グレージングまたはモールディングに取り付け構成部品を固定する方法、取り付け構成部品を固定する固定デバイス、およびこの方法を使用して得られるグレージング
本発明は、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品(2)をグレージング(1)の周辺部に、特にグレージング(1)の周辺部に固定されたモールディング(3)の一部位に固定する方法にして、前記取り付け構成部品(2)は、それを前記グレージング(1)または前記モールディング(3)に固定する固定手段を備える後面(21)を有する固定方法であって、前記後面(21)は、前記モールディング(3)内または前記グレージング(1)内に作り出された、前記モールディング(3)または前記グレージング(1)の両面へと両端部で開口する穴(10、10’)にそれぞれ進入するいくつかの付属体(22、22’)を備え、各付属体の遠位端部(23、23’)は、穴(10、10’)の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面(31)を超えて突き出ることと、各付属体の前記遠位端部(23、23’)は一時的な軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されて、穴(10、10’)の周辺部で、好ましくは穴(10、10’)の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面(31)と接触することとを特徴とする、固定方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレージング上モールディングの製造の分野に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品をグレージングの周辺部に固定することに関する。
【0003】
このように、本発明は、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品をグレージングの周辺部に、特にグレージングの周辺部に固定されたモールディングの一部位に固定する方法において、前記取り付け構成部品は、それを前記グレージングまたは前記モールディングに固定する固定手段を備える後面を有する、固定方法に関する。
【背景技術】
【0004】
取り付け構成部品をグレージングに固定する可撓性クリップを使用して成型トリム要素をモールディング上に留めるシステムが、従来技術として国際公開第2007/003823号から知られている。
【0005】
この文献によると、上流側の共働部品は少なくとも1つの突き出た雄型要素または1つの中空の雌型要素を備え、この要素は、モールディング内に作り出された対応する中空の雌型要素または突き出た雄型要素とそれぞれ共働する。前記中空の雌型要素は、前記突き出た雄型要素の外寸よりも少なくとも部分的に小さい内寸を要する。
【0006】
このように、この共働は、要素の表面の少なくとも一部同士の間の摩擦を伴う「ほぞ‐ほぞ穴」式のものである。
【0007】
このデバイスの1つの重要な利点は固定システムの確実性にある。このデバイスは、成型トリムが、極端な条件、とりわけ高振動の条件下でも、確実に定位置に保たれることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/003823号
【特許文献2】国際公開第2008/084076号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このシステムではモールディングの設計がはるかに複雑になり、特別の雄型ゾーンまたは雌型ゾーンを有する特別のモールディングを設計することが必要となる。
【0010】
特に、このシステムでは、クリップは、上流側の共働部品がモールディング内に作り出された対応する部品と正確に共働するように、極度に精確に位置決めされなければならず、そのような精確な位置決めは自動化することが難しく(手作業によってのみ可能である)、この解決策が実施される際には追加のコストが生じる。
【0011】
近接構成部品を用いずにトリムを直接モールディングに固定するシステムも、従来技術として国際公開第2008/084076号から知られている。この固定は、モールディングを貫通するトリムの後面上に位置付けられたかかりの付いた外観の付属品によって実施される。
【0012】
したがって、トリムをモールディングに固定するために、トリムがモールディングに対して精確に位置決めされ、かつトリムの(装飾的な)外側面が充分に強く押圧されてかかり付きフックがモールディングを通過するようにすることが必要になる。
【0013】
しかしながら、モールディングの材料が密閉機能を行うことから、それは相当に大きな機械的強度を有さねばならず、したがって貫通を達成するのに必要な圧力は極めて高くなる。
【0014】
このシステムは実施するのに複雑である。それは、トリムがモールディングに対して押し付けられる力が大きくかつ精確でなければ、かかり付きフックが圧し付け力の作用下で潰れずにモールディングを正確に貫通するようにはならないということによる。これも自動化するのが極めて困難である。
【0015】
さらにこれは、トリムの(装飾的な)前面を損傷するリスクを冒さずに実施することが困難である。
【0016】
本発明の目的は、トリムなどの取り付け構成部品をモールディングまたは直接グレージングに固定するシステムにおいて、トリムが固定されるとき、トリムをモールディングまたはグレージングに対して極度に精確に位置決めすることを必要としない、自動化されることが可能な、即ちトリム全体が、単一のロボットを使用して、単一の生産工程内に嵌め合わされることが可能なシステムを提案することによって、従来技術の欠点を軽減することである。
【0017】
このように、ここで追及されている1つの基本目的は、少なくとも1つのグレージングに、またはさらに一度にいくつかのグレージングに固定されるべき(全ての)取り付け構成部品(複数可)を単一の工程で固定することが可能なワークステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によるこの解決法は簡単に実施できると同時に確実である(トリムは一旦嵌め合わされると、容易に取り外されることが可能ではない)。
【0019】
このように、本発明はその最も広い意味において、請求項1に記載の方法に関する。つまりこれは、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品をグレージングの周辺部に(プラスチックグレージングまたは穴抜きされたガラスグレージングの場合)、特にグレージングの周辺部に固定されたモールディングの一部位に固定する方法にして、前記取り付け構成部品は、それを前記グレージングまたは前記モールディングに固定する固定手段を備える後面を有する、方法である。前記後面は、前記モールディング内または前記グレージング内に作り出された、前記モールディングまたは前記グレージングの両面(取り付け構成部品の前面と後面)へと両端部で開口する穴にそれぞれ進入するいくつかの付属体を備え、各付属体の遠位端部(即ち後面に接続する端部の反対側の端部にある付属体の端部)は、穴(より具体的には少なくとも穴の周辺部の一部分)の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面を超えて突き出て、各付属体の前記遠位端部は一時的な軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されて、穴の周辺部で、好ましくは穴の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面と接触する。
【0020】
本明細書で用いられる前/後の概念は、本発明によるグレージングが嵌め合わされた車両の前方移動の方向を指しているのではなく、車両の車体構造に関する意味として理解されるものである。前面は車両の外側の方に配向された面を示し、後面は車両の内側の方に配向された面を示す。
【0021】
本発明によると、付属体の遠位端部の軟化中に、この遠位端部と付属体が取り付け構成部品に接続される端部との間に位置付けられる要素(モールディングまたはグレージンングそのもの)は、軟化された遠位端部と取り付け構成部品の後面との間に挟まれ、不動化される。
【0022】
この軟化は、要素(モールディングまたはグレージングそのもの)内に予め作り出された穴に通されている付属体の遠位端部が変形を生じて、この遠位端部がもはや穴から嵌め戻すことが可能ではなくなるようにするというものである。その外側断面が穴の内側断面より大きくなる。
【0023】
次いで当然のことながら軟化に続いて、軟化発生源が取り除かれた後に付属体の材料の硬化が行われる。遠位端部は自体がその変形形状に設定されていることを見出す。
【0024】
取り付け構成部品がモールディングに直接固定されるとき、この軟化の間、取り付け構成部品の硬質プラスチックはこのように、モールディングの軟質プラスチックを、取り付け構成部品の後面と付属体の軟化された遠位端部との間に挟む。この作用は、一旦変形された遠位端部が硬化すると、モールディングが圧縮されることを引き起こし、取り付け構成部品とモールディングとの間に遊びが生じるリスクを低下させる。実際、このような遊びは有害である。これは、遊びが、特定の振動の影響下で取り付け構成部品が震え始めることを引き起こす可能性があり、それがグレージングの、またグレージングを備える車両の美観にとって許容不可能なものであることによる。
【0025】
一般的に、本明細書では、軟質プラスチックとは、作業後に110ショアA以下(一般的に50ショアAから110ショアAまでの、これらの値を含む範囲)の硬度を有するもの、例えばTPE、PVC、PU、EPDMなどであり、硬質プラスチックとは、作業後に、110ショアAを超える硬度、または30ショアDから100ショアDまでの、これらの値を含む範囲に含まれる硬度を有するもの、例えばPC、ABS、ABS‐PCなどであると考えられる。
【0026】
付属体は取り付け構成部品の前記後面に固定される。付属体は、この取り付け構成部品に対して移動することが不可能である。付属体は長さが縮小するだけであり、軟化中にその遠位端部の外側断面の拡大を経験する。付属体は取り付け構成部品を伴うものとして形成される。付属体は取り付け構成部品と同時に製造され(例えば成形によって)、あるいは取り付け構成部品に極めてしっかりと固定される。
【0027】
付属体は細長い形状であり、このようにその長さに沿って両端部を有する。付属体は取り付け構成部品と同時に、特に取り付け構成部品が成形によって製造される際に製造され、あるいは取り付け構成部品の内側面に、例えば溶接または接着によって固定される。
【0028】
付属体の一方端部、近位端部はこのように取り付け構成部品の内側面に接続される。本発明で「遠位端部」として知られる端部とは、取り付け構成部品の内側面から遠位にある、取り付け構成部品の内側面に接続されない付属体の端部である。
【0029】
付属体の遠位端部とは、モールディング内またはグレージングそのものの中に作り出された、また付属体が部分的に隠される穴を超えて突き出る部分を意味する。
【0030】
本発明によると、取り付け構成部品の各付属体はそれ自体が、軟化および次の硬化の後に、据え込みされた遠位端部と取り付け構成部品の後面との間で僅かな内部の引張応力下にあることを見出す。
【0031】
付属体の遠位端部の軟化は、好ましくは25kHzから70kHzの周波数範囲、より好ましくは30kHzから35kHzの周波数範囲の超音波を加えることによって実施される。
【0032】
しかしながら、付属体の遠位端部の軟化は、熱発生源、例えば約150°Cから200°Cの温度の金属棒などを使用した熱伝導による加熱によってもたらされることも可能である。
【0033】
本方法の特定の変化形態では、少なくとも軟化時間の一部分の間、好ましくは軟化時間を通して、またはさらにそれよりも長い時間、前記遠位端部に機械的圧力が加えられる(具体的には、圧力は、軟化発生源が取り除かれた後1秒から10秒の継続時間にわたって維持されてよく、この機械的圧力が付属体の遠位端部の平坦化をもたらすことが潜在的に可能である)。
【0034】
本方法の極めて固有な変化形態では、いくつかの付属体(好ましくは取り付け構成部品の全ての付属体)の遠位端部が、一時的な軟化によって(より好ましくは超音波を加えることによって)一斉に変形されて、それと同時に穴の周辺部で(好ましくは穴の周辺部全体にわたって)前記モールディングまたは前記グレージングの後面と接触する。
【0035】
本発明は、少なくとも1つの軟化発生源、特に少なくとも1つの超音波発生源を備える、好ましくは一斉に実施されることが可能ないくつかの軟化発生源を備える、本発明による方法を実施するデバイスにも関する。
【0036】
このように、本発明は、本発明による方法を実施するための、軟化発生源、とりわけ少なくとも1つの超音波発生源の使用、あるいは一斉に実施されるいくつかの軟化発生源の使用にも関する。
【0037】
