説明

ケイ酸リチウム材料

【課題】 先行技術の欠点を排除すること、特に、上記の全てが、コンピューター支援削合およびトリミングプロセスによって容易に成形され得、続いて高強度の歯科用製品に変換され得る材料を提供すること。
【解決手段】 ケイ酸リチウムガラスセラミック材料であって、以下の成分:
成分 重量%
SiO 64.0〜73.0
LiO 13.0〜17.0
O 2.0〜5.0
Al 0.5〜5.0
2.0〜5.0
を含有する、ケイ酸リチウムガラスセラミック材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工、その後の高強度での成形製品への変換によって容易に成形され得るケイ酸リチウム材料に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューター制御された削合マシンによって歯科用修復製品(例えば、歯冠、インレーおよびブリッジ)に加工され得る材料に対する需要が高まっている。このようなCAD/CAM法は、非常に魅力的である。なぜなら、このCAD/CAM法は、患者に所望の修復を迅速に与えるからである。従って、いわゆるチェアサイド処置(chair−side treatment)が、歯科医にとって可能である。
【0003】
しかし、コンピューター支援設計/コンピューター支援加工(CAD/CAM)法を介して加工されるのに適した材料は、非常に特有のプロフィール特性を満たす必要がある。
【0004】
第1に、これらの材料は、最終的に調製された修復物において、本来の歯の外観と似た魅力的な光学特性(例えば、半透明および影)を有する必要がある。これらの材料はさらに、高い強度および化学耐久性を示す必要があり、その結果、この材料は、口腔中の流体(これらは攻撃的でさえあり得る(例えば、天然では酸性))と永久的に接触したまま、本来の歯の材料の機能を引き継ぎ得、そしてそれらの特性を十分な時間維持する。
【0005】
第2に、そして非常に重要なことに、これらを、簡単な様式で、器具の過度の磨耗なしで、短時間で、所望の形状に機械加工することが可能でなければならない。この特性は、比較的低い強度の材料を必要とし、従って、最終修復物について、上記の所望の特性とは対照的である。
【0006】
加工される材料のある段階における低い強度の特性と、最終修復物の高い強度とを組み合わせることの困難性は、特に簡単な機械加工性の不十分さに関する、CAD/CAM加工のための公知の材料により反映される。
【0007】
特許文献1は、ホットプレスプロセス(ここで、溶融材料が、粘性状態でプレスされる)によって所望の形状に成形されることが主に意図される二ケイ酸リチウムガラスセラミックを開示する。これらの材料が、コンピューター支援削合プロセスによって成形されることも可能である。しかし、これらの材料の機械加工は、器具の非常に大きな磨耗および非常に長い加工時間を生じることが示されている。これらの欠点は、二ケイ酸リチウムの結晶相によりこれらの材料に主に与えられる高い強度および靱性によって生じる。さらに、機械加工された修復物が、乏しいエッジ強度しか示さないことが示されている。用語「エッジ強度」とは、わずか1/10mmの範囲の薄い厚みしか有さない修復物の部分の強度をいう。
【0008】
最終修復物の高い強度と共に簡単な機械加工性を達成するさらなるアプローチもまた行われている。特許文献2および特許文献3は、AlまたはZrOを基礎とするセラミック材料を記載し、これらの材料は、非焼結状態(「緑色状態」とも呼ばれる)で機械加工される。次いで、この緑色の材料は、強度を上げるために焼結される。しかし、これらのセラミック材料は、最終の焼結工程の間、50容量%までの急激な収縮(または30%までは、直線的な収縮)を受ける。このことは、所望の寸法を正確に有する修復物を調製することを困難にする。実質的な収縮は、複雑な修復物(例えば、マルチスパンブリッジ)が製造される場合、特定の問題を示す。
【0009】
非特許文献1および特許文献4のS.D.Stookey:「Photosensitively Opacifiable Glass」(1954)から、ケイ酸リチウムガラスセラミックにおいて、準安定相が最初に形成され得ることもまた分かる。例えば、感光性ガラスセラミック(Fotoform(登録商標)、FotoCeram(登録商標))において、Ag粒子は、UV光を使用して形成される。これらのAg粒子は、リチウムの準安定相において、結晶化剤として働く。光に曝露された領域は、次の工程で、希HFによって洗浄される。HFにおける準安定相のリチウムの溶解度は、親のガラスの溶解度よりもはるかに高いので、この手順が可能である。この可溶化プロセス(Fotoform(登録商標))の後に残ったガラス部分は、さらなる熱処理によって、二ケイ酸リチウムガラスセラミック(FotoCeram(登録商標))に移され得る。
【0010】
Boromの研究(例えば、非特許文献2およびM.P.Borom,A.M.Turkalo,R.H.Doremus:「Verfahren zum Herstellen von Glaskeramiken」(1974)(特許文献5)はまた、二ケイ素リチウムガラスセラミックが、第1の場合において、準安定リチウムメタケイ酸相として種々の量で結晶化し得ることを示す。しかし、最初から二ケイ酸相の形態で結晶化し、メタケイ酸相が全く存在しない組成物も存在する。この効果の系統的な研究は公知になっていない。Boromの研究から、主要相としてメタケイ酸リチウムを含むガラスセラミックが、二ケイ酸リチウム相しか含まないガラスセラミックの1つと比較して減少した強度を有することもまた理解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】DE−A−197 50 794号
【特許文献2】EP−B−774 993
【特許文献3】EP−B−817 597
【特許文献4】US−A−2− 684 911
【特許文献5】DE−A−24 51 121
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】S.D.Stookey:「Chemical Machining of Photosensitive Glass」,Ind.Eng.Chem.,45,115−118(1993)
【非特許文献2】M.P.Borom,A.M.Turkalo,R.H.Doremus:「Strength and Microstructure in Lithium Disilicate Glass−Ceramics」,J.Am.Ceream.Soc.,58,No.9−10,385−391(1975)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、先行技術の材料は、いくらかの欠点を示す。従って、本発明の目的は、これらの欠点を排除すること、特に、上記の全てが、コンピューター支援削合およびトリミングプロセスによって容易に成形され得、続いて高強度の歯科用製品に変換され得る材料を提供することであり、この歯科用製品もまた、高い化学耐久性および優れた光学特性を示し、上記最終変換の間、はるかに減少した収縮を示す。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの局面において、本発明は、ケイ酸リチウムガラスセラミック材料であって、以下の成分:
成分 重量%
SiO 64.0〜73.0
LiO 13.0〜17.0
O 2.0〜5.0
Al 0.5〜5.0
2.0〜5.0
を含有する、ケイ酸リチウムガラスセラミック材料を提供する。
【0015】
好ましい実施形態において、本発明は、主結晶相としてメタケイ酸リチウムを生成する工程を包含するプロセスにおいて形成され得る。
【0016】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のケイ酸リチウム材料であって、互いに独立して、以下のさらなる成分:
成分 重量%
ZnO 0.5〜6.0(好ましくは、2.0〜6.0)
NaO 0〜2.0
MeIIO 0〜7.0(好ましくは、0.0〜5.0)
ZrO 0〜2.0
有色金属酸化物および蛍光金属酸化物 0〜7.5
をさらに含有し、MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群より選択される1種以上のメンバーである、
ケイ酸リチウム材料であり得る。
【0017】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のケイ酸リチウム材料であって、互いに独立して、以下の成分:
成分 重量%
SiO 65.0〜70.0
LiO 14.0〜16.0
O 2.0〜5.0
Al 1.0〜5.0
2.0〜5.0
ZnO 2.0〜6.0
NaO 0.1〜2.0
MeIIO 0.1〜7.0(好ましくは、0.1〜5.0)
ZrO 0.1〜2.0
有色金属酸化物および蛍光金属酸化物 0.5〜3.5
を含有し、
MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群より選択される1種以上のメンバーであり、
1種以上のこの有色金属酸化物およびこの蛍光金属酸化物は、好ましくは、Ta、Tb、Y、La、Er、Pr、Ce、Ti、V、FeおよびMnからなる群より選択される、ケイ酸リチウム材料であり得る。
【0018】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、67.0重量%〜70.0重量%のSiOを含有し得る。
【0019】
さらに好ましい実施形態において、上記メタケイ酸リチウム材料は、上記ケイ酸リチウム材料の20容積%〜50容積%を形成し得る。
【0020】
さらに好ましい実施形態において、上記メタケイ酸リチウム材料は、上記ケイ酸リチウム材料の30容積%〜40容積%を形成し得る。
