説明

キナーゼ阻害剤として活性なピリミジルピロール誘導体

【課題】 明細書において定義したとおりの式(I)のピリミジルピロール誘導体およびこれらの薬学的に許容される塩、並びにこれらを含む薬学的組成物を開示してあり;本発明の化合物は、癌様の、制御傷害されたタンパク質キナーゼ活性と関連した疾患治療の療法において、有用な可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ピリミジルピロール誘導体に、これらの製造のための方法に、これらを含む薬学的組成物に、および特に癌および細胞増殖性障害の治療における治療薬としてのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景の考察
プロテインキナーゼ(PK)の機能不全は、多くの疾患の特徴である。ヒト癌に関与する発癌遺伝子およびプロトオンコジーンの大部分は、PKをコードする。また、PKの増強された活性は、良性前立腺過形成、家族性腺腫症、ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症と関連した血管平滑細胞増殖、肺線維症、関節炎糸球体腎炎、並びに術後狭窄および再狭窄などの多くの非悪性疾患に関係する。
【0003】
PKは、炎症性症状に、並びにウイルスおよび寄生虫の繁殖にも関係する。PKは、神経変性障害の病原および発症においても主要な役割を果たしている可能性がある。
【0004】
PK機能不全または制御障害(disregulation)に対する一般的な参照については、例えば、Current Opinion in Chemical Biology 1999,3,459-465を参照されたい。
【0005】
癌細胞の増殖に関与するものとして当技術分野において公知のいくつかのプロテインキナーゼの中には、進化上保存されたセリンスレオニンキナーゼがあり、細胞周期制御をゲノム複製にリンクさせるのに重要な役割を果たし、DNA複製開始点の発火のために必須なCdc7がある(Montagnoli A. etal., EMBO Journal, Vol. 21, No. 12, pp. 3171-3181, 2002を参照されたい)。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、治療において、タンパク質キナーゼ活性、より詳しくはCdk2およびCdc7活性によって引き起こされ、および/または該活性と関連した疾患の宿主に対する薬剤として有用である化合物を提供することである。
【0007】
もう一つの目的は、プロテインキナーゼ阻害活性、より詳しくはCdk2およびCdc7阻害活性があると考えられる化合物を提供することである。
【0008】
本発明者らは、今回、いくつかのピリジルピロールおよびこれらの誘導体が、プロテインキナーゼ阻害活性、たとえばCdk2および特にCdc7阻害活性があると考えられることを発見した。
【0009】
より詳細には、本発明の化合物は、以下を含むがこれに限定されない種々の癌の治療において有用である:膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、小細胞肺癌、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺、前立腺、および扁平上皮癌を含む皮膚などの癌腫;白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫(lymphom)、およびバーケットリンパ腫を含むリンパ様系統の造血性腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、および前骨髄球性白血病を含む骨髄球性系統の造血性腫瘍;線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間充織起源の腫瘍;星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、およびシュワン腫を含む中枢神経系および末梢神経系の腫瘍;黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角質黄色種、甲状腺濾胞性癌、およびカポジ肉腫を含むその他の腫瘍。
【0010】
細胞増殖の制御におけるPK、Cdk2、およびCdc7の重要な役割のために、これらのピリジルピロールは、たとえば良性前立腺過形成、家族性腺腫症、ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症と関連した血管平滑細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、並びに術後狭窄および再狭窄においても有用である。
【0011】
また、本発明の化合物は、例えば、異なるアイソフォームのプロテインキナーC、Met、PAK-4、PAK-5、ZC-1、STLK-2、DDR-2、Aurora1、Aurora2、Bub-1、PLK、Chk1、Chk2、HER2、raf1、MEK1、MAPK、EGF-R、PDGF-R、FGF-R、IGF-R、VEGF-R、PI3K、ウィールキナーゼ(weel kinase)、Src、Abl、Akt、ILK、MK-2、IKK-2、異なるアイソフォームのCdk、Nekなどのその他のプロテインキナーゼの阻害剤としても活性であることができ、したがって、その他のプロテインキナーゼと関連した疾患治療にも有効である。
【0012】
従って、第1の態様において、本発明は、変化されたタンパク質キナーゼ活性によって引き起こされ、および/または該活性と関連した細胞増殖性障害を治療するための方法であって、これらの必要な哺乳類に対して式(1)の化合物の有効な量を投与することを含むと方法を提供する:
【化1】

【0013】
式中、
Rは、水素原子か、またはアミノ、アリールアミノ、置換されていてもよいC1-C6アルキルアミノ、置換されていてもよいアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、C1-C6ジアルキルアミノ、およびアシルアミノから選択される基であり;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン原子、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル基、アミノまたはアリールアミノ基であるか;またはこれらが連結されるピリジン結合と共になって、R1およびR2は、二価の-NH-CH=N-、-N=CH-NH-、または-NH-CH=CH-基を形成していてもよく;
R3、R'3、R4、およびR'4は、それぞれ独立して、水素原子か、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクリル-アルキル、もしくはアリールアルキルから選択される基であるか;またはR3とR3'、もしくはR4とR4'は、共になってC3-C6環状のアルキル基を形成し;
R5は、水素もしくはハロゲン原子であるか、またはこれは直鎖または分枝のC1-C6アルキル基およびこれらの薬学的許容される塩である。
【0014】
上記の方法により、変化されたCdc7キナーゼ活性によって引き起こされ、および/または該活性と関連した細胞増殖性障害の治療が可能になる。
【0015】
上記方法の好ましい態様において、細胞増殖性障害は、癌である。
【0016】
治療され得る癌の特異的な型は、癌腫、扁平上皮癌、骨髄球性またはリンパ様系統の造血性腫瘍、間充織起源の腫瘍、中枢神経系および末梢神経系の腫瘍、黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角質黄色種、甲状腺濾胞性癌、およびカポジ肉腫を含む。
【0017】
また、本発明は、式(I)によって表されるピリジルピロール誘導体を提供する:
【化2】

