説明

クライアントコンピュータ、プログラマブル表示器、データ表示システムおよびそれらのプログラム

【課題】クライアントコンピュータにおいて、プログラマブル表示器と同じ画像を表示しながら、プログラマブル表示器と異なるデータを表示する。
【解決手段】相互に通信可能なプログラマブル表示器2およびクライアントコンピュータ3は、同じ画像を表示する。プログラマブル表示器2では、作業メモリ28に記憶されている機器IDで特定されるPLC5(例えば[PLC1])から取得されたデータを画像に表示する。一方、クライアントコンピュータ3では、作業メモリ35に記憶されている機器ID(作業メモリ28の機器IDと異なる値)で特定されるPLC5(例えば[PLC2])から取得されたデータをプログラマブル表示器2から得て画像に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブル表示器と相互に通信可能に接続され、プログラマブル表示器に表示される画像と同じ画像を表示するように構成されたクライアントコンピュータに関し、さらには、プログラマブル表示器、当該クライアントコンピュータおよびプログラマブル表示器を備えるデータ表示システムおよびそれらのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プログラマブル表示器は、画像を表示するスクリーンと、タッチ入力のためのタッチパネルと、接続される機器との通信のためのインターフェースと、上記の各部を制御する制御部とを備えている。このようなプログラマブル表示器は、スクリーンに表示される画像上で機器の稼働状況を表したり、機器に対する制御指示を与えるための操作入力をスクリーン上のタッチパネルから受け付けたりする機能を備えた操作型表示器である。
【0003】
一般に、プログラマブル表示器は、グラフィック表示機能を有するので、操作盤、スイッチ、表示灯等を予め用意された画像上で表示することができ、制御システムにおける操作端末としての役割を果たす。制御システムにおいて、各機器の稼働状況などの表示や機器への制御指示は、機器付近に配置されたプログラマブル表示器によって行われる。
【0004】
上記のようなプログラマブル表示器には、プログラマブル表示器が設置された現場から離れた場所でプログラマブル表示器に表示される画像をパーソナルコンピュータ(PC)に表示させ、その画像に対してPCにより操作する遠隔監視の機能を有するものがある。例えば、特許文献1には、参加局としてネットワークに接続されたプログラマブル表示器やPCに、各参加局の動作状況を表す画像を表示させるネットワーク制御システムが記載されている。各参加局では、上記の画像に設けられるボタンを操作することにより、画像上に各参加局間のネットワーク状況が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−53743(2006年2月23日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のネットワーク制御システムでは、PCには、プログラマブル表示器に表示された画像と同じ画像しか表示できない。このため、プログラマブル表示器が、あるPLCに接続された機器についての画像を表示しているとき、当該PLCと異なるPLCに接続された同種の機器についての画像をPCに表示させることができない。
【0007】
このため、同様な画像を複数作成する必要があり、そのための工数が多くなる。また、プログラマブル表示器において画像を記憶するためのメモリの容量を多く消費することになり、他の画像の記憶容量が減少してしまう。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クライアントコンピュータにおいて、プログラマブル表示器と同じ画像を表示しながら、プログラマブル表示器と異なるデータを表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るクライアントコンピュータは、プログラマブル表示器と相互に通信可能に接続され、前記プログラマブル表示器に表示される画像と同一の画像を前記プログラマブル表示器から取得して表示し、前記プログラマブル表示器に接続されている複数の接続機器のいずれかより取得したデータを前記画像に表示するようにしたクライアントコンピュータにおいて、上記課題を解決するために、前記プログラマブル表示器が当該プログラマブル表示器に設けられる表示器側内部メモリに記憶された表示器側IDで特定した、前記接続機器のうちの1つと通信して取得した前記データを前記画像に表示するとき、前記接続機器のうちの他の1つを特定するためにクライアントコンピュータで設定されるクライアント側IDを所定のアドレスに記憶するクライアント側内部メモリと、前記プログラマブル表示器が前記クライアント側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記プログラマブル表示器に要求して取得するクライアント手段と、前記クライアント手段によって取得した前記データを前記画像に表示するクライアント側表示処理手段とを備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明に係るプログラマブル表示器は、複数の接続機器のいずれかより取得したデータを画像に表示するプログラマブル表示器であって、当該画像と同一の画像をプログラマブル表示器から取得して表示するクライアントコンピュータと相互に通信可能に接続されたプログラマブル表示器において、上記課題を解決するために、前記接続機器のうちの1つを特定するためにプログラマブル表示器で設定される表示器側IDを所定のアドレスに記憶する表示器側内部メモリと、前記表示器側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記画像に表示する表示器側表示処理手段と、前記接続機器のうちの他の1つを特定するためにクライアントコンピュータで設定されるクライアント側IDを所定のアドレスに記憶するクライアント側内部メモリと、プログラマブル表示器が前記クライアント側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記画像に表示するクライアント側表示処理手段とを備えた前記クライアントコンピュータからの要求に応じて、前記データを前記クライアントコンピュータに送信するサーバ手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係るデータ表示システムは、相互に通信可能に接続されたプログラマブル表示器とクライアントコンピュータとを備え、前記クライアントコンピュータが前記プログラマブル表示器に表示される画像と同一の画像を前記プログラマブル表示器から取得して表示し、前記プログラマブル表示器に接続されている複数の接続機器のいずれかより取得したデータを前記画像に表示するようにしたデータ表示システムにおいて、上記の課題を解決するために、前記プログラマブル表示器が、前記接続機器のうちの1つを特定するために前記プログラマブル表示器で設定される表示器側IDを所定のアドレスに記憶する表示器側内部メモリと、前記表示器側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記画像に表示する表示器側表示処理手段とを備え、前記クライアントコンピュータが、前記接続機器のうちの他の1つを特定するために前記クライアントコンピュータで設定されるクライアント側IDを所定のアドレスに記憶するクライアント側内部メモリと、前記プログラマブル表示器が前記クライアント側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記プログラマブル表示器に要求して取得するクライアント手段と、前記クライアント手段によって取得した前記データを前記画像に表示するクライアント側表示処理手段とを備え、さらに、前記プログラマブル表示器が、前記クライアントコンピュータの前記クライアント手段からの要求に応じて、前記データを前記クライアントコンピュータに送信するサーバ手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
