説明

クリーニングヘッド

【課題】ベアリング部を常に望ましい衛生状態にすると共に、洗浄液の消費量を低減することができるクリーニングヘッドを提供する。
【解決手段】クリーニングヘッドの洗浄のための洗浄液の供給量を調整するため、本発明におけるハブ(4)は、AISI316L及びNitronic60のような摩耗しない金属からなるベアリング、好ましくはベアリング部(15、20)の材料が互いに異なる、によりハウジング(3)内に取り付けられている。それにより、液体はベアリングギャップ(14)を通過することができ、ハブ(14)を洗浄する液体の消費量と、表面に固定された強固な液体層の形成とを正確に低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクリーニングヘッドに関し、更に詳しくは、タンク内に設置され、加圧された洗浄液の流入口を備えると共に、ノズルハブが回転すると同時にクリーニングヘッドが回転し、供給された洗浄液をハブ内のノズルを通じて噴射することで、タンクの壁面を両方の回転の動きにより洗浄するクリーニングヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのクリーニングヘッドは、輸送機器や製造機器の分野における全ての種類のタンクの内部洗浄に好適に用いられる。
【0003】
クリーニングハウジング内の部品を清潔に保つために多量の洗浄液が用いられるが、その洗浄液は、クリーニングハウジングの表面、並びにクリーニングハウジング内のギヤ及びベアリングの両方に噴射されることになる。
【0004】
ベアリング部は通常は重合体から製造されるが、重合体は細菌汚染を助長する場となり得るため、上記のように洗浄液が噴射されるにもかかわらず、望ましい衛生状態を常に確保することは難しい。
【0005】
更に、タービン、ギヤ及びベアリングのような可動部分において使用中に発生する摩擦に抗するために、エネルギー、つまり液体の圧力は消費されてしまう。
【0006】
そのため、望ましい衛生状態を確保するのに必要とされるのと同じくらいの大量のエネルギーが消費されることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述した欠点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成する本発明のクリーニングヘッドは、加圧された洗浄液の流入口を有すると共に、内部に取り付けられたノズルハブが回転すると同時に回転するハウジングを備え、供給された洗浄液をハブ内のノズルを通じて噴射して、連動する両方の回転運動によりタンクの壁面を洗浄するクリーニングヘッドにおいて、ノズルハブ4はハウジング3内のリング内にスライドベアリングにより取り付けられ、そのベアリング部15、20は、高硬度、耐食性及び耐摩耗性を有する金属により製造されたことを特徴とするものである。
【0009】
ベアリング部15、20は、それぞれAISI316L及びNitronic60から製造されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の目的は、スライドベアリングによりハウジング内のリング内に取り付けられ、ベアリング部が、AISI316LやNitronic60のように、高硬度で耐食性及び耐摩耗性に優れた材料から製造されたノズルハブにより達成される。
【0011】
表面が比較的柔らかい重合体から製造された従来のベアリングと比較すると、それらの合金を用いることにはいくつかの長所がある。
【0012】
つまり、本発明によれば、ベアリングは、クリーニングハウジングの他の部分と同じ程度の耐食性と耐熱性を有することができる。
【0013】
また、本発明によれば、ベアリングは、同じ程度の熱膨張係数と共に、細菌が繁殖するおそれのない摩耗しにくい表面を有することができる。
【0014】
このことは、ベアリングを先例がないほど高い精度で製造することを意味し、ベアリングを通過する液体の流れを制御できる可能性をもたらすものである。それにより、水の消費量が低減するので、運転の経済性を先例がないほど優れたものにすることができる。
【0015】
最後に、洗浄液をハブ表面に噴射するための流路としてベアリングギャップを用いることは、請求項2及び3に記載したように有効なことであり、ちょうど水の消費量を可能なレベルまで低減したときのように、汚染に対して高い防護を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のクリーニングヘッドの例を、ロータリーハブを備えたクリーニングヘッドの断面図である参考図面と共に、より詳細に以下に記載する。
【0017】