【0018】
式中、
Rは、水素原子か、またはアミノ、アリールアミノ、置換されていてもよいC1-C6アルキルアミノ、置換されていてもよいアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、C1-C6ジアルキルアミノ、およびアシルアミノから選択される基であり;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン原子、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル基、アミノまたはアリールアミノ基であるか;またはこれらが連結されるピリジン結合と共になって、R1およびR2は、二価の-NH-CH=N-、-N=CH-NH-、または-NH-CH=CH-基を形成していてもよく;
R3、R'3、R4、およびR'4は、それぞれ独立して、水素原子か、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクリル-アルキル、もしくはアリールアルキルから選択される基であるか;またはR3とR3'、もしくはR4とR4'は、共になってC3-C6環状のアルキル基を形成し;
R5は、水素もしくはハロゲン原子であるか、またはこれは直鎖または分枝のC1-C6アルキル基およびこれらの薬学的許容される塩である。
【0019】
本また、発明は、式(I)のピリミジルピロール誘導体およびこれらを含む薬学的組成物を合成する方法を含む。
【0020】
本発明のより完全な認識およびこれらの効果の多くは、以下の詳細な説明を参照することによって前述のことがより理解されるので、容易に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の詳細な説明
いくつかの複素環化合物は、プロテインキナーゼ阻害剤として当技術分野において公知である。例えば、WO02/12242において開示されるピロロ-ピラゾール;国際公開公報第00/69846号において開示されるテトラヒドロインダゾール;国際公開公報第01/98299に号おいて開示されるピロロピリジン;国際公開公報第03/014090号において開示されるアミノ・フタラジノン、および国際公開公報第03/028720号において開示されるアミノインダゾールは、これらの一つである。
【0022】
加えて、分裂促進因子と考えられるピリジルピロール誘導体が、プロテインキナーゼ活性化されるプロテインキナーゼ2阻害活性を活性化したことが、2002年12月12日に出願した米国特許出願第60/434,962号の優先権を主張する公表されたPCT国際特許出願公開第04/058762号(2004年7月15日に公表した)に開示されている。
【0023】
この中に開示された化合物の中で、特に、ピリジン部分でアリールまたはアリール-アルケニル基によって置換されたピリジルピロール;この同じピリジン環でアミノ基またはハロゲン原子によって置換されているピリジルピロールは、合成中間体としてその中に開示されている。
【0024】
面白いことに、本発明の化合物は、上述した特許出願米国60/434962号に開示された広い一般式の範囲内に入るが、具体的に例示されていない。
【0025】
本発明の式(I)の化合物は、不斉炭素原子を有してもよく、従って、個々の光学異性体として、ラセミの混合物として、または2つの光学異性体のうちの主要な一つを含むその他のいずれかの混合物として存在してもよく、これらは全て本発明の範囲内に含まれることが企図される。
【0026】
同様に、式(I)の化合物の、全ての可能性のある異性体およびこれらの混合物の、並びに代謝産物および薬学的に許容されるバイオ前駆体(さもなければ、プロドラッグとも称する)の両方の制癌薬としての使用も本発明の範囲内である。
【0027】
プロドラッグは、インビボにおいて、式(I)に記載の活性な親薬物を放出する任意の共有結合性に結合された化合物である。
【0028】
化合物が、互変異性型、たとえばケト‐エノール互変異性体で存在する可能性がある場合、それぞれの互変異性型は、平衡で、または主に1つの形態で存在するかどうかにかかわらず、本発明に含まれることが想定される。
【0029】
本明細書において、特に明記しない限り、直鎖または分枝のC1-C6アルキルという用語に関して、本発明者らは、たとえばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル等の基のいずれかを企図する。
【0030】
アミノという用語に関して、本発明者らは、-NH2基を企図するが、アリールアミノ基という用語には、任意の-NH-アリールであって、アリールが下記の定義されるとおりであるものを含む。
【0031】
アリールという用語に関して、本発明者らは、互いに単一の結合によって融合されるか、または連結された1〜2の環部分であって、少なくとも一つの環が芳香族である環部分をもつ任意の炭素環式または複素環式炭化水素を企図する。存在する場合、ヘテロアリール基と称されるいずれの芳香族の複素環式炭化水素も、N、O、またはSの中で選択される1〜3つのヘテロ原子をもつ5〜6員環を含む。
【0032】
本発明にしたがったアリール基の例は、例えばフェニル、ビフェニル、αまたはβナフチル、ジヒドロ・ナフチル、チエニル、ベンゾ・チエニル、フリル、ベンゾフラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロ・キノリニル、キノキサリニル、ベンゾジオキソリル、インダニル、インデニル、トリアゾイル等である。
【0033】
C3-C6シクロアルキルという用語に関して、本発明者らは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどのいずれかの基を企図する。
【0034】
ヘテロシクリルという用語に関して、本発明者らは、N、0、またはSの中で選択される1〜3つのヘテロ原子を含む任意の5または6員部分からなる複素環式環を企図する。明らかであるが、前記複素環またはヘテロシクリル基が、芳香族複素環である場合、ヘテロアリールとも称され、これはアリール基に与えられる上記の定義によって包含される。
【0035】
したがって、上記の芳香族複素環の他に、ヘテロシクリルという用語は、たとえばピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン等の飽和した、または部分的に不飽和の複素環も包含する。
【0036】
アシルアミノという用語に関して、本発明者らは、C1-C3アルキルカルボニルアミノ、C3-C7シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアルキルカルボニルアミノ基、任意のアリールカルボニルアミノ、へテロアリールカルボニルアミノ、アリールアルキルカルボニルアミノ、およびヘテロアリールアルキルカルボニルアミノ基のいずれかを企図する。上記より、当業者には、名称が、たとえばシクロアルキル-アルキル、ヘテロシクリル-アルキル、アリールアルキル等などの複合名称として同定されるいずれの基も、これらが由来する部分によって解釈されるものとして企図される全てを有することが明白である。この点において、一例として、アリールアルキルとして同定されるいずれの基も、アリールによって置換されたさらなるアルキル基を有し、アリールおよびアルキルの両方が上で定義されたものとして企図されなければならない。
【0037】
明らかであるが、R3とR3'またはR4とR4'が、共になってC3-C6環状アルキル基を形成するときは、化合物は、スピロ誘導体と称される。
【0038】
アルキルアミノまたはアリールアルキルアミノ基が、任意に置換されるときは、置換基は、本明細書に定義されたとおりのアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、およびアルキルカルボニルアミノから選択される。
【0039】
明らかであるが、R1とR2が、共に任意の二価の-NH-CH=N-、N=CH-NH-、または-NH-CH=CH-を形成するように連結されているときは、さらに本発明の目的である以下の式を有するものとしてプリンおよび融合されたピリミジン-ピロール系が得られる:
【化3】

【0040】
式(I)の化合物の薬学的許容される塩は、たとえば硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、イセチオン酸、およびサリチル酸などの無機酸または有機酸との酸付加塩を含む。
【0041】
本発明の化合物の好ましいクラスは、Rが水素、アミノ、またはフェニルアミノであり;R1およびR2が、両方とも水素原子であるか、またはこれらが連結されるピリミジン結合と共になって二価の-NH-CH-N-基を形成し;並びに、R3、R'3、R4、R'4、およびR5は、上で定義されたとおりである式(I)の誘導体よって表される。
【0042】
本発明の化合物のもう一つの好ましいクラスは、少なくとも一つのR4およびR'4が水素原子である式(I)の誘導体によって表される。
【0043】
上記のクラス内において、本発明のさらにより好ましい化合物は、R3およびR'3の少なくとも一つが水素である式(I)の誘導体である。
【0044】
上記のクラス内において、本発明のさらにより好ましい化合物は、R4およびR'4の少なくとも一つが水素である式(I)の誘導体である。
【0045】
本発明のより好ましい化合物は、R1、R2が両方とも水素原子である式(I)の誘導体である。
【0046】
任意に薬学的に許容される塩の形態の、本発明の式(I)の任意の具体的な化合物に関しての参照については、実験の節および請求の範囲を参照されたい。
【0047】
以前に示したとおり、本発明のさらなる目的は、式(I)の化合物を調製するための方法によって表される。
【0048】
式(I)の化合物は、式(III)のピリミジン誘導体を、QがHまたは適切な窒素保護基、好ましくはtert-ブトキシカルボニルである適切な式(IV)のピペリジンジオン誘導体と反応させることよって、以下の合成スキームに従って調製してもよい。
【化4】

【0049】
反応は、酢酸アンモニウムの存在下において、およびたとえば低級アルコールなどの適切な溶媒中で生じる。好ましくは、反応は、室温で、および適切な時間、約2時間〜約24時間で変更して作用することよって、エタノールの存在下において行われる。必要に応じて、化合物(V)は、保護基Qを除去することによって、化合物(I)に変換する。
【0050】
従って、式(I)の化合物およびこれらの薬学的許容される塩は、以下を含むプロセスによって得てもよい:
a)式(I)の化合物を得るために、式(II)の化合物をハロゲン化すること:
【化5】

【0051】
R、R1、およびR2は、上で報告された意味を有し、R5は、水素原子または直鎖もしくは分枝のC1-C6アルキル基であり、Halは、適切なハロゲン原子、好ましくは臭素または塩素を表し;
b)式(l)の化合物を得るために、式(IV)の化合物と式(III)の化合物を反応させること、および任意に、これを式(1)の別の化合物に、および/またはこれらの薬学的に許容される塩に変換すること:
【化6】

【0052】
R3、R'3、R4、R'4、およびQは、上で報告された意味を有する。
【0053】
上記の方法は、類似の方法であり、当該技術分野において周知の方法に従って行うことができる。
【0054】
本方法の工程(a)によれば、式(II)の化合物は、従来法の下で、たとえば臭素の存在下において、および酢酸と臭化水素酸の混合物などの適切な溶媒中において、時間を約1時間〜約24時間まで変化させて作用することよって、ハロゲン化され、特にブロム化され、または塩素化される。あるいは、式(II)の化合物の適切な活性化された誘導体、たとえばエノールエーテルまたはシリルエーテルは、たとえばテトラヒドロフラン/水混合液などの適切な溶媒中でN-ブロモ-スクシンイミド(NBS)などのハロゲン供与源と反応を生じさせることができる。
【0055】
本方法の工程(b)によれば、次いで酢酸アンモニウムの存在下において、およびたとえば低級アルコールなどの適切な溶媒の存在下において、式(III)の中間体化合物が式(IV)の化合物と反応をする。好ましくは、反応は、室温で、時間を約2時間〜約24時間まで変化させて作用することよって、エタノールの存在下において行われる。
【0056】
次いで、こうして得られた式(I)の最終化合物は、当該技術分野において周知の方法にしたがって、式(I)の別の化合物に変換してもよい。一例として、R5が水素原子を表す式(I)の化合物は、ピロール誘導体のハロゲン化のための文献において報告された従来法によって、R5がハロゲン原子である式(I)の対応する化合物に容易に変換することができる。
【0057】
もう1つの例において、Rが置換されていてもよいC1-C6アルキルアミノか、または置換されていてもよいアリールアルキルアミノもしくはヘテロアリールアルキルアミノもしくはC1-C6ジアルキルアミノである式(I)の化合物は、還元的アミノ化によって、Rがアミノである式(I)のもう一つの化合物から得ることができる。
【0058】
もう1つの例は、以下のスキームに示すように、適切なハロゲン化アシルで式(V)、すなわち式(I)の化合物の保護型の化合物を反応させることにより、Rがアシルアミノ基である式(I)の化合物の調製によって表される。
【化7】

【0059】
同様に、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩への転換は、公知の方法に従って、たとえば任意の適切な薬学的許容される酸と式(I)の任意の遊離塩基を接触させることによって容易に行われる。
【0060】
式(II)および(IV)の化合物、並びに本方法の任意のその他の反応物が既知であり、またはこれらは、公知の方法に従って容易に調製することができる。
【0061】
一例として、Rがアミノ(-NH2)またはアリールアミノ(-NH-Ar)である式(II)の化合物を以下の経路に従って得てもよい:
【化8】