本発明はさらにグレージング、特に本発明による方法によって得られるグレージングにおいて、グレージングの周辺部に固定された、特に、グレージングの周辺部に自体が固定されたモールディングの一部位に固定された、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品を備え、前記取り付け構成部品は、それを前記グレージングまたは前記モールディングに固定する固定手段を備える後面を有する、グレージングに関する。取り付け構成部品の前記後面は、前記モールディング内または前記グレージング内に作り出された、前記モールディングまたは前記グレージングの両面へと両端部で開口する穴にそれぞれ進入するいくつかの付属体を備え、前記付属体の遠位端部は、穴の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面を超えて突き出て、各付属体の前記遠位端部は軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されていて、穴の周辺部で、好ましくは穴の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面と接触する。
【0038】
遠位端部が軟化によって変形されているということは、単にグレージングを見るだけで確実に判定されることが可能である。これは、このように変形された遠位端部は穴を貫通することが可能ではないこと、また純粋に機械的な変形の跡(例えば点または折線など)が見られないことによる。さらに、軟化による変形は、膨れおよび/または色の変化が現れた状態の遠位端部の外観の変化をもたらすことが好ましい。
【0039】
プラスチックの取り付け構成部品は、本発明による付属体によってのみグレージングの周辺部に固定されることが好ましい。
【0040】
本発明の変化形態によると、いくつかの穴(好ましくは付属体が通過する全ての穴)が、空間内で平行である軸線A、A’に沿って配向される。
【0041】
本発明の変化形態によると、いくつかの付属体(好ましくは取り付け構成部品の全ての付属体)が、空間内で平行である軸線B、B’に沿って配向される。穴を備える要素(モールディングまたはグレージング)は、それが成形によって製造される場合、型から外し易い。
【0042】
本発明の変化形態では、いくつかの付属体(好ましくは取り付け構成部品の全ての穴)は、前記取り付け構成部品の前記後面に実質的に垂直である軸線Bに沿ってそれぞれ配向される。
【0043】
本発明の他の変化形態では、前記取り付け構成部品は非平坦形状を有して、付属体の軸線Bと、付属体の地点の前記取り付け構成部品の後面との間で、他の付属体の軸線B’とこの他の付属体の位置の前記取り付け構成部品の後面との間の角度α’とは異なる角度αを備える。
【0044】
本発明の変化形態によると、1つの(好ましくは各)付属体は好ましくは中空の横断面と、円形、楕円形、長方形、または正方形の外側断面とを有し、前記(好ましくは各)穴は、前記付属体の外側断面の形状とそれぞれ同一の形状の内側断面を有する。
【0045】
本発明の変化形態によると、少なくともその遠位端部の(好ましくは各)穴の内側断面は、この端部付近で、またはさらに数ミリメートルになる一部位にわたって前記付属体の外側断面と実質的に同一であり(あるいはモールディング内に作られた穴の場合にはさらに僅かにそれより小さく)、選好によって、(好ましくは各)穴の内側断面は、前記穴の深さ全体にわたって前記付属体の外側断面と実質的に同一である(あるいはモールディング内に作られた穴の場合にはさらに僅かにそれより小さい)。
【0046】
本発明の変化形態によると、前記モールディングまたは前記グレージングの前記前面は、少なくとも(好ましくは各)穴の周辺部で、前記取り付け構成部品の前記後面と実質的に平行である。その結果、取り付け構成部品の後面をモールディングまたはグレージングの前面に対して当てることが可能になり、このように取り付け構成部品の主要部分は、それ自体が、付属体の内部の引張応力の作用下でモールディングまたはグレージングに対してそれぞれ当てられているのを見出す。
【0047】
本発明の変化形態によると、穴の位置の前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面は、穴の軸線に対して、またはさらに付属体の軸線に対して垂直である。
【0048】
本発明の変化形態によると、前記取り付け構成部品は細長い形状を有し、選好によって、前記付属体は、前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有する。
【0049】
本発明の変化形態によると、(好ましくは各)穴の遠位端部は、少なくともその周辺部の一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、穴の周辺部の前記グレージングまたは前記モールディングの後面に対して突き出る隆起部を備える。
【0050】
本発明の変化形態によると、(好ましくは各)穴の遠位端部は、少なくともその周辺部の一部にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、穴の周辺の前記グレージングまたは前記モールディングの後面から後退した窪み部を備える。
【0051】
本発明の1つの重要な利点は、取り付け構成部品をモールディングまたはグレージングそのもの(それが直接グレージングに通して位置決めされる場合)に対して極めて精確に位置決めする必要がないということにある。取り付け構成部品は、付属体が関連した穴を徐々に貫通するにつれて、自然にモールディングまたはグレージングに向かって案内される。
【0052】
本発明の他の重要な利点は、このようにして達成された固定が極めて確実であると同時に、簡単に実施できるということにある。これは容易に反復可能であり、自動化し易い(全面的にまたは部分的に)と同時に、取り付け構成部品がモールディングまたはグレージングそのものに対してしっかりと定位置に保持されることを可能にする。既に存在する穴に付属体を進入させる方が、国際公開第2008/084076号に提案されるような、かかり付きフックにモールディングの材料を通り抜けさせるよりもはるかに簡単である。
【0053】
さらに、この固定は振動に対して極めて強い。モールディングおよびグレージングに到達する振動は、取り付け構成部品の固定に対して全く影響を有することが可能でなく、モールディング(またはグレージングそのもの)と取り付け構成部品との間の接続を悪化させることが決して可能ではない。
【0054】
さらに、モールディング(またはグレージングそのもの)と取り付け構成部品との間の接続が確実なものでも、グレージングをリサイクル処理するために破壊することが簡単である。一度グレージングが車体構造から切り離されると、取り付け構成部品を取り外すために再度遠位端部を一時的に軟化することが簡単である。
【0055】
これらの利点の全ては、他の機械的な取り付け手段または他の化学的な取り付け手段(接着剤)を用いずに、取り付け構成部品が付属体のみによってグレージングの周辺部に固定されるとき、特に有益である。
【0056】
本発明によるシステムは、有利に、少なくとも1つの中間構成要素がモールディングまたはグレージングに固定されることを、このモールディングが、取り付け構成部品に合った、この固有な特徴のために(特に成形による)設計し製造することが難しい特別の複雑な形状を有さない状態で、また一方の取り付け構成部品と他方のモールディングまたはグレージングの間になにがしかの中間構成要素が存在する必要なしに、可能にする。
【0057】
いくつかの非制限的で例示的な実施形態についての以下の詳しい説明を読み、添付図面を検討すれば、本発明がより充分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】モールディングに固定されたトリムを有する、車両後方左側の固定されたグレージングの斜視図において、トリムおよびモールディングはグレージングの底前部の横断面で示されている、斜視図である。
【図2】中実の円柱状付属体が一時的な軟化によって変形される前の軸方向断面図である。
【図3】中実の円柱状付属体が一時的な軟化によって変形された後の軸方向断面図である。
【図4】トリムがモールディングに固定される前の、図1のグレージングの底縁部に沿った断面図である。
【図5】トリムがモールディングに固定された後の、図1のグレージングの底縁部に沿った断面図である。
【図6】モールディングに固定されたトリムを有する、車両後方右側の固定されたグレージングの斜視図において、グレージングが前部で断面化されている、斜視図である。
【図7】図6のS1およびS2による断面図である。
【図8】並べて配置された図6の取り付け構成部品の2つの断面S1およびS2の側面図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】中空の付属体の遠位端部に対する一時的な軟化の5つのステップを示す図である。
【図11】一時的な軟化によって変形される前の細長い付属体の断面図である。
【図12】一時的な軟化によって変形される前の細長い付属体の斜視図である。
【図13】一時的な軟化によって変形された後の図11および図12の付属体の斜視図である。
【図14】一時的な軟化によって変形される前の筒状付属体の横断面図である。
【図15】機械的圧力が加えられた状態の、図14の付属体のあり得る変形を示す図である。
【図16】機械的圧力が加えられていない状態の、図14の付属体のあり得る変形を示す図である。
【図17】穴の遠位端部の実施形態の代替え的形態を示す図である。
【図18】穴の遠位端部の実施形態の代替え的形態を示す図である。
【図19】穴の遠位端部の実施形態の代替え的形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
これらの図面を理解し易くするために、これらの図面は厳密に一定の縮尺で表わされてはいない。背景に現れる要素は一般的に描かれていない。
【0060】
本発明は、グレージング1、特に車両のグレージングの周辺部で、トリムなどの取り付け構成部品2を嵌め合わせ、固定することに関する。
【0061】
本発明によると、取り付け構成部品をグレージングに固定する2つの可能なやり方がある:
シナリオC、取り付け構成部品はグレージング1のグレーズ要素5に直接固定される、
シナリオD、取り付け構成部品はモールディング3を介して間接的にグレージング1に固定される。
【0062】
図1は、車両の車体構造4に固定されたグレージング1が設けられた自動車の後方端部を示す。グレージング1の周辺部には、本発明の意味の範囲内で可撓性プラスチックであるプラスチック製のモールディング3が作り出されている。
【0063】
モールディング3が製造されるポリマーは熱可塑性物質(PVC、TPEなど)、ポリウレタン、または代替的にEPDMタイプの合成ゴム、あるいは他の任意の適切な可撓性または軟質プラスチックであってもよい。
【0064】
モールディング3は「カプセル充填」として知られる製造方法を実施することによって製造されている。これは、それが、成形デバイス内で、成形ステップ中に互いに閉じ合わされる2つの成形要素、即ち、グレージングの内側面を収容する1つの成形要素と、グレージングの外側面を収容する1つの成形要素との間でモールディング3を成形するステップを含むことによる。
【0065】
図1では、モールディング3は、グレージング1の周辺部全体のまわりに位置決めされるが、このモールディングはグレージングの周辺部の一部分のみにわたって、またはグレージングのある部分のみにわたってうまく位置決めされることも可能である。図1で見られるグレージングの面は、グレージングの外側面である。
【0066】
グレージングの美観を向上させるために、車両の外側から見られるモールディング3の一部分はトリムによって隠される。トリムはこの事例ではグレージングの底部分だけに取り付けられるが、グレージング1の周辺部全体のまわりに、かつ/またはグレージングのある部分にわたって取り付けられることも同様に可能である。
【0067】
本明細書ではトリムとして使用されている取り付け構成部品2は、本発明の意味の範囲内で硬質プラスチックであるプラスチックで製造されており、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリカーボネート(ABS‐PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリアミド(ABS‐PA)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)など、または任意の他の適切な硬質プラスチックベースであってもよい。取り付け構成部品2はプラスチックベースで、例えば充填材、とりわけガラス繊維などの鉱物充填材を含んでもよく、あるいは1つ(またはいくつか)の被覆物または層、とりわけその前面には装飾的な層で被覆されてもよい。
【0068】
取り付け構成部品2は、外側から見られる、装飾的な面である前面20を有する。この前面は例えば金属の外観を与える被覆物、特にクロムメッキ金属などで被覆されてもよい。
【0069】
取り付け構成部品2は、内側の方に配向される後面21も有する。この後面は、取り付け構成部品を直接前記グレージング1に固定する(シナリオC、グレージングのグレーズ要素との直接的な接触による)、またはモールディング3を介して間接的にグレージングに固定する(シナリオD)固定手段を備える。
【0070】
