説明

グラフェンシート系材料の処理方法

【課題】グラフェンシート系材料の処理方法及び装置に関し、所望の層数のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料の形成しうるグラフェンシート系材料の処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】グラフェンシート系材料40の表面に、グラフェンシート系材料40に作用する反応性物質34を含む雰囲気中で紫外線36を照射することにより、グラフェンシート系材料の最表面層を除去し又は最表面層を改質化してグラフェンシート系材料40の電気的性質を変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフェンシート系材料の処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置やプリント配線基板等を含む半導体集積回路装置において、導電体の性質を持った電子部材として、いわゆるグラフェンシート系材料を用いる検討が行われている。
【0003】
グラフェンシート系材料とは、グラファイトの水平層(グラフェンシート)が1〜10層程度の薄膜状グラフェン、並びにその化学修飾されたものなど派生材料一般を指すものである。グラフェンシート系材料は、化学的安定性に優れている一方、特異な物理的・電気的性質など種々の魅力的な特性を有しており、半導体装置の形成材料として注目されている。
【0004】
具体的には、半導体装置の配線及びビア構造部材や半導体素子の部品、例えばグラフェンチャネルトランジスタ、LSI用のグラフェン配線等への適用が検討されている。
【0005】
従来、グラフェンシート系材料の形成には、粘着テープ等の粘着性の部材を用いてバルク状のグラファイトから転写する方法や、CVD法などの真空成膜プロセスを用いる方法等が用いられていた。
【特許文献1】特開2007−098357号公報
【非特許文献1】A.C.Ferrari et al., "Raman spectrum of graphene and graphene layers", Phys. Rev. Lett. 97, 187401 (2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グラフェンシート系材料を半導体素子等の微細なデバイスに適用するためには、所望の層数のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料を形成することが必要である。しかしながら、上記従来のグラフェンシート系材料の形成方法では、グラフェンシートの層数を制御することはできなかった。
【0007】
本発明の目的は、所望の層数のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料を形成しうるグラフェンシート系材料の処理方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、グラフェンシート系材料の表面に、前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含む雰囲気中で紫外線を照射することにより、前記グラフェンシート系材料の最表面層を除去し又は前記最表面層を改質化して前記グラフェンシート系材料の電気的性質を変化するグラフェンシート系材料の処理方法が提供される。
【0009】
また、本発明の他の観点によれば、基板上に、グラフェンシート系材料を形成する工程と、前記グラフェンシート系材料の表面に、前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含む雰囲気中で紫外線を照射することにより、前記グラフェンシート系材料に含まれるグラフェンシートを前記表面側から順次除去することにより、前記グラフェンシート系材料に含まれる前記グラフェンシートを所望の層数に制御する工程とを有するグラフェンシート系材料の処理方法が提供される。
【0010】
また、本発明の更に他の観点によれば、グラフェンシート系材料が形成された被処理基板を処理する処理装置であって、紫外線発生光源と、ガス導入口及びガス噴出口を備えた活性反応室と、前記ガス噴出口に対向して設けられ、前記被処理基板を載置する被処理基板載置ステージとを有し、前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含むガスを前記ガス導入口から導入し、前記紫外線発生光源からの紫外線によって活性化し、活性化した前記反応性物質を前記被処理基板に吹き付けることにより、前記グラフェンシート系材料の最表面層を除去し又は前記最表面層を改質化して前記グラフェンシート系材料の電気的性質を変化するグラフェンシート系材料の処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、グラフェンシート系材料の表面層から1層ずつ順次グラフェンシートを除去することができる。これにより、所望の層数のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の一実施形態によるグラフェンシート系材料の処理方法について図1乃至図6を用いて説明する。
【0013】
本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理方法は、グラフェンシート系材料に対し、真空紫外線(VUV:Vacuum Ultra Violet rays)を照射し、当該VUVとの組合せにより当該カーボン系ナノ材料の表面と反応し得る物質(「VUVとの組合せによりカーボン系ナノ材料の表面をエッチングし得る物質」を、以下、「特定物質」ともいう)を供給することにより、グラフェンシート系材料を処理するものである。グラフェンシート系材料に対し、VUVを照射し、この特定物質を供給することで、グラフェンシート系材料を表面から均一にエッチングすることができる。