【0062】
1-(ジメチルアミノ)-4,4-ジメトキシ-1-ペンタン-3-オンは、公知の方法に従って、たとえばJ. Het. Chem., 22(6), 1723-6, 1985において報告されたとおりに調製することができる公知の化合物である。これは、グアニジンまたはこれらのグアニジン誘導体と容易に反応し、たとえばグアニジウム塩酸塩として酸付加塩の形態で利用できる。反応は、塩基性条件下で、たとえばナトリウムエチラートの存在下において、および低級アルコール、好ましくはエタノールなどの適切な溶媒の存在下において行われる。反応は、還流温度で約24時間までの適切な時間生じる。
【0063】
これら変更において、これらのグアニジンおよび誘導体は公知であり、公知であるか、または商業的に入手可能でないならば、それ自体は、これらは公知の方法に従って容易に調製することができる。
【0064】
上記の反応により、たとえば酢酸の存在下において、中間体ピリミジン化合物を得ることができ、次いで、これが室温での酸処理を介して式(II)の化合物に変換される。
【0065】
同様に、R1およびR2が、プリン系を形成するように二価の-N=CH-NH-基を介して共に連結されている式(II)の化合物を商業的に入手できる6-クロロ-9H-プリンから得てもよい。この点で、式(III)のハロゲン化誘導体は、式(Il)の中間体プリン化合物を単離することを必要とせずに、下記の合成経路図に従って直接得てもよい;
【化9】

【0066】
こうして、保護基が、たとえばテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルである対応する6-クロロ-プリン誘導体を得るために、6-クロロ-9H-プリンは、イミダゾール窒素原子において、従来法にしたがって、たとえばp-トルエンスルホン酸の存在下において3,4-ジヒドロ-2H-ピランで保護されている
次いで、対応する6-(1-エトキシビニル)プリン誘導体を得るために、この誘導体を1-(エトキシビニル)トリブチルチンと、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィンの存在下において反応させる。次いで、以前に報告されているように、この後者の中間化合物を適当なハロゲン化剤で、適切な溶媒の存在下において、式(III)のハロゲン化誘導体に直接変換する。
【0067】
類似の方法で作業することよって、および式(II)の任意の適当な開始物質を使用することによって、式(II)のさらなる化合物、たとえばR1およびR2が二価の-NH-CH=CH-基を形成するものをこうして得てもよい。
【0068】
R1およびR2の一方または両方が水素原子以外である式(I)の化合物は、式(II)の対応するピリミジン誘導体から開始することによって、本発明の方法の目的に従って調製される。
【0069】
また、ピペリジン-ジオン誘導体(IV)は、公知の化合物であるか、またはあるいは、下記の合成系に従って公知の方法によって調製することができる(式中、Alkは、適切な低級アルキル基、たとえばエチルを表し、AはクロロまたはOAlkを表す:
【化10】

【0070】
この点に関して、R3、R'3、R4、およびR'4が上で報告した意味を有する適切なβ-アミノ-カルボキシエステル(VI)誘導体は、ジアルキルマロナートと、またはあるいは、3-クロロ3-オキソプロパン酸アルキルエステル、たとえばそれぞれジメチルマロナートまたはエチル3-クロロ3-オキソプロパノアートと反応させる。Aがクロロであるときは、反応は、塩基性の条件下で、例えばトリエチルアミンの存在下において、およびジクロロメタンなどの適切な溶媒中で、室温〜還流温度の間で行う。AがOAlkであるときは、反応は、塩基性の条件の有無にかかわらず、およびより都合よくは溶媒の非存在下で、ジアルキルマロナートの還流温度で行う。
【0071】
商業的に入手可能でないときに、上述したβ-アミノ-カルボキシエステル誘導体(VI)は、文献に記載されている周知の手順に従って得ることができる。
【0072】
次いで、こうして得られる(VII)中間体誘導体は、最初にこれを塩基性条件下で、たとえばナトリウムメチラート存在下において、およびの適切な溶媒、好ましくはトルエンの存在下において、還流温度で、約2時間〜約24時間の間で変更して反応することによって、二段階反応で式(IV)の化合物に変換する。その後、前者の工程の生成物を、それ自体を単離することなく、アセトニトリル/水/酢酸混合物と還流条件下で、約12時間〜約24時間の間で変更して反応させる。任意に、ピペリジン-ジオン(IV)は、適切な保護基Qで保護することができる。
【0073】
代わりには、ピペリジンジオン誘導体(IV)は、例えば下記の他の合成系に従っても調製することができる:
【化11】

【0074】
本方法では、Qが適切な窒素保護基であり、かつR3、R'3、R4、およびR'4が上に定義されたとおりである式(IX)の化合物を得るために、メルドラム酸(2,2-ジメチル1,3-ジオキサン-4,6-ジオン)を式(VIII)の適切なアミノ酸誘導体と反応させる。次いで、式(IX)の化合物は、適切な溶媒、たとえば酢酸エチルにこれを溶解すること、および1〜24時間の間還流することによって環化するか;
または代わりに、ピペリジンジオン誘導体(IV)を下記の合成系に従って修飾することができる(式中、Qは、特にtert-ブトキシカルボニルなどの適切な窒素保護基またはp-メトキシベンジル、p-メトキシエチルベンジル、p-メトキシフェニルなどのその他の基を表す:
【化12】

