説明

ゲーム管理方法及びゲーム管理システム

【課題】不正操作を行った実績のあるプレーヤと善良なプレーヤとを切り離することで、善良なプレーヤとの間での公平性を確保する。
【解決手段】ネットワークを介して互いの操作情報を交換することで、複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームを行うゲーム管理方法。対戦ゲームの開始前にプレーヤを識別するプレーヤ識別ステップと、進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定する不正終了判定ステップと、前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報を作成し、保存する不正履歴情報保存ステップと、ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定する組み合わせ設定ステップとからなり、前記組み合わせ設定ステップは、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して互いの操作情報を交換することで、複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームが実行可能なゲーム管理方法、ゲーム管理システム及びゲーム端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介して複数の店舗間で対戦ゲームが実行可能にされている。この種のゲーム端末装置では、ゲーム結果をセンターサーバで収集し、各プレーヤのゲーム成績に基づいて全国、地域、又は店舗内でのランキングを算出し、算出されたランキングをゲーム終了時にゲーム装置において表示したり、あるいはゲーム内で取り決めた種々の報賞(仮想的な名誉、段位、等級等)を付与するようにしている。このように成績上位者に対してランキングを表示したり、報賞を付与したりすることで、ゲームへの参加を喚起している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プレーヤは、ゲームといえども上位へのランキングを望むために、ゲームの度に良いゲーム成績を残そうとする。しかし、それが高じると、ゲーム実行中に形勢が不利になったような場合に、そのままゲームが終了すると自己のランキングが低下してしまうおそれがあることから、自己に不利な戦績が残らないようにしたいというプレーヤ心理が働く可能性がある。その結果、プレーヤは、思わしくない結果に終わりそうなゲームが正常に終了する前に、ゲーム成績がセンターサーバに送信されるのを防ごうとすることが考えられる。
【0004】
例えば、店舗でのゲーム中に、ゲーム装置の電源スイッチを切ることにより、またはネットワークケーブルを遮断することによりゲームを強制的に停止させ(異常終了)て、ゲーム成績をホストに送信するのを防ごうとすることが考えられる。このような、ゲーム成績のセンターサーバへの送信が妨害された場合、その行為を行ったプレーヤのランキングは結果として、ほとんど低下しない。従って、ゲーム成績がランキングに正しく反映されなくなり、公平なランキング処理乃至はその表示ができなくなり、正直なプレーヤとの間でランキングに不公平が生じる。
【0005】
ところで、異常終了の発生の有無を監視し、その回数が多いプレーヤに対しては、不正操作と見なして、そのプレーヤがゲームへ参加するのを禁止するという方法も考えられる(特願2005−39884号)。しかし、回数の多さと真の不正操作とを関連付けるには一定の限界がある。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、不正操作を行った実績のあるプレーヤと善良なプレーヤとを切り離することで、善良なプレーヤとの間での公平性を確保するゲーム管理方法、ゲーム管理システム及びゲーム端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、ネットワークを介して互いの操作情報を交換することで、複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームが実行可能なゲーム管理方法であって、対戦ゲームの開始前にプレーヤを識別するプレーヤ識別ステップと、進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定する不正終了判定ステップと、前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報を作成し、保存する不正履歴情報保存ステップとからなり、ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定する組み合わせ設定ステップとからなり、前記組み合わせ設定ステップは、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わせることを特徴とするものである。
【0008】
請求項6記載の発明は、ネットワークを介して互いの操作情報を交換することで、複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームが実行可能なゲーム管理システムであって、対戦ゲームの開始前にプレーヤを識別するプレーヤ識別手段と、ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定する組み合わせ設定手段と、進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定する不正終了判定手段と、前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報を作成し、保存する不正履歴情報保存手段とからなり、前記組み合わせ設定手段は、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わることを特徴とするものである。
【0009】
請求項7記載の発明は、ネットワークを介して互いに情報を交換することで、対戦ゲームが実行可能なゲーム端末装置であって、対戦ゲームの開始前にプレーヤを識別するプレーヤ識別手段と、ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定する組み合わせ設定手段と、進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定する不正終了判定手段と、前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報を作成し、保存する不正履歴情報保存手段とからなり、前記組み合わせ設定手段は、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わることを特徴とするものである。
【0010】