【0014】
グラフェンシート系材料が表面から均一にエッチングされるのは、上記特定物質がVUVによって活性化されてラジカル等の化学的に活性な種を発生し、その化学種がグラフェンシート系材料の表面に作用するためであると考えられる。
【0015】
そのメカニズムの詳細については明らかではないが、例えば次のようなものであると推察されている。すなわち、VUV照射を受けて、グラフェンシート系材料の近傍に浮遊した状態の特定物質の結合が開裂し、一重項酸素等の活性酸素、アミノラジカル、アルキルラジカル、アルコキシラジカル等の化学種が発生する。これらのラジカルは不安定で反応性が高いため、近傍のグラフェンシート系材料上の比較的反応性の高い欠陥部分(五員環、七員環部分、通常ダングリングボンドと呼ばれる不安定結合状態部等)又はグラフェンシート系材料の端部の化学的に活性な部分に、速やかに結合し、グラフェンシート系材料を層面に対して均一にエッチングするというメカニズムである。
【0016】
本発明における特定物質であるかどうかは、AFM、ラマンスペクトル法等により、VUVの照射後に何らかの意味でグラフェンシート系材料の表面がエッチングされ層数が変化したことで確認することができる。
【0017】
本発明における特定物質については特に制限はなく、グラフェンシート系材料をエッチングしうる任意の物質から選択することができる。より具体的には、酸素、アミン類、ハロゲン化アルキル類、アルコール類、エーテル類及びこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも一の物質を含むものであることが好ましい。これらの物質を使用すると、一般的にはグラフェンシート系材料をエッチングすることができる。
【0018】
特定物質の供給は、特定物質をグラフェンシート系材料と接触させるために行う。この供給は気相で行われる。特定物質を蒸気として供給する場合、常圧、室温下では蒸気圧が低く、または蒸発しにくいものもあるので、後述のごとく減圧を採用したり、後述の不活性物質で希釈することによりこの不活性物質に同伴させたり、特定物質を加熱したりすることが好ましい場合もある。
【0019】
ただし、特定物質自体は必ずしも蒸気になっている必要はない。例えば、噴霧により特定物質が他の気体中に浮遊している状態で供給することも有用である。この場合、浮遊した特定物質が液状のままグラフェンシート系材料のエッチングに寄与することもある。
【0020】
紫外線は、波長が315nmを超え、400nm以下の範囲のUV−A、波長が280nmを超え、315nm以下の範囲のUV−B、波長が200nmを超え、280nm以下の範囲のUV−C及び波長が10〜200nmの範囲のVUVに分類される。
【0021】
これらのうち、本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理方法では、VUVを用いる。これは、この波長の持つエネルギーによる活性種(反応性ガスが酸素である場合)が炭素−炭素結合を切断するのに十分であるからである。グラフェンシート系材料は一般的に表面の安定性(化学安定性等)が高いため、UV−A〜UV−Cの紫外線の照射では、十分に表面のエッチングができない又は十分なエッチング速度が得られない。VUVと上記特定物質との組み合わせは、本実施形態によるグラフェンシートの処理方法に特に有効である。
【0022】
VUVを得る手段には特に制限はない。幅が狭く中心波長が172nmのXeエキシマUVランプ、又は193nmのArFエキシマランプを好ましく例示できる。172nmでは通例、160〜200nm程度の波長分布を示すXe封入エキシマUVランプが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。なお、有機化合物の結合の切断エネルギーはVUVの波長に直接関係するので、特にエッチングを精密に制御したい場合には、VUVの使用波長範囲を目的に応じて狭く制限することも有用である。
【0023】
VUVの出力についても制限はなく、市販の数十mW/cm程度の出力のものを好ましく使用できる。ただし、VUVを発生しうる装置(エキシマUVランプ、等)の冷却や配置に問題なければ、より高出力の装置を用いるか、あるいはUVランプを近接して複数個並べて、実際の面あたり照射量を増やすことは、生産性の向上につながることもありうる。
【0024】
なお、VUVはその名前が示すように真空中または減圧下で使用されるのが一般的であるが、本発明においては必ずしもそうではなく、常圧下においても可能である。すなわち、本発明におけるVUV照射は、減圧または常圧の雰囲気中におかれたグラフェンシート系材料に対して行われる。
【0025】
VUVの照射条件は、照射される光の面照度が照射距離の1乗に反比例すること、特性物質の吸光係数が大きいため照射強度がランバート・ベール(Lambert-Beer)の法則により減衰すること、を考慮して決定される。すなわち、光強度が強ければ光源−試料間距離を大きくし、さらにその距離での特定物質の吸光の度合いを考慮して、その希釈濃度を決める。なお、ランバート・ベールの法則とは、透過率をT、モル吸光係数をε、媒質透過長さをb、溶液濃度をcとして、吸光度Aが
A=−log(T)=log(1/T)=εbc
で表される法則をいう。
【0026】
