説明

ゲートウェイ装置

【課題】着信先に応じて、ユーザの要望に応じた通話を実現することができるゲートウェイ装置20を提供する。
【解決手段】本発明のゲートウェイ装置20は、アナログ電話番号での発信の際に、当該アナログ電話番号に対応付けてインターネット電話番号がデータベース24内の電話番号テーブル240に予め登録されていれば、当該インターネット電話番号を用いてインターネット16経由で発信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機に接続され、当該電話機の発着信を制御するゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、IP電話網毎に通話料金の情報をデータベースに予め登録しておき、電話機から発信指示があった場合に、最も安い通話料金のIP電話網を使って発信を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2006−13900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通話料金の面では、一般的に、IP電話はアナログ電話よりも安いが、Skype(登録商標)無料のインターネット電話よりは高い。また、通話品質の面では、一般的に、IP電話はインターネット電話よりも高いが、アナログ電話ほどではない。また、セキュリティの面では、一般的に、IP電話はインターネット電話よりも高いが、アナログ電話ほどではない。
【0005】
電話をかける場合、着信先によっては、通話品質やセキュリティを犠牲にしてでもできるだけ安い通話料金で電話をかけたい場合があったり、通話料が高くても高い通話品質やセキュリティで電話をかけたい場合がある。しかし、上記特許文献では、IP電話網間で通話料金の安い方を選択して発信することはできるが、通話料金をインターネット電話のように無料にすることはできない。また、IP電話網を切換えたとしてもどちらもIP電話網であるため、アナログ電話ほど通話品質およびセキュリティを高くすることもできない。
【0006】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、着信先に応じて、ユーザの要望に応じた通話を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0008】
本願は、上記課題を解決するための手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、電話機に接続されるゲートウェイ装置であって、
アナログ電話番号に対応付けて、インターネット電話番号を格納する電話番号格納部と、
前記電話機から着信先のアナログ電話番号を含む発信指示を受信した場合に、前記電話番号格納部を参照して、当該アナログ電話番号にインターネット電話番号が対応付けられていれば、当該インターネット電話番号を用いた発信を決定し、当該アナログ電話番号が前記電話番号格納部に格納されていなければ、当該アナログ電話番号を用いた発信を決定する発信方法決定部と、
前記発信方法決定部によってインターネット電話番号を用いた発信が決定された場合に、当該インターネット番号を用いて、インターネットを介して発信するインターネット電話処理部と、
前記発信方法決定部によってアナログ電話番号を用いた発信が決定された場合に、当該アナログ番号を用いて、アナログ回線を介して発信するアナログ電話処理部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゲートウェイ装置によれば、着信先に応じて、ユーザの要望に応じた通話を実現することができる。
【0010】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信システム10の構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】ゲートウェイ装置20の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】データベース24に格納されている電話番号テーブル240のデータ構造を示す図である。
【図4】データベース24に格納されている優先ポートテーブル241のデータ構造を示す図である。
【図5】ゲートウェイ装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】ゲートウェイ装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】電話番号テーブル240の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム10の構成の一例を示すシステム構成図である。通信システム10は、電話機11およびONU(Optical Network Unit)12に接続されたゲートウェイ装置20を備える。
