説明

ゲームシステムおよびこれに用いるゲーム装置

【課題】 遊技者がゲームをする楽しみを損なうことなく、携帯情報端末によりゲーム装置を遠隔操作して遊技するゲームシステムおよびこれに用いるゲーム装置を提供する。
【解決手段】 携帯電話5とゲーム装置1とは回線交換方式により通信するので、携帯電話5がアクセスする際に、携帯電話5の電話番号がゲーム装置1に通知される。接続部11は携帯電話5の電話番号と記憶部13に記憶される接続を許容する電話番号とを参照して、接続制御を行う。よって、暗証番号等に基づく接続制御の判断は不要である。
カメラ23から得られる画像情報も回線交換方式で伝送されるので、携帯電話5の表示部53はスムーズな動画映像をリアルタイムで表示する。また、撮影手段は複数個あるので、多角的な遊技フィールドの様子を表示することができる。他方、携帯電話5に操作情報を入力することで、クレーン19を遠隔操作することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲームシステムおよびこれに用いるゲーム装置に係り、特に、動画表示機能を有する携帯情報端末からゲーム装置を遠隔操作して遊技するゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレーンゲームに代表されるゲーム(装置)は通常ゲームセンター等に設置されるものであり、いわゆるコンピュータゲームのようにゲームセンター等に行かなくても(例えば各家庭で)遊技することができるゲームとは一線を画する。しかし近年、このようなゲーム装置をインターネットを介して情報端末と接続し、情報端末から遠隔操作を行うように構成するゲームシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照)。このゲームシステムによれば、ゲームセンター等に足を運ばなくてもゲーム装置に接することができ、遊技の機会をいままで以上に多く提供することができる。また、ゲーム装置の稼働率を向上させることが可能になる。
【特許文献1】特開2001−259216号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
【0004】
すなわち、従来のゲームシステムではゲーム装置と情報端末とはインターネットを介して接続されており、データの送受信はパケット通信によって行われる。よって、回線の使用状況によってはデータの通信速度が低下し、あるいは通信自体が途絶えるおそれがある。この場合、情報端末の表示画面に動画をスムーズに表示することができない。このため、遊技者に的確な情報を伝達できず、遠隔操作もままならないことになる。結果、遊技者が感じる面白みは損なわれる。
【0005】
また、情報端末からアクセスするときは、その都度暗証番号等によるユーザーの認証が必要になる。よってアクセス時には相当の時間が要る。このユーザー認証の手続きも、遊技者の興味を損ねる一因となる。
【0006】
このように従来のゲームシステムによれば、直接ゲーム装置の前に立って遊技する場合に比べて、遠隔操作による場合の不都合が解消されておらず、遊技者にプレイ意欲を与えるに十分な面白みを提供することができない。
【0007】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技者がゲームをする楽しみを損なうことなく、携帯情報端末によりゲーム装置を遠隔操作して遊技するゲームシステムおよびこれに用いるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技フィールドを移動する可動部材を備えるゲーム装置と、このゲーム装置と通信回線を介して接続される携帯情報端末と、を備えるゲームシステムにおいて、前記ゲーム装置は、さらに、接続を許容する携帯情報端末の電話番号を接続許容情報として記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶される接続許容情報と、アクセスしてくる携帯情報端末の電話番号とに基づいて前記携帯情報端末との接続を制御する接続手段と、前記遊技フィールドを撮影する複数個の撮影手段と、前記撮影手段から得られる画像情報を、接続された携帯情報端末に送信する画像送信手段と、前記可動部材を駆動する可動部材駆動手段と、を備え、前記携帯情報端末は、前記画像情報に基づいて動画映像を表示する表示手段と、操作情報の入力を受け付ける入力手段と、を備え、前記可動部材駆動手段は前記操作情報に基づいて可動部材を駆動し、前記各情報は、前記ゲーム装置と前記携帯情報端末との間を回線交換方式により伝送されることを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、携帯情報端末とゲーム装置との間の通信は回線交換方式により行われる。よって、携帯情報端末がアクセスする際に、携帯情報端末自身の電話番号がゲーム装置に通知される。接続手段はこの電話番号を検出するとともに、記憶手段に記憶される接続許容情報を参照し、携帯情報端末との接続をするか否かの制御を行う。したがって、パケット交換方式で伝送する場合に必要となる、暗証番号等に基づく接続制御の判断は不要である。結果、接続にかかる時間はより短い。遊技者にとっては、暗証番号の入力等の手間が不要になる。
【0011】
撮影手段から得られる画像情報は、画像送信手段を介して携帯情報端末に送信される。画像情報も回線交換方式で伝送されるので、ゲーム装置から携帯情報端末へ安定した通信速度で画像情報を伝送することができる。したがって、携帯情報端末の表示手段はスムーズな動画映像をリアルタイムで表示する。遊技者にとっては、このような動画映像を見ることができるので面白みが損なわれることがない。また、撮影手段を複数個備えるので、表示手段には多角的な遊技フィールドの動画映像を表示することができる。遊技者にとっては、ゲーム装置の前で遊技しているような臨場感を得ることができる。また、遊戯フィールドの状況をより正確に把握することができる。
【0012】
他方、可動部材を駆動する操作情報は、携帯情報端末からゲーム装置へ送信される。よって、遊技者は可動部材を遠隔操作してゲームを行うことができる。なお、操作情報も回線交換方式で伝送される。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゲームシステムにおいて、前記撮影手段は可動部材駆動手段と連動連結されて、可動部材の移動と同期し、かつ、その移動方向と平行な方向に移動することを特徴とするものである。
【0014】
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、可動部材の移動方向と平行な方向に、可動部材の移動と同期して撮影手段が駆動される。この撮影手段の移動は、遊技者がゲーム装置の前で直接ゲームをするときの視線の動きと同じである。したがって、携帯情報端末の表示手段には遊技者の視点に立った動画映像を表示することができる。
