説明

クリーンルーム設備及びクリーンルームの室圧制御方法

【課題】半導体集積回路の加工寸法の変動を抑制するために、現実的なクリーンルーム設備及びクリーンルームの室圧制御方法を提供する。
【解決手段】クリーンルームの床下部15A、15B、周壁部16A、16B、天井部17A、17Bを通して空気を循環させる一連の循環径路を形成し、外調機18により所要量の外気を取り入れて外気負荷を処理してクリーンルームの室内10A、10Bに供給する構成のクリーンルーム設備において、クリーンルームの室内10A、10Bは間仕切りによって複数の空間に区画され、複数の空間のうちの一の空間10Aに設置された気圧センサ21と、気圧センサ21からの出力信号により一の空間の絶対気圧を所定の値の範囲内に制御する手段20A、22を有するクリーンルーム設備とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超微細化半導体集積回路装置や液晶装置の製造に適したクリーンルーム設備及びクリーンルームの室圧制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置は微細化の一途をたどり、それに伴って、加工寸法精度は極めて高いレベルが要求されつつある。特に、エッチング等のマスクとして用いられるレジストパターン形成の工程における寸法精度には極めて高い精度が要求されている。この寸法精度を決める大きな要因としては、基板上にスピン塗布されたレジスト膜の膜厚の制御性が挙げられる。基板面内におけるレジスト膜厚を均一にすることはもとより、複数の基板間においてレジスト膜厚を一定にすることが重要である。
【0003】
基板間においてレジスト膜厚の変動が生じた場合は、その後の露光・現像後に得られるレジストパターンの寸法に変動が生じる。従って、レジストパターンをマスクとして下地に対してエッチング等を行った場合、基板間において下地の加工寸法の変動が生じる。
【0004】
複数の基板間においてレジスト膜厚に変動が生じる要因としては、レジスト塗布時における周囲温度の変化や周囲大気圧の変化が挙げられている(特許文献1を参照)。これらの変動によって、同一の回転数でレジストを基板上にスピン塗布した場合に、スピン塗布中のレジスト中に含まれる溶剤の蒸気圧が変化し、レジストの粘性が変化することで、塗布されたレジスト膜の膜厚が変化するためと考えられる。
【0005】
上記課題を解決する方法として、特許文献1には、レジスト塗布を行う雰囲気の大気圧の変化に応じてレジストのスピン塗布時の回転数を調整することが開示されている。
【0006】
図9は、特許文献1に記載されているレジスト塗膜の形成装置を説明するための図である。
【0007】
モータ1の回転軸2には、スピナーとも言われるスピンチャック3が取り付けられており、このスピンチャック3に被塗布物であるウエハWが吸着保持されるようになっている。これにより、モータ1の駆動によりウエハWは回転駆動されることになる。この装置は、スピンチャック3を覆う塗布カップつまり塗布部カバー4を有し、この塗布部カバー4の上端部に形成された開口部からノズル5がウエハWに向けて対向し、このノズル5からレジスト液Lが塗布されるようになっている。
【0008】
塗布部カバー4の外側には温調カップ6が配置されており、この内側の塗布雰囲気内の温度を一定に保つようにしている。この温調カップ6内は外部から完全に遮断されてはおらず、外部の空気が流入して大気圧とほぼ同様の圧力となっている。この圧力つまり大気圧を検出するために、温調カップ6には気圧計7が設けられている。この気圧計7によって検出された大気圧の値は、制御部8に送られるようになっており、大気圧に基づいてモータ1の回転数が設定される。
【0009】
この回転数と被塗布液の膜厚は一定の関係があり、さらに、同一の回転数であっても、大気圧と膜厚とは一定の関係があることが知見されており、大気圧の値に基づいて拡散回転数を補正することにより、大気圧の影響を受けることなく、高い精度で所定の膜厚の塗膜を形成することができる。また、ウエハWに塗布されるレジスト液が複数種類存在する場合には、それぞれのレジスト液について、大気圧に応じたウエハWの回転数とレジスト膜厚との関係を実験により求め、そのデータを図9に示す制御部8のメモリ内にデータテーブル10として格納しておけば、操作ボードなどからなる入力部11を作業者が操作してレジスト液の種類および設定されるレジスト膜厚の値を入力することによって、ウエハWの拡散回転数は、気圧計7により検出された大気圧に基づいて所望の回転数に制御される。
【特許文献1】特開平9−298149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、レジスト塗布時における回転数は、ウエハ(基板)面内におけるレジスト膜厚の均一性にも影響を及ぼすため、できるだけ一定にすることが望ましい。
【0011】
また、レジスト膜厚を各基板間において一定とすることができたとしても、露光時や現像時においても周囲の大気圧に変動が生じると、最終的に形成されるレジストパターンの寸法に変動が生じることが判った。