本発明のクリーニングヘッドは、加圧された洗浄液が流入口1を通じて供給されるハウジングを構成する固定部2を備えている。
【0018】
通常、クリーニングヘッドはタンク内に浸され、パイプ(図示せず)により液体供給源と接続されている。
【0019】
タービン5(図示せず)は、固定部2内に取り付けられており、そのタービンはギア11(図示せず)を通じてハウジングの回転部3に向かう回転流を生成する。
【0020】
この回転流は、歯付きリム6を回転させ、それにより回転流は、すぐ下流に設けられた歯付きリム12を通じてノズルハブ4へ伝えられる。
【0021】
この回転は、固定部2と回転部3との間のボールベアリング8により起こる。
【0022】
タービン5に供給されギア11まで運ばれる液体は、流路7からベアリング8を通じて流路9までも運ばれて注水10として噴射され、ハウジング3の外面に濡れた液層を形成する。
【0023】
歯付きリム12は、ノズルハブ4を回転させる。この回転は、ハブ20とリング15との間に形成されるベアリングにより起こる。
【0024】
このベアリング15、20はベアリング部を構成し、それぞれAISI316L及びNitronic60から製造されることが望ましい。Nitronic60は、マグネシウム8%、シリコン4%、クロム16%及びニッケル8%を含有し、更にその他の成分、例えば銅、モリブデン。チタン、ニオブ、バナジウム及びタングステンを、それぞれ0.1%未満含んでいる。
【0025】
これらの合金を用いることで、高硬度、耐食性及び耐摩耗性が得られる。そして、部品間のギャップ14がベアリングとなるので、液体の流れが流路16を通じてハブ4のリム領域へ放出され、ハブ表面に液層を形成する注水ジェット17となるように、ギャップ14の大きさを調整して液体の流れを制御することができる。このことは、ハブ4を清掃する液体の消費量をできるだけ減らす上で、最もよい方法である。
【0026】
中心部を流れる液体は、クリーニングノズル18へ運ばれて、クリーニングジェット19としてタンクの側壁へ向けて噴射される。
【0027】
ハブ4には、液体が供給されるボールベアリング13が更に備え付けられており、その液体はギャップ14を通り、制御された流れ17となってギヤハウジング3とハブ4との間のギャップ16を通過し、流路17はロータリーハブ4のリム領域を洗浄し、ハブ4の外面に強固な液層を形成する。
【0028】
本発明は、上記に開示及び記載したクリーニングヘッドに限られるものではなく、クリーニングヘッド自体と分離したモータ及びギア、例えばタンクの外部に設置された駆動部、により駆動されるクリーニングヘッドにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のクリーニングヘッドの断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 流入口
2 ハウジングの固定部
3 ハウジングの回転部
4 ノズルハブ
15 ベアリング部(リング)
20 ベアリング部(ハブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された洗浄液の流入口を有すると共に、内部に取り付けられたノズルハブが回転すると同時に回転するハウジングを備え、供給された洗浄液をハブ内のノズルを通じて噴射して、連動する両方の回転運動によりタンクの壁面を洗浄するクリーニングヘッドにおいて、
ノズルハブ(4)はハウジング(3)内のリング内にスライドベアリングにより取り付けられ、そのベアリング部(15、20)は、高硬度、耐食性及び耐摩耗性を有する金属により製造されたことを特徴とするクリーニングヘッド。
【請求項2】
ベアリング部(15、20)が、それぞれAISI316L及びNitronic60から製造されている請求項1に記載のクリーニングヘッド。

【図1】
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【公表番号】特表2009−525854(P2009−525854A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553618(P2008−553618)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/DK2007/000062
【国際公開番号】WO2007/090403
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(506422814)
【氏名又は名称原語表記】ALFA LAVAL TANK EQUIPMENT A/S
【Fターム(参考)】