説明

グルーピング装置

【解決手段】 第1グルーピング機構6は、搬送コンベヤ2上に係合ピン14を突出させて包装品5に当接させることで、包装品5の移動速度を規制するようになっている。係合ピン14は、搬送方向後方側へ突出する突出部14Aと、その隣接下方側に位置する空間である逃げ部14Bを備えている。包装品5は、開口部4Aが前方となるようにして搬送コンベヤ2によって搬送されるようになっている。
係合ピン14の突出部14Aが包装品5の開口部4Aを介して缶3に当接して包装品5の移動速度を規制するが、その際、包装品5の包装材4の前端4Bは逃げ部14B内に位置して係合ピン14と当接しない。
【効果】 包装材4の前端4Bを損傷させることなく包装品5を所定数にグルーピングすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグルーピング装置に関し、より詳しくは、例えば6本の缶を包装材でひとまとめにした包装品を所定数にグルーピングする場合に好適なグルーピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送中の缶を所定数にグルーピングするグルーピング装置が提案されている(例えば特許文献1)。この装置では、缶の搬送経路上に複数の係合ピンを突出させて缶に係合させ、それによって缶の移動速度を規制することでグルーピングを行っている。
また、従来、2×3の合計6本の缶を包装材でひとまとめにする包装品が提案されている(例えば特許文献2)。このような包装品は全体として直方体状となっているが、側部に包装材で覆われていない2箇所の開口部が形成されている。
【特許文献1】実公平7−18653号公報
【特許文献2】特開2004−161337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来では、上述した6本の缶を包装材でまとめ包装品を所定数にグルーピングする場合には次のように処理していたものである。つまり、図9ないし図10に示すように、包装材4で覆われた側部が搬送方向の前後に位置するように包装品5を搬送コンベヤに載置して搬送し、搬送コンベヤの搬送経路上に突出させた係合ピン14を上記包装品5の包装材4に当接させてグルーピングしていたものである。
こうした従来のグルーピング方法においては、上記係合ピン14は包装品5の搬送方向前方となる包装材4と当接して包装品5の移動速度を規制することになるが、係合ピン14と当接する側部は全域を包装材4で覆われているので強度が高く、係合ピン14によって側部(包装材4)が変形したり、損傷する虞は無かった。
ところで、上述したような6本の缶3を包装材4でまとめた包装品5をグルーピングする場合において、図3に示すように、包装品5における側面の開口部4Aが搬送方向の前方に位置するようにして包装品5を搬送し、その状態の包装品5を所要数にグルーピングすることが要望されている。
しかしながら、このようにして包装品5を搬送コンベヤによって搬送しながら、係合ピン14を包装品5に当接させてグルーピングすると、係合ピン14は開口部4Aの底部である包装材4の前端4Bに当接することになるので、係合ピン14と当接する包装材4の前端4Bが変形したり損傷するという欠点が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した事情に鑑み、本発明は、複数の物品を包装材で包装するとともに上記包装材の側部に開口部を形成した包装品を搬送する搬送コンベヤと、上記搬送コンベヤ上の包装品と当接して搬送コンベヤ上における包装品の移動速度を規制する複数の係合ピンと、上記係合ピンを移動させる駆動源とを備えて、上記搬送コンベヤによって搬送される包装品を所要の個数にグルーピングするグルーピング装置において、
上記開口部が搬送方向の前方又は後方に位置するように上記包装品を搬送コンベヤによって搬送し、上記係合ピンに、上記開口部を介して包装品内の物品に当接する突出部を形成するとともに、上記突出部が包装品内の物品と当接する際に係合ピンが該包装品の包装材と当接するのを防止する逃げ部を形成したものである。
【発明の効果】
【0005】