【0012】
これを解決するためには、レジスト塗布装置、露光装置あるいは現像装置の周囲の大気圧の絶対値を一定にすることが考えられる。すなわち、レジスト塗布装置、露光装置あるいは現像装置が設置されたクリーンルーム内の室圧の絶対値を一定にすることが考えられる。
【0013】
クリーンルーム内の大気圧(室圧)の絶対値を一定にする方法については、特開平6−94261号公報において開示されている。
【0014】
図10は、特開平6−94261号公報に記載されたクリーンルームの室圧制御装置を説明するための図である。
【0015】
外気を取り込んでクリーンルーム2Aが必要とする温度及び湿度に制御した空調空気を得るために空調装置(外調機)1Aが設けられ、その空調空気はクリーンルーム2Aに供給される。なお、空調装置1Aはフィルタを内蔵しているので、クリーンルーム2Aに供給される空気は、温湿度が適正にされていると同時に高度に清浄化の施されたものとなっている。クリーンルーム2A内の空気は、ファンを備えた排気装置3Aによって床部または床面近傍の側壁を通して外部へ排出される。
【0016】
クリーンルーム2A内の絶対気圧を検知するために、気圧センサ4Aがクリーンルーム2A内に設置され、その検出信号は空調装置1Aに取り込まれる。また、空調装置1Aは、気圧センサ4Aの検出信号に基づいて排気装置3Aの運転制御も行っている。
【0017】
しかしながら、この構成においては、クリーンルーム外の気圧に変動が生じた場合は、クリーンルーム内の気圧(室圧)とクリーンルーム外の気圧との差圧に変動が生じる。クリーンルーム外の気圧が非常に低くなった場合には、該差圧が極めて大きくなり、クリーンルームへの入退出を行うことが困難となる。また、入退出時におけるクリーンルーム内の気圧の一時的な変動量も大きくなり、所定の気圧に戻すまでに時間がかかる。一方、外気圧が非常に高くなり、クリーンルーム内の気圧よりも高くなった場合には、クリーンルーム内を陽圧に保つことができなくなり、クリーンルーム内のクリーン度の低下を招く恐れがある。また、絶対気圧の制御が不要な装置が設置されたクリーンルーム空間についても絶対気圧の制御を行うことになり、経済的ではない。
【0018】
また、一方で、クリーンルーム外の気圧が変動した場合には、クリーンルーム内に設置された塗布装置の筐体を排気するための排気ファンの排気能力が変動するため、塗布装置の筐体に対する排気量に変動が生じる。この排気量の変動によっても、塗布されたレジストの膜厚に変動が生じることが判った。具体的には、排気圧が低いほどレジスト膜厚が薄くなる傾向にあった。
【0019】
上記の課題に鑑み、本発明の目的は、半導体集積回路の加工寸法の変動を抑制するために、現実的なクリーンルーム設備及びクリーンルームの室圧制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記の目的を達成するために、本発明のクリーンルーム設備は、クリーンルームの少なくとも周壁部、天井部を通して空気を循環させる一連の循環径路を形成し、外調機により所要量の外気を取り入れて外気負荷を処理してクリーンルームの室内に供給する構成のクリーンルーム設備において、クリーンルームの室内は間仕切りによって複数の空間に区画され、複数の空間のうちの一の空間に設置された気圧センサと、気圧センサからの出力信号により一の空間の絶対気圧を所定の値の範囲内に制御する手段を有することを特徴とする。
【0021】
本発明のクリーンルーム設備によれば、クリーンルーム室内の一の空間の絶対気圧が所定の値の範囲内に制御されることから、該一の空間に設置された装置の雰囲気の気圧は一定の範囲内に保たれる。このため、該装置によって形成処理あるいは加工処理を行う場合に、安定した処理を行うことができる。特に、半導体素子や液晶素子等の製造に用いられるフォトリソグラフィ装置の場合には、レジスト塗布後のレジスト膜厚や、露光・現像後のレジストパターンの寸法を安定化させることができる。
【0022】
更に、該一の空間以外のクリーンルーム室内の空間の絶対気圧については、所定の値の範囲内に制御する必要がないため、該クリーンルーム室内全体の絶対気圧を所定の値の範囲内に制御する場合と比較して、外調機にかかる負担を小さくすることができ、経済的である。
【0023】
本発明のクリーンルーム設備において、複数の空間のうちで一の空間とは異なる少なくとも1つの空間の気圧とクリーンルーム外の気圧との差圧を、所定の範囲内に制御する手段を有することが好ましい。
【0024】
このようにすると、一の空間とは異なる少なくとも1つの空間をクリーンルーム外の気圧よりも所定の範囲の値だけ高い値に維持することができ、該1つの空間を外気圧に対して常時、陽圧に保つことができ、クリーン度を高く保つことができる。
【0025】
本発明のクリーンルーム設備において、外調機は複数の外調機を含み、一の空間に外気を取り入れるための第1の外調機と、一の空間とは異なる少なくとも1つの空間に外気を取り入れるための第2の外調機とを有することを特徴とする。
【0026】
