説明

キャップ及びキャップの製造方法

【課題】部品コストが安く、しかも、電線接続部の被覆作業が簡単であるキャップを提供する。
【解決手段】複数の電線Wの各導体部を互いに接続した電線接続部10を被覆するキャップ1Aを、管形状を有するチューブ2の一端側を溶着処理によって密封し、他端側を打ち抜き加工によって舌片部4を形成することで成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電線の各導体部を互いに接続した電線接続部を被覆するキャップ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばワイヤーハーネスの配索では、複数の電線の絶縁外皮を剥ぎ取り、露出させた導体部を互いに接続して電線接続部を形成することが行われる。そして、このような電線接続部の箇所の絶縁性、防水性等を確保するために絶縁材から成るキャップが使用される。
【0003】
この種の従来のキャップとしては、図9(a)、(b)に示すものと図10(a)、(b)に示すものとが特許文献1に開示されている。図9(a)、(b)に示すキャップ100は、金型を用いて射出成形により形成されたものであり、一端が閉塞された筒体101と、この筒体101の他端より突設された舌片部102とから構成されている。
【0004】
このキャップ100を用いた複数の電線Wの電線接続部105の被覆作業は、先ず、図9(a)に示すように、複数の電線Wの電線接続部105をキャップ100の筒体101内に挿入する。次に、図9(b)に示すように、キャップ100の舌片部102を複数の電線Wと一体にテープ106で拘束し、これで完了する。
【0005】
図10(a)、(b)に示すキャップ110は、押出し成型により形成され、両端が開口された熱収縮チューブ111と、熱収縮チューブ111の内面に付着されたホットメルト層112とから構成されている。
【0006】
このキャップ110を用いた複数の電線Wの電線接続部105の被覆作業は、先ず、図10(a)に示すように、複数の電線Wの電線接続部105を熱収縮チューブ111内に挿入する。次に、図10(b)に示すように、キャップ110を熱風などにより加熱する。すると、加熱によって熱収縮チューブ111が収縮すると共に加熱後の温度降下によってホットメルト層112が固化し、これで完了する。
【特許文献1】特開平11−178142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図9(a)、(b)に示す従来のキャップ100は、金型による射出成形によって形成されるため、成形加工費が高く、部品コストが高いという問題がある。
【0008】
図10(a)、(b)に示す従来のキャップ110は、その熱収縮チューブ111が押出し成形によって形成されるため、成形加工費が安い。しかし、熱収縮チューブ111の内面にホットメルト層112を形成したり、熱風等による加熱処理が必要であるため、電線接続部105の被覆作業が面倒であるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、部品コストが安く、しかも、電線接続部の被覆作業が簡単であるキャップ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、複数の電線の各導体部を互いに接続した電線接続部を被覆するキャップであって、管形状を有するチューブからなり、一端側が溶着処理によって密封され、他端側に打ち抜き加工によって舌片部が形成されたことを特徴とするキャップである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載のキャップであって、長尺状のチューブより複数のキャップが作製され、隣り合って作製される2つのキャップの舌片部同士が長尺状のチューブの長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定され、向かい合わせ位置の双方の舌片部が打ち抜き加工によって形成されたことを特徴とするキャップである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のキャップであって、前記舌片部の端部には、打ち抜き加工による突起部が設けられていることを特徴とするキャップである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2記載のキャップであって、前記舌片部の端部には、加熱処理による突起部が設けられていることを特徴とするキャップである。
【0014】
請求項5の発明は、長尺状のチューブに、その長手方向の所定間隔毎に溶着処理して密封部を形成する溶着工程と、長尺状のチューブに、前記密封部を一端とするよう切断すると共に切断したチューブの他端側に舌片部を形成するべく打ち抜き加工を行う切断・打ち抜き加工工程とを備えたことを特徴とするキャップの製造方法である。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5記載のキャップの製造方法であって、長尺状のチューブより隣り合って作製される2つのキャップの舌片部同士が長尺状のチューブの長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定され、前記溶着工程では、長尺状のチューブの近接する2箇所を同時に溶着し、近接する2箇所に密封部を形成し、前記切断・打ち抜き加工工程では、近接する2箇所の密封部の間を切断し、且つ、互いに向かい合わせ位置とされた2つの舌片部を打ち抜くことを特徴とするキャップの製造方法である。