上記のいずれの構成でも、プログラマブル表示器では、表示器側内部メモリに記憶されている表示器側IDで特定される接続機器から取得されたデータが、表示器側表示処理手段により画像に表示される。一方、クライアントコンピュータでは、クライアント手段がプログラマブル表示器に対してデータを要求する。プログラマブル表示器では、この要求を受けて、クライアント側内部メモリに記憶されているクライアント側IDで特定される他の接続機器から取得されたデータが、サーバ手段からクライアントコンピュータに送信され、クライアント側表示処理手段により画像に表示される。
【0013】
これにより、プログラマブル表示器とクライアントコンピュータとが同じ画像を表示していながら、それぞれの画像上に異なるデータを表示することができる。これは、プログラマブル表示器において表示器側IDを記憶する一方、クライアントコンピュータにおいてクライアント側IDを記憶しており、それぞれのIDで間接的に異なる接続機器を指定しているからである。それゆえ、接続機器のデータを表示するために共通の1つの画像を用意するだけでよい。
【0014】
本発明のクライアントプログラムは、前記クライアントコンピュータにおける前記クライアント側表示処理手段および前記クライアント手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。このように、クライアントプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることにより、クライアントコンピュータを実現することができる。
【0015】
本発明のサーバプログラムは、前記プログラマブル表示器における前記表示器側表示処理手段および前記サーバ手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。このように、サーバプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることにより、プログラマブル表示器を実現することができる。
【0016】
本発明のデータ表示プログラムは、前記データ表示システムにおける前記表示器側表示処理手段、前記クライアント側表示処理手段、前記クライアント手段および前記サーバ手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。このように、データ表示プログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることにより、データ表示システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るクライアントコンピュータ、プログラマブル表示器およびデータ表示システムは、以上のように構成されているので、画像を作成するための工数を大幅に削減することができるとともに、画像を記憶するためのメモリ容量を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】上記プログラマブル表示器においてPLCを切り替えてデータを表示する処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】上記制御システムにおける上記プログラマブル表示器とクライアントコンピュータとの間の通信処理を示す遷移図である。
【図4】同期モードおよび非同期モードにおける上記クライアントコンピュータの動作を示すフローチャートである。
【図5】同期モードおよび非同期モードにおける上記プログラマブル表示器および上記クライアントコンピュータの動作を示す図である。
【図6】(a)ないし(c)は上記制御システムのプログラマブル表示器において、接続機器としての温度調節器を切り替えて、単一の温度モニタ画像に当該温度調節器の温度データを表示する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すると、以下の通りである。
【0020】
〔1.制御システムの構成〕
図1に示すように、本実施形態に係る制御システム1(データ表示システム)は、プログラマブル表示器2と、クライアントコンピュータ3と、ネットワーク4と、複数のプログラマブルロジックコントローラ5(以降「PLC5」と称する)と、複数の機器6とを備えている。
【0021】
プログラマブル表示器2は、ネットワーク4を介してクライアントコンピュータ3と接続されている。ネットワーク4は、共通の通信プロトコル(共通通信プロトコル)で通信を行うことが可能なイーサネット(登録商標)などからなるローカルエリアネットワーク(LAN(Local Area Network))やインターネットを含むような通信ネットワークである。
【0022】
〔1−1.PLCの構成〕
PLC5は、機器6で発生したデータを取り込むとともに、機器6に制御指示(動作指令や設定値)を与える。PLC5は、ユーザが作成したシーケンスプログラム(ラダープログラムなど)にしたがって、例えば、数十msなどの予め定められたスキャンタイム毎に上記の動作を行う。PLC5は、プログラマブル表示器2とシリアル通信あるいはネットワーク通信を行う。
【0023】
PLC5内のメモリ51は、機器6の状態(機器6のデータや機器6への設定値)を示すデータ(ワードデータやビットデータ)を、デバイスアドレスで特定される領域に記憶している。上記メモリ51において、ワードデバイスとビットデバイスとが設定される。ワードデバイスは、入出力されるデータが数値のようなワードデータを記憶する領域として設定され、ワードアドレス(デバイスアドレス)で指定される。また、ビットデバイスは、オン・オフ状態のようなビットデータを記憶する領域として設定され、ビットアドレス(デバイスアドレス)で設定される。これにより、デバイスアドレスを指定してメモリ51の任意のワードデバイスまたはビットデバイスをアクセスすることで、機器6を制御したり、機器6のデータを個別に取り出したりすることができる。
【0024】
機器6としては、温度調節器やインバータのようなコントローラが用いられる。また、機器6としては、ワードデータの取得が可能なセンサ(温度センサ、光センサなど)や、ビットデータの取得が可能なスイッチ(押ボタンスイッチ、リミットスイッチ、圧力スイッチなど)のようなデバイスが用いられる。
【0025】
〔1−2.プログラマブル表示器の構成〕
〔1−2−1.プログラマブル表示器の基本機能〕
プログラマブル表示器2は、各機能を実現するHMI制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing Unit)を備えている。また、プログラマブル表示器2は、HMI制御プログラムを記憶したROM(Read 0nly Memory)、HMI制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、HMI制御プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。
【0026】
このプログラマブル表示器2は、入力操作および表示に用いる画像データを表示することにより、プログラマブル表示器特有の操作機能および表示機能を実現する専用コンピュータであり、HMI機器として好適に使用される。上記の画像データは、入力操作や表示動作に関する各種の処理を規定する処理規定情報を組み合わせて作成される。プログラマブル表示器2は、このような画像データに含まれる処理規定情報に基づいて、機器6のデータを表示する動作や、入力操作に応じて機器6を制御する動作を特定することができる。