【0014】
ゲートウェイ装置20aは、電話機11aから電話機11bへの発信を、後述の処理によって、アナログ回線網15を介して発信するか、インターネット16を介して発信するかを判定し、OLT(Optical Line Terminal)13aおよびアクセス網14aを介し、決定した回線網を介して発信する。
【0015】
ゲートウェイ装置20aからの発信は、決定された回線網を介し、さらに、アクセス網14b、OLT13b、ONU12b、およびゲートウェイ装置20bを介して、着信先の電話機11bに着信する。
【0016】
図2は、ゲートウェイ装置20の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。ゲートウェイ装置20は、電話機I/F(インターフェイス)21、状態確認部22、発信方法決定部23、データベース24、アナログ電話処理部25、インターネット電話処理部26、応答時間測定部27、状態通知部28、およびONUI/F29を有する。
【0017】
電話機I/F21は、複数のポートを有し、それぞれのポートに電話機11が接続されている。電話機I/F21は、電話機11からアナログ電話番号を含む発信信号を受け取った場合に、当該電話機11が接続されているポートの番号と共に、当該発信信号を発信方法決定部23に通知する。
【0018】
また、電話機I/F21は、電話機11から受け取った通話信号を、当該電話機11が接続されているポートの番号と共に、アナログ電話処理部25またはインターネット電話処理部26へ送り、アナログ電話処理部25またはインターネット電話処理部26からポート番号と共に受け取った着信信号や通話信号を、当該ポート番号に対応するポートに接続されている電話機11へ送る。
【0019】
ONUI/F29は、アナログ電話処理部25、インターネット電話処理部26、応答時間測定部27、または状態通知部28から送信されたデータをONU12へ中継し、ONU12から受信したデータを、アナログ電話処理部25、インターネット電話処理部26、応答時間測定部27、または状態通知部28へ中継する。
【0020】
データベース24には、電話番号テーブルおよび優先ポートテーブルが予め格納されている。電話番号テーブルには、例えば図3に示すように、アナログ電話番号2400に対応付けて、当該アナログ電話番号2400に対応する電話機11に割り当てられたインターネット電話番号2401、当該インターネット電話番号2401を用いた前回の発信において呼の確立に成功したか否かを示す実績2402、当該インターネット電話番号2401に対応する電話機11へ送信したPing(Packet INternet Groper)に対する応答時間2403、および、当該インターネット電話番号2401に対応する電話機11が正常に動作しているか否かを示す状態2404が格納される。
【0021】
アナログ電話番号2400およびインターネット電話番号2401は、ゲートウェイ装置20に設けられたキーパッド等の入力インターフェイスを介して、ゲートウェイ装置20のユーザ等によって予め登録される。
【0022】
また、優先ポートテーブルには、例えば図4に示すように、電話機I/F21が有するそれぞれのポートを識別するポート番号2410に対応付けて、当該ポートに電話機11が接続されているか否かを示す接続情報2411、および、当該ポートに接続されている電話機11からの発信をインターネットを優先して発信するか否かを示す優先設定2412が予め格納されている。優先ポートテーブル241内の情報は、ゲートウェイ装置20に設けられたキーパッド等の入力インターフェイスを介して、ゲートウェイ装置20のユーザ等によって予め登録される。
【0023】
応答時間測定部27は、予め定められたタイミング(例えば1日1回等)で、データベース24内の電話番号テーブル240を参照し、それぞれのインターネット電話番号毎に、インターネット電話番号に対応する電話機11のIPアドレスを管理している外部のサーバに、当該IPアドレスを問い合わせ、それぞれのインターネット電話番号に対応する電話機11のIPアドレスを入手する。
【0024】
そして、応答時間測定部27は、入手したIPアドレス宛に、インターネット16を介してPingを送信し、Pingを送信してからReplyパケットを受信するまでの応答時間を、それぞれのインターネット電話番号に対応する電話機11について測定する。そして、応答時間測定部27は、測定した応答時間を、それぞれのインターネット電話番号に対応付けて電話番号テーブル240に格納されている応答時間として記録する。