すなわち、VUVと特定物質との組合せ作用をコントルールする意味やVUVとグラフェンシート系材料との間の距離を大きくできるという実用性上の意味からは、グラフェンシート系材料を取り囲む雰囲気中の特定物質の濃度をコントロールすることが有用である場合が多い。例えば、酸素を20体積%含む空気ではVUVが1cm以内でほぼすべて吸収されるというように、特定物質は吸光係数が大きいことが多く、何らかの手段で特定物質の濃度(又は蒸気圧や分圧でもよい)を低下させることが好ましい場合が多いからである。これは、雰囲気の減圧度を調整することによって行うこともできるが、VUVを照射してもグラフェンシート系材料の表面をエッチングしない物質である不活性物質で希釈した特定物質を使用することも好ましい場合が多い。具体的には、常圧状態で、特定物質を0.0001〜30体積%の間に希釈することが好ましく、0.01〜20体積%の間に希釈することがより好ましい。なお、この不活性物質については特に制限はないが、本発明の環境が気相であるので、一般的に、気体物質または揮発性の物質が適切である。ネオン、アルゴン等の不活性ガスや窒素ガスを好ましく例示できる。これらガスのVUVに対する吸光係数は小さいため、特定物質を希釈するに好適である。
【0027】
紫外線の照射対象であるグラフェンシート系材料とVUV照射源との間の距離については、VUVが吸収されやすいので、小さい方が好ましい場合が多い。グラフェンシート系材料とVUV照射源との間に存在する物質の種類及び濃度(又は蒸気圧或いは分圧)にもよるが、一般的には、この距離はたとえば、0.0005〜2mが好ましい。さらに言えば、多くの場合、0.1mmから数十cm程度が好ましい場合が多い。
【0028】
VUV照射の仕方には特に制限はない。特定物質の供給とは必ずしも同時である必要はない場合もあり得る。グラフェンシート系材料に対し特定物質を連続的に供給し、VUV照射を連続的に行う方法、グラフェンシート系材料に対し特定物質を断続的に供給し、その供給時に合わせてVUV照射を断続的に行う方法、グラフェンシート系材料に対し特定物質を断続的に供給し、その供給時に合わせかつその後ある時間継続するようにVUV照射を断続的に行う方法等を例示することができる。
【0029】
グラフェンシート系材料のエッチングがVUVに直接照射されている箇所のみに生じているのかどうかは不明である。たとえば生じたラジカル等の化学的に活性な種の寿命が長い場合には、VUVに直接照射されていない箇所も反応が生じ得ると考えられる。したがって、グラフェンシート系材料が全体としてVUVに照射され、結果としてエッチングされていれば、本発明の趣旨に合致するが、一般的には、エッチングする領域のグラフェンシート系材料ができるだけ直接VUVに照射されるようになっていることが好ましい。この意味では、グラフェンシート系材料が基板上に平行に配置された状態が好ましい。
【0030】
なお、従来のリソグラフィー技術等を応用して、グラフェンシート系材料の表面の一部を覆った状態で上記処理を行うことで表面におけるエッチング箇所を限定したり、更には、この操作を複数回行い、場所によって異なった程度のエッチングを行うことも可能である。
【0031】
本願明細書において、「グラフェンシート系材料」とは、グラフェンシート又はグラフェンシートが何らかの化学修飾された材料を意味する。グラフェンシートは、単にグラフェンと呼ばれたり、グラフェンナノリボンと呼ばれたりする物質で、典型的には、ナノサイズの厚さ(たとえば0.3〜数百nm)を有するが工業的利用分野によってはさらに大きなサイズのものが用いられることもある。グラフェンシートはシート状で、炭素がミツバチの巣状の形状の各六角形の頂点にある、単層又は複数の層よりなる。グラフェンシート系材料は、どのような方法で作製されてもよい。最も簡易な方法はグラファイトの劈開による方法であるが、CVD法などカーボンナノチューブと同様の手法によっても成長することができる。
【0032】
グラフェンシート系材料、特にグラフェンシートは、単位量あたりの高い表面積、導電性、導電性やその異方性等の点で独特の性質を有している。グラフェンシート系材料は、層数が大きすぎるとグラファイト構造に近づき、グラフェンシートに特徴的な異方性が小さくなる。一般的には、厚さ方向の層数が1〜10層程度のものがグラフェンシートと呼ばれることが多い。厚さに対する長さおよび幅のサイズについては特に制限はなく、用途に応じて適宜選択することができるが、一般的には、それぞれ0.7nm〜数十nmの範囲である。無修飾のグラフェンシートは、金属的または半金属的な性質を示すと言われている。
【0033】
グラフェンシート系材料が基板上に生成すること自体は本発明の必須要件ではないが、グラフェンシート系材料が基板上に生成している場合には、先述したごとく、VUVの直接照射がし易く、また、基板との密着性が良好であるため、好ましい場合が多い。
【0034】
本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置は、グラフェンシート系材料に対し、VUVを照射し、特定物質を供給できるものであれば、特に制限はない。例えば、図1乃至図4に示すような装置を例示することができる。
【0035】
図1は本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置の第1の例の概念的斜視図である。図2は図1の処理装置の要部を説明する断面図である。
【0036】
ステンレス製のチャンバ10内部には、石英ガラス製の活性化反応容器12が収納されている。活性化反応容器12の天井部には、XeエキシマUVランプ16を収容した収容部14が設けられている。なお、図においては、内部の構成が理解しやすいように活性化反応容器12の両端部が開放されているように図示しているが、実際には両端部は閉鎖されており、以下同様である。
