説明

クニッツドメインから誘導されたヒトプラスミンの阻害剤

【課題】新規なプラスミンインヒビターを提供する。
【解決手段】リポプロテイン結合凝集阻害体(LACI)の第1のクニッツドメイン(K1)を改変したポリペプチド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒトリポプロテイン結合凝固阻害剤LACIの第一のクニッツドメイン(K1)の新規の変異体に関するものである。本発明はまたプラスミンを阻害する他の変更されたクニッツドメインおよび他のプラスミン阻害剤に関するものである。
【0002】
本出願は1994年1月11日に出願された米国特許出願第08/179,658号の一部継続出願である第08/208,265号(係属中)の一部継続出願である。これらの出願の各々はここに参考文献として組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
繊維素溶解に主に反応できる薬剤はプラスミノーゲンの活性化形熊であるプラスミンである。多くの物質は活性化ハゲマン因子、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ(uPA)、組織タイプのプラスミノーゲン活性化因子(tPA)、およびプラズマカリクレイン(pKA)を含むプラスミノーゲンを活性化することができる。pKAはウロキナーゼのチモーゲン形熊の活性化因子および直接型プラスミノーゲン活性化因子の両方である。
【0004】
プラスミンは正常の循環血液中には検出できないが、プラスミノーゲン、チモーゲンは約3μMで存在する。追加の未測定量のプラスミノーゲンは繊維素および細胞外のマトリックスおよび細胞表面の他の化合物に結合する。正常血液はプラスミンの生理学的阻害剤、α−プラスミン阻害剤(α−PI)を約2μM含有する。プラスミンおよびα−PIは1:1コンプレックスを形成する。マトリックスまたは細胞結合プラスミンはα−PIによって阻害に対し比較的近づきがたい。従って、プラスミンの活性化は前繊維素溶解状熊を引き起こすα2−PIの中和力を超えることができる。
【0005】
一度生成したプラスミンは:i.繊維素クロットを、ときには時期尚早に分解させる;
ii.もろく容易に溶解するクロットを分解生成物から形成させ、繊維素分解生成物によって血小板の粘着/凝集を阻害させて止血を損なう繊維素(クロットの組み立て物質)を消化し;
iii.血小板と直接相互作用して、高剪断血液流の領域で損傷した内皮に接着しないようにし血小板栓塞形成に必要な凝集を損なう糖蛋白IbおよびIIb/IIIaを開裂する(ADEL86);
iv.さらに前分解状態を促進する外部からの凝集経路の酵素を蛋白質分解により不活性化する。
【0006】
ロビンス(ROBB87)はプラスミノーゲン−プラスミンシステムを詳細に再検討した。ROBB87およびここに引用した文献は、参考文献として組み込まれる。
【0007】
繊維素溶解およびフィブリノーゲン溶解
過剰の出血に導く不適当な繊維素溶解およびフィブリノーゲン溶解は心肺バイパスのような体外循環を必要とする外科手術を複雑にすることが多く、そしてまた血栓崩壊の治療および器官移植、特に肝臓の移植で出会う。出血性素質の高い頻度を特徴とする他の臨床状態は肝硬変、類澱粉症、急性前骨髄細胞白血病、および充実性腫瘍を含む。止血の回復は血漿および/または血漿生成物の注入を必要とし、これは免疫学的反応の危険があり、病原体、例えば肝炎ウイルスおよびHIVにさらされる。
【0008】
非常に高い血液の損失は大量注入でも溶解を妨害する。生命がおびやかされるとき、出血はε−アミノカプロン酸(HOOV93参照)(EACA)、tranexamic acid、またはアプロチニン(NEUH89)のような抗繊維素溶解素を用いて処理される。アプロチニンはまたTrasylol(登録商標)およびBovine Pancreatic Trypsin Inhibitor(BPTI)としても知られている。以下、アプロチニンは「BPTI」と呼ぶ。EACAおよびtranexamic acidはクリングルを結合することによりプラスミンが繊維素を結合しないようにして、血漿中に遊離プロテアーゼとしてプラスミンを残す。BPTIはプラスミンの直接の阻害剤であり、これらの薬剤の中で最も有効である。血栓症の合併症、腎毒および、BPTIの場合には、免疫原性に対するポテンシャルによって、これらの薬剤は慎重に使用され、通常「ラストリゾート」(PUTT89)として保留される。抗繊維素溶解剤の3種すべては標的特異性および親和力を欠き、特徴のない代謝経路を通って組織および器官と相互に作用する。親和力が低いために必要な大量投与、免疫反応に対する特異性および潜在能力を欠くための副作用および器官/組織毒性は、出血を防ぐようにまたは常用の術後の治療として輸血治療を回避または減らすようにこれらの抗繊維素溶解剤を予防的に使用する機会を増やしている。従って、安全な抗繊維素溶解剤が必要とされている。このような薬剤の本質的特性は次の通りである。
i.適切な標的繊維素溶解酵素の中和;
ii.投薬量を最少にするため標的酵素への結合の高い親和力;
iii.副作用を減らすため、標的に対する高い特異性;
iv.潜在的免疫原性および器官/ 組織毒性を最少にするためのヒト蛋白質への高度の類似性。
効き目のある抗繊維素溶解による阻害に対する候補標的である繊維素溶解酵素はすべてキモトリピン相同のセリンプロテアーゼである。
【0009】
過剰出血
過剰出血は不完全な凝固作用、高い繊維素溶解活性、またはこれら2つの条件の組合せの結果起きる。最も出血しやすい体質ではプラスミンの活性を制御しなければならない。血液のロスを減らす際にBPTIの臨床的に有益な効果はプラスミン(K−0.3nM)またはプラズマカリクレイン(K−100nM)または両方の酵素の阻害の結果であると考えられる。
【0010】
GARD93は最近使用の血栓溶解素を再検討して、血栓溶解剤(例えばtPA)は血管を開かないが、過剰の出血は非常に安全な流出口であると言っている。tPAおよびストレプトキナーゼは短い血漿半減期をもつが、これらを活性化するプラスミンは系内に長期間残り、上記のように、この系はプラスミン阻害剤内で潜在的に不完全である。従って、プラスミノーゲンの過剰な活性化は凝結および有害なまたは致命的な出血へと危険な無能力へ導く。
【0011】
BPTIは有効なプラスミン阻害剤であるが、補助的使用には皮膚試験を必要とするほど十分に抗原性であることが見出された。さらに、出血を抑えるために必要なBPTIの投与量はかなり高く作用機構は明らかでない。BPTIはプラスミンに作用すると言う者もいるが、血漿カリクレインを阻害することにより作用すると言う者もいる。FRAE89はBPTI約840mgの投与量が80人の心臓切開手術の患者の血液のロスを略半分に減らし、平均輸血量を74%まで減らしたことを報告している。マイルス社は最近手術中の出血を減らすためトラシロールを米国に導入した(トラシロールのマイルス製品パンフレット参照、ここに参考文献として組み込む。)。LOHM93はプラスミン阻害剤が眼の手術の際の出血をコントロールするために有用であることを示唆している。SHER89はBPTIが結腸手術の出血を制限する際に有効であることを報告している。
【0012】
BPTIのように略有効であるか一層有効であるが、ヒト蛋白質ドメインとは略同一であるプラスミン阻害剤は似た治療学的潜在性を与えるが抗原性には潜在性が小さい。
【0013】
脈管形成
プラスミンは脈管形成の鍵となる酵素である。OREI94はプラスミンの38kDa断片(触媒ドメインを欠いている)が転移の強い阻害剤であり、プラスミンが腫瘍(FIDL94)転移を阻止するのに有用であることを示している。ELLI92、ELLI93、OREI94およびFIDL94も参照、これらを参考文献としてここに組み込む。
【0014】
プラスミン
プラスミンはプラスミノーゲンから導かれるセリンプロテアーゼである。プラスミンの触媒ドメイン(またはCatDom)はペプチド結合を、特にアルギン残基の後におよびリジン残基の後にはさらに小さい範囲まで切断し、トリプシン、キモトリプシン、カリクレイン、および多くの他のセリンプロテアーゼに非常に相同である。プラスミンの特異性の大部分は繊維素のクリングルス結合から誘導する(LUCA83、VARA83、VARA84)。活性化の際には、ARG561−Val562の間の結合は切断され、新しく遊離のアミノ末端が塩橋を形成する。
にもかかわらず、クリングルスは2個のジスルフィドを介してCatDomに結合している(COLM87、ROBB87)。
【0015】
BPTIは約300pMのKでプラスミンを阻害することが報告されている(SCHN86)。AUER88はBPTI(R15)が約13nMのプラスミンに対してKを有することを報告し、R15がプラスミン結合に対するK15よりも実質的にさらに悪いことを示唆している。SCHN86は残基C14とC38がアラニンに転換したBPTIが約4.5nMのプラスミンに対するKiを有することを報告している。KIDO88はAPP−Iが約75pM(7.5×10−1M)のプラスミンに対するKを有することを報告しており、今までに報告されたヒトプラスミン中で最も有効な阻害剤である。DENN94aは、しかしながら、APP−IがK=225nM(25.5×10−7M)のプラスミンを阻害する。我々の第2および第3のライブラリーはAPP−Iが有効なプラスミンバインダーであるという仮定の下に設計された。選択工程は大抵の位置でAPP−I残基を選択せずDENN94aの報告は何故これが起きたかを説明している。
【0016】
組み換えDNA技法を用いると、天然の蛋白質遺伝子の変異体を符号化する変異遺伝子を発現することによって新規の蛋白質を得ることが可能である。突然変異体を拾うための幾つかの戦略が知られている。戦略の一つは、幾つかの残基を一定に保持し、他の残基をランダムに突然変異させ、そしてさらに他の残基を予め定められた方法で突然変異させる。これは「多様化」と呼ばれ、ラドナーらの米国特許5,223,409に定義されており、ここに参考文献として組み込む。