【0075】
これに関して、R3、R4、およびR'4、並びにQが上に報告した意味を有する適切なピペリジンジオン誘導体(IV)を塩基、たとえばリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)と反応させる。本反応は、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で、-78℃〜室温の間の温度で行われる。
【0076】
次いで、反応混合物を適切なハロゲン化アルキルで処理し、こうして式(IV)のもう一つの化合物を得る。こうして得られた、例えばQがtert-ブトキシカルボニル基である化合物は、これを酸性条件で、たとえばトリフルオロ酢酸の存在下において、および適切な溶媒、好ましくはジクロロメタンの存在下において、室温で約1時間〜約6時間の間を含む時間処理することにより、式(IV)のもう一つの化合物に変換することができる。
【0077】
上記の全てから、当業者であれば、上述した方法に従って式(I)の化合物(これらの任意の変種も包括的に)を調製するときに、不必要な副反応を生じる可能性がある開始材料またはこれらの中間体内の任意の官能基を従来の技術に従って適切に保護する必要があることが明白である。同様に、これらの後者のものを脱保護された化合物に変換することは、公知の手順に従って行ってもよい。
【0078】
類推によって、塩化に感受性である式(I)の任意の化合物は、任意の薬学的に許容される酸(たとえば、以前に報告されたものの中から選択される)の存在下において作用することによって、対応する酸付加塩に容易に変換することができる。容易に認識されるように、上記したプロセスに従って調製される式(I)の化合物が、異性体の混合物として得られる場合、従来の技術に従って、これらを式(I)の単一異性体に分離することも本発明の範囲内である。
【0079】
ラセミ化合物を分割するための従来の技術は、例えばジアステレオ異性体の塩誘導体または調製用キラルHPLCの分割結晶化(partitioned crystallization)を含む。
【0080】
薬理学
式(I)の化合物は、プロテインキナーゼ阻害剤として活性であり、従って、例えば腫瘍細胞の調節されていない増殖を制限するために有用である。
【0081】
治療において、これらは、以前に報告されたものなどの種々の腫瘍の治療に、並びに乾癬、アテローム性動脈硬化症と関連した血管平滑細胞増殖、および術後狭窄および再狭窄などのその他の細胞増殖障害の治療に、並びにアルツハイマー病の治療に使用してもよい。
【0082】
推定上のCdc7阻害剤の阻害活性および選択した化合物の能力は、ダウエックス樹脂捕獲技術の使用に基づいたアッセイ法を介して決定される。本アッセイ法は、放射性ラベルされたホスフェート部分のキナーゼによるアクセプター基質への移転からなる。生じる33Pラベルされた産物を反応していないトレーサーから分離し、シンチレーション・カクテル内に移して、シンチレーションカウンターにおいて放射される光を測定する。
【0083】
Cdc7/Dbf4活性の阻害アッセイ法
Cdc7/Dbf4活性の阻害アッセイ法は、以下のプロトコルに従って行った。MCM2基質をγ33-ATPでトレースされたATPの存在下において、Cdc7/Dbf4複合体によってトランス-リン酸化する。ギ酸の存在下においてダウエックス樹脂を添加することによって反応を停止する。ダウエックス樹脂粒子により、γ33-ATPを捕獲して、これをウェルの一番下に引き込み、一方で33Pリン酸化されたMCM2基質を溶液に残した。上清を収集し、Optiplateプレートに移して、基質のリン酸化の程度をβ計数によって評価する。
【0084】
Cdc7/Dbf4活性の阻害アッセイ法は、以下のプロトコルに従って96ウェル・プレートにおいて行った。
【0085】
プレートのそれぞれのウェルに、以下を加えた:
-10μlの試験化合物(用量反応曲線を作製するために、nM〜μM範囲で10個の濃度増大)。試験化合物のための溶媒は、3%のDMSOを含んだ(終濃度1%)。
【0086】
-10μlの基質MCM2(6μM終濃度)、非放射性ATP(2Mの終濃度)と放射性ATPの混合物(非放射性ATPと1/5000のモル比)。
【0087】
-反応を開始した10μlの酵素(Cdc7/Dbf4、2nm終濃度)。反応の緩衝液は、15mMのMgCl2、2 mM DTT、3μM NaVO3、2mMグリセロリン酸、および0.2mg/ml BSAを含む50mMのHEPES pH 7.9で構成した。
【0088】
室温で60分間インキュベーション後、150mMのギ酸の存在下において150μlのダウエックス樹脂をそれぞれのウェルに添加することによって反応を停止した。さらに60分後に、50μlの懸濁液を取り除き、150μlのMicroScint 40(Packard)を含む96ウェルOPTIPLATEに移し;5〜10分振盪後、プレートをPackard TOP-Count放射能リーダー内で1分間読み込んだ。
【0089】
IC50の決定:0.0005〜10μMまでの範囲の異なる濃度で阻害剤を試験した。実験データは、4パラメーターの論理方程式を使用して、コンピュータープログラムAssay Explorerによって解析した:
y = 底面+(上部-底面)/1+10^((IogIC50-x)*slope))、
式中、xは、阻害剤濃度の対数であり、yは、反応であり;yは、底部で始まり、S字形状で上部に行く。
【0090】
推定上のcdk/サイクリン阻害剤の阻害活性および選択した化合物の能力は、SPA技術(Amersham Pharmacia Biotech)の使用に基づいたアッセイ法を介して決定してもよい。
【0091】
本アッセイ法は、放射性ラベルされたホスフェート部分のキナーゼによるビオチン化された基質への転移からなる。生じる33Pラベルされたビオチン化産物をストレプトアビジン被覆SPAビーズ(ビオチン能130pmol/mg)と結合させて、放射される光をシンチレーションカウンターにおいて測定した。
【0092】
cdk2/サイクリン A活性の阻害アッセイ法
キナーゼ反応:4μMハウスビオチン化(house biotinated)ヒストンH1(Sigma#H-5505)基質、10μM ATP(0.1マイクロCi P33y-ATP)、1.1 nM サイクリン A/CDK2複合体、阻害剤の30μl最終量の緩衝液(トリスHCl 10 mM pH 7.5、10mM MgCl2、DTT 7.5 mM + 0.2mg/ml BSA)溶液を96U底のそれぞれのウェルに添加した。室温で60分間インキュベーション後、32mMのEDTA、500μM非放射性ATP、0.1%トリトンX100、および10mg/mlストレプトアビジン被覆したSPAビーズを含む100μlのPBS緩衝液を添加することによって反応を停止した。20分のインキュベーション後、110μLの懸濁液を取り除き、100μlの5M CsClを含む96ウェルOPTIPLATEに移した。4時間後に、プレートをPackard TOP-Count放射能リーダー内で2分間読み込んだ。
【0093】
IC50の決定:0.0005〜10μMまでの範囲の異なる濃度で阻害剤を試験した。実験データは、4パラメーターの論理方程式を使用して、コンピュータープログラムAssay Explorerによって解析した:
y = 底面+(上部-底面)/(1+10^((IogIC50-x)*slope))、
式中、xは、阻害剤濃度の対数であり、yは、反応であり;yは、底部で始まり、S字形状で上部に行く。
【0094】
Ki算出:
実験法:反応は、3.7nM 酵素、ヒストン、およびATP(非放射性/ラベルされたATP 1/3000の一定の比率)を含む緩衝液(10mMのトリス、pH 7.5,10 mM MgCl2、0.2mg/ml BSA,7.5 mM DTT)において行った。反応をEDTAで停止して、基質をホスホ膜(phosphomembrane: Milliporeからのマルチスクリーン96ウェル・プレート)に捕獲した。広範に洗浄した後、マルチスクリーン・プレートをトップカウンターで読み込んだ。それぞれのATPおよびヒストン濃度についての対照(時刻ゼロ)を測定した。
【0095】
実験計画法:反応速度は、4つのATP、基質(ヒストン)、および阻害剤濃度で測定する。80ポイント濃度のマトリックスを、それぞれのATPおよび基質Km値および阻害剤IC50値(0.3、1、3、9倍KmまたはIC50値)周辺にデザインした。阻害剤の非存在下で、および異なるATPおよび基質濃度での予備時間経過実験により、Ki決定実験のための反応の直線範囲において単一の終点時間(10分)を選択することができる。
【0096】
動力学的パラメーターの推定:動力学的パラメーターは、完全なデータセット(80ポイント)を使用する[Eq.1](ATPに関して競合阻害剤、ランダム機構)を使用して、同時非線形最小二乗回帰によって推定した:
【数1】

