説明

キラルイミンのジアステレオ選択的転化方法

式(I)のキラルイミンの、式(I)、(II)のアミン[式中、残基R1〜R4は、明細書に定める意味を有し、R1およびR2は、水素および不均一銅含有触媒の存在下で転化される式(I)のイミンにより互いに異なる]へのジアステレオ選択的転化。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iのキラルイミンを式IIのアミンに
【化1】

[式中、
1およびR2はそれぞれ、C1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C2−C6−ハロアルケニル、C2−C6−ハロアルキニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、C3−C6−アルケニルオキシカルボニル、C3−C6−アルキニルオキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−C6−アルキルアミノカルボニル、C3−C6−アルケニルアミノカルボニル、C3−C6−アルキニルアミノカルボニル、C1−C6−アルキルスルホニルアミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルケニル)−N−(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルキニル)−N−(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C1−C6−アルコキシ)−N−(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルケニル)−N−(C1−C6−アルコキシ)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルキニル)−N−(C1−C6−アルコキシ)アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノチオカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノチオカルボニル、またはC1−C6−アルキルカルボニル−C1−C6−アルキル
(ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基およびアルコキシ基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ヒドロキシル、C1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C1−C6−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、アミノ、C1−C4−アルキルアミノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C4−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−C4−アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
アリール、アリール−C1−C4−アルキル、アリール−C2−C4−アルケニル、アリール−C2−C4−アルキニル、アリール−C1−C4−ハロアルキル、アリール−C2−C4−ハロアルケニル、アリール−C3−C4−ハロアルキニル、アリール−C1−C4−ヒドロキシアルキル、アリールカルボニル−C1−C4−アルキル、アリール−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、アリールカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、アリールオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、アリールオキシ−C1−C4−アルキル、アリールアミノ−C1−C4−アルキル、アリールチオ−C1−C4−アルキル、アリールスルフィニル−C1−C4−アルキル、アリールスルホニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−ハロアルケニル、ヘテロシクリル−C3−C4−ハロアルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル−カルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルフィニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、アミノ、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、C1−C6−アルキルスルホニルアミノ、C1−C6−ハロアルキルスルホニルアミノ、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい)
であり
(但し、R1基およびR2基は互いに異なる);
3はC1−C6−アルキルであり;
4は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいアリールであり;
ならびに
*はSまたはR立体配置を表し、および
**はSおよび/またはR立体配置を表す]、
式Iのイミンを水素および不均一銅含有触媒の存在下で転化することにより、ジアステレオ選択的に転化する方法に関する。
【0002】
水素の存在下で、キラリティを有するイミノ窒素上の置換基であるキラルイミンをジアステレオ選択的に転化して、酸化白金、パラジウム担持炭素などの存在下で対応するアミンを得る方法については、文献でしばしば説明されている。EP443606では、光学活性を有する1−フェニルエチルアミンを4−(4−メトキシフェニル)−2−ブタノンと反応させた後、パラジウム担持炭素の存在下で水素により水素化する方法について記載されている(実施例4)。
【0003】
また、キラリティを有するイミノ窒素上の置換基であるイミンを対応するアミンにジアステレオ選択的に水素化する方法は、ニッケル骨格触媒(Raney(登録商標)型)の存在下で行うことができることも知られている。同様に、EP443606では、光学活性を有する1−フェニルエチルアミンを4−(4−メトキシフェニル)−2−ブタノンと反応させた後、Raneyニッケルの存在下で水素により水素化する方法について記載されている(実施例1B)。
【0004】
これらの方法における短所は、水素化のジアステレオ選択性が低いことがある点、および/またはニッケル骨格触媒(Raney(登録商標)型)を除去することが困難である点である。
【0005】
さらに、WO01/09080では、環状ケトンを対応するイミンとアキラルなアミンと反応させた後、後者を銅含有触媒、とりわけ銅クロマイトの存在下で触媒水素化に供することにより、セルトラリン型の環状アミンをシス選択的に製造する方法について記載されている。
【0006】
本発明の目的は、上述の短所を持たない一般的に適用可能な方法であって、このようにキラリティを有するイミノ窒素上の置換基であるキラルイミンを対応するアミンにジアステレオ選択的に転化する方法を提供することであった。
【0007】
上記の目的に従い、式Iのキラルイミンを式IIのアミンと反応させるに当たってのジアステレオ選択性および/または転化率は、ニッケル、コバルトおよび/または亜鉛を含みかつさらに銅も含む不均一触媒を使用する場合に向上させることができることが明らかにされている。
【0008】
本発明の方法は、式I[式中、イミノ窒素上の置換基(−C*HR34)は、RまたはS立体配置のいずれかである]のキラルイミンから始める。
【0009】
一般的に、反応は溶媒内で行われるが、とりわけ式Iのイミンが反応温度で液体である場合は、反応を物質内で行うことも可能である。使用する溶媒は、反応条件下で不活性の溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなど)、塩素化炭化水素類(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロメタン、クロロベンゼンなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、双極性非プロトン性溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、またはこれらの混合物である。アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなど、好ましくはメタノール、エタノールまたはイソプロパノール)、または芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなど、好ましくはトルエンまたはエチルベンゼン)、またはこれらの混合物内で反応を行うのが好ましい。
【0010】
溶媒に対するイミンの質量比は、広い範囲内で変化する場合がある。この比率は、典型的には0.01%〜99%、好ましくは0.1%〜95%、とりわけ1%〜90%、より好ましくは10%〜70%、ひときわ好ましくは15〜60%の範囲内にある。
【0011】
反応は、典型的には室温から反応混合物の還流温度まで、一般的には室温から200℃までの温度で行われる。
【0012】
反応は、一般的には標準圧力から200バール、好ましくは40〜150バール、とりわけ50〜100バールの圧力で行われる。圧力は所望の圧力まで段階的にまたは連続的に増加させることが可能である。
【0013】
水素、または水素を含むガス流の水素は、完全または部分的に反応させることができる。後者の場合は、場合によりこのガス流を部分的または完全に再利用するか、あるいはこのガス流を再循環させるのが有利な場合もある。使用する銅含有触媒を反応前に活性化させる場合は、このガス流をこの目的に使用することもできる。
【0014】
典型的には、工業銘柄品質の水素が使用される。しかし、水素を含む気体の形態として、すなわち、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素(好ましくは、窒素またはアルゴン)などの不活性気体の混合物として、水素を使用することも可能である。
【0015】
本発明の反応は、不均一銅含有触媒の存在下で行われる。
【0016】
好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を0.1〜95質量%;
ニッケル、コバルトおよび亜鉛の群から選択される少なくとも1種の金属を0.1〜85質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜15質量%
(但し、質量%の合計は100%を超えない)
含む。
【0017】
一般的に、不均一銅含有触媒は担体物質を含む。有用な担体物質としては、例えば活性炭素、黒鉛もしくはカーボンブラックなどの炭素、または多孔質金属酸化物が挙げられる。適切な多孔質金属酸化物の例は、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミノ珪酸塩、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、またはこれらの混合物であり、好ましくは酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムである。しかし、担体物質として、リン酸アルミニウム、ムライト、珪藻土、ボーキサイトおよびアルミン酸カリウムを使用することも可能である。
【0018】
具体的には、不均一銅含有触媒の上述の触媒活性金属および助触媒(該当する場合)の全質量は、その全質量に対して、多くても95質量%、好ましくは多くても90質量%である。
