説明

ゲル状芳香剤

【課題】 種々の香料に対しても可溶化能に優れ、各種温度で長期間保存しても透明性及びゲル強度を維持できるゲル状芳香剤を提供する。
【解決手段】 以下の(A)〜(E)を必須成分として含有するゲル状芳香剤である。
(A):エチレン性不飽和単量体及び(無水)マレイン酸を構成単量体としてなる共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)とゼラチン(a2)との反応物
(B):ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1)及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物(b2)
(C):両性界面活性剤(c1)及び/又はアニオン性界面活性剤(c2)
(D):香料
(E):水

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲル状芳香剤に関する。更に詳しくは部屋、トイレ、車等に使用されるゲル状芳香剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水系ゲルタイプの消臭及び/又は芳香剤として、カラギーナンをゲル化剤としたものが主流を占めているが、凍結融解後の離水現象、ゲルの劣化及び香料等の水不溶性の化合物を配合した時に均一なゲルが形成できない等の問題点があった。そこで、そのような問題点を改善したものとして、ゼラチン又はコラーゲンとオレフィン−無水マレイン酸共重合体との反応生成物からなる水系ゲル化剤及び水系ゲル(特許文献−1)や無水マレイン酸重合体とポリペプチドとの反応生成物とアミンオキシドを含有した水系ゲル(特許文献−2)等が知られている。しかしながら、これらの水系ゲルは、香料との配合直後は透明に可溶化できていても、各種温度(例えば5℃〜40℃)で長期間保存すると、香料の種類によっては白濁化したり、冬季に凍結した後、離水が発生したりゲル強度が低下するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献−1】特許第2616960号公報
【特許文献−2】特許第3928458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、種々の香料に対しても可溶化能に優れ、各種温度で長期間保存しても透明性及びゲル強度を維持できるゲル状芳香剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の(A)〜(E)を必須成分として含有するゲル状芳香剤である。
(A):エチレン性不飽和単量体(m)及び(無水)マレイン酸を構成単量体としてなる共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)とゼラチン(a2)との反応物
(B):ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1)及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物(b2)
(C):両性界面活性剤(c1)及び/又はアニオン性界面活性剤(c2)
(D):香料
(E):水
【発明の効果】
【0006】
本発明のゲル状芳香剤は、種々の香料に対しても可溶化能に優れ、各種温度で長期間保存しても透明性及びゲル強度を維持できる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明における反応物(A)は主としてゲル強度の付与を目的として使用される成分である。本発明における共重合体(a0)の構成単量体の1つであるエチレン性不飽和単量体(m)としては、脂肪族オレフィン類(m1)、芳香族系オレフィン類(m2)、アルカジエン(m3)、モノアルキルアルケニルエーテル(m4)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル(m5)、(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル(m6)、脂肪酸モノビニルエステル(m7)、モノビニルケトン類(m8)、窒素原子含有単量体(m9)、ハロゲン含有ビニル単量体(m10)、アニオン性単量体(m11)及び水酸基含有モノビニル単量体(m12)等が挙げられる。これらのうち、ゲル化時の反応性の観点から好ましいのは、モノオレフィン類(m1)及びモノアルキルアルケニルエーテル(m4)である。これらの単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0008】
脂肪族オレフィン類(m1)としては、炭素数2〜30の直鎖状又は分岐状のオレフィン類が挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、n−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイソブチレン、2−メチル−4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−4−ジメチル−2−ペンテン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ドコシレン、テトラコシレン及びトリアコンチレン等が挙げられる。これらのうち好ましいのはイソブチレンである。
【0009】
芳香族系オレフィン類(m2)としては、炭素数8〜18の芳香族系オレフィン類が挙げられ、具体的には、スチレン、置換スチレン(置換基の炭素数1〜10)[アルキル置換スチレン(α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン及びブチルスチレン等)、シクロアルキル置換スチレン(シクロヘキシルスチレン等)、アリール置換スチレン(フェニルスチレン等)、アラルキル置換スチレン(ベンジルスチレン等)、アシル基置換スチレン(アセトキシスチレン等)及びフェノキシ基置換スチレン(フェノキシスチレン等)等]及びビニルナフタレン等が挙げられる。これらのうち好ましいのはスチレンである。
【0010】
アルカジエン(m3)としては、炭素数4〜30の直鎖状又は分岐状のアルカジエンが挙げられ、具体的には、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,11−ドデカジエン、1,17−オクタデカジエン及び1,29−トリアコンチルジエン等が挙げられる。
【0011】
モノアルキルアルケニルエーテル(m4)としては、炭素数1〜30の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数2〜12のアルケニル基を有する炭素数3〜42のモノアルキルアルケニルエーテルが挙げられ、具体的には、アルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−オクタデシルビニルエーテル及びn−トリアコンチルビニルエーテル等);アルキル(メタ)アリルエーテル(メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、n−ブチルメタリルエーテル、n−ドデシルアリルエーテル、n−オクタデシルアリルエーテル及びn−トリアコンチルメタリルエーテル等);アルキルα−オレフィンエーテル(メチル1−ブテンエーテル、エチル1−オクテンエーテル、n−ブチル1−テトラデセンエーテル、n−ドデシル1−オクタデセンエーテル、n−オクタデシル1−テトラコシレンエーテル及びn−ドコシル1−トリアコンチレンエーテル等);ポリオキシアルキレン(n=2〜200)モノアリルモノアルキル(炭素数1〜24)エーテル等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アルキルビニルエーテル及びアルキル(メタ)アリルエーテルであり、更に好ましいのはアルキルビニルエーテルであり、特に好ましいのはメチルビニルエーテルである。