【0017】
DENN94aおよびDENN94bは因子VIIとの組織因子のコンプレックスに結合するためAPP−Iに基づくクニッツドメインを選択することを報告している。これらは親としてLACI−K1を使用せず、標的としてプラスミンを使用しなかった。かれらが得た高い親和力の結合体は約2nMの彼等の標的に対するKDを有する。我々の第一ラウンドの選択はこの範囲で親和力を有するが、我々の第二ラウンドの選択はこれよりも約25倍すぐれている。
【0018】
特定の種からの蛋白質はその種の各々に注入したとき免疫反応をあまり起こさないらしいと思われる。ネズミの抗体はヒトでは高い抗原性がある。ヒトの一定ドメインとネズミの変異性ドメインを有する「キメラの」抗体は抗原性が少ないことが明らかである。いわゆる「ヒト化」抗体はヒトの一定ドメインおよびネズミ抗体からのCDRs中に可変ドメインを有し、可変ドメインの枠組みがヒトを起源とする。「ヒト化」抗体は「キメラの」抗体よりも抗原性がはるかに小さい。「ヒト化」抗体では、蛋白質の50ないし60個の残基が非ヒト起源である。この発明の蛋白質は、大抵の場合、約60個のアミノ酸のみからなり、通常は工学技術の蛋白質および親の蛋白質との間には10以下の相違点がある。ヒトはヒトインシュリンのようなヒト蛋白質にさえも抗体を発現するが、このような抗体は結合が弱くその意図した生物学的機能を注入した蛋白質が示すことを妨げない場合が多い。処理すべき種からの蛋白質を使用すると免疫反応がないという保証はない。けれども、ヒト蛋白質に配列が非常に近い蛋白質を取り出すと、ヒトの強い免疫反応の危険性を非常に減らす。
【0019】
クニッツドメインは非常に安定であり、酵母または他のホスト器官中に有効に生成させることができる。少なくとも10個のヒトクニッツドメインが報告されている。APP−Iはかって有効なプラスミン阻害剤であると考えられていたが、実際には、プラスミンを阻害するヒトクニッツドメインは存在せずBPTIも同様である。従って、プラスミンの阻害剤に良く効きヒトクニッツドメインの配列に近いクニッツドメインの配列を提供することが本発明の目的である。
【0020】
位置特異的の突然変異誘発を使用すると、非ランダムであろうとランダムであろうと、活性が改良された変異体結合蛋白質を得ることは当該分野では知られているが、成功は確実ではない。
【発明の概要】
【0021】
本発明はヒトプラスミンの阻害に有効なBPTI相同のクニッツドメインの変異体に関するものである。特に本発明はヒトに非免疫原性であるらしいヒトLACIの1個のドメインの変異体に関するものであり、そしてこれは好ましくは約5nM以下、さらに好ましくは約300pM以下、そして最も好ましくは約100pM以下のKDでプラスミンを阻害する。本発明はまたこれらの新規の蛋白質の治療学の診断上の使用に関するものである。
【0022】
プラスミン阻害蛋白質は、不適当な繊維素溶解またはフィブリノーゲン溶解、血栓症に関連する過剰の出血、手術後の出血、および不適当な雄性のものを含めて、プラスミンによって引き起こされまたは悪化される臨床状態の防止と治療のために有用である。プラスミン結合変異体は、阻害するかしないとしても、インヴィトロで、プラスミン活性の領域をイメージするため試料中のプラスミンをアッセイするために、インヴイヴォで、プラスミンを精製するために使用される。
【0023】
好ましい変異体QS4およびNS4は、位置13、16、17、18、19、31、32、34および39で変異性を有する約5千万の蛋白質を可能にするライブラリーから選択された。これらの蛋白質はヒト蛋白質と略同一のアミノ酸配列を有するが、約2nMのKiでプラスミンを阻害する(即ち、BPTIよりも約6倍以下の効能であるが、APP−Iよりも100倍良い)。
【0024】
特に好ましくは蛋白質、SPI11は、位置10、11、13、15、16、17、18、19、および21で変異性を可能にするライブラリーから選択され、100pMよりも小さい(即ち、結合においてBPTIよりも約3倍優れている)プラスミンに対して親和力をもち、そしてウシ蛋白質のBPTIよりも、ヒト蛋白質のLACIの配列に非常に似ている。このライブラリーから選択されプラスミンに対して非常に高い親和力をもつと考えられている他のLACI−K1変異体はSPI15、SPI08、およびSPI23を含む。位置10、11、13、15、16、17、18、19、21、31、32、34、35、および39で変異性を可能にする追加のライブリーがスクリーニングされ、一致した配列(SPIcon1)が見出された。QS4よりも良いことが示され、従って一層好ましい変異体はSPI51とSPI47を含む。プラスミンに対して非常に高い親和力をもっており未だ基本的にヒトアミノ酸配列を保持しているらしい配列を同定したところ、配列SPI60、SPI59、SPI42、SPI55、SPI56、SPI52、SPI46、SPI49、SPI53、SPI41、およびSPI57を含む。プラスミンの活性位置と高い親和力を与えるアミノ酸配列情報は他のクニッツドメイン、特にヒト起源のクニッツドメインに転移させることができ、幾つかの蛋白質の設計が開示される。
【0025】
本発明の好ましいプラスミン阻害剤は次の必須条件を1またはそれ以上満足する。
1)プラスミンに対するKiは多くて20nM、好ましくは約5nMよりも多くなく、さらに好ましくは約300pMよりも多くない、そして最も好ましくは約100pMよりも多くない。
2)阻害剤はBPTIを参照した残基数をもつ表14に示される要件に合うクニッツドメインからなる、3)クニッツドメイン位置12−21および32−39にて、アミノ酸タイプのひとつを表15のその位置に対してまとめた、そして4)この阻害剤は、BPTIの配列に対する前記クニッツドメインのアミノ酸配列よりも、群SPI11、SPI15、SPI08、SPI23、SPI51、SPI47、QS4、NS4、ヒトLACI−K2、ヒトLACI−K3、ヒトコラーゲンα3KuDom、ヒトTFPI−2ドメイン1、ヒトTFPI−2ドメイン2、ヒトTFPI−2ドメイン3、ヒトITI−K1、ヒトITI−K2、ヒトプロテアーゼネキシン−II、ヒトAPP−I、DPI−1.1.1、DPI−1.1.2、DPI−1.1.3、DPI−1.2.1、DPI−1.3.1、DPI−2.1、DPI−3.1.1、DPI−3.2.1、DPI−3.3.1、DPI−4.1.1、DPI−4.2.1、DPI−4.2.2、DPI−4.2.3、DPI−4.2.4、DPI−4.2.5、DPI−5.1、DPI−5.2、DPI−6.1、DPI−6.2から選択される参照配列に対してアミノ酸配列が似ている。
【0026】
命名法
ここで、親和力はK(KD(A,B)=〔A〕〔B〕/〔A−B〕)。数字の小さいKは高い親和力を表す。本発明のために、「プラスミン阻害蛋白質」はプラスミンを約20nM以下のKで結合し阻害するものである。「阻害」はプラスミンの触媒作用を阻止し、インヴイトロで発色体または螢光発生体物質を用いるアッセイまたは高分子を含むアッセイにおいて測定できることを示す。
【0027】
アミノ酸残基は3種類の方法で検討される:アミノ酸のフルネーム、標準3文字コード、および標準1文字コード。表は1文字コードのみを使用する。はっきりさせる必要がある場合にはテキストはフルネームと3文字コードを使用する。

【0028】
本発明の目的のために、「実質的に相同」の配列は、任意特定の領域にわたって、少なくとも51%、さらに好ましくは80%、同一である。ここで、同一である配列は「実質的に相同」であると解される。配列は少なくとも20個のアミノ酸の1領域内で十分に似ている(51%以上)が比較の領域の外では全体として異なる場合に、配列はなおも「実質的に相同」である。他の配列に関して1の配列の1のアミノ酸の挿入は1のミスマッチとして数える。最も好ましくは、末端とは別の、6個よりも多くない残基が異なる。好ましくは、配列の、特に特定領域の分岐は「保守的改変」の形態にある。
【0029】
「保守的改変」は次のように定義される。
(a)表9に定義されるようなアミノ酸の保守的置換」;および(b)末端、ドメイン境界、ループ、または移動度が比較的高い他の部分でのアミノ酸の単一または複数の挿入または削除。
【0030】
好ましくは、末端を除いて、約6個よりも少ないアミノ酸を任意の位置で挿入または削除し、この改変部は重要な結合部位を含むことが知られている領域の外側にある。
クニッツドメイン
【0031】
ここで、「クニッツドメイン」および「KuDom」は、(クニッツ大豆トリプシン阻害剤ではなく)BPTIの相同体を意味するように交代で使用される。KuDomは、少なくとも2個、そして好ましくは3個のジスルフィドを含む少なくとも51個のアミノ酸(そして約61個までのアミノ酸)を有する蛋白質のドメインである。ここで、全クニッツドメインの残基はBPTI(すなわち、残基1−58)を参照して番号を付けられる。従って第一のシステイン残基は残基5であり、最後のシステインは55である。アミノ酸配列は、本配列の目的のために、表14に示される配列に対して3以下のミスマッチで配列される場合にクニッツドメインと考えられる。1個の残基の挿入または削除は1個のミスマッチとして数える。表14において、「x」は任意のアミノ酸に一致し「X」はその位置に対してリストされたタイプに一致する。ジスルフィドボンドは5と55、14と38、そして30と51の少なくとも2個を結合する。ジスルフィドの数は1によって減らされ得るが、標準システインの数はいずれも対にならないでは残らない。従って、1個のシステインを変える場合、次に償うシステインを適当な場所に加えるかマッチするシステインを非システインによって置き換える(後者が、一般に好ましい)。例えば、ショウジョウバエDrosophila funebris雄補助腺プロテアーゼ阻害剤は位置5にシステインがないが、位置−1(位置1の直前)にシステインがある;恐らく、これはCYS55に対してジスルフィドを形成する。Cys14およびCys38を置換すると、Gly12、(GlyまたはSer)37、およびGly36の必要性が落ちる。追加のドメイン(他のクニッツドメインを含めて)を含むゼロから多数の残基までクニッツドメインのいずれかの末端に結合することができる。
