説明

クリーム状皮膚洗浄剤組成物

【課題】すすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有し、尚且つ泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であるクリーム状皮膚洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】クリーム状皮膚洗浄剤組成物に脂肪酸石鹸、及び窒素含有量が2〜4質量%のカチオン化多糖類を配合する。このカチオン化多糖類のカチオン化度は0.3〜0.6が望ましい。また、カチオン化多糖類としてカチオン化グァーガムを用い、アシルアミノ酸型アニオン界面活性剤やノニオン性高分子を配合しても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーム状皮膚洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、すすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有し、且つ泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であるクリーム状皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚洗浄剤組成物においては、水溶性高分子と界面活性剤を組み合わせて配合することにより、泡立ち、泡質(クリーミー性)、洗浄力、使用時の感触等の向上が可能であることが知られている。例えば、水溶性高分子である塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム−7)を含有する皮膚洗浄剤組成物が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような水溶性高分子を含有させた場合、すすぎ時にぬるつくことや、洗い上がりのさっぱり感が減少するといった欠点も生じる。すなわち、泡立ち、泡質(クリーミー性)、すすぎ時のぬるつきの無さ、さっぱりとした洗い上がりを同時に満たしてくれる技術はなく、十分に満足がいくものではなかった。
【0003】
また、使用後の肌に弾力がありみずみずしい感じ(ふっくら感)を付与するとともに、しっとり感を付与することを目的として、カチオン化グァーガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガムなどを配合した化粧料組成物が開示されているが(特許文献2参照)、同組成物の使用後にはポリマー特有のぬるつき感や後残り感が生じる点に変わりは無く、泡立ちや泡質についても改善は見られない。すなわち、泡立ち、泡質(クリーミー性)の改善とすすぎ時のぬるつきの無さを両立する技術は存在していない。
【0004】
【特許文献1】特開2005−154360号公報
【特許文献2】特開2006−62979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者らは上記の事情に鑑み、鋭意研究した結果、界面活性剤を含有する皮膚洗浄剤組成物において、特定のカチオン化多糖類を配合することにより、すすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有しながら、泡立ち、泡質(クリーミー性)を良好に両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であり、且つすすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有するクリーム状皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、クリーム状皮膚洗浄剤組成物に脂肪酸石鹸、及び窒素含有量が2〜4質量%のカチオン化多糖類を含有することにより、上記目的を達成する。
【0008】
本発明のクリーム状皮膚洗浄剤組成物において、上記カチオン化多糖類はさらにカチオン化度が0.3〜0.6であることが好ましい。
【0009】
本発明のクリーム状皮膚洗浄剤組成物において、上記カチオン化多糖類としては、カチオン化グァーガムが好ましい。さらに、上記クリーム状皮膚洗浄剤組成物には、アシルアミノ酸型アニオン性界面活性剤を配合することも望ましく、ノニオン性高分子を配合して
もよい。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であり、且つすすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有するクリーム状皮膚洗浄剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0012】
本発明に係る(A)脂肪酸石鹸は、化粧料として使用が可能なものであれば特段に限定することなく使用することができる。脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸は、その炭素数、飽和、不飽和、直鎖、分岐などを問わずに本発明に使用することが可能であり、単一組成の脂肪酸のみ用いても良いが、複数の脂肪酸を併せて使用することも可能である。また、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸などの混合脂肪酸や、合成により得られる脂肪酸を用いることも可能であるが、炭素数8〜22のものであることが望ましい。また、塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、低級アルカノールアミン塩(例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩など)、トリエチルアミン塩などの有機アミン塩類、アルギニン塩、リジン塩などのアミノ酸塩などが望ましい。さらにその中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸などのアルカリ金属塩が好ましい。本発明においては、このような種々の脂肪酸石鹸を複数組み合わせて含有させることもできるが、その総含有量は本皮膚洗浄組成物全体の質量に対して、25質量%〜50質量%であることが望ましい。この条件は、皮膚洗浄組成物として必要な安定性や優れた使用感を実現するために好適である。
【0013】
本発明に係る(B)カチオン化多糖類は、多糖類をカチオン化したものであれば、特に限定されないが、カチオン化セルロース、カチオン化グァーガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガムなどが望ましい。さらにその中でも、カチオン化グァーガムを用いることが望ましい。このカチオン化グァーガムは、グァーガム(一般名:ガラクトマンナン)に4級化窒素を含む基を導入したものである。詳細には、豆科植物であるグアーの胚乳区分を機械的に粉砕して製造した、β−1,4−グルコシド結合による多糖類であるグァーガムに、カチオン化薬剤の2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級化窒素を含む基を導入することにより得られる。その中でも特に、塩化O−〔2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル〕グァーガムは、その中でも優れた泡立ち、泡質のクリーミーさの点で好適である。本発明においては、その中でも窒素含有量が2〜4質量%のカチオン化多糖類を必須のものとして用いるが、特にカチオン化度が0.3〜0.6のものが好ましい。窒素含有量が2質量%以上かつカチオン化度が0.3以上のカチオン化多糖類を用いることによって泡立ち、泡質のクリーミーさとさっぱり感の維持とを両立することができるが、刺激の面から、好ましくは窒素含有量3.5質量%以下かつカチオン化度0.55以下、更に好ましくは窒素含有量3質量%以下かつカチオン化度0.5以下のカチオン化多糖類を用いることが好ましい。なお、本明細書中における窒素含量とは、化粧品原料基準の窒素定量法(窒素を含む有機物を硫酸で硫酸アンモニウムとし、そのアンモニア量を測定する方法)に示されている第2法によって測定された値のことを意味する。また、本発明においてはカチオン化多糖類を複数組み合わせて用いることも可能であるが、その総含有量は本皮膚洗浄組成物全体の質量に対して、0.01質量%〜3質量%であることが望ましい。さらには0.1質量%〜1質量%であることが好ましい