このようにすると、絶対気圧が制御される一の空間について専用の第1の外調機を有し、絶対気圧を制御する必要のない空間について別の第2の外調機を有することにより、空間ごとに独立した気圧の制御を精密に行うことが可能となり、さらに、第2の外調機にかかる負担を小さくすることができ経済的である。
【0027】
本発明のクリーンルーム設備において、一の空間と隣接する空間との間の少なくとも一部に中間室が設けられ、中間室の気圧を一の空間の気圧と隣接する空間の気圧との間の範囲に調節する手段を有することが好ましい。
【0028】
このようにすると、隣接する空間から一の空間への入室時には、隣接する空間の気圧に制御された中間室に入室し、中間室の気圧が一の空間の気圧になった後に、中間室から一の空間へ入室することで、一の空間への入室時における一の空間の気圧の変動を抑制することができる。また、退出時には、これと逆の制御をすることで、退出時における一の空間の気圧の変動を抑制することができる。また、隣接する空間の気圧と一の空間の気圧との差圧が非常に大きくなった場合においても、容易に一の空間への入退出を行うことができる。
【0029】
本発明のクリーンルーム設備において、前記一の空間内に設置された装置と、前記装置内の空気を前記クリーンルーム外に排気するためのファンと、前記ファンと前記装置とを接続するダクトとを有し、前記ダクトには、少なくとも一つのダンパーが設けられ、前記ダンパーの開閉度は、前記ダンパーよりも装置側の前記ダクトに設けられ、前記一の空間内の気圧と前記ダクト内の気圧の差圧を測定する差圧計からの信号によって制御されていることが好ましい。
【0030】
このようにすると、一の空間内の気圧とダクト内の気圧を一定にするようにダンパーの開閉度を調整することができ、クリーンルーム外の気圧に変動が生じた場合においても、装置に対する排気圧が一定になるように制御することが可能となる。
【0031】
前記の目的を達成するために、本発明のクリーンルームの室圧制御方法は、クリーンルーム内の気圧を所定の絶対値に維持し、クリーンルーム外の外気圧が所定の絶対値以上となる場合において、クリーンルーム内の気圧を外気圧よりも所定の値だけ高い気圧に制御することを特徴とする。
【0032】
本発明のクリーンルームの室圧制御方法によれば、クリーンルーム室内の絶対気圧が所定の値の範囲内に制御されることから、室内に設置された装置の雰囲気の気圧は一定の範囲内に保たれる。このため、該装置によって形成処理あるいは加工処理を行う場合に、安定した処理を行うことができる。特に、半導体素子や液晶素子等の製造に用いられるフォトリソグラフィ装置の場合には、レジスト塗布後のレジスト膜厚や、露光・現像後のレジストパターンの寸法を安定化させることができる。
【0033】
更に、クリーンルーム外の外気圧が非常に高くなり、クリーンルーム内の所定の絶対気圧の値よりも高くなった場合においても、クリーンルーム内を陽圧に保つことができ、クリーンルーム内のクリーン度の低下を招くことがない。
【0034】
年間を通じての外気圧の変動と処理に影響する気圧変動量を考慮して、該所定の絶対値とそれにプラスする該所定の値を決定することにより、年間を通じて安定した処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明にかかるクリーンルーム設備によれば、クリーンルーム室内の一の空間の絶対気圧が所定の値の範囲内に制御されることから、該一の空間に設置された装置の雰囲気の気圧は一定の範囲内に保たれる。このため、該装置によって形成処理あるいは加工処理を行う場合に、安定した処理を行うことができる。特に、半導体素子や液晶素子等の製造に用いられるフォトリソグラフィ装置の場合には、レジスト塗布後のレジスト膜厚や、露光・現像後のレジストパターンの寸法を安定化させることができる。更に、該一の空間以外のクリーンルーム室内の空間の絶対気圧については、所定の値の範囲内に制御する必要がないため、外クリーンルーム室内全体の絶対気圧を所定の値の範囲内に制御する場合と比較して、外調機にかかる負担を小さくすることができ、経済的である。
【0036】
本発明にかかるクリーンルームの室圧調整方法によれば、クリーンルーム室内の絶対気圧が所定の値の範囲内に制御されることから、室内に設置された装置の雰囲気の気圧は一定の範囲内に保たれる。このため、該装置によって形成処理あるいは加工処理を行う場合に、安定した処理を行うことができる。特に、半導体素子や液晶素子等の製造に用いられるフォトリソグラフィ装置の場合には、レジスト塗布後のレジスト膜厚や、露光・現像後のレジストパターンの寸法を安定化させることができる。更に、クリーンルーム外の外気圧が非常に高くなり、クリーンルーム内の所定の絶対気圧の値よりも高くなった場合においても、クリーンルーム内を陽圧に保つことができ、クリーンルーム内のクリーン度の低下を招くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係るクリーンルーム設備及びクリーンルームの室圧制御方法について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図を示している。