【0027】
〔1−2−2.プログラマブル表示器の各部の構成〕
プログラマブル表示器2は、上記の機能を実現するために、HMI処理部21と、スクリーン22と、タッチパネル23と、インターフェース部(図中、I/F)24,25と、データメモリ26と、ユーザメモリ27と、作業メモリ28とを備えている。以下、プログラマブル表示器2の主要各部について詳細に説明する。
【0028】
〔1−2−2(1).表示・入力部の構成〕
表示部を構成するスクリーン22は、プログラマブル表示器2を薄型に形成するために、液晶パネルや、ELパネルや、プラズマディスプレイパネルのような平板型表示パネルが好適に用いられる。入力部を構成するタッチパネル23は、スクリーン22の表示面上でタッチ入力を行うために設けられている入力装置である。
【0029】
〔1−2−2(2).インターフェース部の構成〕
インターフェース部24は、プログラマブル表示器2がクライアントコンピュータ3との間の通信を行うための通信制御部であり、ネットワーク4に接続されている。このインターフェース部24は、クライアントコンピュータ3のIPアドレスに基づくネットワーク通信を行うことができるように構成される。
【0030】
一方、インターフェース部25は、プログラマブル表示器2がPLC5との間の通信を行うための通信制御部である。このインターフェース部25は、PLC5がシリアル通信を行う機種である場合にシリアル通信制御を行う一方、PLC5がネットワーク通信を行う機種である場合にネットワーク通信制御を行うように構成されている。インターフェース部25は、シリアル通信制御を行う場合、PLC5のメーカや機種に応じた通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0031】
〔1−2−2(3).各種メモリの構成〕
(a)データメモリ
データメモリ26は、SRAMやDRAMによって構成されており、機器6から得たデータやプログラマブル表示器2で発生した操作ログデータなどのデータを記憶している。データメモリ26は、このように異なる種類のデータを記憶することから、必ずしも単一のメモリで構成される必要はない。データメモリ26は、例えば、データの種類に応じて異なる種類のメモリで構成されたり、同一のメモリであってもデータの種類に応じて記憶領域を異ならせたりすることが好ましい。
【0032】
(b)ユーザメモリ
ユーザメモリ27は、画像データ、機器設定データなどを記憶するためのメモリであり、FEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)が用いられる。FEPROMは、書き替え可能な読み出し専用のフラッシュメモリであるので、一般のパーソナルコンピュータにおけるハードディスクドライブの役割を果たす。フラッシュメモリは、可動部を持たず、かつ衝撃に強いので、劣悪な周囲環境でも安定して動作する。
【0033】
〈画像データ〉
画像データは、プログラマブル表示器2に表示される1つ以上のユーザ画像(1フレーム分の画像データによって構成される単位画像)のデータをまとめた画像ファイルである。画像データは、通常、ターゲットシステムやターゲットシステムで製造される製品などに応じた一連の関連する複数の画像データがひとまとまりのプロジェクトファイルとして用意される。プロジェクトファイルは、画像データに関連する機器設定データ等を含んでおり、画像作成ソフトウェアによって作成される。このプロジェクトファイルは、画像作成ソフトウェアがインストールされたパーソナルコンピュータからプログラマブル表示器2に転送される。
【0034】
また、画像データは、ベース画像上への部品画像の配置、図形の描画、テキストの記載などにより構成されている。部品画像としては、スイッチ(オン・オフスイッチ、切替スイッチ、押しボタンスイッチなど)、ランプ、テンキー、各種表示部品(データ表示部品、メータ表示部品、グラフ表示部品、アラーム表示部品など)などが画像作成ソフトウェアに用意されている。部品画像には、その機能を実現するための処理内容が前述の処理規定情報として設定されている。
【0035】
例えば、スイッチの部品画像には、タッチ操作されると、所望のアドレスで指定される値を“0”と“1”との間で書き替えるという処理内容を規定した処理規定情報が、画像作成ソフトウェアによって予め設定されている。また、データ表示部品の画像には、所望のアドレスで指定されるデータを表示するという処理内容を規定した処理規定情報が、画像作成ソフトウェアによって予め設定されている。
【0036】
〈機器設定データ〉
機器設定データは、プログラマブル表示器2がPLC5と通信することによりデータの授受等を行うために設定される各種のデータである。この機器設定データとしては、機器名、機器ID、データ取得アドレス、機器指定アドレスおよび初期IDが用意されている。
【0037】
機器名は、プログラマブル表示器2に直接接続される機器(ノード機器)の名称であり、接続可能な機器として予め登録されている。ノード機器は、所定の操作を行うことにより、追加することも可能である。PLC5については、例えば、[PLC1],[PLC2],…のような機器名が割り当てられている。
【0038】
機器IDは、各ノード機器をそれぞれ特定するために付与される。機器IDは、例えば、n台の機器について1,2,3,…,nというように順次割り振られている。
【0039】
データ取得アドレスは、各ノード機器に設けられるメモリにおいて取得するデータが記憶されているアドレスである。
【0040】
機器指定アドレス(アドレス)は、上記の機器IDを入力するメモリ領域を特定するために設けられている。このメモリ領域としては、プログラマブル表示器2の運転やシステム管理などに利用される領域以外の自由に利用できる領域が割り当てられる。
【0041】
初期IDは、プログラマブル表示器2が起動したときに通信を行う機器を特定する機器IDである。
【0042】
(c)作業メモリ
作業メモリ28は、例えばDRAMによって構成されており、表示制御などの演算処理時の作業用に用いられる他、PLC5との間でやり取りされるデータの一時的な記憶に用いられる。また、作業メモリ28(表示器側内部メモリ)は、ユーザが自由に利用できる領域を含んでおり、この領域がプログラマブル表示器2において設定される機器IDを入力する上記のメモリ領域として割り当てられてもよい。以降の説明では、作業メモリ28に機器指定アドレスが設定されているものとする。機器指定アドレスとしては、例えば[♯INTERNAL]LS100というような固定のアドレスが使用される。ここで、[♯INTERNAL]は、プログラマブル表示器2の内部メモリの領域であることを表している。
【0043】
また、作業メモリ28は、スクリーン22に表示する画像を展開するVRAMも含んでいる。このVRAMには、ユーザメモリ26から出された画像データのイメージを水平方向に表示される順にドットデータとして格納する。
【0044】
〔1−2−2(4).HMI処理部の構成〕
HMI処理部21は、表示通信処理部211と、ID変更部212と、ID変化判定部213と、サーバ部214とを含んでいる。
【0045】
(a)表示通信処理部の構成
表示通信処理部211(表示器側表示処理手段)は、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎に特定のPLC5と通信を行って、当該PLC5のメモリ51に記憶されているデータを取得する。表示通信処理部211は、このように取得したデータを、データメモリ26における特定の領域に書き込む。
【0046】
また、表示通信処理部211は、データメモリ26に書き込まれたデータを取得して、スクリーン22に表示された画像における所定の領域(例えばデータ表示用の部品画像)に表示する。表示通信処理部211は、PLC5と通信を行ってデータを取得し、当該データの状態を画像における上記の領域へ反映させる一連の処理を表示スキャンとして実行する。
