説明

ゲームプログラム、ゲーム装置及びゲーム方法

【課題】 キャラクタに移動体を送出させるときの指示を正確に入力できるようにする。
【解決手段】 本ゲームプログラムによって実現されるゲームでは、ボール送出元のキャラクタ70a,70b,70cがモニタ3bに表示される。そして、ボール送出先のキャラクタ72a,72bが少なくとも1つモニタ3bに表示される。次に、操作手段4の所定の釦4fが操作されたか否かが判断される。操作手段4の所定の釦4fが操作されたと判断された状態で指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、ボール送出先のキャラクタ72a,72bが認識される。すると、ボール送出元のキャラクタ70a,70b,70cからボール送出先のキャラクタ72a,72bへと移動体が送出させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームをコンピュータに実現させるためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムによって実現されるゲーム装置及びゲーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々のビデオゲームが提案されている。種々のビデオゲームは、ゲーム機本体とは独立した入力部たとえばコントローラの各種入力釦やゲーム機本体に一体に設けられた各種入力釦を操作することにより、モニタに表示されたキャラクタに各種の指示を与えることができるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体のコントローラを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。また、携帯型のゲーム装置は、ゲーム機本体と、ゲーム機本体の略中央部に設けられた液晶モニタと、液晶モニタの両側に配置された複数の入力釦とを有している。このようなゲーム装置では、複数の入力釦の少なくともいずれか1つを操作することによって、モニタに表示されたキャラクタに各種の指示を与えることができるようになっている。
【0003】
このように、キャラクタへの指示が入力釦から行われるビデオゲームの1つとして、モニタに選手キャラクタを表示させて競技を行わせる対戦ビデオゲームたとえば野球ゲームが知られている。この野球ゲームにおいて、プレイヤが守備選手にボールを送球させる場合、野手キャラクタがボールを捕球したときに、送球先たとえば本塁、1塁、2塁、および3塁に対応する釦と送球指示に対応する釦とが押されると、ボールを捕球した野手キャラクタから指定された送球先へとボールが送球されるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の野球ゲームにおいては、野手キャラクタがボールを捕球したときに、本塁、1塁、2塁、および3塁に対応する釦と送球指示に対応する釦とが押されると、野手キャラクタから本塁、1塁、2塁、又は3塁へとボールが送球される。このとき、プレイヤは、プレイ状況をモニタで確認しながら、各塁に対応する釦たとえば十字状に4箇所に配置された方向指示釦をブラインドタッチしてから、送球指示に対応する釦を押す必要がある。一般的に、野手キャラクタがボールを捕球した後、プレイヤは、プレイ状況に応じて、野手キャラクタに短時間で送球先の指示を出さなければならない。このため、プレイヤが各塁に対応する釦をブラインドタッチするときに、プレイヤは、所望の釦とは異なる釦を間違って押してしまうおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、キャラクタに移動体を送出させるときの指示を正確に入力できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係るゲームプログラムは、タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
【0007】
(1)移動体の送出元のキャラクタをモニタに表示する送出元表示機能。
【0008】
(2)移動体の送出先のキャラクタを少なくとも1つモニタに表示する送出先表示機能。
【0009】
(3)操作手段の所定の釦が操作されたか否かを判断する釦操作判断機能。
【0010】
(4)釦操作判断機能により操作手段の所定の釦が操作されたと判断された状態で、指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出先のキャラクタを認識する送出先キャラクタ認識機能。
【0011】
(5)送出元のキャラクタから送出先キャラクタ認識機能により認識された送出先のキャラクタへと移動体を送出させる移動体送出機能。
【0012】
このプログラムによって実現されるゲームでは、送出元表示機能において、移動体の送出元のキャラクタがモニタに表示される。送出先表示機能においては、移動体の送出先のキャラクタが少なくとも1つモニタに表示される。釦操作判断機能においては、操作手段の所定の釦が操作されたか否かが判断される。送出先キャラクタ認識機能においては、釦操作判断機能により操作手段の所定の釦が操作されたと判断された状態で指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出先のキャラクタが認識される。移動体送出機能においては、送出元のキャラクタから送出先キャラクタ認識機能により認識された送出先のキャラクタへと移動体が送出させられる。