【0040】
クリーンルームの室内は、間仕切り11によって第1の空間10Aと第2の空間10Bに区切られている。ただし、他の間仕切りによって区切られた他の空間があってもよい。なお、天井部及び床下部も間仕切り11a、11bでそれぞれ区切られている。第1の空間には、レジスト塗布装置12が設置されている。各空間の天井にはファンフィルタユニット(FFU)13A、13Bが設けられ、各空間の床14A、14Bは格子状となっている。FFUは、高性能フィルタとその上に設けられたファンとが一体になったものである。各空間10A、10B内の空気は、床下部15A、15Bから周壁部16A、16Bを通って、天井部17A、17BからFFU13A、13Bを通して再び各空間10A、10Bに循環される。周壁部16A、16Bには、ドライコイル25A、25Bが設置され、ドライコイル25A、25Bによってレジスト塗布装置12他からの発熱により暖められた空気を冷却している。排気ファン30により、排気ダクト31を通してレジスト塗布装置からの排気をクリーンルーム外へ排出している。
【0041】
また、クリーンルーム外に設置された外調機18は、所要量の外気を取り入れて外気負荷を処理してクリーンルームの室内に供給している。外調機18からクリーンルームへ接続されたダクト19は、2つの径路19A、19Bに分離され、一方(19A)は第1の空間10Aに接続され、もう一方(19B)は第2の空間10Bに接続されている。分離後のそれぞれの径路19A、19Bには第1のダンパー20Aと第2のダンパー20Bが設けられている。
【0042】
第1の空間10Aの中には、絶対気圧センサ21が設置され、第1の空間10Aの気圧の絶対値を測定している。絶対気圧センサ21から出力された電気信号は、圧力コントローラ22に入力され、圧力コントローラ22から第1のダンパー20Aに電気信号が出力される。圧力コントローラ22と第1のダンパー20Aとで第1の空間10Aの絶対気圧を所定の値の範囲内に制御する手段を構成している。
【0043】
絶対気圧センサ21、圧力コントローラ22及び第1のダンパー20Aによって、第1の空間10Aの絶対気圧は1020hPa±0.5hPaに制御されている。また、クリーンルーム外の外気圧が第1の空間10Aの気圧以上となった場合は、クリーンルーム外に設置された外気圧センサ23から出力された電気信号が圧力コントローラ22に入力され、第1のダンパー20Aと絶対気圧センサ21により、第1の空間10Aの気圧を外気圧よりも0.5hPaだけ高い値になるように制御されている。
【0044】
図2を用いて、第1の空間の気圧の制御方法を詳しく説明する。図2は、第1の空間10Aの気圧(実線)とクリーンルーム外の外気圧(破線)の時間に対する変動を示したものである。
【0045】
時間領域Aにおいては、第1の空間10Aの気圧は1020hPa±0.5hPa(所定の絶対値)であり、外気圧は第1の空間10Aの気圧よりも低い値となっている。時間領域Bにおいては、外気圧は第1の空間10Aの所定の絶対値以上の値となっており、第1の空間10Aの気圧は外気圧よりも0.5hPaだけ高い値になっている。そして、時間領域Cにおいては、時間領域Aと同様に、第1の空間10Aの気圧は1020hPa±0.5hPa(所定の絶対値)であり、外気圧は第1の空間10Aの気圧よりも低い値となっている。
【0046】
年間を通じて、外気圧は995hPa〜1020hPaの間で変動し、比較的短い期間において、1030hPa近くまで上昇することが判っていることから、第1の空間10Aの絶対気圧を通常は1020hPa±0.5hPaに保つことができ、比較的短い期間において1030.5hPaまでの間に保つことが可能となる。
【0047】
図3(a)は、京都市内における9月から翌年の8月にかけてのクリーンルーム内の気圧の変化を示す。また、図3(b)は、8月末における4日間におけるクリーンルーム内の気圧の変化と、塗布後のレジスト膜厚の測定結果の変化を示す。レジストは、通常のi線用レジストを用い、塗布時の回転数は一定としている。但し、ここでは、クリーンルーム内の絶対気圧の制御を行っていないため、クリーンルーム内の気圧は外気圧の変動の影響を受けて変動している。
【0048】
図4は、図3(b)についてクリーンルーム内の気圧とレジスト膜厚の関係をプロットした図である。
【0049】
図4における直線は、クリーンルーム内の気圧とレジスト膜厚の実測値から求めた回帰直線である。この回帰直線から、気圧とレジスト膜厚との関係は以下の式1で表されることが判る。
【0050】
レジスト膜厚(nm)=−0.1761×気圧(hPa)+1197.2 (式1)
この式1が、1030.5hPaまでの気圧範囲で成立すると仮定した場合、第1の空間10Aの絶対気圧を1019.5〜1030.5hPaの範囲で制御することで、レジスト膜厚を1015.7〜1017.7nmの範囲で制御できることが判る。すなわち、1.9nmのばらつき範囲内にレジスト膜厚を制御することができる。この範囲は、通常要求される規格値を十分に満足するものである。なお、気圧の変動については、地域差があるため、地域ごとに年間の気圧変動を調べることにより、適切な気圧の制御範囲を決めればよい。