【0032】
好適例の詳細な説明
クニッツドメインのようなプロテアーゼ阻害剤は、プロテアーゼの活性部位に結合して機能し、その結果、ペプチドボンド(「切れやすいボンド」)は:1)
開裂しない、2)非常に遅く開裂する、または3)阻害剤の構造が開裂した部分の放出または分離を妨げるので効果がないように開裂する。クニッツドメインでは、ジスルフィドボンドは露出したペプチドボンドが開裂したとしても共に蛋白質を保持するように働く。切れやすいボンドのアミノ酸部位の残基からの、ボンドから移動してしまった残基は、慣習によりP1、P2、P3等と呼ばれる。切れやすいボンドに続く残基はP1’、P2’、P3’等と呼ばれる(SCHE67、SCHE68)。一般に各セリンプロテアーゼは、基質または阻害剤の残基P1、P2等の側鎖基と主鎖原子を受け取る部位(複数の残基からなる)S1、S2等、および基質または阻害剤の残基P1’、P2’等の側鎖基と主鎖原子を受け取る部位S1’、S2’等を受け入れる。基質に関してプロテアーゼ特異性をそしてプロテアーゼに関して阻害剤特異性を与えることは、S部位とP側鎖基と主鎖原子との間の相互作用である。新しいアミノ末端をもつ断片がまずプロテアーゼを残すため、小さい分子プロテアーゼ阻害剤を設計する多くの作業者は部位S1、S2、S3等を結合する化合物に集中した。
【0033】
LASK80は蛋白質プロテアーゼ阻害剤を概説する。若干の阻害剤はポリペプチド鎖上に複数の反応性部位を有し、通常これらのドメインは異なる配列、特異性、およびトポロジーさえも有する。PおよびP’領域のアミノ酸置換は阻害剤の特異性に影響することが知られている。これらは1の酵素クラスから他のクラスに特異性を変化することができるので、かってP1残基に焦点が合わされ、これらが非常に近いことに注意が向けられた。LASK80は、KuDomsの中で、P1=LysまたはArgをもつ阻害剤はトリプシンを阻害し、P1=Tyr、Phe、Trp、LeuおよびMetをもつものはキモトリプシンを阻害し、そしてP1=AlaまたはSerをもつものはエラスターゼを阻害すると示唆している。LASK80は続けて、カザル阻害剤の中で、P1=LeuまたはMetをもつものはエラスターゼの強い阻害剤であり、そしてボウマン−キルク族ではエラスターゼはP1=Alaで阻害されるが、P1=Leuでは阻害されないと言っている。このような制限された変化は本当に高い親和力(すなわち、1ないし10nMよりも良い)の阻害剤を提供しない。
【0034】
クニッツドメインは上記のように定義される。BPTI(原型的なクニッツドメイン)の3D構造(高分解にて)が知られている。X線構造の1つがブルックハーベンプロテインデーターバンクに「6PTI」として寄託されている。若干のBPTI相同体(EIGE90、HYNE90)の3D構造が知られている。少なくとも70個のKuDom配列が知られている。既知のヒト相同体はLACIの3個のKuDom(WUNT88、GIRA89、NOVO89)、インター−α−トリプシン阻害剤の2個のKuDom、APP−I(KIDO88)、コラーゲンからの1個のKuDom、およびTFPI−2(SPRE94)の3個のKuDomを含む。
【0035】
LACI
リポプロテイン結合凝集阻害体(LACI)は3個のKuDomを含む分子量39kDa(表1のアミノ酸配列)のヒト血清ホスホグリココプロテインである。
以下このプロテインをLACIと呼び、そのクニッツドメインをLACI−K1(残基50ないし107)、LACI−K2(残基121ないし178)、およびLACI−K3(残基213ないし270)と呼ぶ。LACIのcDNA配列はWUNT88に報告されている。GIRA89は3個のKuDomの各々のP1残基を変更した突然変異体の研究を報告している。LACI−K1はF.VIIaが組織因子に結合するとき因子VIIa(F.VII)を阻害し、LACI−K2は因子Xaを阻害する。LACI−K3が何かを阻害するか否かは知られていない。LACIもLACIのKuDomのいずれも、強いプラスミン阻害剤ではない。
【0036】
本発明のKuDomは実質的にLACI−K1と相同であるが、以下に記述する強いプラスミン阻害活性を与える方法では異なる。本発明の他のKuDomは他の天然に生じるKuDom、特に他のヒトKuDomと相同である。ヒトに使用するには、本発明の蛋白質は、免疫反応を引き起こす危険を減らすため、BPTIよりもヒトKuDomに配列がさらに似ているように設計される。
【0037】
LACI−K1の第1ライブラリーおよびプラスミンに結合するための選択体
出願人は、ヒトプラスミンに対して高い親和力を有する変異体にLACI−K1の第1ライブラリーをスクリーニングして表2および表3に示される配列を得た。これらの配列は表16に示されるようにまとめることができ、「好ましい残基」は結合プラスミンとして同定される32個の変異体の少なくとも1個に現われる。表17に示されるように、残基13、16、17、18および19の好ましいものは強い。31および32で認められるタイプの範囲は限定されるが、この選択は31での酸性基と32での中性基が好ましいことを示している。残基17のArgが好ましく、他の正に荷電したアミノ酸のLysはライブラリーに無く、Argに適当な置換基である。部位34および39での多くのアミノ酸タイプは高い親和力のプラスミン結合と矛盾がないが、若干のタイプは結合を妨げる。
【0038】
蛋白質の幾つかは検出できる分量がなかったので、ここに開示されたライブラリーの明確な単離物のすべては分析しなかった。
表2に示されるように、選択された蛋白質の1つ、QS4を調製した。QS4はプラスミンを約2nMのKで阻害する。この阻害のレベルはBPTIのそれよりも小さいが、QS4は免疫原性に対して小さいポテンシャルを有するのでヒトに使用するために好ましい分子である。表2および表3に示される他の蛋白質は非常に有効なプラスミンの阻害剤であり、抗原性のおそれが小さい。
【0039】
残基10−21を変える第2ライブラリー
表5に示され、残基10、11、13、15、16、17、18、19および21にて変異できるLACI−K1誘導体の第2ライブラリーを調製した。これはプラスミンに結合するためにスクリーニングされ、表6に示される蛋白質を得た。
【0040】
表6の「共通」は10GPCRFE21であり、7個の下線を付けた残基がLACI−K1とは異なる。酸性アミノ酸のみ(Glu:17またはAsp:15)が部位10に認められ;LysとAsnが認められない。GluとAspは略等しい頻度で現れるので、恐らく結合に等しく貢献しているのだろう。酸性残基は部位11に認めれなかった。Thrは良く現れるSer(9/32)と最も共通していた(11/32);Glyは8回現れた。13で、Proは非常に好ましく(24/32)で2番目はAla(5/32)であった。15で、Argは非常に好ましく(25/32)、しかし数個(7/32)の単離体はLysをもつ。特に、BPTI(R15)はBPTIよりも悪いプラスミン阻害剤である。16で、Alaは好ましく(22/32)、しかしGlyはかなり頻繁に(10/32)で現れた。17で、二番目(9/32)に来るLysと、Argは最も普通(15/32)であった。残基17と18で、APP−IはMetとIleを持つ。18で、IleまたはPheを許した。4個の単離体のみが18でIleをもち、これらのどれも17でMetを持たない。これはKIDO88を考慮すると驚いたが、DENN94aを考慮すると良く理解された。この単離体の収集は19で広い分布をもつ(Glu:8、Pro:7、Asp:4、Ala:3、His:3、Gly:2、Gln:2、Asn:1、Ser:1、およびArg:1)が、酸性側の基が塩基性のものよりも非常に好ましい。21で、分布は(Trp:16、Phe:14、Leu:2、Cys:0)であり、BPTIは21でTyrをもつ。
【0041】
クローニングによる純粋なファージの結合はこれら蛋白質の1つまたは別のものがBPTIファージの結合と比較されることを示している(表6)。蛋白質SPI11のKを決定し、実質的にBPTIよりも優れている約88pMであることを見出した。
【0042】
10−21および31−29を変える第3ライブラリー
表7に示されるように、残基31、32、34、35、および39で多様に導入されたDNA源として結合するプラスミンに対して2凹選択された第2ライブラリー(残基10、11、13、15、16、17、18、19、および20で変る)のファージのプールを使用した。
【0043】
このライブラリーはプラスミンに結合するために3回スクリーニングし、表8に示される単離物が得られた。アミノ酸タイプの分布は表18に示され、「x」
はアミノ酸タイプが認められないことを意味し、「*」はLACI−K1に対して野性タイプであることを示している。
これらの配列は10GPCKFD21・・・・E31YGGC40(表4のSPIcon1)の10−21および31−40の領域が共通していた。10個の下線を付けたアミノ酸はLACI−K1とは異なる。8個の変化部位で、第2のタイプが全く共通であった:10でのAsp、11でのAla、19でのGlu、21でのPhe、31でのThr、32でのProまたはSer、34でのLeuまたはIle、および39でのGlu。部位17で、非常に有効な阻害剤SPI11はRをもつ。従っ