グレージング1のグレーズ要素5は一体構造のグレーズ要素、即ち単一の材料シートから成るものであってもよく、または複合体のグレーズ要素、即ちいくつかの材料シートから成るものであってもよい。いくつかの材料シートの間には、積層グレージングの場合には少なくとも1つの接着中間層、または複層グレージング(二層グレージング、三層グレージングなど)の場合には少なくとも1つの中間空間が挿入される。材料シート(複数可)は無機質、とりわけガラス製、または有機質、とりわけプラスチック製であってもよい。
【0071】
車両のグレージングの場合には、グレージングは一般的に、その周辺部で少なくとも部分的に、装飾的なストリップMを有する。この装飾的なストリップは一般的に、グレージングの内側面、または複合体のグレージングの場合にはグレージングの中間層上に実施されるエナメル質付着の結果であるが、使用される材料シート、特に有機質材料のシートの部分および/または周辺部への彩色の結果であることも同様に可能である。
【0072】
本発明によると、プラスチック製の取り付け部品2をグレージング1の周辺部に固定するために、一方で、取り付け構成部品の後面21に付属体22が作り出され、他方で、グレージングのグレーズ要素内に直接(シナリオC)、またはモールディング3内に(シナリオD)予め穴10が作り出される。取り付け構成部品2を固定するために、付属体が穴10の中に導入され、次いで穴を超えて突き出る各付属体の遠位端部が一時的な軟化によって変形されて、付属体が収容される対応する穴10の周辺部でグレーズ要素の後面と接触し(シナリオC)、または付属体が収容される対応する穴10の周辺部でモールディング3の後面31と接触する(シナリオD)。
【0073】
付属体22を穴10の中に導入することが可能であるために、各穴10が、グレージング1の前記グレーズ要素(シナリオC)または前記モールディング3(シナリオD)の両側面の穴10の両端部で開いていることが必要である:
シナリオC:穴10は、その近位端部14、即ち取り付け構成部品の後面21に最も接近した端部で、グレーズ要素の前面(外側の方に向いた面となる)へと開き、その遠位端部13で、グレーズ要素の後面(内側の方に向いた面となる)へと開く、
シナリオD:あるいは、穴10はその近位端部14、即ち取り付け構成部品の後面21に最も接近した端部で、モールディング3の前面30(外側の方に向いた面となる)へと開き、その遠位端部13で、モールディング3の後面31(たまたま内側の方に向いた面である)へと開く。
【0074】
穴10は、それらが、付属体が中に挿入される前にグレージング(シナリオC)またはモールディング内(シナリオD)に存在することから、予め作り出される。穴は、グレージングまたはモールディングそれぞれの製造時に作り出されることが好ましい。ガラス製のグレーズ要素の場合、穴はガラス板が製造された後、付属体が導入される前に通される。
【0075】
これらの穴10は円形または楕円形の内側断面15を有してもよい。穴が製作される要素そのものは一般的に成形によって製造されることから、穴は型から外し易い必要がある。これらの穴10はまた、軸線Aを有する。
【0076】
据え込み作業、即ち一時的な軟化による付属体22の遠位端部23の変形を実施することが可能であるように、各付属体22の遠位端部23は、グレーズ要素(シナリオC)またはモールディング3内(シナリオD)の穴10の周辺部の境界を画する後面を超えて突き出る。
【0077】
据え込み作業は、25kHzから70kHzの範囲の、選好によって30kHzから35kHzの範囲の周波数の超音波を加えることによって実施されることが好ましい。
【0078】
付属体22は一般的に、取り付け構成部品の主要部分と一体を成す部分として形成される。即ち、付属体を含む取り付け構成部品全体が成形によって一緒に製造される。しかしながら、付属体そのものは取り付け構成部品の主要部分とは別に製造され、次いで取り付け構成部品の後面21に、例えば接着させることによって取り付けられることが除外される訳ではない。
【0079】
変形後の遠位端部の材料が各穴10の周辺部全体のまわりに存在するように、据え込み作業は各穴の周辺部全体のまわりで実施されること、即ち、付属体22の遠位端部23がその周辺部全体のまわりで変形されることが好ましい。
【0080】
本発明の1つの特定の態様によると、取り付け構成部品は、グレーズ要素(シナリオC)またはモールディング3(シナリオD)内の穴を超えて突き出た遠位端部で据え込みされた付属体によってのみ、グレージングの周辺部に固定される。
【0081】
簡略化するために、明細書の残りの部分では、シナリオD、即ち、モールディング内に作り出された穴10内に付属体を位置決めすることによって、取り付け構成部品が間接的にグレージングに固定されるシナリオについてのみ述べられる。しかし当然ながら、穴10は、直接グレーズ要素内に作り出される(シナリオC)ことも同様に可能である。
【0082】
取り付け構成部品が成形によって製造されるとき、この取り付け構成部品の前面と後面の間に位置付けられる主要部分は、必ずしもその長さ全体にわたって同じ厚みを有する必要はない。このように、主要部分が、それが最も強い応力を受ける場所ではより厚く、弱い応力にしか晒されない点ではより薄くなることが可能である。
【0083】
各穴10の少なくともその遠位端部13の内側断面15は、穴10のこの遠位端部13付近の前記付属体22の外側断面25と実質的に同一である(モールディング3内の穴のシナリオDではさらに僅かに小さい)。
【0084】
数ミリメートル(1mmから5mm)となる一部位にわたって、各穴10の内側断面15が、前記穴10の深さp全体にわたって、前記付属体22の外側断面25と実質的に同一である(モールディング3内の穴のシナリオDではさらに僅かに小さい)ことも可能である。
【0085】
付属体22(好ましくは取り付け構成部品の各付属体)は、その軸線Bに対する横断面で、円形、楕円形、長方形、または正方形であってもよい外側断面25を有してもよい。この付属体を収容する穴10(好ましくはそれと類似の付属体を収容する各穴)は、付属体22の外側断面25と同一の、それぞれ円形、楕円形、長方形、または正方形である内側断面15を有することが好ましい。
【0086】
図2は、付属体の周辺部で取り付け構成部品2の後面21に対して実質的に垂直に延在する中実の円形横断面を有する簡単な付属体22を示す。付属体は、付属体の導入前に作り出された穴10に位置決めされたところであり、付属体の軸線Bは穴10の軸線Aと一致する。
【0087】
しかし、穴10の横断面が付属体の横断面よりも大きい場合、しかしながら取り付け構成部品の少なくとも1つの付属体が、穴10内への位置決めの後に付属体の軸線Bが穴10の軸線Aと一致するようなものであるという前提で、取り付け構成部品の付属体の1つ(またはいくつか)を、穴10内への位置決めの後に付属体の軸線Bが穴10の軸線Aと一致しないように作り出すことも可能である。この選択肢は本明細書では図示されていない。
【0088】
図3は、据え込み作業後の付属体22の遠位端部23を示す。軟化材料が半球形のカウンターモールドによって封じ込められていたことから、据え込みされた遠位端部23は半球形形状(球体の半分または球体の半分よりも小さなものを表わす)を有する。
【0089】
図2と図3を比較して分かるように、頭部を形成することは、取り付け構成部品2の後面21をモールディング3の前面30の方へより近く引っ張る効果を有している。したがって付属体22は、それ自体が、据え込みされた遠位端部23と後面21の間で軽い内部引張応力下にあることを見出し、したがってモールディング3は、それ自体が、後面21と接触したその外側面30と頭付き遠位端部23と接触したその内側面31との間で軽い内部圧縮応力下にあることを見出す。
【0090】
この効果は、付属体22が、直接グレーズ要素内に作り出された穴の中に導入されるとき(シナリオC)にも、また遠位端部23が、穴あけされたグレーズ要素の後面上に直接据え込みされるときにも得られる。
【0091】
取り付け構成部品2は、グレージングが本体構造の開口部の中に固定される前にグレージングに固定される。図5では、本体構造開口部の中へのグレージングの固定を遠位端部23が妨害しないことを示すように本体構造4が示されている。
【0092】
図4で示されるバージョンでは、据え込みの前の遠位端部23の長さtは4mm程度であり、前記穴10のその近位端部から遠位端部までの深さuは、少なくとも2mm(ここでは6mm)である。
【0093】
取り付け構成部品の全ての付属体を対応する全ての穴に導入することを可能にするために、穴10は共軸である。それらは全て軸線を有し、穴10の軸線は全て空間内で平行である。
【0094】
図4および図5のこの変化形態にとってこのことは比較的容易である。これは、付属体22がそれぞれ、取り付け構成部品2の後面21に対して実質的に垂直である軸線Bに沿って配向されることによる。
【0095】
穴の軸線Aが取り付け構成部品2の後面21に対して垂直ではなく、それら全てが、取り付け構成部品2の後面21に対して同じ角度を成すとき、状況はより複雑になる場合がある。
【0096】
穴の軸線Aが取り付け構成部品2の後面21に対して全て同じ角度を成さないとき、状況はなおさらに複雑になる場合がある。
【0097】
このことは、図6から図8に示される本発明の変化形態と併せてみると、特に明らかである。
【0098】
本発明のこの変化形態では、取り付け構成部品は複雑な非平坦形状である。取り付け構成部品2は付属体22の軸線Bと、付属体22の位置の前記取り付け構成部品2の後面21との間で、他の付属体22’の軸線B’と、この他の付属体22’の位置の前記取り付け構成部品2の後面21との間の角度α’とは異なる角度αを成す。
【0099】
図7では頭部はまだ形成されていない。
【0100】
この変化形態の実施中、取り付け構成要素2の後面21に対する穴10、10’の空間内の軸線A、A’の配向がどのようなものであれ、付属体22が穴10の中に導入される方向は、空間内で平行である軸線A、A’の方向である。軸線B、B’も空間内で平行であり、一旦付属体が穴の中に導入されると穴の軸線と一致する。
【0101】
この場合、軟化発生源が当てられる方向は軸線Aの方向であることが好ましい。
【0102】
図9で示される変化形態では、モールディング3は、同時に製造されない2つの部分から成る。
【0103】
モールディング3の第1部分3aは、グレージング上でのカプセル充填によっては製造されず、事前製作され、グレージングの縁部を収容する凹所を有する(一番上の図面)。このように、グレージングの周辺部の全体がモールディングの凹所の中に挿入される(上から2番目の図面)。
【0104】
この第1部分3aは穴10の一部を備える。ここでは穴10の1つだけが描かれている。
【0105】
付属体が穴に進入し、次いで付属体の遠位端部が一時的に軟化されて端部を形成するように、取り付け構成部品が位置決めされることも可能である。
【0106】
しかしながら、この事例では、完成モールディング(第1部分3aと第2部分3bから成る)の内側面31とその外側面30との間の距離を増大させるために、モールディング3の第2部分3bがモールディングの第1部分3aの外側面に対して位置決めされる(上から3番目の図面)。
【0107】
この第2部分3bはさらに、取り付け構成部品が当接することが可能な基部を作り出すことを可能にする。第2部分3bも付属体が通過する穴を有する。第2部分3bは、第1部分3aよりもなおさらに柔らかい材料で製造されてもよい。
【0108】
このように、一方の、軟質プラスチックで製作されたモールディング3の第1部分3aと、他方の、軟質プラスチックで製作されたモールディング3の第2部分3bとの必要条件に合うように、異なった特性を備えた2つの材料を組み合わせることが可能である。
【0109】
次に、付属体が穴を貫通するように取り付け構成部品が第2部分3bに位置決めされ(上から4番目の図面)、付属体の遠位端部が一時的に軟化されて頭部を形成するようにする(上から5番目の図面)。
【0110】
この構成では、図9の図面で分かるように、付属体22は中実であり、前記取り付け構成部品2の後面21に対して実質的に直角に延在する。
【0111】
この構成ではまた、図9の図面で見られるように、モールディングの後面31(グレージングそのものの後面であることも同様に可能である)は、少なくとも穴10の周辺部で前記取り付け構成部品2の後面21と実質的に平行である(好ましくは各穴の周辺部で後面21と実質的に平行である)。
【0112】
図9のこの変化形態では、第1部分3aがカプセル充填によって製造され、続いて第2部分3bもカプセル充填によって製造されることが可能である。
【0113】
この構成でも、モールディングはそれ自体が取り付け構成部品の後面と付属体の軟化された遠位端部との間で圧縮状態にあることを見出す。
【0114】
図10は、本発明による方法を実施するデバイス8とそれを実施する方法とを示す。
【0115】
このデバイスは軟化発生源9を備える。これは超音波発生源であり、全ての付属体に対して同じものである。発生源の作動周波数は35kHzであり、発生器の出力は400Wである。
【0116】
この事例の取り付け構成部品は、80ショアDの硬度を備えたABS‐PCで製作される。付属体22は筒状であり、その長さ全体にわたる一定の断面と、6mmの外径および1mmの壁厚とを備える。軟化前の遠位端部は4mmの長さである。モールディングのプラスチックは、60ショアAの硬度を備えたポリウレタンである。
