ゲートバルブ及びそれを用いた基板処理システム
【課題】 弁体のサイズが大きくなっても気密性が低下し難いゲートバルブを提供すること。
【解決手段】 被処理体を出し入れする開口部61aの周囲に押圧される弁体62と、弁体62に開口部61aに沿って環状に設けられた押圧部69と、開口部61aの開口面64に対して平行な方向にスライドするメインスライダー66と、メインスライダー66に設けられ、押圧部69を押圧する押圧機構63と、を備え、押圧機構63は、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する突起部67と、突起部67からスロープ状に下がる傾斜部68とを含んだカムで構成され、押圧機構63が、弁体62を開口部61aに正対させた状態で、開口部61aの開口面64に対して垂直な方向Aに押し出し、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する。
【解決手段】 被処理体を出し入れする開口部61aの周囲に押圧される弁体62と、弁体62に開口部61aに沿って環状に設けられた押圧部69と、開口部61aの開口面64に対して平行な方向にスライドするメインスライダー66と、メインスライダー66に設けられ、押圧部69を押圧する押圧機構63と、を備え、押圧機構63は、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する突起部67と、突起部67からスロープ状に下がる傾斜部68とを含んだカムで構成され、押圧機構63が、弁体62を開口部61aに正対させた状態で、開口部61aの開口面64に対して垂直な方向Aに押し出し、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲートバルブ及びそれを用いた基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池や液晶ディスプレイ(LCD)に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)などの製造過程においては、大型のガラス基板にエッチング、あるいは成膜等の所定の処理を施す。このような処理を施す基板処理システムとしては、複数の処理室を備えたマルチチャンバタイプの基板処理システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなマルチチャンバタイプの基板処理システムは、基板(被処理体)を搬送する搬送装置が設けられた共通搬送室を有し、この共通搬送室の周囲に、処理室や、共通搬送室と大気圧雰囲気との間で未処理の基板と処理済の基板とを交換するロードロック室等を備えている。これら共通搬送室、処理室、及びロードロック室は真空装置であり、これらの真空装置は、排気機構を用いて排気することで内部が所定の減圧状態下とされる。
【0004】
真空装置は気密に構成された容器本体を備え、この容器本体には、被処理体を出し入れするための開口部が設けられている。開口部はゲートバルブを用いて開閉される。開口部をゲートバルブにより閉じると、容器本体の内部は気密にシールされ、容器本体の内部の圧力を、所定のプロセス圧力まで減圧したり、大気状態と減圧状態との相互間で変換したりすることが可能となっている。ゲートバルブの構造例は、上記特許文献1に記載されている。
【0005】
上記特許文献1に記載されるゲートバルブでは、油圧シリンダによって昇降する板状のゲートベースを設け、ゲートベースと弁体の両側面をリンクで回動自在に連結して、弁体の支持および押圧を行っている。このようなリンク機構を用いたゲートバルブは、リンクが弁体に対して斜めの状態のとき、弁体を開口部周囲から離し、リンクが弁体に対して水平な状態のとき、弁体を押し出して弁体を開口部周囲に密着させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−196150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近時、被処理体の大型化、あるいは被処理体を同時に複数枚処理するバッチ処理が進展しており、容器本体に設けられた被処理体を出し入れするための開口部のサイズが大きくなってきている。開口部のサイズが大きくなることにより弁体のサイズも大きくなり、それに伴い弁体の重量が増加する傾向にある。
【0008】
特許文献1に記載されるようなリンク機構によるゲートバルブにおいては、弁体の重量が増加するとリンクにより弁体を保持することが困難となる。また、弁体を両側面から押圧することになるため、開口部のサイズが大きくなることにより、弁体の上部および下部に対する押圧が不足することが懸念される。さらに、押圧方向に対して反対側の圧力が高い状態(逆圧状態)においては、リンク機構が水平状態からわずかでもずれてしまうと、弁体と開口部周囲との間でリークが生じ、ゲートバルブの気密性が低下しやすい、という事情がある。
【0009】
これらの事情は、開口部が大きい、即ち、弁体が大きいほど顕著になってきている。弁体が大きいほど、逆圧状態において受ける圧力が大きく、弁体を押し戻そうとする力が強く、また、弁体のたわみ量も大きくなるからである。
【0010】
この発明は、弁体のサイズが大きくなっても気密性が低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第1の態様に係るゲートバルブは、被処理体を出し入れする開口部の周囲に押圧される弁体と、前記弁体に前記開口部に沿って環状に設けられた押圧部と、前記開口部の開口面に対して平行な方向にスライドするメインスライダーと、前記メインスライダーに設けられた、前記押圧部を押圧する押圧機構と、を備え、前記押圧機構は、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧する突起部と、前記突起部からスロープ状に下がる傾斜部とを含んだカムで構成され、前記押圧機構が、前記弁体を前記開口部に正対させた状態で、前記開口部の開口面に対して垂直な方向に押し出し、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧する。
【0012】
この発明の第2の態様に係る基板処理システムは、被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記被処理体に処理を施す処理室と、前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を大気状態下及び真空状態下の双方におくことが可能な、処理前及び処理済の被処理体を交換するロードロック室と、前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記ロードロック室と前記処理室との間で前記被処理体を搬送する搬送室と、を備えた基板処理システムであって、前記処理室、前記ロードロック室、及び前記搬送室の少なくともいずれか一つの、前記被処理体を出し入れする開口部を開閉するゲートバルブに、上記第1の態様に係るゲートバルブが用いられている。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、弁体のサイズが大きくなっても気密性が低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態に係るゲートバルブが用いられた基板処理システムの一例を概略的に示す平面図
【図2】一実施形態に係るゲートバルブの押圧機構の一例を概略的に示す側面図
【図3】一実施形態に係るゲートバルブの押圧機構の一例を概略的に示す側面図
【図4】一実施形態に係るゲートバルブの離脱機構の一例を概略的に示す側面図
【図5】一実施形態に係るゲートバルブの離脱帰庫の一例を概略的に示す側面図
【図6】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図
【図7】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図
【図8】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図
【図9】押圧部の配置例を示す図
【図10】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す平面図
【図11】図10中の矢印11の方向から見た正面図
【図12】この発明の一実施形態の一変形例に係るゲートバルブの断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。参照する図面全てにわたり、同一の部分については同一の参照符号を付す。
【0016】
本説明においては被処理体の一例として太陽電池やFPDの製造に用いられる大型ガラス基板を挙げ、このガラス基板に対して所定の処理、例えば、エッチング、あるいは成膜等を施す基板処理システムを例示しながら説明する。
【0017】
図1は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブが用いられた基板処理システムを概略的に示す平面図である。
【0018】
図1に示すように、一実施形態に係る基板処理システム1は、基板Gに処理を施す処理室、本例においては複数の処理室10a、10bと、処理前及び処理済の基板Gを交換するロードロック室20と、ロードロック室20と処理室10a又は10b、並びに処理室10aと処理室10bとの間で基板Gを搬送する共通搬送室30と、共通搬送室30に設けられた、基板Gを搬送する搬送装置40と、を備えている。
【0019】
本例においては、処理室10a、10b、ロードロック室20、及び共通搬送室30は真空装置であり、それぞれ基板Gを所定の減圧状態下におくことが可能な、気密に構成された容器本体50a、50b、50cまたは50dを備えている。容器本体50a、50b、50cまたは50dには、基板Gを出し入れする開口部51a、51b、51cまたは51dが設けられている。
【0020】
処理室10a、10bの容器本体50a、50bに設けられた開口部51a、51bは、ゲートバルブ室60を介して共通搬送室30の容器本体50cに設けられた開口部51cに接続される。同様にロードロック室20の容器本体50dに設けられた開口部51dは、ゲートバルブ室60を介して共通搬送室30の容器本体50cに設けられた開口部51cに接続されている。
【0021】
