説明

クラッチレリーズ機構

【課題】動力伝達効率と制御性を向上させ、製造コストを低減させることができるクラッチレリーズ機構を提供すること。
【解決手段】所定の機構(例えば、出力ロッド31を含むスライド機構)の動作に応じて一定方向に移動可能なプーラ32と、プーラ32に回転可能に支持されたローラ34と、支点にてピボット支持部材28に揺動可能に支持されるとともに、作用点にてレリーズベアリング26を介してダイヤフラムスプリング25による付勢力を受け、かつ、力点にてローラ34が転動可能に接する転動面27aを有するレリーズフォーク27と、を備え、ローラ34は、外周面に所定形状に形成されたガイド面34aを有し、転動面27aは、ガイド面34aに整合する整合部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力軸と出力軸とを断接可能に接続するクラッチを切断又は係合するためのクラッチレリーズ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
車両では、エンジン始動時や変速時などにおいてエンジンの回転動力を変速機に伝達しないようにするために、エンジンと変速機との間の動力伝達経路上にクラッチ装置が設けられている。クラッチ装置は、クラッチペダルの踏込操作により、リンク機構等のクラッチレリーズ機構を介してクラッチ操作力が伝達されて、エンジンと変速機とが断続可能になっている。
【0003】
従来のクラッチ装置は、フライホイールとプレッシャプレートとの間にクラッチディスクを挟み、フライホイールと一体になって回転するクラッチカバーに回動可能に支持されているダイヤフラムスプリングの弾性力によりプレッシャプレートを押圧してクラッチを接続し、クラッチハウジングに固定されたピボット支持部材に揺動可能に支持されているレリーズフォークの一端(力点)を、ハウジングに取り付けられているアクチュエータに装着された出力ロッドで引き付けて、レリーズフォークの他端がレリーズベアリングを介してダイヤフラムスプリングを押し付けることにより、クラッチの接続を解除する(例えば、特許文献1参照)。このクラッチ装置では、クラッチレリーズ機構において、出力ロッドの一端がレリーズフォークの力点部にて揺動自在にピボット軸受けされており、出力ロッドの他端が支持ピンを介してアクチュエータにおけるクランク機構のウォームホイールに揺動自在に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−301238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のクラッチレリーズ機構では、複雑な動作及びガタを伴うクランク機構を用いているため、駆動源からクラッチレリーズ機構までの動力伝達効率が低下するおそれがある。また、出力ロッドをストロークさせる際、出力ロッドの一端部がレリーズフォークの支点を中心に移動するのに対して、出力ロッドの他端部がウォームホイールの軸部を中心に移動する。そのため、ウォームホイールの回転角度と、レリーズフォークの移動量との間の非線形性が大きくなり、制御性(応答性、位置精度)が低下するおそれがある。
【0006】
また、従来のクラッチレリーズ機構では、レリーズフォークの力点部が、前後及び左右方向にも揺動可能にピボット支持部材に支持され、動作時の力点にこじりが発生するおそれがある。こじりによる動力伝達効率低下を抑制するためには、出力ロッドの軸線の動作軌跡を、レリーズフォークの力点、支点、作用点の動作軌跡を通る平面上に配置する必要がある。そのため、出力ロッドのレリーズフォークに対する位置決め精度を高くする必要が生じ、製造コストが高くなるおそれがある。
【0007】
本発明の主な課題は、動力伝達効率と制御性を向上させ、製造コストを低減させることができるクラッチレリーズ機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一視点においては、クラッチレリーズ機構において、所定の機構の動作に応じて一定方向に移動可能なプーラと、前記プーラに回転可能に支持されたローラと、支点にて固定された所定の部材に揺動可能に支持されるとともに、作用点にてレリーズベアリングを介してダイヤフラムスプリングによる付勢力を受け、かつ、力点にて前記ローラが転動可能に接する転動面を有するレリーズフォークと、を備え、前記ローラは、外周面に所定形状に形成されたガイド面を有し、前記転動面は、前記ガイド面に整合する整合部分を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記所定の機構は、固定された所定の部材にスライド可能に支持されるとともに、動力源の駆動によりスライドする出力ロッドを含むスライド機構であり、前記プーラは、前記出力ロッドのスライドに追従するとともに、前記出力ロッドの軸線を中心軸として回転可能であることが好ましい。
【0010】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記出力ロッドの軸線は、クラッチディスクの回転軸線と略平行に設定されていることが好ましい。
【0011】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記整合部分と前記ガイド面とが接する部分は、前記ダイヤフラムスプリングによる荷重特性が最大となるときに、前記出力ロッドの軸線を通り、かつ、前記レリーズフォークの揺動軸線と平行な平面上に含まれることが好ましい。
【0012】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記レリーズフォークは、前記出力ロッドが挿通される貫通穴部又は溝部を有することが好ましい。
【0013】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記出力ロッドと螺合するとともに、前記プーラについて前記レリーズフォーク側とは反対側への移動を規制するナットを備えることが好ましい。
【0014】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記ローラは、複数のうちの1つであり、複数の前記ローラは、第1ローラ及び第2ローラを有し、前記第1ローラ及び前記第2ローラは、前記プーラの両側に回転可能に支持され、前記第1ローラ及び前記第2ローラの各回転軸は、互いに同一直線上に配されるとともに、前記出力ロッドの軸線方向に対して略直角に設定されており、前記レリーズフォークは、前記転動面として、前記第1ローラが転動可能に接する第1転動面と、前記第2ローラが転動可能に接する第2転動面とを有することが好ましい。
【0015】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記第1ローラの前記ガイド面、及び前記第2ローラの前記ガイド面は、それぞれ前記出力ロッドから離れるに従い半径が大きくなるように傾斜したテーパ形状に形成され、前記第1転動面の前記整合部分は、前記第1ローラの前記ガイド面と整合し、前記第2転動面の前記整合部分は、前記第2ローラの前記ガイド面と整合することが好ましい。
【0016】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記ガイド面は、第1傾斜面と、前記第1傾斜面よりも前記出力ロッドに近い位置に配された第2傾斜面とを有し、前記第1傾斜面は、前記出力ロッドから離れるに従い半径が大きくなるように傾斜し、前記第2傾斜面は、前記出力ロッドから離れるに従い半径が小さくなるように傾斜するとともに、前記第1傾斜面の面積よりも大きい面積であり、かつ、前記第1傾斜面の勾配よりも小さい勾配であることが好ましい。