。この条件は、皮膚洗浄組成物として必要な安定性や優れた使用感、泡立ち、泡質を実現するために好適である。
【0014】
次に、本発明においては(C)アシルアミノ酸型アニオン性界面活性剤を含有させることにより、本発明の目的である効果、すなわちすすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有し、且つ泡立ち、泡質(クリーミー性)をより高めることができるという点で好適である。アシルアミノ酸型アニオン性界面活性剤としては、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウムが好適であるが、アシルアミノ酸型アニオン性界面活性剤として合成することが可能な範囲であれば、任意の脂肪酸、アミノ酸、塩を組み合わせたものを用いることは可能である。そのような脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの単一組成の脂肪酸や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸などの天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸などが、アミノ酸の具体例としては、グルタミン酸、グリシン、アラニン、アルギニンなどが、塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、低級アルカノールアミン塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明においては(D)ノニオン性高分子を含有させることにより、本発明の目的である効果をより高めることができるという点で好適である。本発明におけるノニオン性高分子は、化粧料として使用が可能なものであれば特段に限定することなく使用することができる。一般的に用いられるものとしては、ペクチン、グァーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーアルギン酸塩、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリメチルアクリル酸塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、トラガラントゴ、などが挙げられるが、本発明においてはこれらのみに限定するものではない。また、本発明においてはこれらから複数の高分子を組み合わせて用いることも可能であるが、その総含有量は本皮膚洗浄組成物全体の質量に対して、0.01質量%〜3質量%であることが望ましい。さらには0.1質量%〜1質量%であることが好ましい。この条件は、皮膚洗浄組成物として必要な安定性や優れた使用感、泡立ち、泡質を実現するために好適である。
【0016】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば前記以外の界面活性剤、炭化水素、エステル、高級アルコール、多価アルコール、油剤、粉体(顔料、色素、樹脂等)、水、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0017】
上記油剤は、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤及び樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。具体的に、油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂などが挙げられる。又、シリコーン類として例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル
変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン化合物が挙げられる。
【0018】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
【0019】
上記粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0020】
上記溶媒としては、例えば精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0021】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0022】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コメヌカエキス、コメ胚芽油、コラーゲン、ゴレンシ果実エキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、茶実エキス、チョウジエキス、チンピエキス、ツバキエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバ
ラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、モモ葉エキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ライチ種子エキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0023】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l−メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0024】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、頭皮や身体各部の皮膚洗浄剤のいずれにも適用できるが、特に洗顔剤として好適に使用できる。
【0025】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、各種常法に従い調製することができる。
【実施例】
【0026】
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】
表1に示す処方に基づいて実施例1〜7、比較例1〜3の洗顔料を調製し、泡立ち、泡質(クリーミー性)、すすぎ時のぬるつきの無さ、洗い上がりのさっぱり感の各項目に関して下記に示すとおり実用試験による評価を行った。尚、配合量はすべて質量%である。又、評価結果の数値は20名中で実施例、又は比較例が優れていると回答したパネルの人数を示す。評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
表1の結果からも明らかなように、実施例の洗顔料は、すすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有し、尚且つ泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であったが、比較例ではこれらの各項目について劣るものであった。