本例のゲートバルブ室60は、開口部51a、51b、51cまたは51dに連通し、基板Gを通過させる開口部61a、61b、61cまたは61dを有し、ゲートバルブ室60の内部にはゲートバルブの弁体62が収容されている。開口部61a、61bおよび61dは弁体62により開閉される。本例では、弁体62は、ゲートバルブ室60に設けられた処理室側またはロードロック室側の開口部61a、61bおよび61dの周囲に密着し、容器本体50a、50b、50cおよび50dを気密にシールするように構成されている。しかし、これに限られることはなく、弁体62が、共通搬送室30側に設けられた開口部61cの周囲に密着することで、容器本体50a、50b、50cおよび50dを気密にシールするようにしても良い。
【0022】
また、ロードロック室20は、大気側、即ち、基板処理システム1の外部に開放される開口部51eを有している。外部に開放される開口部51eは、処理前の基板Gのロード、処理済の基板Gのアンロードに使用され、大気状態下に開放された弁体62により開閉される。
【0023】
次に、この発明の一実施形態に係るゲートバルブを、個々の要素を抜粋して説明する。
【0024】
図2及び図3は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブの弁体押圧機構の一例を抜粋して概略的に示す側面図である。この側面は、図1中の矢印IIに示す方向から見たものであり、処理室10aと共通搬送室30との間に設けたゲートバルブを例として詳述する。また、図2は弁体を開口面に正対させた状態(弁体が押圧から開放された状態)、図3はゲートバルブが閉じられた状態(弁体が押圧された状態)を示す。
【0025】
図2及び図3に示すように、一実施形態に係るゲートバルブ6Aは、基板Gを出し入れする処理室10a側の開口部61aの周囲に押圧される弁体62と、弁体62を開口部61aの周囲に対して押圧する押圧機構63と、を備えている。
【0026】
押圧機構63は、弁体62を開口部61aに正対させた状態(図2参照)で、開口部61aの開口面64に対して垂直な方向Aに押し出し(図3参照)、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する。
【0027】
ゲートバルブ6Aは、開口面64に対して平行な方向Bにスライド、本例では上下動するメインスライダー66を備え、このメインスライダー66に押圧機構63が設けられている。押圧機構63は、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する突起部67と、突起部67からスロープ状に下がる傾斜部68とを含んだカムで構成されている。
【0028】
弁体62には、押圧機構63により押圧される押圧部69が設けられている。押圧部69は、押圧機構63に接触するローラー70を有している。ローラー70は、押圧機構63のスライド、本例では上下動に応じ、突起部67と傾斜部68との間を、突起部67の表面及び傾斜部68の表面に沿って転がる。
【0029】
ローラー70が傾斜部68に接しているときには、図2に示すように、弁体62は開口部61aの周囲から離れた状態にあり、ローラー70が突起部67に接しているときには、図3に示すように、突起部67がローラー70を垂直な方向Aに沿って押圧し、弁体62を開口部61aの周囲に押圧した状態にある。なお、開口部61aの周囲には、図示しないシール部材、例えばOリングが設けられており、気密性を高めている。
【0030】
押圧部69は、図9Aに示すように、開口部61aの周囲に沿って環状に配置される。これにより、弁体62を、その側部のみならず、上部および下部も押圧することができる。
【0031】
次に、弁体62の離脱機構(弁体戻し機構)および垂直押し当て機構(保持ガイド機構)に関して説明する。
【0032】
リンク機構を用いたゲートバルブは、弁体の離脱機構、即ち、弁体が閉じられた状態(押圧された状態)から開かれた状態(押圧から開放された状態)に戻す機構として引張バネを用いている。つまり、ゲートバルブが閉じられた状態にあるときには、引張バネを伸長させて引張力をかけておき、弁体を基台に引き戻せる状態としている。ゲートバルブを開くときには、引張バネが縮退することで弁体を基台に引き戻す。
【0033】
このように、弁体の離脱機構には引張バネが用いられており、ゲートバルブを閉じた状態においては、常に引張バネに引張力を作用させておく。このため、引張バネが劣化して切れてしまう可能性がある。
【0034】
そこで、一実施形態に係るゲートバルブにおいては、以下に説明するように工夫した。
【0035】
図4及び図5は、一実施形態に係るゲートバルブの弁体戻し機構の一例を抜粋して概略的に示す側面図である。この側面は、図2及び図3と同様に、図1中の矢印IIに示す方向から見たものである。また、図4はゲートバルブが閉じられた状態、図5は弁体を開口面に正対させた状態(弁体が押圧から開放された状態)を示す。
【0036】
図4及び図5に示すように、ゲートバルブ6Bは、図2及び図3に示したゲートバルブ6Aに比較して、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させる離脱機構80を、さらに備えている。離脱機構80は、弁体62が閉じた状態で縮退状態となる伸縮可能な伸縮体81、具体的な一例は圧縮バネを有している。
【0037】
伸縮体81は、弁体62が開口部61aの周囲に押圧されているときには図4に示すように縮退し、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させるときには図5に示すように伸長して弁体62を開口部61aの周囲から離脱させる。
【0038】
具体的な一例としては、ゲートバルブ6Bは、弁体62と、メインスライダー66との間に配置された、開口部61aの開口面64に対して平行な方向Bにスライドするサブスライダー82を備え、このサブスライダー82に、離脱機構80が設けられている。
【0039】
さらに、サブスライダー82には、弁体62を保持するとともに、弁体62の押圧方向および弁体62の離脱方向を開口面64に対して垂直な方向Aに規定する保持ガイド機構83が設けられている。保持ガイド機構83の一例としては、サブスライダー82に設けられ、垂直な方向Aに沿って開口された案内開口84と、この案内開口84を貫通し、弁体62に取り付けられるシャフト85とを含んで構成することができる。シャフト85は案内開口84に沿って前後に動くので、弁体62が移動する方向を、垂直な方向Aに規定することができる。
【0040】
さらに、シャフト85の弁体62と反対側の先端には、フランジ部86が設けられている。本例では、伸縮体81が、サブスライダー82のメインスライダー66に相対する相対面87と、この相対面87上に設けられたフランジ部86との間に配置されている。
【0041】
フランジ部86は、弁体62が開口部61aの周囲に押圧されたときには、図4に示すように、伸縮体81を圧縮し、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させるときには、図5に示すように、圧縮された伸縮体81から伸長力を受け、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させる。
【0042】
なお、離脱機構80は、伸縮体81が伸長状態となった際に、フランジ部86がメインスライダー66に接触しないようにするのが望ましい。本実施形態においては、メインスライダー66に図示しない開口部を設け、離脱機構80の伸縮体81が伸長状態となった際に、フランジ部86がメインスライダー66に接触しないようにしている。
【0043】
また、本実施形態においては、保持ガイド機構83に、離脱機構80を取り付ける例を示したが、保持ガイド機構83と、離脱機構80とを別々に設けるようにしても良い。
【0044】
次に、弁体62の退避機構を含めた、全体的な構成および動作を詳述する。
【0045】
弁体62が、開口部61aの周囲から離脱した後、弁体62は、基板Gの出し入れができるように、開口部61aの正面から退避される。例えば、弁体62は、開口部61aに対して、上、又は下、又は右、又は左に退避される。本実施形態においては、弁体62は、開口部61aに対して上に退避される。
【0046】
図6乃至図8は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図である。この側面は、図2及び図3と同様に、例えば、図1中の矢印IIに示す方向から見たものである。また、図6はゲートバルブが閉じられた状態、図7は弁体を開口面に正対させた状態(弁体が押圧から開放された状態)、図8はゲートバルブが開かれた状態(弁体が退避した状態)を示す。また、図10は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す平面図、図11は、図10中の矢印11に示す方向(共通搬送室30側から処理室10aへ向かう方向)から見た正面図である。ただし、図10においては、弁体62の上部(および下部)の中央部に配置される押圧部69およびそれに対応する押圧機構63の図示は省略してある。
【0047】
図6乃至図8に示すように、一実施形態に係るゲートバルブ6Cは、開口部61aの開口面64に対して平行な方向Bへのサブスライダー82のスライドを停止させるストッパー90を備えている。ストッパー90は、例えば、ゲートバルブ室60の底壁91に設けられる。
【0048】
また、図6乃至図8に示すゲートバルブ6Cでは、メインスライダー66が、サブスライダー82を引掛ける引掛け部92を有している。引掛け部92は、例えば、突起部であり、この突起部は、サブスライダー82に設けられた開口93の内部に位置される。
【0049】
また、図10及び図11に示すように、メインスライダー66は、サブスライダー82に相対する相対面107側に、メインスライダー66をサブスライダー82に対してスライド、本例では上下可動させる垂直ガイド機構101を備え、この垂直ガイド機構101を介して、サブスライダー82とメインスライダー66が連結されている。なお、垂直ガイド機構101は、図6乃至図8においては図示を省略している。垂直ガイド機構101の一例としては、サブスライダー82の相対面87に設けられ、開口面64に対して平行な方向Bに設けられたガイドレール102と、メインスライダー66のサブスライダー82に相対する相対面107に取り付けられた連結部材103とを含んで構成することができる。ガイドレール102と連結部材103により、メインスライダー66は、サブスライダー82と連結したまま、サブスライダー82に対してスライドすることができる。
【0050】
