F1〜F4とほぼ同じFeO比(18.7%)を有する比較例R14を作製した。このR14におけるNiS個数は、約42個/100gであった。
これに比べて、実施例F1〜F4におけるNiS個数は、約18〜約33個/100gであり、R14のそれより、少なくすることができた。
このうち、実施例F1〜F3は、NiOを1〜7%含むガラス熔融物を用いて作製したガラス物品であり、ガラス中のNiS個数を、NiOを12%含むガラス熔融物を用いた実施例F4より、少なくすることができた。
【0077】
【表3】

【0078】
表3に示した実施例F5〜F12は、ガラス熔融物中におけるNiOの含有率を6%と一定とし、SiO2の含有率とともに、Na2Oの含有率とCaOの含有率とを変化させたものである。最終的なガラス物品におけるNiO含有率が表1のAとなるように、ガラス熔融物の割合を調整した。また表3には、ガラス物品100g当たりのNiS個数を示した。
【0079】
実施例F5〜F12のFeO比は20〜23%であった。後述するように、実施例F5〜F12とほぼ同じFeO比(23%)を有する比較例R10におけるNiS個数は、約19個/100gであった。
これに比べて、実施例F5〜F12におけるNiS個数は、約2〜約16個/100gであり、R10のそれより、少なくすることができた。
【0080】
このうち、実施例F5,F7,F11,F12は、ガラス熔融物中のSiO2が70〜80%の範囲内とした例であり、一方、F6,F8〜F10は、ガラス熔融物中のSiO2が50%または60%である。両者を比較すると、実施例F5,F7,F11,F12の方が、ガラス物品中のNiS個数を、より少なくすることができた。
【0081】
【表4】

【0082】
表4に示した、実施例F13〜F16と実施例F17〜F23とは、それぞれガラス熔融物のガラス組成を同一として、ガラス熔融物の平均粒径を変化させたものである。最終的なガラス物品におけるNiO含有率が表1の基本ガラス組成Aとなるように、ガラス熔融物の割合を調整した。また表4には、ガラス物品100g当たりのNiS個数と、ガラス熔融物の平均粒径を示した。
【0083】
実施例F13〜F16と、実施例F17〜F23のFeO比は、20〜23%であった。これらとほぼ同じFeO比を有する比較例R10におけるNiS個数である約19個/100gと比較すると、実施例F13〜F16と、実施例F17〜F23とにおけるNiS個数は、それぞれ約0.4〜約13個/100gと、約0.4〜約10個/100gであり、R10のそれより、少なくすることができた。
【0084】
実施例F14,F16〜F17,F20〜F23のガラス物品は、いずれの平均粒径も1.5mm以上と、好ましい平均粒径を持つガラス物品である。平均粒径が1.5mm未満であるガラス熔融物を用いて作製したガラス物品と比較して、ガラス物品中のNiS個数を、より少なくすることができた。
【0085】
図1に、ガラス熔融物の平均粒径と、100g当たりのNiSの個数との関係を示した。図1から明らかなように、平均粒径を大きくすると、NiSの個数が急に減少していることが分かる。ガラス熔融物におけるSiO2の含有率が70%と80%のいずれの場合も、同様の傾向を示していた。
【0086】
(2)NiOを含むバッチの圧縮成型物を用いた実施例
実施例B1〜B11は、いずれも酸化ニッケルを含むバッチの圧縮成形物を酸化ニッケル源として用いて、ガラス物品を作製した例である。各実施例に用いた圧縮成型物の組成を表5と表6に示した。
【0087】
この圧縮成形物は、本質的に、珪砂、苦灰石、石灰石、ソーダ灰および酸化ニッケルからなるバッチを、圧縮し固化したものである。
【0088】
【表5】