【0025】
発信方法決定部23は、ポート番号と共にアナログ電話番号を含む発信信号を電話機I/F21から受け取った場合に、データベース24内の優先ポートテーブル241を参照して、当該ポート番号が優先設定されているポートの番号か否かを判定する。
【0026】
電話機I/F21から受け取ったポート番号が優先設定されているポートの番号である場合、発信方法決定部23は、電話番号テーブル240を参照して、電話機I/F21から受け取った発信信号に含まれているアナログ電話番号が電話番号テーブル240に登録されているか否かを判定する。
【0027】
電話機I/F21から受け取った発信信号に含まれているアナログ電話番号が電話番号テーブル240に登録されている場合、発信方法決定部23は、電話番号テーブル240を参照して、当該アナログ電話番号に対応付けられている状態が、当該アナログ電話番号に対応する電話機11が正常に動作している旨を示すか否かを判定する。
【0028】
当該アナログ電話番号に対応する電話機11が正常に動作している旨を示す場合、発信方法決定部23は、電話番号テーブル240を参照して、当該アナログ電話番号に対応付けられている実績が、インターネット電話番号を用いた前回の発信において呼の確立に成功した旨を示すかを判定する。
【0029】
インターネット電話番号を用いた前回の発信において呼の確立に成功した旨を示す場合、発信方法決定部23は、電話番号テーブル240を参照して、当該インターネット電話番号に対応付けられている応答時間が予め定められた値(例えば150ミリ秒)未満か否かを判定する。
【0030】
インターネット電話番号に対応付けられている応答時間が予め定められた値未満である場合、発信方法決定部23は、電話機I/F21から受け取ったポート番号と共に、当該インターネット電話番号を含む発信指示をインターネット電話処理部26へ送る。
【0031】
そして、インターネット電話番号と共に、呼の確立に成功した旨をインターネット電話処理部26から通知された場合、発信方法決定部23は、当該インターネット電話番号に対応付けられて電話番号テーブル240に格納されている実績に、呼の確立に成功した旨を示す情報を記録する。
【0032】
一方、ポート番号およびインターネット電話番号と共に、呼の確立に失敗した旨をインターネット電話処理部26から通知された場合、発信方法決定部23は、当該インターネット電話番号に対応付けられて電話番号テーブル240に格納されている実績に、呼の確立に失敗した旨を示す情報を記録する。そして、発信方法決定部23は、当該インターネット電話番号に対応付けられて電話番号テーブル240に格納されているアナログ電話番号を含む発信指示を、インターネット電話処理部26から通知されたポート番号と共に、アナログ電話処理部25へ送る。
【0033】
また、電話機I/F21から受け取ったポート番号が優先設定されているポートの番号ではない場合や、電話機I/F21から受け取った発信信号に含まれているアナログ電話番号が電話番号テーブル240に登録されていない場合、着信先の電話機11が正常に動作していない場合、インターネット電話番号を用いた前回の発信において呼の確立に失敗していた場合、応答時間が予め定められた値以上の場合には、発信方法決定部23は、電話機I/F21から受け取った発信信号を発信指示として、電話機I/F21から受け取ったポート番号と共にアナログ電話処理部25へ送る。
【0034】
アナログ電話処理部25は、発信方法決定部23からポート番号と共に発信指示を受け取った場合に、当該発信指示に含まれている電話番号の電話機11へアナログ回線網15を介して発信する。そして、アナログ電話処理部25は、アナログ回線網15を介して着信先の電話機11から受け取った通話信号を、発信方法決定部23から受け取ったポート番号と共に電話機I/F21へ送り、電話機I/F21から受け取った通話信号をアナログ回線網15を介して着信先の電話機11へ送る。
【0035】
インターネット電話処理部26は、発信方法決定部23からポート番号と共に発信指示を受け取った場合に、当該発信指示に含まれているインターネット電話番号に対応する電話機11のIPアドレスを外部のサーバから取得し、取得したIPアドレスに対応する電話機11へインターネット16を介して発信する。
【0036】
そして、インターネット電話処理部26は、呼の確立に成功した場合に、着信先の電話機11のインターネット電話番号と共にその旨を発信方法決定部23に通知する。例えば、SIP(Session Initiation Protocol)を用いて発信する場合、インターネット電話処理部26は、「180 Ringing」等のステータスを通知するレスポンスを着信先の電話機11から受信した場合に、呼の確立に成功したと判定する。