【0015】
また、撮影手段も可動部材駆動手段により駆動されるので、撮影手段を駆動する特別な駆動手段を設ける必要がない。
【0016】
なお、複数個の撮影手段のうち可動部材駆動手段と連動連結されるものは、全部であってもよいし、一部であってもよいし、1個であってもよい。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のゲームシステムにおいて、前記操作情報を参照して、可動部材の移動方向と平行な方向に撮影手段を駆動する撮影駆動手段を備えることを特徴とするものである。
【0018】
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、可動部材と連動して撮影手段が駆動される。この撮影手段の移動は、遊技者がゲーム装置の前で直接ゲームをするときの目の動きと同じである。したがって、遊技者は直接ゲームをするときに近い視覚情報を動画映像から得ることができる。
【0019】
なお、複数個の撮影手段のうち可動部材駆動手段と連動連結されるものは、全部であってもよいし、一部であってもよいし、1個であってもよい。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のゲームシステムにおいて、前記可動部材は、遊技フィールドの前面に沿う水平方向と、遊技フィールドの側面に沿う水平方向とに操作情報に応じて移動するものであって、前記複数個の撮影手段には、遊技フィールドの前面に沿って水平方向に移動可能に設けられる第1撮影手段と、遊技フィールドの側面に沿って水平方向に移動可能に設けられる第2撮影手段とを含むことを特徴とするものである。
【0021】
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、可動部材が遊技フィールドの異なる面(前面、側面)に沿って2方向に移動する場合、各方向に移動可能な撮影手段を別体で設ける(第1撮影手段と第2撮影手段)。この第1撮影手段と第2撮影手段との移動を併せて、遊技者がゲーム装置の前で直接ゲームをするときの目の動きに近づけることができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のゲームシステムにおいて、前記可動部材は、遊技フィールドの前面に沿う水平方向および垂直方向に、操作情報に応じて移動するものであって、前記複数個の撮影手段には、遊技フィールドの前面に沿って水平方向および垂直方向に移動可能に設けられる第3撮影手段を含むことを特徴とするものである。
【0023】
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、可動部材が遊技フィールドの一つの面(前面)に沿って2方向に移動する場合、2方向に移動可能な撮影手段を設ける(第3撮影手段)。このように、遊技者がゲーム装置の前で直接ゲームをするときの目の動きを、1個の撮影手段の移動で近づけることができる。
【0024】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記入力手段は、さらに、専ら撮影手段を操作するための撮影手段操作情報の入力を受け付け、ゲーム装置は、さらに、前記撮影手段操作情報に基づいて撮影手段の撮影角度を変える撮影角度変更手段を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、撮影手段操作情報によって遊技者は遠隔操作により撮影角度を変えることができる。
【0026】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、ゲーム装置は、さらに、ゲームの進行に応じて複数の画像情報を切り換える画像切換手段を備えて、前記画像送信手段は切り換えられた画像情報を送信することを特徴とするものである。
【0027】
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、複数個の撮像手段により得られる複数の画像情報の中からゲームの進行に応じた好適な画像情報を画像切換手段が選択して切り換える。したがって、表示手段には常に好適な動画映像が表示することができる。
【0028】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、このゲームシステムは遊技の結果、獲得した景品を遊技者に提供するものであり、前記ゲーム装置は、さらに、各景品を識別する景品識別情報を付与された複数個の景品と、獲得された景品の景品識別情報を非接触で検出する検出手段と、接続された携帯情報端末の電話番号と、検出手段が検出した景品識別情報とに基づいて、獲得した景品を遊技者に提供するための提供情報を景品提供に係る相手先へ発信する提供情報発信手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0029】
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、複数個の景品のそれぞれに付与された、景品を識別する景品識別情報を検出することで遊技者が獲得した景品を識別する。他方、その遊技者は接続された携帯情報端末の電話番号により識別される。そして、これら景品識別情報と電話番号とに基づいて、獲得した景品を遊技者に提供するための提供情報が構成される。この提供情報を景品提供に係る相手先へ発信することで、遊技者に景品を提供できるようにすることができる。したがって、景品を識別すること、及び識別した景品を提供させることに手間や労力がかからない。
【0030】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載のゲームシステムに用いられるゲーム装置である。
【0031】
[作用・効果]請求項9に記載のゲーム装置によれば、通信回線を介して携帯情報端末と接続して上述したゲームシステムを実現することができる。
【発明の効果】
【0032】
この発明に係るゲームシステムによれば、アクセスする携帯情報端末が通知する電話番号に基づいて接続制御すればよく、暗証番号等に基づく接続制御の判断は不要となる。結果、接続にかかる時間はより短く、遊技者にとっては暗証番号の入力等の手間が不要になる。
【0033】
また、撮影手段から得られる画像情報も回線交換方式で伝送されるので、携帯情報端末の表示手段はスムーズな動画映像をリアルタイムで表示することができる。また、撮影手段を複数個備えるので多角的な遊技フィールドの動画映像を表示する。
【0034】