【0047】
さらに、表示通信処理部211は、スクリーン22に表示されている画像上でタッチパネル23に対して行われる入力操作に応じて、PLC5へ制御指示などを送信する。制御指示としては、動作指令やデータ設定などがある。
【0048】
表示通信処理部211は、PLC5からデータを取得して画像における部品画像の表示状態に反映させるときの動作や、部品画像への操作に応じてPLC5に制御指示を与えるときの動作を、部品画像に規定されている処理規定情報によって特定する。
【0049】
なお、PLC5のデータの取得や制御指示の変更については、その都度行ってもよいし、別途行ってもよい。別途行う場合は、プログラマブル表示器2内に一時的なメモリ空間を用意し、取得/変更時には、当該メモリ空間へアクセスするとともに、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎にPLC5と通信して各々のアドレスが割り当てられた実体と同期を取る。
【0050】
表示通信処理部211は、クライアントコンピュータ3からの要求に応じて、作業メモリ28に展開されている画像データを、サーバ部214を通じてクライアントコンピュータ3に送信する。また、表示通信処理部211は、クライアントコンピュータ3からの要求に応じて、プログラマブル表示器2とクライアントコンピュータ3とで画像の表示内容を同期させる(同一データを表示する)同期モードのとき、プログラマブル表示器2に現在表示されているデータと同じデータを、サーバ部214を通じてクライアントコンピュータ3に送信する。
【0051】
表示通信処理部211は、プログラマブル表示器2とクライアントコンピュータ3とで画像の表示内容を同期させない(異なるデータを表示する)非同期モードのとき、クライアントコンピュータ3からの後述する切替要求に応じる。このため、表示通信処理部211は、クライアントコンピュータ3に現在表示されているデータの取得先のPLC5を指定された他のPLC5に切り替えて通信する。また、表示通信処理部211は、通信を切り替えたPLC5から取得したデータを、サーバ部214を通じてクライアントコンピュータ3に送信する。
【0052】
表示通信処理部211は、プログラマブル表示器2で現在表示しているデータの取得先のPLC5から接続を切り替えた他のPLC5のデータを取得して単一の画像において切り替えて表示する機能を有する。表示通信処理部211は、この機能を実現するために、表示切替部211aと、通信切替部211bとを有している。
【0053】
〈表示切替部〉
表示切替部211a(表示切替手段)は、表示スキャンの終了時に前述の機器指定アドレスにおける機器IDの値の変化の有無をID変化判定部213に問い合わせる。表示切替部211aは、問い合わせの結果、ID変化判定部213から機器IDの値が変化したという変化通知を受けると、変化した機器IDに応じた表示に切り替える表示切替要求を表示通信処理部211に発行する。また、表示切替部211aは、ID変化判定部213から変化通知を受けないときには表示切替要求を発行しない。表示通信処理部211は、この上記の表示切替要求を受けて次の表示スキャンで表示を更新する。
【0054】
〈通信切替部〉
通信切替部211bは、上記の変化通知を受けると、ID変化判定部213から提供されるアクセスチケットを受けて、表示通信処理部211に通信相手となる機器を切り替える通信切替要求を発行する。ここで、アクセスチケットは、機器指定アドレスの情報、すなわち機器IDである。表示通信処理部211は、次の表示スキャンにおいて、そのアクセスチケットに基づいて機器を切り替えて通信する。
【0055】
(b)ID変更部の構成
ID変更部212は、所定の指示を受けると、機器指定アドレスの機器IDをその指示に応じて入力する(変更する)。上記の指示は、例えば、ユーザが、機器IDの値を直接変更したり、機器や取得するデータの種類(名称)を選択したりするためのタッチ操作を画像上ですることにより与えられる。
【0056】
(c)ID変化判定部の構成
ID変化判定部213は、表示スキャンの終了時における、表示切替部211aおよびクライアントコンピュータ3の後述するクライアント部34からの問い合わせに応じて、機器指定アドレスの機器IDの値が変化したか否かを判定する。ID変化判定部213は、前回の設定で機器指定アドレスに書き込まれた機器IDを作業メモリ28の他の領域に予めコピーしておき、判定時に、当該機器IDと機器指定アドレスの機器IDとを比較する。ID変化判定部213は、比較の結果、両者が一致したときに機器IDの値が変化していないと判定し、両者が一致しないときに機器IDの値が変化したと判定する。また、ID変化判定部213は、機器IDの不一致の判定結果を変化通知として表示切替部211aおよび通信切替部211bに与えるとともに、前述のアクセスチケットを変化した機器IDに変更して通信切替部211bに与える。
【0057】
(d)サーバ部
サーバ部214(サーバ手段)は、クライアントコンピュータ3のクライアント部34とFTP(File Transfer Protocol)通信を行うことにより、プログラマブル表示器2に画像データを提供する。また、サーバ部214は、RPC(Remote Procedure Call)接続により、クライアントコンピュータ3からの画像上の操作やデータの取得要求などを受け入れるための処理を行う。具体的には、サーバ部214は、クライアントコンピュータ3からのアクセスを受け入れて、表示通信処理部211によって作業メモリ28のVRAM上に展開された画像データを表示通信処理部211から取得して各クライアントコンピュータ3に送信する。また、サーバ部214は、クライアントコンピュータ3に表示されている画像上で操作された操作内容を受けて表示通信処理部211に実行させたり、表示通信処理部211が取得したPLC5のデータをクライアントコンピュータ3に送信したりする。
【0058】
サーバ部214は、同期モードのとき、クライアントコンピュータ3からの問い合わせを受けて、ID変化判定213に機器IDの変化の有無を問い合わせる。サーバ部214は、ID変化判定213の判定結果を受けて変化の有無をクライアント部34に通知する。特に、サーバ部214は、同期モードの場合、機器IDが変化しているときに、変化通知とともに、その機器IDの値をクライアント部34に送信する。
【0059】
一方、サーバ部214は、非同期モードのとき、クライアントコンピュータ3の要求に応じて表示通信処理部211から得たデータをクライアントコンピュータ3に送信する。
【0060】
サーバ部214は、上記の処理を行うために、例えば、一般のパーソナルコンピュータなどに適用されているVNC(Virtual Network Computing)のサーバ機能を有している。
【0061】
〔1−2−2(5).HMI処理部の実現形態〕
上記のように構成されるHMI処理部21は、前述のHMI制御プログラム(データ表示プログラム,サーバプログラム)をプログラマブル表示器2が備える前述のCPUに実行させることにより実現される機能ブロックである。上記のHMI制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)は、プログラマブル表示器2と分離可能に構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体にも記録可能である。当該プログラムコードは、その記録媒体からプログラマブル表示器2にインストールされてもよい。
【0062】