【0097】
式中、A=[ ATP]、B=[基質]、I=[阻害剤]、Vm=最大速度、Ka、Kb、Kiは、それぞれATP、基質、および阻害剤の解離定数。αおよびβは、それぞれ基質とATP結合および基質と阻害剤結合との間の協同性因子。
【0098】
一例として、本発明のいくつかの代表的な化合物を、以前に報告したように、阻害力を示すCdc7/Dbf4またはCdk2に対して試験し、以下の通りのIC50(nM)として表した:
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライドIC50 Cdc7 :11 nM ;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライドIC50 Cdc7 :15nM;
2-(2-フェニルアミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライドIC50 Cdc7:7nM;
2-(9H-プリン-6-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライドIC50 Cdc7:200nM ;
7-フェニル-2-ピリミジン-4-イル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライドIC50 Cdc7 :32nM ;
2-(2-アニリノピリミジン-4-イル)-7-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライドIC50 Cdc7:29nM;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-イソプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:9nM;
2-(2-アニリノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:8nM;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:26nM;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7,7-ジメチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:2nM;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-イソブチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:4nM ;
エチル4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イルカルバメートIC50 Cdc7 :80nM;
(7Rまたは7S)-2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン IC50 Cdc7 :5nM ;
(7Rまたは7S)-2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:4nM;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-3-インド-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7 :4nM;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7,l7-ジエチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7 :7nM;
2-{2-[(2-フリルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:74nM;
N-[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]ベンズアミドIC50 Cdc7:300nM;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-イソプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:8nM;
2-[2-(ベンジルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:270nM;
2-[2-(プロピルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7 :310nM ;IC50 Cdk2 :35nM;
2-[2-(イソブチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdk2:50nM;
2-{2-[(シクロヘキシルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7:680nM ;IC50 Cdk2:220nM;
2-{2-[(2-フリルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンIC50 Cdc7 :87nM;IC50 Cdk2 :80nM、および、
N-[4-({[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1 H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]アミノ}メチル)フェニル]アセトアミドトリフルオロアセテートIC50 Cdc7:300nM ;IC50 Cdk2:20nM。
【0099】
本発明の化合物は、単剤として、またはあるいは、細胞静止または細胞障害性薬剤、抗菌型薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤薬剤、ホルモン剤、免疫学的薬剤、インターフェロン型薬剤、シクロオキシゲナーゼ阻害薬(たとえば、COX-2阻害剤)、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗生長因子受容体薬、抗HER薬、抗EGFR薬、抗血管形成薬(たとえば、血管形成阻害剤)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ras-rafシグナル伝達経路阻害剤、細胞周期阻害剤、その他のcdks阻害剤、チューブリン結着剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼ11阻害剤などと組み合わせて、放射線療法または化学療法処方計画などの公知の抗癌性の治療と組み合わせて投与することができる。
【0100】
一定用量として処方される場合、このような組み合わせ製品は、承認された用量範囲で下記に記載されている用量範囲の本発明およびその他の薬学的活性薬剤の化合物を使用する。
【0101】
式(I)の化合物は、組み合わせ製剤が不適当なときに、公知の抗癌薬と共に連続して使用してもよい。
【0102】
哺乳類に、たとえばヒトに対する投与のために適した本発明の式(1)の中で化合物は、通常の経路によって投与することができ、用量レベルは、患者の年齢、重量、症状、および投与ルートに依存する。
【0103】
たとえば、式(I)の化合物の経口投与のために採用される適切な用量は、1用量につき約10〜約500mg、毎日1〜5回の範囲であってもよい。本発明の化合物は、種々の剤形で、たとえばタブレット、カプセル、糖またはフィルム・コートされたタブレット、液溶体または懸濁液の形態で経口的に;坐薬の形態で直腸に;非経口的に、たとえば筋肉内に、または静脈内および/または髄腔内および/または髄腔内注射または注入を介して投与することができる。
【0104】
また、本発明は、薬学的に許容される賦形剤(これは、キャリアまたは希釈液であってもよい)に結合して式(I)の化合物またはこれらの薬学的許容される塩を含む薬学的組成物を含む。
【0105】
本発明の化合物を含む薬学的組成物は、通常従来法にしたがって調製され、適切な剤型で投与される。
【0106】
たとえば、固体経口形態は、活性化合物と共に、希釈液、たとえばラクトース、ブドウ糖ショ糖、ショ糖、セルロース、コーンスターチ、またはジャガイモ澱粉;潤滑剤、たとえば二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、マグネシウム、またはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコール;結着剤、たとえばデンプン、アラビアゴム、ゼラチン・メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルピロリドン;崩壊剤、たとえばデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩、またはナトリウムデンプングリコラート;飽和剤;色素;甘味料;レシチン、ポリソルベート、ラウリルサルフェートなどの湿潤剤;および薬学的製剤に使用される一般的な無毒かつ薬理学的に不活性の物質を含んでもよい。これらの製剤は、公知の方法で、たとえば混合すること、顆粒化すること、タブレット化すること、糖コーティングまたはフィルムコーティング・プロセスによって製造してもよい。
【0107】
経口投与のための液体分散剤は、たとえばシロップ、エマルジョン、および懸濁液であってもよい。
【0108】
一例として、シロップは、キャリアとして、ショ糖またはグリセリンと共にショ糖、および/またはマンニトールおよびソルビトールを含んでもよい。
【0109】
懸濁液およびエマルジョンは、キャリアの例として、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含んでもよい。
【0110】
懸濁液または筋肉内注射溶液は、活性化合物と共に、薬学的許容されるキャリア、たとえば滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール、たとえばプロピレングリコール、および必要に応じて、塩酸リドカインの適切な量を含んでもよい。
【0111】
静脈内注射または注入溶液は、キャリアとして、滅菌水を含んでもよく、または好ましくは、これらは、無菌、水性、等張性、塩類溶液の形態であってもよく、またはこれらはキャリアとしてプロピレングリコールを含んでもよい。
【0112】
坐薬は、活性化合物と共に、薬学的に許容されるキャリア、たとえばカカオ脂、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性物質、またはレシチンを含んでもよい。
【0113】
本発明をよりよく図示するための目的で、これに対して何らの制限もせずに、以下の実施例をここで示す。
【0114】
一般的な方法
フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル(Merck grade 9395、60A)で行った。HPLCは、996 Waters PDA検出器およびエレクトロスプレー(ESI)イオン源を備えたMicromass mod ZQ四極子質量分析計を備えた2790HPLCシステム使用して、Waters X Terra RP 18(4、6×50 mm,3.5pm)カラムで行った。移動相Aは、酢酸アンモニウム5 mM緩衝液(pH 5.5酢酸/アセトニトリル95:5)であり、移動相Bは、H2O/アセトニトリルであった(5:95)。8分で10〜90%のBの勾配、90%のBを保持2分。220nmおよび254nmでの UV検出。流速1ml/min。注入体積10μl。完全走査、100〜800amuの質量範囲。キャピラリー電圧は、2.5KVであった;供与源温度は、120℃であった;コーン(cone)は、10Vであった。保持時間(HPLC r. t.)は、220nmで、または254nmでの分で示してある。質量はm/z比として示してある。
【0115】
必要に応じて、化合物は、996 Waters PDA検出器およびMicromass mod.ZMD四極子質量分析計、電子スプレー・イオン化、ポジティブ・モードを備えた調製用HPLC 600を使用して、Waters Symmetry C18(19×50 mm、5μm)カラムで調製用のHPLCによって精製した。移動相Aは、水0.01%のTFAであり、移動相Bは、アセトニトリルであった。8分で10〜90%のBの勾配、90%のBを保持2分。流速20ml/min。
【0116】
1H-NMR分光測定は、5mmの二重共鳴プローブ[1H(15N-31P)ID_PFG Varian]を備えた400.45MHzで作動するMercury VX 400で行った。
【0117】
不斉炭素原子を有し、かつラセミ混合物として得られた式(I)の化合物は、キラル・カラムでのHPLC分離によって分離した。特に、たとえば調製用カラムCHIRALPACK(登録商標)AD、CHIRALPACK(登録商標)AS、CHIRALCELL(登録商標)OJを使用することができる。
【実施例】
【0118】
実施例1
2-ブロモ-1-ピリミジン-4-イルエタノンハイドロブロミド
ピリミジン(2.5g、31.2mmols)およびアセトアルデヒド(10.8mL、192 mmols)のジクロロメタン(190mL)撹拌溶液上に、約0℃で、3.4 M硫酸(15.6mL)を滴状に添加した。溶液を-5℃に冷却し、2つの異なった滴下漏斗から、2つの溶液を同時に約30分でその中に落とした:80%のtert-ブチルヒドロペルオキシドのジ-tert-ブチル,ペルオキシド/水(23.4mL)溶液および100mLの硫酸第一鉄七水和物(52.2g)の水溶液。添加後、反応混合物を0℃で2.5時間撹拌し、相を分離して、水相をジクロロメタン(2×150mL)で抽出した。合わせた有機相を10%のヨウ化ナトリウム水溶液で、Na2S2O5(10%水溶液)で、およびブラインで洗浄し、Na2SO4を通して乾燥した。濃縮により、得られた黄色固体を石油エーテルに取り入れ、濾過した。乾燥後、褐色がかった固体として標記化合物を得た(0.87g、Y=23%)。
【数2】

【0119】
実施例2
1-(2-アミノピリミジン-4-イル)-2-ブロモエタノンハイドロブロミド
標記化合物(a)をJ. Het. Chem. 1985, 22, 1723に記載されているように作用して調製した。
【0120】
3,3-ジメトキシ2‐ブタノン(25g、189.16mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミドデジメチルアセタール(22.5g、189.16mmol)の混合物を110℃で30時間撹拌し、次いで蒸留し(115℃、1 mmHg)、黄色固体として1-(ジメチルアミノ)-4,4-ジメトキシペント-1-エン-3-オンを得た(27.3g、146 mmol、77%)。
【0121】
ナトリウム(3.48g、151.67mmol)のエタノール無水物(400mL)溶液上へ、固体の塩酸グアニジン(14.5g、151.67mmol)をr.t.で添加し、白い懸濁液を得て、その中に1-(ジメチルアミノ)-4,4-ジメトキシペント-1-エン-3-オン(28.4g、151.67mmol)のエタノール無水物(50mL)の溶液を添加した。混合物を19時間還流した。冷却後、沈殿を濾過して、エタノールで、および多量の水で洗浄し、こうして白色固体(8.56g)を得た。エタノール溶液を乾燥するまで濃縮し、煮沸した酢酸エチル(1000mL)に取り入れ、熱すると共に濾過し、次いで冷却して第二の生成物(crop)を得た。4-(1,1-ジメトキシエチル)ピリミジン-2-アミン:17.66g、63.5の総量。該アミンのギ酸溶液(17.5g、95.5mmol)をr. t.で6時間撹拌し、乾燥するまで濃縮して、残渣をエタノール(50mL)中に撹拌し、次いで濾過して、こうして1-(2-アミノピリミジン-4-イル)エタノン(9.2g、70%)を得た。1-(2-アミノピリミジン-4-イル)エタノン(412mg、3mmol)の氷酢酸(1mL)および48%水溶液HBr(0.3mL)に、臭素(0.153mL)の酢酸(0.4mL)溶液を添加して、生じるオレンジの溶液をr. t.で15時間撹拌した。酢酸エチル(15mL)で希釈した後に、沈殿を濾過して酢酸エチルで洗浄し、こうして淡い色の固体として標記化合物を得た(580mg、65%)。
【数3】

【0122】
実施例3
2-ブロモ-1-(9H-プリン-6-イル)エタノン
Tetrahedron,53(6),2291-2302(1997)に記載されているように調製した6-(1-エトキシビニル)-9-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル-9H-プリン(430mg、1.57 mmols)のテトラヒドロフラン(24ml)および水(1.5ml)の溶液をN-ブロモ-スクシンイミド(NBS、280 mg、1.57 mmols)で処理し、15分間室温で保持した。溶液を減圧下で蒸発し、水に取り入れて濾過し、黄色固体として標記化合物得た(312mg、Y=82%)。
【数4】

【0123】
実施例4
1-(2-フェニルアミノピリミジン-4-イル)-2-クロロエタノン
ナトリウム(614 mg、26.7mmol)のエタノール無水物(70mL)溶液に、フェニルグアニジン(4.43g、13.35mmol)を添加し、続いて前述したように得られた1-(ジメチルアミノ)-4,4-ジメトキシペント-1-エン-3-オン(5g、26.7mmol)のエタノール無水物(20mL)溶液を添加さした。懸濁液を20時間還流し、溶媒の2/3を除いて、水(250mL)を添加した沈殿物を酢酸エチルで抽出し、有機相をリン酸二水素ナトリウム溶液で、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムを通して乾燥し、濃縮して所望のケタールを得た(4.3g)。ケタール(4.2 g、16.19mmol)を88%のギ酸(25mL)に溶解し、2.5時間r. t.で撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈して、沈殿を濾過し、大量の水で洗浄した。こうして、1-(2-フェニルアミノピリミジン-4-イル)-エタノンを黄色固体として単離した(3.1g)。
【0124】
このケトン(1.3g、6.1mmol)をクロロメタン(40mL)に溶解し、次いでTEA(5.1mL,36.6mmol)およびtert-ブチル-ジメチルトリフルオロメタンスルホン酸(4.2mL、18.3mmol)を添加した。オレンジの溶液を一晩で撹拌し、次いで、さらにジクロロメタン(150mL)で希釈し、5%の炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)で2回、水で、ブラインで洗浄し、次いで硫酸ナトリウムを通して乾燥させて濃縮し、ビス-シリル化された誘導体(2.67g)を得た。テトラヒドロフラン(THF、25 mL)に溶解し、かつ0℃に冷却した物質(1.32g、2.94mmol)の半分に、NBS(0.549g、3.09mmol)のTHF(10mL)溶液を5分で滴状に添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、2N HClを添加して、反応混合物をr. t.で24時間撹拌した。粗製のものをフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶出剤:ヘキサン/酢酸エチル5:1)、0.325gの標記化合物を得た。
【数5】