他方、可動部材を駆動する操作情報は携帯情報端末の入力手段に入力するので、遊技者は可動部材を遠隔操作してゲームを楽しむことができる。
【実施例1】
【0035】
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
【0036】
図1は、実施例1に係るゲームシステムの全体構成を示すブロック図であり、図2は遊技フィールドの平面図(a)と正面図(b)である。ゲームシステムは、大きくゲーム装置1と動画表示機能付き携帯電話(以下、単に「携帯電話」と記載する)5と景品提供センター7とゲーム運営会社8とに分けられる。携帯電話5はこの発明における携帯情報端末に相当する。
【0037】
本実施例では、ゲーム装置1としていわゆる「クレーンゲーム」を提供するものを例にとって説明する。図2に示すように、ゲーム装置1に形成される遊技フィールドの上部にクレーン19が配置され、下部には景品31が積まれている。遊技者はクレーン19を移動操作する。移動後、クレーン19はその下部に設けられた把持つめ19aを開閉する。この動作で掴み取ることができた景品31はシュータ35に入れられる。このようにして獲得した景品31は遊技者に提供される。
【0038】
ゲーム装置1と携帯電話5とは通信回線を介して接続され、相互に各種情報を回線交換方式により伝送する。また、ゲーム装置1と景品提供センター7及びゲーム運営会社8とも通信回線を介して接続され、相互に各種情報を回線交換方式により伝送する。なお、ゲーム装置1も通信端末器(図示省略)を備えて、いわゆる端末として機能する。換言すれば、ゲーム装置1についても、固有の電話番号が与えられている。
【0039】
なお、本実施例のゲーム装置1は、携帯電話5と接続する利用者専用の電話番号と、景品提供センター7及びゲーム運営会社8と接続する管理・運営専用の電話番号とを、それぞれ別個に有している。
【0040】
ゲーム装置1は、接続部11と管理用接続部12と記憶部13とゲーム制御部15とクレーン駆動部17とクレーン19とカメラ駆動部21とカメラ23と画像切換部25と画像送信部27と検出器37と提供情報発信部39とを有する。なお、接続部11は、上述した利用者専用の電話番号に対応するものであり、管理用接続部12は、管理・運営専用の電話番号に対応するものである。
【0041】
記憶部13は、固定ディスク等に代表される記憶媒体で構成されて、接続を許容する携帯電話5の電話番号を接続許容情報として記憶する。接続部11は、この記憶部13に記憶される接続許容情報を参照しつつ、アクセスしてくる携帯電話5の電話番号を検出する。そして、両者を比較して電話番号と一致する接続許容情報がある場合は接続をするように接続制御を行う。なお、接続部11及び記憶部13は、それぞれこの発明における接続手段、記憶手段に相当する。
【0042】
管理用接続部12は、専ら景品提供センター7及びゲーム運営会社8のみと接続するように接続制御を行う。
【0043】
なお、携帯電話5がゲーム装置1と接続するためには、予め、携帯電話5の電話番号が接続許容情報として記憶部13に記憶されていることを要する。本実施例では、この接続許容情報を、ゲーム運営会社8が管理用接続部12を介して記憶部13に提供して、予め記憶部13に記憶するようにしている。
【0044】
このため、ゲーム装置1を利用するにあたり、遊技者の携帯電話5の登録を予め済ませておくものとする。この登録の際に、記憶部13には携帯電話5の電話番号が接続許容情報として記憶される。
【0045】
ゲーム制御部15は中央演算処理装置(CPU)等で構成されて、ゲーム装置1の統括的な制御を司る。ゲーム制御部15には、接続部11と管理用接続部12とクレーン駆動部17とカメラ駆動部21と画像切換部25と検出器37と提供情報発信部39とが接続されている。
【0046】
接続部11は接続された携帯電話5から操作情報を受信すると、この操作情報をゲーム制御部15に通知する。ゲーム制御部15は、受け取った操作情報に基づいてクレーン駆動部17およびカメラ駆動部21を制御する。本実施例では、クレーン19とカメラ23とが同期して、かつ、相互に平行な方向に移動するように制御する。なお、ゲーム制御部15はゲームの進行に応じて、通知される操作情報に因らないで単独でもクレーン駆動部17およびカメラ駆動部21の制御をすることができる。
【0047】
クレーン駆動部17は、モーター、シャフト、搬送ベルト、伸縮パイプなどを備える駆動機構で構成され、クレーン19を駆動する。クレーン駆動部17はこれに限らず、その他の公知の駆動機構から構成されてもよい。クレーン駆動部17は、この発明における可動部材駆動手段に相当する。
【0048】
クレーン19は遊技フィールドを移動可能にクレーン駆動部17に保持されており、その下部には開閉可能な把持つめ19aを2本備えて、景品31を掴み取ることができるように構成されている。クレーン19は、この発明における可動部材に相当する。
【0049】
図2を参照して、クレーン19の移動の一例を示す。クレーン19は遊技フィールドの上部に設けられている。そして、図示省略のクレーン駆動部17により、遊技フィールドの前面に沿って水平方向(以下では「X方向」と呼ぶ)と遊技フィールドの側面に沿って水平方向(以下では「Y方向」と呼ぶ)と垂直方向(以下では「Z方向」と呼ぶ)とに移動する。さらに、2本の把持つめ19aを開閉する。
【0050】
カメラ23はCCDカメラで構成され、遊技フィールドを撮影する。本実施例では図2に示すように3台のカメラ23が配置される。すなわち、カメラ23aは遊技フィールドの天面には設けられ、下方を撮影する。カメラ23bは遊技フィールドの前面側に取り付けられ、斜め下方を撮影する。カメラ23cは遊技フィールドの側面側に取り付けられ、斜め下方を撮影する。ここで、カメラ23aのみ固定的に設置されている。また、カメラ23b、23cは後述するカメラ駆動部21に支持されている。以下では特に区別して呼ぶ必要のないときは、各カメラ23a、・・・を単に「カメラ23」と総称する。カメラ23a、カメラ23b、カメラ23cは、それぞれこの発明における撮影手段に相当する。
【0051】
さらに、カメラ23b、カメラ23cは、クレーン19を含めて遊技フィールドを撮影できるように、クレーン19の遊技フィールドとは反対側に設置されることが好ましい。クレーンゲームを直接遊技するときの遊技者の視点(通常、クレーン19を視野に入れつつ、遊技フィールド内の景品31を見る)に近づけることができるからである。なお、図2にはカメラ23が遊技フィールド外に配置されていることが示されているが、遊技フィールド内に配置するようにしてもよい。
【0052】
カメラ駆動部21は、図2に示すように、X方向駆動機構21xと、Y方向駆動機構21yとを別体に備えて、カメラ23を駆動する。より詳しくは、X方向駆動機構21xがカメラ23bをX方向に駆動し、Y方向駆動機構21yがカメラ23cをY方向に駆動する。カメラ駆動部21は、この発明における撮影駆動手段に相当する。