【0037】
そして、インターネット電話処理部26は、インターネット16を介して着信先の電話機11から受け取った通話信号を、発信方法決定部23から受け取ったポート番号と共に電話機I/F21へ送り、電話機I/F21から受け取った通話信号をインターネット16を介して着信先の電話機11へ送る。なお、インターネット16を介して他の電話機から着信した場合、インターネット電話処理部26は、全てのポートに接続されている電話機11に着信させる。
【0038】
一方、呼の確立に失敗した場合、インターネット電話処理部26は、発信方法決定部23から受け取ったポート番号およびインターネット電話番号と共に、呼の確立に失敗した旨を発信方法決定部23に通知する。
【0039】
状態確認部22は、予め定められたタイミング(例えば1日1回等)でデータベース24内の優先ポートテーブル241を参照し、電話機11が接続されているポートを特定し、特定したそれぞれのポートに接続されている電話機11が正常に動作しているか否かを判定する。状態確認部22は、例えば、電話機I/F21のポートを介して、それぞれの電話機11の内部抵抗を測定し、測定した抵抗値が予め定められた正常値の範囲内にある場合に、当該電話機11は正常に動作していると判定する。
【0040】
そして、状態確認部22は、電話機I/F21のポートに接続されている全ての電話機11について、それぞれの電話機11が正常に動作しているか否かを判定し、全ての電話機11が正常に動作していないと判定した場合に、その旨を状態通知部28に通知する。また、その後に少なくともいずれかの電話機11が正常動作に復帰した場合、状態確認部22は、正常動作に復帰した旨を状態通知部28に通知する。
【0041】
状態通知部28は、電話機I/F21に接続されている全ての電話機11が正常に動作していない旨を状態確認部22から通知された場合に、データベース24内の電話番号テーブル240に登録されているそれぞれのインターネット電話番号に対応するIPアドレスを外部のサーバから取得し、取得したそれぞれのIPアドレスに対応する電話機11宛に、自ゲートウェイ装置20のインターネット電話番号を含む故障通知をインターネット16を介して送信する。
【0042】
また、電話機I/F21に接続されている少なくともいずれかの電話機11が正常動作に復帰した旨を状態確認部22から通知された場合、状態通知部28は、データベース24内の電話番号テーブル240に登録されているそれぞれのインターネット電話番号に対応するIPアドレスを外部のサーバから取得し、取得したそれぞれのIPアドレスに対応する電話機11宛に、自ゲートウェイ装置20のインターネット電話番号を含む故障回復通知をインターネット16を介して送信する。
【0043】
また、インターネット16を介して、他の電話機11に接続されているゲートウェイ装置20から故障通知を受信した場合、状態通知部28は、データベース24内の電話番号テーブル240を参照して、受信した故障通知に含まれているインターネット電話番号に対応付けられている状態に故障中を示す情報を記録する。
【0044】
また、インターネット16を介して、他の電話機11に接続されているゲートウェイ装置20から故障回復通知を受信した場合、状態通知部28は、データベース24内の電話番号テーブル240を参照して、受信した故障回復通知に含まれているインターネット電話番号に対応付けられている状態に記録されている情報を正常を示す情報に書き換える。
【0045】
図5および図6は、ゲートウェイ装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【0046】
まず、電話機I/F21は、いずれかの電話機11から発信指示を受け付けたか否かを判定する(S100)。電話機11から発信指示を受け付けた場合(S100:Yes)、電話機I/F21は、当該電話機11が接続されているポートの番号と共に、受け付けた発信指示を発信方法決定部23へ送る。
【0047】
次に、発信方法決定部23は、データベース24内の優先ポートテーブル241を参照して、当該ポート番号が優先設定されているポートの番号か否かを判定する(S101)。当該ポート番号が優先設定されているポートの番号ではない場合(S101:No)、発信方法決定部23は、ステップS114に示す処理を実行する。
【0048】