さらに、ゲートバルブ6Cは、図10及び図11に示すように、メインスライダー66をスライド、本例では上下動させる垂直ガイド機構110を備えている。なお、垂直ガイド機構110は、図6乃至図8においては図示を省略している。垂直ガイド機構110は、メインスライダー66を、開口部61aの開口面64に対して平行な方向Bに沿って上下動させる。垂直ガイド機構110は、垂直ガイド機構101と同様に構成することができる。即ち、図10及び図11に示すように、ゲートバルブ室60の内壁に、開口面64に対して平行な方向Bに設けられたガイドレール104と、メインスライダー66に取り付けられた連結部材105とを含んで構成することができる。
【0051】
さらにまた、ゲートバルブ6Cは、図10及び図11に示すように、メインスライダー66を駆動、本例では上下動させる駆動機構120を備えている。駆動機構120としては、例えば、エアシリンダあるいは油圧シリンダ等で構成することができる。駆動機構120は、接続継手121を介してメインスライダー66に連結されている。メインスライダー66は垂直ガイド機構110によって開口面64に対して平行な方向Bに沿って案内されながら、駆動機構120によって上下動される。なお、駆動機構120及び接続継手121は、図6乃至図8においては図示を省略している。
【0052】
次に、この発明に係るゲートバルブの動作を図6乃至図8を用いて詳述する。
【0053】
図8に示すように、ゲートバルブ6Cが開いた状態(弁体62が開口部61aの正面から退避した状態)においては、メインスライダーに設けた引掛け部92によりサブスライダー82が支持されている。なお、弁体62は上述のように、サブスライダー82に設けられた保持ガイド機構83により支持されている。駆動機構120及びメインスライダー66に設けられた垂直ガイド機構110により、メインスライダー66はサブスライダー82を支持したまま、開口面64に対して平行な方向Bに沿って下降する。
【0054】
図7に示すように、弁体62が開口部61aと正対する位置までメインスライダーが下降すると、サブスライダー82の下降は、ストッパー90により停止され、弁体も停止する。サブスライダー82の下降が停止された後、垂直ガイド機構101により、メインスライダー66のみが垂直ガイド機構110に沿って、さらに下降する。これにより、押圧機構63の突起部67が傾斜部68に代えて、押圧部69を介して弁体62を開口部61aの周囲に押圧する。このとき、弁体62は保持ガイド機構83により、開口面64に対して垂直な方向Aに沿って押圧され、弁体62が開口面64に対してずれることなくゲートバルブが閉じられた状態(図6参照)になる。
【0055】
次に、この状態からゲートバルブが開かれた状態(図8を参照)にするには、まず、駆動機構120によりメインスライダー66を上昇させる。メインスライダー66が上昇すると、図7に示すように、ローラー70は突起部67から傾斜部68に転がり、伸縮体81が弁体62を開口面64に対して垂直な方向Aに沿って引っ張ることで、弁体62がサブスライダー82に引きつけられ、開口部61aの周囲から離脱される。
【0056】
メインスライダー66が、さらに上昇すると、図7に示すように、引掛け部92がサブスライダー82の開口93の縁に当接される。さらに、メインスライダー66を上昇させると、引掛け部92が、ストッパー90により停止されていたサブスライダー82の開口93を引掛けて、サブスライダー82及び弁体62を上昇させる。これにより、弁体62は、図8に示すように、開口部61aの正面から退避、即ち、開口部61aの上方に退避させることができ、開口部61aを介しての基板Gの出し入れが可能となる。
【0057】
上記説明からも明らかなように、この発明のゲートバルブによれば、メインスライダー66に設けられた押圧機構63が、弁体62を開口部61aに正対させた状態で、開口面64に対して垂直な方向Aに押し出し、弁体62を開口部61aの周囲に均一に押圧することができる。また、メインスライダー66は、ガイド機構101を介してゲートバルブ室60の内壁に連結されており、メインスライダー66は開口面64に対して垂直な方向Aにおいて、ゲートバルブ室60の内壁に支えられることになる。このため、例えば、処理室10aにおいて共通搬送室30の圧力よりも高い圧力で処理を行う場合や、処理室10aをメンテナンスする際に取り外した場合などにより、弁体62に逆圧がかかった場合においても、押圧機構63は、弁体62の押圧部69を垂直な方向Aに押圧し続ける。しかも、押圧機構63はスライド、本例では上下動するだけであり、斜めに動くことはない。つまり、押圧機構63は、逆圧を受けても斜めに動くことはなく、押圧部69を垂直な方向Aに均一に押圧し続けるだけである。このため、弁体62が逆圧を受けた際、特に、弁体62のサイズが大きくなり、大きな逆圧を受けた際であっても、弁体62が開口部61aの周囲から離れ難くすることができ、弁体のサイズが大きくなっても気密性が低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを得ることができる。
【0058】
また、特許文献1に示すようなゲートバルブにおいては、ゲートバルブが閉じた状態を維持するには油圧シリンダを作動し続ける必要がある。しかしながら、この発明のゲートバルブの押圧機構63は、カムにより弁体62を押圧する構成にしているので、ゲートバルブが閉じた状態を維持するのに別段の駆動力を必要としない。よって、メンテナンスなどにより、駆動用のエアーや電力が停止した状態であっても、ゲートバルブが閉じた状態を維持することができる。
【0059】
さらに、リンク機構によるゲートバルブにおいては、弁体の両側面に設けたリンクにより弁体を支持することになる。弁体の重量が増加すると、弁体の重量に耐えきれずリンクが変形してしまうことが懸念される。この発明の一実施形態に係るゲートバルブによれば、弁体62はサブスライダー82に設けられた保持ガイド機構83により支持されており、保持ガイド機構83はサブスライダー82の如何なる箇所にも設けることができる。例えば、サブスライダー82の中央部にも設けることができ、多数の保持ガイド機構83を設けることができる。また、サブスライダー82を保持する、メインスライダー66に設けられた引掛け部92も同様に、サブスライダー82の開口93に対応した箇所であれば、メインスライダー66の如何なる箇所にも設けることができる。よって、弁体62のサイズが大きくなり重量が増加しても、弁体62を支持することができ、弁体62のサイズの大型化に対応することができる。
【0060】
さらにまた、サブスライダー82に保持ガイド機構83を設けることにより、正確に弁体62を開口面64に対して垂直に押し当てることができる。しかも、サブスライダー82は、垂直ガイド機構101を介してメインスライダー66と連結されているため、サブスライダー82が開口面64に対して斜めにずれることはない。これらのことから、気密性がさらに低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを得ることができる。
【0061】
さらにまた、この発明の一実施形態に係るゲートバルブによれば、離脱機構80に伸長状態が安定となる伸縮体81を用い、ゲートバルブを閉じた状態において、伸縮体81に圧縮力を作用させておくことができる。これにより、ゲートバルブを閉じた状態において常に伸縮体に引張力を作用させておく場合に比較して、伸縮体が切れてしまう事情を解消することができる。よって、例えば、基板の処理中に伸縮体が切れ、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させることができなくなるような不具合を解消できるゲートバルブ、及びそれを用いた基板処理システムを得ることができる。
【0062】
図12A及び図12Bはこの発明の一実施形態の一変形例に係るゲートバルブの断面図である。図12Aに示す断面は、図12B中の12A−12A線に沿った縦断面を示しており、図12Bに示す断面は、図12A中の12B−12B線に沿った横断面を示している。また、図12A及び図12Bに示す一変形例においては、サブスライダー82を省略した例示しているが、サブスライダー82を備えている場合においても適用できることはもちろんである。
【0063】
図12A及び図12Bに示すように、押圧機構63によって開口面64に押圧される弁体62の周囲には封止部材130が取り付けられることが一般的である。封止部材130が開口面64に押圧されることで、開口61aは封止される。封止部材130の例は、Oリングである。処理中には、開口61aから弁体62に対して逆圧がかかることがある。このような逆圧は、弁体62自体の剛性とメインスライダー66からの押圧機構63による押圧力とで押し返し、封止部材130を開口面64に密着させることで、気密性を保つことができる。
【0064】
また、一実施形態にかかるゲートバルブにおいては、メインスライダー66の後ろ側に、例えば、ガイドレール104が配置され、このガイドレール104にメインスライダー66に取り付けられた連結部材105が、スライド可能な状態で連結される。このようなガイドレール104は、開口61aの側部に沿って配置されている。このため、弁体62からメインスライダー66に逆圧がかかったとき、メインスライダー66からの逆圧を受ける部分として機能し、開口61aの側部に沿ったメインスライダー66の弾性変形を規制する役目を果たす。
【0065】
ところで、上述したように一実施形態に係るゲートバルブは大型化に有利な構成を備えている。一実施形態に係るゲートバルブは、例えば、開口61aの一辺がメートルオーダー、例えば、数メートル×数メートルの大きさを有していても対応可能な構成である。開口61aの一辺がメートルオーダーの場合には、弁体62の一辺の大きさもメートルオーダーとなる。
【0066】
このように、大きな弁体62となると、受ける逆圧もはるかに大きなものとなる。大きな逆圧を受けた弁体62は、メインスライダー66に、開口61aの上部、下部に沿って変形させる力を加える。この結果、メインスライダー66は弾性変形を起こす。
【0067】
逆圧を受けた弁体62の変形が、たとえ僅かなものであったとしても、弁体62の一辺が、例えば、メートルオーダーの大きさを持つ場合には、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分における変形は、非常に大きなものとなる。
【0068】
しかし、一実施形態にかかるゲートバルブにおいては、開口61aの上部、下部に沿った部分に、ガイドレール104のような、メインスライダー66からの逆圧を受ける部分がない。
【0069】