【0037】
XeエキシマUVランプ16としては、例えば、長軸方向の発光長が400mmで発生中心波長λがλ=172nmの真空紫外線を発生し、光出力が30mW/cm2 のXeエキシマUVランプを用いることができる。
【0038】
また、XeエキシマUVランプ以外にも、Kr(クリプトン)、Ar(アルゴン)、KrCl(塩化クリプトン)を封入したエキシマUVランプ(それぞれ発光中心波長が146nm、126nm、222nm)を用いることもできる。
【0039】
また、活性化反応容器12には、XeエキシマUVランプ16の長さに応じて複数本に分岐したガス導入管18が設けられているとともに、下側に、XeエキシマUVランプ16の形状に応じた長方形のガス噴出口20が設けられている。なお、ここでは、ガス導入管18が収容部14の左右に3本ずつ設けられている。
【0040】
XeエキシマUVランプ16には、冷媒ダクト24を備えた金属ブロック22からなる冷却機構26が設けられており、この金属ブロック26を介して収容部14に固定・保持されている。冷媒としては、例えばガス状の冷媒物質を用いることができる。
【0041】
また、チャンバ10内にはX−Y方向に移動可能な基板載置ステージ28が設けられている。基板載置ステージ28は、被処理基板30の温度を制御するための温度調節器(図示せず)が内蔵するとともに、X−Y方向に移動するための移動機構22を備えている。
【0042】
次に、図1及び図2に示す処理装置の動作について説明する。
【0043】
表面にグラフェンシート系材料40が形成された被処理基板30は、基板載置ステージ28上に載置され、図示しない温度調節器によって所定の処理温度に保持される。
【0044】
この状態で、ガス導入管18から、O2 やNH3 等の特定物質をN2 等のVUVに不活性なガス又はガス状物質で希釈した混合ガス34を導入する。同時に、XeエキシマUVランプ16を点灯して波長が172nmのVUV光36を発生させ、VUV光36によって特定物質を活性化する。
【0045】
特定物質の活性化により発生した 1Δg 2 * やNH2 * 等の活性化種38は、ガス噴出口20から被処理基板30に噴射される。これにより、活性化種38が被処理基板30の表面に形成されたグラフェンシート系材料40に作用し、グラフェンシート系材料40がエッチングされる。この際、グラフェンシート系材料40のエッチングは、表面側の層から1層ずつ順次進行する。
【0046】
活性化反応容器12を設け、この活性化反応容器12内で予め活性化種38を発生し、この発生した活性化種38を被処理基板30に吹き付けることにより、VUV光36の吸収距離を気にすることなく被処理基板30を設置することができる。これにより、装置構成の設計自由度が大幅に高まるとともに装置構成が簡素化される。
【0047】
また、反応ガスとして特定物質をN2 等の真空紫外線に不活性なガスまたはガス状物質で希釈した混合ガス34を用いることにより、光吸収距離を長くすることができ、それによって、光吸収による活性化効率を高めることができる。また、活性化反応容器12の形状を大きくすることができるので、設計自由度を高めることができる。
【0048】
被処理基板30がガス噴出口20に対して無視できないほど大きいなど、被処理基板30の全面を一括して均一に処理できないような場合には、基板載置ステージ28を移動しながら処理を行う。例えば、被処理基板30がXeエキシマUVランプ16の発光長より小さい場合には、基板載置ステージ28をガス噴出口20の長軸方向と直交する方向(x方向)へ走査しながら処理を行う。被処理基板30のy方向の長さが、XeエキシマUVランプ16の発光長より長い場合には、y方向にも走査しながら処理を行う。これにより、被処理基板30の全面に渡って均一に処理を行うことができる。基板載置ステージ28の走査は、移動速度を一定にして連続的に走査するようにしてもよいし、移動と停止を繰り返して断続的に走査するようにしてもよい。
【0049】
この際、VUV強度、特定物質濃度、ガス噴出口20と被処理基板30との距離などのグラフェンシート系材料40のエッチングレートに関係する処理パラメータと基板載置ステージ28の移動速度とを関連づけるデータベースを用意し、このデータベースに基づいて基板載置ステージ28を制御する制御機構を設けることが有効である。基板載置ステージ28の移動速度は、例えば1回の走査でグラフェンシート1層が均一に除去されるように、グラフェンシート系材料40のエッチングレートとの関係から規定することが考えられる。
【0050】
また、ガス噴出口20と被処理基板30との間に、図2に示すようなスリット44を有する遮蔽板42を設けることも有効である。スリット44は、例えば被処理基板30を移動しなくても均一な処理を行うことが可能な領域に設けられている。こうすることで、より均一な処理が可能となる。
【0051】
図3は本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置の第2の例を示す概略断面図である。図3は処理装置の要部だけを示したものであり、他の構成部分については図1に示す第1の例と同様である。図3に示す処理装置は、活性化反応容器12のガス導入管18及びXeエキシマUVランプ16の冷媒ダクト24が側方から導入される構成となっている他は、図1及び図2に示す装置と同様である。
【0052】