【0089】
表5に示した実施例のうち、実施例B1〜B3は、圧縮成形物中に鉄源を含まないものである。最終的なガラス物品におけるNiO含有率が表1の基本ガラス組成Aとなるように、圧縮成形物の割合を調整した。また表5には、ガラス物品100g当たりのNiS個数とFeO比を示した。
【0090】
上述した比較例R10におけるNiS個数である約19個/100gと比較すると、実施例B1,B2におけるNiS個数は、約8個/100gと約9個/100gであり、R10のそれより、少なくすることができた。
【0091】
実施例B3は、圧縮成形物中に5質量%の酸化セリウムを含ませたものであり、B3の圧縮成形物を用いて作製したガラス物品のNiS個数は、B1やB2よりさらに少なくすることができた。
【0092】
表5に示した実施例のうち、実施例B4〜B8は、圧縮成形物中に鉄源として酸化鉄を含ませたものである。B4〜B8の圧縮成形物を用いて作製したガラス物品のNiS個数は、B1,B2より、さらに少なくすることができた。また、圧縮成形物中に含まれる酸化鉄が多くなるほど、NiS個数も減少する傾向が見られた。
【0093】
圧縮成形物を用いた実施例と後述する比較例とにおいて、FeO比とガラス物品100g当たりのNiSの個数との関係を、図2に示した。図2から明らかなように、この実施例と比較例では、FeO比の増加に対するNiSの個数の増加の割合、すなわち近似直線の傾きに大きな差が見られた。すなわち、比較例では、FeO比が大きくなると、NiSの個数も大きく増えているが、これに比べて実施例では、増加の割合が小さいことが分かった。
【0094】
【表6】

【0095】
表6に示した実施例B9〜B11の圧縮成形物は、その体積V(mm3)に対する表面積S(mm2)の割合(S/V)が、それぞれ1.2と0.8となるように成形したものである。φ25mm×2mm厚に成形した圧縮成形物は、S/V=1.2であり、φ16mm×4mm厚では、S/V=0.8であった。また表6には、ガラス物品100g当たりのNiS個数とFeO比、さらにS/V値を示した。
【0096】
B9〜B11のいずれの場合も、S/V=1.2のものに比べ、S/V=0.8の方が、よりNiS個数が少なくなった。
なお、B10は圧縮成形物中の酸化ニッケル含有率をB9の2倍としたものであり、B9よりそれぞれNiS個数は少なくなった。
【0097】
(比較例)
比較例R1〜R11のガラス物品は、いずれも粉末の酸化ニッケル原料を酸化ニッケル源として用いて、ガラス物品を作製した例である。比較例R1〜R11では、カーボン粉末によりFeO比を変化させており、その他は同じである。各比較例に用いたガラス熔融物の組成を表7と表8に示した。
【0098】
【表7】