【0053】
図3にX、Y方向駆動機構21x、21yの詳細を示す。各駆動機構21x、21yは、駆動モーター71やタイミングベルト73などを備えるベルト駆動機構である。なお、各駆動機構21x、21yは、これに限定されるものではなく、公知の1軸方向駆動機構であればよい。
【0054】
画像切換部25は複数個のカメラ23と接続され、カメラ23から得られる複数の画像情報を受け取る。ゲーム制御部15は、複数の画像情報を切り換えるように画像切換部25を制御する。かかる制御に基づいて、画像切換部25は画像情報を切り換え、切り換えた画像情報を画像送信部27に与える。画像切換部25は、この発明における画像切換手段に相当する。
【0055】
画像送信部27は、接続部11を介して受け取った画像情報を携帯電話5に回線交換方式により送信する。画像送信部27は、この発明における画像送信手段に相当する。
【0056】
ゲーム装置1はその他、遊技者に提供する複数個の景品31と遊技者が獲得する景品31が投下されるシュータ35とを備えている。景品31は遊技フィールド内に積み上げられている。景品31としては、例えばぬいぐるみ等が例示される。
【0057】
各景品31には、景品31を識別する景品識別情報が付与されている。実施例1では、景品識別情報を有しているICチップ33を各景品に取り付けている。このICチップ33は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、フライング・ナル・リミテッド製の磁気タグなどが例示される。なお、景品31がぬいぐるみの場合であれば中に埋め込む方法など、景品31に応じて任意の取り付け方法を採用できる。
【0058】
検出器37は、筒形状のシュータ35の内側に取り付けられる。そして、ICチップ33の有する景品識別情報を非接触で検出する。検出した景品識別情報はゲーム制御部15に通知される。検出器37は、この発明における検出手段に相当する。
【0059】
ゲーム制御部15は景品識別情報を受け取ると、接続されている携帯電話5の電話番号と受け取った景品識別情報とに基づいて、獲得した景品31を遊技者に提供するための提供情報を生成する。そして、この提供情報を提供情報発信部39に通知する。
【0060】
本実施例においては、提供情報を「景品を受け取る遊技者の氏名、住所」、「景品を受け取る遊技者の携帯電話5の電話番号」、「提供する景品を識別する景品識別情報」等から構成される。以下の説明では、便宜上、氏名及び住所を「個人情報」と呼ぶこととする。また、適宜、ゲーム制御部15が景品識別情報を受け取る時点に接続中の携帯電話5の遊技者を、景品を受け取る遊技者とみなして説明する。
【0061】
景品を受け取る遊技者の個人情報は、ゲーム制御部15が管理用接続部12を介してゲーム運営会社8に問い合わせることにより取得する。
【0062】
提供情報発信部39は提供情報を受け取ると、管理用接続部12を介してこの提供情報を景品提供センター7に発信する。提供情報発信部39は、この発明における提供情報発信手段に相当する。
【0063】
再び図1に戻り、携帯電話5について説明する。携帯電話5は、通信回線を介して各種情報を送受信することができる通信部51と、受信した画像情報に基づいて動画映像を表示する表示部53と操作情報の入力を受け付ける入力部55とを有する。
【0064】
図4(a)は携帯電話5の模式図であり、図4(b)は入力ボタンと操作情報との対応表である。表示部53は液晶ディスプレイで構成される。また図示するように、入力部55はダイヤルボタン55aやファンクションボタン55b等のボタンで構成される。表示部53及び入力部55は、それぞれこの発明における表示手段、入力手段に相当する。
【0065】
図4を参照して操作情報の入力例を示す。本実施例では、操作情報としてクレーン19のX方向への移動開始命令(以下、適宜「命令c1」と略記する)及びその移動停止命令(同「命令c2」)、ならびにクレーン19のY方向への移動開始命令(同「命令c3」)及びその移動停止命令(同「命令c4」)の4つの命令がある。このとき、図4(b)に示すように、あらかじめ各命令c1〜c4を各ダイヤルボタン(例えば「2」、「4」、「6」、「8」)に定義付ける。これにより、入力部55は操作情報の各命令を受け付けることができる。
【0066】
また、別の入力方法を示す。各命令c1〜c4の入力順番はゲームの進行上、固定的であるので、ボタンを押した順番で各命令c1〜c4を認識するように定義づける。よって、つまり任意のボタンを4回押すことで全命令の入力が完了する。これにより、ボタンの押し間違い等を回避することができる。
【0067】
なお、入力部55に入力された操作情報は、DTMF(DialToneMultiFrequency)信号として通信部51から送信される。
【0068】
景品提供センター7は、景品31の提供に係る相手先である。景品提供センター7は、少なくとも通信回線を介して提供情報を受信する機能を有する。景品提供の方法は、遊技者に景品31を与えることができればいずれの方法でもよい。たとえば、景品提供センター7を配送業者のホストコンピュータとしてもよい。このとき、配送業者は提供情報に基づき遊技者の自宅まで景品31を配送する。また、景品提供センター7をコンビニエンスストアのホストコンピュータとしてもよい。このとき、提供情報に基づきコンビニエンスストアの店頭で景品31を遊技者に提供する。
【0069】
ゲーム運営会社8は、少なくともゲーム装置1の管理(設置・運営)を行う業者である。本実施例では、さらに、個人情報の管理や、ゲーム提供に伴う課金徴収、WEB(World Wide Web)サイトの提供等も適宜行って、ゲーム装置1の管理の自動化・省力化を図っている。そのため、ゲーム運営会社8は、遊技者の携帯電話5の電話番号及び遊技者の個人情報を含むデータベースを保有している。また、通信回線を介してゲーム装置1と各種情報を送受信する機能を有する。具体的には、遊技者の携帯電話5の電話番号を自動的に提供するともに、ゲーム装置1からの問い合わせに応じて、遊技者の個人情報を提供する。
【0070】
次に、本実施例にかかるゲームシステムの動作について、図5を参照して説明する。
【0071】
図5は、ゲーム装置1の接続制御の処理を示すフローチャートである。
【0072】
<ステップS1> 携帯電話の電話番号を検出する
携帯電話5が発呼し、ゲーム装置1の電話番号を入力部55に入力する。ゲーム装置1にアクセスする際に、携帯電話5自身の電話番号が接続部11に通知される。接続部11はこの電話番号を検出する。
【0073】
<ステップS2> 電話番号が接続許容番号と一致するか?