上記の記録媒体としては、例えば、テープ系、ディスク系、半導体メモリ系の媒体を用いることができる。テープ系の媒体としては、磁気テープやカセットテープ等が用いられる。ディスク系の媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含む。半導体メモリ系の媒体は、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等が利用される。
【0063】
また、プログラマブル表示器2がネットワーク4と接続されていることから、ネットワーク4を介してHMI制御プログラムをダウンロードしてもよい。このネットワーク4としては、前述のインターネットやLANに限定されず、イントラネットやエキストラネットが利用可能である。また、ネットワーク4として、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等も利用可能である。また、ネットワーク4を構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でもよい。あるいは、当該伝送媒体としては、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0064】
ただし、このようにネットワーク4からHMI制御プログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めプログラマブル表示器2に格納されるか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0065】
〔1−3.クライアントコンピュータの基本機能〕
クライアントコンピュータ3は、汎用のパーソナルコンピュータによって構成されており、プログラマブル表示器2が表示する画像を表示するために、クライアント用のソフトウェアがインストールされている。このクライアントコンピュータ3は、プログラマブル表示器が表示している画像と同じ画像を表示するだけでなく、同じ画像を表示しながら、異なる機器6のデータを表示することができる。
【0066】
〔1−3−1.クライアントコンピュータの各部の構成〕
クライアントコンピュータ3は、上記の機能を実現するために、表示処理部31と、ID変更部32と、ID変化判定部33と、クライアント部34と、作業メモリ35と、キャッシュメモリ36とを備えている。以下、クライアントコンピュータ3の主要各部について詳細に説明する。
【0067】
〔1−3−1(1).表示処理部の構成〕
表示処理部31(クライアント側表示処理手段)は、クライアント部34を介してプログラマブル表示器2から取得した画像データに基づいて、クライアントコンピュータ3の表示装置(図示せず)に画像を表示する処理を行う。また、表示処理部31は、プログラマブル表示器2から取得した機器IDに基づいて、プログラマブル表示器2に機器IDで指定されるPLC5のデータの送信を、クライアント部34を通じて要求する。
【0068】
表示処理部31は、クライアント部34を介してプログラマブル表示器2から取得したPLC5のデータを上記の画像上に反映させる処理を行う。さらに、表示処理部31は、画像上のユーザによる操作内容をプログラマブル表示器2に送信するようにクライアント部34に当該操作内容を渡す。
【0069】
表示処理部31は、クライアントコンピュータ3で現在表示しているデータの取得先のPLC5から接続を切り替えた他のPLC5のデータを取得して単一の画像において切り替えて表示する機能を有する。表示処理部31は、この機能を実現するために、表示切替部31aを有している。
【0070】
表示切替部31aは、表示スキャンの終了時に前述の機器指定アドレスにおける機器IDの値の変化の有無をID変化判定部33に問い合わせる。表示切替部31aは、問い合わせの結果、ID変化判定部33から機器IDの値が変化したという変化通知を受けると、変化した機器IDに応じた表示に切り替える切替要求を表示処理部31およびクライアント部34に発行し、変化した機器IDをクライアント部34に渡す。また、表示切替部31aは、ID変化判定部33から変化通知を受けないときには切替要求を発行しない。
【0071】
表示処理部31は、上記の切替要求を受けた状態で、プログラマブル表示器2から切り替えられたPLC5のデータを受信すると、このデータに基づいて次の表示スキャンで表示を更新する。
【0072】
〔1−3−1(2).ID変更部の構成〕
ID変更部32は、所定の指示を受けると、機器指定アドレスの機器IDをその指示に応じて入力する(変更する)。上記の指示は、例えば、クライアントコンピュータ3のユーザが、機器IDの値を直接変更したり、機器や取得するデータの種類(名称)を選択したりするための入力操作を画像上ですることにより与えられる。また、ID変更部32は、プログラマブル表示器2から取得した初期IDを作業メモリ35の機器指定アドレスに書き込んで設定する。さらに、ID変更部32は、後述するキャッシュメモリ36に記憶されている機器IDを作業メモリ35の機器指定アドレスにコピーする処理も行う。
【0073】
〔1−3−1(3).ID変化判定部の構成〕
ID変化判定部33は、表示スキャンの終了時における表示切替部31aからの問い合わせに応じて、機器指定アドレスの機器IDの値が変化したか否かを判定する。ID変化判定部33は、前回の設定で機器指定アドレスに書き込まれた機器IDを作業メモリ35の他の領域に予めコピーしておき、判定時に、当該機器IDと機器指定アドレスの機器IDとを比較する。ID変化判定部33は、比較の結果、両者が一致したときに機器IDの値が変化していないと判定し、両者が一致しないときに機器IDの値が変化したと判定する。また、ID変化判定部33は、機器IDの不一致の判定結果を変化通知として表示切替部31aに与えるとともに、作業メモリ35から機器IDを読み出し、アクセスチケットを変化した機器IDに変更して表示切替部31aに与える。
【0074】
〔1−3−1(4).クライアント部の構成〕
クライアント部34(クライアント手段)は、前述のサーバ部214とFTP通信を行うことによって、プログラマブル表示器2から送信された画像データを取得して表示処理部31に転送する。また、クライアント部34は、サーバ部214とRPC接続することによって、クライアントコンピュータ3に表示された画像上で操作内容をプログラマブル表示器2の画像データに反映させる。クライアント部34は、上記の処理を行うために、前述のVNCのクライアント機能を有している。
【0075】
クライアント部34は、同期モードのときに、表示処理部31の指示を受けて、サーバ部214にID機器の変化の有無を問い合わせる。クライアント部34は、サーバ部214からの変化通知および変化した機器IDを受けると、当該機器IDをキャッシュメモリ36の所定のアドレスに書き込む。また、クライアント部34は、当該機器IDに基づいて指定されるPLC5のデータの送信をサーバ部214に要求し、その要求に応じてサーバ部214から送信されるデータを受信して、表示処理部31に転送する。
【0076】
一方、クライアント部34は、非同期モードのときには上記の問い合わせを行わないが、表示切替部31aからの切替要求および変化した機器IDをサーバ部214に送信する。また、クライアント部34は、送信した切替要求に応じてサーバ部214から送信されたデータを受信して、表示処理部31に転送する。
【0077】
〔1−3−1(5).クライアントコンピュータ各部の実現形態〕
上記のように構成される表示処理部31、ID変更部32、ID変化判定部33およびクライアント部34は、汎用のパーソナルコンピュータをクライアントコンピュータ3として機能させるためのクライアントプログラムをクライアントコンピュータ3が備えるCPUに実行させることにより実現される機能ブロックである。上記の表示処理のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)は、クライアントコンピュータ3と分離可能に構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体にも記録可能である。当該プログラムコードは、その記録媒体からクライアントコンピュータ3にインストールされてもよい。上記の記録媒体としては、HMI処理部21で利用される前述の記録媒体と同様である。