上述した構成によれば、上記係合ピンの突出部が開口部を介して包装品内の物品に当接しても、上記逃げ部によって係合ピンが包装品の包装材に当接することはない。したがって、係合ピンによって包装品の包装材が変形したり損傷するのを防止して、包装品を所定数にグルーピングすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図2において1は兼用型のグルーピング装置である。このグルーピング装置1は、搬送コンベヤ2によって搬送される個々の缶3(図2)を所要数にグルーピングすることができるとともに、6本の缶3を包装材4でひとまとめに包装した包装品5を所要数にグルーピングすることができるようになっている(図1)。
後に詳述するが、図1は第1グルーピング機構6によって搬送コンベヤ2上の包装品5を所定数にグルーピングしている状態を示しており、図2は第2グルーピング機構7によって搬送コンベヤ2上の缶3を所定数にグルーピングしている状態を示している。
【0007】
本実施例のグルーピング装置1は、多数の缶3あるいは包装品5を載置して下流側へ搬送する上記搬送コンベヤ2と、この搬送コンベヤ2の搬送経路上に配置されて所要時に横1列分の包装品5を上下から挟持して停止させるストッパ機構8と、搬送コンベヤ2の下方側で上記ストッパ機構8の隣接下流側に配置された第1グルーピング機構6と、この第1グルーピング機構6よりも搬送方向の隣接下流側となる搬送コンベヤ2の下方に配置された第2グルーピング機構7とを備えている。また、グルーピング装置1は、上記第2グルーピング機構7に隣接する搬送コンベヤ2の上方側に送り出し機構11を備えており、この送り出し機構11はグルーピングされた後の所定数の缶3又は包装品5をさらに下流側へ送り出すことができるようになっている。上記搬送コンベヤ2、両グルーピング機構6、7、ストッパ機構8および送り出し機構11は、図示しない制御装置によって作動を制御されるようになっている。グルーピングの対象が包装品5である場合には第1グルーピング機構6とストッパ機構8が作動されるようになっており、グルーピングの対象が個別の缶3である場合には第2グルーピング機構7が作動されるようになっている。
【0008】
図3、図6および図7に示すように、本実施例においては、同一容量で同一形状の缶3を横方向に2本、縦方向に3本の合計6本の缶3を板紙からなる包装材4によって上面、両側部及び底部を連続的に覆って、全体として直方体状の包装品5が形成されている。この包装品5は、包装材4によって覆われていない2箇所の側部が開口部4A、4Aとなっており、そこから内部の缶3の銘柄や容量を目視できるようになっている。
そして、本実施例においては、上記開口部4A、4Aが搬送方向の前後に位置するようにして包装品5を搬送コンベヤ2上に縦3列で供給するようにしてあり、この状態で搬送コンベヤ2が搬送する包装品5を横1列分合計3個ごとに第1グルーピング機構6によってグルーピングするようにしている。
【0009】
第1グルーピング機構6の構成を説明する前に、搬送コンベヤ2について説明すると、図5および図6に示すように、搬送コンベヤ2は、所定間隔を維持して並列に配置されて同一方向に循環走行される複数の無端状ベルト2Aから構成されている。これらの無端状ベルト2Aの上面となる載置面は同一水平面上となり、それら無端状ベルト2Aの上面からなる載置面上に包装品5あるいは缶3が載置されるようになっている。
図6または図11に示すように、搬送コンベヤ2の載置面よりも上方側には、搬送コンベヤ2の搬送方向に沿って複数のガイド板12を並列に配置するようにしている。これらのガイド板12は図示しない支持手段によって搬送コンベヤ2の無端状ベルト2Aよりも上方側に吊り下げて配置されるようになっている。
グルーピングの対象が缶3であるか、または包装品5であるかに応じてガイド板12の設定枚数や間隔を変更するようにしている。つまり、グルーピングの対象が個別の缶3の場合には、図11に示すように缶3を縦6列で搬送できる数のガイド板12を配置する。他方、グルーピングの対象が包装品5である場合には、図6に示すように、開口部4A、4Aを搬送方向の前後に位置させた包装品5を縦3列で搬送できる数のガイド板12を配置するようにしている。
【0010】