接続部11は記憶部13を参照する。そして、アクセスしてきた携帯電話5の電話番号が、記憶部13に記憶される接続許容番号と一致するか否か判断する。一致するときは、ステップS3に進み、一致しないときはステップS4に進む。
【0074】
<ステップS3> 接続する
制御部11は携帯電話5と接続する。これにより、通信回線がつながる。
【0075】
<ステップS4> 接続しない
制御部11は携帯電話5と接続しない。
【0076】
このように、実施例1に係るゲームシステムによれば、ゲーム装置1と携帯電話5とを通信回線を介して回線交換方式により接続する。よって、携帯電話5とゲーム装置1とが接続する際は、携帯電話5側ではゲーム装置1の電話番号を入力するだけでよい。たとえば、暗証番号等の入力は必要ない。したがって、遊技者にとっては接続にかかる時間は短く、手間もかからない。
【0077】
次に図6を参照して、ゲーム進行時におけるゲーム装置1の処理の流れを説明する。ここでは、ゲーム装置1と携帯電話5との接続が完了したものとして説明する。
【0078】
<ステップT1> カメラ23aから得られる画像情報を送信する
3台のカメラ23から画像情報が画像切換部25に送られる。ゲーム制御部15は、カメラ23aの画像情報に切り換えるように画像切換部25に通知する。画像切換部25は、カメラ23aの画像情報に切り換えて、この画像情報を画像送信部27に与える。画像送信部27は、受け取った画像情報を接続されている携帯電話5に回線交換方式により送信する。これにより、携帯電話5の表示部53には遊技フィールドを平面視した映像が動画映像で表示される。
【0079】
<ステップT2> 「クレーン19のX方向への移動開始命令」を受け取る
携帯電話5の入力部55に操作情報として命令c1が入力される。この操作情報は通信部51から送信されて、ゲーム装置1の接続部11を介しゲーム制御部15に与えられる。
【0080】
<ステップT3> カメラ23bの画像情報に切り換えるとともに、クレーン19とカメラ23bとがX方向に移動を開始する
ゲーム制御部15は、操作情報を受けてカメラ23bの画像情報に切り換えるように画像切換部25に通知する。これにより、画像切換部25はカメラ23bから得られる画像情報を画像送信部27に送る。画像送信部27は、受け取った画像情報を携帯電話5に回線交換方式により送信する。携帯電話5の表示部53には遊技フィールドを前面側から斜め下方向に見た遊技フィールドにクレーン19を含む動画映像が表示される。
【0081】
また、ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてクレーン駆動部17を制御する。これにより、クレーン駆動部17はクレーン19をX方向に駆動する。クレーン19はX方向に移動を開始する。
【0082】
さらに、ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてカメラ駆動部21を制御する。具体的には、カメラ23bがクレーン19と同期し、かつ、クレーン19の移動方向と平行な方向に移動するように制御する。ここで、クレーン19はX方向に移動するので、X方向駆動機構21xがカメラ23bをクレーン19と同期するように駆動する。よって、クレーン19が移動する間、カメラ23bは遊技フィールドとともにクレーン19を常に撮影している。
【0083】
なお、このステップT3の複数の処理は、操作情報(命令c1)に基づいて並列的に処理される。
【0084】
<ステップT4> 「クレーン19のX方向への移動停止命令」を受け取る
携帯電話5の入力部55に操作情報として命令c2が入力される。この操作情報も、命令c1と同様のルートで、ゲーム制御部15が受け取る。
【0085】
<ステップT5> クレーン19とカメラ23bとが停止する
ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてクレーン駆動部17を制御する。これにより、クレーン駆動部17はクレーン19を停止させる。
【0086】
また、ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてカメラ駆動部21を制御する。具体的には、カメラ23bがクレーン19と同期して停止するように制御する。よって、クレーン19が停止した後も、カメラ23bは遊技フィールドとともにクレーン19を撮影している。
【0087】
なお、このステップT5の複数の処理も、操作情報(命令c2)に基づいて並列的に処理される。
【0088】
<ステップT6> 「クレーン19のY方向への移動開始命令」を受け取る
ステップT6からステップT9までの処理は、ステップT2からステップT5までの処理について「X方向」を「Y方向」に置き換えたものである。すなわち、ステップT6では操作情報として命令c3がゲーム制御部15に与えられる。
【0089】
<ステップT7> カメラ23cの画像情報に切り換えるとともに、クレーン19とカメラ23cとがY方向に移動を開始する
ゲーム制御部15は、操作情報を受けてカメラ23cの画像情報に切り換えるように画像切換部25に通知する。これにより、携帯電話5の表示部53には遊技フィールドを側面側から斜め下方向に見た遊技フィールドにクレーン19を含む動画映像が表示される。
【0090】
また、ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてクレーン駆動部17を制御する。クレーン駆動部17は、クレーン19をY方向に駆動する。
【0091】
さらに、ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてカメラ駆動部21を制御する。今度はクレーン19がY方向に移動するので、Y方向駆動機構23yがカメラ23cを駆動する。
【0092】
<ステップT8> 「クレーン19のY方向への移動停止命令」を受け取る
操作情報として命令c4がゲーム制御部15に与えられる。
【0093】
<ステップT9> クレーン19とカメラ23cとが停止する
ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてクレーン駆動部17を制御する。これにより、クレーン駆動部17はクレーン19を停止させる。
【0094】
また、ゲーム制御部15は、操作情報に基づいてカメラ駆動部21を制御する。これにより、Y方向駆動機構23yがクレーン19と同期してカメラ23cを停止させる。よって、クレーン19が停止した後も、カメラ23cは遊技フィールドとともにクレーン19を撮影している。
【0095】
<ステップT10> カメラ23aの画像情報に切り換えるとともに、クレーン19が一連の掴み取り動作をした後、待機位置に戻る
ステップT9の処理を終えると、操作情報に因らずにゲームが進行されることになる。すなわち、ゲーム制御部15は、カメラ23aの画像情報に切り換えるように画像切換部25に通知する。これにより、遊技フィールドを平面視した動画映像を携帯電話5の表示部53に表示させる。
【0096】