【0019】
さらなる一実施形態において、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を1〜90質量%;
ニッケル、コバルトおよび亜鉛の群から選択される少なくとも1種の金属を0.1〜80質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜15質量%
含む。
【0020】
具体的には、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜85質量%;
ニッケル、コバルトおよび亜鉛の群から選択される少なくとも1種の金属を0.1〜80質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜15質量%
含む。
【0021】
さらなる一実施形態において、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜50質量%;
ニッケルおよびコバルトの群から選択される少なくとも1種の金属を0〜30質量%;
亜鉛を0.5〜50質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0022】
好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を5〜40質量%;
ニッケルおよびコバルトの群から選択される少なくとも1種の金属を0〜30質量%;
亜鉛を5〜50質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0023】
具体的には、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を10〜35質量%;
ニッケルおよびコバルトの群から選択される少なくとも1種の金属を0〜30質量%;
亜鉛を10〜45質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0024】
より好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を10〜35質量%;
亜鉛を10〜40質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0025】
この銅含有触媒は、とりわけ好ましくは、触媒活性金属として銅およびニッケルのみを、触媒の全質量に対して、とりわけいずれの場合も(但しそれぞれ別々に)5〜50質量%、より好ましくは10〜45質量%、とりわけ好ましくは20〜40質量%含む。担体物質は、好ましくは多孔質金属酸化物、とりわけ酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムである。
【0026】
さらなる一実施形態において、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜50質量%;
ニッケルを0.1〜70質量%;
コバルトおよび亜鉛の群から選択される少なくとも1種の金属を0〜30質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0027】
好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜40質量%;
ニッケルを1〜65質量%;
コバルトおよび亜鉛の群から選択される少なくとも1種の金属を0〜10質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0028】
具体的には、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜25質量%;
ニッケルを3〜60質量%;
コバルトおよび亜鉛の群から選択される少なくとも1種の金属を0〜10質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0029】
より好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜25質量%;
ニッケルを3〜50質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒、好ましくはモリブデンを0〜5質量%
含む。
【0030】
この銅触媒は、好ましくは、触媒活性金属として銅およびニッケルのみを、触媒の全質量に対して、とりわけいずれの場合も(但しそれぞれ別々に)2〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%、とりわけ好ましくは3〜8質量%含む。担体物質は、好ましくは多孔質金属酸化物、とりわけ酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムである。
【0031】
同様に好ましくは、この銅触媒は、触媒活性金属または助触媒として銅、ニッケルおよびモリブデンのみを、触媒の全質量に対して、とりわけ2〜25質量%(銅)、20〜60質量%(ニッケル)、0.01〜5質量%(モリブデン)、より好ましくは5〜20質量%(銅)、30〜50質量%(ニッケル)、0.1〜2質量%(モリブデン)、とりわけ好ましくは10〜15質量%(銅)、35〜45質量%(ニッケル)、0.5〜1.5質量%(モリブデン)含む。担体物質は、好ましくは多孔質金属酸化物、とりわけ酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムである。
【0032】
さらなる一実施形態において、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜40質量%;
ニッケルおよびコバルトの群から選択される少なくとも1種の金属を0.1〜80質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0033】
好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜40質量%;
ニッケルを0.1〜40質量%;
コバルトを0.1〜40質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0034】
とりわけ、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜30質量%;
ニッケルを0.5〜35質量%;
コバルトを0.5〜35質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0035】
より好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜20質量%;
ニッケルを1〜30質量%;
コバルトを1〜30質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0036】
好ましくは、この銅触媒は、触媒活性金属として銅、ニッケルおよびコバルトのみを、触媒の全質量に対して、とりわけ2〜25質量%(銅)および1〜35質量%(いずれの場合もニッケルおよび/またはコバルトをそれぞれ別個に)、より好ましくは2〜20質量%(銅)および10〜30質量%(いずれの場合もニッケルおよび/またはコバルトをそれぞれ別個に)、とりわけ好ましくは5〜15質量%(銅)および15〜25質量%(いずれの場合もニッケルおよび/またはコバルトをそれぞれ別個に)含む。担体物質は、好ましくは多孔質金属酸化物、とりわけ酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムである。
【0037】
同様にとりわけ、この銅含有触媒は、触媒活性金属として銅、ニッケルおよびコバルトのみを、触媒の全質量に対して、より好ましくは2〜10質量%(銅)および2〜5質量%(いずれの場合もニッケルおよび/またはコバルトをそれぞれ別個に)、とりわけ好ましくは2〜5質量%(銅)および2〜5質量%(いずれの場合もニッケルおよび/またはコバルトをそれぞれ別個に)含む。担体物質は、好ましくは多孔質金属酸化物、とりわけ酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムである。
【0038】
さらなる一実施形態において、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜40質量%;
コバルトを0.1〜80質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜15質量%
含む。
【0039】
具体的には、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜20質量%;
コバルトを2〜20質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0040】
より好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を2〜15質量%;
コバルトを2〜15質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜5質量%
含む。
【0041】
この銅含有触媒は、好ましくは、触媒活性金属として銅およびコバルトのみを、触媒の全質量に対して、とりわけいずれの場合も(但しそれぞれ別々に)2〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%、とりわけ好ましくは3〜8質量%含む。担体物質は、好ましくは多孔質金属酸化物、とりわけ酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウムである。
【0042】
さらなる一実施形態において、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を5〜40質量%;
コバルトを20〜80質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜15質量%
含む。
【0043】
より好ましくは、この不均一銅含有触媒は、触媒の全質量に対して、
銅を10〜25質量%;
コバルトを40〜70質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒、好ましくはモリブデン、マンガンおよびリンを0.1〜15質量%
含む。
【0044】
この銅含有触媒は、好ましくは、触媒活性金属または助触媒として銅、コバルト、モリブデンおよびマンガンのみを、触媒の全質量に対して、とりわけ5〜40質量%(銅)、30〜80質量%(コバルト)および0.1〜15質量%(いずれの場合もモリブデン、マンガンおよびリンをそれぞれ別個に)、より好ましくは10〜35質量%(銅)、40〜75質量%(コバルト)および0.5〜15質量%(いずれの場合もモリブデン、マンガンおよびリンをそれぞれ別個に)、とりわけ好ましくは12〜25質量%(銅)、45〜60質量%(コバルト)および0.5〜15質量%(いずれの場合もモリブデン、マンガンおよびリンをそれぞれ別個に)を含む。具体的な実施形態において、この触媒は非担持触媒である。
【0045】
触媒は、典型的には50〜150m2/g、好ましくは70〜130m2/g、とりわけ75〜120m2/gのBET表面積(DIN66131により決定)を有する。触媒の細孔容積(DIN66133によるHgポロシメトリーにより決定)は、一般的には0.1〜0.4mL/g、好ましくは0.15〜0.35mL/g、とりわけ0.15〜0.3mL/gである。
【0046】