次に、図1および図2に示した従来公知のストッパ機構8は上下一対の挟持部材13を備えており、包装品5をグルーピングする際に制御装置によってストッパ機構8が作動されるようになっている。つまり、搬送コンベヤ2によって包装品5が上述した状態で搬送されている際に、制御装置によってストッパ機構8が作動されると、挟持部材13によって搬送コンベヤ2上の横一列分3個の包装品5が挟持されて停止され、それにより搬送コンベヤ2によって搬送される隣接下流側の横一列3個分の包装品5と停止されている横一列分3個の包装品5とが離隔するようになっている。
【0011】
次ぎに、第1グルーピング機構6について睨明する。
図1、図4および図5に示すように、上記搬送コンベヤ2の下方側には搬送コンベヤ2の長手方向に沿って左右一対の支持フレーム15,15を設けてあり、これらの支持フレーム15,15に搬送コンベヤ2の搬送方向において所定間隔を維持して2本の回転軸16,17を回転可能に軸支している。
これら回転軸16,17は水平で、かつ同じ高さとなるように上記支持フレーム15,15に軸支されており、回転軸16はサーボモータ18に連動して図1において反時計方向に回転されるようになっている。また、他方の回転軸17はサーボモータ21に連動して上記回転軸16と同一方向に回転されるようになっている。
【0012】
図4に示すように、上記回転軸16には一対のスプロケット22,22を嵌着するとともに、他方の回転軸17にはベアリングを介して一対のスプロケット23,23を回転自在に取り付けている。そして、両スプロケット22,23にわたって無端状のチエ−ン24,24を掛け渡している。
これら一対のチェーン24,24における長手方向の2箇所に、それらのチェーンにわたって2本の板状部材25を架設している。そして、それら板状部材25には、搬送コンベヤ2の幅方向において所定ピッチで係合ピン14を鉛直方向に向けて5本取り付けている。
また、回転軸17には一対のスプロケット26,26を嵌着するとともに、他方の回転軸16にはベアリングを介して一対のスプロケット27,27を回転自在に取り付けている。そして、両スプロケット26,27にわたって無端状のチェーン28,28を掛け渡している。
これら一対のチェーン28,28における長手方向の2箇所に、それらのチェーンにわたって2本の板状部材25′を架設している。そして、それら板状部材25′には、搬送コンベヤ2の幅方向において所定ピッチで係合ピン14’を鉛直方向に向けて5本取り付けている。
【0013】
チェーン24,24とチェーン28,28は、係合ピン14が取り付けられた板状部材25と係合ピン14′が取り付けられた板状部材25′とを長手方向に交互に配置されるように各スプロケット22,23,26,27に掛け回している。
上記サーボモータ18,21は図示しない制御装置によって作動を制御されるようになっており、制御装置は、サーボモータ18,21をそれぞれ独立して作動させることができる。サーボモータ18を作動させると、回転軸16を介してチェーン24,24を図1において反時計回りに循環走行させるようになっている。また、サーボモータ21を作動させると、回転軸17を介してチェーン28,28を図1において反時計回りに循環走行させるようになっている。
【0014】
また、図4、図5に示すように、各板状部材25,25′における左右の両端部となる端面には、それぞれ回転ローラ31を取り付けている。各板状部材25,25′に取り付けた各回転ローラ31は、左右の支持フレーム15の内面に対向させて連結したガイドレール32上で転動するようになっている。
図5に示すように、一方の支持フレーム15の内面には、上記ガイドレール32に隣接する上下位置にガイドレール33を連結している。そして、各板状部材25,25′の右方側となる端部に取り付けた回転ローラ34を上記ガイドレール33に形成したガイド溝に転動自在に係合させている。
これにより、チェーン24,24およびチェーン28,28が循環走行される際には、回転ローラ34がガイドレール33のガイド溝内を転動して、各板状部材25,25′に設けた横一列分5個の係合ピン14,14′がチェーン24,24およびチェーン28,28に連動して循環して移動される。その際には、チェーン24,24およびチェーン28,28が搬送コンベヤ2と同一方向に走行される上方領域において、横一列5個の係合ピン14,14′が搬送コンベヤ2よりも上方側に突出して搬送される包装品5と当接することが可能になっている。