【0051】
一方、第2の空間10Bについては、クリーンルーム外の外気圧と第2の空間10Bの気圧との差圧を測定する差圧センサ24から出力された電気信号が第2のダンパー20Bに入力され、外調機18からの外気の供給量が調節されて、クリーンルーム外の外気圧と第2の空間10Bの気圧との差圧が一定の値の範囲(例えば、外気圧よりも0.3〜0.5hPaだけ高い値)になるように調節されている。ここで、第2のダンパー20Bは第2の空間10Bの気圧とクリーンルーム外の気圧との差圧を所定の範囲内に制御する手段である。
【0052】
本実施形態によれば、クリーンルーム室内の第1の空間10Aの絶対気圧が所定の値の範囲内に制御されることから、第1の空間10Aに設置されたレジスト塗布装置12の雰囲気の気圧は一定の範囲内に保たれる。このため、レジスト塗布装置12によって基板上に塗布されたレジストの膜厚は外気圧の影響を受けることなく、常に規格値内の値となる。更に、第1の空間10A以外のクリーンルーム室内の空間である第2の空間10Bの絶対気圧については、所定の値の範囲内に制御する必要がないため、該クリーンルーム室内全体の絶対気圧を所定の値の範囲内に制御する場合と比較して、外調機18にかかる負担を小さくすることができ、経済的である。
【0053】
また、第2の空間10Bの気圧をクリーンルーム外の気圧よりも所定の範囲の値だけ高い値に維持することかでき、第2の空間10Bを外気圧に対して常時、陽圧に保つことができ、クリーン度を高く保つことができる。
【0054】
また、クリーンルーム外の外気圧が非常に高くなり、第1の空間10Aの所定の絶対気圧の値よりも高くなった場合においても、第1の空間内10Aを陽圧に保つことができ、クリーンルーム内のクリーン度の低下を招くことがない。
【0055】
年間を通じての外気圧の変動と処理に影響する気圧変動量を考慮して、該所定の絶対値とそれにプラスする該所定の値を決定することにより、年間を通じて安定した処理を行うことができる。
【0056】
なお、装置としては、レジスト塗布装置12に限られず、露光装置や現像装置であってもよい。これらのリソグラフィ装置を第1の空間10Aに設置することにより、レジストパターンの形状は外気圧の影響を受けることなく、常に規格値内の値となる。また、リソグラフィ装置に限られず、気圧の変動の影響を受ける処理に用いる装置であれば同様の効果が得られる。また、排気ファン30に圧力コントローラ22からの出力信号を受けるインバータを設けて、排気量を制御してもよいし、図11に示すように、配管31の途中に圧力コントローラ22からの出力信号を受けるダンパー32を設けて、排気量を制御してもよい。
【0057】
<第1変形例>
以下に、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るクリーンルーム設備について、図5を参照しながら説明する。
【0058】
図5は、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図を示している。
【0059】
第1の実施形態に係るクリーンルーム設備(図1)と異なる点は、外調機の吹き出し圧力を制御することである。
【0060】
外調機18に絶対気圧センサ21Aとインバータ26が設置され、絶対気圧センサ21Aから出力された電気信号が圧力コントローラ22に入力され、圧力コントローラ22から出力された電気信号により外調機18に設置されたインバータ26により吹き出し圧力が制御される。さらに第1のダンパー20Aにより、第1の空間10Aの気圧が制御される。また、第2の空間10Bは差圧センサ24から出力された電気信号により第2のダンパー20Bにより制御される。これらにより第1の実施形態と同様の気圧の制御ができる。
【0061】
インバータ26により、クリーンルーム外の気圧の変動に合わせ外調機の吹き出し圧力を制御することにより、外調機18にかかる負担を小さくすることができ、経済的である。
【0062】
<第2変形例>
以下に、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るクリーンルーム設備について、図6を参照しながら説明する。
【0063】
図6は、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図を示している。
【0064】
第1の実施形態に係るクリーンルーム設備(図1)と異なる点は、第1の空間に外気を取り入れるための専用の第1の外調機18Aと、第2の空間に外気を取り入れるための第2の外調機18Bを設けている点、第1の外調機18Aに絶対気圧センサ21Aと、第2の外調機18Bに差圧センサ24Aを設けている点、及び、第1の外調機18Aにインバータ26Aと、第2の外調機18Bにインバータ26Bを設けている点である。
【0065】