て、配列10GPCRFD21・・・・E31YGGC40(表4のDPI−1.1.1)は6個の残基のみがLACI−K1とは異なり、非常に共通している残基で選択された配列と合っており、部位10、17、21、34、および39で好ましい置換基をもつ。DPI−1.1.1 はプラスミンに対して非常に高い親和力をもちヒトの免疫原性に対して潜在性が殆どないことが期待される。
【0044】
プラスミン阻害活性に対して蛋白質SPI11、BPTI、SPI23、SPI51、SPI47、QS4、SPI22、SPI54およびSPI43の予備的試験は与えられた順番で置いた。SPI11は約88pMのKiのBPTIよりも実質的に有効である。SPI23とSPI51は活性が似ておりBPTIよりも僅かに劣る。SPI47はSPI51よりも劣るがQS4よりも良い。SPI22はQS4よりも弱い。SPI54とSPI43はQS4程は有効でなく、Kは恐らく>4nMであろう。
表4に示されるように、配列SPI11、SPI15、SPI08、SPI23、SPI51、SPI47、QS4、およびNS4のいずれか一つに残基5−55で非常に相同であるKuDomは、プラスミンの有効な阻害剤(K>5nM)であるらしい、そしてヒトの抗原性に対して低い潜在性を有する。さらに好ましくは、プラスミンに対して高い親和力をもつように、KuDomは残基10−21と31−39で同一であり、配列SPI11、SPI15、SPI08、SPI23、SPI51、SPI47、QS4、およびNS4のいずれかと比較して残基5−9、22−30、および40−55で5またはそれ以下の相違点をもつ配列である。
【0045】
選択された配列および選択された天然のKuDomの結合データーを使用すると、我々は他の親のヒトKuDomに応用できる高い親和力のプラスミン阻害KuDomに対してレシピを書くことができる。まず、KuDomは表14の必要条件に合わなければならない。表15に示される置換基はいずれかのKuDomに高い親和力のプラスミン阻害活性を与えるようだ。従って表14に示されるように、KuDomである配列を含み、その位置で表15に示されるアミノ酸タイプを位置12−21および32−39の各々で含む蛋白質は、ヒトプラスミンの有効な阻害剤である。さらに好ましくは、蛋白質は表15に示される位置のすべてに対して表15に示されるアミノ酸タイプをもつ。免疫反応に対する潜在性を減らすために、結合領域の外側に配列を与えるように親の蛋白質として1または他のヒトKuDomを使用する必要がある。
【0046】
残基5から残基55までのSPI11に実質的に相同であるアミノ酸配列を含み、位置13−19、31、32、34、および39でSPI11と同一である蛋白質は、5nM以下のKiでヒトプラスミンを阻害する。SPI11は7個の位置でLACI−K1と異なる。これらの置換基がプラスミン結合および阻害を助長する際に等しく重要であるかは明らかでない。SPI11の置換された位置の1つがLACI−K1に見出される残基に変わる(すなわち「逆戻りした」)7個の分子があり、21では残基の2個が逆戻りし、35では3個の残基が逆戻りし、35では4個の残基が逆戻りし、21では5個の残基が逆戻りし、7では6個の残基が逆戻りする。さらに逆戻りした残基をもつものはプラスミンに対して親和力が小さいが、免疫原性に対する潜在性も小さいことが期待される。当業者は十分な有効性と低い免疫原性の蛋白質をこの126のコレクションから選び取ることができる。またLACI−K1とは異なるアミノ酸によるSPI11の代用は、蛋白質を薬剤として使用するには適さなくする程度までプラスミンに対する親和力を減らすことなく、免疫原性を減らすことができる。
【0047】
設計されたKuDomプラスミン阻害剤
以下、「DPI」は、分子のSPIシリーズ、特にSPI11からのアミノ酸配列情報を組み込むKuDomsである「設計されたプラスミン阻害剤、Desiged Plasmin Inhibitor」を意味する。幾つかのDPIの配列およびその親の蛋白質が表4に示されている。
【0048】
配列DPI−1.1.1、DPI−1.1.2、DPI−1.1.3、DPI−1.1.4、DPI−1.1.5、およびDPI−1.1.6(表4)はLACI−K1とは6、5、5、4、3、および2個のアミノ酸とはそれぞれ異なり、プラスミンに対する親和力が徐々に減り、ヒト配列への類似性が免疫原性の見込みを減らすように増加するシリーズを示す。各ライブラリーからの選択はM18Fが鍵となる代用であり、I17KまたはI17Rが非常に重要であることを示している。第2と第3のライブラリーからの選択は、Argが15にて非常に好ましく、11での酸側鎖基が結合に不利であることを示している。非常に有効な阻害剤SPI11は、BPTIのように、R17をもつことによってコンセンサスからは異なる。DPI−1.1.1は突然変異体D11T、K15R、I17R、M18F、K19D、およびE32Aを運び、プラスミン阻害剤として非常に有効である。DPI−1.1.2はD11T、K15R、I17R、M18F、およびK19Dを運び、非常に有効である。LACI−K1に関してDPI−1.1.3は突然変異体D11A、K15R、I17R、M18F、およびK19Dを運ぶ。DPI−1.1.3はT11の代わりにA11をもつのでDPI−1.1.2とは異なる;両蛋白質は非常に有効なプラスミン阻害剤である。DPI−1.1.4は突然変異体I17R、M18F、K19D、およびE32Aを運び、完全に有効でなければならない。DPI−1.1.4はSPI11突然変異体が少ないのであまり有効ではないが、また免疫原性も小さい。DPI−1.1.5は突然変異体I17R、M18F、およびK19Dを運ぶ。この蛋白質は良い阻害体であり、免疫原性は小さい。DPI−1.1.6は突然変異体I17RおよびM18Fのみを運ぶが、プラスミンを阻害する必要がある。
【0049】
蛋白質DPI−1.2.1はヒトLACI−K2に基づき、表4に示される。突然変異体P11T、I13P、Y17R、I18F、T19D、R32E、K34I、およびL39Eはプラスミンに対して高い親和力を与える。これらの置換体の幾つかは必要ではないかも知れない;特に、P11TとT19Dは必要ではない。プラスミン親和力を改善する他の突然変異体は、E9A、D10E、G16A、Y21W、Y21F、R32T、K34V、およびL39Gを含む。
【0050】
蛋白質DPI−1.3.1(表4)はヒトLACI−K3に基づく。突然変異体R11T、L13P、N17R、E18F、N19D、R31E、P32E、K34I、およびS36Gはプラスミンに対して高い親和力を与える。これらの置換体の幾つかは必要ではないかも知れない;特に、N19DとP32Eは必要ではない。KDを改善する他の変化は、D10E、N17K、F21WおよびG39Eを含む。
【0051】
蛋白質DPI−2.1(表4)はヒトコラーゲンα3KuDomに基づく。突然変異体E11T、T13P、D16A、F17R、I18F、L19D、A31E、R32E、およびW34Iはプラスミンに対して高い親和力を与える。これらの置換体の幾つかは必要ではないかも知れない;特に、L19DとA31Eは必要ではない。プラスミン親和力を改善する他の突然変異体は、K19A、D10E、D16G、K20R、R32T、W34V、およびG39Eを含む。
【0052】
DPI−3.1.1(表4)はヒトTFPI−2ドメイン1から誘導される。交換体Y11T、L17R、L18F、L19D、およびR31Eはプラスミンに対して高い親和力を与える。突然変異体L19Dは必要ではないかも知れない。プラスミン結合を促進する他の突然変異体は、Y21W、Y21F、Q32E、L34I、L34V、およびE39Gを含む。
【0053】
DPI−3.2.1(表4)はヒトTFPI−2ドメイン2から誘導される。親ドメインは残基9(1個の残基)および42(2個の残基)の後の挿入を含む。突然変異体(V9ETGPC14によって置き換えられたVSVDDQC14)、E15R、S17K、T18F、K32T、F34V、および(E39GNRNR44)によって置き換えられた(H39RNRIENR44)はプラスミンに対して高い親和力を与える。
アミノ酸の数を変える必要があるため、DPI−3.2.1は他の改変されたひとKuDomよりも免疫原性に対して高い潜在性をもつ。
【0054】
DPI−3.3.1(表4)はヒトTFPI−2ドメイン3から誘導される。交換体E11T、L13P、S15R、N17R、V18F、T34I、およびT36Gはプラスミンに対して高い親和力を与える。突然変異体E11T、L13P、およびT34Iは必要ではないかも知れない。プラスミン結合を促進する他の突然変異体は、D10E、T19D、Y21W、およびG39Eを含む。
【0055】
DPI−4.1.1(表4)はS10E、M15R、M17K、T18F、Q34V、およびM39Gの断定によるヒトITI−K1からである。突然変異体M39GおよびQ34Vは必要ではないかも知れない。プラスミン結合を促進する他の突然変異体は、A11T、G16A、M17R、S19D、Y21W、およびY21Fを含む。
【0056】
DPI−4.2.1(表4)はヒトITI−K2から突然変異体V10D、R11T、F17R、I18F、およびP34Vまでである。突然変異体P34Vは必要ではないかも知れない。プラスミン結合を促進する他の突然変異体は、V10E、Q19D、L20R、W21F、P34IおよびQ39Eを含む。DPI−4.2.2は3個の突然変異体R11T、F17R、およびI18Fのみをもつので特に好ましい蛋白質である。DPI−4.2.3は4個の突然変異体R11T、F17R、I18F、およびL20Rのみをもつので特に好ましい蛋白質である。DPI−4.2.4は5個の突然変異体R11T、F17R、I18F、L20R、およびP34Vのみをもつので特に好ましい蛋白質である。DPI−4.2.5は突然変異体V10E、R11T、F17R、I18F、L20R、V31E、L32T、P34V、およびQ39Gを運び、非常に有効にプラスミンを阻害する。各蛋白質DPI−4.2.1、DPI−4.2.2、DPI−4.2.3、DPI−4.2.4、DPI−4.2.5はプラスミンの非常に有効な阻害剤である。