【0017】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記ローラは、複数のうちの1つであり、複数の前記ローラは、第1ローラ及び第2ローラを有し、前記第1ローラ及び前記第2ローラは、前記プーラの片側に回転可能に支持されるとともに、前記転動面上で転動可能であり、前記第1ローラ及び前記第2ローラの各回転軸は、互いに離間しているとともに、前記出力ロッドの軸線方向に対して略直角に設定されていることが好ましい。
【0018】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記プーラは、前記出力シャフトの軸線に対して揺動可能に前記出力シャフトに支持されていることが好ましい。
【0019】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記転動面の表面の断面形状は、前記レリーズフォークの支点から前記出力ロッドの軸線までの距離を基礎円半径とするインボリュート曲線となっていることが好ましい。
【0020】
本発明の前記クラッチレリーズ機構において、前記所定の機構は、固定された所定の部材に回転可能に支持されるとともに、動力源の駆動により回転し、かつ、所定の部位の外周面に雄ねじ部を有するシャフト部材を含むねじ機構であり、前記プーラは、環状に形成されるとともに、内周面に前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、かつ、前記シャフト部材の回転により前記シャフト部材の軸線方向に移動可能であり、前記シャフト部材の軸線は、クラッチディスクの回転軸線と略平行に設定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、出力ロッドにローラを有するプーラを設定することにより、出力ロッドの一端をレリーズフォークの力点部にてピボット軸受けする必要がなくなり、出力ロッドの軸線方向のスライドによりレリーズフォークを揺動させることが可能となるので、動力伝達効率が向上するとともに、出力ロッドとレリーズフォークとの間の入出力の線形性が増し、制御性を向上させることができる。また、ローラにガイド面を設け、レリーズフォークにガイド面と対応する転動面を設けることで、ガイド面と転動面との間のガイド作用(レール作用)によって、プーラを出力ロッドに回転自在又はガタを持たせて支持してもプーラが自動調心されるので、位置決め精度を緩和させることができる。これにより、組立が容易になり、製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した図である。
【図2】本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を拡大した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成の動作を説明するための(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【図4】本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を拡大した断面図であり、(A)は第1例、(B)は第2例、(C)は第3例である。
【図5】本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構を含むクラッチ装置におけるダイヤフラムスプリングの荷重特性を模式的に示した図である。
【図6】本発明の実施例2に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を模式的に示した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【図7】本発明の実施例3に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を模式的に示した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【図8】本発明の実施例4に係るクラッチレリーズ機構におけるレリーズフォークの転動面の構成を説明するための模式図である。
【図9】本発明の実施例5に係るクラッチレリーズ機構におけるシャフト部材及びその周辺の構成を模式的に示した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係るクラッチレリーズ機構(図1の30)では、所定の機構の動作に応じて一定方向に移動可能なプーラ(図1の32)と、前記プーラに回転可能に支持されたローラ(図1の34)と、支点にて固定された所定の部材(例えば、図1のピボット支持部材28)に揺動可能に支持されるとともに、作用点にてレリーズベアリング(図1の26)を介してダイヤフラムスプリング(図1の25)による付勢力を受け、かつ、力点にて前記ローラが転動可能に接する転動面(図1の27a)を有するレリーズフォーク(図1の27)と、を備え、前記ローラは、外周面に所定形状に形成されたガイド面(図1の34a)を有し、前記転動面は、前記ガイド面に整合する整合部分を有する。
【実施例1】
【0024】
本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した図である。図2は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を拡大した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。図3は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成の動作を説明するための(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。図4は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を拡大した断面図であり、(A)は第1例、(B)は第2例、(C)は第3例である。図5は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構を含むクラッチ装置におけるダイヤフラムスプリングの荷重特性を模式的に示した図である。
【0025】
図1を参照すると、クラッチ装置は、エンジン(図示せず)と変速機(図示せず)との間の動力伝達経路に配設される摩擦クラッチ20と、摩擦クラッチ20を操作するクラッチレリーズ機構30とを含んで構成されている。クラッチ装置は、電子制御装置(図示せず)により、クラッチレリーズ機構30における回転軸45を直接又は間接的に駆動するアクチュエータ(図示せず)が制御されることで、摩擦クラッチ20の係合状態が変化するようになっている。
【0026】
摩擦クラッチ20は、主な構成要素として、フライホイール21と、クラッチカバー22と、クラッチディスク23と、プレッシャプレート24と、ダイヤフラムスプリング25と、クラッチレリーズ機構30と、を有する。クラッチレリーズ機構30は、主な構成要素として、レリーズベアリング26と、レリーズフォーク27と、ピボット支持部材28と、出力ロッド31と、プーラ32と、ナット33と、ローラ34、35と、軸受36、37と、スナップリング38、39と、リニアボールベアリング41と、スナップリング42と、シール43と、ピニオンギヤ44と、回転軸45と、を有する(図1、図2参照)。なお、プレッシャプレート24及びダイヤフラムスプリング25等はクラッチカバー22に一体的に組み付けられるため、これらをクラッチカバーアッセンブリと称することがある。
【0027】