本変形例によれば、空間ごとに独立した気圧の制御を精密に行うことが可能となる。また、空間ごとに必要に応じて異なった外調機の吹き出し圧力に制御することができ、外調機18A、18Bにかかる負担を小さくすることができ、経済的である。
【0066】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係るクリーンルーム設備について、図7及び図8を参照しながら説明する。
【0067】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図を示している。
【0068】
第1の実施形態に係るクリーンルーム設備(図1)と異なる点は、第1の空間10Aとそれに隣接する第2の空間10Bとの間に中間室27が設けられている点である。
【0069】
第1の空間10Aと中間室27との間には自動扉27Aが設置され、第2の空間10Bと中間室との間には自動扉27Bが設置されている。
【0070】
中間室27内の気圧は、圧力切り替え装置28によって調整されている。圧力切り替え装置28には、第1の空間10Aと第2の空間10Bが配管28A及び28Bを通してそれぞれ接続されている。配管28A、28Bのそれぞれには空気量を調整するための弁29A、29Bがそれぞれ設けられており、第1の空間10Aと第2の空間10Bの気圧が急激に変化しないよう調整されている。
【0071】
中間室27内の気圧の調整方法について図8(a)及び(b)を参照しながら説明する。図8(a)及び(b)は、それぞれ、中間室27内の気圧の変化を縦軸とし、横軸を時間として表示したものである。
【0072】
最初に、第2の空間10Bから第1の空間10Aに入室する際の調整方法について図8(a)を参照しながら説明する。
【0073】
第2の空間10Bから中間室27に入る前に、圧力切り替え装置28によって中間室27と第2の空間10Bが配管28Bにより接続され、中間室27の気圧が、第2の空間10Bと同じ気圧になった後、A点において自動扉27Bが開閉する。その際に、作業者が中間室27に入る。次に、圧力切り替え装置28によって中間室27と第1の空間10Aが配管28Aにより接続され、中間室27の気圧が、第1の空間10Aと同じ気圧になった後、B点において自動扉27Aが開閉する。その際に、作業者が第1の空間10Aに入る。
【0074】
次に、第1の空間10Aから第2の空間10Bに入室する際の調整方法について図8(b)を参照しながら説明する。
【0075】
第1の空間10Aから中間室27に入る前に、圧力切り替え装置28によって中間室27と第1の空間10Aが配管28Aにより接続され、中間室27の気圧が、第1の空間10Aと同じ気圧になった後、C点において自動扉27Aが開閉する。その際に、作業者が中間室27に入る。次に、圧力切り替え装置28によって中間室27と第2の空間10Bが配管28Bにより接続され、中間室27の気圧が、第2の空間10Bと同じ気圧になった後、D点において自動扉27Bが開閉する。その際に、作業者が第2の空間10Bに入る。
【0076】
以上により、第1の実施形態における効果に加えて、第1の空間10Aへの入退出の際に、第1の空間10Aの気圧の変動を非常に小さくすることができる。
【0077】
また、第1の空間10Aの気圧と第2の空間10Bの気圧の差が非常に大きくなった場合においても、容易に第1の空間10Aへの入退出をすることができる。
【0078】
第2の実施形態は、第1の実施形態及び各変形例に対しても適用することができる。また、作業者だけでなく、物の運搬においても適用することができる。
【0079】
また、第1及び第2の実施形態では、クリーンルームの床下部、周壁部、天井部を通して空気を循環させる一連の循環経路を形成する、いわゆるダウンフロー方式を採用しているが、クリーンルームの周壁部、天井部を通して空気を循環させる一連の循環経路を形成する、いわゆるコンベンショナルフロー方式を採用してもよい。
【0080】
また、差圧が制御された室内に間仕切りで囲われた空間を設け、その室内の絶対気圧を所定の値の範囲内とする構成としてもよい。
【0081】
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態にかかるクリーンルーム設備における、第1の空間10A内に設置された装置12を排気するための排気設備100の系統図を示す。
【0082】
第3の実施形態にかかるクリーンルーム設備は、装置12の排気設備を除いては、第1の実施形態及び第2の実施形態の構成と同様である。
【0083】
装置12は、レジスト塗布装置41が筐体42で覆われたユニットである。筐体42内の空気は、3次ダクト44、2次ダクト45及び1次ダクト46を通して、排気ファン47によってクリーンルーム外に排気されている。筐体42と3次ダクト44の間には、第3のダンパー48が設けられ、装置12に対する排気圧が約30Paに制御されている。3次ダクト44と2次ダクト45の間には第2のダンパー49が設けられ、3次ダクト44内の排気圧が約250Paに制御されている。2次ダクト45と1次ダクト46の間には第1のダンパー50が設けられ、2次ダクト45内の排気圧が約250Paに制御されている。