【0013】
このゲームプログラムでは、操作手段の所定の釦が操作されたと判断された状態で指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出先のキャラクタが認識される。このときに、送出先のキャラクタから認識された送出先のキャラクタへと移動体が送出される。
【0014】
たとえば、タッチパネル式のモニタにおいて野球ゲームを実現し、プレイヤが守備選手にボールを送球させる場合を考える。この場合、上記のようなプログラムでは、野手キャラクタがボールを捕球したときに、操作手段の所定の釦を押した状態で又は操作手段の所定の釦を押した後に、指示手段を送出先のキャラクタたとえば本塁、1塁、2塁、又は3塁のキャラクタに接触させると、本塁、1塁、2塁、又は3塁のキャラクタが認識される。このときに、ボールを捕球した野手キャラクタから、本塁、1塁、2塁、又は3塁のキャラクタへとボールキャラクタを送出させることができる。このように、プレイヤは、操作手段の所定の釦を押して、送出先のキャラクタたとえば本塁、1塁、2塁、又は3塁のキャラクタに指示手段を接触させるという操作だけで、ボールを捕球した野手キャラクタから本塁、1塁、2塁、又は3塁のキャラクタへと、ボールキャラクタを送出させることができる。これにより、プレイヤは、野手キャラクタにボールキャラクタを送出させるときの指示を正確かつ容易に入力することができる。
【0015】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
【0016】
(6)釦操作判断機能により操作手段の所定の釦が操作されていないと判断された状態で、指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出元のキャラクタを送出先のキャラクタへと移動させる送出元キャラクタ移動機能。
【0017】
このプログラムによって実現されるゲームでは、送出元キャラクタ移動機能において、釦操作判断機能により操作手段の所定の釦が操作されていないと判断された状態で、指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出元のキャラクタが送出先のキャラクタへと移動させられる。
【0018】
このゲームプログラムでは、操作手段の所定の釦が操作されていないと判断された状態で、指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出元のキャラクタが送出先のキャラクタへと移動させられる。このため、たとえば、野球ゲームでは、野手キャラクタがボールを捕球したときに操作手段の所定の釦が押されていない状態で、指示手段を送出先のキャラクタたとえば本塁、1塁、2塁、又は3塁のキャラクタに接触させると、ボールを捕球した野手キャラクタを1塁、2塁、又は3塁のキャラクタの方向に移動させることができる。これにより、プレイヤは、野手キャラクタを移動させるときの指示を正確に入力することもできる。
【0019】
請求項3に係るゲーム装置は、タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なゲーム装置である。このゲーム装置は、送出元表示手段と、送出先表示手段と、釦操作判断手段と、送出先キャラクタ認識手段と、移動体送出手段とを備えている。送出元表示手段においては、移動体の送出元のキャラクタがモニタに表示される。送出先表示手段においては、移動体の送出先のキャラクタが少なくとも1つモニタに表示される。釦操作判断手段においては、操作手段の所定の釦が操作されたか否かが判断される。送出先キャラクタ認識手段においては、釦操作判断手段により操作手段の所定の釦が操作されたと判断された状態で、指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出先のキャラクタが認識される。移動体送出手段においては、送出元のキャラクタから送出先キャラクタ認識手段により認識された送出先のキャラクタへと移動体が送出させられる。
【0020】