【0012】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル(m5)としては、炭素数1〜22のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を有するものが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル及び(メタ)アクリル酸ベヘニル等];(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル[(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシドデシル、(メタ)アクリル酸18−ヒドロキシオクタデシル及び(メタ)アクリル酸22−ヒドロキシベヘニル等]等が挙げられる。
【0013】
(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル(m6)としては、(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸(クロトン酸等)のアルキル(炭素数1〜30)エステル、シクロアルキル(炭素数5〜30)又はアラルキル(炭素数7〜30)エステル;不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)のアルキル(炭素数1〜24)ジエステル、シクロアルキル(炭素数5〜30)もしくはアラルキル(炭素数7〜30)ジエステル(マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル及びマレイン酸ジオクチル等)が挙げられる。
【0014】
脂肪酸モノビニルエステル(m7)としては、炭素数2〜30の直鎖状、分岐状又は脂環状の飽和脂肪酸モノビニルエステルが挙げられ、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、n−オクタン酸ビニル、シクロヘキサン酸ビニル、シクロオクタン酸ビニル及びデカヒドロナフチル酸ビニルが挙げられる。これらのうち好ましいのは、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルであり、更に好ましいのは酢酸ビニルである。
【0015】
モノビニルケトン類(m8)としては、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜18のアリール基もしくは置換アリール基を有するビニルケトンが挙げられ、具体的には、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等が挙げられる。
【0016】
窒素原子含有単量体(m9)としては、3級アミノ基含有モノビニル単量体(m91)、アミド基含有モノビニル単量体(m92)、ニトリル基含有単量体(m93)及びニトロ基含有単量体(m94)等が挙げられる。
【0017】
3級アミノ基含有モノビニル単量体(m91)としては、具体的には、アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジ−t−ブチルアミノエチルメタクリレート等]、複素環窒素含有ビニルモノマー[モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−ビニルカルバゾール及びこれらの塩等]が挙げられる。
【0018】
アミド基含有モノビニル単量体(m92)としては、具体的には、(メタ)アクリルアミド、モノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオニルアミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド]等が挙げられる。
【0019】
ニトリル基含有単量体(m93)としては、具体的には、(メタ)アクリロニトリル及びシアノスチレン等が挙げられる。
【0020】
ニトロ基含有単量体(m94)としては、具体的には、4−ニトロスチレン等が挙げられる。
【0021】
ハロゲン含有ビニル単量体(m10)としては、具体的には、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(モノ又はジクロロスチレン、テトラフルオロスチレン及び塩化アリル等)等が挙げられる。
【0022】
アニオン性単量体(m11)としては、カルボキシル基含有ビニル単量体(m111)、スルホン酸基含有ビニル単量体(m112)、硫酸エステル基含有ビニル単量体(m113)及びリン酸又はホスホン酸基含有ビニル単量体(m114)等が挙げられる。
【0023】
カルボキシル基含有ビニル単量体(m111)としては、具体的には、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等]及び不飽和ジカルボン酸[フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びアコニット酸等]等が挙げられる。
【0024】
スルホン酸基含有ビニル単量体(m112)としては、具体的には、炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルスルホン酸及び(メタ)アリルスルホン酸等]、炭素数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチルスチレンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル系単量体[2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体[2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]、スルホン酸基と水酸基を含有するビニル単量体[3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エステル等]が挙げられる。
【0025】
硫酸エステル基含有ビニル単量体(m113)としては、具体的には、ポリ(重合度2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜6)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル等が挙げられる。
【0026】
リン酸又はホスホン酸基含有ビニル単量体(m114)としては、具体的には、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜6)リン酸モノエステル[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等]、(メタ)アクリロイルオキシアルカン(炭素数2〜4)ホスホン酸[2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸等]、及びポリ(重合度2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜6)モノ(メタ)アクリレートのリン酸又はホスホン酸エステル等が挙げられる。
【0027】