【0016】
請求項7の発明は、請求項5記載のキャップの製造方法であって、長尺状のチューブより隣り合って作製される2つのキャップの舌片部同士が長尺状のチューブの長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定され、前記溶着工程では、長尺状のチューブの所定箇所を溶着して密封部を形成し、前記切断・打ち抜き加工工程では、前記密封部の中心部分を切断し、且つ、互いに向かい合わせ位置とされた2つの舌片部を打ち抜くことを特徴とするキャップの製造方法である。
【0017】
請求項8の発明は、請求項5〜請求項7のいずれか1項記載のキャップの製造方法であって、前記溶着工程と前記切断・打ち抜き加工工程とを同時に行うことを特徴とするキャップの製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、押出成形によって形成されたチューブに溶着処理や切断・打ち抜き加工を施すことによってキャップを作製できるため、金型による射出成形によって形成されたキャップと比較して生産性が良く、設備費が低コストで済む。又、キャップ内に電線接続部を挿入し、舌片部を複数の電線と一体にテープで拘束すればキャップによる電線接続部の被覆作業が完了する。以上より、部品コストが安く、しかも、電線接続部の被覆作業が簡単である。
【0019】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、長尺状のチューブより複数のキャップを作製する際に材料のロスが少なくて済み、低コスト化に寄与する。
【0020】
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、キャップを電線より引き抜く外力が作用した場合に、舌片部の突起部が電線との間の摩擦力を増大させるため、キャップが容易に外れない。
【0021】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の作用・効果が得られる。
【0022】
請求項5の発明によれば、長尺状のチューブより複数のキャップを連続的に作製できる。そして、キャップの原材は、押出成形によるチューブを使用でき、そのチューブに溶着処理や打ち抜き加工を加えることによってキャップを作製するため、金型による射出成形によるキャップと比較して生産性が良く、設備費が低コストで済む。又、キャップ内に電線接続部を挿入し、舌片部を複数の電線と一体にテープで拘束すればキャップによる電線接続部の被覆作業が完了する。以上より、部品コストが安く、しかも、電線接続部の被覆作業が簡単なキャップを大量生産できる。
【0023】
請求項6の発明によれば、請求項5の発明の効果に加え、一度の溶着工程及び切断・打ち抜き加工工程によって同時に2個のキャップを作製できるため、生産性の更なる向上になる。又、長尺状のチューブより複数のキャップを作製する際に材料のロスが少なくて済み、低コスト化に寄与する。
【0024】
請求項7の発明によれば、請求項5の発明の効果に加え、請求項6と同様の作用効果が得られる。
【0025】
請求項8の発明によれば、請求項5〜請求項7の発明の効果に加え、生産性の更なる向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明の第1実施形態を示し、図1(a)はキャップの正面図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図、図2(a)、(b)はキャップによる電線接続部の各被覆作業を説明する正面図、図3(a)はキャップ製造装置の概略平面図、図3(b)はキャップ製造装置の概略正面図、図4(a)は長尺状のチューブの溶着処理された箇所を示す平面図、図4(b)は図4(a)のB−B線断面図、図6は長尺状のチューブの打ち抜き加工された箇所を示す平面図である。
【0027】
図1(a)、(b)に示すように、キャップ1Aは、一端側が溶着処理によって密封部3とされ、他端側に打ち抜き加工によって舌片部4が形成されたチューブ2より形成されている。チューブ2は、塩化ビニル、ポリプロピレン(PP)、エラストマー等の押出成形可能な材料より押出成形によって円筒形状に形成されたものであり、このようなチューブ2を使用してキャップ1Aが作製されている。キャップ1Aの製造方法については、下記に詳述する。
【0028】
次に、このキャップ1Aを用いた複数の電線Wの電線接続部10の被覆作業を説明する。図2(a)に示すように、複数の電線Wの電線接続部10をチューブ2の他端側より内部に挿入する。そして、図2(b)に示すように、キャップ1Aの舌片部4を複数の電線Wと一体にテープ11で拘束すれば完了する。