しかし、触媒は、通例の方法でも製造することができる(A.Farkas,in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Electronic Release 2000,chapters 5.3,5.4,5.6 to 5.10)。
【0047】
例えば、仮焼時に特定の担体の酸化物に転化される対応する化合物から、担体を製造することが可能である。この目的には、とりわけ水酸化物、炭酸塩およびカルボン酸塩が適切である。酸化物、あるいは仮焼時に特定の担体の酸化物に転化される対応する前駆体は、それ自体が既知の方法、例えばゾル−ゲル法、沈殿、対応するカルボン酸塩の脱水、乾燥混合、スラリー化または噴霧乾燥により製造することができる。沈殿の場合、典型的には、アルミニウム、チタン、ジルコニウムなどの可溶性塩、例えば対応するハロゲン化物、好ましくは塩化物、アルコキシド、硝酸塩など、好ましくはアルミニウム、チタン、ジルコニウムなどの硝酸塩が使用される。さらには、通例の方法により安定剤を担体に組み込むことも可能である。同様に、担体の成形を容易にする助剤、例えば黒鉛またはステアリン酸を担体に組み込むことも可能であり、この後に成形が行われる。一般的に、押出物、錠剤、球体、破砕片、モノリスなどは、通例の方法により製造される。
【0048】
仮焼は、典型的には300〜800℃、好ましくは500〜600℃の温度で、空気または空気と窒素の混合気を用いて行われる。空気または空気/窒素混合気に水蒸気を加えるのが有利な場合がある。
【0049】
次いで、本発明の触媒活性金属および/または助触媒を担体に塗布することができる。典型的には、担体を、対応する金属前駆体もしくは助触媒前駆体の溶液に含浸させるか、または前記溶液で飽和させる。含浸は初期湿潤法により行うことができるが、その場合は、担体の多孔質容積をほとんど同じ容積の含浸溶液で満たし―該当する場合は熟成後に―担体を乾燥させるか;あるいは過剰の溶液が使用されるが、この場合、この溶液の体積は、担体の多孔質容積よりも多くなる。この場合は、担体を含浸溶液と混合し、十分な期間撹拌する。過剰な含浸溶液は振盪、遠心分離または濾過により除去する。場合により、酸、内性塩または塩基を添加することが、含浸/飽和を容易にする場合もある。場合により、担体の十分な含浸は、例えば、含浸/飽和内に溶液を加熱するか、表面活性物質を添加するか、または担体を排気することにより達成することができる。さらに、適切な前駆体の溶液を担体に噴霧することも可能である。この場合は、適切な担体を適切な金属前駆体および/または助触媒前駆体の溶液で処理するが、これは、担体が前記溶液を吸収するように行う。
【0050】
しかし、当業者に既知のその他の製造方法、例えば化学蒸着、ゾル含浸なども可能である。
【0051】
適切な金属前駆体は、ハロゲン化物、とりわけ塩化物、硝酸塩、酢酸塩、アルカリ性炭酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩を含めた、対応する可溶性金属塩である。
【0052】
金属前駆体および/または助触媒前駆体は、上述の方法で一緒にまたは連続して塗布することができる。また、ここでは特定の手順を順守するのが有利な場合もある。
【0053】
しかし、当業者に既知のその他の製造方法、例えば化学蒸着、ゾル含浸なども可能である。
【0054】
次いで、本発明の触媒活性金属前駆体を塗布した担体を仮焼する。仮焼は、典型的には300〜800℃、好ましくは400〜600℃の温度で、空気または空気と窒素の混合気を用いて行われる。空気または空気/窒素混合気に水蒸気を加えるのが有利な場合がある。
【0055】
仮焼後、不均一銅含有触媒は、粉砕により特定の粒径に調整するか、または粉砕した後、黒鉛またはステアリン酸などの成形助剤と混合して、タブレット圧縮機により圧縮物に圧縮し、熱処理することにより適切に調整される。熱処理温度は、一般的に仮焼における温度に対応する。
【0056】
しかし、沈澱法を用いることにより不均一銅含有触媒を製造することも可能であり、例えば、難溶性の酸素含有担体前駆体化合物または担体自体のスラリーの存在下で、金属および/または助触媒前駆体を、これらの金属/助触媒を含む塩水溶液から鉱物塩基により共沈させた後、得られた沈殿物を洗浄、乾燥および仮焼することにより得ることも可能である。
【0057】
使用する難溶性の酸素含有担体前駆体化合物または担体自体は、例えば酸化物、オキシ水和物、リン酸塩、ホウ酸塩およびケイ酸塩であってもよく、例えば酸化物、オキシ水和物、リン酸塩、ホウ酸塩およびケイ酸塩であってもよく、例えば二酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水和物、リン酸ジルコニウム、ホウ酸ジルコニウムおよびケイ酸ジルコニウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミニウムオキシ水和物、二酸化チタン、ならびにこの目的に適切でかつ当業者に既知のさらなる化合物であってもよい。
【0058】
難溶性の担体前駆体化合物または担体自体のスラリーは、激しく撹拌しながらこれらの担体前駆体化合物または担体自体の微粉を水に懸濁させることにより製造することができる。これらのスラリーは、難溶性の担体前駆体化合物を塩水溶液から鉱物塩基により沈殿させることによって製造するのが有利である。
【0059】
具体的に、本発明の不均一銅含有触媒は、当該触媒の成分すべてを共沈させることによって製造される。これを行うためには、触媒成分を含む塩水溶液を、高温条件下で、水性の鉱物塩基、とりわけアルカリ金属塩基(例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムまたは水酸化カリウム)とともに、沈殿が完了するまで撹拌しながら適切に混合する。使用する塩の種類は通常重要ではなく、というのも、この手順において重要な要素は主に塩の水溶性であるため、これらの比較的高濃度の塩溶液を製造するのに必要となる優れた水溶性が基準となっている。個々の成分の塩を選択するに当たっては、当然ながら、望ましくない沈殿を生じることによってか、または錯体形成により沈殿を複雑化または阻害することによって分解を生じないアニオンを有する塩のみが選択されることが明らかであると考えられる。
【0060】
これらの沈殿反応において得られた沈殿物は、一般的には、化学的に不均一であり、とりわけ使用する金属/助触媒の酸化物、酸化物水和物、水酸化物、炭酸塩ならびに不溶性および塩基性塩の混合物から構成される。このことは、沈殿物が熟成される場合、すなわち、該当する場合は高温条件下か空気を流しながら、沈殿後に一定期間沈殿物が静置される場合に、沈殿物の濾過性に好ましいことが明らかになる場合がある。
【0061】
これらの沈殿方法により得られた沈殿物を通常通りさらに処理して、本発明の不均一銅含有触媒を得る。洗浄後、当該触媒を、一般的には80〜200℃、好ましくは100〜150℃で乾燥させた後、仮焼する。仮焼(熱処理)は、一般的には300〜800℃、好ましくは400〜600℃、とりわけ450〜550℃の温度で行われる。
【0062】
仮焼後、不均一銅含有触媒は、粉砕により特定の粒径に調整するか、または粉砕した後、黒鉛またはステアリン酸などの成形助剤と混合して、タブレット圧縮機により圧縮物に圧縮し、熱処理することにより適切に調整される。熱処理温度は、一般的に仮焼における温度に対応する。
【0063】
このように得られた不均一銅含有触媒は、これらの酸素化合物の混合物の形態で、すなわち、より具体的には酸化物および混合酸化物の形態で、触媒活性金属/助触媒を含む。
【0064】
このように得られた不均一銅含有触媒は、このように保存することができる。
【0065】
このようにして得られた触媒は、式Iの化合物のジアステレオ選択的水素化で使用する前に活性化することができる。これを行うためには、100〜300℃の温度で水素または水素と窒素の混合気で当該触媒を処理する。この場合は、水素/窒素混合気内の水素含有量が少ない状態から始め、活性化方法の過程で連続してまたは段階的に水素含有量を増加させるのが有利な場合がある。前還元は、例えば、最初に窒素/水素雰囲気内で12〜20時間にわたり150〜200℃で行った後、水素雰囲気内でさらに最長約24時間にわたり200〜300℃で継続することができる。
【0066】
触媒の活性化は、一般的には、本発明の水素化を行う反応器で行われるが、当該反応器に設置する前に触媒の活性化を行うことも可能である。
【0067】
触媒は、典型的には、本発明の水素化において還元型で使用される。この状況では、還元型で存在する触媒をもう一度活性化するのが有利な場合もある。これを行うためには、水素または水素と不活性気体(例えば、窒素)との混合気を用いて、室温から300℃、好ましくは150〜300℃の温度で、ならびに10〜60バール、好ましくは最高50バールの水素圧で、当該触媒を処理する。この状況では、不活性気体を含まない水素を用いて活性化するのが有利な場合もあるが、水素と不活性気体の混合気を用いて活性化する(その場合、最初に水素/不活性気体混合気を用いて始め、活性化方法の過程で連続して水素含有量を増加させる)のが有利な場合もある。
【0068】
しかし、さらなる事前の活性化を行うことなく式Iのイミンのdiaselective水素化を行うに当たって、触媒を酸化物型または還元型で使用することも可能である。
【0069】
本発明の方法は、一括して行うこともできれば、半連続的に行うことも、または連続して行うことも可能である。
【0070】
一括した方法では、例えば、濾過などを行い、沈殿させて液相を除去することによるか、または遠心分離により、触媒を除去することによって、通例の方法で反応混合物を生成し、こうして得られた濾液、上清または遠心分離物から、例えば蒸留することにより溶媒を除去する。本発明の水素化は、当業者に既知の水素化反応器で行われる。反応器の例としては、いわゆるスラリー反応器、トリクルベッド反応器、および気泡塔が挙げられる(P.N.Rylander,Ullmann’s Encyclopedia,Electronic Release 2007,chapter:Hydrogenation and Dehydrogenation,p.2−3)。
【0071】
一般的に、式Iのイミンの水素化は、例えば、撹拌オートクレーブ、気泡塔、循環反応器、例えばループ反応器または固定床反応器にて液相内で行われる。固定床反応器は、液相モードまたはトリクルモードのいずれかで操作することが可能である。
【0072】
しかし、とりわけ式Iのイミンが特定の揮発度を示す場合は、気相内で溶媒を用いずに水素化を行うことも可能である。この目的に適切な反応器の例としては、固定床反応器または流動床反応器である。
【0073】
反応生成物は通例の方法で生成し、精製することが可能である。この目的に有用な方法の例としては、蒸留、液体抽出および/または結晶化がある。
【0074】
本発明の方法で得られた式IIの化合物は、0.70を超える、好ましくは0.9を超える、とりわけ0.95を超える、ひときわ好ましくは0.98を超えるジアステレオマー比を有する(ジアステレオマー比が、所望のジアステレオマーと所望でないジアステレオマーのモル比である場合)。さらに高いジアステレオマー比を達成するのが望ましい場合は、本発明の方法で得られた式IIの化合物のジアステレオマー比を、既知の方法、例えば再結晶により増加させることができる。
【0075】
ジアステレオマー比は、当業者に既知の通例の方法で決定することが可能であり、典型的には、回転を介して間接的に決定されるか、あるいはガスクロマトグラフィまたは液体クロマトグラフィにより直接決定される。決定は直接行うこともできれば、標的化合物の適切な誘導体を介して行うこともできる。
【0076】
触媒は、本発明の方法で再利用することが可能である。
【0077】
式Iの化合物は既知のものであるか、あるいは文献の方法で製造することができる。
【0078】
例えば、式IIIのケトンを式IVのアミンと反応させることによって式Iの化合物を得ることが可能である
【化2】