水酸基含有モノビニル単量体(m12)としては、具体的には、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数9〜18)モノ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3〜10)モノ(メタ)アクリレート等]、ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素数3〜12のアルケノール[アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等]、炭素数4〜12のアルケンジオール[2−ブテン−1,4−ジオール等]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等]が挙げられる。
【0028】
エチレン性不飽和単量体(m)と(無水)マレイン酸を構成単量体としてなる共重合体(a0)において、「(無水)マレイン酸」はマレイン酸及び無水マレイン酸を表し、共重合体(a0)は(m)とマレイン酸を構成単量体としてなる共重合体及び(m)と無水マレイン酸を構成単量体としてなる共重合体のいずれであってもよい。重合性の観点から、好ましいのは(m)と無水マレイン酸を構成単量体としてなる共重合体である。共重合体(a0)におけるエチレン性不飽和単量体(m)と(無水)マレイン酸の比率(モル比)は、ゲル化時の反応性の観点から好ましくは100:1〜1:100であり、更に好ましくは10:1〜1:10であり、特に好ましくは5:1〜1:5である。
【0029】
前記共重合体(a0)の重量平均分子量(以下、Mwと略記する。)は、ゲル強度の観点から好ましいのは2,000〜5,000,000であり、更に好ましいのは3,000〜3,000,000である。なお、Mwは、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定することができる。
【0030】
共重合体(a0)は、エチレン性不飽和単量体(m)と(無水)マレイン酸とを、触媒の存在下、熱ラジカル重合、光ラジカル重合及びアニオン重合等の公知の方法で重合して得ることができる。重合温度は通常0〜200℃であり、常圧下又は加圧下で行われる。また、反応時には有機溶媒(酢酸エチル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、エチル−n−プロピルエーテル及びケトン系溶媒等)、水又は有機溶媒と水との混合溶媒を使用し、反応終了後に減圧留去してもよい。触媒としては、熱ラジカル重合の場合はアゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)及び過酸化物(t−ブチルパーオキシベンゾエート等)等を使用するのが好ましく、光ラジカル重合の場合は光ラジカル開始剤(ベンゾインアルキルエーテル等)及び増感剤(アントラキノン等)を併用するのが好ましく、アニオン重合の場合はチーグラーナッタ系触媒及びメタロセン系触媒等を併用するのが好ましい。また触媒の添加量は、前記(m)と(無水)マレイン酸の全重量に基づき通常0.05〜5重量%である。
【0031】
本発明における前記共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)を得る方法としては、
(1):共重合体(a0)をアンモニアで中和する方法。
(2):マレイン酸アンモニウムとエチレン性不飽和単量体(m)を共重合する方法。
が挙げられ、(1)の具体的な方法としては、(1−1)前記方法で得られた共重合体(a0)の固体粉末を、(a0)が溶解しない有機溶媒(酢酸エチル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル及びエチル−n−プロピルエーテル等)中にスラリー状に分散させてアンモニアガスを有機溶媒中にバブリングしながら接触させる方法。
(1−2)前記(a0)の固体粉末をアンモニア水に溶解する方法。
等が挙げられる。
(2)の具体的な方法としては、共重合体(a0)を得る方法と同様の方法でマレイン酸アンモニウムとエチレン性不飽和単量体(m)を重合して得る方法が挙げられる。
【0032】
共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)の中和度は、ゲル状芳香剤の透明性の観点から好ましいのは70〜100モル%であり、更に好ましいのは80〜100モル%である。
【0033】
本発明におけるゼラチン(a2)としては、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン及びゼラチン加水分解物等を用いることができ、少なくとも1個の遊離のアミノ基を持っていればよい。アルカリ処理ゼラチンとしては、例えば、牛骨の無機物をとり除いてオセインとした後、消石灰の懸濁液中に漬けておき、牛皮は適当な大きさに切断し、水洗してから石灰液中に通常2〜3ケ月間漬け処理して得られるゼラチン等が挙げられる。酸処理ゼラチンとしては、豚皮を希塩酸又は希硫酸に数十時間漬けて処理して得られるゼラチン等が挙げられる。ゼラチン加水分解物としては、前記アルカリ処理ゼラチン又は酸処理ゼラチンを、蛋白質分解酵素等により加水分解したゼラチン等が挙げられる。ゼラチンの形状としては、粒状、粉末、シート状のものが使用できる。また、ゼラチン(a2)のMwは、ゲル状芳香剤のゲル強度及び透明性の観点から好ましいのは3,000〜30,000であり、更に好ましいのは5,000〜20,000である。なお、Mwはポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定することができる。
【0034】
共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)とゼラチン(a2)との反応において、(a1)と(a2)の反応比率は、ゼラチンの遊離アミノ基の数により一概に特定できないが、透明性かつ保形性を得るには(a2)100質量部に対して(a1)を通常3〜50質量部、好ましくは5〜40質量部で反応させるのがよい。(a1)と(a2)の反応方法としては、
(1):(a1)と(a2)を直接混合する方法。
(2):(a1)の水溶液に(a2)を混合する方法。
(3):(a2)の水溶液に(a1)を混合する方法。
(4):(a1)及び(a2)それぞれの水溶液を予め調整した後、両者を混合する方法。
があるが、均一なゲルを得やすいという観点から、好ましい方法は(4)である。
【0035】
共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)とゼラチン(a2)との反応における反応温度は、通常20〜60℃であり、反応時間の観点から好ましくは40〜60℃である。(a1)と(a2)を混合した後は、反応は撹拌せずに静置して行う。反応の終点は、反応物のゲル強度を測定して確認することができる。ゲル強度は反応時間とともに増加し、反応が終結すると一定になるため、一定時間毎にゲル強度を測定し、ゲル強度が変化しなくなったときを終点とする。反応時間は、反応温度によって変化し、例えば20〜30℃で反応した場合は24時間程度であり、40〜60℃で反応した場合には2〜3時間である。ゲル強度の測定方法を以下に示す。
【0036】
<ゲル強度測定法>
ゲルを25℃に温調した後、直径15.7mmの金属球を取り付けた棒を島津オートグラフ「AGS−500B」[(株)島津製作所製]に接続し、金属球を5cm/分の速度でゲル中に押し込み、金属球がゲル中に完全に入った直後の応力(g)をゲル強度とする。ゲル強度は、好ましいのは150〜1,000gであり、更に好ましいのは250〜600gであり、特に好ましいのは300〜500gである。
【0037】