図4は本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置の第3の例を示す概略断面図である。図4は処理装置の要部だけを示したものであり、他の構成部分については図1に示す第1の例と同様である。図4に示す装置は、冷却媒体が水冷ダクトに代わり、混合ガス34の供給経路中で被処理基板30が移動する構成となっている他は、図1及び図2に示す装置と同様である。
【0053】
次に、本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理方法の具体的な手順について図5及び図6を用いて説明する。
【0054】
まず、基板50上に、グラフェンシート系材料層52を形成する(図5(a))。基板50は、特に限定されるものではないが、シリコンウェーハなど、グラフェンシート52の成長が可能な種々の基板を用いることができる。ここでは、基板50としては、例えばp型(100)シリコンウェーハを用いるものとする。
【0055】
グラフェンシート系材料層52の形成方法は、特に限定されるものではないが、粘着テープ等の粘着性の部材を用いてバルク状のグラファイトから転写する方法や、CVD法などの成膜装置を用いる方法など、種々の方法を用いることができる。グラフェンシート系材料層52に含まれるグラフェンシートの層数は何層でもよい。ここでは、例えばCVD法により、例えばアセチレンガスを原料として、例えば1000℃にて、グラフェンシート系材料層52を形成するものとする。
【0056】
次いで、基板50上に形成したグラフェンシート系材料層52に含まれるグラフェンシートの層数を測定する。グラフェンシートの層数の測定には、AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)やラマン分光法を用いることができる。
【0057】
AFMを用いた測定では、グラフェンシート系材料層52の膜厚を測定することにより、層数を算出することができる。グラフェンシートの一層あたりの膜厚は、0.34nm程度である。したがって、グラフェンシート系材料層52の膜厚を測定することにより、含まれるグラフェンシートの層数を算出することができる。
【0058】
例えば、AFMを用いた測定においてグラフェンシート系材料層52の膜厚が6.7nmであったと仮定すると、グラフェンシート系材料層52が20層のグラフェンシートを有していることが判る。
【0059】
また、ラマン分光法による測定では、グラフェンシートの層数に応じてラマンシフトが変化する。したがって、測定したラマンシフトに応じてグラフェンシートの層数を測定することができる(例えば、非特許文献1を参照)。
【0060】
次いで、必要に応じて、例えばフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、グラフェンシート系材料層52をパターニングする(図5(b))。
【0061】
次いで、グラフェンシート系材料層52が形成された基板50を、清浄な乾燥空気中で、例えば400℃で15分ベークし、グラフェンシート系材料層52表面の、グラフェンシート以外の可燃性不純物を取り除く。
【0062】
次いで、全面に、例えばCVD法により、グラフェンシート系材料層52に対して選択的に除去が可能であり、グラフェンシート系材料層52のエッチング条件に対して耐性のある材料よりなるハードマスク54を形成する(図5(c))。ハードマスク54としては、特に限定されるものではないが、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等を適用することができる。なお、後述のフォトレジスト膜56だけでグラフェンシート系材料層52のエッチングの際のマスクとして十分に機能する場合には、ハードマスク54は必ずしも必要はない。
【0063】
次いで、ハードマスク54上に、フォトリソグラフィにより、フォトレジスト膜56を形成する(図5(d))。フォトレジスト膜56は、少なくともグラフェンシート系材料層52のエッジ部の総てを囲むように形成する。
【0064】
次いで、フォトレジスト膜56をマスクとしてハードマスク54をパターニングし、ハードマスク54に、グラフェンシート系材料層52の表面を露出する開口部58を形成する(図6(a))。グラフェンシート系材料層52の総てのエッジ部は、ハードマスク54により覆われた状態のままである。
【0065】
次いで、グラフェンシート系材料層52の表面が露出し他の領域がハードマスク54及びフォトレジスト膜56で覆われた基板50を、図1乃至図4に示すような本実施形態の処理装置内に搬入する。なお、上述のグラフェンシート系材料層52に含まれるグラフェンシートの層数の測定は、処理装置に搬入する前のどの段階で行ってもよい。
【0066】
次いで、図2の説明でしたと同様の手順により、グラフェンシート系材料層52をエッチングする。
【0067】
この際、処理条件に応じて処理時間を適宜制御することにより、グラフェンシート系材料層52の表面から、所望の層数のグラフェンシートをエッチングする。
【0068】
グラフェンシート系材料層52のエッジ部はハードマスク54により覆われているため、グラフェンシート系材料層52のエッチングは、表面側から、グラフェンシートを1層ずつ剥ぐように進行する。この際、予め測定しておいたグラフェンシートのエッチングレートを考慮して処理時間を適宜制御することにより、任意の層数のグラフェンシートをエッチングすることができる。
【0069】
したがって、予め測定しておいたグラフェンシート52の層数を考慮して処理時間を設定することにより、基板50上に所望の層数のグラフェンシートを残存させることができる。
【0070】
