説明

キーボードアセンブリ及びそれを用いた携帯式電子装置

【課題】光の漏れを防止できるキーボードアセンブリ及びそれを用いた携帯式電子装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係るキーボードアセンブリは、複数の押圧部が凸設されている軟質のゴム板と、前記押圧部に対応する複数の嵌合孔が形成されている透明な導光板と、前記導光板の周壁を包む不透光の遮光部材と、前記嵌合孔を貫いて突出する前記押圧部に当接されるキーボード板と、前記キーボード板と前記遮光部材との間に設置されるフレキシブル遮光体と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボードアセンブリに関し、特に携帯式電子装置に用いられるキーボードアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話を暗い所でも使用するために、殆んどのキーボードアセンブリは照明機能を有する。即ち、携帯電話の印刷回路基板(PCB)に光源とする発光ダイオード(LED)を設置して、対応する押しボタンを照射する。しかも、前記押しボタンの輝度を均一化にするために、通常、導光板を利用して前記発光ダイオードの点光源を面光源に変換してから、各々の押しボタンに光を伝送する。
【0003】
しかし、通常、携帯電話のキーパッドとハウジングとの間には隙間が存在するため、前記発光ダイオードが発射した光は前記導光板を経由して発散された後、一部は前記隙間から漏れる。その結果、前記キーボードアセンブリの照明効果が損われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、光の漏れを防止できるキーボードアセンブリ及びそれを用いた携帯式電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明に係るキーボードアセンブリは、複数の押圧部が凸設されている軟質のゴム板と、前記押圧部に対応する複数の嵌合孔が形成されている透明な導光板と、前記導光板の周壁を包む不透光の遮光部材と、前記嵌合孔を貫いて突出する前記押圧部に当接されるキーボード板と、前記キーボード板と前記遮光部材との間に設置されるフレキシブル遮光体と、を備える。
【0006】
また、本発明に係る携帯式電子装置は、ハウジングと、前記ハウジング内に装着される回路基板と、前記回路基板上に設置されるキーボードアセンブリと、を備える。前記キーボードアセンブリは、複数の押圧部が凸設されている軟質のゴム板と、前記押圧部に対応する複数の嵌合孔が形成されている透明な導光板と、前記導光板の周壁を包む不透光の遮光部材と、前記嵌合孔を貫いて突出する前記押圧部に当接されるキーボード板と、前記キーボード板と前記遮光部材との間に設置されるフレキシブル遮光体と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
従来の技術と比べて、本発明に係るキーボードアセンブリにおいて、導光板の周壁を不透光の遮光部材が包み込むため、光源が発射した光が前記導光板の周壁から漏れることを防止することができる。同時に、前記キーボード板と遮光部材との間には弾性変形できるフレキシブル遮光体を有するため、光がキーボード板とハウジングとの隙間から漏れることも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係るキーボードアセンブリの分解図である。
【図2】図1に示したキーボードアセンブリの別の視点からの分解図である。
【図3】図1に示したキーボードアセンブリのゴム板、導光板及び遮光部材の組立て図である。
【図4】図1に示したキーボードアセンブリの組立図である。
【図5】図4に示したV−V線に沿うキーボードアセンブリの断面図である。
【図6】図5に示したVI部のキーボードアセンブリの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るキーボードアセンブリは、携帯電話、PDAなどのような携帯式電子装置に適用する。以下、携帯電話を例として説明する。
【0010】
図1、図2及び図5を参照すると、本発明に係る携帯電話100は、回路基板10、キーボードアセンブリ20及びハウジング30を備える。前記キーボードアセンブリ20は前記回路基板10上に設置され、前記回路基板10は前記ハウジング30内に装着される。
【0011】
前記回路基板10には、複数の弧状のタッチ弾片12及び複数の光源13が設置されている。本実施形態において、前記光源13は発光ダイオード(LED)である。
【0012】
前記キーボードアセンブリ20は、軟質のゴム板21、透明な導光板23、遮光部材25、キーボード板27及びフレキシブル遮光体29を含む。
【0013】
前記ゴム板21は、前記回路基板10に対面する第一表面211(図2を参照)及び前記第一表面211に対向する第二表面213を備える。前記第一表面211の前記タッチ弾片12に対応する箇所には、複数の突起215が凸設されている。前記第二表面213の前記突起215に対向する箇所には、複数の押圧部217が凸設されている。前記ゴム板21は、ポリアミド樹脂のような熱可塑性弾性ゴムからなる。
【0014】
前記導光板23は、略方形の板状体であり、その上には前記光源13に対応して設けられた複数の光源孔231及び前記押圧部217に対応して設けられた複数の嵌合孔233を有する。前記光源孔231は前記光源13を収納することに用いられ、前記嵌合孔233は前記押圧部217を嵌めることに用いられる。前記導光板23の材料は、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride)、ポリカーボネート(polycarbonate)及びポリスチレン(polystyrene)のような熱可塑性樹脂から選ばれる一種又は多種である。前記導光板23は、前記遮光部材25と互いに係合するための周壁235を備える。
【0015】