フライホイール21は、鋳鉄製の円板であり、エンジンのクランクシャフト10にボルト固定されており、クランクシャフト10と一体的に回転するようになっている。
【0028】
クラッチカバー22は、略円筒形状の部材であり、円筒部22aと、円筒部22aの内周側に形成されたフランジ部22bと、フランジ部22bの内周側にて周方向に等間隔で形成された複数の支点形成部22cとを有する。クラッチカバー22は、円筒部22aの外周部に形成された鍔部にてフライホイール21にボルト固定されており、フライホイール21と一体的に回転するようになっている。クラッチカバー22は、支点形成部22cにて、ダイヤフラムスプリング25を挟み込む支点部材25b、25cを支持する。
【0029】
クラッチディスク23は、エンジン(図示せず)の動力を変速機(図示せず)に伝達する摩擦板である。クラッチディスク23は、フライホイール21とプレッシャプレート24との間に配設され、中央部にて変速機の入力軸とスプライン係合しており、変速機の入力軸と相対回転不能かつ軸方向移動可能になっている。クラッチディスク23の外周部の両面には、摩擦材からなるクラッチフェーシング23a、23bがリベットにより張り付け固定されている。クラッチディスク23は、エンジンのトルク変動を吸収する機能(例えば、ダンパ機構)を有する。
【0030】
プレッシャプレート24は、クラッチディスク23をフライホイール21側に押圧してフライホイール21との間に挟み込み、クラッチディスク23をフライホイール21と摩擦係合させて一体的に回転させる環状のプレートである。プレッシャプレート24は、ストラップ24aを介してクラッチカバー22と弾性的に連結されており、クラッチカバー22の回転に伴って回転する。プレッシャプレート24は、ダイヤフラムスプリング25の外周部分の作用点の押付力を受けるリング状の凸部24b(プレッシャプレート24とは別のリング状部材でも可)を有する。
【0031】
ストラップ24aは、積層された複数枚の薄い板ばね材から構成されている。ストラップ24aは、その一端がリベットによりクラッチカバー22の外周部に固定されるとともに、その他端がリベットによりプレッシャプレート24の外周部に固定されている。ストラップ24aは、円周線上に複数配されている。これにより、ストラップ24aは、プレッシャプレート24がフライホイール21から離間し得るように、同プレッシャプレート24に対して軸方向の付勢力を付与している。
【0032】
ダイヤフラムスプリング25は、クラッチカバー22の円筒部22aの内周に沿って配された環状部分と、当該環状部分の内周部から内周側に延在した複数のレバー部25aとを有する皿ばね状の部材である。各レバー部25aは、軸方向両側に配置された一対のリング状の支点部材25b、25cを介して挟持されている。各レバー部25aは、支点部材25b、25cを介してクラッチカバー22の支点形成部22cに保持されている。ダイヤフラムスプリング25の環状部分は、外周部にてプレッシャプレート24の凸部24bと当接しており、プレッシャプレート24をフライホイール21側に押圧するように作用する。ダイヤフラムスプリング25の各レバー部25aは、内周部にてレリーズベアリング26をレリーズフォーク27側に押圧するように作用する。ダイヤフラムスプリング25は、レバー部25aの内端部がレリーズベアリング26によってフライホイール21側に押付けられることで、クラッチカバー22に対し支点部材25b、25cを支点としたピボット運動を行い、環状部分の外周部がプレッシャプレート24の凸部24bから離れるように動作する。このような動作により、クラッチディスク23とフライホイール21との摩擦係合及びその解除の操作を行うことができる。
【0033】
レリーズベアリング26は、外輪がボールを介して内輪に回転可能に支持されたボールベアリングである。変速機の入力軸の外周を包囲するように変速機ケース11に支持された支持スリーブ11aの外周に配されている。レリーズベアリング26の内輪は、支持スリーブ11aに対し軸方向にスライド可能に支持されている。レリーズベアリング26の外輪は、力点部26aにてレバー部25aの内周部(ダイヤフラムスプリング25の中央部)と当接し、レバー部25aの内周部をフライホイール21側に押付ける。
【0034】
レリーズフォーク27は、レリーズベアリング26を軸方向にスライドさせるためのレバー状の部材である。レリーズフォーク27は、作用点にてレリーズベアリング26をフライホイール21側に押付可能な状態でレリーズベアリング26と当接し、力点となる転動面27a、27bにて出力ロッド31と連動するローラ34、35によって変速機側(図の右側)に押付可能な状態でローラ34、35と当接する(図2(B)参照)。レリーズフォーク27は、スプリング27dによりピボット支持部材28に組み付けられており、中間部分の支点部27cにてピボット支持部材28を支点に揺動可能になっている。
【0035】
転動面27aは、ローラ34が転動可能に接する面であり、レリーズフォーク27のエンジン側(図の左側)に配されており、ローラ34の外周面に形成されたガイド面34aの形状に整合する整合部分を有する。転動面27bは、ローラ35が転動可能に接する面であり、レリーズフォーク27のエンジン側(図の左側)に配されており、ローラ35の外周面に形成されたガイド面35aの形状に整合する整合部分を有する。転動面27a、27bは、対応するガイド面34a、35aによってガイドされることで、レリーズフォーク27の力点と作用点とを結ぶ線の動作軌跡の面が出力ロッド31の軸線から外れないように、レリーズフォーク27の動作軌跡を自動調整する。転動面27a、27bは、図4(A)のように出力ロッド31から離れるに従いローラ34、35の回転軸線から離れるように傾斜した形状(テーパ形状)とすることができる。その他にも、図4(B)のように出力ロッド31の軸線とローラ34、35の軸線が交差する面での断面が円弧状をなす形状(凸状、凹状のどちらでも可)の転動面27f、27gや、図4(C)のように出力ロッド31の軸線とローラ34、35の軸線が交差する面での断面がV字状をなす形状(凸状、凹状のどちらでも可)の転動面27h、27iとすることができる。転動面27a、27bの整合部分は、当該整合部分とガイド面34a、35aとが接する部分を接点とする接線(図3(B)の紙面に対し垂直方向の線に相当)が、ダイヤフラムスプリング25による荷重特性が最大(図5のH点)となるときに、出力ロッド31の軸線に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。
【0036】
貫通穴部27eは、レリーズフォーク27における転動面27aと転動面27bとの間の部位に形成されており、出力ロッド31を挿通するためのものである。貫通穴部27eは、レリーズフォーク27が揺動する際においても出力ロッド31と抵触しないように形成されている。なお、貫通穴部27eとする代わりに、溝部(切欠部)とすることも可能である。
【0037】