これらの構成によれば、複数のゲーム端末装置のそれぞれでプレーヤはゲーム操作を行うと、その操作情報がネットワークを介して互いに交換されて複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームが実行される。プレーヤ識別ステップによって対戦ゲームの開始前にプレーヤが識別され、ついで、不正終了判定ステップによって進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かの判定が行われると、不正履歴情報保存ステップによって、前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報が作成され、保存される。そして、組み合わせ設定ステップによって、ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定するに際して、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士が組み合わされる。従って、不正操作を行った実績のあるプレーヤと善良なプレーヤとが切り離されるので、善良なプレーヤとの間での公平性を確保することが可能となる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のゲーム管理方法において、進行中のゲームが異常終了したことを判定する異常終了判定ステップを有し、前記不正終了判定ステップは、前記異常終了がプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定するステップとからなり、前記不正履歴情報保存ステップは、前記不正終了させたプレーヤに対して所定のペナルティーの対象となるか否かを判定する不正パラメータを算出するステップからなり、前記組み合わせ設定ステップは、それぞれ識別したプレーヤの不正パラメータを読み出し、不正パラメータの大きさが近いプレーヤ同士を組み合わせることを特徴とする。この構成によれば、異常終了判定ステップによって進行中のゲームが異常終了したことが判定されると、前記不正終了判定ステップによって、前記異常終了がプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かの判定が行われ、前記不正履歴情報保存ステップによって、前記不正終了させたプレーヤに対して所定のペナルティーの対象となるか否かを判定する不正パラメータが算出され、前記組み合わせ設定ステップによって、それぞれ識別したプレーヤの不正パラメータが読み出され、不正パラメータの大きさが近いプレーヤ同士が組み合わされる。この結果、不正パラメータの近い、すなわち不正の度合いの近いプレーヤ同士が対組み合わされる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のゲーム管理方法において、前記不正パラメータを算出するステップは、異常終了回数を累積するステップと、設定された不正ポイントを直前までの不正ポイントに累積するステップと、前記累積された不正ポイントと前記累積された異常終了回数との比率から不正パラメータを算出するステップであることを特徴とする。この構成によれば、不正パラメータは、異常終了回数の累積と、設定された不正ポイントが直前までの不正ポイントに累積とを用い、その比率から算出される。従って、プレーヤの不正操作による不正終了が高い精度で監視可能となる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム管理方法において、不正終了なしに対戦ゲームが実行される毎に前記識別したプレーヤの不正履歴情報を不正の度合いを減ずる方向で更新する減少処理ステップを有することを特徴とする。この構成によれば、過去において不正操作を行っても、その後において不正操作を行っていない場合には、徐々に不正のレベルが下がる処理が行われ、あるいは所定の期間が過ぎた時点で不正履歴情報が削除される。従って、更正機会が与えられる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム管理方法において、前記不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わせを報知するステップを有することを特徴とする。この構成によれば、不正履歴のあるプレーヤ同士の組み合わせを報知することで、不正操作に対する抑止が図れる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、6、7記載の発明によれば、不正操作を行った実績のあるプレーヤと善良なプレーヤとを切り離すので、善良なプレーヤとの間での公平性を確保することが可能となる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、不正パラメータの近い、すなわち不正の度合いの近いプレーヤ同士を対組み合わせることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、プレーヤの不正操作による不正終了を高い精度で監視できる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、過去において不正操作を行っても、その後において不正操作を行っていない場合には、徐々に不正のレベルが下がる処理が行われ、あるいは所定の期間が過ぎた時点で不正履歴情報が削除されるという更正機会を与えることで、再びゲームに適正に参加することを促すことができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、不正履歴のあるプレーヤ同士の組み合わせを報知することで、不正操作に対する抑止を図流ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明に係るゲーム用サーバ装置が適用されるゲームシステムの構成図である。ゲームシステムは、それぞれ識別情報が対応付けされたクライアント端末装置(ゲーム端末装置)1と、複数の(ここでは8台の)クライアント端末装置1と通信可能に接続された店舗サーバ装置2と、複数の店舗サーバ装置2と通信可能に接続され、複数のプレーヤがクライアント端末装置1を用いて行うゲームを管理するセンターサーバ装置3とを備えている。
【0021】
クライアント端末装置1は、プレーヤがモニタに表示されるゲーム画面に基づいて所定の操作を行うことによって、ゲームを進行するものである。なお、クライアント端末装置1に対応付けされる識別情報は、クライアント端末装置1が接続されている店舗サーバ装置2毎の識別情報(又はクライアント端末装置1が配設されている店舗の識別情報)とクライアント端末装置1が配設されている店舗内でのクライアント端末装置1毎の識別情報(端末番号という)とを含んでいる。例えば、店舗Aの識別情報がAであって、店舗A内でのクライアント端末装置1の識別情報が4である場合には、当該クライアント端末装置1の識別情報はA4である。
【0022】
店舗サーバ装置2は、それぞれ複数のクライアント端末装置1及びセンターサーバ装置3と通信可能に接続され、クライアント端末装置1とセンターサーバ装置3との間でデータの送受信を行うものである。
【0023】