共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)とゼラチン(a2)とは、(a1)が有する−COO-NH4+と、ゼラチン(a2)が有するアミノ基が反応してアミド基を形成し、ゲル化を生じていると推測する。以下に(a1)と(a2)の推測反応式を示す。
【0038】
【化1】

【0039】
本発明における(B)は、主として、ゲル強度、透明性及び香料可溶化能の付与を目的として使用される成分である。(B)のうち、ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1)としては、1価脂肪酸(炭素数8〜24)(例えばカプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸、エチル安息香酸、桂皮酸及びt−ブチル安息香酸等)モノ又はジグリセライドのアルキレンオキサイド付加物、及びヒドロキシ1価脂肪酸(炭素数8〜24)(例えば2−ヒドロキシカプリル酸、2−ヒドロキシノナン酸、12−ヒドロキシラウリン酸、4−ヒドロキシパルミチン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リシノエライジン酸、2−ヒドロキシアラキン酸、2−ヒドロキシベヘン酸、2−ヒドロキシテトラコセン酸及び9,14−ジヒドロキシステアリン酸等)トリグリセライド(ヒマシ油及び硬化ヒマシ油等)のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0040】
前記(b1)のうちゲル状芳香剤のゲル強度及び透明性の観点から好ましいのはヒドロキシ1価脂肪酸トリグリセライドのアルキレンオキサイド付加物であり、更に好ましいのはヒマシ油又は硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加物である。アルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド[エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)及び1,2−ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する。)等]が挙げられ、これらのうち香料可溶化能の観点から好ましいのはEOである。炭素数2〜4のアルキレンオキサイドは、単独でも2種以上の併用であってもよく、2種以上を併用する場合の付加形式はブロックでもランダムでもよい。ヒドロキシル基を有する油脂1モルに対するアルキレンオキサイドの付加モル数は、香料可溶化能の観点から好ましいのは10〜100モルであり、更に好ましのは15〜80モルであり、特に好ましいのは20〜60モルである。なお、アルキレンオキサイドの付加モル数は平均付加モル数であるため、整数であるとは限らず小数の場合もある。
【0041】
(B)のうち、ソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物(b2)としては、ソルビタンの1価脂肪酸(炭素数8〜24)(例えばカプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸及びオレイン酸等)モノ、ジ又はトリエステルのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらのうちゲル状芳香剤のゲル強度及び透明性の観点から好ましいのはソルビタンの1価脂肪酸モノエステルのアルキレンオキサイド付加物であり、更に好ましいのはソルビタンモノオレート及びソルビタンモノステアレートのアルキレンオキサイド付加物である。アルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド[EO、PO及びBO等]が挙げられ、これらのうち香料の可溶化能の観点から好ましいのはEOである。炭素数2〜4のアルキレンオキサイドは、単独でも2種以上の併用であってもよく、2種以上を併用する場合の付加形式はブロックでもランダムでもよい。ソルビタン脂肪酸エステル1モルに対するアルキレンオキサイドの付加モル数は、香料可溶化能の観点から好ましいのは10〜50モルであり、更に好ましいのは15〜40モルであり、特に好ましいのは20〜30モルである。なお、アルキレンオキサイドの付加モル数は平均付加モル数であるため、整数であるとは限らず小数の場合もある。
【0042】
ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1)及びソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物(b2)の製造方法としては、ヒドロキシル基を有する油脂又はソルビタン脂肪酸エステルを加圧反応容器に仕込み、触媒の存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを吹き込み、常圧又は加圧下に1段階又は多段階で反応を行なう。触媒としては、アルカリ触媒[例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)]の水酸化物、酸[過ハロゲン酸(過塩素酸、過臭素酸及び過ヨウ素酸等)、硫酸、燐酸及び硝酸等(好ましくは過塩素酸)]及びこれらの塩[好ましくは2価又は3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu及びAl等)の塩]が挙げられる。反応温度は通常50〜150℃であり、反応時間は通常2〜20時間である。アルキレンオキサイドの付加反応終了後は、必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
【0043】
本発明における(C)は主として低温(例えば0℃)及び高温(例えば50℃)での香料の可溶化安定性付与の目的で使用されるものである。(C)のうち、両性界面活性剤(c1)としては、カルボキシベタイン型両性界面活性剤[炭素数10〜18の脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えばヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等);アルキル(炭素数10〜18)ジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等);イミダゾリニウム型カルボキシベタイン(例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等)];スルホベタイン型両性界面活性剤[炭素数10〜18の脂肪酸アミドプロピルヒドロキシエチルスルホベタイン(例えばヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルヒドロキシエチルスルホベタイン等);ジメチルアルキル(炭素数10〜18)ジメチルヒドロキシエチルスルホベタイン(例えばラウリルヒドロキシスルホベタイン等)];アミノ酸型両性界面活性剤[例えばβ−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムシン等]が挙げられる。これらのうち、ゲル状芳香剤の透明性、低温安定性及び高温安定性の観点から好ましいのはカルボキシベタイン型両性界面活性剤である。
【0044】