出力ロッド31は、略棒状の部材である。出力ロッド31は、中間部分でリニアボールベアリング41を介して変速機ケース11(固定されているものであればその他の部材でも可)にスライド可能に支持されている。出力ロッド31は、出力ロッド31の軸線方向にスライド可能となっている。出力ロッド31の軸線は、クラッチディスク23(又は変速機の入力軸)の回転軸線(図1の左右方向)と平行(略平行でも可)に設定されている。出力ロッド31は、エンジン側(図1の左側)の端部付近の部位において、ナット33と螺合するねじ部31aを有する。出力ロッド31は、ナット33とレリーズフォーク27の転動面27a、27bとの間に配されたプーラ32の貫通穴部32cに挿通されており、プーラ32を回転可能かつ軸方向移動可能に支持(ガタを持たせても可)している(図2(B)参照)。出力ロッド31は、レリーズフォーク27の貫通穴部27eに挿通されており、レリーズフォーク27が揺動したとき貫通穴部27eと抵触しないように設定されている(図2(B)参照)。出力ロッド31は、レリーズフォーク27の転動面27a、27bからのエンジン側(図の左側)への付勢力(ダイヤフラムスプリング25から伝達してきた付勢力に相当)を、ローラ34、35、軸受36、37、プーラ32、及びナット33を介して受ける。出力ロッド31は、リニアボールベアリング41よりも変速機側(図2の右側)の部位にて、動力源の駆動により回転するピニオンギヤ44と噛み合うラックギヤ部31bが形成されている。出力ロッド31は、ピニオンギヤ44が回転することで、ピニオンギヤ44の回転動力がラックギヤ部31bによって直線的な運動に変換されて、出力ロッド31の軸線方向にスライドする。
【0038】
プーラ32は、円筒状の部材である。プーラ32は、ナット33とレリーズフォーク27の転動面27a、27bとの間に配されている。プーラ32は、円筒状部分の貫通穴部32cに出力ロッド31が挿通されており、出力ロッド31に回転可能かつ軸方向移動可能に支持(ガタを持たせても可)されている。プーラ32は、出力ロッド31のスライドに追従するとともに、出力ロッド31の軸線を中心軸として回転可能である。プーラ32は、出力ロッド31と螺合するナット33によって軸方向のエンジン側(図の左側)への移動が係止されるとともに、ローラ34、35及び軸受36、37を介してレリーズフォーク27の転動面27a、27bの押付力を受けている。プーラ32は、外周面に2つの軸部32a、32bを有する。軸部32a及び軸部32bの各軸線は、互いに同一直線上に配されており、出力ロッド31の軸線に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。軸部32aは、軸受36を介してローラ34を回転可能に支持し、ローラ34の回転軸方向の移動を規制するスナップリング38が取り付けられている。軸部32bは、軸受37を介してローラ35を回転可能に支持し、ローラ35の回転軸方向の移動を規制するスナップリング39が取り付けられている。
【0039】
ナット33は、出力ロッド31のねじ部31aと螺合する部材である。ナット33は、プーラ32よりもエンジン側(図の左側)に配され、プーラ32の軸方向のエンジン側への移動を規制(係止)する。
【0040】
ローラ34は、レリーズフォーク27の転動面27aで回転する回転体である。ローラ35は、レリーズフォーク27の転動面27bで回転する回転体である。ローラ34は、軸受36を介してプーラ32の軸部32aに回転可能に支持されており、軸部32aに取り付けられたスナップリング38が軸受36に当接することにより回転軸方向への移動が規制されている。ローラ35は、軸受37を介してプーラ32の軸部32bに回転可能に支持されており、軸部32bに取り付けられたスナップリング39が軸受37に当接することにより回転軸方向への移動が規制されている。ローラ34の回転軸とローラ35の回転軸とは、互いに同一直線上にあり、出力ロッド31の軸線方向に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。ローラ34、35は、外周面において、レリーズフォーク27の動作軌跡を自動調整するようにレリーズフォーク27の転動面27a、27bをガイドするガイド面34a、35aを有する。ガイド面34a、35aは、転動面27a、27bの整合部分を整合させる形状に形成されている。ガイド面34a、35aは、図4(A)のように出力ロッド31(又はプーラ32の円筒部分)から離れるに従い半径が大きくなるように傾斜した形状(テーパ形状)とすることができる。その他にも、図4(B)のように出力ロッド31の軸線とローラ34、35の軸線が交差する面での断面が円弧状をなす形状(凸状、凹状のどちらでも可)のガイド面34b、35bや、図4(C)のように出力ロッド31の軸線とローラ34、35の軸線が交差する面での断面がV字状をなす形状(凸状、凹状のどちらでも可)のガイド面34c、35cとすることができる。
【0041】
軸受36は、ローラ34とプーラ32の軸部32aとの間に配されたニードルベアリングである。軸受37は、ローラ35とプーラ32の軸部32bとの間に配されたニードルベアリングである。なお、実施例1では、ローラ34、35の軸受36、37としてニードルベアリングを用いているが、その他の手段であってもよい。
【0042】
スナップリング38は、軸受36に当接することによりローラ34の回転軸方向への移動を規制する部材であり、プーラ32の軸部32aに取り付けられている。スナップリング39は、軸受37に当接することによりローラ35の回転軸方向への移動を規制する部材であり、プーラ32の軸部32bに取り付けられている。
【0043】
リニアボールベアリング41は、出力ロッド31を軸線方向に支持する軸受けである。リニアボールベアリング41は、変速機ケース11(固定されているものであればその他の部材でも可)の段差部を有する貫通穴部11bに挿入(挿嵌でも可)されており、貫通穴部11bの段差部とスナップリング42とによって軸線方向の移動が規制(係止)されている。なお、実施例1では、出力ロッド31をスライド可能に支持する機構としてリニアボールベアリング41を用いているが、その他の手段であってもよい。
【0044】
スナップリング42は、リニアボールベアリング41の軸線方向の移動を規制(係止)する部材である。スナップリング42は、変速機ケース11の貫通穴部11bに取り付けられている。
【0045】
シール43は、リニアボールベアリング41及びピニオンギヤ44の潤滑油を封止し、水や塵の浸入を防止する部材である。シール43は、変速機ケース11の貫通穴部11bに取り付けられている。
【0046】
ピニオンギヤ44は、出力ロッド31のラックギヤ部31bと噛み合う回転部材である。ピニオンギヤ44は、固定された位置で回転する回転軸45とともに一体に回転する。ピニオンギヤ44の回転動力は、ラックギヤ部31bによって直線的な運動に変換されて、出力ロッド31の軸線方向にスライドさせる。なお、実施例1では、アクチュエータ等の動力源の推力を変換する機構としてピニオンギヤ44とラックギヤ部31b用いているが、その他、カム機構、ねじ機構等の推力変換機構を用いることができる。
【0047】
回転軸45は、固定された位置にて回転する軸部材である。回転軸45は、ピニオンギヤ44と一体に回転する。回転軸45には、アクチュエータ、モータ等の動力源(図示せず)の駆動により、例えば、すべり歯車機構などの減速機構を介して回転動力が与えられる。
【0048】
次に、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ機構を含むクラッチ装置の動作ついて説明する。
【0049】
図2の状態から図3の状態になる動作では、回転軸45がピニオンギヤ44を所定の回転方向に回転させて出力ロッド31を変速機側(図の右側)にスライドさせることで、ナット33、プーラ32、軸受36、37、及びローラ34、35を介して、力点となるレリーズフォーク27の転動面27a、27bを変速機側(図の右側)に揺動させ、レリーズフォーク27の作用点がレリーズベアリング26を介してダイヤフラムスプリング25の力点を押付け、ダイヤフラムスプリング25の作用点がプレッシャプレート24の凸部24bから離れるように移動し、プレッシャプレート24がフライホイール21から離れ、フライホイール21とクラッチディスク23との摩擦係合を解除して、クラッチ装置を断状態にする。
【0050】