センターサーバ装置3は、複数の店舗サーバ装置2と通信可能に接続され、必要に応じて採用される後述の指紋認証において必要なプレーヤの指紋の特徴点データをユーザIDに対応付けてプレーヤ情報として格納すると共に、店舗サーバ装置2を介してクライアント端末装置1とデータの送受信を行うことによってプレーヤと同一ゲーム空間上でゲームを行うプレーヤ(対戦相手という)を選択するものである。
【0024】
図2は、クライアント端末装置1の一実施形態の外観を示す斜視図である。なお、以下の説明では、クライアント端末装置の一例としてモニタが一体に構成された業務用ビデオゲーム装置について説明するが、本発明はこの例に特に限定されず、家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置、ビデオゲームプログラムを実行することによってビデオゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0025】
また、本実施形態において、本発明に係るクライアント端末装置1を用いて行われるゲームは、麻雀ゲームであって、クライアント端末装置1を操作するプレーヤと、他のクライアント端末装置1を操作するプレーヤ及びCPUプレーヤの少なくとも一方とが対戦するものである。他のクライアント端末装置1を操作するプレーヤと対戦する場合には、後述するネットワーク通信部18、店舗サーバ装置2及びセンターサーバ装置3等を介して、クライアント端末装置1間のデータの送受信が行われる。
【0026】
クライアント端末装置1は、ゲーム画面を表示するモニタ11と、モニタ11のゲーム画面に表示される選択などを促すボタンのアドレスとプレーヤによる押圧位置とからいずれのボタンが指示されたかを判定するタッチパネル11aと、音声を出力するスピーカ12と、個人カードに記憶されたユーザID等の情報を読み込むカードリーダ13と、CCDカメラ14aからの指紋情報を用いて個人認証に必要な特徴点データを抽出する指紋認証部14と、プレーヤが投入するコインを受け付けるコイン受付部15とを備えている。指紋認証部14によって抽出された特徴点データは、後述するネットワーク通信部18及び店舗サーバ装置2等を介してセンターサーバ装置3の後述するプレーヤ情報362aに格納される。
【0027】
モニタ11は画像を表示する例えば薄形の液晶表示器である。
【0028】
また、個人カードは、ユーザID等の個人情報が記憶された磁気カードやICカード等で、図では示していないが、カードリーダ13は差し込まれた個人カードから個人情報を読み出し可能にするものである。
【0029】
クライアント端末装置1の適所には、各部からの検出信号や、各部への制御信号を出力するマイクロコンピュータなどで構成される制御部16(図3参照)が配設されている。
【0030】
また、クライアント端末装置1の適所、好ましくはプレイ中のプレーイの視界から見えにくい側面や裏面位置、ここでは下部側面にコンセント7が設けられている。コンセント7は、店舗サーバ装置2と接続される通信ケーブル8のプラグ8aとクライアント端末装置1を稼働させるための電力を供給する電源線9のプラグ9aとが差し込み可能にされている。電源線9から供給される外部電力は、クライアント端末装置1の内部に設けられた図略の電源回路に導かれ、この電源回路で各部に必要なレベルの電流が生成される。通信ケーブル8及び電源線9の両プラグ8a、9aはそれぞれ個別に準備されるコンセントに差し込まれる態様としてもよい。また、電源プラグに代えて電源スイッチを採用してもよい。
【0031】
図3は、クライアント端末装置1の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部16はクライアント端末装置1の全体の動作を制御するもので、ゲームの進行全般に関する処理、画像表示処理の他種々の情報処理を行う情報処理部(CPU)161と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM162と、後述する所定の画像情報及びゲームプログラム等が予め記憶されたROM163とを備える。
【0032】
外部入出力制御部171は、制御部16とカードリーダ13、タッチパネル11a、CCDカメラ14a及びコイン受付部15を含む検出部の間で、検出信号を処理用のディジタル信号に変換し、また指令情報を検出部の各機器に対して制御信号に変換して出力するもので、かかる信号処理と入出力処理とを例えば時分割的に行うものである。外部機器制御部172はそれぞれの時分割期間内に検出部の各機器への制御信号の出力動作と、検出部の各機器からの検出信号の入力動作とを行うものである。
【0033】
描画処理部111は制御部16からの画像表示指示に従って所要の画像をモニタ11に表示させるもので、ビデオRAM等を備える。音声再生部121は制御部16からの指示に従って所定のメッセージやBGM等をスピーカ12に出力するものである。
【0034】
ROM163には、麻雀牌キャラクタ、背景画像、各種画面の画像及び不正判定用に用いるデータ等が記憶されている。麻雀牌キャラクタ等は3次元描画が可能なように、それを構成する所要数のポリゴンで構成されており、描画処理部111はCPU161からの描画指示に基づいて、3次元空間上での位置から擬似3次元空間上での位置への変換のための計算、光源計算処理等を行うと共に、上記計算結果に基づいてビデオRAMに対して描画すべき画像データの書き込み処理、例えば、ポリゴンで指定されるビデオRAMのエリアに対するテクスチャデータの書き込み(貼り付け)処理を行う。
【0035】
ここで、CPU161の動作と描画処理部111の動作との関係を説明する。CPU161は、内蔵のあるいは外部からの装着脱式としてのROM163に記録されているオペレーティングシステム(OS)に基づいて、ROM163から画像、音声及び制御プログラムデータ、ゲームプログラムデータを読み出す。読み出された画像、音声及び制御プログラムデータ等の一部若しくは全部は、RAM162上に保持される。以降、CPU161は、RAM162上に記憶されている制御プログラム、各種データ(表示物体のポリゴンやテクスチャ等その他の文字画像を含む画像データ、音声データ)、並びに検出部からの検出信号等に基いて、処理が進行される。
【0036】
ROM163に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0037】
ネットワーク通信部18は、麻雀ゲームの実行中に発生する、プレーヤの操作情報や各種イベント情報等をネットワーク及び店舗サーバ装置2等を介してセンターサーバ装置3と送受信するためのものである。
【0038】