請求項4に係るゲーム方法は、タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なゲーム方法である。このゲーム方法は、送出元表示ステップと、送出先表示ステップと、釦操作判断ステップと、送出先キャラクタ認識ステップと、移動体送出ステップとを備えている。送出元表示ステップにおいては、移動体の送出元のキャラクタがモニタに表示される。送出先表示ステップにおいては、移動体の送出先のキャラクタが少なくとも1つモニタに表示される。釦操作判断ステップにおいては、操作手段の所定の釦が操作されたか否かが判断される。送出先キャラクタ認識ステップにおいては、釦操作判断ステップにより操作手段の所定の釦が操作されたと判断された状態で、指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出先のキャラクタが認識される。移動体送出ステップにおいては、送出元のキャラクタから送出先キャラクタ認識ステップにより認識された送出先のキャラクタへと移動体が送出させられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、操作手段の所定の釦が操作されたと判断された状態で指示手段を送出先のキャラクタに接触させたときに、送出先のキャラクタが認識される。このときに、送出先のキャラクタから認識された送出先のキャラクタへと移動体が送出される。これにより、プレイヤは、送出先のキャラクタに指示手段を接触させるという操作だけで、送出元のキャラクタから送出先のキャラクタへと、移動体を送出させることができる。これにより、プレイヤは、キャラクタに移動体を送出させるときの指示を正確かつ容易に入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
〔ゲーム装置の構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1の外観図である。また、図2は、携帯ゲーム機1の一例としての制御ブロック図である。
【0023】
携帯ゲーム機1は、図1に示すように、主に、本体2と、液晶モニタ部3と、入力部4と、カートリッジ装着部5と、通信部(図示しない)とを有している。本体2は、上部筐体2aと下部筐体2bとを有している。上部筐体2aと下部筐体2bとは、互いに開閉自在に連結されている。液晶モニタ部3は、上部筐体2aに設けられた上部液晶モニタ3aと、下部筐体2bに設けられた下部液晶モニタ3bとからなっている。ここでは、たとえば、上部液晶モニタ3aが非タッチパネル式のモニタになっており、下部液晶モニタ3bがタッチパネル式のモニタになっている。非タッチパネル式のモニタは液晶パネルからなっており、タッチパネル式のモニタは液晶パネルとタッチパネルとからなっている。タッチパネル式のモニタでは、液晶パネルの表示面とタッチパネルのデータ入力面とは、積層一体型に構成されている。入力部4は、下部筐体2bの左側中央部に配置された十字状の方向指示釦4aと、下部筐体2bの左側上部に左右に配置されたセレクト釦4bおよびスタート釦4cと、下部筐体2bの右側中央部に配置された指示釦4dと、下部筐体2bの右側上部に配置された電源釦4eと、下部筐体2bの左右の隅角部に配置されたL釦4fおよびR釦4gとからなっている。カートリッジ装着部5は下部筐体2bの下部に設けられている。このカートリッジ装着部5には、たとえばゲーム用カートリッジが装着可能になっている。通信部は、本体2たとえば上部筐体2aに内蔵されている。この通信部においては、たとえば、ローカルワイヤレスネットーワーク機能や、ワイヤレスLANによるインターネット接続機能等が提供される。なお、ゲーム機1には、音量調整用釦やイヤホンジャック等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
【0024】
携帯ゲーム機1は、図2に示すように、制御装置10を内部に有している。制御装置10は、マイクロプロセッサを利用したCPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、画像処理回路14と、サウンド処理回路15と、通信制御回路20とが、バス16を介してそれぞれ接続されている。
【0025】
CPU11は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。ROM12は、ゲーム機1の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。RAM13は、CPU11に対する作業領域を確保する。画像処理回路14は、CPU11からの描画指示に応じて液晶モニタ部3を制御して、上部液晶モニタ3aおよび下部液晶モニタ3bの少なくともいずれか一方に所定の画像を表示する。また、画像処理回路14にはタッチ入力検出回路14aが含まれている。タッチパネルに指示手段たとえばタッチペンや指等を直接的に接触させたときに、接触位置の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、接触位置がCPU11に認識される。また、液晶パネルに表示された対象物の位置において、タッチパネルに指示手段を直接的に接触させると、対象物の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、対象物がCPUに認識される。サウンド処理回路15は、CPU11からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ22に出力する。通信制御回路20は、通信部に含まれており、ゲーム機1を他のゲーム機等にワイヤレスで接続するために用いられる。通信制御回路20は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機1をローカルワイヤレスネットーワーク又はワイヤレスLANによるインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。