【0029】
次に、キャップ製造装置20を説明する。図3(a)、(b)に示すように、キャップ製造装置20は、基台21上の搬送方向Bに間隔を置いて配置された第1〜第3のチューブ送り部22〜24と、基台21上で、且つ、第1のチューブ送り部22の直ぐ下流に配置されたチューブ溶着部25と、基台21上で、且つ、第2及び第3のチューブ送り部23,24の間に配置されたチューブ切断・打ち抜き部26とを備えている。
【0030】
第1〜第3のチューブ送り部22〜24は、上下一対の送りローラ22a,22b,23a,23b,24a,24bをそれぞれ有し、この一対の送りローラ22a,22b,23a,23b,24a,24b間に長尺状のチューブ30が配置されている。これら一対の送りローラ22a,22b,23a,23b,24a,24bを回転することによって長尺状のチューブ30を所定ピッチL間隔で搬送する。
【0031】
ここで、所定ピッチLは、長尺状のチューブ30より複数のキャップ1Aが連続的に作製され、連続して作製される2つのキャップ1Aの舌片部4同士が長尺状のチューブ30の長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定された本実施形態の場合にあっては、2つのキャップ1A,1Aを作製するに要する長さである。
【0032】
チューブ溶着部25は、上下一対の溶着部25a,25bを有し、第1〜第3のチューブ送り部22〜24によって所定ピッチLだけ送られる毎に、一対の溶着部25a,25bによって長尺状のチューブ30に溶着処理を施す。この溶着処理によって、図4(a)、(b)に示すように、長尺状のチューブ30の近接する2箇所に溶着による密封部3,3を形成する。溶着手段としては、超音波、熱風、熱圧着等がある。
【0033】
チューブ切断・打ち抜き部26は、下方の受け台26aと上方の打ち抜き部26b及び切断部26cとを有し、第1〜第3のチューブ送り部22〜24によって所定ピッチLだけ送られる毎に、打ち抜き部26bによって長尺状のチューブ30の打ち抜きを、切断部26cによって長尺状のチューブ30の切断を同時に行う。図6に示すように、打ち抜き部26bは、2つのキャップ1A,1Aの互いに向かい合わせ位置とされた2つの舌片部4,4を形成するべく打ち抜く。切断部26cは、近接する2箇所の密封部3,3の間を切断する。
【0034】
なお、図3(a)、(b)、および図4(a)、(b)に示す本形態では、近接する2箇所を溶着することで2箇所の密封部3,3を形成し、これら密封部3,3の間を切断する構成となっているが、図5(a)、(b)に示すように、1箇所に大きな密封部3を形成し、この密封部3の中心部分Mを切断し、2つの舌片部4,4を形成する構成としても良い。
【0035】
次に、製造装置20の動作を説明する。第1〜第3のチューブ送り部22〜24が長尺状のチューブ30を所定ピッチLだけ搬送すると、長尺状のチューブ30の搬送を停止する。長尺状のチューブ30の搬送が停止されると、チューブ溶着部25の上方の溶着部25aが下方の溶着部25bに圧着するまで降下し、長尺状のチューブ30に溶着処理を施す。溶着処理によって長尺状のチューブ30には、図3(a)、(b)に示すように、近接する2箇所に密封部3,3が形成される。溶着処理が完了すると、上方の溶着部25sが再び上昇して待機位置に戻る。
【0036】
又、チューブ溶着部25による溶着処理と同時に、チューブ切断・打ち抜き部26の上方の打ち抜き部26b及び切断部26cも下方の受け台26aに対して降下し、長尺状のチューブ30に打ち抜き加工と切断加工を施す。打ち抜き加工によって2箇所の舌片部4,4が形成され、又、切断加工によって近接する密封部3,3の間が切断される。切断・打ち抜き加工が完了すると、上方の打ち抜き部26b及び切断部26cが上昇して元の待機位置に戻る。
【0037】
溶着処理及び切断・打ち抜き加工が完了すると、第1〜第3チューブ送り部22〜24が再び長尺状のチューブ30を所定ピッチLだけ搬送して停止する。そして、上記した溶着処理及び切断・打ち抜き加工が再び行われる。つまり、長尺状のチューブ30の搬送と、溶着処理及び切断・打ち抜き加工とが交互に繰り返され、長尺状のチューブ30より、図1(a)、(b)に示すキャップ1Aが順次製造される。
【0038】
以上、本発明では、一端側が溶着処理によって密封部3とされ、他端側に打ち抜き加工によって舌片部4が形成されたチューブ2にてキャップ1Aが形成されている。従って、押出成形によって形成されたチューブ30に溶着処理や切断・打ち抜き加工を施すことによってキャップ1Aを作製できるため、金型による射出成形によって形成されたキャップと比較して生産性が良く、設備費が低コストで済む。又、キャップ1A内に電線接続部10を挿入し、舌片部4を複数の電線Wと一体にテープ11で拘束すればキャップ1Aによる電線接続部10の被覆作業が完了する。以上より、部品コストが安く、しかも、電線接続部10の被覆作業が簡単である。
【0039】