アニオン性界面活性剤(c2)としては、スルホン酸型アニオン性界面活性剤{炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホコハク酸エステル塩[例えばモノ又はジアルキル(ラウリル、オクチル、2−エチルヘキシル、ミリスチル及びステアリル等)スルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム、及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)モノ又はジアルキル(ラウリルオクチル、2−エチルヘキシル、ミリスチル及びステアリル等)スルホコハク酸エステルジ又はモノナトリウム等]及び炭素数8〜24のアルキル基を有するスルホン酸塩[例えばドデシルスルホン酸ナトリウム等]等};硫酸エステル型アニオン性界面活性剤{炭素数8〜24のアルキル基を有するエーテルサルフェート[例えば(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルサルフェートナトリウム塩及びポリオキシエチレン(重合度=1〜50)テトラデシルエーテルサルフェートナトリウム塩等]等};カルボン酸型アニオン性界面活性剤{炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸又はその塩[例えば(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等]及び炭素数10〜18の脂肪酸塩[例えばラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等]};及びリン酸エステル型アニオン性界面活性剤{炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル塩[例えばラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]}等が挙げられる。これらのうち、ゲル状芳香剤の透明性、低温安定性及び高温安定性の観点から好ましいのは、スルホン酸型アニオン性界面活性剤及び硫酸エステル型アニオン性界面活性剤であり、更に好ましいのは炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホコハク酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル基を有するエーテルサルフェートであり、これら2種を併用してもよい。
【0045】
本発明のゲル状芳香剤は、更に香料(D)及び水(E)を含有する。
【0046】
本発明における香料としては、天然香料又は合成香料が挙げられ、単独でも2種以上を併用した調合香料でもよい。
【0047】
天然香料としては、動物性香料(じゃ香等)及び植物性香料(アビエス油、アジョクン油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ペルガモット油、パーチ油、ボアバローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム油、キャラウエー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、キュペブ油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、ジュニパーペリー油、ローレルリーフ油、レモン油、レモングラス油、ロページ油、メース油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ油、はつか油、燈花油、オレンジ油、セイジ油、スターアニス油、テレピン油及びウォームウッド油等)等が挙げられる。
【0048】
合成香料としては、炭化水素類(ピネン、リモネン、オシメン及びグアイエン等)、アルコール類(リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、α−フェニルエチルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、ロジノール、アンブリノール、1−オクタノール、3−オクタノール、9−デセノール、1−ウンデセノール、ジヒドロカルベオール、プレノール、エチルリナロール、3−ヘプタノール、ベンジルオイゲノール、2−エチルヘキサノール、3−ヘキセノール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、P−イソプロピルシクロヘキセンメタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、P-イソプロピルシクロヘキサノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−ヘキセノール、1−ノネン−3−オール、トオクテン−3−オール、3−メチル−1−ベンタノール及び3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール等)、フェノール類(アネトール及びオイゲノール等)、アルデヒド類(n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワニリン、2−ドデセナール、2,5,6−トリメチル−4−ヘプタナール、トリメチルウンデセナール、2−デセナール、P−トリルアルデヒド、アセトアルデヒドジエチルアセタール、n−オクタナール、n−デカナール、P−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、オクタナールジメチルアセタール、n−ノナナール、ウンデカナール、10−ウンデセナール、フェニルプロピオンアルデヒド、3−ヘキセナール、2−ウンデセナール及びP−メチルヒドラトロパアルデヒド等)、ケトン類(メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノン、ジヒドロカルボン及び2−ウンデカノン等)、ラクトン又はオキシド類(アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール、ジャスミンラクトン、メチルr−デカラクトン、2,2,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン及び5−イソプロペロル−2−メチル−2−ビニルテトラヒドロフラン等)、エステル類(メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチルα−ブチルブチレート、酢酸デシル及びギ酸プロピル等)等が挙げられる。
【0049】
本発明における(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の含有量は、ゲル状芳香剤の透明性及びゲル強度の観点から、ゲル状芳香剤の全重量に基づいて、(A)を好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは1.5〜4重量%含有する。また、(B)を好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは0.7〜4重量%含有する。また、(C)を好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.2〜2重量%含有する。また、(D)を好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%含有する。また、(E)を好ましくは77〜95重量%、さらに好ましくは85〜92重量%含有する。
【0050】
(B)/(C)の重量比は、ゲル状芳香剤の透明性、高温及び低温安定性の観点から好ましくは、30/70〜95/5であり、さらに好ましくは50/50〜93/7であり、特に好ましくは65/35〜90/10である。
【0051】
本発明のゲル状芳香剤は、必要に応じて(A)〜(E)以外に上記以外の非イオン性界面活性剤(F)、親水性溶媒(G)及びその他の添加剤(H)を含有してもよい。
【0052】