前記遮光部材25は、略方形のフレームであり、額縁252及び前記額縁252により取り囲まれて形成される収容部254を含む。前記収容部254の形状は前記導光板23に該当し、前記収容部254のサイズは前記導光板23よりやや大きい。前記収容部254は、前記導光板23を収納する。前記遮光部材25は、不透光の材料(例えば、黒い樹脂)からなる。図3に示すように、本実施形態において、前記ゴム板21、前記導光板23及び前記遮光部材25は、一体成型構造である。前記導光板23は前記ゴム板21の第二表面213に結合され、前記光源13は前記光源孔231内に収納され、前記押圧部217は前記嵌合孔233内に嵌められる。前記一体成型構造は、幾度かの射出により形成される。
【0016】
図1及び図2に示すように、前記キーボード板27は、対向する操作面271及び内表面273を備え、且つ前記押圧部217に対応して複数のキー模様(図示せず)が形成されている。ユーザーはこれらのキー模様を押して前記携帯電話100を操作する。本実施形態において、前記キーボード板27は主に金属材料からなる。
【0017】
前記フレキシブル遮光体29は、ほぼ「U」型部材であり、不透光且つ弾性変形できる材質からなる。本実施形態において、前記フレキシブル遮光体29は、黒い発泡綿からなる。前記フレキシブル遮光体29は、粘着剤などにより前記キーボード板27の内表面273の周辺部位に粘着固定される。
【0018】
図5及び図6に示すように、前記ハウジング30は、前記キーボード板27の外縁に組み合せる側壁32を備える。前記側壁32上には、前記キーボード板27が押圧される時の行程を制限するための止め段差部322が形成されている。
【0019】
図4乃至図6に示すように、組み立て後の前記携帯電話100において、前記回路基板10は前記ハウジング30内に装着され、前記ゴム板21、導光板23及び遮光部材25の一体構造体は前記回路基板10上に設置される。前記ゴム板21の突起部215は前記回路基板10のタッチ弾片12に当接され、前記光源13は前記光源孔231内に収納され、前記押圧部217は前記嵌合孔233内に嵌められる。前記キーボード板27を前記ゴム板21、導光板23及び遮光部材25の一体構造体の上に被覆すると、前記押圧部217は前記キーボード板27に当止され、前記キーボード板27と前記側壁32との間には隙間40が形成される。前記フレキシブル遮光体29は、前記キーボード板27と前記遮光部材25との間に位置し、且つ前記キーボード板27と前記遮光部材25とにそれぞれ接触する。しかも、前記フレキシブル遮光体29の原始高さは前記キーボード板27と前記遮光部材25との間の間隔より大きいか又は等しい。
【0020】
自然状態(押圧しない状態)において、前記キーボード板27と前記止め段差部322との間には一定の距離が存在し、この距離は前記キーボード板27の移動空間である。前記キーボード板27を押圧すると、前記フレキシブル遮光体29が圧縮変形されて、前記キーボード板27は前記回路基板10に向けて移動する。
【0021】
なお、変更例として、前記ゴム板21、前記導光板23及び前記遮光部材25は、分体構造であってもよい。あるいは、前記導光板23と前記遮光部材25とだけを一体成型してもよい。
【0022】
本発明のキーボードアセンブリ20において、前記導光板23の周壁235には不透光の遮光部材25が包まれるため、光源13が発射した光は前記導光板23の周壁235から漏れることが防止できる。同時に、前記キーボード板27と前記遮光部材25との間に弾性変形できるフレキシブル遮光体29を有するため、光が前記キーボード板27と前記ハウジング30との隙間から漏れることも防止できる。
【0023】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正もまた、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0024】
10 回路基板
12 タッチ弾片
20 キーボードアセンブリ
21 ゴム板
23 導光板
25 遮光部材
27 キーボード板
29 フレキシブル遮光体
30 ハウジング
32 側壁
40 隙間
100 携帯電話
211 第一表面
213 第二表面
215 突起
217 押圧部
231 光源孔
233 嵌合孔
235 周壁
252 額縁
254 収容部
271 操作面
273 内表面
322 止め段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の押圧部が凸設されている軟質のゴム板と、
前記押圧部に対応する複数の嵌合孔が形成されている透明な導光板と、
前記導光板の周壁を包む不透光の遮光部材と、
前記嵌合孔を貫いて突出する前記押圧部に当接されるキーボード板と、
前記キーボード板と前記遮光部材との間に設置されるフレキシブル遮光体と、
を備えることを特徴とするキーボードアセンブリ。
【請求項2】
前記フレキシブル遮光体は、弾性変形できる材質からなり、且つ前記キーボード板の周辺に粘着固定されることを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項3】
前記フレキシブル遮光体の原始高さは、前記キーボード板と前記遮光部材との間の距離と等しいか、または前記キーボード板と前記遮光部材との間の距離より大きいであることを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項4】
前記ゴム板、前記導光板及び前記遮光部材は、一体成型構造であることを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項5】
ハウジングと、
前記ハウジング内に装着される回路基板と、
前記回路基板上に設置され、且つ請求項1乃至請求項4の何れの一項に記載のキーボードアセンブリと、
を備えることを特徴とする携帯式電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−150995(P2011−150995A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175327(P2010−175327)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(505177003)深▲セン▼富泰宏精密工業有限公司 (138)
【出願人】(508155310)富士康(香港)有限公司 (185)
【Fターム(参考)】