なお、本実施例では、係合ピン14,14′が搬送コンベヤ2よりも上方に突出して包装品5と当接しつつ、下流へ搬送する速度は搬送コンベヤ2の搬送速度よりも少し遅くなるように設定しており、包装品5を係合ピン14,14′の搬送速度に規制するようになっている。
【0015】
さらに、本実施例においては、上記係合ピン14,14′を次のように改良することで、係合ピン14,14′を搬送コンベヤ2上の包装品5に当接させる際に包装品5の包装材4の前端4Bが変形したり、損傷しないようにしている。
すなわち、図5から図7に示すように、係合ピン14,14′は、搬送コンベヤ2の載置面よりも上方側に突出される上端部を、搬送コンベヤ2の搬送方向の後方側、すなわち、包装品5内の缶3と当接する側へ突出させた突出部14A,14′Aとしてあり、この突出部14A,14′Aの隣接下方側の空間部分を逃げ部14B,14′Bとしている。突出部14A,14′Aは、搬送力向前方の開口部4Aを介して包装品5内の缶3に当接することができるようになっており、その際に、上記逃げ部14B,14′Bが包装材4の前端4Bに位置するようになっている。
このように構成した各係合ピン14,14′が搬送コンベヤ2よりも上方に突出すると、上記突出部14A,14′Aが搬送コンベヤ2上の包装品5の開口部4Aを介して、内部の缶3に当接するようになっている。このように、係合ピン14,14’の突出部14A,14′Aが開口部4Aを介して包装品5内の最前方の缶3に直接当接させることで、包装品5を係合ピン14,14′の移動速度に規制して移動させることになる。その際、係合ピン14,14′には突出部14A,14′Aの隣接下方側に逃げ部14B,14′Bが形成されているので、包装品5における包装材4の底部の前端4Bは、空間である逃げ部14B内に位置して係合ピン14、14’と当接することはない。そのため、係合ピン14.14′によって包装品5の包装材4における底部の前端4Bとその周辺が変形したり損傷しないようになっている。
次に、図1、図2および図11に示すグルーピング装置1の第2グルーピング機構7について説明する。策2グルーピング機構7の係合ピン36は丸棒状で横1列12本取り付けられており、缶3に対して2本ずつ当接するようになっている(図11参照)。係合ピン36の形状と本数以外の構成は上記第1グルーピンダ機構6と実質的に同じであり、2組のチェーンにそれぞれ2組の係合ピン36を備え、それぞれのチェーンを独立して駆動可能な構成となっている。
【0016】
以上の構成にかかるグルーピング装置1の作動について説明する。
まず、第1グルーピング機構6と上記ストッパ機構8によって包装品5を横一列3個ごとにグルーピングする場合の作動を図1、図3〜図8により説明する。
なお、第1グルーピング機構6によって搬送コンベヤ2上の包装品5を所定本数ごとにグルーピングする場合には、上記第2グルーピング機構7の作動は停止されて、その係合ピン36は全て搬送コンベヤ2よりも下方に退没させて搬送コンベヤ2上の包装品5と当接させないようにしている。
開口部4Aが搬送方向の前後に位置する状態で、かつ縦3列で搬送コンベヤ2によって包装品5が搬送されている状態において、制御装置は上記ストッパ機構8を作動させて上記狭持部材13によって搬送コンベヤ2上の横一列分3個の包装品5を所定タイミングごとに狭持して停止させる。
このときには、制御装置によって上記第1グルーピング機構6の一組の係合ピン14は搬送コンベヤ2上に突出しており、ストッパ機構8から解放された包装品5は係合ピン14の突出部14Aと当接している(図8a参照)。
【0017】
サーボモータ18の作動によって移動する係合ピン14の移動速度は搬送コンベヤ2の搬送速度よりも遅いので、係合ピン14と当接している包装品5は、該係合ピン14の移動速度に規制されて搬送コンベヤ2上を移動されるようになる。このとき係合ピン14の突出部14Aが開口部4Aを介して包装品5内の缶3に当接して包装品5の移動速度を規制することになり、包装品5の包装材4の前端4Bは上記逃げ部14Bがあるので、係合ピン14と当接せず、前端4Bが損傷あるいは変形することはない(図6、図7参照)。