グラフェンシート系材料層52の処理条件は、VUVの強度を例えば1〜200mW/cm、好ましくは5〜50mW/cm、混合ガス中の酸素濃度を例えば0.0005〜20体積%、好ましくは0.01〜5体積%、ガス噴出口20と被処理基板30との距離を例えば0.1〜1000mm、好ましくは1〜500mm、基板載置ステージ28の移動速度を例えば0.1〜1000mm/秒、好ましくは1〜300mm/秒に設定する。
【0071】
例えば、特定物質としての酸素ガスをその蒸気圧が1気圧濃度0.05体積%程度となるよう純窒素で希釈混合した混合ガス34を用いそのガスの流量を毎分2Lとし、グラフェンシート系材料層52上へ吹き付ける。次いで、吹き付け開始後速やかに、発生中心波長λが172nm、発行長400mmのエキシマUVランプを、30mW/cmの出力で、試料から50cmの距離から照射する。このとのグラフェンシートのエッチングレートは、およそ0.05nm/秒である。したがって、この条件によって例えば6.8秒の処理を行うことにより、1層のグラフェンシートを除去することができる(第1の条件)。
【0072】
或いは、特定物質としての酸素ガスをその蒸気圧が1気圧濃度0.1体積%程度となるよう純窒素で希釈混合した混合ガス34を用いそのガスの流量を毎分5Lとし、グラフェンシート系材料層52上へ吹き付ける。次いで、吹き付け開始後速やかに、発生中心波長λが172nm、発行長400mmのエキシマUVランプを、20mW/cmの出力で、試料から30cmの距離から照射する。このとのグラフェンシートのエッチングレートは、およそ0.03nm/秒である。したがって、この条件によって例えば10秒の処理を行うことにより、1層のグラフェンシートを除去することができる(第2の条件)。
【0073】
こうして、開口部58内に、所望の層数のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料層60を形成する(図6(b))。例えば、前述の第2の条件を用いて18層のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料層60を形成する場合、グラフェンシート系材料層52を20秒間処理すればよい。また、前述の第2の条件を用いて16層のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料層60を形成する場合、グラフェンシート系材料層52を40秒間処理すればよい。
【0074】
次いで、フォトレジスト膜56及びハードマスク54を除去する(図6(c))。なお、フォトレジスト膜56は、グラフェンシート系材料層52のエッチングの際に、一部又は全部が除去されることもある。
【0075】
次いで、必要に応じて、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、不要な部分のグラフェンシート系材料層52等を除去する(図6(d))。
【0076】
これにより、基板50上に、所望の層数のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料層60を形成することができる。
【0077】
更に少ない層数のグラフェンシート系材料層を有する領域を形成する場合等には、図5(c)〜図6(d)の工程を繰り返し行うようにすればよい。
【0078】
本実施形態によるグラフェンシート系材料の処理方法により形成した所定の層数のグラフェンシート系材料は、ニーズに応じて、電気製品、電子製品、機械品等、グラフェンシート系材料の使用されるあるいは使用される可能性のあるどのような用途に使用されてもよいが、グラフェンシート系材料の優れた電気的特性および熱的特性に鑑み、電子装置(たとえば、半導体装置やこれを含む半導体集積回路装置)に好適に利用できる。なお、このような電子部材としては、電子デバイス用等の配線、ビア、トランジスタ用のゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、チャネル電極等を挙げることができる。
【0079】
このように、本実施形態によれば、グラフェンシート系材料の表面層から1層ずつ順次グラフェンシートを除去することができる。これにより、所望の層数のグラフェンシートを有するグラフェンシート系材料を容易に形成することができる。
【0080】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0081】
例えば、上記実施形態では、グラフェンシート系材料の表面から順次グラフェンシートを除去する方法を示したが、必ずしもグラフェンシートが面内均一に除去される必要はない。例えば、最表面のグラフェンシートの一部が除去されることにより、最表面のグラフェンシートが均一に除去されたと同様の電気的特性が得られることがあることも経験的に認められている。したがって、例えば所定の電気特性のグラフェンシート系材料を形成するという観点からは、必ずしもグラフェンシートが面内均一に除去される必要はない。
【0082】
また、上記実施形態に記載したグラフェンシート系材料の処理条件は、本願発明者が用いた装置において最適化した例であり、これに限定されるものではない。処理条件の最適値は、使用する装置やエッチング対象物の組成などが変化することにより変化するものであり、適宜設定することが望ましい。
【0083】
以上詳述したように、本発明の特徴をまとめると以下の通りとなる。
【0084】
(付記1) グラフェンシート系材料の表面に、前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含む雰囲気中で紫外線を照射することにより、前記グラフェンシート系材料の最表面層を除去し又は前記最表面層を改質化して前記グラフェンシート系材料の電気的性質を変化する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0085】