当該ポート番号が優先設定されているポートの番号である場合(S101:Yes)、発信方法決定部23は、電話番号テーブル240を参照して、電話機I/F21から受け取った発信信号に含まれているアナログ電話番号が電話番号テーブル240に登録されているか否かを判定する(S102)。当該アナログ電話番号が電話番号テーブル240に登録されていない場合(S102:No)、発信方法決定部23は、ステップS114に示す処理を実行する。
【0049】
当該アナログ電話番号が電話番号テーブル240に登録されている場合(S102:Yes)、発信方法決定部23は、当該アナログ電話番号に対応付けられている状態が、当該アナログ電話番号に対応する電話機11が正常に動作している旨を示すか否かを判定する(S103)。電話機11が正常に動作していない旨を示す場合(S103:No)、発信方法決定部23は、電話機I/F21を介して、発信指示の送信元の電話機11にエラーを通知し(S104)、電話機I/F21は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0050】
電話機11が正常に動作している旨を示す場合(S103:Yes)、発信方法決定部23は、電話番号テーブル240を参照して、電話機I/F21から受け取った発信信号に含まれているアナログ電話番号に対応付けられている実績が、インターネット電話番号を用いた前回の発信において呼の確立に成功した旨を示すかを判定する(S105)。当該アナログ電話番号に対応付けられている実績が、インターネット電話番号を用いた前回の発信において呼の確立に失敗した旨を示す場合(S105:No)、発信方法決定部23は、ステップS114に示す処理を実行する。
【0051】
当該アナログ電話番号に対応付けられている実績が、インターネット電話番号を用いた前回の発信において呼の確立に成功した旨を示す場合(S105:Yes)、発信方法決定部23は、電話番号テーブル240を参照して、当該アナログ電話番号に対応付けられている応答時間が予め定められた値(例えば150ミリ秒)未満か否かを判定する(S106)。当該アナログ電話番号に対応付けられている応答時間が予め定められた値以上の場合(S106:No)、発信方法決定部23は、ステップS114に示す処理を実行する。
【0052】
当該アナログ電話番号に対応付けられている応答時間が予め定められた値未満である場合(S106:Yes)、発信方法決定部23は、電話機I/F21から受け取ったポート番号と共に、当該インターネット電話番号を含む発信指示をインターネット電話処理部26へ送る。
【0053】
次に、インターネット電話処理部26は、発信方法決定部23からポート番号と共に発信指示を受け取り、当該発信指示に含まれている電話番号の電話機11へインターネット16を介して発信する(S107)。そして、インターネット電話処理部26は、呼の確立に成功したか否かを判定する(S108)。
【0054】
呼の確立に成功した場合(S108:Yes)、インターネット電話処理部26は、着信先の電話機11のインターネット電話番号と共にその旨を発信方法決定部23に通知する。発信方法決定部23は、当該インターネット電話番号に対応付けられて電話番号テーブル240に格納されている実績に、呼の確立に成功した旨を示す情報を記録し(S109)、電話機I/F21は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0055】
一方、呼の確立に成功していない場合(S108:No)、インターネット電話処理部26は、所定期間が経過していれば(S110:Yes)、リトライ回数が所定回数に達したか否かを判定する(S111)。リトライ回数が所定回数に達していない場合(S111:No)、インターネット電話処理部26は、リトライ回数を1増やした上で(S112)、再びステップS107に示した処理を実行する。
【0056】
一方、リトライ回数が所定回数に達した場合(S111:Yes)、インターネット電話処理部26は、ステップS107において発信方法決定部23から受け取ったポート番号およびインターネット電話番号と共に、呼の確立に失敗した旨を発信方法決定部23に通知する。発信方法決定部23は、ポート番号およびインターネット電話番号をインターネット電話処理部26から受け取り、当該インターネット電話番号に対応付けられて電話番号テーブル240に格納されている実績に、呼の確立に失敗した旨を示す情報を記録する(S113)。
【0057】
次に、発信方法決定部23は、当該インターネット電話番号に対応付けられて電話番号テーブル240に格納されているアナログ電話番号を含む発信指示を、インターネット電話処理部26から通知されたポート番号と共に、アナログ電話処理部25へ送る。アナログ電話処理部25は、発信方法決定部23からポート番号と共に受け取った発信指示に含まれている電話番号の電話機11へアナログ回線網15を介して発信し(S114)、電話機I/F21は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0058】