また、ゲーム制御部15はクレーン19が一連の掴み取り動作をするようにクレーン駆動部17を制御する。これにより、クレーン19は垂直下方に移動した後、2本の把持つめ19aを開閉する。その後、もとの位置まで垂直上方に移動した後、シュータ35の直上部の位置までY方向およびX方向の移動を順次行う。そして、再び、把持つめ19aを開閉する。このとき、シュータ35に景品31が落下すれば遊技者は景品31を獲得したことなり、そうでない場合は獲得に失敗したことになる。
【0097】
以上で、1回のゲームが終了する。
【0098】
このように、実施例1に係るゲームシステムによれば、画像送信部27は画像情報を回線交換方式により送信するので、安定した通信速度で画像情報を伝送できる。よって、携帯電話5の表示部53はスムーズにリアルタイムの動画映像を表示することができる。
【0099】
また、カメラ23を複数個備えるので、遊技フィールドを多角的に撮影でき、その動画映像を携帯電話5の表示部53に表示させることができる。よって、遊戯フィールドの状況をより正確に把握することができる。
【0100】
さらに、画像切換部25を備えることで、複数個のカメラ23a、23b、23cから得られる複数の画像情報の中からゲームの進行に応じた好適な画像情報を切り換えることができる。したがって、表示部53には常に好適な動画映像が表示することができる。
【0101】
また、カメラ23b、23cがクレーン19の移動と同期し、かつ、相互に平行な方向に移動することができる。すなわち、各カメラ23b、23cの移動は、遊技者の目線の動きと同じである。よって、携帯電話5の表示部53には遊技者の視点に立った動画映像を表示することができる。
【0102】
次に、図7を参照して、景品獲得時の処理の流れを説明する。
【0103】
<ステップU1> 景品の景品識別情報を検出する
景品31がシュータ35内を通過すると、検出器37が景品31に取り付けられているICチップ33から景品識別情報を非接触で検出する。検出した景品識別情報は、ゲーム制御部15に通知される。
【0104】
<ステップU2> 接続中の電話番号に基づいてデータベースに個人情報を問い合わせる
ゲーム制御部15は、接続中の携帯電話5の電話番号に基づいて、管理用接続部12を介してゲーム運営会社8が保有するデータベースにアクセスする。そして、この電話番号に対応付けられた個人情報を検索しダウンロードする。この個人情報が、景品を獲得し受け取る遊技者の個人情報である。
【0105】
<ステップU3> 景品識別情報と電話番号と個人情報とを併せて提供情報を作成する
ゲーム制御部15は、接続されている携帯電話5の電話番号と、検出器37が検出した景品識別情報と、ダウンロードした個人情報とを併せた提供情報を作成する。
【0106】
<ステップU4> 提供情報を提供センター7に発信する
ゲーム制御部15は、景品提供発信部39に提供情報を与える。景品提供発信部39は、管理用接続部12を介して所定の景品提供センター7に発信する。
【0107】
このように、実施例1に係るゲームシステムによれば、景品識別情報を付与された景品31(あるいは、景品識別情報を有するICチップ33)と検出器37とを備えることで、遊技者が獲得した景品を識別することができる。また、提供情報発信部39を備えることで提供情報を発信することができる。よって、獲得した景品31をその場で提供できないといった不都合を、手間をかけることなく解消することができる。
【0108】
また、ゲーム運営会社8は、データベースを保有するだけで済み、景品を提供する処理においても人手がかからない。
【0109】
なお、予め、記憶部13に接続許容情報を記憶するフローを、図8を参照して説明する。ここで、遊技者がゲームの提供に対して支払う金額を、ゲーム運営会社8の替わりに電話事業者が所定の遊技者から代行して徴収することとする。
【0110】
<ステップV1> 遊技者が、電話事業者のWEBサイトにアクセスする
遊技者は、携帯電話5に提供されるインターネット接続サービスを利用して、電話事業者のWEBサイトにアクセスする。
【0111】
<ステップV2> 遊技者が、電話事業者による代行徴収に同意する
電話事業者のWEBサイトにおいて、遊技者が電話事業者による代行徴収に同意する旨の入力を行う。この作業を済ませた遊技者に対して、電話事業者が代行徴収を行う。例えば、遊技者がゲーム装置1に接続する回数等を電話事業者が検出して、その回数等に単価を乗じた金額を請求する。
【0112】
<ステップV3> ゲーム運営会社8のWEBサイトを通知する
電話事業者のWEBサイトに、ゲーム運営会社8のWEBサイトにジャンプするアイコンを表示させて、WEBサイトを通知する。また、このほか、ゲーム運営会社8のWEBサイトのアドレスをメールにより通知してもよい。
【0113】
<ステップV4> 遊技者が、ゲーム運営会社8のWEBサイトにアクセスする
遊技者は、アイコンをクリックする等して、ゲーム運営会社8のWEBサイトにアクセスする。
【0114】
<ステップV5> 遊技者が、電話番号及び個人情報を入力する
このゲーム運営会社8のWEBサイトにおいて、遊技者の携帯電話5の電話番号及び遊技者の個人情報等を入力する。
【0115】
<ステップV6> ゲーム運営会社8のデータベースに登録する
運営会社8は入力された電話番号及び個人情報等を受け取ると、これらを相互に対応づけて、ゲーム運営会社8のデータベースに登録する。なお、登録は、ソフトウエアによる自動処理にて実現される。
【0116】
<ステップV7> ゲーム運営会社8からゲーム装置1に、接続許容情報として電話番号を送信する
ゲーム運営会社8は、ゲーム装置1に回線交換方式によりアクセスする。ゲーム装置1の管理用接続部12は、ゲーム運営会社8と接続するように接続制御する。そして、ゲーム運営会社8は、接続許容情報として電話番号のみを送信する。
【0117】
<ステップV8> 記憶部13に接続許容情報を記憶する
送信された接続許容情報は、管理用接続部12を介して記憶部13に提供され、記憶される。
【0118】
このように構成することで、ゲーム運営会社8自体が入力作業を行うことなく、データベースを構築することができる。また、自動的に、接続許容情報を記憶部13に記憶させることができる。さらに、データベースを構築することで、ゲーム制御部15は、景品提供時に、遊技者の個人情報を含む提供情報を作成することができる。また、電話事業者による代行徴収を行うことで、遊技者からのゲームの提供に対する金額の徴収も省力化することができる。
【実施例2】
【0119】
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
【0120】
図9は、実施例2に係るゲームシステムの全体構成図であり、図10(a)は遊技フィールドの平面図(a)と正面図(b)である。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0121】
