説明

ケラチン繊維用着色剤

本発明は、酸化染料前駆体及び/又は直接染料に基づくケラチン繊維の着色用の薬剤に関し、この薬剤は、(i)少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体、並びに(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレート及び/又はポリアクリレート−13を好適な化粧用キャリア中に含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接染料及び/又は酸化染料に基づいた、ケラチン繊維、特に人間の毛髪の着色用の薬剤に関し、この薬剤は、少なくとも1つのカチオン性ヒドロキシエチルセルロース及び少なくとも1つのアクリル酸ホモポリマー又はコポリマーの混合物を含有する。
【背景技術】
【0002】
着色用製剤は、一般的には水性(好ましくは濃厚化溶液)又はエマルションの形状で入手可能であり、染料に加え、例えば脂肪族アルコール及び/若しくは他の油成分、乳化剤、及び界面活性剤、又は所望であればアルコールを含有する。酸化染料は、一般に(i)染料を含有する染料キャリア、及び(ii)酸化製剤の2成分からなり、これらは使用直前に混合され、次いで着色される毛髪に塗布される。コンディショニング工程は酸化染料の濯ぎ後であることが望ましい。コンディショニング原材料を加える際にはいつも、大体において非常に顕著なコンディショニング効果が得られるが、続いてコンディショニング剤を塗布することに代えることはできない。2成分の粘性及び混合比率によって、混合の際に高粘度又は低粘度にすることができるであろう。したがって、着色剤の良好な付着は、高粘度を有する着色剤によって特に良好に達成される。さらに、例えば、特にハイライト技術及びローライト技術又はフォイル技術において、並びにカラーブラシ又はアクセントブラシを用いたスポットトリートメントを施すのを可能とするために、美容師は仕事に使用する材料が高粘度であることがしばしば必要となる。
【0003】
毛髪染料にカチオン性ヒドロキシエチルセルロースを使用することは周知である。しかしながら、その粘度及び毛髪に対する付着に関して、かかる薬剤のコンディショニング特性及び着色特性は全ての点において満足のいくものではない。酸化染料の粘度は、従来技術に使用されるセルロース誘導体によってわずかに上昇するのみであり、不満足なコンディショニング効果のみを有するであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、染料キャリアの濃厚化用の安価な材料に対して著しい必要性があり、これは、染料キャリアと酸化剤とを良く混和させ、良好な接着特性及び着色特性を有する着色剤を提供し、さらには、従来技術の薬剤と比較して向上したコンディショニング特性を示すであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来使用されている増粘剤における上述の不利益は、少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体及び特定のアクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー(CAS番号:26100−47−0)及び/又はポリアクリレート−13(アクリル酸及び2−メチル−2〔(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ〕−1−プロパンスルホン酸一ナトリウム塩、及び2−プロペンアミド及び2−プロペン酸ナトリウムからのコポリマー;CAS番号:15728−72−8)の組み合わせの使用を通して優れた様式を実現することができ、同時に、優秀なコンディショニング並びに良好な粘度向上性も達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
したがって、本発明の目的は、酸化染料及び/又は直接染料(直接染料とは、酸化剤の添加又は空気による酸化における結合をせずに繊維を染色することができる染料を意味する)に基づいた、ケラチン繊維、特に人間の毛髪の着色用の薬剤であって、この薬剤は、(i)少なくとも1つのカチオン性ヒドロキシエチルセルロース誘導体、並びに(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又びポリアクリレート−13の組み合わせを、好適な化粧用キャリアに含有する。
【0007】
カチオン性セルロース誘導体は、総量において好ましくは約0.01〜20重量%、特に0.1〜5重量%(活性物質を基にして計算される)で本発明の着色剤に含有される。
【0008】
アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13は、総量において好ましくは約0.01〜20重量%、特に0.1〜5重量%(活性物質を基にして計算される)で本発明の着色剤に含有される。
【0009】
カチオン性セルロース誘導体において、ヒドロキシエチルセルロース(ポリクアテルニウム−10)は、例えば、商標名セルクワット(Celquat)SC−240C(ナショナルスターチ(National Starch)社)、リタポリクアータ(Rita Polyquata)400(リタ(Rita)社)、又はユーケアポリマー(Ucare Polymer)JR型(アマコール(Amerchol)社)として供給されるもの等が特に好適である。
【0010】
アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマーは、例えば、セピック(Seppic)社からセピプラス(Sepiplus)265の商標名で供給され、ポリアクリレート−13は、例えば、商標名セピプラス(Sepiplus)400(セピック(Seppic)社)として供給されている。
【0011】
本発明の着色剤は、好ましくは酸化染料前駆体を含有し、それを通して、着色剤は、例えば過酸化水素のような酸化剤の反応によるか、又は大気中の酸素(好適な酵素系の付加が必要である場合)の存在下で製造される。
【0012】
好適な酸化染料前駆体である顕色剤物質及びカップラー物質並びに自己カップリング化合物として挙げることができる例は、以下である:
(i)顕色剤物質:1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,4−ジアミノ−2−メチルベンゼン(p−トルエンジアミン)、1,4−ジアミノ−2,6−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−3,5−ジエチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジメチルベンゼン、2−クロロー1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(チオフェン−2−イル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(チオフェン−3−イル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(ピリジン−3−イル)ベンゼン、2,5−ジアミノビフェニル、1,4−ジアミノ−2−メトキシメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2−アミノメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2−ヒドロキシメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2−(2−(アセチルアミノ)−エトキシ)−1,4−ジアミノベンゼン、4−フェニルアミノアニリン、4−ジメチルアミノアニリン、4−ジエチルアミノアニリン、4−ジプロピルアミノアニリン、4−〔エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、4−〔ジー(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、4−〔ジ−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−メチルアニリン、4−〔(2−メトキシエチル)アミノ〕アニリン、4−〔(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン、4−〔(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン、1,4ージアミノ−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス−〔(4−アミノフェニル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−プロパノール、1,4−ビス−〔(4−アミノフェニル)アミノ〕ブタン、1,8−ビス−(2,5−ジアミノフェノキシ)−3,6−ジオキサオクタン、4−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−3−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−3−フルオロフェノール、4−メチルアミノフェノール、4−アミノ−2−(アミノメチル)フェノール、4−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−フルオロフェノール、4−アミノ−2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−メチルフェノール、4−アミノ−2−メチルフェノール、4−アミノ−2−(メトキシメチル)フェノール、4−アミノ−2−(2−ヒドロキシエチル)フェノール、5−アミノサリチル酸、2,5−ジアミノピリジン、2,4,5,6−テトラアミノ−ピリミジン、2,5,6−トリアミノ−4−(1H)−ピリミドン、4,5−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−(1−メチルエチル)−1H−ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1H−ピラゾール、1−〔(4−クロロフェニル)メチル〕−4,5−ジアミノ−1H−ピラゾール、4,5−ジアミノ−1−メチル−1H−ピラゾール、2−アミノフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−5−メチルフェノール、単体又は各々の混合物。