【0021】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、Pの代わりに、他の核形成剤を含有し得る。
【0022】
さらに好ましい実施形態において、上記メタケイ酸リチウム結晶は、層状形態または血小板形態の結晶であり得る。
【0023】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、ブランクの形態であり得る。
【0024】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、歯科用修復物の形態であり得る。
【0025】
さらに好ましい実施形態において、上記歯科用修復物は、インレー、アンレー、ブリッジ、橋脚歯、前装、ベニア、咬合局面、歯冠、部分的歯冠、フレームワークまたはコーピングであり得る。
【0026】
別の局面において、本発明は、主に結晶メタケイ酸リチウムを含む相を生成し、メタケイ酸リチウムが、その後に、二ケイ酸リチウムに転換される工程を包含するプロセスにおいて形成される、二ケイ酸リチウム材料を提供する。
【0027】
別の局面において、本発明は、二ケイ酸リチウムから製造される歯科用製品であって、この二ケイ酸リチウムは、主に結晶メタケイ酸リチウムを含む相を生成し、このメタケイ酸リチウムが、その後に、二ケイ酸リチウムに転換される工程を包含するプロセスにおいて形成される、歯科用製品を提供する。
【0028】
別の局面において、本発明は、ケイ酸リチウムブランクを調製するためのプロセスであって、このプロセスは、以下の工程:
(a)主成分として、初期成分であるSiO、LiO、KO、AlおよびPを含有する出発ガラスの融解物を生成する工程;
(b)この出発ガラスの融解物を鋳型に注いで、出発ガラスブランクを形成し、このガラスブランクを室温まで冷却する工程、
(c)第一の温度にて、この出発ガラスブランクを第一の加熱処理に供し、メタケイ酸リチウム結晶を形成するのに適切な核を含むガラス製品を得る工程、
(d)この第一の温度よりも高い第二の温度にて、工程(c)のこのガラス製品を第二の加熱処理に供し、主結晶相としてメタケイ酸リチウム結晶を有するケイ酸リチウムブランクを得る工程、
を包含する、プロセスを提供する。
【0029】
好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記工程(a)の出発ガラスは、ZnO、NaO、MeIIO、ZrO、ならびに有色金属酸化物および蛍光金属酸化物をさらに含有し、MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群より選択される1種以上のメンバーであり得る。
【0030】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記工程(a)の出発ガラスは、互いに独立して、以下の初期成分を、以下の量:
成分 重量%
SiO 65.0〜70.0
LiO 14.0〜16.0
O 2.0〜5.0
Al 1.0〜5.0
2.0〜5.0
ZnO 2.0〜6.0
NaO 0.1〜2.0
MeIIO 0.1〜7.0(好ましくは、0.1〜5.0)
ZrO 0.1〜2.0
有色金属酸化物および蛍光金属酸化物 0.5〜3.5
を含有し、
MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群より選択される1種以上のメンバーであり、
1種以上のこの有色金属酸化物およびこの蛍光金属酸化物は、好ましくは、Ta、Tb、Y、La、Er、Pr、Ce、Ti、V、FeおよびMnからなる群より選択される、プロセスであり得る。
【0031】
好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、工程(c)は、工程(b)を改変することによって置き換えられ、その結果、上記冷却プロセスの間、約450℃〜550℃の温度を、約5分間から50分間の期間にわたって維持し、メタケイ酸リチウム結晶の形成に適切な核を含むガラス製品を生成する、プロセスであり得る。
【0032】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、工程(c)において、上記第一の加熱処理は、上記出発ガラスブランクを、約5分間から1時間の期間にわたって約450〜550℃の温度まで加熱する工程を包含する、プロセスであり得る。
【0033】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記工程(d)の第二の加熱処理は、上記ケイ酸リチウム結晶の形成に適切な核を含むガラス製品を、約600〜700℃の第二の温度まで、約10〜30分間の期間にわたって加熱する工程を包含する、プロセスであり得る。
【0034】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記ケイ酸リチウムブランクは、少なくとも90MPaの二軸強度、および少なくとも0.8MPam0.5の破壊靱性を有する、プロセスであり得る。
【0035】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記工程(b)の出発ガラスブランク、上記工程(c)のメタケイ酸リチウムを形成するのに適切な核を含むガラス製品、または上記工程(d)の主結晶相としてメタケイ酸リチウムを有するケイ酸リチウムブランクを、機械加工または熱圧によって所望の幾何学に成形して、成形されたケイ酸リチウム製品を形成する、プロセスであり得る。
【0036】
さらに好ましい実施形態において、上記成形されたケイ酸リチウムブランクは、歯科用修復物であり得る。
【0037】
さらに好ましい実施形態において、上記歯科用修復物は、インレー、アンレー、ブリッジ、橋脚歯、前装、ベニア、咬合局面、歯冠、部分的歯冠、フレームワークまたはコーピングであり得る。
【0038】
さらに好ましい実施形態において、上記機械加工は、粉砕または削合によって行われ得る。
【0039】
さらに好ましい実施形態において、上記機械加工は、コンピューターによって制御され得る。
【0040】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、約700〜950℃の第三の温度にて、約5〜30分間の期間にわたって、上記成形されたケイ酸リチウム製品を第三の加熱処理に供する工程をさらに包含する、プロセスであり得る。
【0041】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記第三の加熱処理に供された上記ケイ酸リチウム製品は、主結晶相としてメタケイ酸リチウムを含み、ここで、この第三の加熱処理は、主結晶相として、このメタケイ酸リチウム結晶を二ケイ酸リチウム結晶に転換する、プロセスであり得る。
【0042】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記第三の加熱処理に供された上記ケイ酸リチウム製品は、メタケイ酸リチウム結晶を形成するのに適切な核を含むガラス製品を含み、ここで、二ケイ酸リチウム結晶は、このメタケイ酸リチウム結晶を形成するのに適切な核から直接結晶化される、プロセスであり得る。
【0043】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記第三の加熱処理の間に生じる収縮は、0.5容積%未満、好ましくは、0.3容積%である、プロセスであり得る。
【0044】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、熱圧によってケイ酸リチウム材料を所望の幾何学に成形して、歯科用修復物を作製する工程を包含し得る。
【0045】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記の歯科用修復物を製造するためのプロセスであって、上記熱圧工程は、
約500〜1200℃の温度にて上記ケイ酸リチウム材料を加熱処理に供して、このケイ酸リチウム材料を粘性状態に転換し、そして約1〜4MPaの圧力下で、この粘性ケイ酸リチウム材料を鋳型またはダイに圧入して、所望の幾何学を有する歯科用修復物を得る工程、
を包含する、プロセスであり得る。
【0046】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記加熱処理および圧入工程に供されたケイ酸リチウム材料は、この熱処理および圧入工程の間に二ケイ酸リチウム結晶に転換されるメタケイ酸リチウム結晶を含む、プロセスであり得る。
【0047】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記ケイ酸リチウム材料の強度および破壊靱性の増強を含む、上記のプロセスであり得る。
【0048】
さらに好ましい実施形態において、上記歯科用修復物は、少なくとも250MPaの二軸強度、および少なくとも1.5MPam0.5の破壊靱性を有する、上記の歯科用修復物を製造するためのプロセスであり得る。
【0049】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記歯科用修復物を仕上げて、自然な外観を得る工程をさらに包含する、上記の歯科用修復物を製造するためのプロセスであり得る。
【0050】
さらに好ましい実施形態において、上記仕上げ工程は、未完成の歯科用修復物上に粉末状材料で層状化することによってか、またはコーティング材料を熱圧することによって、この歯科用修復物にコーティングを塗布する工程を包含し得る。
【0051】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、上記のプロセスであって、上記第三の加熱処理は、上記層状化材料の発射の間、または上記未完成の歯科用修復物上への上記コーティングの熱圧の間に起こる、プロセスであり得る。