また、上記先行する組の係合ピン14が包装品5を移送している間、上記制御装置はサーボモータ18からのパルス信号を基にして先行する係合ピン14の位置を認識しており、ストッパ機構8の挟持部材13によって挟持された搬送コンベヤ2上の横一列分3個の包装品5と先行の係合ピン14により移送される包装品5とに所定の間隔が生じると、制御装置はサーボモータ21により第2の組の係合ピン14′を作動させて相前後する横一列分の包装品5の間に突出させる(図8b参照)。そして、このあと、ストッパ機構8は横一列3個の包装品5を解放するので、それらの包装品5内の缶3が係合ピン14′の突出部14′Aと当接し、該係合ピン14′によって移動速度を規制されながら移送される(図8c参照)。その際,係合ピン14′も上記係合ピン14と同様に構成しているので、包装品5の包装材4の前端4Bが変形したり、損傷することはない(図3参照)。
このようにして、相前後する各組の係合ピン14,14′によって移動速度を規制されて搬送コンベヤ2上を順次横一列3個の包装品5が移動されて、先行する組の係合ピン14が移動しながら搬送コンベヤ2よりも下方側に退没することで、その係合ピン14から横一列3個分の包装品5が離隔して、搬送コンベヤ2により下流側へ移送されるようになっている(図8c、図8d参照)。
また、この後、あとの組の係合ピン14′も移動しながら搬送コンベヤ2よりも下方側に退没することで、その係合ピン14′から3個の包装品5が離隔し、搬送コンベヤ2により下流側へ移送される。
このときまでに制御装置は、ストッパ機構8によって次に処理すべき横一列3個の包装品5を挟持して搬送コンベヤ2上で停止させている。また制御装置はサーボモータ21からのパルス信号を基にして、相前後する組の包装品5の間隔が所定量となったところでサーボモータ18の作動により、次の組の係合ピン14を搬送コンベヤ2上に突出させ、その後にストッパ機構8による包装品5の挟持状態が解放されるので、解放された包装品5内の缶3が係合ピン14の突出部14Aと当接する(図1参照)。
このようにして、搬送コンベヤ2によって搬送される包装品5をストッパ機構8によって所定タイミングで停止させて、相前後する包装品5の間隔をあけた後、その隙間に各組の係合ピン14,14′を突出させることで、搬送コンベヤ2上の包装品5を横一列3個ごとにグルーピングするようにしている。
グルーピングされた後の各3個ごとの包装品5は、上記送り出し機構11が備える係合捧11Aによってさらに搬送方向の下流側へ送り出されるようになっている。
【0018】
次に、第2グルーピング機構7によって缶3をグルーピングする場合について説明する。
缶3を所定本数ごとにグルーピングする場合には、第1グルーピング機構6の作動は停止されて、その係合ピン14,14′は搬送コンベヤ2よりも下方側に退没して搬送コンベヤ2上の缶3と当接しないようになっている(図2参参照)。また、上記ストッパ機構8も停止されて、その挟持部材13は搬送コンベヤ2上の缶3と接触することはない。この状態で、缶3は縦6列で搬送コンベヤ2上を搬送されてくる。
第2グルーピング機構7は、上記第1グルーピング機構6と同様に2組のチェーンにそれぞれ2組ずつ係合ピン36を設けている。後の組の係合ピン36が缶3と当接して移動を停止させている間に、先行の組の係合ピン36を移動させることにより、先行する係合ピン36と当接している縦6列×横3別の缶3と後続の缶3との間隔を開け、その間隔が所定間隔となった時点で後の組の係合ピン36を移動させる。そのころには、先行する組の係合ピン36は搬送コンベヤ2から退没して缶3と離隔し、先行する組の係合ピン36から解放された缶3は上記送りと出し機構11の係合棒11Aによってさらに下流側へ送り出されるようになっている。
このように、搬送コンベヤ2上に順次突出される係合ピン36によってその搬送方向の前後位置の缶3が分離されることで、缶3が縦6列×横3列ごとにグルーピングされるようになっている。
【0019】
上述したように、本実施例においては、第1グルーピング機構6によって包装品5を所定数にグルーピングする際には、各包装品5を包装材4の開口部4Aが搬送方向の前後に位置するようにして搬送コンベヤ2へ供給し、搬送コンベヤ2は上述した状態の包装品5を下流側へ搬送するようにしている(図3、図6参照)。そして、第1グルーピング機構6の係合ピン14、14’を搬送コンベヤ2上に突出させた際には、係合ピン14、14’の突出部14A、14’Aを包装品5の缶3に直接当接させ、その際には包装品5の包装材4の前端4Bは係合ピン14、14’の逃げ部14B、14’B内に位置して係合ピン14、14’と当接することがない(図6、図7参照)。そのため、包装品5を上述した状態で搬送コンベヤ2で搬送しながらグルーピングしても、包装品5の包装材4の前端4Bが変形したり損傷することはない。