【0013】
(ii)カップラー物質:N−(3−ジメチルアミノフェニル)尿素、2,6−ジアミノピリジン、2−アミノ−4−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニソール、2,4−ジアミノ−1−フルオロ−5−メチルベンゼン、2,4−ジアミノ−1−メトキシ−5−メチルベンゼン、2,4−ジアミノ−1−エトキシ−5−メチルベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メチルベンゼン、2,4−ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−1,5−ジメトキシベンゼン、2,3−ジアミノ−6−メトキシピリジン、3−アミノ−メトキシ−2−(メチルアミノ)ピリジン、2,6−ジアミノ−3,5−ジメトキシピリジン、3,5−ジアミノ−2,6−ジメトキシピリジン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ベンゼン、2,4−ジアミノ−1,5−ジ−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、1−(2−アミノエトキシ)−2,4−ジアミノベンゼン、2−アミノ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−メチルアミノベンゼン、2,4−ジアミノフェノキシ酢酸、3−〔ジ−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−アニリン、4−アミノ−2−ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−1−エトキシベンゼン、5−メチル−2−(1−メチルエチル)フェノール、3−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、3−〔(2−アミノエチル)−アミノ〕アニリン、1,3−ジ−(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、ジ−(2,4−ジアミノフェノキシ)メタン、1,3−ジアミノ−2,4−ジメトキシベンゼン、2,6−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノトルエン、4−ヒドロキシ−インドール、3−ジメチルアミノフェノール、3−ジエチルアミノフェノール、5−アミノ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−フルオロ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−メトキシ−2−メチルフェノール、5−アミノ−4−エトキシ−2−メチルフェノール、3−アミノ−2,4−ジクロロフェノール、5−アミノ−2,4−ジクロロフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノ−2−クロロ−6−メチルフェノール、3−アミノフェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、2−メチル−5−(β−ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、5−アミノ−2−エチルフェノール、2−〔(3−ヒドロキシフェニル)アミノ〕アセトアミド、5−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−4−メトキシ−2−メチルフェノール、5−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−メチルフェノール、3−〔2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−フェノール、3−〔(2−メトキシエチル)アミノ〕フェノール、5−アミノ−2−エチルフェノール、5−アミノ−2−メトキシフェノール、2−(4−アミノ−2−ヒドロキシフェノキシ)エタノール、5−〔(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕−2−メチルフェノール、3−〔(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−2−メチルフェノール、3−〔(2−ヒドロキシエチル)−アミノ〕−2−メチルフェノール、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、5−アミノ−4−クロロ−2−メチルフェノール、1−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、1,5−ジヒドロキシ−ナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシ−ナフタレン、2−メチル−1−酢酸ナフトール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1−クロロ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、2−クロロ−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジクロロ−3,5−ジヒドロキシ−4−メチルベンゼン、1,5−ジクロロ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、3,4−メチレンジオキシフェノール、3,4−メチレンジオキシアニリン、5−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−1,3−ベンゾジオキソール、6−ブロモ−1−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンゼン、3,4−ジアミノ安息香酸、3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−1,4(2H)−ベンゾオキサジン、6−アミノ−3,4−ジヒドロ−1,4(2H)−ベンゾオキサジン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、5,6−ジヒドロキシインドール、5,6−ジヒドロキシインドリン、5−ヒドロキシインドール、6−ヒドロキシインドール、7−ヒドロキシインドール、2,3−インドリンジオン、単体又は各々の混合物。
【0014】
(iii)自己カップリング化合物:2−アミノ−5−メチルフェノール、2−アミノ−6−メチルフェノール、2−アミノ−5−エトキシフェノール、又は2−プロピルアミノ−5−アミノピリジン。
【0015】
酸化染料前駆体の総量は、本発明の薬剤中に、約12重量%まで、特に約0.2重量%〜6重量%で含有される。
【0016】
さらに、特定の色合いを得るために、例えば、ヘナ又はインディゴのような植物色素、トリフェニルメタン染料、芳香族ニトロ染料、アゾ染料、キノン染料、カチオン性染料(塩基性染料)又はアニオン性染料(酸性染料)等の従来の天然及び/又は合成の直接染料を着色剤にさらに含有させることが可能である。
【0017】
使用することができる好適な直接染料の例としては、以下が挙げられる:
1,4−ビス−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン、1−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ニトロ−4−〔ジ−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕ベンゼン(HCブルー2号)、1−アミノ−3−メチル−4−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−6−ニトロベンゼン(HCバイオレット1号)、4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ〕−1−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン塩酸塩(HCブルー12号)、4−〔ジ−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−1−〔(2−メトキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCブルー11号)、1−〔(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−4−〔メチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCブルー10号)1−〔(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン塩酸塩(HCブルー9号)、1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−4−〔ジ−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCバイオレット2号)、1−メチルアミノ−4−〔メチル−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCブルー6号)、2−((4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ)−5−ジメチルアミノ安息香酸(HCブルー13号)、1−アミノ−4−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCレッド7号)、2−アミノ−4,6−ジニトロフェノール、4−アミノ−2−ニトロジフェニルアミン(HCレッド1号)、1−アミノ−4−〔ジ−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン塩酸塩(HCレッド13号)、1−アミノ−5−クロロ−4−〔(2−ヒドロキシエチル)−アミノ〕−2−ニトロベンゼン、4−アミノ−1−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCレッド3号)、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−3−ニトロフェノール、1−〔(2−アミノエチル)−アミノ〕−4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ニトロベンゼン(HCオレンジ2号)、4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−1−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCオレンジ3号)、1−アミノ−5−クロロ−4−〔(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCレッド10号)、5−クロロ−1,4−〔ジ−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCレッド11号)、2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−4,6−ジニトロフェノール、4−エチルアミノ−3−ニトロ安息香酸、2−〔(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ〕安息香酸、2−クロロ−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、4−〔(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕−3−ニトロフェノール、2,5−ジアミノ−6−ニトロピリジン、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ニトロキノザリン、7−アミノ−3,4−ジヒドロ−6−ニトロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン(HCレッド14号)、1−アミノ−2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−5−ニトロベンゼン(HCイエロー5号)、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−5−ニトロベンゼン(HCイエロー4号)、1−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ニトロベンゼン(HCイエロー2号)、2−〔(2−ヒドロキシ−エチル)アミノ〕−1−メトキシ−5−ニトロベンゼン、2−アミノ−3−ニトロフェノール、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン、2,3−(ジヒドロキシプロポキシ)−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン、2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−5−ニトロフェノール(HCイエロー11号)、3−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−1−メトキシ−4−ニトロベンゼン塩酸塩(HCイエロー9号)、1−〔(2−ウレイドエチル)アミノ〕−4−ニトロベンゼン、4−〔(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−3−ニトロ−1−トリフルオロメチルベンゼン(HCイエロー6号)、1−クロロ−2,4−ビス−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−5−ニトロベンゼン(HCイエロー10号)、4−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−3−ニトロ−1−メチルベンゼン、1−クロロ−4−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−3−ニトロベンゼン(HCイエロー12号)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−1−トリフルオロメチルベンゼン(HCイエロー13号)、4−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−3−ニトロベンゾニトリル(HCイエロー14号)、4−〔(2−ヒドロキシエチル)−アミノ〕−3−ニトロベンズアミド(HCイエロー15号)、1,4−ジ−〔(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ〕−9,10−アントラキノン、1−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−4−メチルアミノ−9,10−アントラキノン(CI61505、ディスパースブルー3号)、2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕−9,10−アントラキノン(HCオレンジ5号)、1−ヒドロキシ−4−〔(4−メチル−2−スルホフェニル)アミノ〕−9,10−アントラキノン、1−〔(3−アミノプロピル)アミノ〕−4−メチルアミノ−9,10−アントラキノン(HCブルー8号)、1−〔(3−アミノプロピル)アミノ〕−9,10−アントラキノン(HCレッド8号)、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−9,10−アントラキノン(CI62015、ディスパースレッド11号、ソルベントバイオレット26号)、1,4−ジヒドロキシ−5,8−ビス−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−9,10−アントラキノン(CI62500、ディスパースブルー7号、ソルベントブルー69号)、9−(ジメチルアミノ)ベンゾ〔ア〕フェノキサジン−7−イウムクロライド(CI51175;ベーシックブルー6号)、リン酸中の1−((4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)−(2,6−ジクロロフェニル)−メチレン)−3,5−ジメチル−4−イミノ−2,5−シクロヘキサジエン(1:1)(ベーシックブルー77)、ジ−〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕〔4−(エチルアミノ)ナフチル〕カルベニウムクロライド(CI42595;ベーシックブルー7号)、3,7−ジ−(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イニウムクロライド(CI52015;ベーシックブルー9号)、ジ−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕〔4−(フェニルアミノ)ナフチル〕−カルベニウムクロライド(CI44045;ベーシックブルー26号)、2−〔(4−(エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−フェニル)アゾ〕−6−メトキシ−3−メチルベンゾチアゾリウム硫酸メチル(CI11154;ベーシックブルー41号)、8−アミノ−2−ブロモ−5−ヒドロキシ−4−イミノ−6−〔(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アミノ〕−1(4H)ナフタレノンクロライド(CI56059;ベーシックブルー99号)、ビス−〔4−(ジメチルアミノ)−フェニル〕〔4−(メチルアミノ)フェニル〕カルベニウムクロライド(CI42535;ベーシックバイオレット1号)、トリス−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕カルベニウムクロライド(CI42555;ベーシックバイオレット3号)、2−〔3,6−(ジエチルアミノ)ジベンゾピラニウム−9−イル〕安息香酸クロライド(CI45170;ベーシックバイオレット10号)、ジ−(4−アミノフェニル)−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−カルベニウムクロライド(CI42510;ベーシックバイオレット14号)、1,3−ビス−〔(2,4−ジアミノ−5−メチルフェニル)アゾ〕−3−メチルベンゼン(CI21010;ベーシックブラウン4号)、1−〔(4−アミノフェニル)アゾ〕−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトールクロライド(CI12250;ベーシックブラウン16号)、1−〔(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アゾ〕−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトールクロライド(ベーシックブラウン17号)、1−〔(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アゾ〕−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトールクロライド(CI12251;ベーシックブラウン17号)、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニルフェナジニウムクロライド(CI50240;ベーシックレッド2号)、1,4−ジメチル−5−〔(4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ〕−1,2,4−トリアゾリウムクロライド(CI11055;ベーシックレッド22号)、2−ヒドロキシ−1−〔(2−メトキシフェニル)アゾ〕−7−(トリメチルアンモニオ)−ナフタレンクロライド(CI12245;ベーシックレッド76号)、2−〔2−((2,4−ジメトキシフェニル)アミノ)−エテニル〕−1,3,3−トリメチル−3H−インドール−1−イウムクロライド(CI48055;ベーシックイエロー11号)、3−メチル−1−フェニル−4−〔(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アゾ〕ピラゾール−5−オンクロライド(CI12719;ベーシックイエロー57号)、ビス−〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕フェニルカルベニウムビスルフェート(1:1)(CI42040;ベーシックグリーン1号)、1−〔ジ−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−3−メチル−4−〔(4−ニトロフェニル)アゾ〕ベンゼン(CI11210、ディスパースレッド17号)、4−〔(4−アミノフェニル)アゾ〕−1−〔ジ−(2−〕ヒドロキシエチル)アミノ〕−3−メチルベンゼン(HCイエロー7号)、2,6−ジアミノ−3−〔ピリジン−3−イル)アゾ〕ピリジン、6−ヒドロキシ−5−〔(4−スルホフェニル)アゾ〕−2−ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩(CI15985;食用イエロー3号;食品、医薬品及び化粧品用イエロー6号)、2,4−ジニトロ−1−ナフトール−7−スルホン酸二ナトリウム塩(CI10316;アシッドイエロー1号;食用イエロー1号)、2−(インダン−1,3−ジオン−2−イル)キノリン−x,x−スルホン酸(モノスルホン酸とジスルホン酸の混合物)(CI47005;医薬品及び化粧品用イエロー10号;食用イエロー13号;アシッドイエロー3号)、5−ヒドロキシ−1−(4−スルホフェニル)−4−〔(4−スルホフェニル)アゾ〕ピラゾール−3−カルボン酸三ナトリウム塩(CI19140;食用イエロー4号;アシッドイエロー23号)、9−(2−カルボキシフェニル)−6−ヒドロキシ−3H−キサンテン−3−オン(CI45350;アシッドイエロー73号;医薬品及び化粧品用イエロー8号)、5−〔(2,4−ジニトロフェニル)アミノ〕−2−フェニルアミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(CI10385;アシッドオレンジ3号)、4−〔(2,4−ジヒドロキシフェニル)アゾ〕ベンゼンスルホン酸一ナトリウム塩(CI14270;アシッドオレンジ6号)、4−〔(2−ヒドロキシナフト−1−イル)アゾ〕ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(CI15510;アシッドオレンジ7号)、4−〔(2,4−ジヒドロキシ−3−〔(2,4−ジメチルフェニル)−アゾ〕−フェニル)アゾ〕ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(CI20170;アシッドオレンジ24号)、4−ヒドロキシ−3−〔(4−スルホナフト−1−イル)アゾ〕−1−ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩(CI14720;アシッドレッド14号)、6−ヒドロキシ−5−〔(4−スルホナフト−1−イル)アゾ〕−2,4−ナフタレンジスルホン酸三ナトリウム塩(CI16255;ポンソー4R;アシッドレッド18号)、3−ヒドロキシ−4−〔(4−スルホナフト−1−イル)アゾ〕−2,7−ナフタレンジスルホン酸三ナトリウム塩(CI16185;アシッドレッド27号)、8−アミノ−1−ヒドロキシ−2−(フェニルアゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム塩(CI17200;アシッドレッド33号)、
5−(アセチルアミノ)−4−ヒドロキシ−3−〔(2−メチルフェニル)アゾ〕−2,7−ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩(CI18065;アシッドレッド35号)、2−(3−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヨードジベンゾピラン−6−オン−9−イル)安息香酸二ナトリウム塩(CI45430;アシッドレッド51号)、N−〔6−(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−3H−キサンテン−3−イリデン〕−N−エチルエタンアンモニウム水酸化物、内塩、ナトリウム塩(CI45100;アシッドレッド52号)、8−〔(4−(フェニルアゾ)フェニル)アゾ〕−7−ナフトール−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩(CI27290;アシッドレッド73号)、2’,4’,5’,7’−テトラブロモ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ〔イソベンゾフラン−1(3H),9’−〔9H〕キサンテン〕−3−オン二ナトリウム塩(CI45380;アシッドレッド87号)、2’,4’,5’,7’−テトラブロモ−4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシスピロ−〔イソベンゾフラン−1(3H),9’,〔9H〕キサンテン〕−3−オン二ナトリウム塩(CI45410;アシッドレッド92号)、3’,6’−ジヒドロキシ−4’,5’−ジヨードスピロ〔イソベンゾフラン−1(3H),9’(9H)−キサンテン〕−3−オン二ナトリウム塩(CI45425;アシッドレッド95号)、(2−スルホフェニル)−ジ−〔4−(エチル((4−スルホフェニル)メチル)−アミノ)フェニル〕−カルベニウム二ナトリウム塩、ベタイン(CI42090;アシッドブルー9号;食品、医薬品及び化粧品用ブルー1号)、1,4−ビス−〔(2−スルホ−4−メチルフェニル)アミノ〕−9,10−アントラキノン二ナトリウム塩(CI61570;アシッドグリーン25号)、ビス−〔4−(ジメチルアミノ)フェニル〕−(3,7−ジスルホ−2−ヒドロキシナフト−1−イル)カルベニウム内塩、一ナトリウム塩(CI44090;食用グリーン4号;アシッドグリーン50号)、ビス−〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕(2,