もしも、弁体62の、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分が、封止部材130の潰ししろを超えて変形してしまうと、封止部材130が開口面64から離れ、気密性が低下する。
【0070】
そこで、一変形例においては、メインスライダー66の弁体62とは反対側で、開口61a上部の中央部分に対応した位置、及び開口61a下部の中央部分に対応した位置に、メインスライダー66の弾性変形量を規制する衝立部131を設ける。本例では、衝立部131を共通搬送室30側の開口51c、61cそれぞれの上部中央部分、下部中央部分に設けている。衝立部131は、本例では共通搬送室30の壁面に固定して取り付けられ、取り外しは可能であるが、取り付け時には容易に動かないようになっている。例えば、ボルト締めである。
【0071】
このように、開口61a上部の中央部分に対応した位置、及び開口61a下部の中央部分に対応した位置に衝立部131を設けることで、弁体62からの逆圧がメインスライダー66にかかったとしても、メインスライダー66の弾性変形は、衝立部131で規制される。メインスライダー66の弾性変形が規制されることで、弁体62の、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分の変形を止めることができる。例えば、メインスライダー66と、衝立部131の先端部分132との離間距離を、封止部材130の潰ししろ未満に設定すれば、弁体62の、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分が、封止部材130の潰ししろを超えて変形することを抑制することができる。具体的な数値の例としては、弁体62の大きさや、想定される逆圧の大きさにより変わるが、一例を挙げるならば以下の通りである。
【0072】
(弁体62が、処理室10a、10bの容器本体50a、50bを塞ぐ場合)
・下段の衝立部131Lの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DLは0.3mm以上0.35mm以下
・上段の衝立部131Uの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DUは0.5mm以上0.55mm以下
(弁体62が、ロードロック室20の容器本体50dを塞ぐ場合)
・下段の衝立部131Lの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DLは0.4mm以上0.45mm以下
・上段の衝立部131Uの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DUは0.6mm以上0.65mm以下
これらの数値範囲は、バルブの構成部材の可動時の接触等のリスクから下限値が決まり、逆圧時に気密性を保てる許容限界から上限値が決まる。
【0073】
このような一変形例は、例えば、弁体62が、一辺のサイズがメートルオーダーとなる場合、あるいは想定される逆圧が大きい場合に、特に有効である。
【0074】
上記説明はこの発明の一実施形態であって、この発明は上記一実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。また、この発明の実施形態は、上記一実施形態が唯一のものでもない。
【0075】
例えば、弁体62の押圧機構63により押圧される押圧部69であるが、上記実施形態では、弁体62の如何なる箇所にも設けることが可能である。例えば、リンク機構を用いた場合には、弁体の両側面に設けたリンクにより押圧することになる。対して、押圧部69は、弁体62の上部および下部にも配置することができる。このため、図9Aに示すように、弁体の側部のみならず、弁体の上部および下部も押圧することが可能である。
【0076】
また、押圧部69は、弁体62の面内に配置することができる。このため、例えば、図9Bに示すように、弁体62が最も圧力を受ける開口部61aの内側に沿って環状に配置することが可能である。
【0077】
さらにまた、図9Cに示すように、開口部61aの中央部分に対応して、さらに配置することも可能である。
【0078】
このように押圧部69を、開口部61aの内側に配置することで、弁体62が受ける逆圧に対して、弁体62の変形を阻止するように、弁体62を押圧することができる。これにより、弁体のサイズが大きくなっても、さらに気密性が低下し難いゲートバルブを得ることができる。
【0079】
なお、この利点は、特に、開口部61aの内側に沿って環状に配置、さらには開口部61aの中央部分に対応して配置することで、より良く得ることができる。
【0080】
図9A乃至図9Cにおいては、押圧部69を弁体62の各辺に3個ずつ、開口部61aに沿って環状に合計8個又は中央に1個加えて9個設けた例を示したが、これに限られることはない。例えば、押圧部69を弁体62の各辺に4個ずつ合計12個、又は中央に1個加えて13個設けた構成にしても構わないし、それ以上でも構わない。ただし、いずれにせよ、弁体62の各辺に設ける押圧部69は、距離が均等になるように配置し、弁体62を均一に押圧できるように構成するのが望ましい。
【0081】
また、上記一実施形態では、弁体、サブスライダーおよびメインスライダーを上下に動かす例を示したが、左右に動かす形式にしても良い。
【0082】
さらに、上記一実施形態では、押圧機構63を突起部67と傾斜部68とを含んだカムで構成し、押圧部69をカムに接触するローラー70で構成したが、押圧機構をローラーで構成し、押圧部を突起部と傾斜部とを含んだカムで構成することもできる。
【0083】
さらにまた、上記一実施形態では、被処理体として太陽電池やFPDの製造に用いられるガラス基板を示したが、被処理体はガラス基板に限定されず、半導体ウエハ等の他の基板であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
6A、6B、6C…ゲートバルブ、10a、10b…処理室、20…ロードロック室、30…搬送室、60…ゲートバルブ室、61a、61b、61c、61d…開口部、62…弁体、63…押圧機構、64…開口面、66…メインスライダー、67…突起部、68…傾斜部、69…押圧部、70…ローラー、80…離脱機構、81…伸縮体、82…サブスライダー、83…保持ガイド機構、84…案内開口、85…シャフト、86…フランジ部、87…相対面、90…ストッパー、91…底壁、92…引掛け部、93…開口。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲートバルブ及びそれを用いた基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池や液晶ディスプレイ(LCD)に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)などの製造過程においては、大型のガラス基板にエッチング、あるいは成膜等の所定の処理を施す。このような処理を施す基板処理システムとしては、複数の処理室を備えたマルチチャンバタイプの基板処理システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなマルチチャンバタイプの基板処理システムは、基板(被処理体)を搬送する搬送装置が設けられた共通搬送室を有し、この共通搬送室の周囲に、処理室や、共通搬送室と大気圧雰囲気との間で未処理の基板と処理済の基板とを交換するロードロック室等を備えている。これら共通搬送室、処理室、及びロードロック室は真空装置であり、これらの真空装置は、排気機構を用いて排気することで内部が所定の減圧状態下とされる。
【0004】
真空装置は気密に構成された容器本体を備え、この容器本体には、被処理体を出し入れするための開口部が設けられている。開口部はゲートバルブを用いて開閉される。開口部をゲートバルブにより閉じると、容器本体の内部は気密にシールされ、容器本体の内部の圧力を、所定のプロセス圧力まで減圧したり、大気状態と減圧状態との相互間で変換したりすることが可能となっている。ゲートバルブの構造例は、上記特許文献1に記載されている。
【0005】
上記特許文献1に記載されるゲートバルブでは、油圧シリンダによって昇降する板状のゲートベースを設け、ゲートベースと弁体の両側面をリンクで回動自在に連結して、弁体の支持および押圧を行っている。このようなリンク機構を用いたゲートバルブは、リンクが弁体に対して斜めの状態のとき、弁体を開口部周囲から離し、リンクが弁体に対して水平な状態のとき、弁体を押し出して弁体を開口部周囲に密着させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−196150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近時、被処理体の大型化、あるいは被処理体を同時に複数枚処理するバッチ処理が進展しており、容器本体に設けられた被処理体を出し入れするための開口部のサイズが大きくなってきている。開口部のサイズが大きくなることにより弁体のサイズも大きくなり、それに伴い弁体の重量が増加する傾向にある。
【0008】
特許文献1に記載されるようなリンク機構によるゲートバルブにおいては、弁体の重量が増加するとリンクにより弁体を保持することが困難となる。また、弁体を両側面から押圧することになるため、開口部のサイズが大きくなることにより、弁体の上部および下部に対する押圧が不足することが懸念される。さらに、押圧方向に対して反対側の圧力が高い状態(逆圧状態)においては、リンク機構が水平状態からわずかでもずれてしまうと、弁体と開口部周囲との間でリークが生じ、ゲートバルブの気密性が低下しやすい、という事情がある。
【0009】
これらの事情は、開口部が大きい、即ち、弁体が大きいほど顕著になってきている。弁体が大きいほど、逆圧状態において受ける圧力が大きく、弁体を押し戻そうとする力が強く、また、弁体のたわみ量も大きくなるからである。
【0010】
この発明は、弁体のサイズが大きくなっても気密性が低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第1の態様に係るゲートバルブは、被処理体を出し入れする開口部の周囲に押圧される弁体と、前記弁体に前記開口部に沿って環状に設けられた押圧部と、前記開口部の開口面に対して平行な方向にスライドするメインスライダーと、前記メインスライダーに設けられた、前記押圧部を押圧する押圧機構と、を備え、前記押圧機構は、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧する突起部と、前記突起部からスロープ状に下がる傾斜部とを含んだカムで構成され、前記押圧機構が、前記弁体を前記開口部に正対させた状態で、前記開口部の開口面に対して垂直な方向に押し出し、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧する。