【0117】
10.1は、超音波発生源が遠位端部23に接近しているのを示す。
【0118】
10.2は、超音波発生源と遠位端部23の間の接触を示す。
【0119】
10.3は、超音波の影響下での遠位端部23に対する一時的な軟化の開始を示す。
【0120】
10.4は、超音波の影響下での遠位端部23に対する一時的な軟化の終了を示す。
【0121】
10.5は、据え込み作業の後、即ち遠位端部の材料に対する一時的な軟化および硬化の後の遠位端部23を示す。軟化発生源9が取り除かれた後は、遠位端部23の変形は恒久的となる。
【0122】
これらの図面は、ここに示されたシナリオで、軟化された材料が金属製のカウンターモールドによって封じ込められていたこと、このカウンターモールドが、円形の穴を中心に備えた半球の形態の頭付き遠位端部23を生み出したことも示す。このカウンターモールドは4秒から5秒の間遠位端部に当てられて、10.5で見られる軟化を達成する。
【0123】
本発明の他のバージョンでは、デバイス8は、1つの取り付け構成部品の全ての遠位端部を同時に据え込みするように一斉に実施されるいくつかの軟化発生源を備える。
【0124】
軟化発生源が当てられる方向Pは、各付属体に対して付属体の軸線Bの方向であることが好ましい。
【0125】
図11および図12は、前記取り付け構成部品2が細長い形状であり、付属体22も前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有する変化形態を示す。このシナリオの選好によって、取り付け構成部品の全ての付属体は、前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有する。
【0126】
この変化形態では、このように付属体22の遠位端部23は細長い方向で据え込みされる。
【0127】
図13は、据え込み作業の後に正方形となる付属体22の遠位端部23を示す。
【0128】
図14は、付属体22(好ましくは取り付け構成部品の各付属体)が正方形の断面を有する変化形態を示す。
【0129】
この変化形態では、付属体の外側断面25は円形、楕円形、長方形、または正方形であってもよい。この付属体を収容する穴10(好ましくはそのような付属体を収容する各穴)は、それぞれ付属体22の外側断面25と類似の内側断面15を有する。
【0130】
図15は、頭付き遠位端部23の第1実施変化形態を示す。軟化時間の少なくとも一部分の間に(ここでは軟化の全継続時間にわたって)前記遠位端部23に機械的圧力が加えられている。この機械的圧力によって頭付き遠位端部23が平坦化されている。
【0131】
図16は、図14の頭付き遠位端部23の第2の実施変化形態を示す。軟化時間の一部分の間も前記遠位端部23に機械的圧力は加えられていない。しかしながら、軟化された材料は、図2のシナリオのようにカウンターモールドによって封じ込められている。このカウンターモールドは、円形の穴を中心に備えた半球の形態の頭付き遠位端部23を作り出している。
【0132】
図17は、1つの穴10(好ましくはモールディングまたはグレージングの各穴10)の遠位端部13が、その周辺部の少なくとも一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、前記グレージングまたは前記モールディングの穴10の周辺部の後面31から突き出た隆起部37を有する変化形態を示す。この隆起部は例えば、穴10の周辺部のグレージングまたはモールディングの厚みのおよそ5分の1倍から1倍の間の厚みを有してもよい。
【0133】
この変化形態では、付属体22の遠位端部23は、このようにモールディングまたはグレージングそのものの追加の厚みに対して据え込みされて、モールディングまたはグレージングそのものが穴10のまわりで破裂するリスクを軽減することを可能にする。
【0134】
図18は、穴10(好ましくはモールディングまたはグレージングの各穴)の遠位端部13が、その周辺部の少なくとも一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、前記グレージングまたは前記モールディングの穴10の周辺部の後面31から後退した窪み部38を有する変化形態を示す。この窪み部は、例えば、グレージングまたはモールディングの穴10の周辺部の厚みの約半分から5分の1の間に含まれる厚みであってもよい。
【0135】
この変化形態では、このように付属体22の遠位端部23は凹所の中に据え込みされ、モールディングまたはグレージングの穴10の周辺部の後面を超えて、仮に突き出る場合でも、ほとんど突き出ない。そのことが遠位端部の張り出し部が穴10から突き出ることを制限する。
【0136】
図19は、以上の2つの変化形態を組み合わせたものを示す。1つの穴10(好ましくはモールディングまたはグレージングの各穴10)の遠位端部13は、その周辺部の少なくとも一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)隆起部37と窪み部38の両方を有する。この隆起部と窪み部は同じ厚みを有してもよい。この隆起部とこの窪み部は共軸であることが好ましく、隆起部は窪み部よりも穴の軸線Aに接近している。
【0137】
この変化形態では、付属体22の遠位端部23は、長手方向断面で(軸線Bに沿って)マッシュルームの形状を有する。このように付属体22の遠位端部23は、モールディングまたはグレージングそのものの追加の厚みに対して据え込みされると同時に、モールディングまたはグレージングの後面に対して部分的に凹んでいる。このように、固定は、図17の変化形態の場合のように堅固であると同時に、図18の変化形態の場合のように張り出し部を制限する。
【0138】
本発明について例として先に記述がなされた。当然ながら、当業者は、請求項によって規定される本特許の範囲から逸脱せずに、本発明の異なった変化形態を実施することが可能となろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレージング上モールディングの製造の分野に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品をグレージングの周辺部に固定することに関する。
【0003】
このように、本発明は、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品をグレージングの周辺部に、特にグレージングの周辺部に固定されたモールディングの一部位に固定する方法において、前記取り付け構成部品は、それを前記グレージングまたは前記モールディングに固定する固定手段を備える後面を有する、固定方法に関する。
【背景技術】
【0004】
取り付け構成部品をグレージングに固定する可撓性クリップを使用して成型トリム要素をモールディング上に留めるシステムが、従来技術として国際公開第2007/003823号から知られている。
【0005】
この文献によると、上流側の共働部品は少なくとも1つの突き出た雄型要素または1つの中空の雌型要素を備え、この要素は、モールディング内に作り出された対応する中空の雌型要素または突き出た雄型要素とそれぞれ共働する。前記中空の雌型要素は、前記突き出た雄型要素の外寸よりも少なくとも部分的に小さい内寸を要する。
【0006】
このように、この共働は、要素の表面の少なくとも一部同士の間の摩擦を伴う「ほぞ‐ほぞ穴」式のものである。
【0007】
このデバイスの1つの重要な利点は固定システムの確実性にある。このデバイスは、成型トリムが、極端な条件、とりわけ高振動の条件下でも、確実に定位置に保たれることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/003823号
【特許文献2】国際公開第2008/084076号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このシステムではモールディングの設計がはるかに複雑になり、特別の雄型ゾーンまたは雌型ゾーンを有する特別のモールディングを設計することが必要となる。
【0010】
特に、このシステムでは、クリップは、上流側の共働部品がモールディング内に作り出された対応する部品と正確に共働するように、極度に精確に位置決めされなければならず、そのような精確な位置決めは自動化することが難しく(手作業によってのみ可能である)、この解決策が実施される際には追加のコストが生じる。
【0011】
近接構成部品を用いずにトリムを直接モールディングに固定するシステムも、従来技術として国際公開第2008/084076号から知られている。この固定は、モールディングを貫通するトリムの後面上に位置付けられたかかりの付いた外観の付属品によって実施される。
【0012】
したがって、トリムをモールディングに固定するために、トリムがモールディングに対して精確に位置決めされ、かつトリムの(装飾的な)外側面が充分に強く押圧されてかかり付きフックがモールディングを通過するようにすることが必要になる。
【0013】
しかしながら、モールディングの材料が密閉機能を行うことから、それは相当に大きな機械的強度を有さねばならず、したがって貫通を達成するのに必要な圧力は極めて高くなる。
【0014】
このシステムは実施するのに複雑である。それは、トリムがモールディングに対して押し付けられる力が大きくかつ精確でなければ、かかり付きフックが圧し付け力の作用下で潰れずにモールディングを正確に貫通するようにはならないということによる。これも自動化するのが極めて困難である。
【0015】
さらにこれは、トリムの(装飾的な)前面を損傷するリスクを冒さずに実施することが困難である。
【0016】
本発明の目的は、トリムなどの取り付け構成部品をモールディングまたは直接グレージングに固定するシステムにおいて、トリムが固定されるとき、トリムをモールディングまたはグレージングに対して極度に精確に位置決めすることを必要としない、自動化されることが可能な、即ちトリム全体が、単一のロボットを使用して、単一の生産工程内に嵌め合わされることが可能なシステムを提案することによって、従来技術の欠点を軽減することである。
【0017】
このように、ここで追及されている1つの基本目的は、少なくとも1つのグレージングに、またはさらに一度にいくつかのグレージングに固定されるべき(全ての)取り付け構成部品(複数可)を単一の工程で固定することが可能なワークステーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によるこの解決法は簡単に実施できると同時に確実である(トリムは一旦嵌め合わされると、容易に取り外されることが可能ではない)。
【0019】
このように、本発明はその最も広い意味において、請求項1に記載の方法に関する。つまりこれは、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品をグレージングの周辺部に(プラスチックグレージングまたは穴抜きされたガラスグレージングの場合)、特にグレージングの周辺部に固定されたモールディングの一部位に固定する方法にして、前記取り付け構成部品は、それを前記グレージングまたは前記モールディングに固定する固定手段を備える後面を有する、方法である。前記後面は、前記モールディング内または前記グレージング内に作り出された、前記モールディングまたは前記グレージングの両面(取り付け構成部品の前面と後面)へと両端部で開口する穴にそれぞれ進入するいくつかの付属体を備え、各付属体の遠位端部(即ち後面に接続する端部の反対側の端部にある付属体の端部)は、穴(より具体的には少なくとも穴の周辺部の一部分)の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面を超えて突き出て、各付属体の前記遠位端部は一時的な軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されて、穴の周辺部で、好ましくは穴の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面と接触する。
【0020】
本明細書で用いられる前/後の概念は、本発明によるグレージングが嵌め合わされた車両の前方移動の方向を指しているのではなく、車両の車体構造に関する意味として理解されるものである。前面は車両の外側の方に配向された面を示し、後面は車両の内側の方に配向された面を示す。
【0021】
本発明によると、付属体の遠位端部の軟化中に、この遠位端部と付属体が取り付け構成部品に接続される端部との間に位置付けられる要素(モールディングまたはグレージンングそのもの)は、軟化された遠位端部と取り付け構成部品の後面との間に挟まれ、不動化される。
【0022】
この軟化は、要素(モールディングまたはグレージングそのもの)内に予め作り出された穴に通されている付属体の遠位端部が変形を生じて、この遠位端部がもはや穴から嵌め戻すことが可能ではなくなるようにするというものである。その外側断面が穴の内側断面より大きくなる。
【0023】
次いで当然のことながら軟化に続いて、軟化発生源が取り除かれた後に付属体の材料の硬化が行われる。遠位端部は自体がその変形形状に設定されていることを見出す。
【0024】