非イオン性界面活性剤(F)としては、高級アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(付加モル数2〜100)付加物;脂肪酸(炭素数8〜18)EO(付加モル数1〜60)付加物;ポリプロピレングリコール(数平均分子量200〜4000)EO(付加モル数1〜100)付加物;ポリオキシエチレン(付加モル数3〜60)アルキル(炭素数6〜20)アリルエーテル;ポリオキシエチレン(付加モル数1〜100)ポリオキシプロピレン(付加モル数0〜20)アルキル(炭素数8〜24)アミン;ラウリン酸モノエタノールアミド及びラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、香料の可溶化能の観点から、下記一般式(1)で示される非イオン性界面活性剤である。
【0053】
1O−[(C24O)p・(A1O)q]−(C24O)r−(A2O)s−H (1)
式中、R1は炭素数8〜24のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数8〜24のアシル基と炭素数1〜6のアルキル基を有するアシロキシアルキル基、炭素数8〜24のアシル基と炭素数1〜6のアルキル基を有するアシルアミノアルキル基及び炭素数8〜24のアリールアルキル基からなる群から選ばれる1種以上;A1O及びA2Oはそれぞれ独立して炭素数3又は4のオキシアルキレン基;pは0〜50の数;qは0〜20の数;rは2〜50の数;sは0〜20の数;[(C24O)p・(A1O)q]はランダム付加及び/又はブロック付加した基を表す。
【0054】
一般式(1)において、アルキル基としては、直鎖若しくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基等が挙げられ、例えばn−又はイソ−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、n−又はイソ−ノニル基、3−シクロヘキシルプロピル基、n−又はイソ−デシル基、n−又はイソ−ドデシル基、n−又はイソ−トリデシル基、n−又はイソ−テトラデシル基、n−又はイソ−ヘキサデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、エイコシル基及びテトラコシル基等が挙げられる。これらのうち好ましいのは炭素数8〜20、更に好ましいのは炭素数10〜18のアルキル基である。
【0055】
前記アルケニル基としては、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、オレイル基及びガドレイル基等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、炭素数8〜20、更に好ましいのは炭素数10〜18のアルケニル基である。
【0056】
前記アシロキシアルキル基としては、ラウロイロキシエチル基、ラウロイロキシプロピル基、ステアロイロキシエチル基、ステアロイロキシプロピル基、オレオイロキシエチル基及びオレオイロキシプロピル基等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、炭素数8〜20のアシル基と炭素数1〜4のアルキル基を有するアシロキシアルキル基であり、更に好ましいのは、炭素数10〜18のアシル基と炭素数1又は2のアルキル基を有するアシロキシアルキル基である。
【0057】
前記アシルアミノアルキル基としては、ラウラミドエチル基、ラウラミドプロピル基、ステアラミドエチル基及びステアラミドプロピル基等 が挙げられる。これらのうち、低温安定性及び高温安定性の観点から好ましいのは、炭素数12〜20のアシルアミノ基と炭素数1〜4のアルキル基を有するアシルアミノアルキル基であり、更に好ましいのは、炭素数14〜20のアシルアミノ基と炭素数1又は2のアルキル基を有するアシルアミノアルキル基であり、特に好ましいのは、16〜20のアシルアミノ基と炭素数1又は2のアルキル基を有するアシルアミノアルキル基である。
【0058】
前記アリールアルキル基としては、6−フェニルヘキシル基、7−フェニルヘプチル基、8−フェニルオクチル基、10−フェニルデシル基及び12−フェニルドデシル基等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アルキル基の炭素数2〜18のアリールアルキル基である。
【0059】
一般式(1)におけるA1O及びA2Oは、それぞれ独立して炭素数3又は4のオキシアルキレン基であり、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、2,3−ブチレン基及び1,4−ブチレン基が挙げられる。これらのうち好ましいのは1,2−プロピレン基である。またA1O及びA2Oは、2種以上のオキシアルキレン基の併用であってもよく、2種以上を併用する場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。
【0060】
一般式(1)におけるpは0〜50、好ましいのは0〜40、更に好ましいのは0〜30の数である。qは0〜20、好ましいのは0〜18、更に好ましいのは0〜15の数である。rは2〜50、好ましいのは4〜40、更に好ましいのは5〜30の数である。sは0〜20、好ましいのは0〜10、更に好ましいのは0〜6の数である。なお、p、q、r及びsは、いずれもオキシアルキレン基の平均付加モル数を表しているので、整数であるとは限らず小数の場合もある。
【0061】
親水性有機溶媒(G)としては、炭素数2〜5の多価アルコール(2価アルコール:エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコール等、3価アルコール:グリセリン等)、炭素数2〜6の1価アルコール(エタノール、イソプロパノール、ブタノール及び3−メチル−3−メトキシブタノール等)、炭素数3〜20のグリコールエーテル(モノアルキルエーテル:ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル及びエチレングリコールモノフェニルエーテル等、ジアルキルエーテル:エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル及びジプロピレングリコールn−プロピルメチルエーテル等)、窒素原子含有親水性溶媒(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルホルムアミド等)、ラクトン系親水性溶媒(プロピオラクトン及びブチロラクトン等)、ケトン系親水性溶媒(メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びジアセトンアルコール等)、環状エーテル系親水性溶媒(テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン等)、エステル系親水性溶媒(酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチル及びアセト酢酸エチル等)から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち高温安定性の観点から好ましいのは炭素数2〜5の多価アルコール、炭素数2〜6の1価アルコール及び炭素数3〜20のグリコールエーテルである。また、2種以上を併用する場合の比率は特に限定されない。
【0062】