【0125】
実施例5
6,6-ジメチル-2,4-ジオキソピペリジンの調製
エチル3-メチルブタ-2-エノアート(12mL)(1g、7.8mmol)のエタノール無水物溶液を-20℃に冷却し、気体アンモニアで飽和した。チューブを封着して90℃で24時間保持した。反応を室温に冷却し、窒素で泡立たせて残留するアンモニアを除き、4NのHClのジオキサン(1.9mL)溶液で処理した。30分の撹拌後、混合物を減圧下で蒸発し、灰色固体としてエチル3-アミノ-3-メチルブタノアートハイドロクロライドを得た(1.19g、Y=84%)。
【数6】

【0126】
エチル3-アミノ-3-メチルブタノアートハイドロクロライド(0.87g、4.79mmol)を塩化メチレン(12mL)およびトリエチルアミン(1.4mL、2.1eq.)上で懸濁した。混合物を0℃に冷却し、エチル3-クロロ-3-オキソプロパノアート(0.64mL、1.05eq.)で滴状に処理した。反応を室温で2時間保持し、塩化メチレンで希釈して、1N HCIで、次いで5% NaHCO3で洗浄し、Na2SO4を通して乾燥させ、乾燥するまで蒸発させ、赤い油としてエチル3-[(3-エトキシ3-オキソプロパノイル)アミノ]-3-メチルブタノアート(1.2g、Y=97%)を得た。
【数7】

【0127】
ナトリウム金属から得られたナトリウムエトキシド(0.122g、5.55mmol)のエタノール無水物(7mL)溶液に、エチル3-[(3-エトキシ3-オキソプロパノイル)アミノ]-3-メチルブタノアート(1.2g、4.62mmol)の乾燥トルエン(7mL)溶液を撹拌下で室温において滴下した。反応混合物を80℃で2時間加熱し、次いでこれを濃縮して体積を減少させ、残渣をトルエン(15mL)に溶解した。有機相を水(40mL)で抽出し、水相を1N HClでpH 2〜3に酸性化し酢酸エチル(4×50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム無水物を通して乾燥し、黄色固体としてエチル6,6-ジメチル-2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボキシラートを得て(0.7g、Y=71%)これをさらに精製することなく次の工程のために使用した。
【0128】
エチル6,6-ジメチル2,4-ジオキソピペリジン-3-カルボキシラート(0.69g、3.23mmol)を1%の水(15mL)を含むアセトニトリルに溶解し、生じる溶液を2時間還流した。乾燥するまで蒸発した後、粗製物質をイソプロピルエーテルに懸濁されたこと、激しく撹拌下状態で保持し、濾過して、ライトブラウン固体として標記化合物を得た(387mg、Y=85%)。
【数8】

【0129】
実施例6
5-フェニルピペリジン-2,4-ジオンの調製
エチルシアノ(フェニル)アセテート(14.9g、78.83mmol)を37%の塩酸(40mL)を含むエタノール無水物(400mL)に溶解した。溶液を10%のPd-C(2g)で処理し、24時間のParr装置内に水素(40psi)下で保持した。生じる混合物を濾過して触媒を除去し、減圧下で乾燥するまで蒸発した。残渣を酢酸エチルで満たし、激しく撹拌して15分間保持して、濾過した。エチル3-アミノ2-フェニル・プロパノアートハイドロクロライドが得られた(11g、Y=60%)。
【数9】

【0130】
エチル 3-アミノ2-フェニルプロパノアートハイドロクロライド(4.38g、19.13mmol)を塩化メチレン(80mL)およびトリエチルアミン(5.86mL、2.2eq.)に懸濁した。混合物を0℃に冷却し、エチル3-クロロ-3-オキソプロパノアート(2.69mL、1.1eq.)で滴状に処理した。反応を1時間室温で保持して、塩化メチレンで希釈し、1N HClで、および5%のNaHCO3で洗浄して、Na2SO4を通して乾燥し、乾燥するまで蒸発した。粗製物質をヘキサン/酢酸エチル1/1で溶出するシリカゲル上でクロマトグラフし、油として3-(2-エトキシカルボニル-アセチルアミノ)-2-フェニル-プロピオン酸エチルエステルを得た(4.24g、Y=72%)。
【数10】

【0131】
ナトリウム(380mg、16.52mmol)をエタノール無水物(13mL)に溶解し、生じる溶液を無水のトルエン(35mL)に溶解した3-(2-エトキシカルボニル-アセチルアミノ)-2-フェニル-プロピオン酸エチルエステル(4.23g、13.76mmol)で液滴処理した。反応を1.5時間80℃に保持した。冷却後、混合物を水で抽出した。水抽出液を2N HClで酸性化し、酢酸エチルで抽出して、有機層を収集し、Na2SO4を通して乾燥し、乾燥するまで蒸発させて、エチル2,4-ジオキソ-5-フェニルピペリジン-3-カルボキシラート(1.73g、Y=48%)を得て、これをさらに精製することなく次の工程のために使用した。エチル2,4-ジオキソ-5-フェニルピペリジン-3-カルボキシラート(1.73g、6.63mmol)を1%の水(30mL)を含むアセトニトリルに溶解し、生じる溶液を2時間還流した。乾燥するまで蒸発した後に、粗製物質を塩化メチレン/メタノール92/8で溶出してシリカゲル上でクロマトグラフし、固体として標記化合物を得た(780mg、Y=62%)。
【数11】

【0132】
実施例7
エチル2-(アミノメチル)-3-メチルブタノアートハイドロクロライドの調製
エチル2-シアノ3-メチルブタ-2-エノアート(5.0g、32.6mmol)の320mLのEtOH無水物に溶解した。700mgのPtO2および12mLの4MのHClを添加した。反応混合物を5時間(30psi)室温で水素付加した。セライト・パッド上の濾過および溶媒の蒸発により、粗製標記化合物(定量的収率)を得た。
【数12】

【0133】
類似の方法で作業することよって、および適切なシアン基の誘導体から開始することよって、以下の化合物も調製された:
エチル2-(アミノメチル)-3-メチルペンタノエートハイドロクロライド
【数13】

【0134】
エチル1-(アミノメチル)シクロプロパンカルボキシラートハイドロクロライド
ESI(+)MS:m/z 144(MH+)。
【0135】
実施例8
エチル2-{[(3-エトキシ-3-オキソプロパノイル)アミノ]メチル}-3-メチルブタノアートの調製
粗製エチル2-(アミノメチル)-3-メチルブタノアートハイドロクロライドを200mLの乾燥DCMに溶解し、DIPEAを添加した(14mL、2,5 eq)。0℃に冷却した後、エチル3-クロロ-3-オキソプロパノアートを添加した(6.3mL、35.4mmol)。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をDCMで希釈し、5%(×2)KHSO4水溶液、NaHCO3水溶液sat.sol.(×2)、およびブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4を通して乾燥し、濾過して乾燥するまで蒸発した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=7/3->1/1)により、8.35gの標的産物(30.55mmol、93.4%収率)を得た。
【数14】

【0136】
類似の方法で作業することよって、および適切なハイドロクロライド誘導体から開始することよって、以下の化合物が調製された:
エチル2-{[(3-エトキシ3-オキソプロパノイル)アミノ]メチル}-3-メチルペンタノアート
【数15】

【0137】
エチル1{[(3-エトキシ3-オキソプロパノイル)アミノ]メチル}シクロプロパンカルボキシラート
ESI(+)MS:m/z 258(MH+)。
【0138】
実施例9
5-イソプロピルピペリジン-2,4-ジオンの調製
粗製エチル2{[(3-エトキシ3-オキソプロパノイル)アミノ]メチル}-3-メチルブタノアート(8.35g、30.55mmol)を215mLの乾燥トルエンに溶解し、100℃に加熱した。6.9mLナトリウムメトキシドの メタノール溶液30 wt. %溶液を添加し(36mmol)、反応混合物を4時間還流した。室温で、冷却した後、有機相を水(×2)で洗浄した。水層を収集し、酸性化して(10%のHCl)、DCM(×4)で抽出した。有機層を収集し、乾燥するまで蒸発した。粗製を250mLの10%酢酸水溶液で処理し、3時間還流した。反応混合物をNaHCO3(〜pH 7)で中和し、DCM(×5)で抽出した。有機層を収集し、乾燥させて(Na2SO4)、濾過し、乾燥するまで蒸発した。カラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH=97/3)により、2.35gの標的産物(15.14のmmol、49.6%収率)を得た。
【数16】