また、本実施例のグルーピング装置1によれば、上述したような開口部4Aを搬送方向前方となるようにして包装品5を搬送しながら、それらを所定数にグルーピングすることができるとともに、図9ないし図10に示した従来と同様に側部の包装材4が搬送方向の前後に位置するように(開口部4Aが搬送方向両側となるように)包装品5を搬送しながら、それらを所定数にグルーピングすることもできる。したがって、従来のものと比較して、汎用性が高いグルーピング装置1を提供することが可能となる。
【0020】
なお、上記実施例においては、上記第1グルーピング機構6を搬送コンベヤ2の下方側に配置し、搬送コンベヤ2よりも上方へ係合ピン14、14’を突出させることで包装品5と当接させているが、第1グルーピング機構6を搬送コンベヤ2の上方側、もしくは側方に配置して、係合ピン14、14’を上方から下方へ下降させて、もしくは係合ピン14、14’を側方から移動させて包装品5内の缶3に当接させても良い。
なお、上記実施例においては、係合ピン14、14’の突出部14A、14’Aを包装品5の搬送方向前方側から包装品5の缶3に当接させるようになっているが、係合ピン14、14’を突出部14A、14’Aを包装品5の搬送後方後方側から包装品5に当接させるようにしても良い。その場合には、搬送コンベヤ2の搬送速度よりも係合ピン14、14’の移動速度を高速に設定することになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例を示す正面図。
【図2】図1に示した装置の異なる作動状態を示す正面図。
【図3】図1に示した包装品5を拡大した斜視図。
【図4】図1のIV―IV線に沿う要部の断面図。
【図5】図4のV―V線に沿う断面図。
【図6】図1の要部を拡大した平面図。
【図7】図6のVII―VIIに沿う断面図。
【図8】図1に示すグルーピング装置1の作動工程を示す図。
【図9】従来技術を示す平面図。
【図10】図9のX―X線に沿う断面図。
【図11】図1に示すグルーピング装置1によって缶3をグルーピングする場合を示す要部の平面図。
【符号の説明】
【0022】
1…グルーピング装置 2…搬送コンベヤ
3…缶(物品) 4…包装材
4A…開口部 5…包装品
6…第1グルーピング機構(駆動源) 14、14’…係合ピン
14A、14’A…突出部 14B、14’B…逃げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を包装材で包装するとともに上記包装材の側部に開口部を形成した包装品を搬送する搬送コンベヤと、上記搬送コンベヤ上の包装品と当接して搬送コンベヤ上における包装品の移動速度を規制する複数の係合ピンと、上記係合ピンを移動させる駆動源とを備えて、上記搬送コンベヤによって搬送される包装品を所要の個数にグルーピングするグルーピング装置において、
上記開口部が搬送方向の前方又は後方に位置するように上記包装品を搬送コンベヤによって搬送し、
上記係合ピンに、上記開口部を介して包装品内の物品に当接する突出部を形成するとともに、上記突出部が包装品内の物品と当接する際に係合ピンが該包装品の包装材と当接するのを防止する逃げ部を形成したことを特徴とするグルーピング装置。
【請求項2】
上記開口部が搬送コンベヤの搬送方向の前方に位置するようにして上記包装品を上記搬送コンベヤによって搬送するとともに、
上記係合ピンの突出部は、搬送コンベヤの下方側から搬送コンベヤよりも上方へ突出して包装品内の物品と当接することを特徴とする請求項1に記載のグルーピング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−230751(P2007−230751A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56987(P2006−56987)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】