4−ジスルホフェニル)カルベニウム内塩、ナトリウム塩(2:1)(CI42045;食用ブルー3号;アシッドブルー1号)、ビス−〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕(5−ヒドロキシ−2,4−ジスルホフェニル)カルベニウム内塩、カルシウム塩(2:1)(CI42051;アシッドブルー3号)、1−アミノ−4−(シクロへキシルアミノ)−9,10−アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩(CI62045;アシッドブルー62号)、2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−5−スルホ−2H−インドール−2−イリデン)−2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1H−インドール−5−スルホン酸二ナトリウム塩(CI73015;アシッドブルー74号)、9−(2−カルボキシフェニル)−3−〔(2−メチルフェニル)アミノ〕−6−〔(2−メチル−4−スルホフェニル)アミノ〕−キサンチリウム内塩、一ナトリウム塩(CI45190;アシッドバイオレット9号)、1−ヒドロキシ−4−〔(4−メチル−2−スルホフェニル)アミノ〕−9,10−アントラキノンナトリウム塩(CI60730;医薬品及び化粧品用バイオレット2号;アシッドバイオレット43号)、ビス−〔3−ニトロ−4−〔(4−フェニルアミノ)−3−スルホフェニルアミノ〕フェニル〕スルホン(CI10410;アシッドブラウン13号)、5−アミノ−4−ヒドロキシ−6−〔(4−ニトロフェニル)アゾ〕−3−(フェニルアゾ)−2,7−ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム塩(CI20470;アシッドブラック1号)、3−ヒドロキシ−4−〔(2−ヒドロキシナフト−1−イル)アゾ〕−7−ニトロ−1−ナフタレンスルホン酸クロム錯体(3:2)(CI15711;アシッドブラック52号)、3−〔(2,4−ジメチル−5−スルホフェニル)アゾ〕−4−ヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩(CI14700;食用レッド1号;食品、医薬品及び化粧品用レッド4号)、4−(アセチルアミノ)−5−ヒドロキシ−6−〔(7−スルホ−4−〔(4−スルホフェニル)アゾ〕ナフト−1−イル)アゾ〕−1,7−ナフタレン二スルホン酸四ナトリウム塩(CI28440;食用ブラック1号)及び3−ヒドロキシ−4−(3−メチル−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イルアゾ)ナフタレン−1−スルホン酸ナトリウム塩、クロム錯体(アシッドレッド195号)、単体又は各々の組み合わせ。
【0018】
本発明の薬剤中の直接染料の総量は、約7重量%まで、好ましくは約0.2〜4重量%である。
【0019】
本発明の着色剤中に含有させることが可能である染毛剤において従来及び既知のさらなる染料は、特に、E.サガリン(Sagarin)による「化粧品、科学、及び技術(Cosmetics, Science, and Technology)」(インターサイエンス・パブリッシャーズ社(Interscience Publishers)、(ニューヨーク州(1957年)))、503頁以下)、並びに、H.ジャニスティン(Janistyn)による「化粧品及び香料ハンドブック(Handbuch der Kosmetika und Riechstoffe)」(第3巻(1973年)、388頁以下)、及び、K.シュレイダー(K. Schrader)による「化粧品の基剤及び配合物(Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika)」(第2版(1989年)、782〜815頁)に記載されている。
【0020】
酸化染料が好ましいが、同様に、本発明の着色剤は上述の直接染料に基づいた非酸化着色剤の形状で存在することも可能であることが明らかである。
【0021】
さらに、本発明の薬剤は、例えばアスコルビン酸、チオグリコール酸又は亜硫酸ナトリウムのような酸化防止剤、並びに例えばエチレンジアミンテトラ酢酸又はニトリロ酢酸のような、重金属用キレート化剤を約0.5重量%までの量で、又は約1重量%までの量で香油を含有することができる。明らかに、上述の毛髪染料は、所望であればさらに毛髪染料用に一般的である添加物を含有することが可能であり、その一例としては防腐剤があり;他の例としては、水、例えばエタノール、プロパノール及びイソプロパノールのような1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコール類等の低級脂肪族アルコール類、又はグリセリン及び1,2−プロピレングリコールのようなグリコール類等の溶剤;又はアニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性型の界面活性物質からの湿潤剤又は乳化剤;さらに柔軟剤;ペトロラタム;シリコーン油、パラフィン油及び脂肪酸、並びに、カチオン性樹脂、ラノリン誘導体、コレステロール、ビタミン、パントテン酸及びベタインのようなコンディショナーがある。上述の構成要素は、例えば湿潤剤及び乳化剤において0.1〜30重量%濃度、及びコンディショニング剤において0.1〜5重量%濃度であるように、上記の用途において通常量で使用される。この点に関して特に有利であるのは、例えば、脂肪族アルコールスルフェート、特にラウリル硫酸及びココイル硫酸ナトリウム、オキシエチル化脂肪アルコールスルフェート、特に1分子当たり2〜4個のエチレンオキシド単位を有するラウリルエーテル硫酸ナトリウム、オキシエチル化脂肪酸エステル、オキシエチル化ノニルフェノール、オキシエチル化脂肪族アルコール、アルキルベンゼンスルホン酸塩又は脂肪酸アルカノールアミド等の非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤又は乳化剤を総量で約0.1〜30重量%、特に0.2〜15重量%で付加することである。
【0022】
直接染料に基づいた非酸化着色剤用の本発明の着色剤のpH値は、約5〜10、好ましくは6〜9の範囲内であるが、酸化染料前駆体に基づいた酸化着色剤用では、pH値は約6〜12、好ましくは8〜11の範囲内であり、即座に使用できる(ready-to-use)酸化染毛剤(言い換えれば、本発明の毛髪染料と酸化剤の混合物)のpH値は、約5.5〜10、好ましくは6〜9である。
【0023】
着色剤の組成及び所望のpH値に応じて、pH値の調整は、好ましくはアンモニア、又は例えばグルカミン、アミノメチルプロパノール、モノエタノールアミン若しくはトリエタノールアミンのような有機アミン、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム若しくは水酸化カルシウムのような無機塩基、あるいは例えば乳酸、クエン酸、酢酸若しくはリン酸のような有機酸又は無機酸によってそれぞれに実行される。
【0024】
好ましくは本発明の薬剤は、例えば増粘溶液、エマルション、クリーム、又はジェルなどの水性若しくは水性アルコール製剤として配合される。着色剤は2成分薬剤の形態で存在することも可能であり、染料は染料キャリア体と分離されており、2成分は使用直前に混合されて本発明の薬剤を提供する。
【0025】
本発明による組成物は、毛髪色を顕色するため少なくとも1つの酸化剤源を含んでよい。本明細書に用いるのに好ましい酸化剤は、水溶性過酸素酸化剤である。本明細書で定義するとき、「水溶性」とは、標準状態で少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの前記酸化剤を1リットルの脱イオン水に溶解できることを意味する。酸化剤は、初期可溶化及びメラニンの脱色(脱色)に有用であり、毛幹中での酸化染料前駆体の酸化(酸化染色)を促進する。
【0026】
本発明では、当該技術分野において既知のいずれの酸化剤を使用してもよい。好ましい水溶性酸化剤は、水溶液中に過酸化水素を生じさせることが可能な無機過酸素物質である。水溶性過酸素酸化剤は当該技術分野において周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば過ヨウ素酸ナトリウム及び過酸化ナトリウム、並びに有機過酸化物、例えば過酸化尿素、過酸化メラミン、及び無機過水和物塩の脱色化合物、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらの無機過水和物塩は、一水和物、四水和物などとして組み込まれてもよい。アルキル及びアリール過酸化物、並びに/又はペルオキシダーゼも用いてもよい。また必要に応じて、2つ以上のそのような酸化剤の混合物を用いることもできる。酸化剤は、水溶液で、又は使用前に溶解される粉末として提供されてもよい。本発明による組成物に用いるのに好ましいのは、過酸化水素、過炭酸塩、過硫酸塩及びこれらの組み合わせである。
【0027】
本発明によれば、組成物は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約2重量%〜約7重量%の酸化剤を含む。
【0028】