図4は、クライアント端末装置1の制御部16の機能構成図である。制御部16のCPU161は、所定の条件を満たすプレーヤに仮想的に所定数量のアイテムを付与するアイテム付与部161aと、ゲームの終了毎にプレーヤのゲームでの順位を判定する成績判定部161bと、成績判定部161bによる判定結果に基づいてプレーヤが仮想的に所持しているアイテムから所定の数量分をプレーヤ間で移動するアイテム移動部161dと、プレーヤが仮想的に所持しているアイテムの数量に基づいて当該プレーヤのゲームでの強さのレベルを表わす段位(階級に相当する)を決定する段位決定部161fと、後述する履歴記憶部162bに格納された履歴データに基づいてプレーヤのゲームでの特徴を表わす称号パラメータを算出する称号パラメータ算出部161gと、算出された称号パラメータに基づいてプレーヤにゲーム内でのプレーヤの称号を付与する称号付与部161hと、継続プレイ可否の判断基準であるライフの計算及び判定を行うライフ評価部161kと、ゲーム中におけるプレーヤの操作を評価することによりゲーム終了時でのゲーム成績を求めるゲーム成績評価部161lと、ゲーム成績評価部161lによって求められたプレーヤのゲーム成績に基づいて、次のゲームへの該プレーヤの継続条件の設定を行う継続条件設定部161mと、ゲーム終了後に次のゲームへの継続参加を受け付けることに応答して、継続条件設定部161mによって設定された継続条件での次のゲームへの参加を許可する継続参加許可部161nと、異常終了を検知するためのログデータの取得及びその管理を行うログデータ管理部161oとを備える。
【0039】
また、制御部16のRAM162は、アイテムの数量及び段位情報をプレーヤの名称に対応付けて格納する段位記憶部162aと、プレーヤの過去のゲーム履歴データやログデータをプレーヤ毎に格納する履歴記憶部162bと、称号付与部161hによって付与された称号をプレーヤの名称に対応付けて格納する称号記憶部162cと、ライフ評価部161kによって計算されたライフの値を格納するライフ記憶部162dと、ゲーム成績評価部161lによって評価されたプレーヤの持ち点棒の点数の値を格納するゲーム成績記憶部162eと、プレーヤが次のゲームに継続参加するための継続条件をプレーヤの持ち点棒の点数の値(ゲーム成績の値)と対応付けて格納する継続条件記憶部161fとを備える。RAM162はクライアント端末装置1の電源が切られた間も、公知のバックアップ電源処理によりデータが消去されないよう手当てしてある。
【0040】
アイテム付与部161aは、所定の条件を満たすプレーヤに仮想的にアイテム(ここでは、ドラゴンチップというアイテム)を付与すると共に、プレーヤが仮想的に保有しているポイントを増減し、アイテム数及びポイントを段位記憶部162aにプレーヤの名称に対応付けて格納するものである。
【0041】
成績判定部161bは、卓選択部161cにて選定された局数のゲームが終了した時に、プレーヤが仮想的に点棒として所持している点数の多い順に順位を判定するものである。ただし、ゲーム開始時は、プレーヤの仮想的に点棒として所持している点数(原点という)は同一である。例えば、原点は、20000点である。
【0042】
アイテム移動部161dは、成績判定部161bによって順位が判定された後に、成績判定部161bによる判定結果及び卓選択部161cによって選択された対局数に基づいてプレーヤが仮想的に所持しているアイテムから所定の数量分をプレーヤ間で移動するものである。
【0043】
段位決定部161fは、プレーヤが仮想的に所持しているアイテムの個数に基づいて当該プレーヤのゲームでの強さのレベルを表わす段位を決定し、プレーヤの名称に対応付けて段位記憶部162aに格納すると共に、段位情報をネットワーク通信部18、ネットワーク及び店舗サーバ装置2等を介してセンターサーバ装置3に伝送するものである。
【0044】
称号パラメータ算出部161gは、段位決定部161fによって行われる段位の決定において、初段に決定された際に、後述する履歴記憶部162bに格納された履歴データに基づいてプレーヤのゲームでの特徴を表わす称号パラメータを算出するものである。パラメータは、以下の式で定義される和了率、振込み率、平均ドラ数及び平均翻数を含む。
(和了率)=(累計和了回数)/(累計プレイ局数)
(振込み率)=(累計放銃回数)/(累計プレイ局数)
(平均ドラ数)=(和了時の累計ドラ数)/(累計和了回数)
(平均翻数)=(和了時の累計翻数)/(累計和了回数)
なお、上記の式で用いられる累計和了回数、累計放銃回数、累計プレイ局数、和了時の累計ドラ数、和了時の累計翻数及び累計和了回数は、プレーヤの識別情報に対応付けて後述する履歴記憶部162bに格納されている。
【0045】
称号付与部161hは、段位決定部161fによって行われる段位の決定において初段に決定された際に、称号パラメータ算出部161gによって算出された称号パラメータに基づいてプレーヤにゲーム内でのプレーヤの称号を仮想的に付与し、プレーヤの名称に対応付けて称号記憶部162cに格納する共に、称号情報をネットワーク通信部18、ネットワーク及び店舗サーバ装置2等を介してセンターサーバ装置3に伝送するものである。
【0046】
ライフ評価部161kは、所定のルールに従ってライフの増減を行い、ライフが所定値以下となったか否かを判断するものである。具体的には、ゲーム開始時に5000HP(HPはライフの単位である)のライフを各プレーヤに仮想的に与えて、プレーヤの点棒の増減に基づいてライフの増減を行う。例えば、プレーヤの点棒が3000点分減少した場合には、ライフを点棒の減少分に比例して3000HP減少する。また、プレーヤの点棒が3000(=3000×1)点分増加した場合には、ライフを点棒の増加分に比例して2400(=3000×0.8)HP増加する。対戦途中で、ライフが0HP以下となった場合に、本実施形態では対戦を継続する場合にはプレーヤにコインの投入を促すようにしている。対戦終了時に、ライフが5000HPあるか否かのチェックが行われ、ライフが5000HP未満であって且つ継続してプレイする場合にはプレーヤにコインの投入を促す。なお、対戦終了時にライフが5000HP超であり、継続してプレイする場合にもゲーム開始時にライフは5000HPに初期化される。
【0047】
ゲーム成績評価部161lは、所定のルールに従ってゲーム中におけるプレーヤの操作を評価することによりゲーム終了時でのゲーム成績を求めるものである。ゲーム成績は、ゲーム中におけるプレーヤの操作が評価された結果を表わすものである。具体的には、ゲーム成績は、ゲーム開始時からゲーム終了時までに、増減変動する各プレーヤの持ち点棒の点数がゲーム終了後にゲーム結果として表わされる。
【0048】
継続条件設定部161mは、ゲーム成績評価部161lによって求められたプレーヤのゲーム成績に基づいて、次のゲームへの該プレーヤの継続条件の設定を行うものである。後述する継続条件記憶部162fに記憶されたプレーヤのゲーム成績に応じた継続参加するための継続条件(追加コイン枚数等)を参照することでゲーム終了後のプレーヤの継続条件を設定するものである。
【0049】
継続参加許可部161nは、ゲーム終了後に次のゲームへの継続参加を受け付けることに応答して、継続条件設定部161mによって設定された継続条件での次のゲームへの参加を許可するものである。また、継続参加許可部161nは、各プレーヤに対して次のゲームへの継続参加におけるゲーム開始に際し、ゲーム成績評価部161lによってゲーム成績の評価結果が高レベルであると評価されたときには、所定の条件なしで次のゲームを開始させる機能を有する。
【0050】