【0052】
別の局面において、本発明は、ケイ酸リチウムガラスであって、以下の成分:
成分 重量%
SiO 64.0〜73.0
LiO 13.0〜17.0
O 2.0〜5.0
Al 0.5〜5.0
2.0〜5.0
を含有し、かつメタケイ酸リチウム結晶の形成に適切な核を含む、ケイ酸リチウムガラスを提供する。
【0053】
別の局面において、本発明は、上記のプロセスに従って調製されたケイ酸リチウム材料から製造されるブランクであって、このブランクは、このブランクを機械に固定するためのホルダーを有する、ブランクを提供する。
【0054】
好ましい実施形態において、上記ホルダーは、このホルダーと連結および接続され得る。
【0055】
さらに好ましい実施形態において、上記ホルダーは、上記ブランクとは異なる材料由来であり得る。
【0056】
さらに好ましい実施形態において、上記ホルダーは、合金製、金属製、ガラスセラミック製またはセラミック製であり得る。
【0057】
さらに好ましい実施形態において、上記ホルダーは、上記ブランクと同じ材料から製造され、かつこのブランクと一体化され得る。
【0058】
さらに好ましい実施形態において、上記ブランクは、情報で標識され得る。
【0059】
さらに好ましい実施形態において、上記ブランクについての情報は、このブランクから機械加工される、材料、サイズおよび形状の型を含み得る。
【0060】
別の局面において、本発明は、ケイ酸リチウム修復物を製造するための方法であって、この方法は、上記のプロセスに従って、ケイ酸リチウムブランクを調製し、その後、このケイ酸リチウムブランクを用いて歯科用修復物をコーティングする工程を包含する、方法を提供する。
【0061】
好ましい実施形態において、歯科用フレームワークは、上記ケイ酸リチウムブランクをこの歯科用フレームワーク上に熱圧することによってコーティングされ得る。
【0062】
さらに好ましい実施形態において、上記歯科用フレームワークは、歯冠、部分的歯冠、ブリッジ、コーピング、ベニア、前装または橋脚歯であり得る。
【0063】
さらに好ましい実施形態において、上記歯科用フレームワークは、金属製、合金製、セラミック製またはガラスセラミック製であり得る。
【0064】
さらに好ましい実施形態において、上記セラミックは、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムミックス、酸化アルミニウムミックス、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0065】
別の局面において、本発明は、上記の歯科用修復物を製造するための方法であって、上記フレームワーク上にコーティングされた上記ケイ酸リチウムブランクは、二ケイ酸リチウム結晶に転換されるメタケイ酸リチウム結晶を含むか、またはこのケイ酸リチウムブランクは、このケイ酸リチウムブランクをこの歯科用フレームワーク上に熱圧する間、この二ケイ酸リチウム結晶として結晶化されるメタケイ酸リチウム結晶を形成するのに適切な核を含む、方法を提供する。
【0066】
この目的は、特許請求の範囲に記載の、ケイ酸リチウムガラスセラミック材料によって達成される。
【0067】
本発明はまた、特許請求の範囲に記載の二ケイ酸リチウム材料、特許請求の範囲に記載の歯科用製品、特許請求の範囲に記載のケイ酸リチウムブランクおよび歯科用修復物の調製のプロセス、特許請求の範囲に記載のケイ酸リチウムガラス、特許請求の範囲に記載のブランク、ならびに特許請求の範囲に記載のケイ酸リチウム修復物または歯科用修復物を製造するための方法に関する。
【0068】
非常に独特な組成物の出発ガラスおよび特定のプロセスを使用することによって、本発明に従って、主な結晶相として、二ケイ酸リチウム(LiSi)ではなく、準安定メタケイ酸リチウム(LiSiO)を有する、ガラスセラミックを提供することが可能であることが、驚くべきことに示された。このメタケイ酸リチウムガラスセラミックは、低い強度および靱性を有し、従って、さらに複雑な歯科用修復物の形状に容易に機械加工され得るが、このような機械加工の後に、熱処理によって、二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品に変換され得、この二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品は、顕著な機械的特性、優秀な光学的特性および非常に良好な化学安定性を有し、それによって非常に限定された収縮のみを受ける。
【発明の効果】
【0069】
本発明により、先行技術の欠点を排除すること、特に、上記の全てが、コンピューター支援削合およびトリミングプロセスによって容易に成形され得、続いて高強度の歯科用製品に変換され得る材料を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、プロセスの基礎的な温度プロフィールを示す。
【図2】図2は、10K/分の加熱割合で加熱された、クエンチおよび粉末化されたガラスサンプルの実施例の1つ(実施例13)のDSCプロットを示す。
【図3】図3は、2K/分の一定の加熱割合でのバルクガラスサンプルの測定を示す。
【図4】図4は、500℃で7分間の核形成および650℃で20分間の第一の化粧化の後の、実施例13のXRDによる相分析を表す。
【図5】図5は、1%HFで8秒間エッチングされた表面を有する、同じ熱履歴を有する同じ実施例の、後方散乱電子のSEM顕微鏡写真を示す。
【図6】図6は、実施例13についての相分析の手順(500℃で7分間の核形成の後に、650℃で20分間の第一の結晶化、および850℃で10分間の結晶化)を示す。
【図7】図7は、3%HFで30秒間エッチングされてガラス様の相がエッチングで除去され、そして二ケイ酸リチウム結晶が残った表面を有する、同じ熱履歴を有する同じ実施例の、後方散乱電子のSEM顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明に従うケイ酸リチウムガラスセラミック材料は、以下の成分:
【0072】
【化1】


を含み、そして主な結晶相としてメタケイ酸リチウムを含む。
【0073】
本発明の別の好ましい実施形態は、上記されるようなケイ酸ガラスセラミック材料によって形成され、これは、主な結晶層としてメタケイ酸リチウムが生成される工程を包含するプロセスにおいて形成される。
【0074】
本発明のケイ酸リチウム材料が、互いから独立した以下のさらなる成分:
【0075】
【化2】


をさらに含むことが好ましく、MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群から選択される1つ以上のメンバーである。
【0076】
互いから独立して以下の成分:
【0077】
【化3】


を以下の量で含有するケイ酸リチウム材料は、特に好ましく、MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群から選択される1つ以上のメンバーであり、そして、1つ以上の有色金属酸化物および蛍光金属酸化物の金属は、好ましくは、Ta、Tb、Y、La、Er、Pr、Ce、Ti、V、FeおよびMnからなる群から選択される。
【0078】
句「・・・互いから独立して・・・」は、好ましい量の少なくとも1つが選択され、従って、全ての成分が、好ましい量で存在することが必要とされないことを意味する。
【0079】
有色成分または蛍光成分(例えば、f−元素の酸化物)が使用され得るので、すなわち、上に与えられる金属の一覧表は、終点として考えられないべきである。有色成分または蛍光成分は、最終歯科用製品の色が、問題の患者の天然の歯科用材料の色と一致することを保証する。
【0080】
上記組成物において、Pは、メタケイ酸リチウム結晶に対する核生成剤として作用し、少なくとも2重量%の濃度が、必要な核形成のために必要とされる。Pの代わりに、他の核形成剤(例えば、元素(Pt、Ag、CuおよびW)の化合物)がまた、可能である。
【0081】
上記される成分に加えて、ガラスセラミックは、ガラス技術プロセス可能性を増大するさらなる成分をさらに含み得る。従って、このようなさらなる成分は、一般的に合計で0〜5.0重量%になる特定の化合物(例えば、BおよびF)で存在し得る。
【0082】
67.0〜70.0重量%のSiOを含む上記されるようなケイ酸リチウム材料は、特に好ましい。
【0083】
ケイ酸リチウム金属の特定の容量部が、優秀なプロセシング特性を達成するために存在するべきであることが、驚くべきことに示された。従って、メタケイ酸リチウム結晶相が、ケイ酸リチウム材料の20〜50容量%を形成し、特に、30〜40容量%を形成することは、さらに好ましい。このような容量の部は、互いからかなり離れて存在する結晶をもたらし、従って、非常に高い強度のケイ酸リチウム材料を避ける。
【0084】
メタケイ酸リチウム結晶は、好ましくは、層状形態または平板上形態の結晶である。このことは、高エネルギーの使用も制御されない破壊もなしに、ケイ酸リチウム材料の非常に良好な機械加工性をもたらす。後者の局面の制御されない破壊は、例えば、機械加工に一般的に適さないガラスから公知である。メタケイ酸リチウム結晶の好ましい形態がまた、製品の驚くべき高いエッジ強度を担うことが推定され、例えば、複雑な歯科用修復物が、本発明に従って、ケイ酸リチウム材料から作製され得る。
【0085】
本発明に従うケイ酸リチウム材料は、好ましくは、ブランクの形態である。ブランクは、通常、小さな円柱または矩形ブロックの形態をとる。正確な形態は、ブランクのコンピューター補助された所望の機械加工のために使用される特定の装置に依存する。
【0086】
機械加工の後、本発明に従うケイ酸リチウム材料は、好ましくは、歯科用修復物の形態(例えば、インレー、アンレー、ブリッジ、橋脚歯、前装、ベニア、咬合局面、歯冠、部分的歯冠、フレームワークまたはコーピング)を有する。
【0087】
二ケイ酸リチウム材料が、1つの工程を包含するプロセスにおいて形成され、この工程において、主として結晶性メタケイ酸リチウムを含む相が、生成され、続いて、メタケイ酸リチウムが、二ケイ酸リチウムに変換されることは、本発明の好ましい実施形態を形成する。
【0088】
歯科用製品が、二ケイ酸リチウムから作製され、この二ケイ酸リチウムが、1つの工程を包含するプロセスにおいて形成され、この工程において、主として結晶性メタケイ酸リチウムを含む層が、生成され、続いて、メタケイ酸リチウムが、二ケイ酸リチウムに変換されることは、本発明の別の好ましい実施形態を形成する。
【0089】
本発明に従うケイ酸リチウムガラスセラミック材料のブランクは、好ましくは、以下の工程を包含するプロセスにより調製される:
(a)主成分として初期成分SiO、LiO、KO、Al、およびPを含む出発ガラスの融解物を生成する工程、
(b)該出発ガラスの融解物を鋳型に注いで、出発ガラスブランクを形成し、そして該ガラスブランクを室温まで冷却する工程、
(c)該出発ガラスブランクを、第1の温度での第1の熱処理に供して、メタケイ酸リチウム結晶を形成するのに適した核を含むガラス製品を生じる工程、
(d)工程(c)のガラス製品を、第1の温度よりも高い第2の温度での第2の熱処理に供し、主要結晶相としてメタケイ酸リチウム結晶を有するケイ酸リチウムブランクを得る工程。
【0090】
工程(a)の出発ガラスは、ZnO、NaO、MeIIO、ZrOならびに有色金属酸化物および蛍光金属酸化物をさらに含み、MeIIOは、CaO、Bao、SrOおよびMgOからなる群より選択される1つ以上のメンバーである、上記のプロセスが好ましい。
【0091】
工程(a)の出発ガラスが、互いに独立して、以下の初期成分を以下の量で含み、

化合物 wt.−%
SiO 65.0−70.0
LiO 14.0−16.0
O 2.0−5.0
Al 1.0−5.0
2.0−5.0
ZnO 2.0−6.0
NaO 0.1−2.0
MeIIO 0.1−7.0、好ましくは0.1−5.0
ZrO 0.1−2.0
有色および蛍光金属酸化物 0.5−3.5

MeIIOは、CaO、Bao、SrOおよびMgOからなる群より選択される1つ以上のメンバーであり、そして
有色金属酸化物および蛍光金属酸化物の1つ以上の金属が、好ましくは、Ta、Tb、Y、La、Er、Pr、Ce、Ti、V、Fe、およびMnからなる群より選択される、上記のプロセスがさらに好ましい。
【0092】
工程(a)において、ガラスセラミックの成分を含む出発ガラスの溶解物が、生成される。この目的のために、適切な出発材料の対応する混合物(例えば、カーボネート、酸化物、およびホスフェート)が調製され、そして2〜10時間の間、特に1300〜1600℃の温度まで加熱される。特に高い程度の均質性を得るために、得られたガラス溶解物は、水に注がれてガラス粒子が形成され得、そしてこの得られたガラス粒子は、再度溶解される。
【0093】
工程(b)において、出発ガラスの溶解物は、対応する鋳型(例えば、鋼鋳型)に注がれ、そして室温まで冷却されてガラス製品が生成される。
【0094】
冷却は、好ましくは、ガラスの弛緩を可能し、かつ急速な温度変化に伴う構造への負荷を防止するように制御様式で実施される。従って、一般的に、溶解物は、例えば、約400℃の温度の予熱された鋳型に注がれる。その後、製品は、加熱炉にて室温までゆっくりと冷却され得る。
【0095】
工程(c)において、出発ガラス製品は、第1の温度での第1の熱処理に供されて、メタケイ酸リチウム結晶のための核が形成される。好ましくは、この第1の熱処理は、450〜550℃の第1の温度で、5分〜1時間の期間、ガラス製品を過熱することを包含する。従って、単一熱処理にてガラス材料を弛緩させ、そしてメタケイ酸リチウム結晶を核形成させるために、工程b)と工程c)が組み合わされることが好都合であるいくつかの場合、工程(b)の間のメタケイ酸リチウム結晶の形成に適した核を含むガラス製品を生成するために、冷却プロセスの間、約450〜550℃の温度が約5〜50分間保持されるように工程(b)を改変することによって、工程(c)と置換する上記のプロセスが、本発明の好ましい実施形態を形成する。
【0096】
工程(c)において、第1の熱処理は、出発ガラスブランクを、約5分〜1時間の期間、約450〜550℃の温度まで加熱する工程を包含する上記プロセスが、本発明の別の好ましい実施形態を形成する。
【0097】
その後、所望の核を含むガラス製品は、室温まで冷却される。
【0098】
その後の工程(d)において、LiSiOの所望の核を有するガラス製品は、第1の温度よりも高い第2の温度での第2の熱処理に供される。第2の熱処理により、結晶相のみであるのと同程度に優勢でありかつ好ましいメタケイ酸リチウム結晶の所望の形成がなされ、従って本発明のメタケイ酸リチウムガラスセラミックが生成される。好ましくは、工程(d)のこの第2の熱処理は、ケイ酸リチウム結晶の形成に適した核を含むガラス製品を、約10〜30分の間、約600〜700℃の第2の温度に加熱する工程を包含する。
【0099】
このようなプロセスの基礎的な温度プロフィールを、図1に例示する。溶解物(1)からすでに出発しているので(すなわち、工程a)の最後で)その温度は、500〜450℃(2)の温度範囲での製品の弛緩のために低下している。次いで、この温度は、室温にされ得(実線)、工程b)、そしてその後、約450〜550℃の温度にされるかまたは450〜500℃の温度範囲で維持され得る(点線)。(3)で標識された領域、工程c)において、核形成は、450〜550℃の温度で起こり、そしてPにより影響を受ける。次いで、ガラス材料は、600〜700℃の範囲の温度に直接加熱され得、そしてこの温度で維持され(4)、その間に、メタケイ酸リチウムが形成される、工程d)。その後、この材料は、粉砕、ミル、またはCAD−CAM処理のために、例えば、ほぼ室温まで冷却され得(実線)、そしてその後、700〜950℃の温度にされ得るかまたは、直接700〜950℃にされ得(点線)、その温度(5)にて、第2の結晶化が起こり、二ケイ酸リチウムを形成し、そしてここでさらなる熱処理または高温処理が行なわれ得る。
【0100】
選択した出発ガラスの特定の組成に依存して、当業者が示差走査熱量測定法(DSC)およびX線回析分析法を用いて、工程(c)および(d)の適切な状態を決定し、所望の形態およびサイズのメタケイ酸リチウム結晶を有する材料を生じることが可能である。このプロセスをさらに例示するために、実施例の節の表IおよびIIとともに図2および5は、前記測定方法を用いて実施例13について、関連のデータがどのように得られたかを示し、従って、一般に入手できる。さらに、これらの分析はまた、所望でない他の結晶相の形成(例えば、高強度の二ケイ酸リチウム(disilicate)の形成、またはクリストバライトおよびリン酸リチウムの形成)を回避または制限する条件の同定を可能にする。
【0101】
工程(d)に引き続き、得られたガラスセラミックを成形することが好ましい。これは、好ましくは、工程(e)によってなされ、ここで、メタケイ酸リチウムガラスセラミックが、所望の形状、特に歯科用修復物の形状のガラスセラミック製品に機械加工される。この機械加工工程は、好ましくはトリミングまたは削合により行われる。機械加工工程がコンピューター(特に、CAD/CAMベースの削合デバイスを使用して)によって制御されることがさらに好ましい。このことは、歯科医師により、患者にいわゆるチェアサイドの処置を可能にする。
【0102】
本発明に従うガラスセラミックの特定の利点は、頑強で高強度の先行技術材料で観察される、道具の過度の摩耗を伴わない機械加工工程によって成形され得ることである。このことは、特に、本発明に従うガラスセラミックを研磨およびトリミングする容易な可能性により示される。このような研磨およびトリミング工程は、従って、非常に複雑な歯科用修復物の形状さえ有する受容可能な製品を調製するために、より少ないエネルギーとより少ない時間を必要とする。
【0103】
二ケイ酸リチウムの歯科用修復物は、多くの異なる方法で生成され得る。歯科技工士により一般に使用されるのは、CAD/CAMおよび熱圧技術である。歯科医師は、CAD/CAM法(Cerec2(登録商標)、Cerec3(登録商標))を使用して、鎖状側面の全てのセラミック二ケイ酸リチウム修復物を生成し得る。最終的な結果は常に、主要な結晶相として二ケイ酸リチウムを有する歯科用修復物である。この目的で、ブランクは本発明に従うメタケイ酸リチウムガラスセラミックであり得る。従って、本発明に従うガラスセラミックは、CAD/CAMによってかまたは熱圧によってかの両方の方法で加工され得、これは、ユーザーにとって非常に有利である。
【0104】
これらの目的のために、対応するケイ酸リチウムガラスを使用することもまた可能であり、このケイ酸リチウムガラスは、メタケイ素酸塩結晶の形成に適した核を含む。このガラスは、本発明のメタケイ酸リチウムガラスセラミックの前駆材料である。本発明はまた、このようなガラスに関する。これは、上記プロセスの工程(c)によって得られ得る。
【0105】
熱圧技術によって歯科用修復物を製造するために、メタケイ酸リチウムのための核を有するケイ酸リチウムガラスインゴットは、約700〜1200℃の熱処理に供され、粘調性の状態に変換される。熱処理は、特別な炉(EP500(登録商標)、EP600(登録商標)、Ivoclar Vivadent AG)で行われる。インゴットは、特別な外皮材料で包埋される。熱処理の間、インゴットは結晶化される。次いで、主要な結晶相は、二ケイ酸リチウムである。粘調性のガラスセラミックは、1〜4MPaの圧力下で外皮材料の空洞に流れ、所望の形状の歯科用修復物を得る。外皮鋳型を室温まで冷却した後、この二ケイ酸リチウム修復物は、サンドブラストにより剥奪され得る。フレームワークは、シンタリングまたは熱圧技術によってガラスまたはガラスセラミックでさらにコーティングされ得、自然な美観を有する最終歯科用修復物を得る。