【0084】
1次ダクト46は、第1のダンパー50への径路と他の径路に分岐されている。同様に、2次ダクト45は、第2のダンパー49への径路と他の径路に分岐されている。
【0085】
2次ダクト45には、2次ダクト45内の気圧と床下部15A内あるいは第1の空間10A内の気圧の差圧を測定するための第1の差圧計51が設置されている。また、第1のダンパー50には、ダンパーの開閉を行なう第1のモータ52が接続されている。更に、第1の差圧計51からの電気信号を受けて、第1のモータ52へ電気信号を出力するための第1の制御装置53が設けられている。同様に、3次ダクト44には、3次ダクト44内の気圧と床下部15A内あるいは第1の空間10A内の気圧の差圧を測定するための第2の差圧計54が設置されている。また、第2のダンパー49には、ダンパーの開閉を行なう第2のモータ55が接続されている。更に、第2の差圧計54からの電気信号を受けて、第2のモータ55へ電気信号を出力するための第2の制御装置56が設けられている。なお、ここで、床下部15A内の気圧は第1の空間10A内の気圧と同じ気圧であることから、ダクト内の気圧と床下部15A内の気圧との差圧を測定することは、ダクト内の気圧と第1の空間10A内の気圧との差圧を測定することと等価である。
【0086】
第1の制御装置53は、2次ダクト45内の気圧と床下部15A内の気圧の差圧が一定になるように第1のダンパー50の開閉度を制御しており、第2の制御装置56は、3次ダクト44内の気圧と床下部15A内の気圧の差圧が一定になるように第2のダンパー49の開閉度を制御している。
【0087】
本実施形態によれば、第1の空間10A内の気圧と第1のダクト内の気圧及び第1の空間10A内の気圧と2次ダクト45内の気圧を一定にするようにダンパーの開閉度を調整することができ、クリーンルーム外の気圧に変動が生じた場合においても、装置12に対する排気圧が一定になるように制御することが可能となる。
【0088】
なお、排気設備100は、クリーンルーム内との差圧が一定に制御される第2の空間10B内に設置された装置に対する排気設備としてもよい。この場合においても、装置12がレジスト塗布装置である場合に、塗布されたレジスト膜厚をクリーンルーム外の気圧の変動に対して変動を受けにくくすることが可能である。
【0089】
図13(a)及び(b)は、排気設備100を、クリーンルーム内との差圧が一定に制御される第2の空間10B内に設置された装置に対する排気設備とした場合における排気圧の測定結果を示す。
【0090】
図13(a)には、1次ダクト46内の排気圧及び2次ダクト45内の排気圧の時間経過を示している。合わせて、第1のダンパー50内におけるダンパー角度の時間依存性も示している。ダンパー角度は、0度は全開状態を表し、90度は全閉状態を表している。時間軸の1メモリは90分に相当する。
【0091】
1次ダクト46内の排気圧はクリーンルーム外の気圧の変動を受けるため、時間に対して大きく変動しているのが判る。ここでは、A点において50Pa程度排気圧が減少している。このような1次ダクト46内の排気圧の減少により、2次ダクト45内の排気圧も減少するが、第1の差圧計51、第1の制御装置53及び第1のモータ52により、第1のダンパー50が開く方向に制御されるため、2次ダクト45内の排気圧は増加する方向となり、結果として2次ダクト45内の排気圧は一定となる。1次ダクト46内の排気圧は、クリーンルーム外の気圧の変動以外に、1次ダクトの分岐された先の気圧変動の影響も受けるが、このような場合においても、同様に2次ダクト45内の排気圧を一定とすることができる。
【0092】
同様に、図13(b)には、2次ダクト45内の排気圧及び3次ダクト44内の排気圧の時間経過を示している。合わせて、第2のダンパー49内におけるダンパー角度の時間依存性も示している。時間軸の1メモリは90分に相当する。
【0093】
図13(a)と同様に、2次ダクト45内の排気圧の変動に対して、3次ダクト44内の排気圧の変動を抑制できていることがわかる。
【0094】
本実施形態では、第1のダンパー50及び第2のダンパー49に対して排気圧の制御を行なっているが、分岐の段数を増加させた場合には、それに伴って増設されるダンパーに対して同様の排気圧の制御を行なえばよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
前述のように、本発明は、気圧の変動の影響を受けやすい装置を設置するクリーンルーム設備に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図
【図2】本発明の第1の実施形態に係るクリーンルームの室圧制御方法を説明するための図
【図3】(a)は京都市内における9月から翌年の8月にかけてのクリーンルーム内の気圧の変化を示す図、(b)は8月末における4日間におけるクリーンルーム内の気圧の変化と、塗布後のレジスト膜厚の測定結果の変化を示す図
【図4】クリーンルーム内の気圧とレジスト膜厚の関係をプロットした図