段位記憶部162aは、アイテム付与部161aによって付与されアイテム移動部161dによって変更されるアイテムの個数と、段位決定部161fによって決定される段位とをプレーヤの名称に対応付けて格納するものである。
【0051】
履歴記憶部162bは、プレーヤの過去のゲーム履歴データとして、和了した回数の累計回数である累計和了回数、放銃した回数の累計回数である累計放銃回数、プレイした局数の累計局数である累計プレイ局数、和了時に手牌中に有ったドラ数の累計個数である累計ドラ数、和了時に手牌中に有った翻数の累計である累計翻数及び和了の累計回数である累計和了回数等をプレーヤ毎に格納するものである。また、履歴記憶部162bは、詳細を後述する、ログデータを格納するものである。
【0052】
称号記憶部162cは、称号パラメータ算出部161gによって算出された称号パラメータの値及び称号付与部161hによって付与された称号等を格納するものである。
【0053】
ライフ記憶部162dは、ライフ評価部161kによって計算されたライフの値をプレーヤの名称に対応付けて格納するものである。
【0054】
ゲーム成績記憶部162eは、ゲーム成績評価部161lによって評価(計算)されたプレーヤの持ち点棒の点数の値をプレーヤの名称に対応付けて格納するものである。
【0055】
継続条件記憶部162fは、プレーヤが次のゲームに継続参加するための継続条件をゲーム成績評価部161lにより求められるプレーヤの持ち点棒の点数の値(ゲーム成績の値)と対応付けて格納するものである。
【0056】
図5は、店舗サーバ装置2の一実施形態の外観を示す斜視図である。店舗サーバ装置2は、ゲーム画面等を表示するモニタ21と、音声を出力するスピーカ22と、プレーヤが投入するコインを受け付けて個人カードを販売する個人カード販売機25とを備えている。
【0057】
モニタ21は、画像を大きく表示する目的で、例えば2台のCRTを備えている。2台のCRTは、それぞれの画像を表示する略長方形の画面表示部の長辺が隣接するように配設されており、2つの画像表示部で1の画像が表示されるように画像信号の制御が行われる。
【0058】
スピーカ22は所定のメッセージやBGMを出力するものである。個人カード販売機25は、プレーヤが投入するコインを受け付けるコイン受付部24、個人カードを払い出すカード払い出し部23とを備えている。なお、コイン受付部24は、投入されたコインが不良コイン等であった場合に排出するコイン排出口(図示省略)を備えている。
【0059】
店舗サーバ装置2の適所には、各部からの検出信号や、各部への制御信号を出力するマイクロコンピュータなどで構成される制御部26(図2参照)が配設されている。
【0060】
図6は、店舗サーバ装置2の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部26は店舗サーバ装置2の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)261と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM262と、所定の画像情報等が予め記憶されたROM263とを備える。
【0061】
描画処理部211は制御部26からの画像表示指示に従って所要の画像をモニタ21に表示させるもので、ビデオRAM等を備える。音声再生部221は制御部26からの指示に従って所定のメッセージやBGM等をスピーカ22に出力するものである。
【0062】
ROM263に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0063】
ネットワーク通信部28は、各種データをWWW等からなるネットワークを介してセンターサーバ装置3と送受信するためのものである。インターフェイス部1aは、店舗サーバ装置2に接続された複数(例えば8台)のクライアント端末装置1との間のデータの授受を行うためのものである。
【0064】
制御部26は、ネットワーク通信部28を介してセンターサーバ装置3から受信された端末識別情報が付与された情報を、インターフェイス部1aを介してその端末識別情報に対応するクライアント端末装置1へ送信する。またインターフェイス部1aを介してクライアント端末装置1から受信された端末識別情報が付与された情報を、ネットワーク通信部28を介してセンターサーバ装置3へ送信する。
【0065】
図7は、本発明に係るセンターサーバ装置3の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部36はセンターサーバ装置3の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)361と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM362と、所定の画像情報等が予め記憶されたROM363とを備える。
【0066】
ROM363に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0067】
ネットワーク通信部38は、各種データをWWW等からなるネットワークを介して複数の店舗サーバ装置2と送受信するためのものである。
【0068】
なお、本発明のゲーム管理プログラムは、ROM363上に記録されており、RAM362上にロードされ、CPU361によりRAM362上のゲーム管理プログラムが順次実行されることによってそれぞれの機能が実現される。
【0069】
図8は、センターサーバ装置3の制御部36の機能構成図である。制御部36のCPU361は、各クライアント端末装置1でのゲーム開始時にプレーヤのゲームへの参加を受け付ける受付部361aと、受付部361aによって受け付けられたプレーヤ及び後述する待機部361cによって待機状態とされているプレーヤの中から同一ゲーム空間内でプレイする所定の最大数(ここでは3)以下で且つ所定数(ここでは2)以上のプレーヤを所定のルールに則って選択する選択部361bと、選択部361bによって選択されていない状態にあるプレーヤを待機状態とし、選択部361bに対し、このプレーヤの選択を実行させる待機部361cと、選択部361bによって選択されたプレーヤ同士に同一ゲーム空間内でゲームを実行させる第1実行部161dと、待機部361cによって待機状態とされているプレーヤにCPUプレーヤと同一ゲーム空間上でゲームを実行させる第2実行部161eと、選択部361bによって選択され第1実行部161dによってゲームが実行されている全てのクライアント端末装置1の使用状態を監視する監視部361gとを備えている。
【0070】
RAM362は、ユーザIDデータ及び指紋の特徴点データ等の個人情報を格納するプレーヤ情報記憶部362aと、プレーヤのゲーム上での強さのレベルを表わす階級情報をプレーヤの識別情報(ユーザIDデータ)と関連付けて格納する段位記憶部362bと、プレーヤのゲームでの戦術の特徴を表わす称号情報をプレーヤの識別情報と関連付けて格納する称号記憶部363cと、プレーヤのゲームでの過去の対戦成績である累計和了回数、累計放銃回数、累計プレイ局数、和了時の累計ドラ数、和了時の累計翻数及び累計和了回数等をプレーヤの識別情報と関連付けて格納する履歴記憶部362dと、後述するようにゲームが強制的に終了された時のクライアント端末装置1を操作していたプレーヤに関する不正者情報を格納する不正者情報記憶部362eとを備えている。