図2の状態から図3の状態になる動作では、回転軸45がピニオンギヤ44を所定の回転方向の逆方向に回転させて出力ロッド31をエンジン側(図の左側)にスライドさせることで、ナット33、プーラ32、軸受36、37、及びローラ34、35がレリーズフォーク27の転動面27a、27bの押付け(ダイヤフラムスプリング25によるもの)によりエンジン側(図の左側)に移動し、ダイヤフラムスプリング25の力点が変速機側(図の右側)に押付けることによりレリーズベアリング26を介してレリーズフォーク27の作用点を変速機側(図の右側)に揺動させ、ダイヤフラムスプリング25の作用点がプレッシャプレート24の凸部24bを押付け、プレッシャプレート24がフライホイール21に近づき、フライホイール21とクラッチディスク23とが摩擦係合して、クラッチ装置を接状態にする。
【0051】
いずれの動作においても、レリーズフォーク27の転動面27a、27bがローラ34、35のガイド面34a、35aによってガイドされることで、レリーズフォーク27の軸線の動作軌跡の面が出力ロッド31の軸線から外れないように、レリーズフォーク27が自動調整される。また、プーラ32は出力ロッド31に対して回転可能であるので、ローラ34、35のガイド面34a、35aは、レリーズフォーク27の転動面27a、27bと対応するように自動調整される。
【0052】
実施例1によれば、出力ロッド31にローラ34、35を有するプーラ32を設定することにより、出力ロッド31の一端をレリーズフォーク27の力点部にてピボット軸受けする必要がなくなり、出力ロッド31の軸線方向のスライドによりレリーズフォーク27を揺動させることが可能となるので、動力伝達効率が向上するとともに、出力ロッド31とレリーズフォーク27との間の入出力の線形性が増し、制御性を向上させることができる。また、プーラ32を出力ロッド31に支持する構成とするとローラ34、35の転動方向とレリーズフォーク27の動作方向の位置決め精度が必要となるが、ローラ34、35にガイド面34a、35aを設け、レリーズフォーク27にガイド面34a、35aと対応する転動面27a、27bを設けることで、ガイド面34a、35aと転動面27a、27bとの間のガイド作用(レール作用)によって、プーラ32を出力ロッド31に回転自在又はガタを持たせて支持してもプーラ32が自動調心されるので、位置決め精度を緩和させることができる。これにより、組立が容易になり、製造コストを低減させることができる。
【実施例2】
【0053】
本発明の実施例2に係るクラッチレリーズ機構について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施例2に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を拡大した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【0054】
実施例2は、実施例1の変形例であり、プーラ51の両側ではなく片側に1個のローラ52を回転可能に支持し、ローラ52のガイド面52aに第1傾斜部52a1及び第2傾斜部52a2を設定し、これに対応してレリーズフォーク27の転動面27jに第1傾斜面27j1及び第2傾斜面27j2を設定したものである。
【0055】
レリーズフォーク27は、レリーズベアリング(図1の26に相当)を軸方向にスライドさせるためのレバー状の部材である。レリーズフォーク27は、作用点にてレリーズベアリング(図1の26に相当)をフライホイール(図1の21に相当)側に押付可能な状態でレリーズベアリング(図1の26に相当)と当接し、力点となる転動面27jにて出力ロッド31と連動するローラ52によって変速機側(図の右側)に押付可能な状態でローラ52と当接する(図6(B)参照)。レリーズフォーク27は、スプリング(図1の27dに相当)によりピボット支持部材(図1の28に相当)に組み付けられており、中間部分の支点部(図1の27cに相当)にてピボット支持部材(図1の28に相当)を支点に揺動可能になっている。なお、レリーズフォーク27は、実施例1のレリーズフォーク(図2の27)のような貫通穴部(図2の27e)を有さない。
【0056】
転動面27jは、ローラ52が転動可能に接する面であり、レリーズフォーク27のエンジン側(図の左側)に配されており、ローラ52の外周面に形成されたガイド面52aの形状に整合する整合部分を有する。転動面27jは、ガイド面52aによってガイドされることで、レリーズフォーク27の力点と作用点とを結ぶ線の動作軌跡の面が出力ロッド31の軸線から外れないように、レリーズフォーク27の動作軌跡を自動調整する。転動面27jは、第1傾斜面27j1と、第1傾斜面27j1よりも出力ロッド31に近い位置に配された第2傾斜面27j2とを有する。第1傾斜面27j1は、出力ロッド31から離れるに従い半径が大きくなるように傾斜し、ガイド面52aの第1傾斜面52a1と接する。第2傾斜面27j2は、出力ロッド31から離れるに従い半径が小さくなるように傾斜し、ガイド面52aの第2傾斜面52a2と接する。第2傾斜面27j2は、第1傾斜面27j1の面積よりも大きい面積に設定されており、第1傾斜面27j1の勾配よりも小さい勾配に設定されている。転動面27jの整合部分は、当該整合部分とガイド面52aとが接する部分を接点とする接線(図6(B)の紙面に対し垂直方向の線に相当)が、ダイヤフラムスプリング(図1の25に相当)による荷重特性が最大(図5のH点に相当)となるときに、出力ロッド31の軸線に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。
【0057】
プーラ51は、円筒状の部材である。プーラ51は、ナット33とレリーズフォーク27の転動面27jとの間に配されている。プーラ51は、円筒状部分の貫通穴部51cに出力ロッド31が挿通されており、出力ロッド31に回転可能かつ軸方向移動可能に支持(ガタを持たせても可)されている。プーラ51は、出力ロッド31のスライドに追従するとともに、出力ロッド31の軸線を中心軸として回転可能である。プーラ51は、出力ロッド31と螺合するナット33によって軸方向のエンジン側(図の左側)への移動が係止されるとともに、ローラ52及び軸受53を介してレリーズフォーク27の転動面27jの押付力を受けている。プーラ51は、外周面に1つの軸部51aを有する。軸部51aの軸線は、出力ロッド31の軸線に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。軸部51aは、軸受53を介してローラ52を回転可能に支持し、軸受53の回転軸方向の移動を規制するスナップリング54が取り付けられている。
【0058】
ローラ52は、レリーズフォーク27の転動面27jで回転する回転体である。ローラ52は、軸受53を介してプーラ51の軸部51aに回転可能に支持されており、軸部51aに取り付けられたスナップリング54が軸受53に当接することにより回転軸方向への移動が規制されている。ローラ52の回転軸は、出力ロッド31の軸線方向に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。ローラ52は、外周面において、レリーズフォーク27の動作軌跡を自動調整するようにレリーズフォーク27の転動面27jをガイドするガイド面52aを有する。ガイド面52aは、転動面27jの整合部分を整合させる形状に形成されている。ガイド面52aは、第1傾斜面52a1と、第1傾斜面52a1よりも出力ロッド31に近い位置に配された第2傾斜面52a2とを有する。第1傾斜面52a1は、出力ロッド31から離れるに従い半径が大きくなるように傾斜している。第2傾斜面52a2は、出力ロッド31から離れるに従い半径が小さくなるように傾斜し、第1傾斜面52a1の面積よりも大きい面積に設定され、第1傾斜面52a1の勾配よりも小さい勾配に設定されている。