実施例2では、ゲーム装置2として図10に示すような景品獲得ゲームを提供するものを例にとって説明する。すなわち、ゲーム装置2の前面に形成される遊技フィールドに複数個の景品31が配置されている。遊技者は釣上げアーム20を縦横(X方向とZ方向)に移動操作する。移動後、釣上げアーム20に設けられているフック20aを延ばす。この動作で景品31をフック20aに引掛けることができた景品31はシュータ35に入れられる。このようにして獲得した景品31は遊技者に提供される。釣上げアーム20は、この発明における可動部材に相当する。
【0122】
ゲーム装置2は、接続部11と記憶部13とゲーム制御部15と共用駆動部18と釣上げアーム20と撮影角度変更部61とカメラ23と画像切換部25と画像送信部27と検出器37と提供情報発信部39とを有する。
【0123】
本実施例においては、カメラ23は2台配置される。すなわち、カメラ23aは遊技フィールドの天面には設けられ、下方を撮影する。カメラ23dは遊技フィールドの前面側に取り付けられ、斜め下方を撮影する。なお、カメラ23aのみ固定的に設置されている。
【0124】
共用駆動部18は、モーター、シャフト、搬送ベルト、伸縮パイプなどを備える駆動機構で構成される。そして、ゲーム制御部15の制御下において釣上げアーム20とカメラ23dとを併せて駆動する。換言すれば、釣上げアーム20を駆動する共用駆動部18にカメラ23dが連動連結されている。共用駆動部18は、この発明における可動部材駆動手段に相当する。
【0125】
図11に共用駆動部18の詳細を示す。図示するように、モーター71を駆動源として2つのタイミングベルト73を介して釣上げアーム20とカメラ23dとをX方向に駆動するベルト駆動機構である。なお、この共用駆動部18は、図示省略の垂直駆動機構によりZ方向にも昇降可能に設けられている。
【0126】
このように実施例2によれば、釣上げアーム20とカメラ23dとは同一の共用駆動部18に駆動されるので、カメラ23dを駆動する特別なカメラ駆動部等を設ける必要がない。
【0127】
また、釣上げアーム20の移動方向が2方向であっても、カメラ23dも2方向に移動可能に設けることによって、2台のカメラ23を配置しなくても済む。
【0128】
また、実施例2では、カメラ23の撮影角度を変更することができるように構成されている。
【0129】
このため、カメラ23の撮像部24が水平及び垂直方向に可動自在に設けられている。図12は、カメラ23の平面図と側面図である。そして、変更可能な撮影角度として、水平方向に可動な撮影角度θHと垂直方向に可動な撮影角度θVを模式的に示している。そして、水平方向及び垂直方向の撮影角度θH、θVを併せて変更することで、任意の方向に撮影角度を変更することができる。
【0130】
また、このようにカメラ23の撮影角度を遠隔操作にて変更するために、携帯電話5が備える入力部55は、専らカメラ23を操作する情報としてカメラ操作情報の入力も受け付けることができるように構成されている。
【0131】
カメラ操作情報の一例としては、「垂直上方に上げる」、「垂直下方に下げる」、「水平右方向に向ける」、「水平左方向に向ける」等の命令が挙げられる。また、これらカメラ操作情報の入力例としては、上記各命令が定義づけられたファンクション55bの4個のボタンを押す等が挙げられる。
【0132】
なお、入力部55に入力されたカメラ操作情報は通信部51から送信されて、ゲーム装置2の接続部11を介しゲーム制御部15に与えられる。
【0133】
ゲーム装置2は、さらに、ゲーム制御部15とカメラ23との間に撮影角度変更部61を設けている。ゲーム制御部15は、カメラ操作情報に基づいて撮影角度変更部61を制御する。これにより、撮影角度変更部61はカメラ23の撮影角度を変える。撮影角度変更部61は、この発明における撮影角度変更手段に相当する。
【0134】
このように、実施例2では、撮影角度変更部61を備えることで、遊技者の遠隔操作に応じて、カメラ23が撮影するエリアをずらすように変更することができる。
【0135】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0136】
(1)上述した各実施例では、ゲーム装置1(2)は、各種ゲームを遠隔操作によって提供するものであったが、ゲーム装置1(2)の前面に操作パネルを備えて、直接操作することによってもゲームを提供できるようにしてもよい。
【0137】
(2)上述した各実施例では、いずれも可動部材としてのクレーン19等が景品31を直接獲得するゲームであったが、ゲームの種類はこれに限られない。例えば、可動部材として、車や飛行機を模したもの操作するゲームとして、遊技者が遊技の結果一定の条件を満たしたことをもって、景品を提供するものであってもよい。また、可動部材がX方向、Y方向、Z方向以外にも移動可能に構成してもよい。
【0138】
(3)上述した各実施例では、カメラ23を3台または2台、各所に配置したが、台数や配置場所はこれに限られない。たとえば、4台以上のカメラを配置してもよい。また、カメラ23の配置場所としては、クレーン19の下部やシュータ35内に設けて、それぞれ下方や上方を撮影するようにしてもよい。
【0139】
(4)上述した実施例2では、カメラ操作情報によってカメラ23の撮影角度を遠隔操作するものであったが、カメラ操作情報の操作できる範囲はこれに限られない。たとえば、実施例1のようにカメラ23を単独で駆動するカメラ駆動部21をゲーム装置1が備えている場合は、カメラ操作情報によりカメラ駆動部21を制御して移動させるようにしてもよい。また、カメラ23がズーム機能を有している場合は、カメラ操作情報によりズームアップまたはズームダウンをさせるようにしてもよい。
【0140】
(5)上述した各実施例は、携帯電話5に画像情報を送信して動画映像を表示部53に表示するように構成されていたが、さらに、携帯電話5に音声、音楽等を出力させるように構成してもよい。
【0141】
(6)上述した各実施例では、操作情報等は携帯電話5の入力部55の各種ボタンを押すことで入力されるように構成されていたが、これに限られない。たとえば、遊技者が携帯電話5に声で(たとえば、「進め」「止まれ」等)操作情報を入力するように構成してもよい。
【0142】
(7)上述した各実施例では、提供情報を作成するためにゲーム制御部15がゲーム運営会社8のデータベースにアクセスするように構成されていたが、これに限られない。提供情報を、「景品を受け取る遊技者の携帯電話5の電話番号」と「提供する景品を識別する景品識別情報」とを併せたものとすれば、ゲーム制御部15は、データベースにアクセスすることなく提供情報を作成することができる。そして、この提供情報を受け取った景品センター7が、ゲーム運営会社8に個人情報を問い合わせることとしてもよい。あるいは、この提供情報をまずゲーム運営会社8に送信し、ゲーム運営会社8において個人情報を併せた上で、景品提供センター7に送信するようにしてもよい。
【0143】