【0026】
バス16には、制御装置10とは別体の外部記憶装置17が接続される。たとえば、外部記憶装置17には本体2たとえば下部筐体2bに着脱自在に装着されるゲーム用カートリッジ等がある。外部記憶装置17の内部には、記憶媒体としてのROM18と、書き換え可能なユーザ用メモリとしてのメモリ19が設けられる。ROM18には、コンピュータとしてのゲーム機1を機能させるためのゲームプログラムと、ゲームプログラムの実行に必要な各種データとが予め記録されている。この各種データには、各種キャラクタ画像データたとえば各種パネル画像データや属性画像データ等が含まれている。メモリ19には、たとえばフラッシュメモリのような書き換え可能なメモリが使用される。このメモリ19には、たとえば、ゲームのセーブデータ等が必要に応じて記録される。なお、外部記憶装置17の記憶媒体には、半導体記憶素子に限らず、磁気記憶媒体、光学式記憶媒体、光磁気記憶媒体等の各種の記憶媒体を使用してもよい。なお、バス16と各要素との間には必要に応じてインターフェース回路が介在しているが、ここではそれらの図示は省略した。
【0027】
以上のような構成のゲーム機1では、外部記憶装置17のROM18に記録されたゲームプログラムがロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、プレイヤは様々なジャンルのゲームを液晶モニタ部3上で遊戯することができる。また、通信制御回路20を介して、ワイヤレスネットワークにゲーム機1を接続したり、他のゲーム機と通信ケーブル等を介して接続したりすることで、他のゲーム機との間でデータのやり取りや対戦型のゲームを行うことができる。
【0028】
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。図3は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0029】
ゲーム機1では、タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出される。たとえば、本ゲーム機1では、タッチパネル式のモニタに表示された野手キャラクタからボールキャラクタが送球される。このゲーム機1は、主に、送出元表示手段50と、送出先表示手段51と、釦操作判断手段52と、送出先キャラクタ認識手段53と、移動体送出手段54と、送出元キャラクタ移動手段55と、移動状態表示手段56とを備えている。
【0030】
送出元表示手段50は、ボール送出元の野手キャラクタをモニタに表示する機能によって実現される手段である。送出元表示手段50では、CPU11に認識されたボール送出元の野手キャラクタが、モニタたとえば液晶パネルに表示される。
【0031】
送出先表示手段51は、ボール送出先の野手キャラクタを少なくとも1つモニタに表示する機能によって実現される手段である。送出先表示手段51では、CPU11に認識されたボール送出先の野手キャラクタが、少なくとも1つモニタたとえば下側のモニタ3bに表示される。より詳細に説明すると、ボール送出先の野手キャラクタは、下側のモニタ3bのタッチパネル用の液晶パネルに表示される。
【0032】
釦操作判断手段52は、操作手段の所定の釦が操作されたか否かを判断する機能によって実現される手段である。釦操作判断手段52では、操作手段たとえば入力部4の所定の釦が操作されたか否かがCPU11によって判断される。より詳細に説明すると、所定の釦が操作されたときの入力信号が、入力部4からCPU11へと発行されたか否かがCPU11によって判断される。
【0033】
送出先キャラクタ認識手段53は、釦操作判断手段52により操作手段の所定の釦が操作されたと判断された状態で指示手段をボール送出先の野手キャラクタに接触させたときに、ボール送出先の野手キャラクタを認識する機能によって実現される手段である。送出先キャラクタ認識手段53では、釦操作判断手段52により操作手段たとえば入力部4の所定の釦が操作されたとCPU11によって判断された場合、液晶パネルに表示されたボール送出先のキャラクタの位置において、指示手段たとえばタッチペンや指等をタッチパネルに接触させると、ボール送出先の野手キャラクタの座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、ボール送出先の野手キャラクタがCPU11に認識される。
【0034】
移動体送出手段54は、ボール送出元のキャラクタからボール送出先キャラクタ認識機能により認識されたボール送出先のキャラクタへとボールキャラクタを送出させる機能によって実現される手段である。移動体送出手段54では、CPU11に認識されたボール送出元の野手キャラクタから送出先キャラクタ認識機能によりCPU11に認識されたボール送出先の野手キャラクタへとボールを送出させるための指示信号がCPU11からモニタへと発行される。ここでは、ボール送出元の野手キャラクタの座標データとボール送出先の野手キャラクタの座標データとに基づいて、ボール送出元の野手キャラクタとボール送出先の野手キャラクタとを結ぶ軌道がCPU11により計算処理され、この軌道上でボールキャラクタを移動させるための指示信号がCPU11から画像処理回路14へと発行される。