【0059】
なお、軸受53及びスナップリング54は、実施例1の軸受(図2の36)及びスナップリング(図2の38)の構成と同様である。また、実施例2におけるその他の構成及び動作は、実施例1と同様である。
【0060】
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、レリーズフォーク27の転動面27jの断面形状を凸形状とすることにより、ローラ52を片側で回転可能に支持するプーラ51でも、出力ロッド31のまわりでのプーラ51の回転を抑制することができる。また、ローラ52が1個なので、部品点数の削減により、製造コストを削減することができる。また、プーラ51がローラ52を片側で回転可能に支持する構成であるので、レイアウト性が向上する。さらに、第1傾斜面27j1、52a1と第2傾斜面27j2、52a2との角度を変えることにより、出力ロッド51の軸線まわりのローラ52のモーメントをキャンセルできる。
【実施例3】
【0061】
本発明の実施例3に係るクラッチレリーズ機構について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施例3に係るクラッチレリーズ機構における出力ロッド及びその周辺の構成を拡大した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【0062】
実施例3は、実施例1の変形例であり、プーラ61の両側ではなく片側に2個のローラ62、63を回転可能に支持したボギー式とし、ローラ62、63のガイド面62a、63aがレリーズフォーク27における共通の転動面27kを転動し、プーラ61が出力ロッドに対して揺動可能に支持されるようにしたものである。
【0063】
レリーズフォーク27は、レリーズベアリング(図1の26に相当)を軸方向にスライドさせるためのレバー状の部材である。レリーズフォーク27は、作用点にてレリーズベアリング(図1の26に相当)をフライホイール(図1の21に相当)側に押付可能な状態でレリーズベアリング(図1の26に相当)と当接し、力点となる転動面27kにて出力ロッド31と連動するローラ62、63によって変速機側(図の右側)に押付可能な状態でローラ62、63と当接する(図7(B)参照)。レリーズフォーク27は、スプリング(図1の27dに相当)によりピボット支持部材(図1の28に相当)に組み付けられており、中間部分の支点部(図1の27cに相当)にてピボット支持部材(図1の28に相当)を支点に揺動可能になっている。レリーズフォーク27は、出力ロッド31を挿通するための貫通穴部27eを有する。貫通穴部27eは、レリーズフォーク27が揺動する際においても出力ロッド31と抵触しないように形成されている。なお、貫通穴部27eとする代わりに、溝部(切欠部)とすることも可能である。
【0064】
転動面27kは、ローラ62、63が転動可能に接する面であり、レリーズフォーク27のエンジン側(図の左側)に配されており、ローラ62、63の外周面に形成されたガイド面62a、63aの形状に整合する整合部分を有する。転動面27kは、ガイド面62a、63aによってガイドされることで、レリーズフォーク27の力点と作用点とを結ぶ線の動作軌跡の面が出力ロッド31の軸線から外れないように、レリーズフォーク27の動作軌跡を自動調整する。転動面27kは、出力ロッド31から離れるに従い半径が大きくなるように傾斜した形状(テーパ形状)とすることができる。ガイド面62a、63aの両方と接する。転動面27kの整合部分は、当該整合部分とガイド面62a、63aとが接する部分を接点とする接線(図6(B)の紙面に対し垂直方向の線に相当)が、ダイヤフラムスプリング(図1の25に相当)による荷重特性が最大(図5のH点に相当)となるときに、出力ロッド31の軸線に対して直角(略直角でも可)となるように設定してもよい。
【0065】
プーラ61は、円筒状の部材である。プーラ61は、ナット33とレリーズフォーク27の転動面27kとの間に配されている。プーラ61は、円筒状部分の貫通穴部61cに出力ロッド31が挿通されており、出力ロッド31に回転可能かつ軸方向移動可能に支持(ガタを持たせても可)されている。プーラ61は、出力ロッド31のスライドに追従するとともに、出力ロッド31の軸線を中心軸として回転可能である。プーラ61は、出力ロッド31と螺合するナット33によって軸方向のエンジン側(図の左側)への移動が係止されるとともに、ローラ62、63を介してレリーズフォーク27の転動面27kの押付力を受けている。プーラ61は、片側に2つの軸部61a、61bを有する。軸部61a及び軸部61bの各軸線は、互いに離間して平行に配されており、出力ロッド31の軸線に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。軸部61aは、軸受(図示せず)を介してローラ62を回転可能に支持し、ローラ62の回転軸方向の移動を規制するスナップリング64が取り付けられている。軸部61bは、軸受(図示せず)を介してローラ63を回転可能に支持し、ローラ63の回転軸方向の移動を規制するスナップリング65が取り付けられている。プーラ61は、ナット33と当接する面に凸形の曲面部61dを有する。曲面部61dは、レリーズフォーク27がどの傾き追従してローラ62及びローラ63の両方が常に転動面27kに接するように、プーラ61を出力ロッド31に対して揺動可能にするためのものである。そのため、貫通穴部61cは、出力ロッド31と抵触しないように長穴となっている。
【0066】
ローラ62、63は、レリーズフォーク27の転動面27kで回転する回転体である。ローラ62、63は、プーラ61の片側に回転可能に支持される。ローラ62は、軸受(図示せず)を介してプーラ61の軸部61aに回転可能に支持されており、軸部61aに取り付けられたスナップリング64が軸受に当接することにより回転軸方向への移動が規制されている。ローラ63は、軸受(図示せず)を介してプーラ61の軸部61bに回転可能に支持されており、軸部61aに取り付けられたスナップリング65が軸受に当接することにより回転軸方向への移動が規制されている。ローラ62、63の回転軸は、互いに離間して平行に配されており、出力ロッド31の軸線方向に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。ローラ62、63は、外周面において、レリーズフォーク27の動作軌跡を自動調整するようにレリーズフォーク27の転動面27kをガイドするガイド面62a、63aを有する。ガイド面62a63aは、転動面27kの整合部分を整合させる形状に形成されている。ガイド面62aは、出力ロッド31から離れるに従い半径が大きくなるように傾斜した形状(テーパ形状)とすることができる。
【0067】
なお、スナップリング64、65は、実施例1のスナップリング(図2の38)の構成と同様である。また、実施例3におけるその他の構成及び動作は、実施例1と同様である。
【0068】
実施例3によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、プーラ61が複数のローラ62、63を片側で回転可能に支持するボギー式の構成とすることにより、プーラ61が複数のローラを両側で回転可能に支持する構成(実施例1に相当)に比べて、レイアウト性が向上する。また、ローラ62、63のガイド面62a、63a、及び、レリーズフォーク27の転動面27kを、それぞれ片側に傾斜したテーパ形状とすることにより、凹凸で整合させる場合よりも加工性が向上する。
【実施例4】
【0069】