【0106】
本発明に従うケイ酸リチウムガラスセラミックを含むインゴットは、約700〜1200℃の熱処理に供され、粘調性の状態に変換される。熱処理は、特別な炉(EP500(登録商標)、EP600(登録商標)、Ivoclar Vivadent AG)で行われる。ガラスセラミックインゴットは、特別な外皮材料で包埋される。熱処理の間、ガラスセラミックはさらに結晶化される。次いで、主要な結晶相は、二ケイ酸リチウムである。粘調性のガラスセラミックは、1〜4MPaの圧力下で外皮材料の空洞に流れ、所望の形状の歯科用修復物を得る。外皮鋳型を室温まで冷却した後、この二ケイ酸リチウム修復物は、サンドブラストにより剥奪され得る。フレームワークは、シンタリングまたは熱圧技術によってガラスまたはガラスセラミックでさらにコーティングされ得、自然な美観を有する最終歯科用修復物を得る。
【0107】
CAD/CAM技術による歯科用修復物を製造するために、約80〜150MPaの強度を有する可能な少数の結晶相として二ケイ酸リチウムを有するケイ酸リチウムまたはメタケイ酸リチウムブロックは、Crec2(登録商標)またはCrec3(登録商標)(Sirona、Germany)のようなCAMユニット中で容易に機械加工され得る。より大きな削合機械(例えば、MDCS Precimill(登録商標)(DCS、Switzerland))がまた適する。従って、このブロックは、固定されたホルダーかまた一体化されたホルダーによって、粉砕チャンバー内に配置される。歯科用修復物のCAD構築は、ソフトウェアツールと組み合せて、走査プロセスまたは光学カメラによってなされる。削合プロセスは、1ユニットについて10〜15分必要である。コピー削合ユニット(例えば、Celay(登録商標)(Celay、Switerland))がまた、ブロックを機械加工するのに適する。まず、1:1コピーの所望の修復物を硬性ワックスで製造する。次いで、このワックスモデルは機械的に走査され、1:1で機械的に粉砕ツールに移される。従って、この粉砕プロセスは、コンピューターによって制御されない。削合した歯科用修復物は、熱処理に供されて、高い強度と歯様の色を有する所望の二ケイ酸リチウムガラスセラミックを得なければならない。熱処理は、700〜900℃の範囲で約5〜30分間行われる。フレームワークは、シンタリングまたは過熱圧技術によってさらにガラスまたはガラスセラミックでコーティングされ得、自然な美観を有する最終的な歯科用修復物を得る。
【0108】
主な結晶相として二ケイ酸リチウムを有するブロックは、ガラスセラミックの高度な強度および靱性に起因するDCS precimill(登録商標)(DCS、Switzerland)のような大きな削合器中でのみ砕かれ得る。従って、このブロックを、固定された金属ホルダーにより粉砕チャンバー中に位置決めされる。歯科用修復物のCAD構築が、ソフトウェアツールと組み合わせてスキャンするプロセスによりなされる。700〜900℃の範囲のさらなる熱処理が、粉砕プロセスにより導入された表面のひびを閉じるために行われ得る。フレームワークがさらに、焼結するかまたは加熱プレス技術によりガラスでまたはガラスセラミックでさらにコーティングされ、自然の美を有する完成された歯科用修復物を得ることが出来る。
【0109】
本発明に従って、容易に機械加工可能なメタケイ酸リチウムガラスセラミックが、さらなる熱処理により二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品に変換され得ることが、さらに示されてきた。得られた二ケイ酸リチウムガラスセラミックは、高い強度のような、卓越した機械的特性のみを有するだけでなく、歯科用修復物のための材料のために必要とされる他の特性をも示す。
【0110】
従って、本発明はまた、二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品を調製するためのプロセスに関し、このプロセスは以下を含む:
(f)本発明に従うメタケイ酸リチウムガラスセラミックを第3の熱処理に供し、メタケイ酸リチウム結晶を二ケイ酸リチウム結晶に変換する工程。
【0111】
この工程(f)において、準安定性メタケイ酸リチウム結晶の二ケイ酸リチウム結晶への変換が、もたらされる。好ましくは、この第3の熱処理が、二ケイ酸リチウム結晶への完全な変換を包含し、これは好ましくは5〜30分の間700〜950℃で加熱することにより行なわれる。所定のガラスセラミックに対する適切な条件が、異なる温度でXRD分析を行なうことにより確かめられ得る。
【0112】
二ケイ酸リチウムガラスセラミックへの変換が、わずか約0.2〜0.3%の非常に小さい直線的な収縮のみを付随することがまた、見出された。この収縮は、セラミックを焼結する場合の30%までの直線的収縮に比べて、ほとんど無視できる。
【0113】
上記のようなプロセス(ここでケイ酸リチウムブランクが、少なくとも90MPaの二軸強度および少なくとも0.8MPam0.5の破壊靱性を有する)が、好まれる。
【0114】
上記の様なプロセス(ここで工程(b)の出発ガラスブランク、工程(c)のメタケイ酸リチウムを形成するのに適切な核を含むガラス製品、または工程(d)の主な結晶相としてメタケイ酸リチウムを有するケイ酸リチウムブランクが、機械加工されることにより、または熱プレスにより、所望される外形に成形されて、成形されたケイ酸リチウム製品を形成する)がまた、好まれる。
【0115】
このようなプロセス(ここで成形されたケイ酸リチウムブランクが、歯科用修復物である)が、より好まれ、そして歯科用修復物が、インレー、アンレー、ブリッジ、橋脚歯、前装、ベニア、咬合局面、歯冠、部分的な歯冠、フレームワーク、コーピングであるプロセスが、さらにより好まれる。
【0116】
上記の様な、機械加工が粉砕または削合により実施されるプロセスは、本発明のより好ましい実施形態を形成し、これにより機械加工が、コンピューターにより制御されるプロセスが、さらにより好まれる。
【0117】
上記の様であるが、成形されたケイ酸リチウム製品を、約5分〜30分の間、約700〜950℃の第3の温度で第3の熱処理に供する工程をさらに包含するプロセスは、本発明の別の局面であり、このプロセスは、第3の熱処理に供されるケイ酸リチウム製品が、主な結晶相としてメタケイ酸リチウムを含む場合、特に好まれ、そしてここで、第3の熱処理が、メタケイ酸リチウム結晶を、歯科用修復物の主な結晶相として二ケイ酸リチウム結晶に変換する。
【0118】
第3の熱処理に供されるケイ酸リチウム製品が、メタケイ酸リチウム結晶を形成するのに適切な核を含むガラス製品を含み、ここで二ケイ酸リチウム結晶が、メタケイ酸リチウム結晶を形成するのに適切な核から直接結晶化される上記の様なプロセスがまた、好まれる。
【0119】
本発明の別の好ましい実施形態は、第3の熱処理の間に起こる収縮が、体積において0.5%未満、好ましくは0.3%未満である上記の様なプロセスである。
【0120】
ケイ酸リチウム物材料を熱プレスにより所望される外形に成形し、歯科用修復物を作製する工程を包含する上記の様なプロセスがまた、本発明の目的であり、上記の様な歯科用修復物を製造するためのプロセスが好ましく、ここで、熱プレスが、ケイ酸リチウム材料を約500℃〜1200℃の温度で熱処理に供し、ケイ酸リチウム材料を粘稠性の状態に変換する工程、および約1〜4MPaの圧力下で粘稠性のケイ酸リチウム材料を鋳型または色素に加圧成形し、所望される外形を有する歯科用修復物を得る工程を包含する。
【0121】
熱処理および加圧成形に供されるケイ酸リチウム材料が、メタケイ酸リチウム結晶を含み、この結晶が、熱処理および加圧成形の間に二ケイ酸リチウム結晶に変換される上記の様なプロセスが、より好ましい。
【0122】
本発明のさらに好ましい実施形態は、ケイ酸リチウム材料の強度および破壊靱性を増大させる工程を包含する上記の様なプロセスにより形成される。
【0123】
歯科用修復物は、少なくとも250MPaの二軸強度および少なくとも1.5MPam0.5の破壊靱性を有する上記の様な歯科用修復物の製造のためのプロセスが、好ましい。
【0124】
自然な見た目になるように、歯科用修復物を仕上げる工程をさらに包含する、上記のような歯科用修復物の製造のためのプロセスが好ましい。
【0125】
仕上げる工程が、粉末材料を層状にすることによってか、または未完成の歯科用修復物上へコーティング材料を熱圧することによって、歯科用修復物にコーティングを適用する工程を包含する、上記のようなプロセスも同様に好ましい。
【0126】
第3の加熱処理が、層状材料のファイヤリング(firing)の間、または未完成の歯科用修復物上へのコーティング材料の熱圧の間に生じる、上記のようなプロセスが、なおさらに好ましい。
【0127】
従って、歯科用修復物としての使用に魅力的な、二ケイ酸リチウムセラミックを作製する、有益な機械的特性、有益な光学特性および有益な安定特性を全て有する製品が最終的に得られる。しかし、これらの特性は、CAD/CAMベースプロセスを用いて形成される場合、従来の材料の不利益(特に、削合およびトリミングツールの過度な摩耗)なしに達成される。
【0128】