【0030】
以下、種々の本発明のクリーム状皮膚洗浄剤組成物を表1の方法と同様にして調整し、実施例として示す。これらは、洗顔料だけでなく、ボディソープやハンドソープなど広く皮膚洗浄剤として用いることができるものである。なお、これらは上記の効果試験を実施したところ、いずれも優れた結果が得られた。
【0031】
〔実施例8〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6
ミリスチン酸 10
パルミチン酸 8
ステアリン酸 8
水酸化カリウム 5.7
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 1
カチオン化グァーガム(※1) 0.1
ポリクオタニウム−7 1
オリーブ油 0.5
グリコシルトレハロース 1
加水分解水添デンプン 1
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
※1:窒素含有量2.5% カチオン化度0.45のものを使用
【0032】
〔実施例9〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6
ミリスチン酸 10
パルミチン酸 8
ステアリン酸 8
水酸化カリウム 5.7
ラウリルヒドロキシスルタイン 1
カチオン化グァーガム(※1) 0.1
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム 1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.05
PEG−4 0.5
モモ葉エキス 1
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
※1:窒素含有量2.5% カチオン化度0.45のものを使用
【0033】
〔実施例10〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6
ミリスチン酸 10
パルミチン酸 8
ステアリン酸 8
水酸化カリウム 5.7
ラウリルヒドロキシスルタイン 1
カチオン化セルロース(※2) 0.1
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム 1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.05
ヒマシ油 0.5
モモ葉エキス 1
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
※2:窒素含有量2.1% カチオン化度0.35のものを使用
【0034】
〔実施例11〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6
ミリスチン酸 10
パルミチン酸 8
ステアリン酸 8
水酸化カリウム 5.7
ラウリルヒドロキシスルタイン 0.5
ラウラミドプロピルベタイン 0.5
カチオン化グァーガム(※1) 0.05
カチオン化セルロース(※2) 0.05
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
PEG−4 0.5
ユズ果実エキス 1
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
※1:窒素含有量2.5% カチオン化度0.45のものを使用
※2:窒素含有量2.1% カチオン化度0.35のものを使用
【0035】
〔実施例12〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6
ミリスチン酸 10
パルミチン酸 8
ステアリン酸 8
水酸化カリウム 5.7
カチオン化グァーガム(※1) 0.1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
オリーブ油 0.25
ヒマシ油 0.25
アロエベラ葉エキス 1
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
※1:窒素含有量2.5% カチオン化度0.45のものを使用
【0036】
〔実施例13〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6
ミリスチン酸 10
パルミチン酸 8
ステアリン酸 8
水酸化カリウム 5.7
ラウリルヒドロキシスルタイン 1
カチオン化グァーガム(※1) 0.1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
グリコシルトレハロース 1
加水分解水添デンプン 1
モモ葉エキス 1
ユズ果実エキス 1
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
※1:窒素含有量2.5% カチオン化度0.45のものを使用
【0037】
〔実施例14〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6
ミリスチン酸 10
パルミチン酸 8
ステアリン酸 8
水酸化カリウム 5.7
ラウリルヒドロキシスルタイン 0.5
ラウラミドプロピルベタイン 0.5
カチオン化グァーガム(※1) 0.05
カチオン化セルロース(※2) 0.05
ポリクオタニウム−7 1
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム 1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
グリコシルトレハロース 1
加水分解水添デンプン 1
アロエベラ葉エキス 1
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
※1:窒素含有量2.5% カチオン化度0.45のものを使用
※2:窒素含有量2.1% カチオン化度0.35のものを使用

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)脂肪酸石鹸、及び(B)窒素含有量が2〜4質量%であるカチオン化多糖類を含有することを特徴とするクリーム状皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
(B)カチオン化多糖類のカチオン化度が0.3〜0.6である請求項1に記載のクリーム状皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
(B)カチオン化多糖類が、カチオン化グァーガムである請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のクリーム状皮膚洗浄剤組成物。
【請求項4】
さらに、(C)アシルアミノ酸型アニオン性界面活性剤を含有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクリーム状皮膚洗浄剤組成物。
【請求項5】
さらに、(D)ノニオン性高分子を含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクリーム状皮膚洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2008−179586(P2008−179586A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15977(P2007−15977)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】