【0057】
DENN94aの前は、APP−Iは非常に有効なプラスミン阻害剤であった。
従って、非常にAPP−Iとは異なる位置10−21にてAPP−I残基を可能にするように設計されたライブラリーから蛋白質を選択することは驚くことであった。それにもかかわらず、APP−Iは有効なプラスミン阻害剤に変換できる。DPI−5.1はヒトAPP−I(またプロテアーゼネクシン−IIとして知られている)から突然変異体M17RおよびI18Fによって誘導され、APP−I自体よりもはるかに優れたプラスミン阻害剤である。DPI−5.2はさらに突然変異体S19D、A31E、およびF34Iを運び、プラスミンに対してさらに高い親和力を促進することができる。
DPI−6.1は5個の置換体K11T、Q15R、T16A、M17R、およびM18FによってHKI B9 KuDom(NORR93)から誘導される。DPI−6.1は有効なプラスミン阻害体である。DPI−6.2はプラスミン結合を促進する追加の突然変異体T19DおよびA34Vを運び、プラスミン結合を促進する。
【0058】
BPTIは既知の天然に生じたKuDomプラスミン阻害剤であるが、改良することができる。DPI−7.1はプラスミンに対する親和力を増加する突然変異体I18FによってBPTIから誘導される。DPI−7.2はプラスミン結合を増加させる突然変異体K15Rを更に運ぶ。DPI−7.3は追加の突然変異体R39Gを運ぶ。DPI−7.4は突然変異体Y10D、K15R、I18F、I19D、Q31E、およびR39Gを運び、非常に高い親和力をプラスミンに対して有する。
【0059】
クニッツドメインの改変
KuDomは全く小さい;循環からの除去が速すぎるような、製薬学的問題の原因であるならば、2以上のドメインを結合することができる。好ましいリンカーは1個以上のアミノ酸の配列である。好ましいリンカーはヒト蛋白質の繰り返しのドメインの間に見出されるものであり、特にリンカーはヒトBPTI相同体に見出され、その1つは2個のドメイン(BALD85、ALBR83b)を有し他のものは3個(WUNT88)を有する。ペプチドリンカーは全体の蛋白質が組み換えDNA技法によって発現される利点を有する。また免疫原共役体を形成するために通常使用されるもののような、非ペプチジルリンカーを使用することもできる。BPTI様KuDomの血清滞在を増加させる代わりの手段はポリエチレングリコールにこれを連結することである、いわゆるPEG化(DAVI79)。
【0060】
SPI11および他のKuDomプラスミン阻害剤の特異性を改良する方法:
KuDomSPI11の表面の大部分をプラスミンの表面に相補的にしたので、R15はプラスミンに特異的結合するために必須ではない。凝固および繊維素溶解の経路で酵素の多くはArgまたはLysの後で選択的に切断する。P1位置に塩基性残基を持たないと特異性が一層大きくなる。変異体SPI11−R15A(表11に示される)は、P1でAlaを有し、良好なプラスミン阻害体であり、SPI11よりも他のプロテアーゼに関連してプラスミンに対して高い特異性を有することができる。プラスミンに対するSPI11−R15Aの親和力はプラスミンに対するSPI11の親和力よりも小さいが、他のArg/Lys好適酵素に対する親和力のロスはより大きく、多くの応用で、特異性は親和力よりも一層重要である。良い親和力と非常に高い特異性をもつ他の突然変異体はSPI11−R15GおよびSPI11−R15N−E32Aを含む。このアプローチは他の高い親和力のプラスミン阻害剤に応用することができる。
【0061】
SPI11の親和力の増加
表12に示されるようなSPI11の変異および結合物の選択はSPI11よりも高いプラスミンに対する親和力を有するクニッツドメインを生成することである。この第4のライブラリーは14−38のジスルフィドを多様化することができる。表に示されるDNAの2個の部分は合成され、PCR反応でプライマーと共に用いられNsiIからBstEIIまで走行するDNAを生成する。プライマーは表に示される合成小片の、第一に対しては長さ21および第二に対しては長さ17の5’末端と同一である。変異性が非常に高いので、10と10個(多ければ多いほど良い)の形質転換細胞を得るように努力した。
【0062】
生成の方法
本発明の蛋白質は次の方法を含む従来の技術のいずれによっても生成することができる。
a)成分、例えばアミノ酸の一連のカップリングによる非生物学の合成b)適当なホスト細胞での組み換えDNA技法による生成、およびc)例えば、LACI−K1から望まない配列を除去して合成置換配列をカップリングする半合成法。
【0063】
ここに開示される蛋白質は、属Bacillus,Escherichia,Salmonella,Erwiniaからのバクテリア、属Hansenula,Kluyveromyces,Pichia,Rhinosporidium,SaccharomycesおよびSchizosaccharomycesのような酵母菌、またはCOS−1のような培養した哺乳類動物の細胞のような適当なホスト中で組み換えにより好ましく生成される。さらに好ましいホストは種Pichia pastorisBacillus subtilis,Bacillusbrevis,Saccharomyces cerevisiae,Escherichia coliおよびYarrowia lipolytica の微生物である。ホスト細胞中で機能的な任意のプロモーターを使用して遺伝子発現をコントロールすることができる。
【0064】
好ましくは蛋白質は分泌され、最も好ましくは、条件付の媒体から得られる。
分泌は、蛋白質が正確に折りたたまれて数個の菌で条件付の媒体中に生成されるので、好ましいルートである。分泌は要求されない。
【0065】
グリコグループを含む特別の理由がない限り、グリコグループの抗原性に対してポテンシャルを減らすようにN−結合グリコシル化部位を欠くように設計された蛋白質が好ましく、その結果等量の蛋白質を、1)E.coli, 2) B.subtilis, 3) P.pastoris, 4) S.cerevisiae,および5)哺乳動物の細胞を含む広範囲の器官の中に発現させることができる。
【0066】
組み換え型生成物を分解するプロテアーゼを生成するホスト細胞の問題を減らすには幾つかの意味がある;特にBANE90およびBANE91参照。VAND92はE.coli 中のB.subtilis 信号ペプチダーゼの過剰発現が異種の融合蛋白質の発現を増大させることを報告している。ANBA88はPMSF(セリンプロテアーゼ阻害剤)を培養基に添加すると融合蛋白質の収率が改善されることを報告している。
【0067】
ここに開示されているこれらの蛋白質および他の蛋白質の生成に影響する他の因子は次のものを含む:1)コドンの使用(ホストに対するコドンを最適化することが好ましい)、2)シグナル配列、3)意図したプロセシング部位でのアミノ酸配列、プロセシング酵素の存在と局在性、処理生成物を部分的に変えまたは分解する種々の酵素の欠失、突然変異、または阻害、および分泌(許容分泌ホストが好ましい)においてホストをさらに複製できるようにする突然変異体。
【0068】
組み換えDNA技術の一般的原則の参照作業はワストンらのMolecular Biology of the Gene,IおよびII巻、The Benjamin/Cummings Publishing Company,Inc.,Menlo Park,CA(1987); ダーネルらのMolecular Cell Biology,Scientific American Books,Inc.,NewYork,N.Y.(1986); Lewin,Genes II,John Wiley & Sons,NewYork,N.Y.(1985);オールドら、Principles of Gene Manipulation: An Introduction to Genetic Engineering,2d edition,University of California Press,Berkeley,CA(1981);サムブルックらのMolecular Cloning; A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1989); およびアウスベルらのCurrent Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,NY,(1987,1992)を含む。これらの文献および引用された文献はここに参考文献として組み込まれる。
【0069】
プラスミン結合および阻害のためのアッセイ
適当な方法を使用して本発明の化合物を試験することができる。スカッチャード(Ann NY Acad Sci(1949)51:660−669)は蛋白質結合に応用できる結合を測定し分析する古典的方法を記載している。この方法は比較的純粋な蛋白質、および結合した蛋白質を結合していない蛋白質から区別する能力を要する。
【0070】
を測定する第二の適当な方法は、酵素に対して阻害活性を測定することである。測定すべきKが1nMないし1μMの範囲にあると、この方法は発色体または螢光基質および比較的純粋な阻害剤を数十マイクログラムないしミリグラム必要とする。Kが5nMないし50pMの範囲の本発明の蛋白質に対し、ナノグラムないしマイクログラムの阻害剤で十分である。この方法を使用するとき、阻害剤と酵素基質との間の競合は真のKよりも高い測定したKiを与えることができる。ここに報告された測定は、補正が非常に小さくどの補正もK小さくするのであまり正確ではない。ここに、我々はKの直接の測定値として測定されたKを使用する。