本明細書で使用するための別の好ましい酸化剤は、ペルオキシモノ炭酸イオン(peroxymonocarbonate ions)の供給源である。好ましくは、このような供給源は、過酸化水素供給源及び炭酸水素イオン供給源からその場で形成される。このような酸化剤は、9.5以下、好ましくは7.5〜9.5、より好ましくは約9のpHにおいて、特に効果的であることが分かっている。さらに、この系は、アンモニア又はアンモニウムイオンの供給源と組み合わせると、特に有効でもある。この酸化剤は、高い色落ちの実現に特に関連して、所望の髪色結果に改善をもたらすが、匂い、皮膚及び頭皮の刺激、並びに毛髪繊維へのダメージを大幅に低減することが明らかになってきている。
【0029】
したがって、これらのイオンのいかなる供給源を利用してもよい。本明細書に用いるのに適した供給源としては、炭酸イオン、カルバミン酸イオン及び炭酸水素イオンのナトリウム塩、カリウム塩、グアニジン塩、アルギニン塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩及びこれらの混合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸グアニジン、炭酸水素グアニジン、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びこれらの混合物が挙げられる。炭酸イオン類の供給源と酸化剤の双方をもたらすために、過炭酸塩類もまた使用されてよい。炭酸イオン、カルバミン酸イオン、及び炭酸水素イオンの好ましい供給源は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、カルバミン酸アンモニウム、及びこれらの混合物である。
【0030】
本発明によれば、組成物は、約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約1重量%〜約8重量%の炭酸水素イオン、及び約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%、最も好ましくは約2重量%〜約5重量%の過酸化水素供給源を含む。
【0031】
毛色を顕色させるための特に好ましい酸化剤は、3〜12%、好ましくは6%の水溶液の形態の、主として過酸化水素、又は尿素、メラミン、ホウ酸ナトリウム若しくは炭酸ナトリウムへの過酸化水素の付加化合物、並びに空気中の酸素である。6%過酸化水素溶液を酸化剤として使用する場合、染毛剤と酸化剤の重量比は、5:1〜2:1、好ましくは1:1である。染毛剤が高濃度の染料を含有する場合、又は同時に強力な毛髪脱色を所望する場合、より多量の酸化剤が主に使用される。
【0032】
本発明によれば、組成物は、ラジカルスカベンジャー供給源をさらに含んでもよい。本明細書で使用するとき、「ラジカルスカベンジャー」という用語は、反応性ラジカル、好ましくは炭酸塩ラジカル類と反応して、反応性ラジカルを一連の高速反応によって、より反応性の低い種に変換させることのできる種を指す。本明細書に用いるのに好適なラジカルスカベンジャーは、一般式(RSI):
1−Y−C(H)(R3)−R4−(C(H)(R5−Y−R6n(RSI)の化合物を含む。
式中、Yは、NR2、0、又はS、好ましくはNR2であり、nは0〜2であり、R4は、一価又は二価であり、(a)置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状のモノ若しくは多不飽和アルキル系、ヘテロアルキル系、脂肪族系、ヘテロ脂肪族系、又はヘテロオレフィン系、(b)置換若しくは非置換のモノ若しくは多環式脂肪族系、アリール系、又は複素環式系、あるいは(c)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、ポリフルオロアルキル系、又はペルフルオロアルキル系から選択され、(a)、(b)及び(c)の系は、炭素原子数1〜12及びO、S、N、P及びSiから選択されるヘテロ原子数0〜5を含み、R4はR3又はR5に接続されて5、6又は7員環を形成し、R1、R2、R3、R5、及びR6は、一価であり、上記した(a)、(b)及び(c)又はHから独立して選択される。
【0033】
好ましくは、R4は、(a)置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル系、ヘテロアルキル系、脂肪族系、ヘテロ脂肪族系、又はヘテロオレフィン系、(b)置換若しくは非置換の単環式若しくは多環式脂肪族系、アリール系、又は複素環式系、あるいは(c)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、ポリフルオロアルキル系、又はペルフルオロアルキル系から選択され、より好ましくは、R4は、(a)置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル系、ヘテロアルキル系、脂肪族系、又はヘテロ脂肪族系、(b)置換若しくは非置換のアリール系、又は複素環式系、あるいは(c)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、ポリフルオロアルキル系、又はペルフルオロアルキル系から選択され、より好ましくは、置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル系又はヘテロアルキル系から選択される。
【0034】
好ましくは、本明細書で上述した(a)、(b)、及び(c)のR4系は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子、並びに0〜3個のへテロ原子、好ましくは0〜2個のへテロ原子、最も好ましくは0〜1個のへテロ原子を含む。系がへテロ原子類を含有する場合、それらは、好ましくは、1個のへテロ原子を含有する。好ましいヘテロ原子としては、O、S、及びN、より好ましくはO及びN、特に好ましくはOが挙げられる。
【0035】
好ましくは、R1、R2、R3、R5、及びR6は、上記のR4について定義された系のいずれかから、及びHから独立して選択される。
【0036】
別の実施形態では、R1基、R2基、R3基、R4基、R5基、及びR6基のいずれかは置換されている。好ましくは、置換基(類)は、(a)(i)置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル系、モノ不飽和若しくはポリ不飽和アルキル系、ヘテロアルキル系、脂肪族系、ヘテロ脂肪族系、又はヘテロオレフィン系、(ii)置換若しくは非置換の単環式若しくは多環式脂肪族系、アリール系、又は複素環式系、あるいは(iii)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、ポリフルオロアルキル系、又はペルフルオロアルキル系、からなるC結合型の一価の置換基の群であって、前記(i)、(ii)、及び(iii)の系は、1〜10個の炭素原子、並びにO、S、N、P、及びSiから選択される0〜5個のヘテロ原子を含むC結合型の一価の置換基の群、(b)SA1、SCN、SO21、SO31、SSA1、SOA1、SO2NA12、SNA12、及びSONA12からなるS結合型の一価の置換基の群、(c)OA1、OCN、及びONA12からなるO結合型の一価の置換基の群、(d)NA12、(NA123)+、NC、NA1OA2、NA1SA2、NCO、NCS、NO2、N=NA1、N=NOA1、NA1CN、NA1NA23からなるN結合型の一価の置換基の群、(e)COOA1、CON3、CONA12、CONA1COA2、C(=NA1)NA12、CHO、CHS、CN、NC、及びXからなる一価の置換基の群、並びに(f)1〜12個の炭素原子及び0〜4個のヘテロ原子を含むモノフルオロアルキル系、ポリフルオロアルキル系、又はペルフルオロアルキル系からなるフルオロアルキルの一価の置換基からなる群から選択される。
【0037】
上記した基(b)〜(e)に関して、A1、A2、及びA3は、一価であり、(1)H、(2)置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状のアルキル系、モノ不飽和若しくは多不飽和アルキル系、ヘテロアルキル系、脂肪族系、ヘテロ脂肪族系、又はヘテロオレフィン系、(3)置換若しくは非置換の単環式若しくは多環式脂肪族系、アリール若しくは複素環式系、あるいは(4)置換若しくは非置換のモノフルオロアルキル系、ポリフルオロアルキル系、又はペルフルオロアルキル系から独立して選択され、(2)、(3)及び(4)の前記系は、炭素原子数1〜10及びO、S、N、P及びSiから選択されるヘテロ原子数0〜5を含み、Xは、F、Cl、Br及びIからなる群から選択されるハロゲンである。
【0038】
本明細書に用いるのに好ましい置換基には、−0.65〜+0.75、好ましくは−0.4〜+0.5のハメット(Hammett)シグマパラ値(σp)を有するものが挙げられる。ハメットシグマ値は、「有機化学の進歩−反応、機構、及び構造(Advanced Organic Chemistry-Reactions, Mechanisms and Structure)」(ジェリー・マーチ(Jerry March)、第5版(2001年)、368〜375頁)に記載されている。
【0039】
別の本明細書に用いるのに好適なラジカルスカベンジャーは、一般式(RSII):
【0040】
【化1】