取り付け構成部品がモールディングに直接固定されるとき、この軟化の間、取り付け構成部品の硬質プラスチックはこのように、モールディングの軟質プラスチックを、取り付け構成部品の後面と付属体の軟化された遠位端部との間に挟む。この作用は、一旦変形された遠位端部が硬化すると、モールディングが圧縮されることを引き起こし、取り付け構成部品とモールディングとの間に遊びが生じるリスクを低下させる。実際、このような遊びは有害である。これは、遊びが、特定の振動の影響下で取り付け構成部品が震え始めることを引き起こす可能性があり、それがグレージングの、またグレージングを備える車両の美観にとって許容不可能なものであることによる。
【0025】
一般的に、本明細書では、軟質プラスチックとは、作業後に110ショアA以下(一般的に50ショアAから110ショアAまでの、これらの値を含む範囲)の硬度を有するもの、例えばTPE、PVC、PU、EPDMなどであり、硬質プラスチックとは、作業後に、110ショアAを超える硬度、または30ショアDから100ショアDまでの、これらの値を含む範囲に含まれる硬度を有するもの、例えばPC、ABS、ABS‐PCなどであると考えられる。
【0026】
付属体は取り付け構成部品の前記後面に固定される。付属体は、この取り付け構成部品に対して移動することが不可能である。付属体は長さが縮小するだけであり、軟化中にその遠位端部の外側断面の拡大を経験する。付属体は取り付け構成部品を伴うものとして形成される。付属体は取り付け構成部品と同時に製造され(例えば成形によって)、あるいは取り付け構成部品に極めてしっかりと固定される。
【0027】
付属体は細長い形状であり、このようにその長さに沿って両端部を有する。付属体は取り付け構成部品と同時に、特に取り付け構成部品が成形によって製造される際に製造され、あるいは取り付け構成部品の内側面に、例えば溶接または接着によって固定される。
【0028】
付属体の一方端部、近位端部はこのように取り付け構成部品の内側面に接続される。本発明で「遠位端部」として知られる端部とは、取り付け構成部品の内側面から遠位にある、取り付け構成部品の内側面に接続されない付属体の端部である。
【0029】
付属体の遠位端部とは、モールディング内またはグレージングそのものの中に作り出された、また付属体が部分的に隠される穴を超えて突き出る部分を意味する。
【0030】
本発明によると、取り付け構成部品の各付属体はそれ自体が、軟化および次の硬化の後に、据え込みされた遠位端部と取り付け構成部品の後面との間で僅かな内部の引張応力下にあることを見出す。
【0031】
付属体の遠位端部の軟化は、好ましくは25kHzから70kHzの周波数範囲、より好ましくは30kHzから35kHzの周波数範囲の超音波を加えることによって実施される。
【0032】
しかしながら、付属体の遠位端部の軟化は、熱発生源、例えば約150°Cから200°Cの温度の金属棒などを使用した熱伝導による加熱によってもたらされることも可能である。
【0033】
本方法の特定の変化形態では、少なくとも軟化時間の一部分の間、好ましくは軟化時間を通して、またはさらにそれよりも長い時間、前記遠位端部に機械的圧力が加えられる(具体的には、圧力は、軟化発生源が取り除かれた後1秒から10秒の継続時間にわたって維持されてよく、この機械的圧力が付属体の遠位端部の平坦化をもたらすことが潜在的に可能である)。
【0034】
本方法の極めて固有な変化形態では、いくつかの付属体(好ましくは取り付け構成部品の全ての付属体)の遠位端部が、一時的な軟化によって(より好ましくは超音波を加えることによって)一斉に変形されて、それと同時に穴の周辺部で(好ましくは穴の周辺部全体にわたって)前記モールディングまたは前記グレージングの後面と接触する。
【0035】
本発明は、少なくとも1つの軟化発生源、特に少なくとも1つの超音波発生源を備える、好ましくは一斉に実施されることが可能ないくつかの軟化発生源を備える、本発明による方法を実施するデバイスにも関する。
【0036】
このように、本発明は、本発明による方法を実施するための、軟化発生源、とりわけ少なくとも1つの超音波発生源の使用、あるいは一斉に実施されるいくつかの軟化発生源の使用にも関する。
【0037】
本発明はさらにグレージング、特に本発明による方法によって得られるグレージングにおいて、グレージングの周辺部に固定された、特に、グレージングの周辺部に自体が固定されたモールディングの一部位に固定された、トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品を備え、前記取り付け構成部品は、それを前記グレージングまたは前記モールディングに固定する固定手段を備える後面を有する、グレージングに関する。取り付け構成部品の前記後面は、前記モールディング内または前記グレージング内に作り出された、前記モールディングまたは前記グレージングの両面へと両端部で開口する穴にそれぞれ進入するいくつかの付属体を備え、前記付属体の遠位端部は、穴の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面を超えて突き出て、各付属体の前記遠位端部は軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されていて、穴の周辺部で、好ましくは穴の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面と接触する。
【0038】
遠位端部が軟化によって変形されているということは、単にグレージングを見るだけで確実に判定されることが可能である。これは、このように変形された遠位端部は穴を貫通することが可能ではないこと、また純粋に機械的な変形の跡(例えば点または折線など)が見られないことによる。さらに、軟化による変形は、膨れおよび/または色の変化が現れた状態の遠位端部の外観の変化をもたらすことが好ましい。
【0039】
プラスチックの取り付け構成部品は、本発明による付属体によってのみグレージングの周辺部に固定されることが好ましい。
【0040】
本発明の変化形態によると、いくつかの穴(好ましくは付属体が通過する全ての穴)が、空間内で平行である軸線A、A’に沿って配向される。
【0041】
本発明の変化形態によると、いくつかの付属体(好ましくは取り付け構成部品の全ての付属体)が、空間内で平行である軸線B、B’に沿って配向される。穴を備える要素(モールディングまたはグレージング)は、それが成形によって製造される場合、型から外し易い。
【0042】
本発明の変化形態では、いくつかの付属体(好ましくは取り付け構成部品の全ての穴)は、前記取り付け構成部品の前記後面に実質的に垂直である軸線Bに沿ってそれぞれ配向される。
【0043】
本発明の他の変化形態では、前記取り付け構成部品は非平坦形状を有して、付属体の軸線Bと、付属体の地点の前記取り付け構成部品の後面との間で、他の付属体の軸線B’とこの他の付属体の位置の前記取り付け構成部品の後面との間の角度α’とは異なる角度αを備える。
【0044】
本発明の変化形態によると、1つの(好ましくは各)付属体は好ましくは中空の横断面と、円形、楕円形、長方形、または正方形の外側断面とを有し、前記(好ましくは各)穴は、前記付属体の外側断面の形状とそれぞれ同一の形状の内側断面を有する。
【0045】
本発明の変化形態によると、少なくともその遠位端部の(好ましくは各)穴の内側断面は、この端部付近で、またはさらに数ミリメートルになる一部位にわたって前記付属体の外側断面と実質的に同一であり(あるいはモールディング内に作られた穴の場合にはさらに僅かにそれより小さく)、選好によって、(好ましくは各)穴の内側断面は、前記穴の深さ全体にわたって前記付属体の外側断面と実質的に同一である(あるいはモールディング内に作られた穴の場合にはさらに僅かにそれより小さい)。
【0046】
本発明の変化形態によると、前記モールディングまたは前記グレージングの前記前面は、少なくとも(好ましくは各)穴の周辺部で、前記取り付け構成部品の前記後面と実質的に平行である。その結果、取り付け構成部品の後面をモールディングまたはグレージングの前面に対して当てることが可能になり、このように取り付け構成部品の主要部分は、それ自体が、付属体の内部の引張応力の作用下でモールディングまたはグレージングに対してそれぞれ当てられているのを見出す。
【0047】
本発明の変化形態によると、穴の位置の前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面は、穴の軸線に対して、またはさらに付属体の軸線に対して垂直である。
【0048】
本発明の変化形態によると、前記取り付け構成部品は細長い形状を有し、選好によって、前記付属体は、前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有する。
【0049】
本発明の変化形態によると、(好ましくは各)穴の遠位端部は、少なくともその周辺部の一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、穴の周辺部の前記グレージングまたは前記モールディングの後面に対して突き出る隆起部を備える。
【0050】
本発明の変化形態によると、(好ましくは各)穴の遠位端部は、少なくともその周辺部の一部にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、穴の周辺の前記グレージングまたは前記モールディングの後面から後退した窪み部を備える。
【0051】
本発明の1つの重要な利点は、取り付け構成部品をモールディングまたはグレージングそのもの(それが直接グレージングに通して位置決めされる場合)に対して極めて精確に位置決めする必要がないということにある。取り付け構成部品は、付属体が関連した穴を徐々に貫通するにつれて、自然にモールディングまたはグレージングに向かって案内される。
【0052】
本発明の他の重要な利点は、このようにして達成された固定が極めて確実であると同時に、簡単に実施できるということにある。これは容易に反復可能であり、自動化し易い(全面的にまたは部分的に)と同時に、取り付け構成部品がモールディングまたはグレージングそのものに対してしっかりと定位置に保持されることを可能にする。既に存在する穴に付属体を進入させる方が、国際公開第2008/084076号に提案されるような、かかり付きフックにモールディングの材料を通り抜けさせるよりもはるかに簡単である。
【0053】
さらに、この固定は振動に対して極めて強い。モールディングおよびグレージングに到達する振動は、取り付け構成部品の固定に対して全く影響を有することが可能でなく、モールディング(またはグレージングそのもの)と取り付け構成部品との間の接続を悪化させることが決して可能ではない。
【0054】
さらに、モールディング(またはグレージングそのもの)と取り付け構成部品との間の接続が確実なものでも、グレージングをリサイクル処理するために破壊することが簡単である。一度グレージングが車体構造から切り離されると、取り付け構成部品を取り外すために再度遠位端部を一時的に軟化することが簡単である。
【0055】
これらの利点の全ては、他の機械的な取り付け手段または他の化学的な取り付け手段(接着剤)を用いずに、取り付け構成部品が付属体のみによってグレージングの周辺部に固定されるとき、特に有益である。
【0056】
本発明によるシステムは、有利に、少なくとも1つの中間構成要素がモールディングまたはグレージングに固定されることを、このモールディングが、取り付け構成部品に合った、この固有な特徴のために(特に成形による)設計し製造することが難しい特別の複雑な形状を有さない状態で、また一方の取り付け構成部品と他方のモールディングまたはグレージングの間になにがしかの中間構成要素が存在する必要なしに、可能にする。
【0057】
いくつかの非制限的で例示的な実施形態についての以下の詳しい説明を読み、添付図面を検討すれば、本発明がより充分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】モールディングに固定されたトリムを有する、車両後方左側の固定されたグレージングの斜視図において、トリムおよびモールディングはグレージングの底前部の横断面で示されている、斜視図である。
【図2】中実の円柱状付属体が一時的な軟化によって変形される前の軸方向断面図である。
【図3】中実の円柱状付属体が一時的な軟化によって変形された後の軸方向断面図である。
【図4】トリムがモールディングに固定される前の、図1のグレージングの底縁部に沿った断面図である。
【図5】トリムがモールディングに固定された後の、図1のグレージングの底縁部に沿った断面図である。
【図6】モールディングに固定されたトリムを有する、車両後方右側の固定されたグレージングの斜視図において、グレージングが前部で断面化されている、斜視図である。
【図7】図6のS1およびS2による断面図である。
【図8】並べて配置された図6の取り付け構成部品の2つの断面S1およびS2の側面図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】中空の付属体の遠位端部に対する一時的な軟化の5つのステップを示す図である。
【図11】一時的な軟化によって変形される前の細長い付属体の断面図である。
【図12】一時的な軟化によって変形される前の細長い付属体の斜視図である。
【図13】一時的な軟化によって変形された後の図11および図12の付属体の斜視図である。