【0139】
類似の方法で作業することよって、および適切なアミノエステル誘導体から開始することよって、以下の化合物が調製された:
5-sec-ブチルピペリジン-2,4-ジオン
【数17】

【0140】
5-アザスピロ[2.5 ]オクタン-6,8-ジオン
【数18】

【0141】
5,5-ジエチルピペリジン-2,4-ジオン
【数19】

【0142】
実施例10
6-ベンジルピペリジン-2,4ジオン
β-homoフェニルアラニン(9.1g、50.94mmol)、ジ-tert-ブチルジカルボナート(12.2g、56.1mmol)、ジオキサン(180mL)、水(18mL)、およびトリエチルアミン(8.5mL)の混合物を一晩RTで撹拌した。濃度およびトルエンでの複数回のストリッピングの後、3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-4-フェニルブタン酸を油として得て、次の工程において直接使用した。これを乾燥ジクロロメタン(370mL)に溶解し、メルドラム酸(8.1 g、56-1mmol)、およびDMAP(9.7g、79mmol)をこれに添加して、混合物を-5℃に冷却し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(12.6g、61mmol)を添加した。添加後、反応混合物を冷蔵庫内に一晩保持した。沈殿を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を酢酸エチルで希釈し、順番に10%のaqKHSO4、水、ブラインで洗浄し、次いで濃縮して粗製tert-ブチル1-ベンジル-3-( 2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサ-5-イル)-3-オキソプロピルカルバメートを得て、これを酢酸エチル(250mL)に溶解して2時間還流した。濃縮およびジイソプロピルエーテルでの処理後、結晶化した化合物を濾過して、75%の全収率で白色粉体としてtert-ブチル2-ベンジル-4,6-ジオキソピペリジン-1-カルボキシラートを得た。
【0143】
t-ブトキシカルボニル基は、RTで酸処理することによって(4M HClのジオキサン溶液)除去することができる。
【数20】

【0144】
類似の方法で作業することによって、以下の化合物も得られた:
6-イソプロピルピペリジン-2,4-ジオン
ESI(+)MS:m/z 156(MH+)。
【0145】
6-メチルピペリジン-2,4-ジオン
ESI(+)MS:m/z 128(MH+)。
【0146】
5,5-ジメチルピペリジン-2,4-ジオン
【数21】

【0147】
6-(2-フェニルエチル)ピペリジン-2,4-ジオン
ESI(+)MS:m/z 218(MH+)。
【0148】
実施例11
5-ベンジルピペリジン-2,4ジオンの調製
窒素下で-20℃に冷却したtert-ブチル2,4-ジオキソピペリジン-1-カルボキシラート(324mg、1.5mmol)の乾燥THF(10mL)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)(4mLの1MのTHF溶液)を滴下した。20分の撹拌後に、3.0eqの臭化ベンジルを添加して、溶液を-20℃で2時間撹拌した。反応混合物を5%の水溶液KHSO4に注入し、DCM(×2)で抽出した。収集した(200mL)有機層に20mLのTFAを添加して、生じる溶液を室温で2時間撹拌した。蒸発の後、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 1:2)によって精製し、150mgの標的産物(0.74mmol、49%)を得た。
【数22】

【0149】
類似の方法で作業することによって、および適切なハロゲン化アルキルをしようすることによって、以下の化合物が調製された:
5-イソブチルピペリジン-2,4-ジオン
【数23】

【0150】
5-エチルピペリジン-2,4-ジオン
【数24】

【0151】
実施例12
tert-ブチル5-エチル-2,4-ジオキソピペリジン-1-カルボキシラートの調製
tert-ブチル2,4-ジオキソピペリジン-1-カルボキシラート(1.92g、9.0mmol)の溶液に、乾燥THF(65mL)溶液において、窒素下で-20℃に冷却し、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)(27mLの1MのTHF溶液)を滴下した。20分の撹拌後に、2.53mL(4.9g、31.3mmol)のヨードエタンを添加し、溶液を-20℃で2時間撹拌した。反応混合物を5%の水溶液KHSO4に注ぎ、DCM(×2)で抽出した。収集した有機層を水で洗浄し、Na2SO4を通して乾燥し、乾燥まで蒸発した。残渣をカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/EtOAc 1:1)によって精製し、1.4gの標的産物(5.8mmol、64%)を得た。
【0152】
ESI(+)MS:m/z 242(MH+)。
【0153】
類似の方法で作業することによって、および1-インド-3-メチルブタンを使用することによって、以下の化合物が調製された:
tert-ブチル5-イソブチル-2,4-ジオキソピペリジン-1-カルボキシラート
ESI(+)MS:m/z 270(MH+)。
【0154】
実施例13
2-ピリミジン-4-イル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
2-ブロモ-1-ピリミジン-4-イルエタノンハイドロブロミド(67mg、0.239mmols)、ピペリジン-2,4-ジオン(50mg、0.358mmols)、および酢酸アンモニウム(74mg、0.957mmols)をエタノール無水物(1mL)に溶解し、r. t.で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で乾燥するまで濃縮し、残渣を水(1mL)で満たして、濾過した;固体を冷水で洗浄し、乾燥した。
【0155】
MeOH(15mL)に溶解した得られた茶色の固体(30mg)に、4N HClジオキサン(0.5mL)溶液を添加して、混合物を30分間撹拌し、次いで半分の体積に減圧下で濃縮した。
【0156】
得られた沈殿を濾過し、酢酸エチルで洗浄して乾燥し、黄色固体として標記化合物を得た(31mg、Y=52%)。
【数25】

【0157】
類似の方法で作業することによって、以下の化合物も得られた:
-(2-アミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c] ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数26】

【0158】
6,6-ジメチル-2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数27】

【0159】
2-(2-フェニルアミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【数28】

【0160】
2-(2-フェニルアミノピリミジン-4-イル)-7-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数29】

【0161】
2-(9H-プリン-6-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数30】

【0162】
7-フェニル-2-ピリミジン-4-イル-1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数31】

【0163】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数32】

【0164】
7-フェニル-2-(9H-プリン-6-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数33】

【0165】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-イソプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数34】

【0166】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数35】

【0167】
純粋な鏡像異性体を得るために、Boc誘導体としてのラセミ化合物をキラル分離に供した。キラルクロマトグラフィーは、CHIRALCELL(登録商標)OJ(5×50cm)で行った。移動相は、n-Hex/EtOH/MeOH 70:23:7.であった。
【0168】
ハイドロクロライドとしての解析条件:プレカラムをもつChiralcell(登録商標)OJカラム、移動相-Hex/エタノール80:20。
【0169】
(7Rまたは7S)-2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
RT 19.3min;e. e.98.7%。
【0170】
(7Rまたは7S)-2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
RT 24.1min;e. e.99.8%。
【0171】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-メチル1,5,6,7-テトラヒドロ4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数36】

【0172】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7,7-ジメチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数37】

【0173】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-イソブチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数38】

【0174】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7,7-ジエチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド
【数39】

【0175】
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-イソプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【数40】

【0176】
実施例14
2-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-3-ヨード-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
KOH(61mg、1.09mmol)は、2-(2アミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン(100mg,0.44mmol)のDMF(5ml)溶液に添加した。ヨウ素(115mg、0.45mmol)のDMF(2ml)溶液を添加した。30分後に、反応混合物を氷水(0.5ml NH3および25mg K2S2O5を含む)に注いだ。黄色酸化水銀を濾過して、冷水で洗浄し、乾燥した。化合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(DCM-MeOH-30% NH4OH、95:5:0.5)、黄色固体として生成物を得た(22mg、14%収率)。
【数41】

【0177】
実施例15
2-[2-(シクロヘキシルメチル-アミノ)-ピリミジン-4-イル]-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c] ピリジン-4-オン
2-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン(140mg、0.61mmol)、トリフルオロ酢酸(565μl、7.33mmol)、およびシクロヘキサンカルボアルデヒド(carbaldehyde)(151μl、1.25mmol)をDMF(10ml)中に混合した。ナトリウムトリアセトキシホウ化水素(390mg,1.84mmol)を上記溶液に添加し、反応混合物をN2下で室温において20時間撹拌した。さらなるシクロヘキサンカルボアルデヒド(151μl、1,25mmol)およびナトリウムトリアセトキシホウ化水素(390mg、1.84mmol)を添加し反応混合物を20時間撹拌した。反応を0.33N NaOH(50ml)でクエンチし、生成物をDCM(50ml)で抽出した。DCM抽出物を乾燥し(MgS04)、溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(DCM-MeOH、95:5)、ベージュ固体として性生物を獲た(80mg、40%収率)。
【数42】

【0178】
類似して、以下の生成物を、対応するアルデヒドから開始して調製することができる:
2-(2-プロピルアミノ-ピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【数43】

【0179】
2-(2-ジプロピルアミノ-ピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【数44】

【0180】
-(2-イソブチルアミノ-ピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
8
【数45】

【0181】
2-{2-[(フラン-2-イルメチル)-アミノ]-ピリミジン-4-イル}-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【数46】

【0182】
N-(4-{[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]-ピリジン-2-イル)-ピリミジン-2-イルアミノ]−メチル}-フェニル)アセトアミド
【数47】