【0078】
〔1−3−1(6).作業メモリおよびキャッシュメモリの構成〕
(a)作業メモリ
作業メモリ35は、例えばDRAMによって構成されており、表示制御などの演算処理時の作業用に用いられる他、プログラマブル表示器2との間でやり取りされるデータの一時的な記憶に用いられる。また、作業メモリ35(クライアント側内部メモリ)は、ユーザが自由に利用できる領域を含んでおり、この領域が機器IDを入力する上記のメモリ領域として割り当てられてもよい。以降の説明では、作業メモリ35に機器指定アドレスが設定されているものとする。また、作業メモリ35は、クライアントコンピュータ3で表示する画像を展開するVRAMも含んでいる。
【0079】
(b)キャッシュメモリ
キャッシュメモリ36は、クライアント部34を介してプログラマブル表示器2から取得した機器IDを記憶しておくために設けられている。同期モードにおいては、キャッシュメモリ36に記憶された機器IDが作業メモリ35にコピーされる。機器IDをキャッシュメモリ36に記憶させておくことにより、必要なときに高速で作業メモリ35の機器IDを更新することができる。
【0080】
〔2.プログラマブル表示器の接続機器切り替え時のデータ表示動作〕
ここで、プログラマブル表示器2において、PLC5が切り替えられるときのデータ表示の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0081】
まず、プログラマブル表示器2が起動すると、表示通信処理部211による表示スキャンが開始する(ステップS1)。このとき、表示通信処理部211により、機器設定データの初期IDに基づいて、当該初期IDで特定されるPLC5と通信が行われる(ステップS2)。これにより、当該PLC5から取得されたデータが画像上に表示される。
【0082】
次いで、当該画像の一連の表示処理が行われて表示スキャンが終了すると、表示切替部211aからの問い合わせを受けて、ID変化判定部213により、機器指定アドレスの機器IDの値が変化したか否かが判定される(ステップS3)。ここで、機器IDの値が変化していると判定されると、ID変化判定部213から表示切替部211aおよび通信切替部211bに変化通知が与えられ、通信切替部211bに新たなアクセスチケットが与えられて、次の表示スキャンが開始される(ステップS4)。
【0083】
この表示スキャンでは、表示通信処理部211により、変化した機器IDの値で特定されるPLC5と通信が行われる(ステップS5)。このとき、当該PLC5のメモリ51におけるデータ取得アドレスから所望のデータが取得され、データメモリ26に書き込まれる。そして、表示通信処理部211により、PLC5から得られた当該データに応じて、画像上でデータの表示が切り替えられることにより、当該データが画像上に表示される(ステップS6)。
【0084】
一方、ステップS3において、機器IDの値が変化していないと判定されると、ID変化判定部213から表示切替部211aおよび通信切替部211bには変化通知が与えられない。そして、この状態で次の表示スキャンが開始される(ステップS7)。この表示スキャンでは、通信相手となるPLC5が前回の表示スキャンのときと変わらないので、表示通信処理部211により、同じPLC5と通信が行われることで取得されたデータが画像上に表示される(ステップS8)。
【0085】
〔3.プログラマブル表示器とクライアントコンピュータとの通信処理〕
プログラマブル表示器2とクライアントコンピュータ3は、以下のようにして、相互に通信を行う。
【0086】
図3に示すように、まず、クライアントコンピュータ3のクライアント部34は、プログラマブル表示器2のサーバ部214に対してFTP接続要求を送信する。サーバ部214は、このFTP接続要求を受けると、クライアントコンピュータ3が接続許可される装置であれば、接続が「OK」であるというFTP接続応答をクライアント部34に送信する。
【0087】
クライアント部34は、このFTP接続応答を受けると、サーバ部214に対して画像データの取得要求を送信する。サーバ部214は、この画像データ取得要求を受けると、作業メモリ28に展開されている画像データを機器設定データとともにクライアント部34に送信する。
【0088】
クライアントコンピュータ3は、プログラマブル表示器2からの画像データを取得すると、表示処理部31を起動し、当該画像データに基づく表示処理を行う。このとき、クライアントコンピュータ3は、機器設定データの機器IDに基づいて、作業メモリ36における機器IDの設定を行う。
【0089】
クライアント部34は、機器IDの設定が行われると、サーバ部214とRPC接続を行う。クライアント部34は、サーバ部214との間でRPC接続が確立すると、設定された機器IDに基づいて指定されるPLC5のデータの送信を要求し、その要求に応じてサーバ部214から送信されるデータを受信する。
【0090】
〔4.両モードにおけるクライアントコンピュータの動作〕
続いて、同期モードおよび非同期モードにおけるクライアントコンピュータ3の動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0091】
まず、同期モードである場合(ステップS11でYES)、クライアント部34により、プログラマブル表示器2から取得した機器IDがクライアントコンピュータ3のキャッシュメモリ36に記憶される(ステップS12)。次いで、ID変更部32により、キャッシュメモリ36に記憶されている機器IDが作業メモリ35の機器指定アドレスにコピーされる(ステップS13)。
【0092】
すると、ID変化判定部33により、機器指定アドレスから機器IDが読み出される(ステップS14)。この機器IDは、変更されたアクセスチケットとして表示処理部31に与えられる。そして、表示処理部31により、上記の機器IDに基づいて、一連の表示処理が行われる(ステップS15)。
【0093】
ステップS11において、非同期モードである場合(NO)、処理がステップS14に移行する。この場合は、キャッシュメモリ36から作業メモリ35に機器IDがコピーされないので、ステップS15では、クライアントコンピュータ3において設定された機器IDに基づいて、表示処理が行われる。
【0094】
クライアントコンピュータ3において実行されるステップS15の表示処理については、以降に詳しく説明する。
【0095】
〔5.両モードにおけるプログラマブル表示器およびクライアントコンピュータの動作〕
ここで、同期モードおよび非同期モードにおけるプログラマブル表示器2およびクライアントコンピュータ3で行われる表示のための動作について図5を参照して説明する。
【0096】
〔5−1.機器IDの設定〕
まず、プログラマブル表示器2において、前述のように、ID変更部212は、表示通信処理部211からの機器IDの変更要求を受けて、作業メモリ28の機器指定アドレスに機器IDの新たな値を入力する。また、ID変化判定部213は、表示通信処理部211からの機器IDの変化の問い合わせに応じて、変化通知およびアクセスチケットを表示通信処理部211に返送する。表示通信処理部211は、アクセスチケット(変化後の機器ID)で指定されるPLC5に通信を切り替えてデータを取得し、当該データを現在表示している画像上に切り替えて表示する。
【0097】