【図5】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図
【図6】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図
【図7】本発明の第2の実施形態に係るクリーンルーム設備の構成を説明するための概略図
【図8】本発明の第2の実施形態に係るクリーンルーム設備における中間室の気圧の調整方法を説明するための図
【図9】従来技術にかかるレジスト塗膜の形成装置を説明するための図
【図10】クリーンルーム内の絶対気圧を制御する方法の一例を説明するための図
【図11】本発明の第1の実施形態に係るクリーンルーム設備の構成の別の形態を説明するための概略図
【図12】本発明の第3の実施形態にかかるクリーンルーム設備における、第1の空間内に設置された装置を排気するための排気設備の系統図
【図13】本発明の第3の実施形態にかかるクリーンルーム設備における、第2の空間内に設置された装置に対する排気圧の時間変動を示す図
【符号の説明】
【0097】
10A 第1の空間
10B 第2の空間
11、11a、11b 間仕切り
12 レジスト塗布装置
13A、13B ファンフィルタユニット
14A、14B 格子状の床
15A、15B 床下部
16A、16B 周壁部
17A、17B 天井部
18、18A、18B 外調機
19、19A、19B ダクト
20A 第1のダンパー
20B 第2のダンパー
21、21A 絶対気圧センサ
22 圧力コントローラ
23 外気圧センサ
24、24A 差圧センサ
25A、25B ドライコイル
26、26A、26B インバータ
27 中間室
27A、27B 自動扉
28 圧力切り替え装置
28A、28B 配管
29A、29B 弁
30 排気ファン
31 排気ダクト
32 排気ダクト用ダンパー
41 レジスト塗布装置
42 筐体
44 3次ダクト
45 2次ダクト
46 1次ダクト
47 排気ファン
48 第3のダンパー
49 第2のダンパー
50 第1のダンパー
51 第1の差圧計
52 第1のモータ
53 第1の制御装置
54 第2の差圧計
55 第2のモータ
56 第2の制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンルームの少なくとも周壁部、天井部を通して空気を循環させる一連の循環径路を形成し、外調機により所要量の外気を取り入れて外気負荷を処理して前記クリーンルームの室内に供給する構成のクリーンルーム設備において、
前記クリーンルームの室内は間仕切りによって複数の空間に区画され、
前記複数の空間のうちの一の空間に設置された気圧センサと、
前記気圧センサからの出力信号により前記一の空間の絶対気圧を所定の値の範囲内に制御する手段を有することを特徴とするクリーンルーム設備。
【請求項2】
前記複数の空間のうちで前記一の空間とは異なる少なくとも1つの空間の気圧と前記クリーンルーム外の気圧との差圧を、所定の範囲内に制御する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム設備。
【請求項3】
前記外調機は複数の外調機を含み、前記一の空間に外気を取り入れるための第1の外調機と、前記一の空間とは異なる少なくとも1つの空間に外気を取り入れるための第2の外調機とを有することを特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム設備。
【請求項4】
前記一の空間と隣接する空間との間の少なくとも一部に中間室が設けられ、前記中間室の気圧を前記一の空間の気圧と前記隣接する空間の気圧との間の範囲に調節する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム設備。
【請求項5】
前記一の空間内に設置された装置と、前記装置内の空気を前記クリーンルーム外に排気するためのファンと、前記ファンと前記装置とを接続するダクトとを有し、
前記ダクトには、少なくとも一つのダンパーが設けられ、前記ダンパーの開閉度は、前記ダンパーよりも装置側の前記ダクトに設けられ、前記一の空間内の気圧と前記ダクト内の気圧の差圧を測定する差圧計からの信号によって制御されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のクリーンルーム設備。
【請求項6】
クリーンルーム内の気圧を所定の絶対値に維持し、前記クリーンルーム外の外気圧が前記所定の絶対値以上となる場合において、前記クリーンルーム内の気圧を前記外気圧よりも所定の値だけ高い気圧に制御することを特徴とするクリーンルームの室圧制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−125812(P2006−125812A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−331538(P2004−331538)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】