【0071】
第二の物質の蛋白質の親和力を決定する第三の方法は、M13のような遺伝子パッケージに蛋白質を表示し、固定化した「第二の物質」に接着する蛋白質の能力を測定することである。この方法は遺伝子パッケージを増幅することができるので非常に鋭敏である。pHステップグラジエントを使用して結合定数に対する少なくとも半定量的な値を得る。プロテアーゼに対する既知の親和力の阻害剤を使用して他のファージ表示阻害剤に判断されるものに対して標準のプロフィルを確立する。他の適当な蛋白質結合の測定方法はいずれも使用することができる。
【0072】
好ましくは、本発明の蛋白質はプラスミンに対するKDが多くて約5nM、さらに好ましくは多くて約300pM、そして最も好ましくは100pM以下である。好ましくは、結合はKがKと同じであるように阻害する。プラスミンに対するQS4のKは約2nMである。プラスミンに対するSPI11のKは約88pMである。
【0073】
製薬学的方法および調製
本発明の好ましい対象は哺乳動物である。本発明は特にヒトの治療に有用であるが、また獣医学的応用にも適している。
【0074】
ここで、「保護」は「予防(preventing)」、「抑止」、および「治療」を含む。「予防」は病気の誘発前に薬剤を投与することを含む。「抑止」は病気が臨床上現れる前に薬剤を投与することを含む。「治療」は病気が現れた後に薬剤を投与することを含む。
【0075】
ヒトおよび獣医の薬では、誘導事象が未知であるか潜伏しているか、または患者が誘導事象の発生した後まで確かめられないので、「予防」と「抑止」との間を区別することはできない。我々は「予防」と「抑止」を含むように「治療」とは区別して「予防(prophylaxis)」の語を使用する。ここで、「保護」は「予防(prophylaxis)」を含む。保護は無制限に使用される必要はない。
【0076】
本発明の蛋白質は、どんな方法でも、系統的にまたは局所的に投与することができ、対象を病気または不都合な状態から保護する。例えば、この種の組成物を非経口投与、巨丸剤注入または逐次灌流によって投与することができる。代わりに、または同時に、経口投与することができる。適当な摂生は有効量の蛋白質の投与からなり、時間、日、月、または年の期間にわたる1回の投与または複数回の投与で行われる。
【0077】
本発明の蛋白質の適当な投与量は受容者の年齢、性別、健康、および体重、同時治療の種類、あるいは、治療回数、および望まれる効果に依存する。しかしながら、最も好ましい投与量は、当業者によって理解され決定できるので、この分野で知られている方法で投与量を調整して過度の実験をすることなく、各対象に合わせて調整することができる。
【0078】
蛋白質を含む薬剤の臨床前および臨床時のテスト方法は、例えば、ベルコウらのThe Merck Manual,15th edition,Merck and Co.,Rahway,N.J.,1987; グッドマンら著のGoodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th edition,Pergamon Press,Inc.,Elmsford,N.Y.,(1990); Avery’s Drug Treatment: Principles and Practice of Clinical Pharmcology and Therapeutics,3rd edition,ADIS Press,LTD.,Williams and Wilkins,Baltimore,MD.(1987),エバジのPharmacology,Little,Brown and Co.,Boston,(1985)、これらの文献および引用された文献は、ここに参考文献として組み込まれる。
【0079】
ここに開示した蛋白質の他に、製薬組成物は製薬学的に受入られる担体、賦形薬、または補助薬を含む。例えば前記各文献を参照。
【0080】
インヴィトロ診断方法および試薬
本発明の蛋白質はインヴィトロで、プラスミンを含む任意適当な試料に応用して存在するプラスミンを測定することができる。このようにするため、アッセイは存在するプラスミンの分量に依存する検出できるシグナルを与えるシグナル生成システム(SPS)を含まなければならない。シグナルは視覚であるいは機械で検出される。可能なシグナルは着色、螢光、または発光生成物の生成、アッセイ成分または製品による発光の吸収または放射の特性の変更、および成分または製品の沈澱または凝集を含む。
【0081】
診断試薬と最も密接に結合するSPSの成分は「標識」と呼ばれる。標識は、例えば、放射性同位元素、螢光団、酵素、補酵素、酵素基質、電子密集化合物、または凝集性粒子である。放射性同位元素は、例えば、γカウンターまたはシンチレーションカウンターを使用して、またはオートラジオグラフィーによって検出できる。特に有用な同位元素はH、125I、131I、35S、14C、および、好ましくは125Iである。また化合物を螢光化合物で標識を付けることもできる。螢光による標識を付けた化合物は適当な長さの光に露光させ、その存在を検出することができる。最も普通に使用される螢光標識化合物はフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、およびフルオレサミンである。代わりに、螢光放出金属、例えば125Euまたは他のランタナイドを、ジエチレントリアミン五酢酸またはエチレンジアミン四酢酸のような金属キレート基を用いて結合蛋白質に結合させる。また蛋白質は化学ルミネセンス化合物、例えばルミノール、イソルミノール、theromaticアクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩、およびオキザレートエステルにカップリングすることによって検出できるように標識を付けることができる。同様に、生物発光化合物、例えばルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンを使用して結合蛋白質に標識を付けることができる。生物発光蛋白質の存在は発光の存在を検出して決定される。酵素標識、例えば西洋ワサビパーオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼが好ましい。
【0082】
2つの基本タイプのアッセイがある:異種および同種。異種アッセイでは、分析物への類縁分子の結合は標識に影響を与えない;従って、分析物の分量を決定するため、結合した標識を遊離標識から分離しなければならない。同種アッセイでは、相互作用は標識の活性に影響を与え、分析物は分離しないで測定することができる。
【0083】
一般に、プラスミン結合蛋白質(PBP)は、抗プラスミン抗体を使用する同じ方法で診断に利用することができる。従って、アッセイ形式によって、または、競合阻害によって、プラスミンを結合する他の物質によって、プラスミンをアッセイするために使用することができる。
【0084】
通常試料は生物学的流体、例えば血液、尿、リンパ液、精液、乳、または脳脊髄液、またはそれらの誘導体、または生物学的組織、例えば組織切片または均等質である。試料は何でもよい。試料が生物学的流体または組織であるならば、ヒトまたは他の哺乳動物、脊椎動物または動物、または植物から取り出すことができる。好ましい試料は血液、またはその断片または誘導体である。
【0085】
1つの好適例では、プラスミン結合蛋白質(PBP)を固定化し、試料中のプラスミンを既知量の標識を付けたまたは特異的に標識を付けたプラスミン類似体を競合させる。「プラスミン類似体」はプラスミンそれ自体を含むPBPに結合するためのプラスミンと競合できる分子である。前に標識を付けてもよく、または標識をプラスミンからプラスミン類似体を区別する部分に特異的に結合することによって後で標識を付けてもよい。相を分離して、一つの相の中の標識を付けたプラスミン類似体を定量する。
「サンドウイッチアッセイ」では、不溶化プラスミン結合剤(PBA)、および標識PBAの両方を用いる。プラスミン分析物は不溶化PBAによって捕捉され、標識PBAによって標識を付けられ、第三コンプレックスを形成する。試薬を任意の順番で試料に添加することができる。PBAsは同じかまたは異なり、1つだけのPBAは本発明によるPBPでなければならない(他のPBAは例えば、抗体であってもよい)。第三コンプレックスの標識を付けたPBAの量は試料中のプラスミンの量に正比例する。
【0086】
上述の2つの好適例は両方とも異種アッセイである。同種アッセイはPBPをプラスミンに結合して標識が影響を受けることだけが必要である。プラスミン阻害剤を診断試薬として使用するならばプラスミン分析物はそれ自体標識として働くことができる。
【0087】
標識は直接または間接に(例えば、標識を付けた抗PBP抗体を介して)、共有結合的に(例えば、SPDPを用いて)または非共有結合的に、プラスミン結合蛋白質に結合させることができ、診断試薬を生成する。同様にプラスミン結合蛋白質は固相支持体に結合し固相(「捕獲」)診断試薬を生成する。適当な支持体はガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、およびマグネタイトを含む。本発明の目的のために、担体はある程度まで溶解でき、または溶解しない。支持体材料は結合した分子がプラスミンを結合できる限りどんな構造でもよい。
【0088】
インヴィヴォ診断用途
プラスミンに緊密に結合するクニッツドメインはインヴィヴォ映像のために使用できる。病巣の診断映像はモノクローナル抗体のための最大の商業的好機の一つと考えられたが、この好機は達成されなかった。かなり努力したにもかかわらず、2種のモノクローナル抗体を基礎とした映像剤のみが認められた。モノクローナル抗体を用いて得られるこの失望させられる結果は大部分次の理由による: i)不十分な親和力および/または特異性;