(付記2) 基板上に、グラフェンシート系材料を形成する工程と、
前記グラフェンシート系材料の表面に、前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含む雰囲気中で紫外線を照射することにより、前記グラフェンシート系材料に含まれるグラフェンシートを前記表面側から順次除去することにより、前記グラフェンシート系材料に含まれる前記グラフェンシートを所望の層数に制御する工程と
を有することを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0086】
(付記3) 付記2記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記グラフェンシート系材料に含まれる前記グラフェンシートの層数を測定する工程を更に有する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0087】
(付記4) 付記2又は3記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記グラフェンシート系材料を形成する工程の後、前記グラフェンシートの層数を制御する工程の前に、前記グラフェンシート系材料のエッジ部を囲むマスク膜を形成する工程を更に有する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0088】
(付記5) 付記1乃至4のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記反応性物質は、前記紫外線により活性化されて前記グラフェンシート系材料に作用する物質である
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0089】
(付記6) 付記1乃至5のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記反応性物質は、酸化性物質である
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0090】
(付記7) 付記1乃至6のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記雰囲気は、不活性気体で希釈された前記反応性物質を含む
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0091】
(付記8) 付記1乃至7のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記紫外線は、真空紫外線である
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0092】
(付記9) 付記8記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記真空紫外線として、キセノン、クリプトン、アルゴン及び塩化クリプトンを含む群から選択される少なくとも一種類の材料を用いた真空紫外線ランプにより発生する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0093】
(付記10) 付記1乃至9のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記グラフェンシート系材料は、グラフェンシート又はその一部が化学修飾されたシートの積層体である
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【0094】
(付記11) グラフェンシート系材料が形成された被処理基板を処理する処理装置であって、
紫外線発生光源と、
ガス導入口及びガス噴出口を備えた活性反応室と、
前記ガス噴出口に対向して設けられ、前記被処理基板を載置する被処理基板載置ステージとを有し、
前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含むガスを前記ガス導入口から導入し、前記紫外線発生光源からの紫外線によって活性化し、活性化した前記反応性物質を前記被処理基板に吹き付けることにより、前記グラフェンシート系材料の最表面層を除去し又は前記最表面層を改質化して前記グラフェンシート系材料の電気的性質を変化する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理装置。
【0095】
(付記12) 付記11記載のグラフェンシート系材料の処理装置において、
前記被処理基板載置ステージを移動する移動機構を更に有する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理装置。
【0096】
(付記13) 付記11又は12記載のグラフェンシート系材料の処理装置において、
前記移動機構は、前記被処理基板載置ステージを一定の速度で連続的に走査する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理装置。
【0097】
(付記14) 付記11又は12記載のグラフェンシート系材料の処理装置において、
前記移動機構は、前記被処理基板載置ステージの移動と停止を繰り返して断続的に走査する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理装置。
【0098】