本発明の実施例4に係るクラッチレリーズ機構について図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施例4に係るクラッチレリーズ機構におけるレリーズフォークの転動面の構成を説明するための模式図である。
【0070】
実施例4は、実施例1の変形例であり、レリーズフォーク27の転動面27lとローラ34のガイド面34aとの接点に係る接線Tが、レリーズフォーク27が制御される範囲のどの揺動角度においても出力ロッド31の軸線Aと直角(略直角でも可)になるように、転動面27lの表面形状を設定したものである。転動面27lとガイド面34aとの接点は、側面から見て、レリーズフォーク27が制御される範囲のどの揺動角度においても出力ロッド31の軸線A上にある。転動面27lの表面の断面(レリーズフォーク27の支点Fから力点を結ぶ線を通る断面)形状は、レリーズフォーク27の支点Fから出力ロッド31の軸線Aまでの距離を基礎円Cの半径とするインボリュート曲線となっている。出力ロッド31のストロークとレリーズフォーク27の揺動角度とは、比例する。転動面27l以外の構成は、実施例1と同様である。なお、転動面27lのような表面形状は、実施例2、3にも適用することができる。
【0071】
実施例4によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、レリーズフォーク27の転動面27lの表面の断面形状を、支点Fから出力ロッド31の軸線Aまでの距離を基礎円Cの半径とするインボリュート曲線とすることにより、レリーズフォーク27の傾斜時のローラ34の反力の出力ロッド31の軸線A方向以外の分力が発生しなくなる。そのため、リニアボールベアリング(図1の41に相当)の負荷を低減でき、動力伝達効率を向上させることができる。
【実施例5】
【0072】
本発明の実施例5に係るクラッチレリーズ機構について図面を用いて説明する。図9は、本発明の実施例5に係るクラッチレリーズ機構におけるシャフト部材及びその周辺の構成を模式的に示した(A)側面図、(B)X−X´間の断面図である。
【0073】
実施例5は、実施例1の変形例であり、出力ロッド(図2の31)のストロークによりプーラ(図2の33)を移動させるストローク機構を用いる代わりにシャフト部材71の回転によりプーラ74を移動させるねじ機構を用いたものである。
【0074】
シャフト部材71は、略棒状の部材である。シャフト部材71は、両端部分で軸受72、73を介して変速機ケース11(固定されているものであればその他の部材でも可)に回転可能に支持されている。シャフト部材71の軸線は、クラッチディスク(図1の23に相当)の回転軸線(図1の左右方向)と平行(略平行でも可)に設定されている。シャフト部材71は、中間部分の外周面において、プーラ74の雌ねじ部74cと螺合する雄ねじ部71aを有する。これにより、シャフト部材71が回転することで、プーラ74がシャフト部材71の軸線方向に移動し、プーラ74に回転可能に支持されたローラ75、76がレリーズフォーク27の転動面27a、27bを押付けることが可能となる。シャフト部材71は、雄ねじ部71aが形成されていない箇所に、モータ83の出力軸83a(回転軸)に固定されたピニオンギヤ82と噛み合うスパーギヤ81が取り付け固定されている。シャフト部材71は、スパーギヤ81と一体に回転する。シャフト部材71は、モータ83の出力軸83aの回転動力がピニオンギヤ82及びスパーギヤ81によって減速されて伝達される。シャフト部材71は、レリーズフォーク27の貫通穴部27eに挿通されており、レリーズフォーク27が揺動したとき貫通穴部27eと抵触しないように設定されている(図9(B)参照)。シャフト部材71は、レリーズフォーク27の転動面27a、27bからのエンジン側(図の左側)への付勢力(ダイヤフラムスプリング25から伝達してきた付勢力に相当)を、ローラ75、76、軸受77、78、及びプーラ74を介して受ける。なお、シャフト部材71は、モータの出力軸と直接連結した構成としてもよい。
【0075】
プーラ74は、環状の部材である。プーラ32は、シャフト部材71の中間部分の外周に配されている。プーラ74は、円筒状部分の内周面に、シャフト部材71の雄ねじ部71aと螺合する雌ねじ部74cを有する。プーラ74は、シャフト部材71の回転により、シャフト部材71の軸線方向に移動可能である。なお、プーラ74は、シャフト部材71を回転させても、ローラ75、76のガイド面75a、76aとレリーズフォーク27の転動面27a、27bとのレール作用により回転しない。プーラ74は、ローラ75、76及び軸受77、78を介してレリーズフォーク27の転動面27a、27bの押付力を受けている。プーラ74は、外周面に2つの軸部74a、74bを有する。軸部74a及び軸部74bの各軸線は、互いに同一直線上に配されており、シャフト部材71の軸線に対して直角(略直角でも可)となるように設定されている。軸部74aは、軸受77を介してローラ75を回転可能に支持し、ローラ75の回転軸方向の移動を規制するスナップリング79が取り付けられている。軸部74bは、軸受78を介してローラ76を回転可能に支持し、ローラ76の回転軸方向の移動を規制するスナップリング80が取り付けられている。また、ねじ機構には、すべりねじに比べ動力伝達効率の高いボールねじを適用してもよい。
【0076】
なお、ローラ75、76、軸受77、78、スナップリング79、80、及びレリーズフォーク27は、実施例1のローラ(図2の34、35、軸受36、37、スナップリング38、39、及びレリーズフォーク27の構成と同様である。また、実施例5におけるその他の構成及び動作は、実施例1と同様である。また、実施例5におけるシャフト部材71の回転によりプーラ74を移動させるねじ機構は、実施例2〜4において適用することができる。
【0077】
実施例5によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、シャフト部材71の回転によりプーラ74を移動させるねじ機構を用いることにより、高価なリニアボールベアリングが不要となり、製造コストを低減させることができる。
【0078】
なお、上記実施例は、一般的なノーマルクローズタイプのクラッチに適用しているが、近年、デュアルクラッチ式変速機への適用が増加しているノーマルオープンタイプのクラッチにも適用することができる。また、上記実施例は、支点が力点と作用点の間に位置する内支点タイプのフォークシャフトに適用しているが、作用点が力点と支点の間に位置する外支点タイプのフォークシャフトにも適用できる。また、上記実施例は、乾式クラッチに適用しているが、湿式クラッチにも適用できる。さらに、上記実施例は、動力源をエンジンとするものに適用しているが、エンジン以外の動力源、例えば、ハイブリッド車や電気自動車に用いられるモータの動力断接にも適用できる。
【0079】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0080】
10 クランクシャフト
11 変速機ケース
11a 支持スリーブ
11b 貫通穴部
20 摩擦クラッチ
21 フライホイール
22 クラッチカバー
22a 円筒部
22b フランジ部
22c 支点形成部
23 クラッチディスク
23a、23b クラッチフェーシング
24 プレッシャプレート
24a ストラップ
24b 凸部
25 ダイヤフラムスプリング
25a レバー部
25b、25c 支点部材
26 レリーズベアリング
26a 力点部
27 レリーズフォーク
27a、27b 転動面(第1転動面、第2転動面)
27c 支点部
27d スプリング
27e 貫通穴部
27f、27g 転動面(第1転動面、第2転動面)
27h、27i 転動面(第1転動面、第2転動面)