【0035】
送出元キャラクタ移動手段55は、釦操作判断手段52により操作手段の所定の釦が操作されていないと判断された状態で指示手段をボール送出先の野手キャラクタに接触させたときに、ボール送出元の野手キャラクタをボール送出先の野手キャラクタに移動させる機能によって実現される手段である。送出元キャラクタ移動手段55では、釦操作判断手段52により操作手段たとえば入力部4の所定の釦が操作されていないと判断された場合、液晶パネルに表示されたボール送出先の野手キャラクタの位置において、指示手段たとえばタッチペンや指等をタッチパネルに接触させると、ボール送出元の野手キャラクタの座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、ボール送出元の野手キャラクタがCPU11に認識される。そして、ボール送出元の野手キャラクタをボール送出先の野手キャラクタの方向に移動させるための指示信号がCPU11からモニタへと発行される。ここでは、ボール送出元の野手キャラクタの座標データとボール送出先の野手キャラクタの座標データとに基づいて、ボール送出元の野手キャラクタとボール送出先の野手キャラクタとを結ぶ軌道がCPU11により計算処理され、この軌道上でボール送出元の野手キャラクタを移動させるための指示信号がCPU11から画像処理回路14へと発行される。
【0036】
移動状態表示手段56は、ボールキャラクタおよびボール送出元の野手キャラクタの移動状態をモニタに表示する機能によって実現される手段である。移動状態表示手段56では、CPU11からの指示信号を受け付けた画像処理回路14によって、ボールキャラクタおよびボール送出元の野手キャラクタの移動状態が、モニタたとえば下側のモニタ3bに表示される。より詳細に説明すると、ボールキャラクタおよびボール送出元の野手キャラクタの移動状態は、下側のモニタ3bのタッチパネル用の液晶パネルに表示される。
【0037】
〔野球ゲームの概要〕
次に、本実施形態の野球ゲームの具体的な内容について説明する。
【0038】
この野球ゲームは、主に、打者キャラクタに打撃に関する指示をするバッティングシステムと、野手キャラクタに捕球や送球に関する指示をする守備システムと、投手キャラクタに投球に関する指示をする投球システムと、走者キャラクタに走塁に関する指示をする走塁システムとを備えている。これら各システムは、たとえばROM18に格納されたゲームプログラムによって実現され、ゲーム機1において実行処理される。
【0039】
以下では、本発明で主要な役割を果たす守備システムの概要を説明する。
【0040】
守備システムは、指示手段たとえばタッチペンや指等によって野手に送球や移動の指示をすることで守備操作ができるようにするためのものである。
【0041】
本野球ゲームにおいて、プレイヤが守備選手を操作する場合、図4に示すように、主に、守備キャラクタ70と、打者キャラクタ71と、ベースキャラクタ72とが、下側のタッチパネル式のモニタに表示される。たとえば、守備キャラクタ70には、投手キャラクタと、捕手キャラクタと、複数の野手キャラクタとが含まれ、ベースキャラクタ72には、ホームベースキャラクタと1塁から3塁までのベースキャラクタとが含まれる。
【0042】
たとえば、プレイヤが投手キャラクタからボールキャラクタ73を送出させて、相手プレイヤ又はAIプレイヤが打者キャラクタ71を動作させた場合、打者キャラクタ71によって打ち返されたボールキャラクタ73が、守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタの方向に飛んでいくと、この守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタにボールキャラクタ73が捕球される。
【0043】
守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタにボールキャラクタ73が捕球されたときに、プレイヤが、入力部4の所定の釦を操作した上で、タッチペンを守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタ以外のキャラクタに接触させると、ボールキャラクタ73が守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタから、守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタ以外のキャラクタへと送球される。ここで、タッチペンを接触させたキャラクタがベースキャラクタ72である場合、ベース上に野手キャラクタが存在するものとして、ボールキャラクタ73が、守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタからベースキャラクタ72へと送球される。また、タッチペンを接触させたキャラクタが野手キャラクタであり、この野手キャラクタがベースキャラクタの近傍に位置している場合は、ベース上に野手キャラクタが存在するものとして、ボールキャラクタ73が、守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタからベースキャラクタ72へと送球されるようにしても良い。