【図14】一時的な軟化によって変形される前の筒状付属体の横断面図である。
【図15】機械的圧力が加えられた状態の、図14の付属体のあり得る変形を示す図である。
【図16】機械的圧力が加えられていない状態の、図14の付属体のあり得る変形を示す図である。
【図17】穴の遠位端部の実施形態の代替え的形態を示す図である。
【図18】穴の遠位端部の実施形態の代替え的形態を示す図である。
【図19】穴の遠位端部の実施形態の代替え的形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
これらの図面を理解し易くするために、これらの図面は厳密に一定の縮尺で表わされてはいない。背景に現れる要素は一般的に描かれていない。
【0060】
本発明は、グレージング1、特に車両のグレージングの周辺部で、トリムなどの取り付け構成部品2を嵌め合わせ、固定することに関する。
【0061】
本発明によると、取り付け構成部品をグレージングに固定する2つの可能なやり方がある:
シナリオC、取り付け構成部品はグレージング1のグレーズ要素5に直接固定される、
シナリオD、取り付け構成部品はモールディング3を介して間接的にグレージング1に固定される。
【0062】
図1は、車両の車体構造4に固定されたグレージング1が設けられた自動車の後方端部を示す。グレージング1の周辺部には、本発明の意味の範囲内で可撓性プラスチックであるプラスチック製のモールディング3が作り出されている。
【0063】
モールディング3が製造されるポリマーは熱可塑性物質(PVC、TPEなど)、ポリウレタン、または代替的にEPDMタイプの合成ゴム、あるいは他の任意の適切な可撓性または軟質プラスチックであってもよい。
【0064】
モールディング3は「カプセル充填」として知られる製造方法を実施することによって製造されている。これは、それが、成形デバイス内で、成形ステップ中に互いに閉じ合わされる2つの成形要素、即ち、グレージングの内側面を収容する1つの成形要素と、グレージングの外側面を収容する1つの成形要素との間でモールディング3を成形するステップを含むことによる。
【0065】
図1では、モールディング3は、グレージング1の周辺部全体のまわりに位置決めされるが、このモールディングはグレージングの周辺部の一部分のみにわたって、またはグレージングのある部分のみにわたってうまく位置決めされることも可能である。図1で見られるグレージングの面は、グレージングの外側面である。
【0066】
グレージングの美観を向上させるために、車両の外側から見られるモールディング3の一部分はトリムによって隠される。トリムはこの事例ではグレージングの底部分だけに取り付けられるが、グレージング1の周辺部全体のまわりに、かつ/またはグレージングのある部分にわたって取り付けられることも同様に可能である。
【0067】
本明細書ではトリムとして使用されている取り付け構成部品2は、本発明の意味の範囲内で硬質プラスチックであるプラスチックで製造されており、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリカーボネート(ABS‐PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリアミド(ABS‐PA)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)など、または任意の他の適切な硬質プラスチックベースであってもよい。取り付け構成部品2はプラスチックベースで、例えば充填材、とりわけガラス繊維などの鉱物充填材を含んでもよく、あるいは1つ(またはいくつか)の被覆物または層、とりわけその前面には装飾的な層で被覆されてもよい。
【0068】
取り付け構成部品2は、外側から見られる、装飾的な面である前面20を有する。この前面は例えば金属の外観を与える被覆物、特にクロムメッキ金属などで被覆されてもよい。
【0069】
取り付け構成部品2は、内側の方に配向される後面21も有する。この後面は、取り付け構成部品を直接前記グレージング1に固定する(シナリオC、グレージングのグレーズ要素との直接的な接触による)、またはモールディング3を介して間接的にグレージングに固定する(シナリオD)固定手段を備える。
【0070】
グレージング1のグレーズ要素5は一体構造のグレーズ要素、即ち単一の材料シートから成るものであってもよく、または複合体のグレーズ要素、即ちいくつかの材料シートから成るものであってもよい。いくつかの材料シートの間には、積層グレージングの場合には少なくとも1つの接着中間層、または複層グレージング(二層グレージング、三層グレージングなど)の場合には少なくとも1つの中間空間が挿入される。材料シート(複数可)は無機質、とりわけガラス製、または有機質、とりわけプラスチック製であってもよい。
【0071】
車両のグレージングの場合には、グレージングは一般的に、その周辺部で少なくとも部分的に、装飾的なストリップMを有する。この装飾的なストリップは一般的に、グレージングの内側面、または複合体のグレージングの場合にはグレージングの中間層上に実施されるエナメル質付着の結果であるが、使用される材料シート、特に有機質材料のシートの部分および/または周辺部への彩色の結果であることも同様に可能である。
【0072】
本発明によると、プラスチック製の取り付け部品2をグレージング1の周辺部に固定するために、一方で、取り付け構成部品の後面21に付属体22が作り出され、他方で、グレージングのグレーズ要素内に直接(シナリオC)、またはモールディング3内に(シナリオD)予め穴10が作り出される。取り付け構成部品2を固定するために、付属体が穴10の中に導入され、次いで穴を超えて突き出る各付属体の遠位端部が一時的な軟化によって変形されて、付属体が収容される対応する穴10の周辺部でグレーズ要素の後面と接触し(シナリオC)、または付属体が収容される対応する穴10の周辺部でモールディング3の後面31と接触する(シナリオD)。
【0073】
付属体22を穴10の中に導入することが可能であるために、各穴10が、グレージング1の前記グレーズ要素(シナリオC)または前記モールディング3(シナリオD)の両側面の穴10の両端部で開いていることが必要である:
シナリオC:穴10は、その近位端部14、即ち取り付け構成部品の後面21に最も接近した端部で、グレーズ要素の前面(外側の方に向いた面となる)へと開き、その遠位端部13で、グレーズ要素の後面(内側の方に向いた面となる)へと開く、
シナリオD:あるいは、穴10はその近位端部14、即ち取り付け構成部品の後面21に最も接近した端部で、モールディング3の前面30(外側の方に向いた面となる)へと開き、その遠位端部13で、モールディング3の後面31(たまたま内側の方に向いた面である)へと開く。
【0074】
穴10は、それらが、付属体が中に挿入される前にグレージング(シナリオC)またはモールディング内(シナリオD)に存在することから、予め作り出される。穴は、グレージングまたはモールディングそれぞれの製造時に作り出されることが好ましい。ガラス製のグレーズ要素の場合、穴はガラス板が製造された後、付属体が導入される前に通される。
【0075】
これらの穴10は円形または楕円形の内側断面15を有してもよい。穴が製作される要素そのものは一般的に成形によって製造されることから、穴は型から外し易い必要がある。これらの穴10はまた、軸線Aを有する。
【0076】
据え込み作業、即ち一時的な軟化による付属体22の遠位端部23の変形を実施することが可能であるように、各付属体22の遠位端部23は、グレーズ要素(シナリオC)またはモールディング3内(シナリオD)の穴10の周辺部の境界を画する後面を超えて突き出る。
【0077】
据え込み作業は、25kHzから70kHzの範囲の、選好によって30kHzから35kHzの範囲の周波数の超音波を加えることによって実施されることが好ましい。
【0078】
付属体22は一般的に、取り付け構成部品の主要部分と一体を成す部分として形成される。即ち、付属体を含む取り付け構成部品全体が成形によって一緒に製造される。しかしながら、付属体そのものは取り付け構成部品の主要部分とは別に製造され、次いで取り付け構成部品の後面21に、例えば接着させることによって取り付けられることが除外される訳ではない。
【0079】
変形後の遠位端部の材料が各穴10の周辺部全体のまわりに存在するように、据え込み作業は各穴の周辺部全体のまわりで実施されること、即ち、付属体22の遠位端部23がその周辺部全体のまわりで変形されることが好ましい。
【0080】
本発明の1つの特定の態様によると、取り付け構成部品は、グレーズ要素(シナリオC)またはモールディング3(シナリオD)内の穴を超えて突き出た遠位端部で据え込みされた付属体によってのみ、グレージングの周辺部に固定される。
【0081】
簡略化するために、明細書の残りの部分では、シナリオD、即ち、モールディング内に作り出された穴10内に付属体を位置決めすることによって、取り付け構成部品が間接的にグレージングに固定されるシナリオについてのみ述べられる。しかし当然ながら、穴10は、直接グレーズ要素内に作り出される(シナリオC)ことも同様に可能である。
【0082】
取り付け構成部品が成形によって製造されるとき、この取り付け構成部品の前面と後面の間に位置付けられる主要部分は、必ずしもその長さ全体にわたって同じ厚みを有する必要はない。このように、主要部分が、それが最も強い応力を受ける場所ではより厚く、弱い応力にしか晒されない点ではより薄くなることが可能である。
【0083】
各穴10の少なくともその遠位端部13の内側断面15は、穴10のこの遠位端部13付近の前記付属体22の外側断面25と実質的に同一である(モールディング3内の穴のシナリオDではさらに僅かに小さい)。
【0084】
数ミリメートル(1mmから5mm)となる一部位にわたって、各穴10の内側断面15が、前記穴10の深さp全体にわたって、前記付属体22の外側断面25と実質的に同一である(モールディング3内の穴のシナリオDではさらに僅かに小さい)ことも可能である。
【0085】
付属体22(好ましくは取り付け構成部品の各付属体)は、その軸線Bに対する横断面で、円形、楕円形、長方形、または正方形であってもよい外側断面25を有してもよい。この付属体を収容する穴10(好ましくはそれと類似の付属体を収容する各穴)は、付属体22の外側断面25と同一の、それぞれ円形、楕円形、長方形、または正方形である内側断面15を有することが好ましい。
【0086】
図2は、付属体の周辺部で取り付け構成部品2の後面21に対して実質的に垂直に延在する中実の円形横断面を有する簡単な付属体22を示す。付属体は、付属体の導入前に作り出された穴10に位置決めされたところであり、付属体の軸線Bは穴10の軸線Aと一致する。
【0087】
しかし、穴10の横断面が付属体の横断面よりも大きい場合、しかしながら取り付け構成部品の少なくとも1つの付属体が、穴10内への位置決めの後に付属体の軸線Bが穴10の軸線Aと一致するようなものであるという前提で、取り付け構成部品の付属体の1つ(またはいくつか)を、穴10内への位置決めの後に付属体の軸線Bが穴10の軸線Aと一致しないように作り出すことも可能である。この選択肢は本明細書では図示されていない。
【0088】
図3は、据え込み作業後の付属体22の遠位端部23を示す。軟化材料が半球形のカウンターモールドによって封じ込められていたことから、据え込みされた遠位端部23は半球形形状(球体の半分または球体の半分よりも小さなものを表わす)を有する。
【0089】
図2と図3を比較して分かるように、頭部を形成することは、取り付け構成部品2の後面21をモールディング3の前面30の方へより近く引っ張る効果を有している。したがって付属体22は、それ自体が、据え込みされた遠位端部23と後面21の間で軽い内部引張応力下にあることを見出し、したがってモールディング3は、それ自体が、後面21と接触したその外側面30と頭付き遠位端部23と接触したその内側面31との間で軽い内部圧縮応力下にあることを見出す。
【0090】
この効果は、付属体22が、直接グレーズ要素内に作り出された穴の中に導入されるとき(シナリオC)にも、また遠位端部23が、穴あけされたグレーズ要素の後面上に直接据え込みされるときにも得られる。
【0091】
取り付け構成部品2は、グレージングが本体構造の開口部の中に固定される前にグレージングに固定される。図5では、本体構造開口部の中へのグレージングの固定を遠位端部23が妨害しないことを示すように本体構造4が示されている。
【0092】
図4で示されるバージョンでは、据え込みの前の遠位端部23の長さtは4mm程度であり、前記穴10のその近位端部から遠位端部までの深さuは、少なくとも2mm(ここでは6mm)である。
【0093】
取り付け構成部品の全ての付属体を対応する全ての穴に導入することを可能にするために、穴10は共軸である。それらは全て軸線を有し、穴10の軸線は全て空間内で平行である。
【0094】
図4および図5のこの変化形態にとってこのことは比較的容易である。これは、付属体22がそれぞれ、取り付け構成部品2の後面21に対して実質的に垂直である軸線Bに沿って配向されることによる。
【0095】
穴の軸線Aが取り付け構成部品2の後面21に対して垂直ではなく、それら全てが、取り付け構成部品2の後面21に対して同じ角度を成すとき、状況はより複雑になる場合がある。