ステップS100において、電話機11から発信指示を受け付けていない場合(S100:No)、応答時間測定部27は、応答時間の測定タイミングか否かを判定する(図6のS115)。応答時間の測定タイミングである場合(S115:Yes)、応答時間測定部27は、電話番号テーブル240内のインターネット電話番号の中で、未選択のインターネット電話番号を1つ選択する(S116)。
【0059】
次に、応答時間測定部27は、選択したインターネット電話番号に対応する電話機11のIPアドレスを外部のサーバから入手し、入手したIPアドレス宛にインターネット16を介してPingを送信する(S117)。そして、応答時間測定部27は、Replyパケットを受信したか否かを判定する(S118)。
【0060】
Replyパケットを受信した場合(S118:Yes)、応答時間測定部27は、Pingを送信してからReplyパケットを受信するまでの応答時間を、当該インターネット電話番号に対応付けて電話番号テーブル240に記録し(S119)、ステップS120に示す処理を実行する。
【0061】
一方、Replyパケットを受信していない場合(S118:No)、応答時間測定部27は、Pingを送信してから所定時間T1(例えば500ミリ秒)が経過したか否かを判定する(S121)。Pingを送信してから所定時間T1が経過していない場合(S121:No)、応答時間測定部27は、再びステップS118に示した処理を実行する。
【0062】
一方、Pingを送信してから所定時間T1が経過した場合(S121:Yes)、応答時間測定部27は、当該インターネット電話番号に対応付けて電話番号テーブル240に、応答時間をT1以上と記録する(S122)。そして、応答時間測定部27は、電話番号テーブル240内のインターネット電話番号を全て選択したか否かを判定する(S120)。
【0063】
電話番号テーブル240内に未選択のインターネット電話番号が存在する場合(S120:No)、応答時間測定部27は、再びステップS116に示した処理を実行する。一方、電話番号テーブル240内のインターネット電話番号を全て選択した場合(S120:Yes)、電話機I/F21は、再びステップS100(図5)に示した処理を実行する。
【0064】
ステップS115において、応答時間の測定タイミングではない場合(S115:No)、状態確認部22は、電話機11の状態を確認するタイミングか否かを判定する(S123)。電話機11の状態を確認するタイミングではない場合(S123:No)、電話機I/F21は、再びステップS100(図5)に示した処理を実行する。
【0065】
一方、電話機11の状態を確認するタイミングである場合(S123:Yes)、状態確認部22は、優先ポートテーブル241を参照して、電話機11が接続されているポートの中で、未選択のポートを1つ選択し(S124)、選択したポートに接続されている電話機11の内部抵抗を測定する等により、当該電話機11が正常に動作しているか否かを判定する(S125)。
【0066】
次に、状態確認部22は、電話機11が接続されている全てのポートを選択したか否かを判定する(S126)。未選択のポートがある場合(S126:No)、状態確認部22は、再びステップS124に示した処理を実行する。
【0067】
一方、電話機11が接続されている全てのポートを選択した場合(S126:Yes)、状態確認部22は、少なくともいずれかのポートに接続されている電話機11が正常に動作しているか否かを判定する(S127)。少なくともいずれかのポートに接続されている電話機11が正常に動作している場合(S127:Yes)、電話機I/F21は、再びステップS100(図5)に示した処理を実行する。
【0068】
一方、電話機11が接続されているいずれのポートに接続されている電話機11も正常に動作していない場合(S127:No)、状態確認部22は、その旨を状態通知部28に通知する。状態通知部28は、データベース24内の電話番号テーブル240に登録されているそれぞれのインターネット電話番号に対応するIPアドレスを外部のサーバから取得する。そして、状態通知部28は、取得したそれぞれのIPアドレスに対応する電話機11宛に、自ゲートウェイ装置20のインターネット電話番号を含む故障通知をインターネット16を介して送信し(S128)、電話機I/F21は、再びステップS100(図5)に示した処理を実行する。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0070】