【0183】
2-(2-ベンジルアミノ-ピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン
【数48】

【0184】
実施例16
N-[4-(4-オキソ4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]ベンズアミド
2-(2-ベンジルアミノ-ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチルエステルのTHF溶液をHCl 4Nのジオキサン溶液に添加し、反応を室温で2時間撹拌したままにした。溶媒蒸発は、所望の生成物を固体として得た。
【数49】

【0185】
2-(2-ベンジルアミノ-ピリミジン-4-イル)-4-オキソ1,4,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチルエステル
2-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロピロロ[3,2-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチルエステルおよびEt3N(4eq.)の乾燥THF溶液に、混合物PhCOCl(2eq.)を添加し、混合物をアルゴン下で室温において一晩撹拌した。したがって、NaOH(1N)を添加し;30'後、溶媒を蒸発し、残渣を水に溶解して、水相をAcOEt(2X)で抽出した。次いで、有機相をaq.NH4Clで洗浄し、Na2SO4を通して乾燥した。溶媒蒸発後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(CH2Cl2:MeOH 97:3)、固体の純粋な生成物を得た。
【数50】

【0186】
類似して、以下の生成物を、対応するアシル化剤から開始して調製することができる。
【0187】
2-メチルN-(4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]プロパンアミドハイドロクロライド
【数51】

【0188】
N-[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]チオフェン-2-カルボキサミドハイドロクロライド
【数52】

【0189】
N-[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]-2-フェニルアセトアミドハイドロクロライド
【数53】

【0190】
N-[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]アセトアミドハイドロクロライド
【数54】

【0191】
エチル4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イルカルバメート
【数55】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
変化されたタンパク質キナーゼ活性によって引き起こされ、および/または該活性と関連した細胞増殖性障害を治療するための方法であって、これらの必要な哺乳類に対して式(1)の化合物の有効な量を投与することを含む方法:
【化1】

式中、
Rは、水素原子か、またはアミノ、アリールアミノ、置換されていてもよいC1-C6アルキルアミノ、置換されていてもよいアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、C1-C6ジアルキルアミノ、およびアシルアミノから選択される基であり;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン原子、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル基、アミノまたはアリールアミノ基であるか;またはこれらが連結されるピリジン結合と共になって、R1およびR2は、二価の-NH-CH=N-、-N=CH-NH-、または-NH-CH=CH-基を形成していてもよく;
R3、R'3、R4、およびR'4は、それぞれ独立して、水素原子か、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクリル-アルキル、もしくはアリールアルキルから選択される基であるか;またはR3とR3'、もしくはR4とR4'は、共になってC3-C6環状のアルキル基を形成し;
R5は、水素もしくはハロゲン原子であるか、またはこれは直鎖または分枝のC1-C6アルキル基およびこれらの薬学的許容される塩である。
【請求項2】
変化されたCdc7および/またはcdk2キナーゼ活性によって引き起こされ、および/または該活性と関連した細胞増殖性障害を治療するための、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞増殖性障害が、癌、アルツハイマー病、ウイルス感染、自己免疫疾患、および神経変性障害からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記癌が、癌腫、扁平上皮癌、骨髄球性またはリンパ様系統の造血性腫瘍、間充織起源の腫瘍、中枢神経系および末梢神経系の腫瘍、黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角質黄色種、甲状腺濾胞性癌、およびカポジ肉腫からなる群より選択される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記細胞増殖性障害が、良性前立腺過形成、家族性腺腫症ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症と関連した血管平滑細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎、並びに術後狭窄および再狭窄からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、これらの必要な前記哺乳類を、少なくとも1つの細胞静止剤または細胞障害剤と組み合わせて放射線療法または化学療法処方計画に供することをさらに含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、これらの必要な前記哺乳類がヒトである方法。
【請求項8】
前記キナーゼを、請求項1において定義された化合物の有効な量と接触させることを含む、Cdc7および/またはCdk2キナーゼ活性を阻害するための方法。
【請求項9】
式(I)の化合物:
【化2】

式中、
Rは、水素原子か、またはアミノ、アリールアミノ、置換されていてもよいC1-C6アルキルアミノ、置換されていてもよいアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、C1-C6ジアルキルアミノ、およびアシルアミノから選択される基であり;
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素もしくはハロゲン原子、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル基、アミノまたはアリールアミノ基であるか;またはこれらが連結されるピリジン結合と共になって、R1およびR2は、二価の-NH-CH=N-、-N=CH-NH-、または-NH-CH=CH-基を形成していてもよく;
R3、R'3、R4、およびR'4は、それぞれ独立して、水素原子か、または直鎖または分枝のC1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、シクロアルキル-アルキル、ヘテロシクリル-アルキル、もしくはアリールアルキルから選択される基であるか;またはR3とR3'、もしくはR4とR4'は、共になってC3-C6環状のアルキル基を形成し;
R5は、水素もしくはハロゲン原子であるか、またはこれは直鎖または分枝のC1-C6アルキル基およびこれらの薬学的許容される塩である。
【請求項10】
請求項9において定義された式(I)の化合物であって、Rは、水素、アミノ、またはフェニルアミノであり;R1およびR2は、両方とも水素原子であるか、またはこれらが連結されるピリジン結合と共になって、二価の-NH-CH=N-基を形成し;並びにR3、R'3、R4、およびR'4は、上記定義されたとおりである化合物。
【請求項11】
請求項9において定義された式(I)の化合物であって、R3およびR'3は、両方とも水素原子であるか、またはこれらのうちの一方は、フェニル基であり、かつ残りの一方は、水素原子であり;並びにR、R1、R2、R4、R'4、およびR5は、請求項9において定義されたとおりである化合物。
【請求項12】
請求項9において定義された式(I)の化合物であって、R4およびR'4は、両方とも水素原子もしくはメチル基であり;並びにR、R1、R2、R3、R'3、R4、R'4、およびR5は、請求項9において定義されたとおりである化合物。
【請求項13】
請求項9において定義された式(I)の化合物であって、R5は、水素原子であり、R、R1、R2、R3、R'3、R4、およびR'4は、上記定義されたとおりである化合物。
【請求項14】
請求項9において定義された式(I)の化合物であって、以下からなる群より選択される、任意にこれらの薬学的に許容される塩の形態の化合物:
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
2-(2-フェニルアミノピリミジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
2-(9H-プリン-6-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
2-ピリミジン-4-イル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
7-フェニル-2-(9H-プリン-6-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
7-フェニル-2-ピリミジン-4-イル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
2-(2-アニリノピリミジン-4-イル)-7-フェニル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オンハイドロクロライド;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-イソプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7,7-ジメチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-6-イソブチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
エチル4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1 H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イルカルバメート;
(7Rまたは7S)-2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
(7Rまたは7S)-2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-メチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-3-ヨード-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7,7-ジエチル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-{2-[(2-フリルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
N-[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1 H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]ベンズアミド;
2-(2-アミノピリミジン-4-イル)-7-イソプロピル-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-[2-(ベンジルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-[2-(プロピルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-[2-(イソブチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-{2-[(シクロヘキシルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン;
2-{2-[(2-フリルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}-1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-4-オン、および、
N-[4-({[4-(4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1 H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル]アミノ}メチル)フェニル]アセトアミドトリフルオロアセテート。
【請求項15】
請求項9に記載の式(I)の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を製造するための方法であって、
a)式(III)の化合物を得るために、式(II)の化合物をハロゲン化すること:
【化3】

式中、
R、R1、およびR2は、上で報告された意味を有し、R5は、水素原子または直鎖または分枝のC1-C6アルキル基であり、Halは、適切なハロゲン原子、好ましくは臭素または塩素を表し;
b)式(I)の化合物を得るために、式(IV)の化合物と式(III)の化合物を反応させ、任意に、これを式(I)の別の化合物に、および/またはこれらの薬学的に許容される塩に変換すること:
【化4】

式中、
R3、R'3、R4、およびR'4は、上で報告された意味を有する。
【請求項16】
工程(a)が、式(II)の化合物をブロム化するか、または塩素化することよって行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
式(111)の化合物内において、Halが臭素または塩素原子を表す、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
請求項9において定義された式(I)の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩の治療上有効な量と、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、キャリア、および/または希釈液とを含む薬学的組成物。
【請求項19】
1つまたは複数の化学療法薬をさらに含む、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
抗癌治療において同時に、別々に、または連続して使用するための、請求項9において定義された式(I)の化合物もしくはこれらの薬学的に許容される塩、または請求項18において定義された薬学的組成物を含む製品またはキット。
【請求項21】
医薬として使用するための、請求項9において定義された式(I)の化合物またはこれらの薬学的許容される塩。
【請求項22】
抗腫瘍活性をもつ医薬の製造における、請求項9において定義された式(I)の化合物の使用またはこれらの薬学的許容される塩の使用。

【公表番号】特表2007−501827(P2007−501827A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522967(P2006−522967)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008853
【国際公開番号】WO2005/014572
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(504218576)ファルマシア・イタリア・エス・ピー・エー (7)
【Fターム(参考)】