[式中、R1基〜R4基はそれぞれ、式Iの化合物について定義した通りである]。
【0079】
典型的には、式IIIのケトンおよび式IVのアミンは、化学量論量で使用される。場合により、いずれか一方の反応物を過剰に使用するのが有利な場合もある。一般的に、反応は溶媒内で行われる。適切な溶媒としては、不活性溶媒、例えば、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類等であり、とりわけ水を含む共沸混合物(例えばトルエンまたはエチルベンゼン)を形成し、それによって反応で形成した水を除去することができるものがある。使用する反応物の内の1種が水との共沸混合物を形成する場合は、この反応物を過剰に使用することが可能であり、また形成した水を共沸により除去することができる。これは、さらなる溶媒の存在下または非存在下で行うことができる。さらに、場合により、触媒量の酸、例えばp−トルエンスルホン酸を添加するのが有利な場合もある。反応は、不均一触媒、例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化ケイ素または粘土鉱物(例えばモンモリロナイト)の存在下で行うこともできる。
【0080】
場合によっては、反応で放出された水をモレキュラーシーブで除去するのが有利な場合もあれば、あるいは、反応で形成した水を蒸留により除去するのが有利な場合もある。反応は、典型的には室温から反応混合物の還流温度までの温度で行われる。反応混合物は、当業者に既知の方法で生成される。
【0081】
上述の反応では、式IVのキラルアミンの代わりに、対応するラセミ体を使用することも可能である。反応および(該当する場合は)生成が完了したら、当業者に既知の方法でラセミ体の分離を行うことができる。
【0082】
式Iの化合物は、式Vのアルキンを式IVのアミンと反応させることによって得ることもできる。
【0083】
【化3】