その他の添加剤(H)としては、アルカリ剤[トリエタノールアミン及びモノエタノールアミン等]、キレート剤[EDTA及びNTA等]、抗菌剤[イソチアゾリン系(2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等)、イミダゾール系(チアベンダゾール等)、カーバニリド系抗菌剤(トリクロロカルバニリド等)、トリアジン系(デブコナゾール等)、天然系(ヒノキチオール等)及びビグアナイド系(ポリヘキサメチレンビグアナイド等)]、着色剤[無機系顔料(群青、紺青及びコバルトバイオレット等)、有機系顔料(赤色201号、赤色405号、青色1号、黄色4号及び緑色3号等)及び天然色素(クロロフィル及びβ−カロチン等)]及び消泡剤(シリコーン系消泡剤、ポリオキシアルキレン系消泡剤及び鉱物油系消泡剤等)が挙げられる。
【0063】
本発明のゲル状芳香剤における非イオン界面活性剤(F)、親水性有機溶媒(G)及びその他の添加剤(H)の含有量は以下の通りである。
非イオン界面活性剤(F)の含有量は、芳香剤の全重量に基づいて香料の可溶可能の観点から好ましいのは0〜5重量%であり、更に好ましいのは0〜3重量%である。
親水性有機溶媒(G)の含有量は、芳香剤の全重量に基づいて、低温安定性及び高温安定性の観点から好ましいのは0〜20重量%であり、更に好ましいのは0〜10重量%である。
その他の添加剤(H)の含有量は、アルカリ剤及びキレート剤については、芳香剤の全重量に基づいて好ましいのは0〜10重量%であり、抗菌剤、着色剤及び消泡剤については、芳香剤の全重量に基づいて、種々の香料に対する可溶化能の観点から好ましいのは0〜5重量%である。
【0064】
本発明のゲル状芳香剤は、例えば以下の方法で製造することができる。
前記(B)、(C)、(D)、(F)、(G)及び(H)を混合した溶液に水を徐々に添加し、香料が可溶化した水溶液を作成する。ここに、ゼラチン(a2)を溶解させた水溶液を混合した後、共重合体(a1)を溶解させた水溶液を添加し、20〜60℃で2〜24時間程度静置してゲル化を行う。ゲル化の終点は、反応物のゲル強度を前記の方法で測定して確認することができる。
【0065】
本発明のゲル状芳香剤は、透明であることが好ましく、透明性の程度は、ゲル状芳香剤の透過率を測定することで評価できる。透過率の測定法は以下の通りである。
【0066】
<透過率測定法>
10mm厚のガラス製セルに25℃に温調したゲル状芳香剤を投入し、分光光度計「UV−1200」[(株)島津製作所製]で可視光(700nm)の透過率を測定する。透過率(%)は、好ましいのは70〜100%であり、更に好ましいのは80〜100%であり、特に好ましいのは90〜100%である。
【実施例】
【0067】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部及び%は、特記しない限りそれぞれ重量部及び重量%を示す。
【0068】
<製造例1>共重合体(a1−1)水溶液の作製
撹拌器及び温度調節機能を備えた混合槽に、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸=50/50(モル比)共重合体「GanterzAN119」[Mn=2.13×106、アイエスピー・ジャパン(株)製]10部、イオン交換水101部及びアンモニア含有量29%のアンモニア水溶液6部を仕込み、20〜30℃で1時間攪拌し、メチルビニルエーテル/マレイン酸アンモニウム=50/50(モル比)共重合体(アンモニア中和率:80モル%)の10%水溶液(a1−1)を得た。
【0069】
<製造例2>共重合体(a1−2)水溶液の作製
イオン交換水の部数101部を104.5部に、アンモニア含有量29%のアンモニア水溶液の部数6部を7.5部に変更した以外は製造例1と同様にして、メチルビニルエーテル/マレイン酸アンモニウム=50/50(モル比)共重合体(アンモニア中和率:100モル%)の10%水溶液(a1−2)を得た。
【0070】
<製造例3>共重合体(a2−3)水溶液の作製
「GanterzAN119」10部をイソブチレン/無水マレイン酸=50/50(モル比)共重合体「イソバン−04」[Mw=6×104、(株)クラレ製]10部に変更した以外は製造例1と同様にして、イソブチレン/マレイン酸アンモニウム=50/50(モル比)共重合体(アンモニア中和率:80モル%)の10%水溶液(a1−3)を得た。
【0071】
<製造例4>共重合体(a1−4)水溶液の作製
「GanterzAN119」10部を「イソバン−04」10部に、イオン交換水の部数101部を104.5部に、アンモニア含有量29%のアンモニア水溶液の部数6部を7.5部に変更した以外は製造例1と同様にして、イソブチレン/マレイン酸アンモニウム=50/50(モル比)共重合体(アンモニア中和率:100モル%)の10%水溶液(a1−4)を得た。
【0072】
<製造例5>ゼラチン(a2)水溶液の作製
撹拌器及び温度調節機能を備えた混合槽に、アルカリ処理ゼラチン「ゼラチンSE−1」[Mw=10,000、ニッピゼラチン工業(株)製]5部及びイオン交換水95部を仕込み、60〜70℃で1時間撹拌してゼラチン(a2)の5%水溶液を得た。
【0073】
<製造例6>ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1−1)の作製
撹拌器、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に硬化ヒマシ油(水酸基価:160)526部と水酸化カリウム0.3部を仕込み、窒素置換後密閉し、160℃に昇温した。撹拌下にEO880部を4時間かけて滴下し、160℃で3時間熟成し、ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物[硬化ヒマシ油(EO)40モル付加物、固形分濃度:100%](b1−1)を得た。
【0074】
<製造例7>ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1−2)の作製
硬化ヒマシ油(水酸基価:160)526部をヒマシ油(水酸基価:161)523部に変更した以外は製造例6と同様にして、ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物[ヒマシ油(EO)40モル付加物、固形分濃度:100%](b1−2)を得た。
【0075】
<製造例8>ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1−3)の作製
EOの部数880部を440部に変更した以外は製造例6と同様にして、ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物[硬化ヒマシ油(EO)20モル付加物](b1−3)を得た。
【0076】
<製造例9>ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1−4)の作製
EOの部数880部を1320部に変更した以外は製造例6と同様にして、ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物[硬化ヒマシ油(EO)60モル付加物、固形分濃度:100%](b1−4)を得た。
【0077】
<製造例10>非イオン性界面活性剤(F−1)の作製
硬化ヒマシ油(水酸基価:160)526部をイソデシルアルコール158部に、EOの部数880部を308部に変更した以外は製造例6と同様にして、非イオン性界面活性剤(F−1)[イソデシルアルコール(EO)7モル付加物、固形分濃度:100%](F−1)を得た。
【0078】
<製造例11>非イオン性界面活性剤(F−2)の作製
硬化ヒマシ油(水酸基価:160)526部をステアリルアミン269部に、EOの部数880部を660部に変更した以外は製造例6と同様にして、非イオン性界面活性剤(F−2)[ステアリルアミン(EO)15モル付加物、固形分濃度:100%](F−2)を得た。