従って、本発明はまた、二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品に関連する。この製品は、その調製のための上記のプロセスにより入手可能であり、そして主要結晶性相として、二ケイ酸リチウムを有する。好ましくは、本発明に従う、二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品は、歯科用修復物の形態である。二ケイ酸リチウムガラスセラミックにおいて、二ケイ酸リチウム結晶が、60〜80%のガラスセラミックの容量として形成されることが、さらに好ましい。
【0129】
本発明に従う、二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品への、リチウムメタケイ酸塩ガラスセラミックの変換は、約4つまでの因子により、驚くほど高い、強度における増加を伴う。代表的に、本発明のリチウムメタケイ酸塩ガラスセラミックは、約100MPaの強度を有し、そして変換は400MPa以上の強度(二軸強度として測定される)を有する二ケイ酸リチウムガラスセラミックを生じる。
【0130】
本発明はまた、上記のようなケイ酸リチウムブランクに関し、ここで、ホルダーは、ホルダーに接合そして結合される。
【0131】
ホルダーが、ブランクと異なる材料に由来する、上記のようなケイ酸リチウムブランクは、本発明の一つの実施形態を形成する。
【0132】
ホルダーが、合金、金属、ガラスセラミックまたはセラミックから作製される、上記のようなケイ酸リチウム材料ブランクは、本発明の好ましい実施形態を形成する。
【0133】
ホルダーが、ブランクと同じ材料から作製され、そしてブランクに不可欠である、上記のようなケイ酸リチウムブランクは、本発明の別の実施形態である。
【0134】
ブランクが、情報で標識される、上記のようなケイ酸リチウムブランクは、別の好ましい実施形態である。
【0135】
ブランク上の情報が、材料、サイズ、形状の型を含み、この形状の型は、ブランクから機械で作製される、上記のようなケイ酸リチウムブランクもまた同様に、本発明の別の好ましい実施形態である。
【0136】
本発明の別の局面は、ケイ酸リチウム修復物を製造するための方法に関し、ここで、この方法は、上記のようなケイ酸リチウムブランクを調製する工程、そしてその後、ケイ酸リチウムブランクを有する歯科用修復物をコーティングする工程を包含する。
【0137】
歯科フレームワーク上へのケイ酸リチウムブランクの熱圧により、歯科フレームワークがコーティングされる、上記のような歯科用修復物を製造する方法が、好ましい。
【0138】
歯科フレームワークが、歯冠、部分歯冠、ブリッジ、コーピング(coping)、ベニア(veneer)、前装(facing)または橋脚歯(abutment)である上記のような歯科用修復物を製造する方法がより好ましく、歯科フレームワークが金属、合金、セラミックまたはガラスセラミックから作製されるこのような方法が、なおさらに好ましい。
【0139】
セラミックが、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム混合物、酸化アルミニウム混合物、またはそれらの組み合わせを含む、上記のような歯科用修復物を製造する方法は、本発明の特に好ましい実施形態を形成する。
【0140】
フレームワーク上にコーティングされるケイ酸リチウムブランクが、二ケイ酸リチウム結晶に変換されるメタケイ酸リチウム結晶を含むか、またはケイ酸リチウムブランクが、歯科フレームワーク上へのケイ酸リチウムブランクの熱圧の間に、二ケイ酸リチウム結晶のように結晶化するメタケイ酸リチウム結晶を形成するために適切な核を含む、上記のような歯科用修復物を製造する方法は、本発明の別の好ましい目的である。
【0141】
本発明は、以下の実施例に基づいて、より詳細に説明される。
【0142】
ツールの過度の摩耗なしに、歯科用製品に機械加工することによって容易に処理され、その後に、高強度を示すケイ酸リチウム製品に転換され得る、ケイ酸リチウム材料が、記載されている。
【実施例】
【0143】
(実施例1〜18(本発明)、19〜20(比較例)および21〜23(本発明))
本発明による合計18種のメタケイ酸リチウムガラスセラミック製品、および比較のための、表IIIに化学組成が与えられる2種のセラミックを、上記プロセスの段階(a)〜(d)を実施することによって調製し、そして最後に、上記プロセスの工程(e)によって、二ケイ酸リチウムガラスセラミック製品に変換した。
【0144】
この目的で、対応する出発ガラスのサンプルを、白金−ロジウム坩堝内で、1500℃の温度で3時間の期間にわたって、融解した(a)。
【0145】
次いで、得られたガラス融解物を、300℃に予熱した鋼鉄の鋳型に注いだ。1分後、ガラスブランクを、450℃と550℃との間の温度に予熱した炉に移した。正確な値(KB T[℃]およびKB t[分])を、各サンプルについて表IIIに与える。この緩和および核形成プロセス(bおよびc)の後に、これらのブロックを室温に冷却した。核形成されたサンプルは、均一かつ透明であった。
【0146】
次いで、これらのガラスブランク(これらは、結晶化のための核を含んだ)を、工程(d)、すなわち、第二の熱処理に供して、メタケイ酸リチウムを結晶化させた。このことは、ガラスブランクが、約650℃の温度に約20分間の期間にわたって曝露されたことを意味する(実施例3を除く。実施例3は、600℃で結晶化させた)。
【0147】
結晶化の経過を、DSC測定によって調査し、そして得られた結晶相を、XRDで分析して、この熱処理のための理想的な条件を同定した。本発明の意味での「理想的な条件」とは、製造プロセスにおいて適切な区別がなされ得るような程度まで異なる、メタケイ酸塩相および二ケイ酸塩相の2つの結晶化ピークがそれぞれ存在する場合に提示される。すなわち、サンプルを第一の結晶化温度まで加熱する場合に、サンプルの内部で所望の温度に達する際に、サンプルの外側の領域での温度が第二の結晶化温度に達しないことが、確実にされなければならない。すなわち、第一の結晶化温度と第二の結晶化温度との温度差が大きいほど、サンプル質量が大きくなり得る。
【0148】
このプロセスをさらに説明するために、図2は、10K/分の加熱割合で加熱された、クエンチおよび粉末化されたガラスサンプルの実施例の1つ(実施例13)のDSCプロットを示す。メタケイ酸リチウムの結晶化(1)、二ケイ酸リチウムの結晶化(2)、ならびに第一の結晶化についてのガラス転移温度(3)および温度範囲(4)が、このDSCプロットからはっきりと見える。
【0149】
また、同じ実施例13からの、高温XRDによる相の発生の分析についての例が与えられる。従って、図3は、2K/分の一定の加熱割合でのバルクガラスサンプルの測定を示す。この測定から、この場合、メタケイ酸リチウムの結晶化(1)が510℃の温度で起こること、ならびにこの場合、メタケイ酸リチウムの分解および二ケイ酸リチウムの結晶化(2)が730℃の温度で起こるが認識され得る。
【0150】
図4は、500℃で7分間の核形成および650℃で20分間の第一の化粧化の後の、実施例13のXRDによる相分析を表す。
【0151】
対応するデータが、表Iに要約される。
【0152】
【表1】


図5は、1%HFで8秒間エッチングされた表面を有する、同じ熱履歴を有する同じ実施例の、後方散乱電子のSEM顕微鏡写真を示す。はっきりと穴が見え、これは、前者のメタケイ酸リチウム結晶を示す。
【0153】
得られたブロックは、ここで、工程(e)(これは、メタケイ酸リチウムガラスセラミックを、鋸切断によって、またはCAD−CAM粉砕機(すなわち、CEREC 3(登録商標))において粉砕することによってのいずれかで、所望の形状に形成することを意味する)のための準備ができていた。得られたメタケイ酸リチウムガラスセラミックブランクを、それらの機械加工性およびそれらのエッジ強度について分析した。二軸強度測定のために、10枚のディスクを、12mmの直径を有する棒から切り取った。これらの分析の結果が、表IVに与えられる。さらに10枚のディスクを調製し、そして第三の熱処理(f)に供した。
【0154】
ブランクが有色酸化物および蛍光性酸化物を含有する場合、メタケイ酸塩の状態にあるブロックは、赤味がかった色または青味がかった色を有するようである。この効果は、二ケイ酸塩相が形成される場合に消え、そしてこのブランクは、所望の色に変化する。
【0155】
最後に、メタケイ酸リチウムガラスセラミックブランクを、第二の結晶化(工程(f))(すなわち、一般に、700〜950℃で、好ましくは、820℃〜880℃の温度で、そして5〜30分間、好ましくは5〜20分間の期間にわたって実施される、第三の熱処理)に、850℃で10分間供し(830℃で結晶化した実施例3を除く)、メタケイ酸リチウムを二ケイ酸リチウムに変換した。
【0156】
得られた製品を、それらの結晶相について分析した。さらなる説明のために、実施例13についての相分析の手順(500℃で7分間の核形成の後に、650℃で20分間の第一の結晶化、および850℃で10分間の結晶化)が、図6に示される。対応するデータは、表IIに要約される。
【0157】
【表2】


図7は、3%HFで30秒間エッチングされてガラス様の相がエッチングで除去され、そして二ケイ酸リチウム結晶が残った表面を有する、同じ熱履歴を有する同じ実施例の、後方散乱電子のSEM顕微鏡写真を示す。
【0158】
結晶相に関する分析に加えて、これらのサンプルを、それらの二軸の強度および化学的耐久性についても分析した。さらに、それらの半透明性を評価した。これらの結果もまた、表IV中に示す。
【0159】
表IVにおいて、検出された結晶相を、以下のように命名する:
LS−メタケイ酸リチウム
LS2−二ケイ酸リチウム
LP−リン酸リチウム
(主要相に太字で印をつけた)。
【0160】