27j 転動面
27j1 第1傾斜面
27j2 第2傾斜面
27k 転動面
27l
28 ピボット支持部材
30 クラッチレリーズ機構
31 出力ロッド
31a ねじ部
31b ラックギヤ部
32 プーラ
32a、32b 軸部
32c 貫通穴部
33 ナット
34、35 ローラ(第1ローラ、第2ローラ)
34a、35a ガイド面
34b、35b ガイド面
34c、35c ガイド面
36、37 軸受
38、39 スナップリング
41 リニアボールベアリング
42 スナップリング
43 シール
44 ピニオンギヤ
45 回転軸
51 プーラ
51a 軸部
51c 貫通穴部
52 ローラ
52a ガイド面
52a1 第1傾斜面
52a2 第2傾斜面
53 軸受
54 スナップリング
61 プーラ
61a、61b 軸部
61c 貫通穴部
61d 曲面部
62、63 ローラ
62a、63a ガイド面
64、65 スナップリング
71 シャフト部材
71a 雄ねじ部
72、73 軸受
74 プーラ
74a、74b 軸部
74c 雌ねじ部
75、76 ローラ
75a、76a ガイド面
77、78 軸受
79、80 スナップピン
81 スパーギヤ
82 ピニオンギヤ
83 モータ
83a 出力軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機構の動作に応じて一定方向に移動可能なプーラと、
前記プーラに回転可能に支持されたローラと、
支点にて固定された所定の部材に揺動可能に支持されるとともに、作用点にてレリーズベアリングを介してダイヤフラムスプリングによる付勢力を受け、かつ、力点にて前記ローラが転動可能に接する転動面を有するレリーズフォークと、
を備え、
前記ローラは、外周面に所定形状に形成されたガイド面を有し、
前記転動面は、前記ガイド面に整合する整合部分を有することを特徴とするクラッチレリーズ機構。
【請求項2】
前記所定の機構は、固定された所定の部材にスライド可能に支持されるとともに、動力源の駆動によりスライドする出力ロッドを含むスライド機構であり、
前記プーラは、前記出力ロッドのスライドに追従するとともに、前記出力ロッドの軸線を中心軸として回転可能であることを特徴とする請求項1記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項3】
前記出力ロッドの軸線は、クラッチディスクの回転軸線と略平行に設定されていることを特徴とする請求項2記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項4】
前記整合部分と前記ガイド面とが接する部分は、前記ダイヤフラムスプリングによる荷重特性が最大となるときに、前記出力ロッドの軸線を通り、かつ、前記レリーズフォークの揺動軸線と平行な平面上に含まれることを特徴とする請求項2又は3記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項5】
前記レリーズフォークは、前記出力ロッドが挿通される貫通穴部又は溝部を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項6】
前記出力ロッドと螺合するとともに、前記プーラについて前記レリーズフォーク側とは反対側への移動を規制するナットを備えることを特徴とする請求項5記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項7】
前記ローラは、複数のうちの1つであり、
複数の前記ローラは、第1ローラ及び第2ローラを有し、
前記第1ローラ及び前記第2ローラは、前記プーラの両側に回転可能に支持され、
前記第1ローラ及び前記第2ローラの各回転軸は、互いに同一直線上に配されるとともに、前記出力ロッドの軸線方向に対して略直角に設定されており、
前記レリーズフォークは、前記転動面として、前記第1ローラが転動可能に接する第1転動面と、前記第2ローラが転動可能に接する第2転動面とを有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一に記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項8】
前記第1ローラの前記ガイド面、及び前記第2ローラの前記ガイド面は、それぞれ前記出力ロッドから離れるに従い半径が大きくなるように傾斜したテーパ形状に形成され、
前記第1転動面の前記整合部分は、前記第1ローラの前記ガイド面と整合し、
前記第2転動面の前記整合部分は、前記第2ローラの前記ガイド面と整合することを特徴とする請求項7記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項9】
前記ガイド面は、第1傾斜面と、前記第1傾斜面よりも前記出力ロッドに近い位置に配された第2傾斜面とを有し、
前記第1傾斜面は、前記出力ロッドから離れるに従い半径が大きくなるように傾斜し、
前記第2傾斜面は、前記出力ロッドから離れるに従い半径が小さくなるように傾斜するとともに、前記第1傾斜面の面積よりも大きい面積であり、かつ、前記第1傾斜面の勾配よりも小さい勾配であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一に記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項10】
前記ローラは、複数のうちの1つであり、
複数の前記ローラは、第1ローラ及び第2ローラを有し、
前記第1ローラ及び前記第2ローラは、前記プーラの片側に回転可能に支持されるとともに、前記転動面上で転動可能であり、
前記第1ローラ及び前記第2ローラの各回転軸は、互いに離間しているとともに、前記出力ロッドの軸線方向に対して略直角に設定されていることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一に記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項11】
前記プーラは、前記出力シャフトの軸線に対して揺動可能に前記出力シャフトに支持されていることを特徴とする請求項10記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項12】
前記転動面の表面の断面形状は、前記レリーズフォークの支点から前記出力ロッドの軸線までの距離を基礎円半径とするインボリュート曲線となっていることを特徴とする請求項2乃至11のいずれか一に記載のクラッチレリーズ機構。
【請求項13】
前記所定の機構は、固定された所定の部材に回転可能に支持されるとともに、動力源の駆動により回転し、かつ、所定の部位の外周面に雄ねじ部を有するシャフト部材を含むねじ機構であり、
前記プーラは、環状に形成されるとともに、内周面に前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、かつ、前記シャフト部材の回転により前記シャフト部材の軸線方向に移動可能であり、
前記シャフト部材の軸線は、クラッチディスクの回転軸線と略平行に設定されていることを特徴とする請求項1記載のクラッチレリーズ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−202732(P2011−202732A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70096(P2010−70096)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(592058315)アイシン・エーアイ株式会社 (490)
【Fターム(参考)】