による化合物であり、式中、R1、R2、R3、R4、及びR5はそれぞれ独立して、H、COO-+、Cl、Br、SO3-+、NO2、OCH3、OH、又はC1〜C10の一級又は二級アルキルから選択され、Mは、H又はアルカリ金属のいずれかである。好ましくは、ヒドロキシ基のプロトン化を確実にするために、上記のラジカルスカベンジャーは、8.5超のpKaを有する。
【0041】
本明細書に用いるのに好適な他のラジカルスカベンジャーとしては、ベンジルアミン、イミダゾール、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、グアニン、ピラジン、ピペリジン、モルホリン、メチルモルホリン、2−メトキシエチルアミン、及びこれらの混合物の群(RSII)から選択されるものが挙げられる。
【0042】
本発明による好ましいラジカルスカベンジャーは、アルカノールアミン、アミノ糖、アミノ酸、アミノ酸エステル、及びこれらの混合物の部類から選択される。特に好ましい化合物は、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、1−アミノ−3−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、グリシン、アルギニン、リジン、プロリン、グルタミン、ヒスチジン、サルコシン、セリン、グルタミン酸、トリプトファン、及びこれらの混合物、並びに塩、例えばこれらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びこれらの混合物である。とりわけ好ましい化合物は、グリシン、ザルコシン、リジン、セリン、2メトキシエチルアミン、グルコサミン、グルタミン酸、モルホリン、ピペルジン(piperdine)、エチルアミン、3−アミノ−1−プロパノール、及びこれらの混合物である。
【0043】
本発明によるラジカルスカベンジャーは、好ましくは、ラジカルスカベンジャーの毛髪繊維中への浸透を促進するために、約500未満、好ましくは約300未満、より好ましくは約250未満の分子量を有する。本発明の組成物は、好ましくは、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約7重量%のラジカルスカベンジャーを含む。またラジカルスカベンジャーは、アルカリ化剤と同一の種にならないように好ましくは選択される。本発明の一実施形態によると、ラジカルスカベンジャーは、毛髪繊維への適用前に毛髪染料組成物中においてその場で形成されてもよい。
【0044】
毛髪の酸化性染色用に前記着色剤を使用するため、前記着色剤は、使用直前に酸化剤と混合され、その混合物が、毛髪の豊富さにもよるがヘアトリートメントに十分な量(一般に約60〜200グラム)で塗布される。
【0045】
本発明の着色剤が酸化染料前駆体を含有しないか、又は大気中の酸素(所望であれば、好適な酵素系の付加)によって容易に酸化可能であるような酸化染料前駆体を含有するのであれば、事前に酸化剤を混合することなくケラチン繊維に直接適用することができる。
【0046】
顕色に使用することができる酸化剤は、特に過酸化水素、又はその尿素、メラニン、若しくはホウ酸ナトリウムとの1〜12%水溶液、好ましくは1.5〜6%水溶液の形状である付加化合物である。着色剤と酸化剤の混合比は、酸化剤濃度に依存しており、一般に約5:1〜1:2、好ましくは1:1であり、即座に使用できる(ready-to-use)製剤中の酸化剤の含有量は、好ましくは約0.5〜8重量%、特に1〜4重量%である。
【0047】
即座に使用できる(ready-to-use)着色剤は、15℃〜50℃の温度で約10〜45分、好ましくは約15〜30分の間ケラチン繊維(例えば、人間の毛髪)に作用した後に、この繊維は水で濯がれて乾燥される。所望であれば、この濯ぎと関連してシャンプーで繊維を洗浄し、可能であれば、次に例えば酒石酸のような弱有機酸で、洗浄することができる。続いて、ケラチン繊維を乾燥させる。
【0048】
所望であれば、本発明の酸化染料の粘度を、本発明の増粘剤の組み合わせをその後に添加することで、酸化剤と混合した後に上昇させることも明らかに可能であるが、これがよりシンプルでより安価なベース製剤を可能とする。
【0049】
本発明の着色剤は、接着特性、コンディショニング特性、適用挙動及び粘度調整に関して優れた方法で上述の要求を満たし、同様の薬剤よりも著しく容易に適用できる。さらに、本発明の着色剤は、均一な稠度及び魅力的な美容上の外観を有する。特筆すべきは、本発明の薬剤の極めて良好な粘度と優れた安定性、並びに優れた毛髪への付着力である。さらに、本発明の薬剤を適用することで、粘度又は即座に使用できる(ready-to-use)酸化染料の付着特性において目立った有害反応を有さずに、広範囲にわたって着色剤と酸化剤の重量比の変動が可能となる(例えば、1:1〜1:3)。
【0050】
本発明のさらなる目的は、例えば過酸化水素、又はその尿素、メラニン、若しくはホウ酸ナトリウムとの1〜12%水溶液、好ましくは1.5〜6%水溶液の形状である付加化合物等の酸化剤、並びに(i)少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体及び(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13の組み合わせを含有する製剤である。
【0051】
本発明の他の目的は、化粧剤、特に毛髪染料の濃厚化用の製剤であって、これは(i)少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体、並びに(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13の組み合わせを含有する。
【0052】
本発明のさらに他の目的は2成分キットであって、この2成分は使用前に混合され、このキットは、酸化染料前駆体及び/又は直接染料及び少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体を含有する染料キャリア体(A)、並びに酸化剤及びアクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13を含有する酸化製剤(B)を含む。
【0053】
本発明のさらなる目的は2成分キットであって、この2成分は使用前に混合され、このキットは、酸化染料前駆体及び/又は直接染料、並びにアクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13を含有する染料キャリア体(A)、並びに酸化剤及び少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体を含有する酸化製剤(B)を含む。
【0054】
以下の実施例は、発明をこれらの実施例に制限するものではなく、本発明の目的をより説明するために供されるべきである。
【実施例】
【0055】
(実施例1):
【0056】
【表1】