【0071】
受付部361aは、各クライアント端末装置1から送信されたプレーヤのユーザIDデータ及び指紋の特徴点データ等の個人情報を受け付けて、プレーヤ情報記憶部362aに格納されているプレーヤ情報に基づいてプレーヤのゲームへの参加を受け付けるものである。また、各クライアント端末装置1から送信された継続参加するプレーヤのゲームへの参加を受け付けるものである。
【0072】
選択部361bは、受付部361aによって受け付けられたプレーヤ及び待機部361cによって待機状態とされているプレーヤの中から同一ゲーム空間内でプレイする2以上且つ3以下のプレーヤを処理のルールに従って、ここでは段位記憶部362bに格納された階級と称号記憶部363cに格納された称号とに基づいて選択する(組み合わせる)ものである。更に、選択部361bは、選択されたプレーヤの数が3未満(すなわち2)である場合に、少なくとも更に一回プレーヤを選択するものである。具体的には、プレーヤの階級(段位)との差が2階級以内であるプレーヤを選択する。なお、称号についても選択の条件に含めてもよい。なお、本実施例では、選択部361aは、選択されたクライアント端末装置1に対して選択順に、例えば選択番号を付している。
【0073】
待機部361cは、プレーヤが選択部361bによって選択されない場合に当該プレーヤを待機状態とし、選択部361bにプレーヤの選択を実行させるものである。待機状態は、選択部361bによって対戦相手が選択されるのを待っている状態である。
【0074】
第1実行部161dは、選択部361bによって選択されたプレーヤ同士に同一ゲーム空間内でゲームを実行させるものである。すなわち、選択部361bによって選択されたプレーヤ同士が対戦相手となって、(仮想的に同じ卓に座って)ゲームを実行する旨の指示情報を選択されたプレーヤの使用するクライアント端末装置1に送信するものである。
【0075】
第2実行部161eは、待機部361cによって待機状態とされているプレーヤにCPUプレーヤと同一ゲーム空間上でゲームを実行させるものである。
【0076】
センターサーバ装置3の例えば監視部361gは、履歴記憶部362dに格納されている、対戦モードでのゲーム実績のあるプレーヤに対する過去の順位、獲得したポイント値などを考慮して、所定のルールに従って算出し、その結果を総合順位(ランキング)として、例えば周期的に、店舗サーバ装置2や必要に応じてクライアント端末1などに送信し、表示させるようにしている。この表示の際には、ランキング表示されたプレーヤに対応させて、その段位や称号も併せて表示される。
【0077】
図9は、センターサーバ装置3の動作を表わすフローチャートの一例である。まず、受付部361aによって、クライアント端末装置1から送信された個人情報が受信され(ステップST1)、プレーヤ情報記憶部362aに格納されているプレーヤ情報に基づいてプレーヤの認証処理が実行され、肯定されるとゲームへの参加が許可される(ステップST3)。ついで、選択部361bによって、受付部361aにより参加が許可されて受け付けられた(後述する「一人打ち」モードでない場合に受け付けられる)プレーヤの中から同一ゲーム空間内でプレイする2以上のプレーヤが段位記憶部362bに格納された階級と称号記憶部363cに格納された称号とに基づいて選択され、第1実行部161dによって、選択部361bにより選択されたプレーヤ同士に同一ゲーム空間内でゲームを実行する旨の指示情報が選択されたプレーヤの使用するクライアント端末装置1に送信される(ステップST5)。そして、監視部361gによって、第1実行部161dによりゲームが実行されている全てのクライアント端末装置1の使用状態が監視される(ステップST7)。
【0078】
図10は、図9に示すステップST5(対戦者決定処理)の詳細フローチャートの一例である。なお、以下の処理は特に記載しない限り選択部361bによって行われる。まず、受付部361aによって、クライアント端末装置1から送信される対戦モードが受信される(ステップST51)。対戦モードには、「一人打ち」「店舗内対戦」及び「通信対戦」の3つのモードがある。「一人打ち」モードは、CPUプレーヤと対戦するモードであり、「店舗内対戦」モードは、対戦者全てが同一の店舗サーバ2に接続されているクライアント端末装置1を使用している場合の対戦モードであり、「通信対戦」モードは、対戦者の内少なくとも一人のプレーヤが異なる店舗サーバに接続されているクライアント端末装置1を使用しているプレーヤである場合の対戦モードである。
【0079】
次いで、受付部361aによって、対戦モードが「一人打ち」モードであるか否かの判定が行われる(ステップST52)。この判定が肯定された場合には処理がリターンされる。この判定が否定された場合には、プレーヤが受け付けられ、時間カウンタTが0に初期化される(ステップST53)と共に、図11に示す待ち受け画面を表示するように当該プレーヤがプレイしているクライアント端末装置1に指示情報が送信される。
【0080】
図11は、待ち受け画面の画面図の一例である。待ち受け画面400には、画面下側にこの画面が表示されているプレーヤのプレーヤ情報401が表示され、画面上側及び右側には対戦相手が選択されていないことを示すプレーヤ情報402及び403が表示され、画面左側にはCPUプレーヤのプレーヤ情報404が表示されている。プレーヤ情報401及び404は、プレーヤのゲームでの呼称である名称401a、404aと、プレーヤの称号401b、404bと、プレーヤの段位401c、404cとが表示されている。例えば、CPUプレーヤの名称は「はなこ」であり、呼称は「玄武」であり、段位は「四段」である。待ち受け画面400には、この画面が表示されるクライアント端末装置1を使用しているプレーヤとCPUプレーヤ以外の対戦相手のプレーヤ情報402及び403が表示されていないため、当該プレーヤは対戦相手が選択されていないことを確認することができる。
【0081】
再び、図10に示すフローチャートに戻って説明する。待機部361cにより待機状態とされているプレーヤまたは既に受け付けられたプレーヤがいるか否かの判定が行われる(ステップST55)。この判定が否定された場合にステップST61に進む。この判定が肯定された場合には、受け付けられたプレーヤ及び待機部361cによって待機状態とされているプレーヤの中から同一ゲーム空間内でプレイする2以上且つ3以下のプレーヤが段位記憶部362bに格納された階級と称号記憶部363cに格納された称号とに基づいて選択され(ステップST57)、選択された結果を表わす待ち受け画面を表示するように当該プレーヤがプレイしているクライアント端末装置1に指示情報が送信される。
【0082】