【0012】
この発明の第2の態様に係る基板処理システムは、被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記被処理体に処理を施す処理室と、前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を大気状態下及び真空状態下の双方におくことが可能な、処理前及び処理済の被処理体を交換するロードロック室と、前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記ロードロック室と前記処理室との間で前記被処理体を搬送する搬送室と、を備えた基板処理システムであって、前記処理室、前記ロードロック室、及び前記搬送室の少なくともいずれか一つの、前記被処理体を出し入れする開口部を開閉するゲートバルブに、上記第1の態様に係るゲートバルブが用いられている。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、弁体のサイズが大きくなっても気密性が低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態に係るゲートバルブが用いられた基板処理システムの一例を概略的に示す平面図
【図2】一実施形態に係るゲートバルブの押圧機構の一例を概略的に示す側面図
【図3】一実施形態に係るゲートバルブの押圧機構の一例を概略的に示す側面図
【図4】一実施形態に係るゲートバルブの離脱機構の一例を概略的に示す側面図
【図5】一実施形態に係るゲートバルブの離脱帰庫の一例を概略的に示す側面図
【図6】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図
【図7】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図
【図8】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図
【図9】押圧部の配置例を示す図
【図10】一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す平面図
【図11】図10中の矢印11の方向から見た正面図
【図12】この発明の一実施形態の一変形例に係るゲートバルブの断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。参照する図面全てにわたり、同一の部分については同一の参照符号を付す。
【0016】
本説明においては被処理体の一例として太陽電池やFPDの製造に用いられる大型ガラス基板を挙げ、このガラス基板に対して所定の処理、例えば、エッチング、あるいは成膜等を施す基板処理システムを例示しながら説明する。
【0017】
図1は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブが用いられた基板処理システムを概略的に示す平面図である。
【0018】
図1に示すように、一実施形態に係る基板処理システム1は、基板Gに処理を施す処理室、本例においては複数の処理室10a、10bと、処理前及び処理済の基板Gを交換するロードロック室20と、ロードロック室20と処理室10a又は10b、並びに処理室10aと処理室10bとの間で基板Gを搬送する共通搬送室30と、共通搬送室30に設けられた、基板Gを搬送する搬送装置40と、を備えている。
【0019】
本例においては、処理室10a、10b、ロードロック室20、及び共通搬送室30は真空装置であり、それぞれ基板Gを所定の減圧状態下におくことが可能な、気密に構成された容器本体50a、50b、50cまたは50dを備えている。容器本体50a、50b、50cまたは50dには、基板Gを出し入れする開口部51a、51b、51cまたは51dが設けられている。
【0020】
処理室10a、10bの容器本体50a、50bに設けられた開口部51a、51bは、ゲートバルブ室60を介して共通搬送室30の容器本体50cに設けられた開口部51cに接続される。同様にロードロック室20の容器本体50dに設けられた開口部51dは、ゲートバルブ室60を介して共通搬送室30の容器本体50cに設けられた開口部51cに接続されている。
【0021】
本例のゲートバルブ室60は、開口部51a、51b、51cまたは51dに連通し、基板Gを通過させる開口部61a、61b、61cまたは61dを有し、ゲートバルブ室60の内部にはゲートバルブの弁体62が収容されている。開口部61a、61bおよび61dは弁体62により開閉される。本例では、弁体62は、ゲートバルブ室60に設けられた処理室側またはロードロック室側の開口部61a、61bおよび61dの周囲に密着し、容器本体50a、50b、50cおよび50dを気密にシールするように構成されている。しかし、これに限られることはなく、弁体62が、共通搬送室30側に設けられた開口部61cの周囲に密着することで、容器本体50a、50b、50cおよび50dを気密にシールするようにしても良い。
【0022】
また、ロードロック室20は、大気側、即ち、基板処理システム1の外部に開放される開口部51eを有している。外部に開放される開口部51eは、処理前の基板Gのロード、処理済の基板Gのアンロードに使用され、大気状態下に開放された弁体62により開閉される。
【0023】
次に、この発明の一実施形態に係るゲートバルブを、個々の要素を抜粋して説明する。
【0024】
図2及び図3は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブの弁体押圧機構の一例を抜粋して概略的に示す側面図である。この側面は、図1中の矢印IIに示す方向から見たものであり、処理室10aと共通搬送室30との間に設けたゲートバルブを例として詳述する。また、図2は弁体を開口面に正対させた状態(弁体が押圧から開放された状態)、図3はゲートバルブが閉じられた状態(弁体が押圧された状態)を示す。
【0025】
図2及び図3に示すように、一実施形態に係るゲートバルブ6Aは、基板Gを出し入れする処理室10a側の開口部61aの周囲に押圧される弁体62と、弁体62を開口部61aの周囲に対して押圧する押圧機構63と、を備えている。
【0026】
押圧機構63は、弁体62を開口部61aに正対させた状態(図2参照)で、開口部61aの開口面64に対して垂直な方向Aに押し出し(図3参照)、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する。
【0027】
ゲートバルブ6Aは、開口面64に対して平行な方向Bにスライド、本例では上下動するメインスライダー66を備え、このメインスライダー66に押圧機構63が設けられている。押圧機構63は、弁体62を開口部61aの周囲に押圧する突起部67と、突起部67からスロープ状に下がる傾斜部68とを含んだカムで構成されている。
【0028】
弁体62には、押圧機構63により押圧される押圧部69が設けられている。押圧部69は、押圧機構63に接触するローラー70を有している。ローラー70は、押圧機構63のスライド、本例では上下動に応じ、突起部67と傾斜部68との間を、突起部67の表面及び傾斜部68の表面に沿って転がる。
【0029】
ローラー70が傾斜部68に接しているときには、図2に示すように、弁体62は開口部61aの周囲から離れた状態にあり、ローラー70が突起部67に接しているときには、図3に示すように、突起部67がローラー70を垂直な方向Aに沿って押圧し、弁体62を開口部61aの周囲に押圧した状態にある。なお、開口部61aの周囲には、図示しないシール部材、例えばOリングが設けられており、気密性を高めている。
【0030】
押圧部69は、図9Aに示すように、開口部61aの周囲に沿って環状に配置される。これにより、弁体62を、その側部のみならず、上部および下部も押圧することができる。
【0031】
次に、弁体62の離脱機構(弁体戻し機構)および垂直押し当て機構(保持ガイド機構)に関して説明する。
【0032】
リンク機構を用いたゲートバルブは、弁体の離脱機構、即ち、弁体が閉じられた状態(押圧された状態)から開かれた状態(押圧から開放された状態)に戻す機構として引張バネを用いている。つまり、ゲートバルブが閉じられた状態にあるときには、引張バネを伸長させて引張力をかけておき、弁体を基台に引き戻せる状態としている。ゲートバルブを開くときには、引張バネが縮退することで弁体を基台に引き戻す。
【0033】
このように、弁体の離脱機構には引張バネが用いられており、ゲートバルブを閉じた状態においては、常に引張バネに引張力を作用させておく。このため、引張バネが劣化して切れてしまう可能性がある。
【0034】
そこで、一実施形態に係るゲートバルブにおいては、以下に説明するように工夫した。
【0035】
図4及び図5は、一実施形態に係るゲートバルブの弁体戻し機構の一例を抜粋して概略的に示す側面図である。この側面は、図2及び図3と同様に、図1中の矢印IIに示す方向から見たものである。また、図4はゲートバルブが閉じられた状態、図5は弁体を開口面に正対させた状態(弁体が押圧から開放された状態)を示す。
【0036】
図4及び図5に示すように、ゲートバルブ6Bは、図2及び図3に示したゲートバルブ6Aに比較して、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させる離脱機構80を、さらに備えている。離脱機構80は、弁体62が閉じた状態で縮退状態となる伸縮可能な伸縮体81、具体的な一例は圧縮バネを有している。
【0037】
伸縮体81は、弁体62が開口部61aの周囲に押圧されているときには図4に示すように縮退し、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させるときには図5に示すように伸長して弁体62を開口部61aの周囲から離脱させる。
【0038】
具体的な一例としては、ゲートバルブ6Bは、弁体62と、メインスライダー66との間に配置された、開口部61aの開口面64に対して平行な方向Bにスライドするサブスライダー82を備え、このサブスライダー82に、離脱機構80が設けられている。
【0039】