ii)標的部位への弱い浸透;
iii)非標的部位からの遅いクリアランス;
iv)免疫原性(大部分はネズミ);および v)高い生成コストおよび低い安定性。
【0089】
これらの制限が診断映像分野においてペプチドを基礎とした映像剤の開発の開始へと最も導かれた。弱い浸透と遅いクリアランスの問題を潜在的に解決すると同時に、ペプチドを基礎とした映像剤は十分な親和力、特異性およびインヴィヴォ安定性を有し最も応用に有効である。
【0090】
製作された蛋白質は映像剤としての要求に非常に適している。特に、既知のインヴィヴォクリアランス率と機構を有する小さく安定なヒト起源蛋白質ドメインを工学技術によって得られる異例の親和力と特異性は、初期の、さらに信頼性のある結果、小さい毒性/副作用、さらに低い生産と貯蔵のコスト、および標識調製のさらに大きい便利さに加わる。実際に、工学処理された蛋白質映像剤を用いて実時間の映像のゴールを達成できる必要がある。プラスミン結合蛋白質、例えば、SPI11は内出血の部位を制限するために用いられる。
【0091】
放射性同位元素の標識を付けた結合蛋白質は、ヒトまたは動物の対象に投与できる。次の動的および/または静的映像に適当な放射性同位元素検出装置を用いることができるように、一般に注射、例えば、静脈注射または動脈注射または十分な量の投与手段によって投与は行われる。投与量は診断に有効な映像を与えることができる最少量であり、既知の放射性同位元素映像剤をガイドとして用いるこの分野で普通の手段で決定することができる。
【0092】
一般に、映像は対象の全体で、または健康状態または検討される病気に関連した身体または器官の一部で行われる。放射性同位元素結合蛋白質は蓄積した。関連する標的器官で時間で所定点にて蓄積された放射性同位元素の標識を付けた結合蛋白質の量を次に定量することができる。
【0093】
特に適当な放射性同位元素検出装置はシンチレーションカメラ、例えばγカメラである。カメラでの検出装置は放射性崩壊を検知し、記録し、(そして任意にディジタル化する)。デジタル化した情報は任意の適当な方法で分析することができ、その多くはこの分野で知られている。例えば、時間−放射性分析は、時間と共に標的器官によって、放射性同位元素の標識を付けた結合蛋白質のクリアランスによる取り込みを示すことができる。
【0094】
適当な放射性同位元素を選ぶ際に種々の因子を考慮に入れる。アイソトープを選ぶには、映像の際に解像度を良い品質にする、ヒトや動物の診断用に安全である、そして好ましくは、身体に受ける放射線の分量を減らすように半減期が短いことである。使用する放射性同位元素は好ましくは製薬学的に不活性であり、投与量には実質的に生理学的効果をもたせない。結合蛋白質は異なる沃素アイソトープ、例えば、123I、125Iまたは131I(例えば米国特許4,609,725参照)を用いて放射性同位元素標識を付けることができる。標識の分量は適当にモニターされる必要がある。
【0095】
ヒト対象に応用する際には、身体の全暴露量を減らし、標識分子の検出可能性を最適にするため、標識用の125Iとは別のラジオアイソトープを使用することが望ましい。ヒトに使用するため臨床的に入手できることを考慮すると、好ましい放射性同位元素の標識は次のものを含む:99mTc、67Ga、68Ga、90Y、111In、113mIn、123I、186Re、188Reまたは21At。放射性同位元素の標識を付けた蛋白質は種々の方法で調製することができる。これらはクロラミン−Tまたはラクトパーオキシダーゼ法による放射性同位元素ハロゲン化、および続く高圧液体クロマトグラフィーによる精製を含む、例えば、GutkowskaらのEndocrinology and Metabolism Clinics of America: (1987)16(1):183参照。
放射性同位元素標識の他の方法は、例えばIODOBEADS(登録商標)を使用することができる。
【0096】
放射性同位元素標識蛋白質は、活性剤を哺乳動物の薬剤の作用部位に到達するようにする任意の手段によって投与することができる。蛋白質は経口投与するとき消化されてしまうので、非経口投与、すなわち、静脈内の皮下注射、筋肉内注射が通常吸収を最適にするために使用される。
【0097】
他の用途
本発明のプラスミン結合蛋白質はまたプラスミンを流体、例えば血液から精製するために使用することができる。このために、PBPは好ましくは不溶性支持体に固定化される。このような支持体は固相診断試薬を調製する際に有用なものとして既に記述されたものを含む。
【0098】
蛋白質は、蛋白質の分離または精製の際の表示のために分子量マーカーとして使用することができる。蛋白質は分子量マーカーとして使うように変性されることが必要である。蛋白質の第二の一般的効用は加水分解した蛋白質を栄養源として使用することである。蛋白質はまた溶液の粘度を上げるために使用することもできる。
【0099】
本発明の蛋白質は上記の目的のいずれにも、またさらにこの明細書の初めに議論したような治療および診断の目的にも使用することができる。
【0100】
ペプチドの調製
化学的ポリペプチド合成はこの分野で急速に展開している領域であり、固相ポリペプチド合成の方法は次の文献に良く記述されているので、これらを参考文献として組み込む。(Merrifield,J Amer Chem Soc 85:2149−2154(1963); Merrifield,Science 232:341−347(1986); Wade et al.,Biopolymers 25:S21−S37(1986); Fields,Int J Polypeptide Prot Res 35:161(1990); MilliGen Report Nos.2 and 2a,Millipore Corporation,Bedford,MA,1987)Ausubel et al,同上,and Sambrook et al,同上。タンとカイザーは(Biochemistry,1977,16:1531−41)18年前にBPTIと相同体を合成した。
【0101】
この分野で知られているように、この種の方法は反応性機能基、例えば遊離アミノ、カルボキシルおよびチオ基をブロッキングしまたは保護することを含む。
ポリペプチドボンドを形成後、保護基を除去する。従って、各アミノ酸残基の添加は保護および脱保護のための幾つかの反応工程を必要とする。最近の方法は固相合成を利用し、C−末端アミノ酸を、濾過できる不溶性樹脂粒子に共有結合させる。反応物は、自動化機械を用いて樹脂粒子を適当な溶媒で洗浄して除く。「tBoc」法および「Fmoc」法を含めて種々の方法がこの分野では良く知られている。特に、Atherton et al.,Chem Soc Perkin Trns :538−546(1981)および Sheppard et al.,Int J Polypeptide Prot Res 20:451−454(1982)参照。
【0102】
実施例
実施例1:LACI(K1)ライブラリーの構築
NsiI−およびMluI−適合化末端をもつ合成オリゴヌクレオチド二本鎖DNA分子を、上記2個の酵素で予め開裂した親ベクター(LACI−K1::III)にクローンした。得られた連結物質をXLIMR(F)E.coli株に電気穿孔法によりトランスフェクションし、アンピリシン(Ap)プレートで培養し、ファージ発生Apコロニーを得た。段階1に対する斑図はP1領域に集中し、残基13、16、17、18および19に影響を及ぼした。6.6×10の異なるDNA配列(3.1 ×10の異なる蛋白質配列)を見込んだ。得られたライブラリーは1.4 ×106の独立したcfu’sからなり、ライブラリー全体のほぼ二倍の表示である。この培養から生成したファージストックは約3.9ml中に1.4×1013のpfu’sの全滴定量を与え、平均で、全体で1×107そしてファージストックml当たり2.6×10倍の各独立したクローンが表示された。
【0103】
残基31、32、34および39(段階II)の斑を与えるため、MluI−およびBstEII−適合化末端を用いた合成オリゴヌクレオチド二本鎖DNA分子を、次の1つから誘導された予め開裂したRDNAにクローニングをした。
i)親構築物、 ii)段階Iライブラリー、または iii)所定の標的に結合する第一の段階から選択された表示ファージ。
【0104】
段階IIのための斑図は、残基31、32、34および39にて変更による4096の異なるDNA配列(1600の異なる蛋白質配列)を見込んだ。最後の段階IIの斑は、段階Iにおいて所定の標的を用いる3ラウンドの結合と溶離に続いて残っている斑の水準に依存する。
【0105】
両段階について合わせた可能な斑は2.7×10の異なるDNA配列または5.0×107の異なる蛋白質配列に等しい。予め選択した表示ファージは、段階IIの斑に対してRDNAの起源として使用され、最後の斑の水準は恐らく10ないし10の範囲内であろう。
【0106】
実施例2:プラスミンに結合するためのLACI−K1ライブラリーのスクリーニング プラスミンに結合するLACI−K1変異体を選択するための全体図は、緩衝液中(1mg/ml BSA含有PBS)のプラスミン−ビーズ(Calbiochem,San Diego,CA;カタログ番号527802)でファージ表示ライブラリーをインキュベーションし、結合せず不十分に保持された表示ファージ変異体を 0.1% Tween 20 を含有するPBSで洗浄することを含む。さらに強く結合した表示ファージは低いpHの溶離緩衝液、一般には1mg/ml BSA含有のクエン酸緩衝液(pH2.0)で溶離し、直ちにトリス緩衝液でpH7.5 まで中和する。この工程は選択の1ラウンドを構成する。
【0107】
中和した溶離表示ファージは次のいずれにも使用できる:
i)E.coliのF株を植付けて新しい表示ファージストックを生成し、選択の次のラウンドに使用する(いわゆる従来のスクリーニング)、または
ii)プロテアーゼビーズを用いて選択の他の直接のラウンドに直接使用する(いわゆるクイックスクリーニング)。
【0108】
一般に、いずれかの方法の3ラウンド、または2つの組合せが、最終の選択された表示ファージを生じるように行われ、そこから代表する数に配列分析をして、表示ファージのプールとしてまたは各クローンとして結合性を分析する。
【0109】
LACI−K1ライブラリーについて、選択の2段階が行われ、各々は結合と溶離の3ラウンドからなる。クローンの副次集団を生じるプラスミンに対して結合と溶離の3ラウンドを通過した段階Iライブラリー(斑入り残基13、16、17、18、および19)を、段階I選択は使用した。この選択した副次集団から誘導されたRfDNAを使用して段階IIライブラリー(斑入り残基31、32、34および39の追加)を生成した。約5.6×10の独立した形質転換細胞が得られた。最終選択を起こす同じ標的プロテアーゼを用いて結合と溶離のさらに3ラウンドを、段階IIライブラリーは受けた。
【0110】
プラスミン−アガロースビーズに対する選択の2段階に続いて、最終選択表示ファージの代表的な数(16)に配列分析をした。表2はアパーケースで斑入りの位置で選択されたアミノ酸を用いて選択されたLACI−K1ドメインの配列分析を示す。残基P13、A16、R17、F18、およびE19の絶対的選択に注意。Eに対して31およびQに対して32での選択が非常に強い。34では一致がない;観察されたアミノ酸は{T3、Y2、H2、D、R、A、V2、I3、およびL}である。
Cβ(T、I、およびV)で分枝する側鎖基をもつアミノ酸は多様に表され好ましい。位置39では、強い一致はない(G、D、Q、A、R、F、E)が、G、D、Q、およびAは好ましく見える(この順で)。
【0111】
プラスミンに対するLACI−K1ライブラリーの単独のスクリーニングは16の配列分析をした選択された表示ファージから非常に似ている一致を与えた。これらの配列を表3に示す(上の場合の選択された残基)。これらの配列はEが位置19で優勢である表2のものからはずれており。T、V、またはSの34(T、V、S、I、L、A、F)にて一致している。2組を合わせると、T、V、I、S、A、H、Y、およびLに対し(優先の順で)優先し、F、D、およびRが許される。
【0112】
発現、精製および動力学的分析
3単離物QS4、ARFK#1、およびARFK#2を酵母発現ベクターに再クローンした。酵母発現ベクターはpMFアルファ8(KURJ82およびMIYA85)から誘導した。LACI変異体遺伝子はmatα1遺伝子の部分に融合し、matα1プロモーター−シグナルペプチドおよびLACI変異体にシークェンス融合されたリーダーからなるハイブリッド遺伝子を生成した。クローニング部位を表24に示す。特に、正しく処理したLACI−K1変異体蛋白質は表2および3に詳述するように、N−末端metに残基glu−ala−ala−gluを付加する(表2および表3の残基1)。S.cerevisiae の発現は媒質1リットル当たり500μg収率のプロテアーゼ阻害剤を与える。酵母発現LACI(クニッツドメイン1)、BPTIおよびLACI変異体:QS4、ARFK#1およびARFK#2はトリプシンアガロースビーズを用いるアフィニティクロマトグラフィーによって精製した。
【0113】
最も好ましい生成ホストはアルコールオキシダーゼ装置を用いるPichia pastoris である。他のものは酵母 Pichia pastoris に多くの蛋白質を生成した。例えば、ヴェドヴィックら(VED91)およびワグナーら(WAGN92)は
【数1】

で培養基に分泌蛋白質としてメタノールによって誘導したアルコールオキシダーゼプロモーターからアプロチニンを生成した。グレッグら(GREG93)
はP.pastoris で多くの蛋白質の生成を検討した。GREG93の表1はP.pastoris に生成した蛋白質および収率を示す。
【0114】
動力学的データー
阻害剤の量を変えて 2.5×10−8Mでプラスミンによるスクシニル−Ala−Phe−Lys−(FAc)AMC(メチルクマリン)(Sigma Chemical,St.Louis,Mo.)の加水分解の阻害は、最少二乗法により密着結合基質に対する標準型に合っていた。2個のARFK変異体の予備動力学的分析はQS4変異体のそれに非常に良く似た阻害活性を示した。これらの測定は親和力が血液中の蛋白質の作用に関連しているように生理的な量の塩(150mM)で行った。
表23はQS4がヒトプラスミンの非常に特異的阻害剤であることを示す。LACI−K1誘導体QS4を表示するファージは他のプロテアーゼ標的に結合するよりも少なくとも50倍プラスミンビーズに結合する。
【0115】
プラスミンのための新しいライブラリー
M13 gIIIpに表示され表5に示される相違点を含むLACI−K1ドメインの新しいライブラリーはプラスミン結合のために作成され分離された。表6は選択され一致した配列を示す。我々はクローンによる純ファージのBPTI表示ファージへの結合と比較して、選択された蛋白質の結合を特徴づけた。単離体11、15、08、23、および22はBPTIファージよりも優れている。我々は可溶性SPI11(選択されたプラスミン阻害剤♯11)を生成し、その阻害活性を試験し、BPTIよりも少なくとも二倍良い88pMのKを得た。このようにして、選択したSPI15、SPI08、およびSPI22はBPTIよりもはるかに優れており、SPI23がBPTIとほぼ同じ有効性がある。リストにあげた蛋白質はすべてBPTIよりもヒト蛋白質アミノ酸配列に非常に近く、免疫原性に対してポテンシャルが小さかった。
【0116】
米国および外国の特許または特許出願、および未特許の開示物を含めて、ここに全文献の全体を参考文献として組み込む。



























































【特許請求の範囲】
【請求項1】
表4に示されるSPI11、SPI15、SPI08、SPI23、SPI51、SPI47、QS4、およびNS4から成る群から選択される参照配列の残基5ないし55に実質的に相同であるアミノ酸配列からなるプラスミン阻害蛋白質。
【請求項2】
表4に示されるSPI11、SPI15、SPI08、SPI23、SPI51、SPI47、QS4、およびNS4から成る群から選択される参照配列と比較して、配列が残基10−21および31−39で同一であり、残基5−9、22−30、および40−55で5以下の異なる配列を有する請求項1記載の蛋白質。
【請求項3】
前記蛋白質がBPTIを参照して残基数をもつ表14に示される要求に合うクニッツドメインからなり、そして前記蛋白質がクニッツドメイン位置12−21および32−39にて表15のその位置に対して挙げたアミノ酸タイプの1つを有し、前記クニッツドメインの配列が、BPTIの配列に対する前記クニッツドメインのアミノ酸配列よりも、SPI11、SPI15、SPI08、SPI23、SPI51、SPI47、QS4、NS4、ヒトLACI−K2、ヒトLACI−K3、ヒトコラーゲンα3KuDom、ヒトTFPI−2ドメイン1、ヒトTFPI−2ドメイン2、ヒトTFPI−2ドメイン3、ヒトITI−K1、ヒトITI−K2、ヒトプロテアーゼネキシン−II、ヒトAPP−I、DPI−1.1.1、DPI−1.1.2、DPI−1.1.3、DPI−1.2.1、DPI−1.3.1、DPI−2.1、DPI−3.1.1、DPI−3.2.1、DPI−3.3.1、DPI−4.1.1、DPI−4.2.1、DPI−4.2.2、DPI−4.2.3、DPI−4.2.4、DPI−4.2.5、DPI−5.1、DPI−5.2、DPI−6.1、DPI−6.2の群から選択された参照配列にアミノ酸配列がさらに似ている、プラスミン阻害蛋白質。
【請求項4】
残基18がPheであり、残基15がArgであり、残基16がAlaであり、そして残基17がArgである請求項3記載の蛋白質。
【請求項5】
前記蛋白質が100pM以下のヒトプラスミンに対するKiを有する請求項1たは3記載の蛋白質。
【請求項6】
そこから利益を得るヒトまたは動物の対象に対して、請求項1または3記載の蛋白質のプラスミン阻害量を投与することからなる過剰のプラスミン活性に帰する障害を防止または治療する方法。
【請求項7】
標識しまたは不溶化した形態で請求項1または3記載の蛋白質を提供し、前記蛋白質と試料中のプラスミンのコンプレックスが形成されるかどうかを決定することから成るプラスミンに対するアッセイ方法。
【請求項8】
混合物を請求項1または3記載の蛋白質または類似体と、不溶化形態で接触させ、プラスミンを結合させてなる混合物からプラスミンを精製する方法。
【請求項9】
親のクニッツドメインがヒト起源であり、蛋白質がヒトプラスミンを約300ピコモル以下のKiで阻害する請求項3記載の蛋白質。
【請求項10】
蛋白質が表15に示される各位置で表15におけるその位置に対して示されるアミノ酸タイプを有する請求項3記載の蛋白質。
【請求項11】
約100pM以下のKiを有するプラスミン阻害蛋白質。

【公開番号】特開2012−111779(P2012−111779A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−44051(P2012−44051)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【分割の表示】特願2008−295610(P2008−295610)の分割
【原出願日】平成7年1月11日(1995.1.11)
【出願人】(500214439)
【氏名又は名称原語表記】DYAX CORP.
【Fターム(参考)】