一方、クライアントコンピュータ3において、まず、クライアント部34は、表示処理部31からの指示を受けて、プログラマブル表示器2に画像データおよび機器設定データの送信を要求する。プログラマブル表示器2のサーバ部214がこの要求に応じて、画像データおよび機器設定データをクライアント部34に返送すると、表示処理部31は、その画像データおよび機器設定データに基づいて、画像の表示処理を行う。このとき、表示処理部31は、取得した初期IDをID変更部32に指示して作業メモリ35に書き込ませる。
【0098】
〔5−2.同期モード〕
同期モードにおいて、クライアント部34は、表示処理部31の要求に応じて、機器IDの変化をサーバ部214に問い合わせる。サーバ部214は、ID変化部213にID機器の変化の有無を問い合わせた結果、機器IDが変化していない場合、そのことをクライアント部34に通知する。このとき、クライアント部34は、機器IDの変化がなかったことにより、キャッシュメモリ36の機器IDを更新しないので、作業メモリ35の機器IDも更新されない。
【0099】
この場合、表示処理部31は、ID変化判定部33を通じて機器IDの変化がなかったことと、変更されなかった機器IDのアクセスチケットを受け取る。これにより、表示処理部31は、機器IDに基づいて指定されるPLC5のデータをサーバ部214に要求する。サーバ部214がこの要求に応じて指定されたデータを返送すると、表示処理部31は、画像上にそのデータを表示する。
【0100】
また、サーバ部214は、ID変化部213にID機器の変化の有無を問い合わせた結果、機器IDが変化している場合、そのことをクライアント部34に通知する。このとき、クライアント部34が、機器IDの変化により、キャッシュメモリ36の機器IDを更新すると、作業メモリ35の機器IDも合わせて更新される。
【0101】
この場合、表示処理部31は、ID変化判定部33を通じて機器IDの変化があったという変化通知と、変更された機器IDのアクセスチケットを受け取る。これにより、表示処理部31は、変更された機器IDに基づいて指定されるPLC5のデータをサーバ部214に要求する。サーバ部214がこの要求に応じて指定されたデータを返送すると、表示処理部31は、同じ画像上にデータだけ切り替えて表示する。
【0102】
このようにして、同期モード時には、クライアントコンピュータ3において、プログラマブル表示器2で表示される画像と同じ画像上に、プログラマブル表示器2で表示されているデータと同じデータが表示される。例えば、プログラマブル表示器2がPLC5([PLC1])から取得されたデータを表示しているとき、クライアントコンピュータ3も[PLC1]から取得されたデータを表示する。
【0103】
〔5−3.非同期モード〕
非同期モードにおいて、表示処理部31は、クライアントコンピュータ3のユーザの操作によって機器IDの変更が指示されると、ID変更部32に変更要求を与える。ID変更部32は、この変更要求を受けて、作業メモリ35の機器指定アドレスに変更後の機器IDの値を書き込む。
【0104】
表示処理部31の表示切替部31aは、表示スキャンの終了時に、機器IDの値の変化の有無をID変化判定部33に問い合わせる。表示切替部31aは、問い合わせの結果、ID変化判定部33から変化通知を受けると、変化した機器IDに応じた切替要求を表示処理部31およびクライアント部34に発行し、変化した機器IDをクライアント部34に渡す。クライアント部34は、その切替要求および変化した機器IDをサーバ部214に送信する。すると、プログラマブル表示器2は、表示通信処理部211により、その機器IDに基づいて、PLC5を切り替えて通信を行ってデータを取得し、サーバ部214を通じてクライアント部34に返送する。
【0105】
表示処理部31は、クライアント部34を通じて上記のデータを受け取ると、このデータに基づいて次の表示スキャンで画像の表示を更新する。
【0106】
このようにして、非同期モード時には、クライアントコンピュータ3において、プログラマブル表示器2で表示される画像と同じ画像上に、プログラマブル表示器2で表示されているデータと異なるデータが表示される。例えば、プログラマブル表示器2がPLC5([PLC1])から取得されたデータを表示しているとき、クライアントコンピュータ3は異なるPLC5([PLC2])から取得されたデータを表示する。
【0107】
ここで、PLC5([PLC1])とPLC5([PLC2])とは、プログラマブル表示器2のそれぞれ異なる通信ポート(例えば図示しないCOMポート1,COMポート2)に接続されているので、同時にプログラマブル表示器2と通信することが可能となる。
【0108】
〔6.プログラマブル表示器およびクライアントコンピュータの画像表示動作〕
上記のように相互に通信を行うプログラマブル表示器2とクライアントコンピュータ3とにおいてデータを表示する動作の具体例について説明する。
【0109】
ここでは、図6(a)〜(c)に示すように、各PLC5に接続される機器6として同機種の温度調節器を用い、温度モニタ用の温度モニタ画像101にて温度データを表示する例について説明する。
【0110】
温度モニタ画像101は、共通画像102およびデータ表示画像103により構成されている。共通画像102は、各PLC5から取得される機器6のデータに共通に切り替わることなく用いられるベース画像である。データ表示画像103は、PLC5から取得したデータを表示する部品画像であり、表示するデータに応じて切り替わる。このデータ表示画像103は、セレクタリスト103aと、データ表示部103bとを含んでいる。セレクタリスト103aは、ユーザによってタッチ操作されるとプルダウン式に温度(データ)の種類をリスト表示する部品画像である。データ表示部103bは、現在通信しているPLC5から取得したデータを表示する部品画像である。
【0111】
図6(a)に示すように、プログラマブル表示器2においては、データ表示画像103に炉温度が表示されている。この炉温度は、機器IDで特定されるPLC5(例えば前述の[PLC1]のデバイスアドレスD0000)から得られた炉温度のデータである。
【0112】
同期モードでは、クライアントコンピュータ3において、プログラマブル表示器2に設定された機器IDと同じ機器IDに基づいてプログラマブル表示器2から取得されたデータが表示される。したがって、クライアントコンピュータ3においても、図6(a)に示す温度モニタ画像101に同じデータが表示される。
【0113】
一方、非同期モードでは、クライアントコンピュータ3において、この状態から、セレクタリスト103aがユーザによってタッチ操作されると、図6(b)に示すように、セレクタリスト103aが選択可能な種類の温度を展開表示する。図6(b)に示す例では、冷却水温度、油圧温度および周辺温度が選択可能である。これらの温度は、それぞれ異なるPLC5から取得される。
【0114】
さらに、この状態から、図6(c)に示すように、ユーザによるタッチ操作でセレクタリスト103aから油圧温度が選択される。すると、ID変更部32によって、作業メモリ35における機器指定アドレスにおける機器IDが油圧温度を保持するPLC5(例えば前述の[PLC2])の機器ID(クライアント側ID)に書き替えられる。この状態では、ID変化判定部33により、機器指定アドレスの機器IDの値が変化していると判定される。このとき、プログラマブル表示器2では、作業メモリ28の機器指定アドレスにおける機器IDが、炉温度を保持するPLC5([PLC1])の機器ID(表示器側ID)のままである。
【0115】
そして、その次の表示スキャンでは、表示通信処理部211により、変化した機器IDの値で特定されるPLC5と通信が行われる。このとき、当該PLC5のメモリ51におけるデータ取得アドレス(例えばデバイスアドレスD0001)から所望の油圧温度のデータが取得される。これにより、クライアントコンピュータ3には、当該データがデータ表示部103bに表示される。この状態では、クライアントコンピュータ3は、図6(c)に示すように、温度モニタ画像101において、プログラマブル表示器2に表示されているデータと異なるデータを表示している。