さらに、サブスライダー82には、弁体62を保持するとともに、弁体62の押圧方向および弁体62の離脱方向を開口面64に対して垂直な方向Aに規定する保持ガイド機構83が設けられている。保持ガイド機構83の一例としては、サブスライダー82に設けられ、垂直な方向Aに沿って開口された案内開口84と、この案内開口84を貫通し、弁体62に取り付けられるシャフト85とを含んで構成することができる。シャフト85は案内開口84に沿って前後に動くので、弁体62が移動する方向を、垂直な方向Aに規定することができる。
【0040】
さらに、シャフト85の弁体62と反対側の先端には、フランジ部86が設けられている。本例では、伸縮体81が、サブスライダー82のメインスライダー66に相対する相対面87と、この相対面87上に設けられたフランジ部86との間に配置されている。
【0041】
フランジ部86は、弁体62が開口部61aの周囲に押圧されたときには、図4に示すように、伸縮体81を圧縮し、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させるときには、図5に示すように、圧縮された伸縮体81から伸長力を受け、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させる。
【0042】
なお、離脱機構80は、伸縮体81が伸長状態となった際に、フランジ部86がメインスライダー66に接触しないようにするのが望ましい。本実施形態においては、メインスライダー66に図示しない開口部を設け、離脱機構80の伸縮体81が伸長状態となった際に、フランジ部86がメインスライダー66に接触しないようにしている。
【0043】
また、本実施形態においては、保持ガイド機構83に、離脱機構80を取り付ける例を示したが、保持ガイド機構83と、離脱機構80とを別々に設けるようにしても良い。
【0044】
次に、弁体62の退避機構を含めた、全体的な構成および動作を詳述する。
【0045】
弁体62が、開口部61aの周囲から離脱した後、弁体62は、基板Gの出し入れができるように、開口部61aの正面から退避される。例えば、弁体62は、開口部61aに対して、上、又は下、又は右、又は左に退避される。本実施形態においては、弁体62は、開口部61aに対して上に退避される。
【0046】
図6乃至図8は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す側面図である。この側面は、図2及び図3と同様に、例えば、図1中の矢印IIに示す方向から見たものである。また、図6はゲートバルブが閉じられた状態、図7は弁体を開口面に正対させた状態(弁体が押圧から開放された状態)、図8はゲートバルブが開かれた状態(弁体が退避した状態)を示す。また、図10は、この発明の一実施形態に係るゲートバルブの一例を概略的に示す平面図、図11は、図10中の矢印11に示す方向(共通搬送室30側から処理室10aへ向かう方向)から見た正面図である。ただし、図10においては、弁体62の上部(および下部)の中央部に配置される押圧部69およびそれに対応する押圧機構63の図示は省略してある。
【0047】
図6乃至図8に示すように、一実施形態に係るゲートバルブ6Cは、開口部61aの開口面64に対して平行な方向Bへのサブスライダー82のスライドを停止させるストッパー90を備えている。ストッパー90は、例えば、ゲートバルブ室60の底壁91に設けられる。
【0048】
また、図6乃至図8に示すゲートバルブ6Cでは、メインスライダー66が、サブスライダー82を引掛ける引掛け部92を有している。引掛け部92は、例えば、突起部であり、この突起部は、サブスライダー82に設けられた開口93の内部に位置される。
【0049】
また、図10及び図11に示すように、メインスライダー66は、サブスライダー82に相対する相対面107側に、メインスライダー66をサブスライダー82に対してスライド、本例では上下可動させる垂直ガイド機構101を備え、この垂直ガイド機構101を介して、サブスライダー82とメインスライダー66が連結されている。なお、垂直ガイド機構101は、図6乃至図8においては図示を省略している。垂直ガイド機構101の一例としては、サブスライダー82の相対面87に設けられ、開口面64に対して平行な方向Bに設けられたガイドレール102と、メインスライダー66のサブスライダー82に相対する相対面107に取り付けられた連結部材103とを含んで構成することができる。ガイドレール102と連結部材103により、メインスライダー66は、サブスライダー82と連結したまま、サブスライダー82に対してスライドすることができる。
【0050】
さらに、ゲートバルブ6Cは、図10及び図11に示すように、メインスライダー66をスライド、本例では上下動させる垂直ガイド機構110を備えている。なお、垂直ガイド機構110は、図6乃至図8においては図示を省略している。垂直ガイド機構110は、メインスライダー66を、開口部61aの開口面64に対して平行な方向Bに沿って上下動させる。垂直ガイド機構110は、垂直ガイド機構101と同様に構成することができる。即ち、図10及び図11に示すように、ゲートバルブ室60の内壁に、開口面64に対して平行な方向Bに設けられたガイドレール104と、メインスライダー66に取り付けられた連結部材105とを含んで構成することができる。
【0051】
さらにまた、ゲートバルブ6Cは、図10及び図11に示すように、メインスライダー66を駆動、本例では上下動させる駆動機構120を備えている。駆動機構120としては、例えば、エアシリンダあるいは油圧シリンダ等で構成することができる。駆動機構120は、接続継手121を介してメインスライダー66に連結されている。メインスライダー66は垂直ガイド機構110によって開口面64に対して平行な方向Bに沿って案内されながら、駆動機構120によって上下動される。なお、駆動機構120及び接続継手121は、図6乃至図8においては図示を省略している。
【0052】
次に、この発明に係るゲートバルブの動作を図6乃至図8を用いて詳述する。
【0053】
図8に示すように、ゲートバルブ6Cが開いた状態(弁体62が開口部61aの正面から退避した状態)においては、メインスライダーに設けた引掛け部92によりサブスライダー82が支持されている。なお、弁体62は上述のように、サブスライダー82に設けられた保持ガイド機構83により支持されている。駆動機構120及びメインスライダー66に設けられた垂直ガイド機構110により、メインスライダー66はサブスライダー82を支持したまま、開口面64に対して平行な方向Bに沿って下降する。
【0054】
図7に示すように、弁体62が開口部61aと正対する位置までメインスライダーが下降すると、サブスライダー82の下降は、ストッパー90により停止され、弁体も停止する。サブスライダー82の下降が停止された後、垂直ガイド機構101により、メインスライダー66のみが垂直ガイド機構110に沿って、さらに下降する。これにより、押圧機構63の突起部67が傾斜部68に代えて、押圧部69を介して弁体62を開口部61aの周囲に押圧する。このとき、弁体62は保持ガイド機構83により、開口面64に対して垂直な方向Aに沿って押圧され、弁体62が開口面64に対してずれることなくゲートバルブが閉じられた状態(図6参照)になる。
【0055】
次に、この状態からゲートバルブが開かれた状態(図8を参照)にするには、まず、駆動機構120によりメインスライダー66を上昇させる。メインスライダー66が上昇すると、図7に示すように、ローラー70は突起部67から傾斜部68に転がり、伸縮体81が弁体62を開口面64に対して垂直な方向Aに沿って引っ張ることで、弁体62がサブスライダー82に引きつけられ、開口部61aの周囲から離脱される。
【0056】
メインスライダー66が、さらに上昇すると、図7に示すように、引掛け部92がサブスライダー82の開口93の縁に当接される。さらに、メインスライダー66を上昇させると、引掛け部92が、ストッパー90により停止されていたサブスライダー82の開口93を引掛けて、サブスライダー82及び弁体62を上昇させる。これにより、弁体62は、図8に示すように、開口部61aの正面から退避、即ち、開口部61aの上方に退避させることができ、開口部61aを介しての基板Gの出し入れが可能となる。
【0057】
上記説明からも明らかなように、この発明のゲートバルブによれば、メインスライダー66に設けられた押圧機構63が、弁体62を開口部61aに正対させた状態で、開口面64に対して垂直な方向Aに押し出し、弁体62を開口部61aの周囲に均一に押圧することができる。また、メインスライダー66は、ガイド機構101を介してゲートバルブ室60の内壁に連結されており、メインスライダー66は開口面64に対して垂直な方向Aにおいて、ゲートバルブ室60の内壁に支えられることになる。このため、例えば、処理室10aにおいて共通搬送室30の圧力よりも高い圧力で処理を行う場合や、処理室10aをメンテナンスする際に取り外した場合などにより、弁体62に逆圧がかかった場合においても、押圧機構63は、弁体62の押圧部69を垂直な方向Aに押圧し続ける。しかも、押圧機構63はスライド、本例では上下動するだけであり、斜めに動くことはない。つまり、押圧機構63は、逆圧を受けても斜めに動くことはなく、押圧部69を垂直な方向Aに均一に押圧し続けるだけである。このため、弁体62が逆圧を受けた際、特に、弁体62のサイズが大きくなり、大きな逆圧を受けた際であっても、弁体62が開口部61aの周囲から離れ難くすることができ、弁体のサイズが大きくなっても気密性が低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを得ることができる。
【0058】
また、特許文献1に示すようなゲートバルブにおいては、ゲートバルブが閉じた状態を維持するには油圧シリンダを作動し続ける必要がある。しかしながら、この発明のゲートバルブの押圧機構63は、カムにより弁体62を押圧する構成にしているので、ゲートバルブが閉じた状態を維持するのに別段の駆動力を必要としない。よって、メンテナンスなどにより、駆動用のエアーや電力が停止した状態であっても、ゲートバルブが閉じた状態を維持することができる。
【0059】