一方で、守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタにボールキャラクタ73が捕球されたときに、プレイヤが、入力部4の所定の釦を操作しないで、タッチペンを守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタ以外のキャラクタに接触させると、守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタが守備キャラクタ70のいずれか1つの野手キャラクタ以外のキャラクタの方向へと移動する。
【0044】
たとえば、図5に示すように、打者キャラクタ71によって打ち返されたボールキャラクタ73が、ショートの野手キャラクタ70aに捕球された場合、プレイヤが、入力部4のL釦4fを押した上で、タッチペンを1塁のベースキャラクタ72aに接触させると、ボールキャラクタ73がショートの野手キャラクタから1塁のベースキャラクタ72へと送球される。これは、野球において、ボールを捕球したショートの選手がボールを1塁へと送球するときの状態に対応する。
【0045】
たとえば、図6に示すように、打者キャラクタ71によって打ち返されたボールキャラクタ73が、ライトの野手キャラクタ70bに捕球された場合、プレイヤが、入力部4のL釦4fを押した上で、タッチペンを2塁の野手キャラクタ70cに接触させると、ボールキャラクタ73がライトの野手キャラクタ70bから2塁の野手キャラクタ70cへと送球される。さらに、プレイヤが、入力部4のL釦4fを押した上で、タッチペンをホームベースキャラクタ72に接触させると、ボールキャラクタ73が2塁の野手キャラクタ70cからホームベースキャラクタ72へと送球される。これは、野球において、ボールを捕球したライトの選手がボールを2塁の選手に送球して、2塁の選手がボールを本塁に送球するときの状態に対応する。つまり、ライトの選手が本塁にボールを送球するときに、2塁の選手に中継してもらう場合の状態に対応する。
【0046】
たとえば、図7に示すように、打者キャラクタ71によって打ち返されたボールキャラクタ73が、レフトの野手キャラクタ70dに捕球された場合、プレイヤが、入力部4のL釦4fを押さないで、タッチペンをショートの野手キャラクタ70eに接触させると、レフトの野手キャラクタ70dがショートの野手キャラクタ70eの方向へと移動する。これは、野球において、ボールを捕球したレフトの選手が、ボールを送球することによるリスクを避けるために、ボールをショートの選手ところまで持っていく状態に対応する。
【0047】
〔守備システム実行時の各種処理フロー〕
本実施形態の野球ゲームにおける守備システムを、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0048】
プレイヤが守備選手を操作する場合、下側のタッチパネル式のモニタには、複数の守備キャラクタ70および各種のベースキャラクタ72が表示される(S1)。複数の守備キャラクタ70には、たとえば、投手キャラクタと、捕手キャラクタと、野手キャラクタとが含まれている。各種のベースキャラクタ72には、ホームベースキャラクタ72と1塁から3塁までのベースキャラクタ72とが含まれている。この状態で、複数の守備キャラクタ70のいずれか1つが打者キャラクタ71からの打球すなわちボールを捕球すると、ボールを捕球した守備キャラクタ70が、ボール送出元キャラクタとして認識される(S2)。このとき、入力部4の所定の釦が操作されたか否かが判断される(S3)。ここでは、たとえば、L釦4fが所定の釦に対応しており、入力部4のL釦4fが押されたか否かが判断される。
【0049】
入力部4のL釦4fが押されたと判断された場合(S3でYes)、タッチペンがボール送出元キャラクタ以外のキャラクタに接触したか否かが判断される(S4)。タッチペンがボール送出元キャラクタ以外のキャラクタに接触したと判断された場合(S4でYes)、ボール送出元キャラクタ以外のキャラクタがボール送出先キャラクタとして認識される(S5)。そして、ボール送出元キャラクタからボール送出先キャラクタへとボールが送出される(S6)。そして、ボール送出元キャラクタからボール送出先キャラクタへのボールキャラクタ73の移動状態がモニタに表示される(S7)。一方で、タッチペンがボール送出元キャラクタ以外のキャラクタに接触しなかったと判断された場合(S4でNo)、ボール送出元キャラクタからボール送出先キャラクタへとボールは送出されず、ボール送出元キャラクタがボールを保持した状態を維持する(S8)。そして、ボール送出元キャラクタがボールを保持した状態がモニタに表示される(S7)。
【0050】