【0096】
穴の軸線Aが取り付け構成部品2の後面21に対して全て同じ角度を成さないとき、状況はなおさらに複雑になる場合がある。
【0097】
このことは、図6から図8に示される本発明の変化形態と併せてみると、特に明らかである。
【0098】
本発明のこの変化形態では、取り付け構成部品は複雑な非平坦形状である。取り付け構成部品2は付属体22の軸線Bと、付属体22の位置の前記取り付け構成部品2の後面21との間で、他の付属体22’の軸線B’と、この他の付属体22’の位置の前記取り付け構成部品2の後面21との間の角度α’とは異なる角度αを成す。
【0099】
図7では頭部はまだ形成されていない。
【0100】
この変化形態の実施中、取り付け構成要素2の後面21に対する穴10、10’の空間内の軸線A、A’の配向がどのようなものであれ、付属体22が穴10の中に導入される方向は、空間内で平行である軸線A、A’の方向である。軸線B、B’も空間内で平行であり、一旦付属体が穴の中に導入されると穴の軸線と一致する。
【0101】
この場合、軟化発生源が当てられる方向は軸線Aの方向であることが好ましい。
【0102】
図9で示される変化形態では、モールディング3は、同時に製造されない2つの部分から成る。
【0103】
モールディング3の第1部分3aは、グレージング上でのカプセル充填によっては製造されず、事前製作され、グレージングの縁部を収容する凹所を有する(一番上の図面)。このように、グレージングの周辺部の全体がモールディングの凹所の中に挿入される(上から2番目の図面)。
【0104】
この第1部分3aは穴10の一部を備える。ここでは穴10の1つだけが描かれている。
【0105】
付属体が穴に進入し、次いで付属体の遠位端部が一時的に軟化されて端部を形成するように、取り付け構成部品が位置決めされることも可能である。
【0106】
しかしながら、この事例では、完成モールディング(第1部分3aと第2部分3bから成る)の内側面31とその外側面30との間の距離を増大させるために、モールディング3の第2部分3bがモールディングの第1部分3aの外側面に対して位置決めされる(上から3番目の図面)。
【0107】
この第2部分3bはさらに、取り付け構成部品が当接することが可能な基部を作り出すことを可能にする。第2部分3bも付属体が通過する穴を有する。第2部分3bは、第1部分3aよりもなおさらに柔らかい材料で製造されてもよい。
【0108】
このように、一方の、軟質プラスチックで製作されたモールディング3の第1部分3aと、他方の、軟質プラスチックで製作されたモールディング3の第2部分3bとの必要条件に合うように、異なった特性を備えた2つの材料を組み合わせることが可能である。
【0109】
次に、付属体が穴を貫通するように取り付け構成部品が第2部分3bに位置決めされ(上から4番目の図面)、付属体の遠位端部が一時的に軟化されて頭部を形成するようにする(上から5番目の図面)。
【0110】
この構成では、図9の図面で分かるように、付属体22は中実であり、前記取り付け構成部品2の後面21に対して実質的に直角に延在する。
【0111】
この構成ではまた、図9の図面で見られるように、モールディングの後面31(グレージングそのものの後面であることも同様に可能である)は、少なくとも穴10の周辺部で前記取り付け構成部品2の後面21と実質的に平行である(好ましくは各穴の周辺部で後面21と実質的に平行である)。
【0112】
図9のこの変化形態では、第1部分3aがカプセル充填によって製造され、続いて第2部分3bもカプセル充填によって製造されることが可能である。
【0113】
この構成でも、モールディングはそれ自体が取り付け構成部品の後面と付属体の軟化された遠位端部との間で圧縮状態にあることを見出す。
【0114】
図10は、本発明による方法を実施するデバイス8とそれを実施する方法とを示す。
【0115】
このデバイスは軟化発生源9を備える。これは超音波発生源であり、全ての付属体に対して同じものである。発生源の作動周波数は35kHzであり、発生器の出力は400Wである。
【0116】
この事例の取り付け構成部品は、80ショアDの硬度を備えたABS‐PCで製作される。付属体22は筒状であり、その長さ全体にわたる一定の断面と、6mmの外径および1mmの壁厚とを備える。軟化前の遠位端部は4mmの長さである。モールディングのプラスチックは、60ショアAの硬度を備えたポリウレタンである。
【0117】
10.1は、超音波発生源が遠位端部23に接近しているのを示す。
【0118】
10.2は、超音波発生源と遠位端部23の間の接触を示す。
【0119】
10.3は、超音波の影響下での遠位端部23に対する一時的な軟化の開始を示す。
【0120】
10.4は、超音波の影響下での遠位端部23に対する一時的な軟化の終了を示す。
【0121】
10.5は、据え込み作業の後、即ち遠位端部の材料に対する一時的な軟化および硬化の後の遠位端部23を示す。軟化発生源9が取り除かれた後は、遠位端部23の変形は恒久的となる。
【0122】
これらの図面は、ここに示されたシナリオで、軟化された材料が金属製のカウンターモールドによって封じ込められていたこと、このカウンターモールドが、円形の穴を中心に備えた半球の形態の頭付き遠位端部23を生み出したことも示す。このカウンターモールドは4秒から5秒の間遠位端部に当てられて、10.5で見られる軟化を達成する。
【0123】
本発明の他のバージョンでは、デバイス8は、1つの取り付け構成部品の全ての遠位端部を同時に据え込みするように一斉に実施されるいくつかの軟化発生源を備える。
【0124】
軟化発生源が当てられる方向Pは、各付属体に対して付属体の軸線Bの方向であることが好ましい。
【0125】
図11および図12は、前記取り付け構成部品2が細長い形状であり、付属体22も前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有する変化形態を示す。このシナリオの選好によって、取り付け構成部品の全ての付属体は、前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有する。
【0126】
この変化形態では、このように付属体22の遠位端部23は細長い方向で据え込みされる。
【0127】
図13は、据え込み作業の後に正方形となる付属体22の遠位端部23を示す。
【0128】
図14は、付属体22(好ましくは取り付け構成部品の各付属体)が正方形の断面を有する変化形態を示す。
【0129】
この変化形態では、付属体の外側断面25は円形、楕円形、長方形、または正方形であってもよい。この付属体を収容する穴10(好ましくはそのような付属体を収容する各穴)は、それぞれ付属体22の外側断面25と類似の内側断面15を有する。
【0130】
図15は、頭付き遠位端部23の第1実施変化形態を示す。軟化時間の少なくとも一部分の間に(ここでは軟化の全継続時間にわたって)前記遠位端部23に機械的圧力が加えられている。この機械的圧力によって頭付き遠位端部23が平坦化されている。
【0131】
図16は、図14の頭付き遠位端部23の第2の実施変化形態を示す。軟化時間の一部分の間も前記遠位端部23に機械的圧力は加えられていない。しかしながら、軟化された材料は、図2のシナリオのようにカウンターモールドによって封じ込められている。このカウンターモールドは、円形の穴を中心に備えた半球の形態の頭付き遠位端部23を作り出している。
【0132】
図17は、1つの穴10(好ましくはモールディングまたはグレージングの各穴10)の遠位端部13が、その周辺部の少なくとも一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、前記グレージングまたは前記モールディングの穴10の周辺部の後面31から突き出た隆起部37を有する変化形態を示す。この隆起部は例えば、穴10の周辺部のグレージングまたはモールディングの厚みのおよそ5分の1倍から1倍の間の厚みを有してもよい。
【0133】
この変化形態では、付属体22の遠位端部23は、このようにモールディングまたはグレージングそのものの追加の厚みに対して据え込みされて、モールディングまたはグレージングそのものが穴10のまわりで破裂するリスクを軽減することを可能にする。
【0134】
図18は、穴10(好ましくはモールディングまたはグレージングの各穴)の遠位端部13が、その周辺部の少なくとも一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)、前記グレージングまたは前記モールディングの穴10の周辺部の後面31から後退した窪み部38を有する変化形態を示す。この窪み部は、例えば、グレージングまたはモールディングの穴10の周辺部の厚みの約半分から5分の1の間に含まれる厚みであってもよい。
【0135】
この変化形態では、このように付属体22の遠位端部23は凹所の中に据え込みされ、モールディングまたはグレージングの穴10の周辺部の後面を超えて、仮に突き出る場合でも、ほとんど突き出ない。そのことが遠位端部の張り出し部が穴10から突き出ることを制限する。
【0136】
図19は、以上の2つの変化形態を組み合わせたものを示す。1つの穴10(好ましくはモールディングまたはグレージングの各穴10)の遠位端部13は、その周辺部の少なくとも一部分にわたって(好ましくはその周辺部全体にわたって)隆起部37と窪み部38の両方を有する。この隆起部と窪み部は同じ厚みを有してもよい。この隆起部とこの窪み部は共軸であることが好ましく、隆起部は窪み部よりも穴の軸線Aに接近している。
【0137】
この変化形態では、付属体22の遠位端部23は、長手方向断面で(軸線Bに沿って)マッシュルームの形状を有する。このように付属体22の遠位端部23は、モールディングまたはグレージングそのものの追加の厚みに対して据え込みされると同時に、モールディングまたはグレージングの後面に対して部分的に凹んでいる。このように、固定は、図17の変化形態の場合のように堅固であると同時に、図18の変化形態の場合のように張り出し部を制限する。
【0138】
本発明について例として先に記述がなされた。当然ながら、当業者は、請求項によって規定される本特許の範囲から逸脱せずに、本発明の異なった変化形態を実施することが可能となろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品(2)をグレージング(1)の周辺部に、特にグレージング(1)の周辺部に固定されたモールディング(3)の一部位に固定する方法にして、前記取り付け構成部品(2)が、それを前記グレージング(1)または前記モールディング(3)に固定する固定手段を備える後面(21)を有する固定方法であって、前記後面(21)が、前記モールディング(3)内または前記グレージング(1)内に作り出された、前記モールディング(3)または前記グレージング(1)の両面へと両端部で開口する穴(10、10’)にそれぞれ進入するいくつかの付属体(22、22’)を備え、各付属体の遠位端部(23、23’)が、穴(10、10’)の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面(31)を超えて突き出ることと、各付属体の前記遠位端部(23、23’)が一時的な軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されて、穴(10、10’)の周辺部で、好ましくは穴(10、10’)の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面(31)と接触することとを特徴とする、固定方法。
【請求項2】
前記軟化が、25kHzから70kHzの周波数範囲、好ましくは30kHzから35kHzの周波数範囲の超音波を加えることによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の固定方法。
【請求項3】
少なくとも軟化時間の一部分の間、好ましくは軟化時間を通して、またはさらにそれより長い時間、前記遠位端部(23、23’)に機械的圧力が加えられることを特徴とする、請求項1または2に記載の固定方法。
【請求項4】
いくつかの付属体(22、22’)の遠位端部(23、23’)が一時的な軟化によって一斉に変形されて、それと同時に穴(10、10’)の周辺部の前記モールディングまたは前記グレージングの後面(31)と接触することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の固定方法。
【請求項5】
少なくとも1つの軟化発生源、特に少なくとも1つの超音波発生源、好ましくは一斉に実施されることが可能ないくつかの軟化発生源を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実施するデバイス(8)。
【請求項6】