【0084】
2基〜R4基の定義は、式Iの化合物について定めたものに対応する。また、R1'−CH2は、それと適合するR1の定義を表す。同じことはR1'にも当てはまる。
【0085】
典型的には、式Vのアルキンおよび式IVのアミンは、化学量論比で使用されるが、式Vのアルキンを過剰に使用するのが有利な場合がある。反応は、一般的には室温から反応混合物の還流温度までで、不活性溶媒(例えば、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素類など、またはこれらの混合物)内で行われる。反応は、一般的には標準圧力で行われるが、場合により、高圧、好ましくは10〜200バールの範囲で反応を行うのが有利な場合もある。反応の完了後、当業者に既知の方法で生成が行われる。
【0086】
上述の反応では、式IVのキラルアミンの代わりに、対応するラセミ体を使用することも可能である。反応および(該当する場合は)生成が完了したら、当業者に既知の方法でラセミ体の分離を行うことができる。
【0087】
同様に、式VIIのニトロソ化合物を式VIのリンイリドと反応させることによって式Iのイミンを製造することも可能である。
【0088】
【化4】

【0089】
1基〜R4基はそれぞれ、式Iの化合物で定義した通りである。
【0090】
典型的には、式VIのリンイリドおよび式VIIのニトロソ化合物は、化学量論比で使用されるが、場合により、いずれか一方の反応成分を過剰にまたは不足して使用するのが有利な場合もある。反応は、一般的には室温から反応混合物の還流温度までで、不活性溶媒(例えば、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素など、またはこれらの混合物)内で行われる。反応は、一般的には標準圧力で行われる。反応の完了後、当業者に既知の方法で生成が行われる。
【0091】
上述の反応では、式VIIのキラルニトロソ化合物の代わりに、対応するラセミ体を使用することも可能である。反応および(該当する場合は)生成が完了したら、当業者に既知の方法でラセミ体の分離を行うことができる。
【0092】
式Iのイミンの製造は、連続して行うこともできれば、半連続的に行うことも、一括して行うことも可能である。
【0093】
本発明の方法では、式Iのイミンまたは式IIのアミンを使用することが好ましく、ここで基はそれぞれ別個に以下の通りに定義される:
1、R2はそれぞれ、C1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C2−C6−ハロアルケニル、C2−C6−ハロアルキニル、またはC1−C6−アルキルカルボニル−C1−C6−アルキル
(ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基およびアルコキシ基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ヒドロキシル、C1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C1−C6−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、アミノ、C1−C4−アルキルアミノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
アリール、アリール−C1−C4−アルキル、アリール−C2−C4−アルケニル、アリール−C2−C4−アルキニル、アリール−C1−C4−ハロアルキル、アリール−C2−C4−ハロアルケニル、アリール−C3−C4−ハロアルキニル、アリール−C1−C4−ヒドロキシアルキル、アリールカルボニル−C1−C4−アルキル、アリール−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、アリールオキシ−C1−C4−アルキル、アリールアミノ−C1−C4−アルキル、アリールチオ−C1−C4−アルキル、アリールスルフィニル−C1−C4−アルキル、アリールスルホニル−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−ハロアルケニル、ヘテロシクリル−C3−C4−ハロアルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルフィニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、C1−C6−アルキルスルホニルアミノ、C1−C6−ハロアルキルスルホニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい)
であり;
3はC1−C4−アルキル、好ましくはメチルであり;
4は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいアリールである;
具体的に、本発明の方法では、式Iのイミンが使用されるか、または式IIのアミンが製造され、ここで基はそれぞれ別個に以下の通りに定義される:
1、R2はそれぞれ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ヒドロキシル、C3−C6−シクロアルキル、C1−C6−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、アミノ、C1−C4−アルキルアミノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C4−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−C4−アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)であり、
とりわけ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
同様にとりわけ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
より好ましくは、C1−C6−アルキル(ここで、前記アルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
ひときわ好ましくは、C1−C6−アルキル;
フェニル、フェニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C2−C4−アルケニル、フェニル−C2−C4−アルキニル、フェニル−C1−C4−ハロアルキル、フェニル−C2−C4−ハロアルケニル、フェニル−C3−C4−ハロアルキニル、フェニル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、フェニルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルアミノ−C1−C4−アルキル、フェニルチオ−C1−C4−アルキル、フェニルスルフィニル−C1−C4−アルキル、フェニルスルホニル−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−ハロアルケニル、ヘテロシクリル−C3−C4−ハロアルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルフィニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、アミノ、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、C1−C6−アルキルスルホニルアミノ、C1−C6−ハロアルキルスルホニルアミノ、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい);
とりわけ、フェニル、フェニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C2−C4−アルケニル、フェニル−C1−C4−ハロアルキル、フェニル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、フェニルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルアミノ−C1−C4−アルキル、フェニルチオ−C1−C4−アルキル、フェニルスルホニル−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい);
より好ましくは、フェニル、フェニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C1−C4−ハロアルキル、フェニルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルオキシ−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい)
であり;
3はC1−C4−アルキル、好ましくはメチルであり;
4は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいアリール、
好ましくは、フェニルまたは1−ナフチルである。
【0094】
本発明の方法では、式Iのイミンを使用するか、または式IIのアミンを製造するのが特に好ましく、ここで基はそれぞれ別個に以下の通りに定義される:
1、R2はそれぞれ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ヒドロキシル、C3−C6−シクロアルキル、C1−C6−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、アミノ、C1−C4−アルキルアミノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C4−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−C4−アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
とりわけ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1つを担持してもよい)、
同様にとりわけ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
より好ましくは、C1−C6−アルキル(ここで、前記アルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
ひときわ好ましくは、C1−C6−アルキルであり;
3はC1−C4−アルキル、好ましくはメチルであり;
4は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいアリール、
好ましくは、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいフェニルまたは1−ナフチル、
とりわけフェニルまたは1−ナフチルである。
【0095】
同様に、本発明の方法では、式Iのイミンを使用するか、または式IIのアミンを製造するのが特に好ましく、ここで基はそれぞれ別個に以下の通りに定義される:
1は、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ヒドロキシル、C3−C6−シクロアルキル、C1−C6−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、アミノ、C1−C4−アルキルアミノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C4−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−C4−アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
とりわけ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1つを担持してもよい)、
同様にとりわけ、C1−C6−アルキルまたはC3−C6−シクロアルキル(ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
より好ましくは、C1−C6−アルキル(ここで、前記アルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
ひときわ好ましくは、C1−C6−アルキルであり;
2は、アリール、アリール−C1−C4−アルキル、アリール−C2−C4−アルケニル、アリール−C2−C4−アルキニル、アリール−C1−C4−ハロアルキル、アリール−C2−C4−ハロアルケニル、アリール−C3−C4−ハロアルキニル、アリール−C1−C4−ヒドロキシアルキル、アリールカルボニル−C1−C4−アルキル、アリール−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、アリールカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、アリールオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、アリールオキシ−C1−C4−アルキル、アリールアミノ−C1−C4−アルキル、アリールチオ−C1−C4−アルキル、アリールスルフィニル−C1−C4−アルキル、アリールスルホニル−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−ハロアルケニル、ヘテロシクリル−C3−C4−ハロアルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルフィニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、アミノ、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、C1−C6−アルキルスルホニルアミノ、C1−C6−ハロアルキルスルホニルアミノ、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい);
好ましくは、フェニル、フェニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C2−C4−アルケニル、フェニル−C2−C4−アルキニル、フェニル−C1−C4−ハロアルキル、フェニル−C2−C4−ハロアルケニル、フェニル−C3−C4−ハロアルキニル、フェニル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、フェニルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルアミノ−C1−C4−アルキル、フェニルチオ−C1−C4−アルキル、フェニルスルフィニル−C1−C4−アルキル、フェニルスルホニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−ハロアルケニル、ヘテロシクリル−C3−C4−ハロアルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルフィニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、アミノ、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、C1−C6−アルキルスルホニルアミノ、C1−C6−ハロアルキルスルホニルアミノ、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい);
とりわけ、フェニル、フェニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C2−C4−アルケニル、フェニル−C1−C4−ハロアルキル、フェニル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、フェニルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルアミノ−C1−C4−アルキル、フェニルチオ−C1−C4−アルキル、フェニルスルホニル−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい);
より好ましくは、フェニル、フェニル−C1−C4−アルキル、フェニル−C1−C4−ハロアルキル、フェニルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、フェニルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、フェニルオキシ−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい)
であり;
3はC1−C4−アルキル、好ましくはメチルであり;
4は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいアリール、
好ましくは、フェニルまたは1−ナフチルである。
【0096】
式IIのアミンは、それ自体が既知の方法で、式VIII
【化5】