【0099】
【表8】

【0100】
表7に示した比較例R1〜R11は基本ガラス組成Aの場合であり、表8に示した比較例R12〜R15は基本ガラス組成Bの場合である。
各比較例のガラス物品中に見られるNiS個数は、ガラス物品のFeO比に比例して大きく増加した。図3は基本ガラス組成Aの場合であり、図4は基本ガラス組成Bの場合である。基本ガラス組成Bの場合、基本ガラス組成Aの場合に比べて、FeO比の増加によるNiS個数の増加の割合が大きい。
【0101】
以上の実施例の結果から、酸化ニッケルを含むガラス熔融物や、当該のガラス熔融物バッチの圧縮成形物を、ガラスバッチに混合して熔融することで、得られるガラス物品におけるNiSの生成を低減できることが明らかとなった。また、酸化ニッケルを含むフリットや圧縮成形物を同時に含ませた場合も、NiSの生成が抑えられていることを確認した。
【0102】
なお、以上の実施例や比較例では、製造するガラス物品の組成は1種類のみであったが、本発明は、対象となるガラス物品が、NiOを含むソーダライムシリカガラス組成であれば、適用可能なガラス物品の製造方法である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明によるガラス製造方法は、NiO組成を含むガラス物品において、NiSを減少させることができる。本発明は、特に、フロート法やロールアウト法によって、板状に成形されるガラス板の製造に好適に利用できる。
【0104】
さらに、本発明によるガラス製造方法は、NiS対策のために、芒硝などの硫黄化合物を含む清澄剤の添加する割合が制限されず、さらに、還元剤の添加する割合も制限されない。そのため、ガラスの酸化還元状態を制御する清澄剤や還元剤の添加する割合を、NiS対策とは独立に調整することができる。したがって、FeOを所定の範囲としNiO組成を含むガラス物品で、ガラスの泡品質と酸化還元状態に影響を及ぼすことなく、NiSを減少させることができる。このようにして製造されたガラス板は、熱強化用素板として好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】ガラス熔融物の粒径と、ガラス物品100g当たりのNiS個数の関係を示すグラフである。
【図2】圧縮成型物をニッケル源に用いた場合における、ガラス物品のFeO比と100g当たりのNiS個数の関係を示すグラフである。
【図3】基本ガラス組成Aの場合で、粉末酸化ニッケルをニッケル源に用いた場合における、ガラス物品のFeO比と100g当たりのNiS個数の関係を示すグラフである。
【図4】基本ガラス組成Bの場合で、粉末酸化ニッケルをニッケル源に用いた場合における、ガラス物品のFeO比と100g当たりのNiS個数の関係を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄化合物を含むガラスバッチに、酸化ニッケル源として、酸化ニッケルを含むガラス熔融物または/および該ガラス熔融物バッチの圧縮成形物を混合して、熔融することを特徴とするガラス物品の製造方法。
【請求項2】
前記ガラス熔融物を、質量%で表して、
SiO2 60〜80%,
Al23 0〜 5%,
MgO 0〜10%,
CaO 0〜15%,
MgO+CaO 5〜15%,
Na2O 10〜18%,
2O 0〜 5%,
Na2O+K2O 10〜20%,
NiO 1〜15%
を含む組成物となるように調整した請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項3】
前記ガラス熔融物を粒子状とし、その平均粒径を少なくとも1.5mmとした請求項1または2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項4】
前記ガラス熔融物を薄片状とし、その厚みを少なくとも0.5mmとし、その平均粒径を少なくとも10mmとした請求項1または2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項5】
前記ガラス熔融物における前記NiOの含有率を、質量%で表して、1〜7%とした請求項2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項6】
前記ガラス熔融物における前記SiO2の含有率を、質量%で表して、65〜80%とした請求項2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項7】
前記圧縮成形物は、実質的に、珪砂、苦灰石、石灰石、ソーダ灰および酸化ニッケルからなるバッチを、圧縮し固化したものである請求項1または2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項8】
前記圧縮成形物が、酸化ニッケルを、質量%で表して、5〜15%含む請求項1、2または7のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項9】
前記圧縮成形物が、質量%で表して、さらに、Fe23に換算した合計鉄含有率として、0.05〜40%含む請求項1または2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項10】
前記合計鉄含有率を、質量%で表して、1〜10%含む請求項9に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法において、
前記ガラス物品の基本組成が、質量%で表示して、
SiO2 65〜80%,
Al23 0〜 5%,
MgO 0〜10%,
CaO 5〜15%,
MgO+CaO 5〜15%,
Na2O 10〜18%,
2O 0〜 5%,
Na2O+K2O 10〜20%,
23 0〜 5%
を含み、
着色成分として、少なくともNiOを0.03〜2.0%含むガラス組成であるガラス物品の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載のガラス物品の製造方法で製造されたガラス物品であって、
着色成分として、さらに、
T−Fe23 0を超え1.4%まで、
(T−Fe23は、Fe23に換算した全酸化鉄である)
TiO2 0を超え1%まで、
CeO2 0を超え2%まで、
CoO 0を超え0.03%まで、
Se 0を超え0.003%まで、
のうち少なくとも1種を含むガラス物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−107850(P2009−107850A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36724(P2006−36724)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】