特に請求項1から4のいずれか一項に記載の方法によって得られるグレージング(1)にして、グレージング(1)の周辺部に、特にグレージング(1)の周辺部にそれ自体が固定されたモールディング(3)の一部位に固定されたトリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品(2)を備え、前記取り付け構成部品(2)が、それを前記グレージング(1)または前記モールディング(3)に固定する固定手段を備える後面(21)を有する、グレージンング(1)であって、前記後面(21)が、前記モールディング(3)内または前記グレージング(1)内に作り出された、前記モールディング(3)または前記グレージング(1)の両面へと両端部で開口する穴(10、10’)にそれぞれ進入するいくつかの付属体(22、22’)を備え、前記付属体の遠位端部(23、23’)が、穴(10)の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面(31)を超えて突き出ることと、各付属体の前記遠位端部(23、23’)が軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されて、穴(10)の周辺部で、好ましくは穴(10)の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面(31)と接触することとを特徴とする、グレージング(1)。
【請求項7】
いくつかの穴(10)が、空間内で平行である軸線Aに沿って配向されることを特徴とする、請求項6に記載のグレージング(1)。
【請求項8】
いくつかの付属体(22、22’)が、空間内で平行である軸線B、B’に沿って配向されることを特徴とする、請求項6または7に記載のグレージング(1)。
【請求項9】
いくつかの付属体(22、22’)が、前記取り付け構成部品(2)の前記後面(21)に対して実質的に垂直である軸線Bに沿ってそれぞれ配向されることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項10】
前記取り付け構成部品(2)が非平坦形状を有して、付属体(21)の軸線Bと、付属体の地点の前記取り付け構成部品(2)の後面(21)との間で、他の付属体(21’)の軸線B’とこの他の付属体(21’)の位置の前記取り付け構成部品(2)の後面(21)との間の角度α’とは異なる角度αを備えることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項11】
付属体(22)が、好ましくは中空の横断面と、円形、楕円形、長方形、または正方形の外側断面(25)とを有することと、前記穴(10)が前記付属体(22)の外側断面(25)の形状とそれぞれ同一の形状の内側断面(15)を有することとを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項12】
穴(10)の少なくともその遠位端部(13)の内側断面(15)が、この端部付近で、またはさらに数ミリメートルになる一部位にわたって前記付属体(22)の外側断面(25)と実質的に同一であり、選好によって、穴(10)の内側断面(15)が、前記穴(10)の深さp全体にわたって、前記付属体(22)の外側断面(25)と実質的に同一であることを特徴とする、請求項6から11のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項13】
前記モールディングまたは前記グレージングの前記前面(30)が、少なくとも穴(10)の周辺部で、
前記取り付け構成部品(2)の前記後面(21)と実質的に平行であることを特徴とする、請求項6から12のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項14】
穴(10)の位置の前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面(31)が、穴の軸線またはさらに付属体の軸線に対して垂直であることを特徴とする、請求項6から13のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項15】
前記取り付け構成部品(2)が細長い形状を有し、選好によって前記付属体(22)が、前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有することを特徴とする、請求項6から14のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項16】
穴(10)の遠位端部(13)が、少なくともその周辺部の一部分にわたって、穴(10)の周辺部の前記グレージングまたは前記モールディングの後面(31)に対して突き出る隆起部(37)を備えることを特徴とする、請求項6から15のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項17】
穴(10)の遠位端部(13)が、少なくともその周辺部の一部分にわたって、穴(10)の周辺部の前記グレージングまたは前記モールディングの後面(31)から後退した窪み部(38)を備えることを特徴とする、請求項6から16のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項1】
トリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品(2)をグレージング(1)の周辺部に、特にグレージング(1)の周辺部に固定されたモールディング(3)の一部位に固定する方法にして、前記取り付け構成部品(2)が、それを前記グレージング(1)または前記モールディング(3)に固定する固定手段を備える後面(21)を有する固定方法であって、前記後面(21)が、前記モールディング(3)内または前記グレージング(1)内に作り出された、前記モールディング(3)または前記グレージング(1)の両面へと両端部で開口する穴(10、10’)にそれぞれ進入するいくつかの付属体(22、22’)を備え、各付属体の遠位端部(23、23’)が、穴(10、10’)の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面(31)を超えて突き出ることと、各付属体の前記遠位端部(23、23’)が一時的な軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されて、穴(10、10’)の周辺部で、好ましくは穴(10、10’)の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面(31)と接触することとを特徴とする、固定方法。
【請求項2】
前記軟化が、25kHzから70kHzの周波数範囲、好ましくは30kHzから35kHzの周波数範囲の超音波を加えることによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の固定方法。
【請求項3】
少なくとも軟化時間の一部分の間、好ましくは軟化時間を通して、またはさらにそれより長い時間、前記遠位端部(23、23’)に機械的圧力が加えられることを特徴とする、請求項1または2に記載の固定方法。
【請求項4】
いくつかの付属体(22、22’)の遠位端部(23、23’)が一時的な軟化によって一斉に変形されて、それと同時に穴(10、10’)の周辺部の前記モールディングまたは前記グレージングの後面(31)と接触することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の固定方法。
【請求項5】
少なくとも1つの軟化発生源、特に少なくとも1つの超音波発生源、好ましくは一斉に実施されることが可能ないくつかの軟化発生源を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実施するデバイス(8)。
【請求項6】
特に請求項1から4のいずれか一項に記載の方法によって得られるグレージング(1)にして、グレージング(1)の周辺部に、特にグレージング(1)の周辺部にそれ自体が固定されたモールディング(3)の一部位に固定されたトリムなどのプラスチック製の取り付け構成部品(2)を備え、前記取り付け構成部品(2)が、それを前記グレージング(1)または前記モールディング(3)に固定する固定手段を備える後面(21)を有する、グレージンング(1)であって、前記後面(21)が、前記モールディング(3)内または前記グレージング(1)内に作り出された、前記モールディング(3)または前記グレージング(1)の両面へと両端部で開口する穴(10、10’)にそれぞれ進入するいくつかの付属体(22、22’)を備え、前記付属体の遠位端部(23、23’)が、穴(10)の境界を画する前記モールディングまたは前記グレージングそれぞれの後面(31)を超えて突き出ることと、各付属体の前記遠位端部(23、23’)が軟化によって、好ましくは超音波を加えることによって変形されて、穴(10)の周辺部で、好ましくは穴(10)の周辺部全体のまわりで前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面(31)と接触することとを特徴とする、グレージング(1)。
【請求項7】
いくつかの穴(10)が、空間内で平行である軸線Aに沿って配向されることを特徴とする、請求項6に記載のグレージング(1)。
【請求項8】
いくつかの付属体(22、22’)が、空間内で平行である軸線B、B’に沿って配向されることを特徴とする、請求項6または7に記載のグレージング(1)。
【請求項9】
いくつかの付属体(22、22’)が、前記取り付け構成部品(2)の前記後面(21)に対して実質的に垂直である軸線Bに沿ってそれぞれ配向されることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項10】
前記取り付け構成部品(2)が非平坦形状を有して、付属体(21)の軸線Bと、付属体の地点の前記取り付け構成部品(2)の後面(21)との間で、他の付属体(21’)の軸線B’とこの他の付属体(21’)の位置の前記取り付け構成部品(2)の後面(21)との間の角度α’とは異なる角度αを備えることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項11】
付属体(22)が、好ましくは中空の横断面と、円形、楕円形、長方形、または正方形の外側断面(25)とを有することと、前記穴(10)が前記付属体(22)の外側断面(25)の形状とそれぞれ同一の形状の内側断面(15)を有することとを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項12】
穴(10)の少なくともその遠位端部(13)の内側断面(15)が、この端部付近で、またはさらに数ミリメートルになる一部位にわたって前記付属体(22)の外側断面(25)と実質的に同一であり、選好によって、穴(10)の内側断面(15)が、前記穴(10)の深さp全体にわたって、前記付属体(22)の外側断面(25)と実質的に同一であることを特徴とする、請求項6から11のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項13】
前記モールディングまたは前記グレージングの前記前面(30)が、少なくとも穴(10)の周辺部で、
前記取り付け構成部品(2)の前記後面(21)と実質的に平行であることを特徴とする、請求項6から12のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項14】
穴(10)の位置の前記モールディングまたは前記グレージングの前記後面(31)が、穴の軸線またはさらに付属体の軸線に対して垂直であることを特徴とする、請求項6から13のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項15】
前記取り付け構成部品(2)が細長い形状を有し、選好によって前記付属体(22)が、前記取り付け構成部品の細長い方向に延在する細長い断面を有することを特徴とする、請求項6から14のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項16】
穴(10)の遠位端部(13)が、少なくともその周辺部の一部分にわたって、穴(10)の周辺部の前記グレージングまたは前記モールディングの後面(31)に対して突き出る隆起部(37)を備えることを特徴とする、請求項6から15のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【請求項17】
穴(10)の遠位端部(13)が、少なくともその周辺部の一部分にわたって、穴(10)の周辺部の前記グレージングまたは前記モールディングの後面(31)から後退した窪み部(38)を備えることを特徴とする、請求項6から16のいずれか一項に記載のグレージング(1)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2013−506578(P2013−506578A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531487(P2012−531487)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052080
【国際公開番号】WO2011/039490
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052080
【国際公開番号】WO2011/039490
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]