この第1実施形態では、長尺状のチューブ30より複数のキャップ1Aが連続的に作製され、隣り合って作製される2つのキャップ1A,1Aの舌片部4,4同士が長尺状のチューブ30の長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定され、向かい合わせ位置の双方の舌片部4,4が打ち抜き加工によって形成されている。従って、長尺状のチューブ30より複数のキャップ1Aを作製する際に材料のロスが少なくて済み、低コスト化に寄与する。
【0040】
この第1実施形態では、長尺状のチューブ30に、その長手方向の所定ピッチL毎に溶着処理して密封部3を形成する溶着工程と、長尺状のチューブ30に、密封部3を一端とするよう切断すると共に切断したチューブ2の他端側に舌片部4を形成するべく打ち抜き加工を行う切断・打ち抜き加工工程とによってキャップ1Aを製造した。従って、長尺状のチューブ30より複数のキャップ1Aを連続的に作製できる。そして、キャップ1Aの原材は、押出成形によるチューブ30を使用でき、そのチューブ30に溶着処理や打ち抜き加工を加えることによってキャップ1Aを作製するため、金型による射出成形によるキャップと比較して生産性が良く、設備費が低コストで済む。又、キャップ1A内に電線接続部10を挿入し、舌片部4を複数の電線Wと一体にテープ11で拘束すればキャップ1Aによる電線接続部10の被覆作業が完了する。以上より、部品コストが安く、しかも、電線接続部の被覆作業が簡単なキャップ1Aを大量生産できる。
【0041】
この第1実施形態では、長尺状のチューブ30より隣り合って作製される2つのキャップ1A,1Aの舌片部4,4同士が長尺状のチューブ30の長手方向に対して同じ領域で、且つ、互いに向かい合わせ位置に設定されており、溶着工程では、長尺状のチューブ30の近接する2箇所を同時に溶着し、近接する2箇所に密封部3,3を形成し、切断・打ち抜き加工工程では、近接する2箇所の密封部3,3の間を切断し、且つ、互いに向かい合わせ位置とされた2つの舌片部4,4を打ち抜くことによってキャップ1Aを製造した。従って、一度の溶着工程及び切断・打ち抜き加工工程によって2個のキャップ1A,1Aを同時に作製できるため、生産性の更なる向上になる。又、長尺状のチューブ30より複数のキャップ1Aを作製する際に材料のロスが少なくて済み、低コスト化に寄与する。
【0042】
この第1実施形態では、溶着工程と切断・打ち抜き加工工程とを同時に行うので、生産性の更なる向上が図れる。
【0043】
また、キャップ製造装置20は、金型による射出成形装置と較べて、ワイヤーハーネス製造工程のラインサイドに設置可能であり、ワイヤーハーネスのラインサイドに設置すれば、物流費がかからず、しかも、必要な分だけキャップ1Aを製造してワイヤーハーネス製造ラインに供給できるため、在庫管理及び在庫スペースを最小限に抑えることができる。
【0044】
図7は第2実施形態に係るキャップの正面図である。図7において、第2実施形態のキャップ1Bは、前記第1実施形態のキャップ1Aと比較するに、舌片部4の端部に打ち抜き加工による突起部5が付設されている点のみが相違する。つまり、第1実施形態の切断・打ち抜き部の打ち抜き形状を一部変更することによって舌片部4の端部に突起部5を形成している。
【0045】
他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、図面に同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この第2実施形態では、舌片部4の端部には、打ち抜き加工による突起部5が設けられている。従って、キャップ1Bを電線より引き抜く外力が作用した場合に、舌片部4の突起部5が電線との間の摩擦力を増大させるため、キャップ1Bが容易に外れないという利点がある。
【0047】
図8は第3実施形態に係るキャップの正面図である。図8において、第3実施形態のキャップ1Cは、前記第1実施形態のキャップ1Aと比較するに、舌片部4の端部に加熱処理による突起部6が付設されている点のみが相違する。つまり、第1実施形態と同様の製造方法によって作製したキャップに対し、その舌片部4の端部をレーザ照射等によって加熱し、端部を溶融・固化させることによって突起部6を形成している。
【0048】
他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、図面に同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