【0116】
[実施形態の総括]
以上のように、本実施の形態に係る制御システム1は、相互に通信可能なプログラマブル表示器2およびクライアントコンピュータ3に同じ画像を表示させる。プログラマブル表示器2では、作業メモリ28に記憶されている機器IDで特定されるPLC5(例えば[PLC1])から取得されたデータを画像に表示する。一方、クライアントコンピュータ3では、作業メモリ35に記憶されている機器ID(作業メモリ28における機器IDと異なる値)で特定されるPLC5(例えば[PLC2])から取得されたデータをプログラマブル表示器2から得て画像に表示する。このように、同一の画像上に異なるPLC5のデータを切り替えて表示できるのは、機器指定アドレスにおける機器IDの値を介して、通信相手となるPLC5を間接的に指定しているからである。また、このような表示を可能にするのは、プログラマブル表示器2とクライアントコンピュータ3とで、機器IDを記憶する領域を作業メモリ28と作業メモリ35とに独立して設けていることにもよる。それゆえ、異なるPLC5のデータを表示するために共通の1つの画像を用意するだけでよく、画像を作成するための工数を大幅に削減することができるとともに、ユーザメモリ27における画像データの記憶容量を削減することができる。
【0117】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明のデータ表示システムは、相互に通信可能に接続されたプログラマブル表示器およびクライアントコンピュータに同じ画像を表示しながら、異なるPLCから取得したデータを両画像に個別に表示する。したがって、本発明のデータ表示システムは、複数のPLCのデータを表示するデータ表示システムに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0119】
1 制御システム(データ表示システム)
2 プログラマブル表示器
3 クライアントコンピュータ
5 PLC(接続機器)
21 HMI処理部
26 データメモリ
27 ユーザメモリ
28 作業メモリ(表示器側内部メモリ)
31 表示処理部(クライアント側表示処理手段)
31a 表示切替部
32 ID変更部
33 ID変化判定部
34 クライアント部(クライアント手段)
35 作業メモリ(クライアント側内部メモリ)
51 メモリ
101 温度モニタ画像(画像)
102 共通画像
103 データ表示画像
103b データ表示部
211 表示通信処理部(表示器側表示処理手段)
211a 表示切替部
211b 通信切替部
212 ID変更部
213 ID変化判定部
214 サーバ部(サーバ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラマブル表示器と相互に通信可能に接続され、前記プログラマブル表示器に表示される画像と同一の画像を前記プログラマブル表示器から取得して表示し、前記プログラマブル表示器に接続されている複数の接続機器のいずれかより取得したデータを前記画像に表示するようにしたクライアントコンピュータにおいて、
前記プログラマブル表示器が当該プログラマブル表示器に設けられる表示器側内部メモリに記憶された表示器側IDで特定した、前記接続機器のうちの1つと通信して取得した前記データを前記画像に表示するとき、前記接続機器のうちの他の1つを特定するためにクライアントコンピュータで設定されるクライアント側IDを所定のアドレスに記憶するクライアント側内部メモリと、
前記プログラマブル表示器が前記クライアント側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記プログラマブル表示器に要求して取得するクライアント手段と、
前記クライアント手段によって取得した前記データを前記画像に表示するクライアント側表示処理手段とを備えていることを特徴とするクライアントコンピュータ。
【請求項2】
請求項1に記載のクライアントコンピュータにおける前記クライアント側表示処理手段および前記クライアント手段としてコンピュータを機能させるためのクライアントプログラム。
【請求項3】
複数の接続機器のいずれかより取得したデータを画像に表示するプログラマブル表示器であって、当該画像と同一の画像をプログラマブル表示器から取得して表示するクライアントコンピュータと相互に通信可能に接続されたプログラマブル表示器において、
前記接続機器のうちの1つを特定するためにプログラマブル表示器で設定される表示器側IDを所定のアドレスに記憶する表示器側内部メモリと、
前記表示器側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記画像に表示する表示器側表示処理手段と、
前記接続機器のうちの他の1つを特定するためにクライアントコンピュータで設定されるクライアント側IDを所定のアドレスに記憶するクライアント側内部メモリと、プログラマブル表示器が前記クライアント側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記画像に表示するクライアント側表示処理手段とを備えた前記クライアントコンピュータからの要求に応じて、前記データを前記クライアントコンピュータに送信するサーバ手段とを備えていることを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラマブル表示器における前記表示器側表示処理手段および前記サーバ手段としてコンピュータを機能させるためのサーバプログラム。
【請求項5】
相互に通信可能に接続されたプログラマブル表示器とクライアントコンピュータとを備え、前記クライアントコンピュータが、前記プログラマブル表示器に表示される画像と同一の画像を前記プログラマブル表示器から取得して表示し、前記プログラマブル表示器に接続されている複数の接続機器のいずれかより取得したデータを前記画像に表示するようにしたデータ表示システムにおいて、
前記プログラマブル表示器は、
前記接続機器のうちの1つを特定するために前記プログラマブル表示器で設定される表示器側IDを所定のアドレスに記憶する表示器側内部メモリと、
前記表示器側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記画像に表示する表示器側表示処理手段とを備え、
前記クライアントコンピュータは、
前記接続機器のうちの他の1つを特定するために前記クライアントコンピュータで設定されるクライアント側IDを所定のアドレスに記憶するクライアント側内部メモリと、
前記プログラマブル表示器が前記クライアント側IDにより特定される前記接続機器と通信して取得した前記データを前記プログラマブル表示器に要求して取得するクライアント手段と、
前記クライアント手段によって取得した前記データを前記画像に表示するクライアント側表示処理手段とを備え、
前記プログラマブル表示器は、
前記クライアントコンピュータの前記クライアント手段からの要求に応じて、前記データを前記クライアントコンピュータに送信するサーバ手段を備えていることを特徴とするデータ表示システム。
【請求項6】
請求項5に記載のデータ表示システムにおける前記表示器側表示処理手段、前記クライアント側表示処理手段、前記クライアント手段および前記サーバ手段としてコンピュータを機能させるためのデータ表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−128720(P2012−128720A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280443(P2010−280443)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000134109)株式会社デジタル (224)
【Fターム(参考)】