【0057】
【表2】

【0058】
50gの上述のベースクリーム(A)を、10gの上述の染料粉末又は粒子(B)及び50gの6%過酸化水素水溶液と使用直前に混合した。均質で、化粧品として魅力的で、最適な増粘着色用製剤が得られた。続いて、このようにして得られた混合物をミディアムブロンド色の天然毛髪に塗布した。40℃における30分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。得られた毛髪は、明るい赤褐色であった。
【0059】
(実施例2):
【0060】
【表3】

【0061】
上述の染毛剤50gを、6%濃度の過酸化水素水溶液50gと使用直前に混合した。均質で、化粧品として魅力的で、最適な増粘着色用製剤が得られた。続いて、このようにして得られた混合物をブロンド色の天然毛髪に塗布した。40℃における30分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。得られた毛髪は、明るい銅赤色であった。
【0062】
(実施例3)
【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
使用前に、液体染料キャリア体(A)40gを過酸化水素エマルション(B)80gと、(A):(B)の混合比が〜1:2になるように混合し、この混合物120gをヒトの白髪に塗布する。室温における20分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。このようにして処置された毛髪は、毛根から毛先まで均一な淡褐色であった。本発明の薬剤は容易に塗布され、毛髪から流れない。
【0066】
(実施例4):
【0067】
【表6】

【0068】
上述の染毛剤50gを、12%濃度の過酸化水素水溶液50gと使用直前に混合した。続いて、このようにして得られた混合物をブロンド色の天然毛髪に塗布した。40℃における30分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。均一且つ頑健な茶色の着色を得た。
【0069】
(実施例5):
【0070】
【表7】

【0071】
容易且つ均一に塗布すること、及び毛髪にしっかりと付着することが可能であり、結果として優れた粘度特性を有する、若干ゲル状の着色体を得た。20℃における20分間の作用時間の後、毛髪をぬるま湯で濯ぎ、形を整えて乾燥させた。このようにして処置された毛髪は、均一且つ頑健な明るい黄金色を有していた。
【0072】
(実施例6):
【0073】
【表8】

【0074】
【表9】

【0075】
使用前に、液体染料キャリア体(A)40gを過酸化水素エマルション(B)80gと、(A):(B)の混合比が〜1:2になるように混合し、この混合物120gをヒトの白髪に塗布する。室温における20分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。このようにして処置した毛髪は、均一な暗褐色の着色であった。本発明の薬剤は、流れることなく毛髪にしっかりと付着した。
【0076】
(実施例7):
【0077】
【表10】

【0078】
染料を粉末形態又は粒子形態に付加した。粒子の色調例:
【0079】
【表11】

【0080】
色調は、様々な異なる色を得るために任意で互いと混合することが可能である。
【0081】
【表12】

【0082】
使用前に、40gの染料キャリア体(A)を80gの過酸化水素エマルション(B)と、(A):(B)の混合比が〜1:2になるように混合し、そこに粒子状のベース着色混合物を付加し、全製剤を攪拌した後、人間の白髪にこの混合物120gを塗布した。
【0083】
室温における20分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。このようにして処置された毛髪は、ベース混合物の着色に応じた着色であった。本発明の薬剤は、流れることなく毛髪にしっかりと付着した。
【0084】
(実施例8):
【0085】
【表13】

【0086】
【表14】

【0087】
使用前に、染料キャリア体(A)40gを過酸化水素エマルション(B)80gと、(A):(B)の混合比が〜1:2になるように混合し、この混合物120gをヒトの白髪に塗布する。室温における20分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。このようにして処置した毛髪は、均一な暗褐色の着色であった。本発明の薬剤は、流れることなく毛髪にしっかりと付着した。
【0088】
(実施例9):
【0089】
【表15】

【0090】
【表16】

【0091】
【表17】

【0092】
使用前に、40gの液体染料キャリア体(A)を40gの過酸化水素エマルション(B)と、(A):(B)の混合比が〜1:1になるように混合し、所望の粘度を得るために、これに着色増粘剤(C)を付加し(約1g〜3g)、得られた混合物を人間の白髪に塗布した。室温における20分間の作用時間後、毛髪を水で濯いで乾燥させた。このようにして処置した毛髪は、均一な暗褐色の着色であった。本発明の薬剤は、流れることなく毛髪にしっかりと付着した。
【0093】
指示がない限り、本出願中に記載されている全ての百分率は、重量百分率を表す。
【0094】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化染料前駆体及び/又は直接染料に基づくケラチン繊維の着色用の薬剤であって、該薬剤が、(i)少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体、並びに(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート13を好適な化粧用キャリア中に含有することを特徴とする、薬剤。
【請求項2】
前記カチオン性セルロース誘導体が、ポリクアテルニウム−10であることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
前記カチオン性セルロース誘導体が、総量中0.01〜20重量%で含有されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の薬剤。
【請求項4】
前記アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13が、総量中0.01〜20重量%で含有されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項5】
前記薬剤が、総量中12重量%まで酸化染料前駆体を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項6】
前記薬剤が、総量中7重量%まで直接染料を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項7】
前記薬剤が、染毛剤であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項8】
前記薬剤が、使用前に酸化剤と混合されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項9】
酸化剤に加えて(i)少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体、並びに(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート13の組み合わせを含有する、製剤。
【請求項10】
(i)少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体、並びに(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13の組み合わせを含有することを特徴とする、化粧剤の濃厚化用の製剤。
【請求項11】
2成分キットであって、この2成分が互いに使用前に混合され、酸化染料前駆体及び/又は直接浸透染料及び少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体を含有する染料キャリア体(A)、並びに酸化剤及びアクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13を含有する酸化製剤(B)を含む、2成分キット。
【請求項12】
2成分キットであって、この2成分が互いに使用前に混合され、酸化染料前駆体及び/又は直接染料並びにアクリルアミド/アンモニウムアクリレートコポリマー及び/又はポリアクリレート−13を含有する染料キャリア体(A)、並びに酸化剤及び少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体を含有する酸化製剤(B)を含む、2成分キット。
【請求項13】
酸化染料前駆体及び/又は直接染料、及び酸化剤に加えて(i)少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体、並びに(ii)アクリルアミド/アンモニウムアクリレート及び/又はポリアクリレート13の組み合わせを含有する、毛髪の着色用の即座に使用できる(ready-to-use)薬剤。

【公表番号】特表2009−524645(P2009−524645A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551941(P2008−551941)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050288
【国際公開番号】WO2007/086031
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】