[式中、R1基およびR2基はそれぞれ、式Iの化合物について定義した通りである]
のキラルアミンに水素化分解により開裂することができる。
【0097】
典型的には、この水素化分解は、不活性溶媒、例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールもしくはブタノール)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン)、炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンもしくはキシレン)、またはこれらの混合物内で行われる。水素化分解は、触媒量の白金族金属元素の存在下で、好ましくはPt/C、Pd/CまたはPd/Al23上で、より好ましくはPd/CまたはPd/Al23上で、水素により行うことができる。この場合、水素は一般的には過剰に使用される。反応は、一般的には室温から反応混合物の還流温度までで、かつ標準圧力から200バールの圧力までで行われる。反応が終了したら、当業者に既知の方法で反応混合物を生成する。
【0098】
しかし、金属水素化物、例えば、水素化アルミニウムリチウム、ボロン酸ナトリウム、シアノボロン酸ナトリウム、ジボランなどによって水素化分解を行うことも可能である。この場合、反応物は、一般的には化学量論比で使用される。場合により、金属水素化物を過剰に使用するのが有利な場合もある。反応は、一般的には室温から反応混合物の還流温度までで、標準圧力で行われる。反応が終了したら、当業者に既知の方法で反応混合物を生成する。
【0099】
式IIのアミンの水素化分解は、一括して行うこともできれば、半連続的に行うことも、または連続して行うことも可能である。
【0100】
式I、II、III、VIおよびVIIIの化合物のR1基およびR2基、ならびに式Vの化合物のR1'基は、置換パターンによって、さらなるキラル内心も担持する。これらの化合物もまた本発明の主題に含まれる。
【0101】
置換基R1〜R4について、またはフェニル環、アリール環、ヘテロアリール環もしくはヘテロシクリル環などの上の基として特定される有機分子部分は、特定の基のメンバーの個々の一覧の集合名を構成する。
【0102】
すべての炭化水素鎖は、直鎖であってもよければ、分枝鎖であってもよい。
【0103】
特に明記しない限り、ハロゲン化置換基は、好ましくは1〜5個の同じまたは異なるヘテロ原子を担持する。各場合における「ハロゲン」という定義は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。
【0104】
さらなる定義の例としては、以下がある:
− アリール:6〜14個の環員を有する単環式〜三環式の芳香族炭素環、例えばフェニル、ナフチルおよびアントラセニル、好ましくはフェニル、ナフチル;
− ヘテロシクリル:3〜6個の環員を有し、かつ炭素原子の他に、1〜4個の窒素原子を、または1〜3個の窒素原子と1個の酸素原子もしくは硫黄原子を、または1〜3個の酸素原子を、または1〜3個の硫黄原子を含んでもよく、かつ例えば炭素原子または窒素原子を介して結合されてもよい、単環式、飽和または部分不飽和の炭化水素、
例えば、2−オキシラニル、2−オキセタニル、3−オキセタニル、2−アジリジニル、3−チエタニル、1−アゼチジニル、2−アゼチジニル、
例えば、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、3−テトラヒドロチエニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、3−イソオキサゾリジニル、4−イソオキサゾリジニル、5−イソオキサゾリジニル、3−イソチアゾリジニル、4−イソチアゾリジニル、5−イソチアゾリジニル、3−ピラゾリジニル、4−ピラゾリジニル、5−ピラゾリジニル、2−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、2−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、5−チアゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、1,2,4−オキサジアゾリジン−3−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−5−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−3−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−5−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリジン−2−イル、1,3,4−チアジアゾリジン−2−イル、1,3,4−トリアゾリジン−2−イル、1,2,3,4−テトラゾリジン−5−イル;
例えば、1−ピロリジニル、2−イソチアゾリジニル、2−イソチアゾリジニル、1−ピラゾリジニル、3−オキサゾリジニル、3−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、1,2,4−トリアゾリジン−1−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−2−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−4−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−2−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−4−イル、1,2,3,4−テトラゾリジン−1−イル、
例えば、2,3−ジヒドロフル−2−イル、2,3−ジヒドロフル−3−イル、2,4−ジヒドロフル−2−イル、2,4−ジヒドロフル−3−イル、2,3−ジヒドロチエン−2−イル、2,3−ジヒドロチエン−3−イル、2,4−ジヒドロチエン−2−イル、2,4−ジヒドロチエン−3−イル、4,5−ジヒドロピロール−2−イル、4,5−ジヒドロピロール−3−イル、2,5−ジヒドロピロール−2−イル、2,5−ジヒドロピロール−3−イル、4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル、2,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル、2,3−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル、4,5−ジヒドロイソオキサゾール−4−イル、2,5−ジヒドロイソオキサゾール−4−イル、2,3−ジヒドロイソオキサゾール−4−イル、4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル、2,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル、2,3−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル、4,5−ジヒドロイソチアゾール−3−イル、2,5−ジヒドロイソチアゾール−3−イル、2,3−ジヒドロイソチアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロイソチアゾール−4−イル、2,5−ジヒドロイソチアゾール−4−イル、2,3−ジヒドロイソチアゾール−4−イル、4,5−ジヒドロイソチアゾール−5−イル、2,5−ジヒドロイソチアゾール−5−イル、2,3−ジヒドロイソチアゾール−5−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−2−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−3−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−5−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−3−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−4−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−5−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−3−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−4−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−5−イル、2,3−ジヒドロイミダゾール−2−イル、2,3−ジヒドロイミダゾール−3−イル、2,3−ジヒドロイミダゾール−4−イル、2,3−ジヒドロイミダゾール−5−イル、4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イル、4,5−ジヒドロイミダゾール−4−イル、4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル、2,5−ジヒドロイミダゾール−2−イル、2,5−ジヒドロイミダゾール−4−イル、2,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−3−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−4−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−4−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−5−イル、2,3−ジヒドロチアゾール−3−イル、2,3−ジヒドロチアゾール−4−イル、2,3−ジヒドロチアゾール−5−イル、3,4−ジヒドロチアゾール−3−イル、3,4−ジヒドロチアゾール−4−イル、3,4−ジヒドロチアゾール−5−イル、3,4−ジヒドロチアゾール−2−イル、3,4−ジヒドロチアゾール−3−イル、3,4−ジヒドロチアゾール−4−イル、
例えば、4,5−ジヒドロピロール−1−イル、2,5−ジヒドロピロール−1−イル、4,5−ジヒドロイソオキサゾール−2−イル、2,3−ジヒドロイソオキサゾール−1−イル、4,5−ジヒドロイソチアゾール−1−イル、2,3−ジヒドロイソチアゾール−1−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−1−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−1−イル、2,3−ジヒドロイミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル、2,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−2−イル、2,3−ジヒドロチアゾール−2−イル、3,4−ジヒドロチアゾール−2−イル;
例えば、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、1,3−ジオキサン−2−イル、1,3−ジオキサン−4−イル、1,3−ジオキサン−5−イル、1,4−ジオキサン−2−イル、1,3−ジチアン−2−イル、1,4−ジチアン−3−イル、1,3−ジチアン−4−イル、1,4−ジチアン−2−イル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル、3−ヘキサヒドロピリダジニル、4−ヘキサヒドロピリダジニル、2−ヘキサヒドロピリミジニル、4−ヘキサヒドロピリミジニル、5−ヘキサヒドロピリミジニル、2−ピペラジニル、1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン−2−イル、1,2,4−ヘキサヒドロトリアジン−3−イル、テトラヒドロ−1,3−オキサジン−2−イル、テトラヒドロ−1,3−オキサジン−6−イル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、1,3,5−トリオキサン−2−イル;
例えば、1−ピペリジニル、1−ヘキサヒドロピリダジニル、1−ヘキサヒドロピリミジニル、1−ピペラジニル、1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン−1−イル、1,2,4−ヘキサヒドロトリアジン−1−イル、テトラヒドロ−1,3−オキサジン−1−イル、1−モルホリニル;
例えば、2H−ピラン−2−イル、2H−ピラン−3−イル、2H−ピラン−4−イル、2H−ピラン−5−イル、2H−ピラン−6−イル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−6−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−6−イル、2H−チオピラン−2−イル、2H−チオピラン−3−イル、2H−チオピラン−4−イル、2H−チオピラン−5−イル、2H−チオピラン−6−イル、5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン−2−イル;
ならびにヘテロアリール。
【0105】
− ヘテロアリール:5〜10個の環員を有し、かつ炭素原子の他に、1〜4個の窒素原子を、または1〜3個の窒素原子と1個の酸素原子もしくは1個の硫黄原子を、または1個の酸素原子もしくは1個の硫黄原子を含む、単環式または二環式の芳香族ヘテロアリール、
例えば、単環、例えば、フリル(例えば、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例えば、2−チエニル、3−チエニル)、ピロリル(例えば、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル)、イソオキサゾリル(例えば、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル)、イソチアゾリル(例えば、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル)、イミダゾリル(例えば、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル)、チアゾリル(例えば、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル)、オキサジアゾリル(例えば、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾリル−2−イル)、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、テトラゾール−5−イル、ピリジル(例えば、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル)、ピラジニル(例えば、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル)、ピラジン−2−イル、トリアジニル(例えば、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル)、テトラジニル(例えば、1,2,4,5−テトラジン−3−イル);およびさらに、
二環、例えば、上述の単環のベンゾ縮合誘導体(例えば、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル);
好ましくは、
1〜4個の窒素原子を、または1〜3個の窒素原子と1個の酸素原子もしくは硫黄原子を、または1個の酸素原子もしくは硫黄原子を有する、5員環または6員環ヘテロアリール:
例えば、炭素原子を介して結合され、かつ炭素原子の他に、環員として1〜4個の窒素原子を、または1〜3個の窒素原子と1個の硫黄原子もしくは酸素原子を、または1個の硫黄原子もしくは酸素原子を含んでもよい、芳香族5員複素環(例えば、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、および1,3,4−トリアゾール−2−イル);
例えば、炭素原子を介して結合され、かつ炭素原子の他に、環員として1〜4個、好ましくは1〜3個の窒素原子を含んでもよい、芳香族6員複素環(例えば、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル、および1,2,4−トリアジン−3−イル)。
【実施例】
【0106】
以下の実施例で使用する銅含有触媒を、以下の文献(DE19826396、DE4428004、EP383132およびDE3717111)に記載の通りに製造した。
【0107】
以下の実施例IおよびIIで製造した化合物のジアステレオマー比は、以下の通りに決定した:トリフルオロ酢酸による誘導体化、BGB175カラムでのガスクロマトグラフィ分離。
【0108】
以下の実施例IIIおよびVIで製造した化合物のジアステレオマー比は、以下の通りに決定した:トリフルオロ酢酸による誘導体化、Hydrodex beta 6−TBDMカラムでのガスクロマトグラフィ分離。
【0109】
以下の実施例VIIで製造した化合物のジアステレオマー比は、以下の通りに決定した:CP−SIL19CBカラムでのガスクロマトグラフィ分離。
【0110】
以下の実施例VIIIで製造した化合物のジアステレオマー比は、以下の通りに決定した:OV1701カラムでのガスクロマトグラフィ分離。
【0111】
以下の実施例IXで製造した化合物のジアステレオマー比は、以下の通りに決定した:RTX−5−Amineカラムでのガスクロマトグラフィ分離。
【0112】
I. 一般的方法A:(R)−sec−ブチリデン(1−フェニルエチル)アミン(2−ブタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
540mgの触媒を15mLのオートクレーブに導入して、窒素で不活性化した。次いで、触媒を50バールの圧力で、第1表に指定した温度にて、2時間水素で前活性化した。これに続いて、窒素でパージすると同時に室温に冷却した後、5.97mLの(R)−sec−ブチリデン(1−フェニルエチル)アミンと1.03mLのメタノールの混合物を窒素下で添加した。次いで、約20バールの圧力に到達するまで水素を注入し、反応混合物を100℃に加熱した。この温度に到達したら、水素で圧力を70バールに増大させ、1000rpmで撹拌を開始した。これらの反応条件下で6時間が経過したら、試料を取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。結果を以下の第1表に報告する。
【0113】
【表1】