さらに、リンク機構によるゲートバルブにおいては、弁体の両側面に設けたリンクにより弁体を支持することになる。弁体の重量が増加すると、弁体の重量に耐えきれずリンクが変形してしまうことが懸念される。この発明の一実施形態に係るゲートバルブによれば、弁体62はサブスライダー82に設けられた保持ガイド機構83により支持されており、保持ガイド機構83はサブスライダー82の如何なる箇所にも設けることができる。例えば、サブスライダー82の中央部にも設けることができ、多数の保持ガイド機構83を設けることができる。また、サブスライダー82を保持する、メインスライダー66に設けられた引掛け部92も同様に、サブスライダー82の開口93に対応した箇所であれば、メインスライダー66の如何なる箇所にも設けることができる。よって、弁体62のサイズが大きくなり重量が増加しても、弁体62を支持することができ、弁体62のサイズの大型化に対応することができる。
【0060】
さらにまた、サブスライダー82に保持ガイド機構83を設けることにより、正確に弁体62を開口面64に対して垂直に押し当てることができる。しかも、サブスライダー82は、垂直ガイド機構101を介してメインスライダー66と連結されているため、サブスライダー82が開口面64に対して斜めにずれることはない。これらのことから、気密性がさらに低下し難いゲートバルブ、及びこのゲートバルブを用いた基板処理システムを得ることができる。
【0061】
さらにまた、この発明の一実施形態に係るゲートバルブによれば、離脱機構80に伸長状態が安定となる伸縮体81を用い、ゲートバルブを閉じた状態において、伸縮体81に圧縮力を作用させておくことができる。これにより、ゲートバルブを閉じた状態において常に伸縮体に引張力を作用させておく場合に比較して、伸縮体が切れてしまう事情を解消することができる。よって、例えば、基板の処理中に伸縮体が切れ、弁体62を開口部61aの周囲から離脱させることができなくなるような不具合を解消できるゲートバルブ、及びそれを用いた基板処理システムを得ることができる。
【0062】
図12A及び図12Bはこの発明の一実施形態の一変形例に係るゲートバルブの断面図である。図12Aに示す断面は、図12B中の12A−12A線に沿った縦断面を示しており、図12Bに示す断面は、図12A中の12B−12B線に沿った横断面を示している。また、図12A及び図12Bに示す一変形例においては、サブスライダー82を省略した例示しているが、サブスライダー82を備えている場合においても適用できることはもちろんである。
【0063】
図12A及び図12Bに示すように、押圧機構63によって開口面64に押圧される弁体62の周囲には封止部材130が取り付けられることが一般的である。封止部材130が開口面64に押圧されることで、開口61aは封止される。封止部材130の例は、Oリングである。処理中には、開口61aから弁体62に対して逆圧がかかることがある。このような逆圧は、弁体62自体の剛性とメインスライダー66からの押圧機構63による押圧力とで押し返し、封止部材130を開口面64に密着させることで、気密性を保つことができる。
【0064】
また、一実施形態にかかるゲートバルブにおいては、メインスライダー66の後ろ側に、例えば、ガイドレール104が配置され、このガイドレール104にメインスライダー66に取り付けられた連結部材105が、スライド可能な状態で連結される。このようなガイドレール104は、開口61aの側部に沿って配置されている。このため、弁体62からメインスライダー66に逆圧がかかったとき、メインスライダー66からの逆圧を受ける部分として機能し、開口61aの側部に沿ったメインスライダー66の弾性変形を規制する役目を果たす。
【0065】
ところで、上述したように一実施形態に係るゲートバルブは大型化に有利な構成を備えている。一実施形態に係るゲートバルブは、例えば、開口61aの一辺がメートルオーダー、例えば、数メートル×数メートルの大きさを有していても対応可能な構成である。開口61aの一辺がメートルオーダーの場合には、弁体62の一辺の大きさもメートルオーダーとなる。
【0066】
このように、大きな弁体62となると、受ける逆圧もはるかに大きなものとなる。大きな逆圧を受けた弁体62は、メインスライダー66に、開口61aの上部、下部に沿って変形させる力を加える。この結果、メインスライダー66は弾性変形を起こす。
【0067】
逆圧を受けた弁体62の変形が、たとえ僅かなものであったとしても、弁体62の一辺が、例えば、メートルオーダーの大きさを持つ場合には、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分における変形は、非常に大きなものとなる。
【0068】
しかし、一実施形態にかかるゲートバルブにおいては、開口61aの上部、下部に沿った部分に、ガイドレール104のような、メインスライダー66からの逆圧を受ける部分がない。
【0069】
もしも、弁体62の、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分が、封止部材130の潰ししろを超えて変形してしまうと、封止部材130が開口面64から離れ、気密性が低下する。
【0070】
そこで、一変形例においては、メインスライダー66の弁体62とは反対側で、開口61a上部の中央部分に対応した位置、及び開口61a下部の中央部分に対応した位置に、メインスライダー66の弾性変形量を規制する衝立部131を設ける。本例では、衝立部131を共通搬送室30側の開口51c、61cそれぞれの上部中央部分、下部中央部分に設けている。衝立部131は、本例では共通搬送室30の壁面に固定して取り付けられ、取り外しは可能であるが、取り付け時には容易に動かないようになっている。例えば、ボルト締めである。
【0071】
このように、開口61a上部の中央部分に対応した位置、及び開口61a下部の中央部分に対応した位置に衝立部131を設けることで、弁体62からの逆圧がメインスライダー66にかかったとしても、メインスライダー66の弾性変形は、衝立部131で規制される。メインスライダー66の弾性変形が規制されることで、弁体62の、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分の変形を止めることができる。例えば、メインスライダー66と、衝立部131の先端部分132との離間距離を、封止部材130の潰ししろ未満に設定すれば、弁体62の、開口61a上部の中央部分、及び開口61a下部の中央部分が、封止部材130の潰ししろを超えて変形することを抑制することができる。具体的な数値の例としては、弁体62の大きさや、想定される逆圧の大きさにより変わるが、一例を挙げるならば以下の通りである。
【0072】
(弁体62が、処理室10a、10bの容器本体50a、50bを塞ぐ場合)
・下段の衝立部131Lの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DLは0.3mm以上0.35mm以下
・上段の衝立部131Uの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DUは0.5mm以上0.55mm以下
(弁体62が、ロードロック室20の容器本体50dを塞ぐ場合)
・下段の衝立部131Lの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DLは0.4mm以上0.45mm以下
・上段の衝立部131Uの先端部分132とメインスライダー66との離間距離DUは0.6mm以上0.65mm以下
これらの数値範囲は、バルブの構成部材の可動時の接触等のリスクから下限値が決まり、逆圧時に気密性を保てる許容限界から上限値が決まる。
【0073】
このような一変形例は、例えば、弁体62が、一辺のサイズがメートルオーダーとなる場合、あるいは想定される逆圧が大きい場合に、特に有効である。
【0074】
上記説明はこの発明の一実施形態であって、この発明は上記一実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。また、この発明の実施形態は、上記一実施形態が唯一のものでもない。
【0075】
例えば、弁体62の押圧機構63により押圧される押圧部69であるが、上記実施形態では、弁体62の如何なる箇所にも設けることが可能である。例えば、リンク機構を用いた場合には、弁体の両側面に設けたリンクにより押圧することになる。対して、押圧部69は、弁体62の上部および下部にも配置することができる。このため、図9Aに示すように、弁体の側部のみならず、弁体の上部および下部も押圧することが可能である。
【0076】
また、押圧部69は、弁体62の面内に配置することができる。このため、例えば、図9Bに示すように、弁体62が最も圧力を受ける開口部61aの内側に沿って環状に配置することが可能である。
【0077】
さらにまた、図9Cに示すように、開口部61aの中央部分に対応して、さらに配置することも可能である。
【0078】
このように押圧部69を、開口部61aの内側に配置することで、弁体62が受ける逆圧に対して、弁体62の変形を阻止するように、弁体62を押圧することができる。これにより、弁体のサイズが大きくなっても、さらに気密性が低下し難いゲートバルブを得ることができる。
【0079】
なお、この利点は、特に、開口部61aの内側に沿って環状に配置、さらには開口部61aの中央部分に対応して配置することで、より良く得ることができる。
【0080】
図9A乃至図9Cにおいては、押圧部69を弁体62の各辺に3個ずつ、開口部61aに沿って環状に合計8個又は中央に1個加えて9個設けた例を示したが、これに限られることはない。例えば、押圧部69を弁体62の各辺に4個ずつ合計12個、又は中央に1個加えて13個設けた構成にしても構わないし、それ以上でも構わない。ただし、いずれにせよ、弁体62の各辺に設ける押圧部69は、距離が均等になるように配置し、弁体62を均一に押圧できるように構成するのが望ましい。
【0081】
また、上記一実施形態では、弁体、サブスライダーおよびメインスライダーを上下に動かす例を示したが、左右に動かす形式にしても良い。
【0082】
さらに、上記一実施形態では、押圧機構63を突起部67と傾斜部68とを含んだカムで構成し、押圧部69をカムに接触するローラー70で構成したが、押圧機構をローラーで構成し、押圧部を突起部と傾斜部とを含んだカムで構成することもできる。
【0083】
さらにまた、上記一実施形態では、被処理体として太陽電池やFPDの製造に用いられるガラス基板を示したが、被処理体はガラス基板に限定されず、半導体ウエハ等の他の基板であってもよい。
【符号の説明】
【0084】