機械加工性についての情報を得るために、Cerec(登録商標)3について試験を実施し、各試験について新たな器具を使用した。「Lego(登録商標)−Minicube」は、この試験に供された全ての組成物から、そしてIvoclar Vivadent AG製の名称ProCAD(登録商標)の白榴石実施(enforced)ガラスセラミックから、削合されなければならないモデルとして作用した。操作順序は、以下の通りであった:第一に、ProCAD(登録商標)のブランクを削合し、次いで、試験されるべきセラミックのブランクを削合し、その後再び、ProCAD(登録商標)のブランクを削合した。試験されるべきセラミックのブランクを削合するのに必要な時間が、ProCAD(登録商標)のブランクを削合するのに必要な時間の95%を下回る場合に、機械加工性を、「非常に良好」とした。この時間の95%〜105%の範囲の時間を、機械加工性について「良好」と採点し、105〜115%の範囲内の時間を「受容可能」と採点し、そして115%を上回る時間を、「乏しい」と採点した。削合プロセスに必要な中間の時間は、14.0分であった。
【0161】
別のガラスセラミックと、試験サンプルの機械加工性を比較するために、DE 197 50 794に開示された組成に従って作製されたブランクを調製し、そして上記の試験に供した。削合されるべき容積の約10%だけが既に削合され、そして削合のために使用される器具が既に磨耗したので(これは、試験サンプルのいずれにおいても生じないものである)、15分後、試験を中断した。
【0162】
エッジ強度を、以下のように決定した:
削合ユニット(CEREC3(登録商標))を用いて、ブランクを削合して、Lego−minicubeを得た。1.6mmの円筒状ダイアモンドカッターを用いて、めくら穴を削合した。このめくら穴の品質を、参照サンプル(ProCAD(登録商標))のものと、壊れたエッジの面積を比較することによって決定した。めくら穴(bore)の面積に対する、壊れたエッジの面積の関係は、エッジ強度についての割り当てである。
【0163】
エッジ強度は、この面積の関係が参照のものより小さい場合、「非常に良好」とみなされ、そしてこの関係が、ほぼ同じである場合、「良好」とみなされ、そしてこの面積が、参照サンプルの110%より大きい場合、「受容可能」とみなされる。
【0164】
化学的耐久性を、ISO 6872に従って(すなわち、80℃にて4%の酢酸中での16時間後の、質量の喪失として)、決定した。「良好」とは、この方法に従う可溶性が、100μg/cmを下回ることを意味する。
【0165】
強度を、ISO 6872に従って二軸の強度として、またはEN 843−1に従って3点の曲げ強度として、測定した。
【0166】
直径12mmの棒を鋳造し、そして一回結晶化した。これらの棒から、各々1.2mmの厚さを有する20枚のディスクを切り出した。次いで、これらのディスクのうち10枚を平滑にし、そしてディスクの表面を、粒子サイズ1000のSiC紙を使用して研磨した。二軸強度を、ISO 6872に開示されるように測定した。他の10枚のディスクを、800℃〜900℃で2回目の結晶化を行い、二ケイ酸リチウム相を得た。これらの凝固したサンプルの両方の側面を平滑にし、そして表面を、粒子サイズ1000のSiC紙を使用して研磨した。次いで、二軸強度を、ISO 6872に従って測定した。
【0167】
比較によって、メタケイ酸リチウムガラスセラミックのブロックから切り出した25×3.5×3.0mmの寸法を有する棒で曲げ強度を測定した。これらの棒を平滑にして、25×2.5×2.0mmの寸法を有する棒を得、次いでこれを、粒子サイズ1000のSiC紙を使用して研磨した。これらのエッジもまた、粒子サイズ1000のSiC紙を使用して面取りした。スパンは20mmであった。これらの結果は、二軸強度結果に匹敵する。
【0168】
このことに加えて、破壊靱性を、研磨した表面上にビッカース圧入を適用し、そして傷のサイズをエッジから測定することによって(圧入力法...IF)、決定した。この方法は、比較方法として有用であるが、絶対値を生じない。比較のために、測定を、切欠きした曲げサンプルに対して実施した(SENB、SEVNB)。二ケイ酸リチウムガラスセラミックについて、2MPam0.5より大きい破壊靱性値が得られた。
【0169】
表IIにおいて、二ケイ酸相を有するサンプル(すなわち、2回結晶化されたサンプル)の二軸強度および破壊靱性についての値を与える。それに加えて、指数が与えられ、これは、メタシリケート系の二軸強度に対するジシリケート系の二軸強度の比(二軸凝固因子)またはメタシリケート系の破壊靱性に対するジシリケート系の破壊靱性の比(凝固因子K1C)を与える。
【0170】
半透明性を、2回目の結晶化後に決定した:16mmの直径で2mmの厚さを有する試験片を調製し、そして両方の側面を研磨した。コントラスト値(CR)を、スペクトル比色計(Minolta Cm−3700d)を使用して、BS 5612(英国標準)に従って決定した。コントラスト値の決定は、2つの単一の測定からなった。従って、分析されるべき試験片は、最大4%の反射を有する黒色セラミック体の前、その結果、最小で86%の反射を有する白色セラミック体の前に配置され、次いで、比色分析的に決定される。高度に透明な試験片を使用すると、反射/吸収は、主にセラミックバックグラウンドによって引き起こされ、一方で反射は、不透明材料が使用される場合に、試験片によって引き起こされる。白色の地で反射された光に対する、黒色の地で反射された光の比は、コントラスト値について定量であり、総半透明性は、0のコントラスト値をもたらし、そして総不透明性は、1のコントラスト値をもたらす。サンプルを、以下のように評価した:非凡: CR<0.4
非常に良好: 0.4<CR<0.5
良好: 0.5<CR<0.6
受容可能: 0.6<CR<0.8
不透明: 0.8<CR。
【0171】
【表3−1】

【0172】
【表3−2】

【0173】
【表4−1】

【0174】
【表4−2】


表IIにおけるデータは、メタケイ酸リチウムガラスセラミックは、非常に良好な機械加工性とエッジの高強度とを容易に組み合わせて、簡単な熱処理によって、非常に高い歪み強度ならびに優れた化学材料耐久性および良好な半透明性を有する二ケイ酸リチウムガラスセラミックへとそれらを変換し、これら全ての特性は、それらを歯科用修復物の製造において有用な材料として非常に魅力的にすることを示す。
【0175】
以下に幾つかの実施例をより詳細に記載する:
(実施例1:)
ガラスを1500℃の温度で3時間溶融し、次いで、300℃に予熱した鉄製鋳型に注いだ。1分後、ガラス棒を、冷却炉に移し、500℃で10分間焼き戻し、次いで、室温まで冷却した。
【0176】
ガラスは、均質で透明であった。
【0177】
続いて、ガラス棒を650℃で20分間の期間にわたる第1の結晶化に供した。
【0178】
このようなセラミック化棒から、円板を丸棒から切り出し、二軸強度を測定した。相内容物をXRD(X線回折)により分析した。メタケイ酸リチウムは、検出した唯一の相であった。二軸強度は、119+/−25MPaであった。
【0179】
また、試験体の摩砕時間を測定した。試験体の摩砕時間は、ProCAD(登録商標)(これは、参照として使用した)より1分下回った。
【0180】
エッジ強度は、良好であった。
【0181】
さらに10個の円板を、850℃で10分間の期間の第2の結晶化に供し、二軸強度および破砕靭性を測定した。
【0182】
二軸強度は、359+/−117MPaであり、これは、3.0の固化係数に相関する。
【0183】
破砕靭性(IF)は、1.6MPam0.5であった。
【0184】
半透明性は非常に良好であった。
【0185】
ISO6872(4%酢酸、80℃、16時間)による化学的安定性は、37μg/cmであった。
【0186】
(実施例6)
ガラス棒を実施例1に従って作製した。ガラスは再び均質で透明であった。
【0187】
第1の結晶化を650℃で20分間の期間で実施した。
【0188】
メタケイ酸リチウムが、そこにまた存在する二ケイ酸リチウムの痕跡を有する主要相であることを決定した。二軸強度は、135+/−24MPaであった。
【0189】
再び、試験体の摩砕時間を測定した。試験体の摩砕時間は、ProCAD(登録商標)(これは、参照として再び使用した)より1分下回った。
【0190】
エッジ強度は、非常に良好であった。
【0191】
実施例1に従って実施した第2の結晶化後、二軸強度は、472+/−85MPaであり、これは、3.5の固化係数に相関する。
【0192】
破砕靭性(IF)は、2.3MPam0.5であった。
【0193】
半透明性は、並外れたものであった。
【0194】
(実施例9:)
ガラス棒を実施例1に従って作製した。ガラスは再び均質で透明であった。
【0195】
第1の結晶化を650℃で20分間の期間で実施した。
【0196】
メタケイ酸リチウムが、唯一の相であることを決定した。二軸強度は、112+/−13MPaであった。
【0197】
再び、試験体の摩砕時間を測定した。試験体の摩砕時間は、ProCAD(登録商標)(これは、参照として再び使用した)より1分下回った。
【0198】
エッジ強度は、良好であった。
【0199】
実施例1に従って実施した第2の結晶化後、二軸強度は、356+/−96MPaであり、これは、3.16の固化係数に相関する。
【0200】
破砕靭性(IF)は、1.9MPam0.5であった。
【0201】
半透明性は、受容可能であった。
【0202】
(実施例20(比較例):)
ガラス棒を実施例1に従って作製した。ガラスは再び均質で透明であった。
【0203】
第1の結晶化を650℃で20分間の期間で実施した。
【0204】
二ケイ酸リチウムは、主要相として決定され、そしてメタケイ酸リチウムのみが痕跡量で存在した。二軸強度は、194+/−35MPaであった。
【0205】
再び、試験体の削合時間を測定した。試験体の削合時間は、ProCAD(登録商標)の削合時間(これを、再び参照として使用した)よりも4分長かった。
【0206】
エッジ強度は、乏しかった。