この第3実施形態では、舌片部4の端部には、加熱処理による突起部6が設けられている。従って、キャップ1Cを電線より引き抜く外力が作用した場合に、舌片部4の突起部6が電線との間の摩擦力を増大させるとともに、巻付けたテープ11が突起部6に引っかかるため、キャップが容易に外れないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、(a)はキャップの正面図、(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、(a)、(b)はキャップによる電線接続部の各被覆作業をそれぞれ説明する正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、(a)はキャップ製造装置の概略平面図、(b)はキャップ製造装置の概略正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、(a)は長尺状のチューブの溶着処理された箇所を示す平面図、(b)は図4(a)のB−B線断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の別態様を示し、(a)は長尺状のチューブの溶着処理された箇所を示す平面図、(b)は図5(a)のB−B線断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、長尺状のチューブの打ち抜き加工された箇所を示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るキャップの正面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るキャップの正面図である。
【図9】従来例を示し、(a)、(b)はキャップによる電線接続部の各被覆作業をそれぞれ説明する正面図である。
【図10】他の従来例を示し、(a)、(b)はキャップによる電線接続部の各被覆作業をそれぞれ説明する正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1A,1B,1C キャップ
2 チューブ
3 密封部
4 舌片部
5,6 突起部
10 電線接続部
20 キャップ製造装置
25 チューブ溶着部
26 チューブ切断・打ち抜き部
30 長尺状のチューブ
W 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線の各導体部を互いに接続した電線接続部を被覆するキャップであって、
管形状を有するチューブからなり、一端側が溶着処理によって密封され、他端側に打ち抜き加工によって舌片部が形成されたことを特徴とするキャップ。
【請求項2】
請求項1記載のキャップであって、
長尺状のチューブより複数のキャップが作製され、隣り合って作製される2つのキャップの舌片部同士が長尺状のチューブの長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定され、向かい合わせ位置の双方の舌片部が打ち抜き加工によって形成されたことを特徴とするキャップ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のキャップであって、
前記舌片部の端部には、打ち抜き加工による突起部が設けられていることを特徴とするキャップ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載のキャップであって、
前記舌片部の端部には、加熱処理による突起部が設けられていることを特徴とするキャップ。
【請求項5】
長尺状のチューブに、その長手方向の所定ピッチ毎に溶着処理して密封部を形成する溶着工程と、
長尺状のチューブに、前記密封部を一端とするよう切断すると共に切断したチューブの他端側に舌片部を形成するべく打ち抜き加工を行う切断・打ち抜き加工工程とを備えたことを特徴とするキャップの製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のキャップの製造方法であって、
長尺状のチューブより隣り合って作製される2つのキャップの舌片部同士が長尺状のチューブの長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定され、
前記溶着工程では、長尺状のチューブの近接する2箇所を同時に溶着し、近接する2箇所に密封部を形成し、
前記切断・打ち抜き加工工程では、近接する2箇所の密封部の間を切断し、且つ、互いに向かい合わせ位置とされた2つの舌片部を打ち抜くことを特徴とするキャップの製造方法。
【請求項7】
請求項5記載のキャップの製造方法であって、
長尺状のチューブより隣り合って作製される2つのキャップの舌片部同士が長尺状のチューブの長手方向に沿って互いに向かい合わせ位置に設定され、
前記溶着工程では、長尺状のチューブの所定箇所を溶着して密封部を形成し、
前記切断・打ち抜き加工工程では、前記密封部の中心部分を切断し、且つ、互いに向かい合わせ位置とされた2つの舌片部を打ち抜くことを特徴とするキャップの製造方法。
【請求項8】
請求項5〜請求項7のいずれか1項記載のキャップの製造方法であって、
前記溶着工程と前記切断・打ち抜き加工工程とを同時に行うことを特徴とするキャップの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−86169(P2008−86169A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265875(P2006−265875)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】