【0114】
比較のため、同じ条件で、非担持鉄触媒(100%酸化鉄)、銅担持二酸化チタン触媒、ニッケル担持二酸化チタン触媒およびニッケル/コバルト担持二酸化チタン触媒を用いて反応を行った。結果を第2表に示す。
【0115】
【表2】

【0116】
第1表および第2表からの結果の比較は、特定の銅不含触媒への銅の添加によりジアステレオ選択性が増大することを明確に示す。
【0117】
II. 一般的方法B:(R)−sec−ブチリデン(1−フェニルエチル)アミン(2−ブタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
最初に、(R)−sec−ブチリデン(1−フェニルエチル)アミン(イミン)と、溶媒および不動態化触媒(第3表に指定)との混合物を、いずれの場合も300mLのオートクレーブに投入した。次いで、混合物を窒素で不活性化し、100℃に加熱した。次いで、この温度で、水素を所望の圧力(いずれの場合も第3表に同様に指定)になるまで注入し、内圧が低下したら再度所望の圧力に戻した。水素の注入から測定した実行時間(いずれの場合も第3表に指定)が経過したら、試料を取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。結果を以下の第3表に報告する。
【0118】
【表3】

【0119】
比較のために、同じ条件下で、Pt/C触媒を用いて反応を行った。結果を第4表に示す。本発明の試験がより高いdiaselectivityを示すことを、本実施例は示している。
【0120】
【表4】

【0121】
III. 一般的方法C:(R)−1,2−ジメチルプロピリデン(フェニルエチル)アミン(3−メチル−2−ブタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
540mgの触媒を15mLのオートクレーブに導入して、窒素で不活性化した。次いで、触媒を50バールの圧力で、第5表に指定した温度にて、2時間水素で前活性化した。これに続いて、窒素でパージすると同時に室温に冷却した後、6.0mLの(R)−1,2−ジメチルプロピリデン(フェニルエチル)アミンと1.0mLのエチルベンゼンの混合物を窒素下で添加した。次いで、約20バールの圧力に到達するまで水素を注入し、反応混合物を100℃に加熱した。この温度に到達したら、水素で圧力を70バールに増大させ、1000rpmで撹拌を開始した。これらの反応条件下で3時間が経過したら、試料を取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。結果を以下の第5表に報告する。
【0122】
【表5】

【0123】
比較のため、同じ条件で、非担持鉄触媒を用いて反応を行った。結果を第6表に示す。本発明の試験がより高いdiaselectivityを示すことを、すべての実施例が示している。
【0124】
【表6】

【0125】
IV. 一般的方法D:(R)−1,2−ジメチルプロピリデン(フェニルエチル)アミン(3−メチル−2−ブタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
最初に、(R)−1,2−ジメチルプロピリデン(1−フェニルエチル)アミン(イミン)と、溶媒および不動態化触媒(第7表に指定)との混合物を、いずれの場合もオートクレーブに投入した。次いで、混合物を窒素で不活性化し、所望の温度に加熱した。次いで、この温度で、水素を所望の圧力(いずれの場合も第7表に同様に指定)になるまで注入し、内圧が低下したら再度所望の圧力に戻した。水素の注入から測定した実行時間(いずれの場合も第7表に指定)が経過したら、試料を取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。結果を以下の第7表に報告する。
【0126】
【表7】

【0127】
V. 一般的方法E:(R)−1,2−ジメチルプロピリデン−(1−フェニルエチル)アミン(3−メチル−2−ブタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
最初に、連続操作した250mLのループ反応器(長さ=48.5cm、直径=2.5cm、充填深さ=46.5cm)に、触媒の全質量に対する金属量がそれぞれ11/21/21質量%の不動態化Cu/Ni/Co触媒を担持したZrO2を投入し、第8表に指定した30質量%の(R)−1,2−ジメチルプロピリデン(1−フェニルエチル)アミンを含有する溶媒溶液を、第8表に指定した反応条件下で水素により連続して水素化した。試料を生成物から取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。この結果を第8表に示す。
【0128】
【表8】

【0129】
VI. 一般的方法F:(S)−1,2−ジメチルプロピリデン−(1−フェニルエチル)アミン(3−メチル−2−ブタノンを有する(S)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
最初に、連続操作した250mLのループ反応器(長さ=48.5cm、直径=2.5cm、充填深さ=46.5cm)に、触媒の全質量に対する金属量がそれぞれ13/40/1質量%の不動態化Cu/Ni/Mo触媒を担持したZrO2を投入し、30質量%の(S)−1,2−ジメチルプロピリデン(1−フェニルエチル)アミンを含有するメタノール溶液を、第9表に指定した反応条件下で水素により連続して水素化した。試料を生成物から取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。この結果を第9表に示す。
【0130】
【表9】

【0131】
VII. 一般的方法G:(R)−(1−シクロプロピリデン)(1−フェニルエチル)アミン(1−シクロプロピル−1−エタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
315mgの触媒を15mLのオートクレーブに導入して、窒素で不活性化した。次いで、触媒を50バールの圧力で、第10表に指定した温度にて、2時間水素で前活性化した。これに続いて、窒素でパージすると同時に室温に冷却した後、3.5mLの(R)−(1−シクロプロピリデン)(1−フェニルエチル)アミンと3.5mLのエチルベンゼンの混合物を窒素下で添加した。次いで、約20バールの圧力に到達するまで水素を注入し、反応混合物を100℃に加熱した。この温度に到達したら、水素で圧力を70バールに増大させ、1000rpmで撹拌を開始した。これらの反応条件下で3時間が経過したら、試料を取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。結果を以下の第10表に報告する。
【0132】
【表10】

【0133】
比較のため、同じ条件下で、ニッケル/コバルト担持二酸化チタン触媒を用いて反応を行った。結果を第11表に示す。
【0134】
【表11】

【0135】
第10表と第11表の結果を比較すると、特定の銅不含触媒に銅を添加すること、同等のジアステレオ選択性でより高い転化率を達成できることが明らかになる。
【0136】
VIII. 一般的方法H:(R)−(1−フェニルエチリデン)(1−フェニルエチル)アミン(1−フェニル−1−エタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
315mgの触媒を15mLのオートクレーブに導入して、窒素で不活性化した。次いで、触媒を50バールの圧力で、第12表に指定した温度にて、2時間水素で前活性化した。これに続いて、窒素でパージすると同時に室温に冷却した後、3.5mLの(R)−(1−フェニルエチリデン)(1−フェニルエチル)アミンと3.5mLのエチルベンゼンの混合物を窒素下で添加した。次いで、約20バールの圧力に到達するまで水素を注入し、反応混合物を100℃に加熱した。この温度に到達したら、水素で圧力を70バールに増大させ、1000rpmで撹拌を開始した。これらの反応条件下で3時間が経過したら、試料を取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。結果を以下の第12表に報告する。
【0137】
【表12】

【0138】
比較のため、同じ条件下で、銅担持二酸化チタン触媒およびニッケル/コバルト担持二酸化チタン触媒を用いて反応を行った。結果を第13表に示す。
【0139】
【表13】