上記説明から明らかなように、本実施形態のゲートウェイ装置20によれば、ユーザが、通話品質やセキュリティを犠牲にしてでもできるだけ安い通話料金で電話をかけたい通話相手については、当該通話相手のアナログ電話番号に対応付けてインターネット電話番号を電話番号テーブル240に登録し、通話料が高くても高い通話品質やセキュリティで電話をかけたい通話相手については、当該通話相手の電話番号を電話番号テーブル240に登録しないことにより、着信先に応じて、ユーザの要望に応じた通話を実現することができる。
【0071】
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態では、インターネット電話番号を用いた前回の発信において呼の確立に失敗していた場合に、インターネット電話ではなくアナログ電話での発信を行うが、本発明はこれに限られない。
【0072】
例えば、図7に示すように、インターネット電話番号を用いた前回の発信だけでなく、過去の発信の成功の有無についての履歴を実績として電話番号テーブル240に記録し、過去所定回数(例えば10回)における発信成功率が所定割合(例えば80%)以上である場合に、インターネット電話による発信を行うようにしてもよい。
【0073】
また、図7に示した電話番号テーブル240を用いて、過去所定回数(例えば10回)における発信成功率が所定割合(例えば50%)以上である場合に、インターネット電話による発信を行い、その際、当該発信成功率が例えば50%以上70%未満の場合にリトライ回数を1回、タイムアウト時間を500ミリ秒とし、当該発信成功率が例えば70%以上の場合にリトライ回数を2回、タイムアウト時間を700ミリ秒とする等のように、過去所定回数における発信成功率に応じて、インターネット電話の発信におけるリトライ回数やタイムアウト時間を変えるようにしてもよい。
【0074】
また、図7に示すように、応答時間の測定結果も履歴として記録し、過去所定回数(例えば10回)における応答時間の平均が所定値(例えば140ミリ秒)未満であれば、直前の応答時間の測定結果が150ミリ秒以上であってもインターネット電話による発信を行うようにしてもよい。
【0075】
また、過去所定回数(例えば10回)における応答時間の平均が所定値(例えば140ミリ秒)未満である場合に、インターネット電話による発信を行い、その際、当該応答時間の平均の値に応じて、インターネット電話の発信におけるリトライ回数やタイムアウト時間を変えるようにしてもよい。
【0076】
また、図7に示すように、電話機11の状態も履歴として記録し、過去所定回数(例えば10回)における、電話機11が故障中と判定された回数である故障回数が所定割合(例えば20%)以下であれば、直前に故障中と判定されたとしてもインターネット電話による発信を行うようにしてもよい。
【0077】
また、過去所定回数(例えば10回)における故障回数が所定割合(例えば50%)以下である場合に、インターネット電話による発信を行い、その際、当該故障回数の割合に応じて、インターネット電話の発信におけるリトライ回数やタイムアウト時間を変えるようにしてもよい。
【0078】
また、上記した各実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明が、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0079】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現されてもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0080】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10・・・通信システム、11・・・電話機、12・・・ONU、13・・・OLT、14・・・アクセス網、15・・・アナログ回線網、16・・・インターネット、20・・・ゲートウェイ装置、21・・・電話機I/F、22・・・状態確認部、23・・・発信方法決定部、24・・・データベース、240・・・電話番号テーブル、241・・・優先ポートテーブル、25・・・アナログ電話処理部、26・・・インターネット電話処理部、27・・・応答時間測定部、28・・・状態通知部、29・・・ONUI/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機に接続されるゲートウェイ装置であって、
アナログ電話番号に対応付けて、インターネット電話番号を格納する電話番号格納部と、