【0207】
実施例1に従って実施された第2の結晶化の後に、二軸強度は、405+/−80MPaであり、これは、2.09の凝固因子と相関する。
【0208】
破壊靱性(IF)は、1.88MPam0.5であった。
【0209】
半透明性は、非常に良好であった。
【0210】
この実施例は、本発明に従うガラスセラミック材料を考慮すると、従来技術の材料の機械加工性に関する有害な特性が、上記されるように、適用において従来技術の使用される材料を不適格にすることをさらにより明らかにする。
【0211】
以下の実施例21〜23は、メタケイ酸リチウムの形成、引き続く二ケイ酸リチウムガラスセラミックの形成のために適切な核を含む、本発明に従うケイ酸リチウムガラスの有用性を示す。
【0212】
(実施例21)
実施例14に従う組成を有するガラス融解物は、3時間、1500℃の温度で、白金るつぼにおいて融解された。ガラスは、鋼鋳型に注がれず、水でクエンチされた。このように、ガラス顆粒物が形成され、これは、乾燥され、続いて、500℃まで30分間加熱されて、メタケイ酸リチウム結晶の形成に適切な核を生成した。得られたガラスを、45μm未満の粒子サイズに削合した。
【0213】
得られた粉末を、95%より多い水および成形性を改善するための添加剤からなるモデリング液体と混合し、そして高密度に焼結された酸化ジルコニウム(例えば、DCS−ジルコン)のクラウンカップ上に積み重ねた。
【0214】
クラウンカップを、900℃の温度で、2分間の保持時間で、歯科用炉において火にかけた。この手順によって、結晶化のための核を含む、適用されるガラス粉末を同時に結晶化し、そして高密度に焼結し、その結果、二ケイ酸リチウムガラスセラミックの象牙質コアが生じた。このコア上に、適切な膨張率を有する適切な切縁質量(incisal mass)を適用した。
【0215】
最終の前歯リスタレーション(restauration)は、160℃までの迅速な温度変化に対する良好な抵抗性を示した。これは、二ケイ酸リチウムガラスセラミックの象牙質層と高強度酸化ジルコニウムのフレームワークとの間の良好な結合を証明する。
【0216】
(実施例22)
実施例14に従う組成を有するガラスの棒を、実施例1と同様な様式で調製した。ガラス棒は、均質で、透明であり、淡黄色に色づいた。高密度に焼結された酸化ジルコニウムのクラウンカップを、循環的に減少させた。引き続いて、象牙質コアを、歯科用ワックスと積み重ね、そしてクラウンの縁を、スタンプ上に成型した。リスタレーションは、キャストオン(cast−on)チャネルを提供した。クラウンカップを、マッフルベース上に適用し、そしてインベストメント材料(Empress Speed,Ivoclar)に埋め込んだ。必要とされる結合時間の後に、マッフルを850℃に予熱し、ワックスの除去を生じた。90分後、メタケイ酸リチウムを形成するための核を有する上記ケイ酸リチウムガラスのブランクをマッフルの中に入れ、900℃の公知のEmpress−hot加圧プロセスに従って、酸化ジルコニウムのカップに加圧した。これは、ガラスブランクの二ケイ酸リチウムガラスセラミックへの結晶化を生じた。
【0217】
剥奪(divesting)後、最終製品は、二ケイ酸リチウムガラスセラミックの象牙質層を有する酸化ジルコニウムカップであった。この象牙質修復は、モデルに対する環状エッジの優れた適合性を示した。さらに、このように調製した象牙質層は、多孔性ではなかった。
【0218】
(実施例23)
12.8*10−6 1/Kの膨張率および1100℃の凝固温度を有する合金の金属カップを、鋳造プロセスで調製し、サンドブラストし、そして酸化燃焼(oxidation−firing)工程によって、さらなる処理のために調製した。
【0219】
実施例22と類似の様式で、象牙質コアを、モデリングワックスを使用して、カップ上に適用した。金属カップを埋込み、そして炉で燃焼することによってワックスを除去した。実施例22のように、適切な核を有するケイ酸リチウムガラスのブランクを、900℃で金属カップにホットプレスした。
【0220】
このように調製した歯科用修復物は、金属フレームワークと二ケイ酸リチウムガラスセラミックとの間に良好な結合を示し、そしてまた、160℃より高い強烈な温度変化に対して高い抵抗性を有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ酸リチウムガラスセラミック材料であって、以下の成分:
成分 重量%
SiO 64.0〜73.0
LiO 13.0〜17.0
O 2.0〜5.0
Al 0.5〜5.0
核形成剤 2.0〜5.0
を含有し、かつ主結晶相としてメタケイ酸リチウムを含有する、ケイ酸リチウムガラスセラミック材料。
【請求項2】
請求項1に記載のケイ酸リチウム材料であって、互いに独立して、以下のさらなる成分:
成分 重量%
ZnO 0.5〜6.0
NaO 0〜2.0
MeIIO 0〜7.0
ZrO 0〜2.0
有色金属酸化物および蛍光金属酸化物 0〜7.5
をさらに含有し、MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群より選択される1種以上のメンバーである、
ケイ酸リチウム材料。
【請求項3】
2.0〜6.0重量%のZnOを含有する、請求項2に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項4】
0.0〜5.0重量%のMeIIOを含有する、請求項2または3に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料であって、互いに独立して、以下の成分:
成分 重量%
SiO 65.0〜70.0
LiO 14.0〜16.0
O 2.0〜5.0
Al 1.0〜5.0
核形成剤 2.0〜5.0
ZnO 2.0〜6.0
NaO 0.1〜2.0
MeIIO 0.1〜7.0
ZrO 0.1〜2.0
有色金属酸化物および蛍光金属酸化物 0.5〜3.5
を含有し、
MeIIOは、CaO、BaO、SrOおよびMgOからなる群より選択される1種以上のメンバーである、
ケイ酸リチウム材料。
【請求項6】
0.1〜5.0重量%のMeIIOを含有する、請求項5に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項7】
1種以上の前記有色金属酸化物および前記蛍光金属酸化物の金属は、Ta、Tb、Y、La、Er、Pr、Ce、Ti、V、FeおよびMnからなる群より選択される、請求項5または6に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項8】
67.0重量%〜70.0重量%のSiOを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項9】
前記メタケイ酸リチウムは、前記ケイ酸リチウム材料の20容積%〜50容積%を形成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項10】
前記メタケイ酸リチウムは、前記ケイ酸リチウム材料の30容積%〜40容積%を形成する、請求項9に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項11】
前記核形成剤がPである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項12】
前記メタケイ酸リチウム結晶は、層状形態または血小板形態の結晶である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項13】
ブランクの形態である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項14】
歯科用修復物の形態である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項15】
前記歯科用修復物は、インレー、アンレー、ブリッジ、橋脚歯、前装、ベニア、咬合局面、歯冠、部分的歯冠、フレームワークまたはコーピングである、請求項14に記載のケイ酸リチウム材料。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のケイ酸リチウム材料が使用される、歯科用修復物を製造するためのプロセス。
【請求項17】
前記歯科用修復物が主結晶相として二ケイ酸リチウムを含有する、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
ケイ酸リチウムガラスであって、以下の成分:
成分 重量%
SiO 64.0〜73.0
LiO 13.0〜17.0
O 2.0〜5.0
Al 0.5〜5.0
2.0〜5.0
を含有し、かつメタケイ酸リチウム結晶の形成に適切な核を含む、ケイ酸リチウムガラス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−168278(P2010−168278A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43535(P2010−43535)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【分割の表示】特願2004−231738(P2004−231738)の分割
【原出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(501151539)イフォクレール ヴィヴァデント アクチェンゲゼルシャフト (54)
【氏名又は名称原語表記】Ivoclar Vivadent AG
【住所又は居所原語表記】Bendererstr.2 FL−9494 Schaan Liechtenstein
【Fターム(参考)】