図12は、選択された結果を表わす待ち受け画面の一例である。待ち受け画面410には、画面下側にこの画面が表示されているプレーヤのプレーヤ情報411が表示され、画面上側には対戦相手が選択されていないことを示すプレーヤ情報413が表示され、画面左側にはCPUプレーヤのプレーヤ情報414が表示され、画面右側には選択部361bによって選択されたプレーヤのプレーヤ情報412が表示されている。プレーヤ情報411、412及び414には、プレーヤのゲームでの呼称である名称411a、412a、414aと、プレーヤの称号411b、412b、414bと、プレーヤの段位411c、412c、414cとが表示されている。待ち受け画面410には、この画面が表示されるクライアント端末装置1を使用しているプレーヤとCPUプレーヤ以外に、選択部361bによって選択されたプレーヤ(対戦相手)のプレーヤ情報412が表示されているため、この画面が表示されるクライアント端末装置1を使用しているプレーヤは対戦相手が一人選択されていることを確認することができる。
【0083】
再び、図10に示すフローチャートに戻って説明する。ステップST57において選択されたプレーヤ数(対戦相手の数)が3であるか否かの判定が行われる(ステップST59)。この判定が肯定された場合には処理がリターンされる。この判定が否定された場合には、時間カウンタTがインクリメントされ(ステップST61)、時間カウンタTが所定時間TMAX(ここでは30秒)以上か否かの判定が行われる(ステップST63)。この判定が否定された場合には、ステップST53に戻る。この判定が否定された場合には、ステップST57において選定されたプレーヤ数が0である(すなわち選択されなかった)か否かの判定が行われる(ステップST65)。この判定が肯定された場合には、待機部361cによってプレーヤが待機状態とされる(ステップST67)。この判定が否定された場合には処理がリターンされる。
【0084】
図13は、図10に示すステップST67の処理(待機状態の処理)の詳細フローチャートの一例である。以下の処理は特に記載のない限り、待機部361cによって行われるものである。まず、クライアント端末装置1に対してCPU対戦(CPUプレーヤのみとの対戦)を開始するように指示情報が送信される(ステップST671)。
【0085】
所定時間(例えば30秒)経過したか否かの判定が行われ(ステップST677)、この判定が肯定されるまで経過時間がカウントアップされる。この判定が肯定された場合、選択部361bによってプレーヤの選択が行われ(ステップST679)、待機状態とされたプレーヤが選択されたか否かの判定が行われる(ステップST681)。この判定が肯定された場合には、プレーヤが選択されたことを表わす対戦者出現画面を表示するようにクライアント端末装置1に指示情報が送信されるステップST683に進む。この判定が否定された場合には、ステップST677に戻る。
【0086】
ステップST681の判定が肯定された場合には、選択されたプレーヤ数が3であるか否かの判定が行われる(ステップST683)。この判定が肯定された場合には、図9のステップST7(対戦監視処理)に進む。この判定が否定された場合(選択されたプレーヤ数が1である場合)には、所定時間(例えば10秒)経過したか否かの判定が行われ(ステップST685)、この判定が肯定されるまで経過時間がカウントアップされる。この判定が肯定された場合、選択部361bによってプレーヤの選択が行われ(ステップST687)、図9のステップST7(対戦監視処理)に進む。
【0087】
図14は、図10に示すステップST57の処理(プレーヤの選択処理)の詳細フローチャートの一例である。なお、図10に示すステップST57の処理は、図13に示すステップST679及びステップST687と同一の処理である。また、以下の処理は全て選択部361bによって行われる。まず、待機状態のプレーヤ及び受け付けられたプレーヤの総数WNがカウントされ(ステップST571)、ついでプレーヤ数カウンタIが1に初期化される(ステップST573)。そして、当該プレーヤとI番目のプレーヤとの、後述する不正者レベルが、不正者情報記憶部362eから読み出された情報に基づいて同一か否かが判定され(ステップST575)、この判定が否定された場合にはステップST583に進む。この判定が肯定された場合には、当該プレーヤとI番目のプレーヤとの段位が段位記憶部362bから読み込まれ、段位の差が所定値DN(ここでは2)以下か否かが判定される(ステップST577)。この判定が否定された場合にはステップST583に進む。この判定が肯定された場合には、I番目のプレーヤが当該プレーヤと対戦するプレーヤに追加される(ステップST579)。
【0088】
つぎに、当該プレーヤと対戦するプレーヤの数が3であるか否かの判定が行われる(ステップST581)。この判定が肯定された場合には処理がリターンされる。この判定が否定された場合、ステップST575、ステップST577の判定が否定された場合には、プレーヤ数カウンタIがインクリメントされ(ステップST583)、プレーヤ数カウンタIがプレーヤの総数WNを超えたか否かの判定が行われる(ステップST585)。この判定が肯定された場合には、処理がリターンされ、否定された場合にはステップST575に戻る。
【0089】
ここで、上記のセンターサーバ装置3の指示に基づいて実行されるクライアント端末装置1の動作について説明する。図15は、クライアント端末装置1の動作を表わすフローチャートの一例である。まず、カードリーダ13に挿入された個人カードからユーザIDデータが読み込まれ、指紋認証部14のCCDカメラ14aによってプレーヤの指紋が撮像され、指紋認証部14によってCCDカメラ14aからの指紋情報を用いて個人認証に必要な特徴点データが抽出される(ステップST101)。そして、ユーザIDデータ及び特徴点データがセンターサーバ装置3へ送信される(ステップST103)。そして、対戦モードを選択するモード選択画面が表示され、プレーヤからの入力が受け付けられて対戦モードが選択され(ステップST104)、対戦モード情報がセンターサーバ装置3に送信される。
【0090】
センターサーバ装置3から同一ゲーム空間でゲームを行う他のプレーヤ(対戦者)の名称、段位及び称号等の対戦者情報が受信される(ステップST105)。つぎに、センターサーバ装置3からゲームを実行する旨の指示情報を受け付けて、ゲームが開始され、場及び親が決定される(ステップST107)。そして、対戦が開始され(ステップST109)、図16に示す対戦画面が表示される。
【0091】
図16は、対戦の状況を表わす対戦画面の画面図の一例である。対戦画面510には、画面下側にプレーヤの手牌511が牌の種類が見えるように表示され、画面上側及び左右両側に対戦者の手稗512が牌の種類が見えないように表示され、画面略中央にドラ表示稗を含む山513と、山513の周囲に捨て稗514が表示され、画面下側にプレーヤによって押下される種々のボタン516が表示されている。プレーヤが対戦画面510を見ながらボタン516を適宜押下することによってゲームが進行される。
【0092】