入力部4のL釦4fが押されなかったと判断された場合(S3でNo)、タッチペンがボール送出元キャラクタ以外のキャラクタに接触したか否かが判断される(S9)。そして、タッチペンがボール送出元キャラクタ以外のキャラクタに接触したと判断された場合(S9でYes)、ボール送出元キャラクタ以外のキャラクタが移動先キャラクタとして認識される(S10)。そして、ボール送出元キャラクタが移動先キャラクタの方向に移動する(S11)。そして、ボール送出元キャラクタが移動先キャラクタの方向に移動する状態がモニタに表示される(S7)。一方で、タッチペンがボール送出元キャラクタ以外のキャラクタに接触しなかったと判断された場合(S9でNo)、ボール送出元キャラクタからボール送出先キャラクタへとボールは送出されず、ボール送出元キャラクタがボールを保持した状態を維持する(S8)。そして、ボール送出元キャラクタがボールを保持した状態がモニタに表示される(S7)。
【0051】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成された業務用ゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0052】
(b) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機の外観図。
【図2】前記携帯ゲーム機の一例としての制御ブロック図。
【図3】前記携帯ゲーム機の一例としての機能ブロック図。
【図4】野球ゲームにおける守備システムを説明するための基本図。
【図5】野球ゲームにおける守備システムを説明するための図(送球時の例1)。
【図6】野球ゲームにおける守備システムを説明するための図(送球時の例2)。
【図7】野球ゲームにおける守備システムを説明するための図(移動時の例1)。
【図8】野球ゲームにおける守備システムを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯ゲーム機
3 液晶モニタ
3b タッチパネル式のモニタ
4 入力部
4f L釦
50 送出元表示手段
51 送出先表示手段
52 釦操作判断手段
53 送出先キャラクタ認識手段
54 移動体送出手段
55 送出元キャラクタ移動手段
56 移動状態表示手段
70 野手キャラクタ
72 ベースキャラクタ
73 ボールキャラクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なコンピュータに、
前記移動体の送出元のキャラクタを前記モニタに表示する送出元表示機能と、
前記移動体の送出先のキャラクタを少なくとも1つ前記モニタに表示する送出先表示機能と、
操作手段の所定の釦が操作されたか否かを判断する釦操作判断機能と、
前記釦操作判断機能により前記操作手段の所定の前記釦が操作されたと判断された状態で指示手段を前記送出先のキャラクタに接触させたときに、前記送出先のキャラクタを認識する送出先キャラクタ認識機能と、
前記送出元のキャラクタから前記送出先キャラクタ認識機能により認識された前記送出先のキャラクタへと前記移動体を送出させる移動体送出機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記釦操作判断機能により前記操作手段の所定の前記釦が操作されていないと判断された状態で前記指示手段を前記送出先のキャラクタに接触させたときに、前記送出元のキャラクタを前記送出先のキャラクタへと移動させる送出元キャラクタ移動機能、
をさらに実現させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なゲーム装置であって、
前記移動体の送出元のキャラクタを前記モニタに表示する送出元表示手段と、
前記移動体の送出先のキャラクタを少なくとも1つ前記モニタに表示する送出先表示手段と、
操作手段の所定の釦が操作されたか否かを判断する釦操作判断手段と、
前記釦操作判断手段により前記操作手段の所定の前記釦が操作されたと判断された状態で指示手段を前記送出先のキャラクタに接触させたときに、前記送出先のキャラクタを認識する送出先キャラクタ認識手段と、
前記送出元のキャラクタから前記送出先キャラクタ認識手段により認識された前記送出先のキャラクタへと前記移動体を送出させる移動体送出手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項4】
タッチパネル式のモニタに表示されたキャラクタから移動体が送出されるゲームを実現可能なゲーム方法であって、
前記移動体の送出元のキャラクタを前記モニタに表示する送出元表示ステップと、
前記移動体の送出先のキャラクタを少なくとも1つ前記モニタに表示する送出先表示ステップと、
操作手段の所定の釦が操作されたか否かを判断する釦操作判断ステップと、
前記釦操作判断ステップにより前記操作手段の所定の前記釦が操作されたと判断された状態で指示手段を前記送出先のキャラクタに接触させたときに、前記送出先のキャラクタを認識する送出先キャラクタ認識ステップと、
前記送出元のキャラクタから前記送出先キャラクタ認識ステップにより認識された前記送出先のキャラクタへと前記移動体を送出させる移動体送出ステップと、
を備えるゲーム方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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