前記電話機から着信先のアナログ電話番号を含む発信指示を受信した場合に、前記電話番号格納部を参照して、当該アナログ電話番号にインターネット電話番号が対応付けられていれば、当該インターネット電話番号を用いた発信を決定し、当該アナログ電話番号が前記電話番号格納部に格納されていなければ、当該アナログ電話番号を用いた発信を決定する発信方法決定部と、
前記発信方法決定部によってインターネット電話番号を用いた発信が決定された場合に、当該インターネット番号を用いて、インターネットを介して発信するインターネット電話処理部と、
前記発信方法決定部によってアナログ電話番号を用いた発信が決定された場合に、当該アナログ番号を用いて、アナログ回線を介して発信するアナログ電話処理部と
を備えることを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲートウェイ装置であって、
前記電話番号格納部は、
アナログ電話番号およびインターネット電話番号に対応付けて、通話実績情報をさらに格納し、
前記発信方法決定部は、
前記インターネット電話処理部が着信先の電話機との間でインターネットを介した呼の確立に成功した場合に、呼の確立が成功した旨を通話実績情報として、当該電話機のインターネット電話番号に対応付けて前記電話番号格納部に格納し、
前記発信方法決定部は、
前記電話機から着信先のアナログ電話番号を含む発信指示を受信した場合に、前記電話番号格納部を参照して、当該アナログ電話番号にインターネット電話番号が対応付けられているとしても、当該インターネット電話番号に対応付けられている前回の通話実績情報が、呼の確立が成功した旨を示すものでなければ、当該アナログ電話番号を用いた発信を決定することを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲートウェイ装置であって、
前記電話番号格納部は、
アナログ電話番号およびインターネット電話番号に対応付けて、応答時間をさらに格納し、
当該ゲートウェイ装置は、
前記電話番号格納部に格納されているそれぞれのインターネット電話番号に対応する電話機に対して疎通確認要求をインターネットを介して送信し、当該疎通確認要求を送信してから当該疎通確認要求に対する応答を受信するまでの時間を応答時間として測定し、測定した応答時間を、当該インターネット電話番号に対応付けて前記電話番号格納部に格納する応答時間測定部をさらに備え、
前記発信方法決定部は、
前記電話機から着信先のアナログ電話番号を含む発信指示を受信した場合に、前記電話番号格納部を参照して、当該アナログ電話番号にインターネット電話番号が対応付けられており、かつ、当該インターネット電話番号に対応付けられている前回の通話実績情報が、呼の確立が成功した旨を示すものであるとしても、当該インターネット電話番号に対応付けられている応答時間が、予め定められた時間以上であれば、当該アナログ電話番号を用いた発信を決定することを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のゲートウェイ装置であって、
前記電話番号格納部は、
アナログ電話番号およびインターネット電話番号に対応付けて、当該電話番号に対応する電話機の状態情報をさらに格納し、
当該前記ゲートウェイ装置は、
自装置に接続されている電話機の状態を確認する状態確認部と、
前記状態確認部によって自装置に接続されている電話機が故障していると判定された場合に、前記電話番号格納部に格納されているそれぞれのインターネット電話番号に対応する電話機に対して着信できない旨を自装置のインターネット電話番号と共に通知し、他のゲートウェイ装置からインターネット電話番号と共に着信できない旨を通知された場合に、当該インターネット電話番号に対応付けて着信できない旨を状態情報として前記電話番号格納部に格納する状態通知部と
をさらに備え、
前記発信方法決定部は、
前記電話機から着信先のアナログ電話番号を含む発信指示を受信した場合に、前記電話番号格納部を参照して、当該アナログ電話番号に着信できない旨の状態情報が対応付けられていれば、発信できない旨を当該アナログ電話番号を含む発信指示の送信元の電話機に通知することを特徴とするゲートウェイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−21564(P2013−21564A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154201(P2011−154201)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】