【0079】
以下の方法でゲル状芳香剤を作製し、以下の方法でゲル状芳香剤の外観、透過率、ゲル強度、低温安定性及び高温安定性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0080】
<実施例1>
香料Aを含むゲル状芳香剤:
200mlのビーカーに、下記の香料Aを1.5部(固形分1.5部)、親水性有機溶媒(G)としてのプロピレングリコール1.5部(固形分1.5部)、(B)成分として製造例6で得られた(b1−1)2.1部(固形分2.1部)、及び(C)成分としての下記(c1−1)3.0部(固形分0.9部)を仕込み、マグネチックスターラーで攪拌しながら全体が49部になるような量の水(40.9部)を徐々に加えて、香料を可溶化した溶液を作製した。この溶液に、製造例5で得られたゼラチン水溶液(a2)42部(固形分2.1部)を加えて混合し、さらに製造例1で得られた共重合体水溶液(a1−1)9部(固形分0.9部)を加えて混合し、20〜30℃で24時間静置しゲル状芳香剤100部を得た。24時間後と26時間後のゲル強度を測定した結果350gであった。
香料B又は香料Cを含むゲル状芳香剤:
香料Aを香料B又は香料Cに代えたこと以外は上記と同様にして、香料B又は香料Cを含むゲル状芳香剤を得た。
【0081】
<実施例2〜14及び比較例1〜5>
配合成分の種類及び仕込量(固形分換算)を表1及び表2のように変えたこと以外は実施例1と同様にして実施例2〜14及び比較例1〜5のゲル状芳香剤を得た。
【0082】
香料A:ラベンダー系(グアイエン)[固形分濃度:100%]
香料B:柑橘系(オレンジ油)[固形分濃度:100%]
香料C:フローラル系(オシメン)[固形分濃度:100%]
【0083】
表1及び表2の(b2−1)、(b2−2)、(c1−1)、(c1−2)、(c2−1)及び(c2−2)の組成は、以下の通りである。
(b2−1);ソルビタンモノラウレート(EO)20モル付加物「イオネットT−20C」[固形分濃度:100%、三洋化成工業(株)製]
(b2−2);ソルビタンモノオレート(EO)20モル付加物「イオネットT−80V」[固形分濃度:100%、三洋化成工業(株)製]
(c1−1);ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン「レボン2000」[固形分濃度:30%、三洋化成工業(株)製]
(c1−2);ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン「レボンLD−36」[固形分濃度:36%、三洋化成工業(株)製]
(c2−1);ジオクチルスルホコハク酸エステルナトリウム塩「サンモリンOT−70」[固形分濃度:70%、三洋化成工業(株)製]
(c2−2);ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルサルフェートナトリウム塩「サンデットEN」[固形分濃度:25%、三洋化成工業(株)製]
【0084】
<ゲルの外観(1)>
作製直後のゲル状芳香剤の外観を目視判定し、以下の判定基準で評価した。
○:透明
△:わずかに白濁
×:白濁
【0085】
<ゲルの外観(2)>
ゲル状芳香剤を−20℃で16時間凍結させたものを常温で8時間放置することによって解凍し、復元させたときのゲル状芳香剤の外観を目視判定し、以下の判定基準で評価した。
○:変化なし
△:わずかに変化する
×:変化する
【0086】
<透過率>
前記方法でゲル状芳香剤の透過率を測定した。
【0087】
<ゲル強度>
前記方法でゲル状芳香剤のゲル強度を測定した。
【0088】
<低温安定性>
ゲル状芳香剤を0℃の恒温槽中に24時間放置して外観を目視判定し、以下の判定基準で分離物の有無を調べた。
○:変化なし
△:わずかに離水する
×:離水する
【0089】
<高温安定性>
ゲル状芳香剤を50℃の恒温槽中に24時間放置して外観を目視判定し、以下の判定基準でゲルが破壊されて液状になるかどうかを調べた。
○:変化なし
△:わずかに破壊され液状になる
×:液状になる
【0090】
【表1】

【0091】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明のゲル状芳香剤は、特に部屋、トイレ及び車用等の芳香剤として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)〜(E)を必須成分として含有するゲル状芳香剤。
(A):エチレン性不飽和単量体及び(無水)マレイン酸を構成単量体としてなる共重合体(a0)のアンモニウム塩(a1)とゼラチン(a2)との反応物
(B):ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1)及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキサイド付加物(b2)
(C):両性界面活性剤(c1)及び/又はアニオン性界面活性剤(c2)
(D):香料
(E):水
【請求項2】
さらに、一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤(F)を含有する請求項1記載のゲル状芳香剤。
1O−[(C24O)p・(A1O)q]−(C24O)r−(A2O)s−H (1)
[式中、R1は炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数8〜24のアシル基と炭素数1〜6のアルキル基を有するアシロキシアルキル基、炭素数8〜24のアシル基と炭素数1〜6のアルキル基を有するアシルアミノアルキル基及び炭素数8〜24のアリールアルキル基からなる群から選ばれる1種以上;A1O及びA2Oはそれぞれ独立して炭素数3又は4のオキシアルキレン基;pは0〜50の数;qは0〜20の数;rは2〜50の数;sは0〜20の数;[(C24O)p・(A1O)q]はランダム付加及び/又はブロック付加した基を表す。]
【請求項3】
前記エチレン性不飽和単量体が炭素数2〜30の脂肪族オレフィン又は炭素数3〜42のモノアルキルアルケニルエーテルである請求項1又は2記載のゲル状芳香剤。
【請求項4】
前記炭素数2〜30の脂肪族オレフィンがイソブチレンであり、前記炭素数3〜42のモノアルキルアルケニルエーテルがメチルビニルエーテルである請求項3記載のゲル状芳香剤。
【請求項5】
前記ヒドロキシル基を有する油脂のアルキレンオキサイド付加物(b1)が、ヒマシ油又は硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド10〜100モル付加物である請求項1〜4のいずれか記載のゲル状芳香剤。
【請求項6】
前記両性界面活性剤(c1)がカルボキシベタイン型両性界面活性剤であり、前記アニオン性界面活性剤(c2)がスルホン酸型アニオン性界面活性剤及び/又は硫酸エステル型アニオン性界面活性剤である請求項1〜5のいずれか記載のゲル状芳香剤。
【請求項7】
ゲル状芳香剤の全重量に基づいて、前記(A)を1〜5重量%、前記(B)を0.5〜5重量%、前記(C)を0.1〜3重量%、前記(D)を0.1〜10重量%、及び前記(E)を77〜95重量%含有してなる請求項1〜6のいずれか記載のゲル状芳香剤。
【請求項8】
(B)/(C)の重量比が30/70〜95/5である請求項1〜7のいずれか記載のゲル状芳香剤。

【公開番号】特開2011−56008(P2011−56008A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208241(P2009−208241)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】