6A、6B、6C…ゲートバルブ、10a、10b…処理室、20…ロードロック室、30…搬送室、60…ゲートバルブ室、61a、61b、61c、61d…開口部、62…弁体、63…押圧機構、64…開口面、66…メインスライダー、67…突起部、68…傾斜部、69…押圧部、70…ローラー、80…離脱機構、81…伸縮体、82…サブスライダー、83…保持ガイド機構、84…案内開口、85…シャフト、86…フランジ部、87…相対面、90…ストッパー、91…底壁、92…引掛け部、93…開口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体を出し入れする開口部の周囲に押圧される弁体と、
前記弁体に前記開口部に沿って環状に設けられた押圧部と、
前記開口部の開口面に対して平行な方向にスライドするメインスライダーと、
前記メインスライダーに設けられた、前記押圧部を押圧する押圧機構と、を備え、
前記押圧機構は、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧する突起部と、前記突起部からスロープ状に下がる傾斜部とを含んだカムで構成され、
前記押圧機構が、前記弁体を前記開口部に正対させた状態で、前記開口部の開口面に対して垂直な方向に押し出し、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧することを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
前記弁体を保持し、前記弁体と、前記メインスライダーとの間に配置された、前記開口部の開口面に対して平行な方向にスライドするサブスライダーを、さらに備え、
前記サブスライダーは、前記弁体を保持するとともに、前記弁体の押圧方向および前記弁体の離脱方向を前記開口部の開口面に対して垂直な方向に規定する保持ガイド機構を備えることを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ
【請求項3】
前記サブスライダーのスライドを停止させるストッパーを、さらに備え、
前記サブスライダーのスライドが前記ストッパーにより停止された後、前記メインスライダーがさらにスライドし、前記押圧機構の前記突起部が、前記傾斜部に代えて前記弁体を押圧するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させる離脱機構を、さらに備え、
前記離脱機構が伸縮可能な伸縮体を有し、
前記伸縮体が、前記弁体が前記開口部の周囲に押圧されているときに縮退し、前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させるときに伸長して前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記サブスライダーに、前記離脱機構が設けられ、
前記離脱機構の伸縮体が、前記サブスライダーの前記メインスライダーに相対する相対面と、この相対面上に設けられたフランジ部との間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記フランジ部が、前記弁体が前記開口部の周囲に押圧されたときに前記伸縮体を圧縮し、
前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させるときに前記圧縮された伸縮体から伸長力を受け、前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
前記メインスライダーが、前記サブスライダーを引掛ける引掛け部を有し、
前記メインスライダーがスライドされたとき、前記引掛け部が、前記ストッパーにより停止されていた前記サブスライダーを引掛けて、前記サブスライダー及び前記弁体をスライドさせることを特徴とする請求項2乃至請求項6いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
前記弁体の前記押圧機構により押圧される押圧部が、前記開口部の内側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項9】
前記押圧部が、前記開口部の中央部分に対応して配置されていることを特徴とする請求項8に記載のゲートバルブ。
【請求項10】
前記メインスライダーの前記弁体とは反対側に、前記メインスライダーの弾性変形量を規制する衝立部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項11】
被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記被処理体に処理を施す処理室と、
前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を大気状態下及び真空状態下の双方におくことが可能な、処理前及び処理済の被処理体を交換するロードロック室と、
前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記ロードロック室と前記処理室との間で前記被処理体を搬送する搬送室と、を備えた基板処理システムであって、
前記処理室、前記ロードロック室、及び前記搬送室の少なくともいずれか一つの、前記被処理体を出し入れする開口部を開閉するゲートバルブに、請求項1乃至請求項10いずれか一項に記載されたゲートバルブが用いられていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項1】
被処理体を出し入れする開口部の周囲に押圧される弁体と、
前記弁体に前記開口部に沿って環状に設けられた押圧部と、
前記開口部の開口面に対して平行な方向にスライドするメインスライダーと、
前記メインスライダーに設けられた、前記押圧部を押圧する押圧機構と、を備え、
前記押圧機構は、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧する突起部と、前記突起部からスロープ状に下がる傾斜部とを含んだカムで構成され、
前記押圧機構が、前記弁体を前記開口部に正対させた状態で、前記開口部の開口面に対して垂直な方向に押し出し、前記弁体を前記開口部の周囲に押圧することを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
前記弁体を保持し、前記弁体と、前記メインスライダーとの間に配置された、前記開口部の開口面に対して平行な方向にスライドするサブスライダーを、さらに備え、
前記サブスライダーは、前記弁体を保持するとともに、前記弁体の押圧方向および前記弁体の離脱方向を前記開口部の開口面に対して垂直な方向に規定する保持ガイド機構を備えることを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ
【請求項3】
前記サブスライダーのスライドを停止させるストッパーを、さらに備え、
前記サブスライダーのスライドが前記ストッパーにより停止された後、前記メインスライダーがさらにスライドし、前記押圧機構の前記突起部が、前記傾斜部に代えて前記弁体を押圧するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させる離脱機構を、さらに備え、
前記離脱機構が伸縮可能な伸縮体を有し、
前記伸縮体が、前記弁体が前記開口部の周囲に押圧されているときに縮退し、前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させるときに伸長して前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記サブスライダーに、前記離脱機構が設けられ、
前記離脱機構の伸縮体が、前記サブスライダーの前記メインスライダーに相対する相対面と、この相対面上に設けられたフランジ部との間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記フランジ部が、前記弁体が前記開口部の周囲に押圧されたときに前記伸縮体を圧縮し、
前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させるときに前記圧縮された伸縮体から伸長力を受け、前記弁体を前記開口部の周囲から離脱させるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
前記メインスライダーが、前記サブスライダーを引掛ける引掛け部を有し、
前記メインスライダーがスライドされたとき、前記引掛け部が、前記ストッパーにより停止されていた前記サブスライダーを引掛けて、前記サブスライダー及び前記弁体をスライドさせることを特徴とする請求項2乃至請求項6いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
前記弁体の前記押圧機構により押圧される押圧部が、前記開口部の内側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項9】
前記押圧部が、前記開口部の中央部分に対応して配置されていることを特徴とする請求項8に記載のゲートバルブ。
【請求項10】
前記メインスライダーの前記弁体とは反対側に、前記メインスライダーの弾性変形量を規制する衝立部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか一項に記載のゲートバルブ。
【請求項11】
被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記被処理体に処理を施す処理室と、
前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を大気状態下及び真空状態下の双方におくことが可能な、処理前及び処理済の被処理体を交換するロードロック室と、
前記被処理体を出し入れする開口部を有し、前記被処理体を真空状態下におくことが可能な、前記ロードロック室と前記処理室との間で前記被処理体を搬送する搬送室と、を備えた基板処理システムであって、
前記処理室、前記ロードロック室、及び前記搬送室の少なくともいずれか一つの、前記被処理体を出し入れする開口部を開閉するゲートバルブに、請求項1乃至請求項10いずれか一項に記載されたゲートバルブが用いられていることを特徴とする基板処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−54928(P2011−54928A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102376(P2010−102376)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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