(付記15) 付記11乃至14のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理装置において、
前記グラフェンシート系材料のエッチングレートを考慮して前記移動機構による前記被処理基板載置ステージの移動速度を制御する制御機構を更に有する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理装置。
【0099】
(付記16) 付記11乃至15のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理装置において、
前記紫外線発生光源は、キセノン、クリプトン、アルゴン及び塩化クリプトンを含む群から選択される少なくとも一種類の材料を用いた真空紫外線ランプである
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の一実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置を示す概念的斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置の要部を示す概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置の他の例を示す概略断面図(その1)である。
【図4】本発明の一実施形態によるグラフェンシート系材料の処理装置の他の例を示す概略断面図(その2)である。
【図5】本発明の一実施形態によるグラフェンシート系材料の処理方法を示す工程断面図(その1)である。
【図6】本発明の一実施形態によるグラフェンシート系材料の処理方法を示す工程断面図(その1)である。
【符号の説明】
【0101】
10…チャンバ
12…活性化反応容器
14…収容部
16…XeエキシマUVランプ
18…ガス導入管
20…ガス噴出口
22…金属ブロック
24…冷媒ダクト
26…冷却機構
28…基板載置ステージ
30…被処理基板
32…移動機構
34…混合ガス
36…VUV光
38…活性化種
40…グラフェンシート系材料
42…遮蔽板
44…スリット
50…基板
52,60…グラフェンシート系材料層
54…ハードマスク
56…フォトレジスト膜
58…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフェンシート系材料の表面に、前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含む雰囲気中で紫外線を照射することにより、前記グラフェンシート系材料の最表面層を除去し又は前記最表面層を改質化して前記グラフェンシート系材料の電気的性質を変化する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【請求項2】
基板上に、グラフェンシート系材料を形成する工程と、
前記グラフェンシート系材料の表面に、前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含む雰囲気中で紫外線を照射することにより、前記グラフェンシート系材料に含まれるグラフェンシートを前記表面側から順次除去することにより、前記グラフェンシート系材料に含まれる前記グラフェンシートを所望の層数に制御する工程と
を有することを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記反応性物質は、前記紫外線により活性化されて前記グラフェンシート系材料に作用する物質である
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記雰囲気は、不活性気体で希釈された前記反応性物質を含む
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記紫外線は、真空紫外線である
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のグラフェンシート系材料の処理方法において、
前記グラフェンシート系材料は、グラフェンシート又はその一部が化学修飾されたシートの積層体である
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理方法。
【請求項7】
グラフェンシート系材料が形成された被処理基板を処理する処理装置であって、
紫外線発生光源と、
ガス導入口及びガス噴出口を備えた活性反応室と、
前記ガス噴出口に対向して設けられ、前記被処理基板を載置する被処理基板載置ステージとを有し、
前記グラフェンシート系材料に作用する反応性物質を含むガスを前記ガス導入口から導入し、前記紫外線発生光源からの紫外線によって活性化し、活性化した前記反応性物質を前記被処理基板に吹き付けることにより、前記グラフェンシート系材料の最表面層を除去し又は前記最表面層を改質化して前記グラフェンシート系材料の電気的性質を変化する
ことを特徴とするグラフェンシート系材料の処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−40097(P2013−40097A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−213642(P2012−213642)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2008−79854(P2008−79854)の分割
【原出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】