(8)上述した各実施例では、遊技者の携帯電話5の電話番号を記憶部13に記憶させる一連のフローで、ゲーム運営会社8がデータベースを構築していたが、これに限られない。たとえば、遊技者自身が、直接ゲーム装置1、2にアクセスして、別途記憶部13に自己の電話番号を記憶させる登録フローであってもよい。また、提供情報を作成するのに必要な遊技者の個人情報は、ゲーム制御部15が景品識別情報を受け取った時点に接続中に携帯電話5から、個人情報の入力を受け付けることで取得してもよい。あるいは、その時点に接続していた携帯電話5に対して、接続終了後、その電話番号のみで送付可能なメールにより、個人情報の入力を受け付けるWEBサイトのアドレスを通知することで取得するようにしてもよい。このようにすれば、最初の利用時に電話番号のみを登録しておき、景品31獲得時に個人情報を事後登録すれば済むようになる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】実施例1に係るゲームシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】遊技フィールドの平面図(a)と正面図(b)である。
【図3】X、Y方向駆動機構21x、21yの要部斜視図である。
【図4】(a)は携帯電話5の模式図であり、図4(b)は入力ボタンと操作情報との対応表である。
【図5】ゲーム装置1の接続制御の処理を示すフローチャートである。
【図6】ゲーム進行時におけるゲーム装置1の処理を示すフローチャートである。
【図7】景品獲得時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】予め、記憶部13に接続許容情報を記憶する流れを示すフローチャートである。
【図9】実施例2に係るゲームシステムの全体構成図である。
【図10】実施例2に係る遊技フィールドの平面図(a)と正面図(b)である。
【図11】共用駆動部18の要部斜視図である。
【図12】(a)はカメラ23の平面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0145】
1、2 …ゲーム装置
5 …携帯電話
7 …景品提供センター
11 …接続部
13 …記憶部
15 …ゲーム制御部
17 …クレーン駆動部
18 …共用駆動部
19 …クレーン
20 …釣上げアーム
21 …カメラ駆動部
23 …カメラ
25 …画像切換部
27 …画像送信部
31 …景品
33 …ICチップ
37 …検出器
39 …提供情報発信部
53 …表示部
55 …入力部
61 …撮影角度変更部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技フィールドを移動する可動部材を備えるゲーム装置と、
このゲーム装置と通信回線を介して接続される携帯情報端末と、
を備えるゲームシステムにおいて、
前記ゲーム装置は、さらに、
接続を許容する携帯情報端末の電話番号を接続許容情報として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶される接続許容情報と、アクセスしてくる携帯情報端末の電話番号とに基づいて前記携帯情報端末との接続を制御する接続手段と、
前記遊技フィールドを撮影する複数個の撮影手段と、
前記撮影手段から得られる画像情報を、接続された携帯情報端末に送信する画像送信手段と、
前記可動部材を駆動する可動部材駆動手段と、
を備え、
前記携帯情報端末は、
前記画像情報に基づいて動画映像を表示する表示手段と、
操作情報の入力を受け付ける入力手段と、
を備え、
前記可動部材駆動手段は前記操作情報に基づいて可動部材を駆動し、
前記各情報は、前記ゲーム装置と前記携帯情報端末との間を回線交換方式により伝送されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記撮影手段は可動部材駆動手段と連動連結されて、可動部材の移動と同期し、かつ、その移動方向と平行な方向に移動することを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記操作情報を参照して、可動部材の移動方向と平行な方向に撮影手段を駆動する撮影駆動手段
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のゲームシステムにおいて、
前記可動部材は、遊技フィールドの前面に沿う水平方向と、遊技フィールドの側面に沿う水平方向とに操作情報に応じて移動するものであって、
前記複数個の撮影手段には、遊技フィールドの前面に沿って水平方向に移動可能に設けられる第1撮影手段と、遊技フィールドの側面に沿って水平方向に移動可能に設けられる第2撮影手段とを含む
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載のゲームシステムにおいて、
前記可動部材は、遊技フィールドの前面に沿う水平方向および垂直方向に、操作情報に応じて移動するものであって、
前記複数個の撮影手段には、遊技フィールドの前面に沿って水平方向および垂直方向に移動可能に設けられる第3撮影手段を含む
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、
前記入力手段は、さらに、専ら撮影手段を操作するための撮影手段操作情報の入力を受け付け、
ゲーム装置は、さらに、
前記撮影手段操作情報に基づいて撮影手段の撮影角度を変える撮影角度変更手段
を備えていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、
ゲーム装置は、さらに、
ゲームの進行に応じて複数の画像情報を切り換える画像切換手段
を備えて、前記画像送信手段は切り換えられた画像情報を送信することを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のゲームシステムにおいて、
このゲームシステムは遊技の結果、獲得した景品を遊技者に提供するものであり、
前記ゲーム装置は、さらに、
各景品を識別する景品識別情報を付与された複数個の景品と、
獲得された景品の景品識別情報を非接触で検出する検出手段と、
接続された携帯情報端末の電話番号と、検出手段が検出した景品識別情報とに基づいて、獲得した景品を遊技者に提供するための提供情報を景品提供に係る相手先へ発信する提供情報発信手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載のゲームシステムに用いられるゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−95220(P2006−95220A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287747(P2004−287747)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【出願人】(500466304)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ北陸 (2)
【Fターム(参考)】