【0140】
第12表と第13表の結果を比較すると、特定の銅不含触媒に銅を添加することによりジアステレオ選択性が向上することが明らかになる。
【0141】
IX. 一般的方法I:(R)−1−フェニルブチリデン(1−フェニルエチル)アミン(1−フェニル−1−ブタノンを有する(R)−(1−フェニルエチル)アミンのシッフ塩基)のdiaselective水素化
最初に、35重量%の(R)−1−フェニルブチリデン(1−フェニルエチル)アミン(イミン)を含有するメタノールと不動態化触媒との混合物(第14表に指定)を、いずれの場合も300mLのオートクレーブに投入した。これに続いて、窒素で不活性化し、100℃に加熱した。次いで、この温度で水素を100バールの圧力になるまで注入し、内圧が低下したら再度所望の圧力に戻した。水素の注入から測定した24時間が経過したら、試料を取り出し、ガスクロマトグラフィにより分析した。結果を以下の第14表に報告する。
【0142】
【表14】

【0143】
X. 一般的方法J:イミンの合成
イミン(シッフ塩基)は、Charles et al.,Bull.Soc.Chim.Fr.1970,12,4439−4446の改変方法で合成することができる。
【0144】
最初に、(1−フェニルエチル)アミンの鏡像異性体1.25等量とp−トルエンスルホン酸を含有するトルエン0.01等量をケトンに投入する。形成される反応水を共沸蒸留により連続除去する。さらなる転化がガスクロマトグラフィにより認められなくなったら、溶媒を抜き取り、生成物を分別蒸留により精製する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのキラルイミンを式IIのアミンに
【化1】

[式中、
1、R2はそれぞれ、C1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C2−C6−ハロアルケニル、C2−C6−ハロアルキニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、C3−C6−アルケニルオキシカルボニル、C3−C6−アルキニルオキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−C6−アルキルアミノカルボニル、C3−C6−アルケニルアミノカルボニル、C3−C6−アルキニルアミノカルボニル、C1−C6−アルキルスルホニルアミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルケニル)−N−(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルキニル)−N−(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C1−C6−アルコキシ)−N−(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルケニル)−N−(C1−C6−アルコキシ)アミノカルボニル、N−(C3−C6−アルキニル)−N−(C1−C6−アルコキシ)アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノチオカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノチオカルボニル、またはC1−C6−アルキルカルボニル−C1−C6−アルキル
(ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基およびアルコキシ基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ヒドロキシル、C1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C1−C6−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、アミノ、C1−C4−アルキルアミノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ、C1−C4−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C4−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1−C4−アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノカルボニル、またはC1−C4−アルキルカルボニルオキシ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
アリール、アリール−C1−C4−アルキル、アリール−C2−C4−アルケニル、アリール−C2−C4−アルキニル、アリール−C1−C4−ハロアルキル、アリール−C2−C4−ハロアルケニル、アリール−C3−C4−ハロアルキニル、アリール−C1−C4−ヒドロキシアルキル、アリールカルボニル−C1−C4−アルキル、アリール−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、アリールカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、アリールオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、アリールオキシ−C1−C4−アルキル、アリールアミノ−C1−C4−アルキル、アリールチオ−C1−C4−アルキル、アリールスルフィニル−C1−C4−アルキル、アリールスルホニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−ハロアルケニル、ヘテロシクリル−C3−C4−ハロアルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル−カルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルフィニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルキル、C1−C4−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル−C1−C6−アルコキシ、アミノ、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、C1−C6−アルキルスルホニルアミノ、C1−C6−ハロアルキルスルホニルアミノ、(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい)
であり
(但し、R1基およびR2基は互いに異なる);
3はC1−C6−アルキルであり;
4は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいアリールであり;
ならびに
*はSまたはR立体配置を表し、および
**はSおよび/またはR立体配置を表す]、
式Iのイミンを水素および不均一銅含有触媒の存在下で転化することにより、ジアステレオ選択的に転化する方法。
【請求項2】
前記不均一銅含有触媒が、触媒の全質量に対して、
銅を0.1〜95質量%;
ニッケル、コバルトおよび亜鉛の群から選択される少なくとも1種の金属を0.1〜85質量%;
鉄、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、銀、金、モリブデン、タングステン、レニウム、カドミウム、鉛、マンガン、スズ、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、バリウム、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンおよびテルルの群から選択される少なくとも1種の助触媒を0〜15質量%
(但し、質量%の合計は100%を超えない)
含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記銅含有触媒が担体物質を含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記不均一銅含有触媒が、担体物質として、炭素、あるいは酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミノ珪酸塩、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムまたはこれらの混合物からなる群から選択される多孔質金属酸化物を含む、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記銅含有触媒が非担持触媒である、請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
前記反応が溶媒の存在下または物質内で行われる、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応が標準圧力から200バールまでで行われる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が室温から反応混合物の還流温度までで行われる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
3がC1−C4−アルキルであり、
4は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよいアリールである、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
1、R2がそれぞれ、C1−C6−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C2−C6−ハロアルケニル、C2−C6−ハロアルキニル、またはC1−C6−アルキルカルボニル−C1−C6−アルキル
(ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基およびアルコキシ基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/または以下の基(すなわち、シアノ、ヒドロキシル、C1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキル、C1−C6−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、アミノ、C1−C4−アルキルアミノ、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ)の内の1〜3個を担持してもよい)、
アリール、アリール−C1−C4−アルキル、アリール−C2−C4−アルケニル、アリール−C2−C4−アルキニル、アリール−C1−C4−ハロアルキル、アリール−C2−C4−ハロアルケニル、アリール−C3−C4−ハロアルキニル、アリール−C1−C4−ヒドロキシアルキル、アリールカルボニル−C1−C4−アルキル、アリール−C1−C4−アルキル、カルボニル−C1−C4−アルキル、アリールオキシ−C1−C4−アルキル、アリールアミノ−C1−C4−アルキル、アリールチオ−C1−C4−アルキル、アリールスルフィニル−C1−C4−アルキル、アリールスルホニル−C1−C4−アルキル、
ヘテロシクリル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルケニル、ヘテロシクリル−C2−C4−アルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ハロアルキル、ヘテロシクリル−C2−C4−ハロアルケニル、ヘテロシクリル−C3−C4−ハロアルキニル、ヘテロシクリル−C1−C4−ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリル−C1−C4−アルキルカルボニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルオキシ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルアミノ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルチオ−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルフィニル−C1−C4−アルキル、ヘテロシクリルスルホニル−C1−C4−アルキル
(ここで、前記基は、部分的または完全にハロゲン化されてもよければ、かつ/またはシアノ、ニトロ、C1−C6−アルキル、C1−C6−ハロアルキル、ヒドロキシル、C1−C6−ヒドロキシアルキル、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−ハロアルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、ジ(C1−C6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−C6−アルキルアミノ、ジ(C1−C6−アルキル)アミノ、C1−C6−アルキルスルホニルアミノ、C1−C6−ハロアルキルスルホニルアミノ、アリール、およびアリール(C1−C6−アルキル)の群の内の1〜3個の基を担持してもよい)
である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
式IIのアミンを製造する方法であって、式IIIのケトンを式IVのアミンと
【化2】

[式中、R1〜R4基および*はそれぞれ、請求項1、9または10に記載の通りである]
反応させることによって、式Iのイミンを製造する方法。
【請求項12】
式Iのイミンが、酸、あるいは酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化ケイ素および粘土鉱物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される不均一触媒の存在下で製造される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
式VIII
【化3】

[式中、R1基およびR2基ならびに**はそれぞれ、請求項1、9または10に記載の通りである]
のキラルアミンを製造する方法であって、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法で得られる式IIのアミンが、水素化分解により開裂されることを特徴とする、式VIIIのキラルアミンを製造する方法。
【請求項14】
前記水素化分解が、白金族金属元素の群から選択される不均一触媒の存在下で、水素により行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記水素化分解が、金属水素化物、または金属水素化物の混合物により行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記または前提となる方法段階が、連続的、半連続的または非連続的に行われる、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
キラルイミンをジアステレオ選択的に転化するための、請求項1〜16に記載の不均一銅含有触媒の使用であって、前記キラルイミンの親アミンが水素を有するキラルであり、前記キラルイミンの親ケトンが水素を有するプロキラルである、使用。

【公表番号】特表2011−507814(P2011−507814A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538580(P2010−538580)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067191
【国際公開番号】WO2009/080511
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】