再び、図15に示すフローチャートに戻って説明する。対戦が開始されると、ライフ評価部161kによって、ライフが計算され、ライフが0HP超(1HP以上)であるか否かの判定が行われる(ステップST111)。この判定が肯定された場合には、ステップST117に進む。この判定が否定された場合には、対戦を継続するか否かについての判断をプレーヤに促す継続選択画面が表示され、コイン受付部15にコインが受け付けられたか否かによってプレーヤからの判断が受け付けられて現在実行中の対戦を継続するか否かの判定が行われる(ステップST113)。この判定が否定されると、対戦を中断する旨の情報である対戦中断情報がセンターサーバ装置3に伝送され(ステップST115)、処理が終了される。この判定が肯定された場合にはステップST109に戻る。
【0093】
ステップST111おける判定が肯定された場合には、対戦が終了したか否かの判定が行われる(ステップST117)。この判定が否定された場合には、ステップST109に戻る。この判定が肯定された場合には、対戦が終了したことを表わす対戦終了情報がセンターサーバ装置3に送信され、成績判定部161bによってゲームでの順位が判定される(ステップST119)。そして、アイテム移動部161dによって、成績判定部161bによる判定結果及び卓選択部161cによって選択された対局数に基づいてプレーヤが仮想的に所持しているアイテムがプレーヤ間で移動される(ステップST121)。次いで、段位決定部161fによって、プレーヤが仮想的に所持しているアイテムの個数及びポイントに基づいて当該プレーヤのゲーム上での強さのレベルを表わす段位が決定され、段位記憶部162aに格納された今まで(前回ゲーム終了時)の段位と比較されることによって、段位が初段に変更されるか否かの判定が行われる(ステップST123)。段位が初段に変更されない場合には現在のアイテムの個数等を示す図略のアイテム表示画面が表示されステップST129に進む。なお、段位決定部161fによって決定された段位は、段位記憶部162aに格納されると共に段位情報としてセンターサーバ装置3に送信される。
【0094】
段位が初段に変更される場合には、称号パラメータ算出部161gによって、プレーヤのゲーム上での特徴を表わす称号パラメータが算出される(ステップST125)。そして、称号付与部161hによって、称号パラメータ算出部161gによって算出された称号パラメータに基づいてプレーヤにゲーム内でのプレーヤの称号が仮想的に付与され(ステップST127)、称号記憶部162cに格納されると共に称号情報がセンターサーバ装置3に送信される。
【0095】
次いで、ライフの現在のHPが継続してゲームを行うために必要な所定の値SL(ここでは5000HP)以上か否かの判定が行われる(ステップST129)。この判定が肯定された場合には、継続選択画面が表示され、プレーヤからの入力が受け付けられて、ゲームを継続するか否かの判定が行われる(ステップST131)。この判定が肯定された場合には、ステップST103に戻る。この判定が否定された場合にはステップST135に進む。
【0096】
ステップST129の判定が否定された場合には、継続選択画面が表示され、コイン受付部15にコインが受け付けられたか否かによってプレーヤからの判断が受け付けられてゲームを継続するか否かの判定が行われる(ステップST133)。この判定が肯定された場合にはステップST103に戻り、この判定が否定された場合にはステップST135に進む。
【0097】
ステップST133またはステップST131の判定が否定された場合には、ゲームが終了されたことを表わす対戦終了情報がセンターサーバ装置3に送信され(ステップST135)、処理が終了される。
【0098】
図17は、図15のステップST109「対戦」で行われる処理の一部である、ログデータ管理部161oによって行われる異常終了状態に関する情報の取得処理のフローチャートの一例を示す。
【0099】
なお、ここで、異常終了となった状態は、プレーヤによって自己の操作するクライアント端末装置1の通信ケーブル8及び電源線9の少なくとも一方がコンセント7から引き抜かれた場合、及びクライアント端末装置1と対戦相手のクライアント端末装置1との間で一時的な通信障害が発生して当該クライアント端末装置1からプレーヤのクライアント端末装置1に対する操作乃至は使用情報の送信動作が行えない場合、電源異常による瞬間乃至は一時的な停電(瞬停)による場合をいう。そして、情報処理部161は、異常終了となった状態が発生した場合、その後のゲームの続行を図るベく、以下の処理を行う。すなわち、プレーヤによって自己の操作するクライアント端末装置1の通信ケーブル8がコンセント7から引き抜かれた場合には、対戦中の他のクライアント端末装置1との間でゲーム進行のための情報の授受ができなくなるため、例えば、対戦するクライアント端末装置1の中の、前述した選択処理時に設定された選択番号の最も小さいクライアント端末装置1がCPUプレーヤを新たに設定する処理を実行し、対戦していた他のクライアント端末装置1は、ゲーム続行のためのCPUプレーヤによる模擬的な操作情報を用いてゲームが続行される。また、プレーヤによって自己の操作するクライアント端末装置1の電源線9がコンセント7から引き抜かれた場合も同様に、当該クライアント端末装置1が動作しなくなるため、対戦中の他のクライアント端末装置1との間でゲーム進行のための情報の授受ができなくなり、前述したCPUプレーヤが新たに設定される処理が行われて、対戦していた他のクライアント端末装置1は、ゲーム進行のためのCPUプレーヤによる模擬的な操作情報を用いてゲームが続行される。この場合、ゲームを不成立とするのは、善意のプレーヤに酷であることから、ゲーム終了後に、善意のプレーヤが操作したクライアント端末装置1に対応するゲーム実績については、これをゲーム戦績として扱い、センターサーバ装置3で蓄積するようにしている。
【0100】
なお、異常終了の状態とは、本実施形態では、対戦中のクライアント端末装置におけるゲーム自体が強制的に終了するのではなく、不正操作が行われた乃至は異常の生じたクライアント端末装置1がCPUプレーヤに切り替わることをいい、元々の対戦者同士間でのゲームでなくなることを意味する。もっとも、ゲーム自体が強制的に終了する態様としてもよい。
【0101】
図17に戻り、ゲームが開始されると、内蔵タイマによって経過時間が計時されており、各クライアント端末装置1は、絶えずプレーヤの操作及びゲーム状況に関する情報のうち、「一人打ち」「店舗内対戦」「通信対戦」の各ゲームモード、ゲーム中の順位、振り込みを行った時刻及びそのときの点数をログデータとしてRAM162の所定領域に一時的に記録しており、最新のログデータを記録してから、現在の時刻までに、ログデータを残す期間(LOG PERIOD)が経過したか否かが判定され(ステップS151)、この判定が肯定されると、ログデータがログファイルに、ここでは、履歴記憶部162bに格納される(ステップS153)。ついで、現時刻が、前回のログ時刻として置き換えられる(ステップST155)。一方、ゲームが正常に終了した場合には、ログファイルは消去される(ステップST157)。従って、ゲームが異常終了となった状態で終了した場合には、異常発生を生じたクライアント端末装置1には、ゲームモード、順位、振り込みを行ったときの時刻とそのときの点数が、認証されたプレーヤと対応付けされて履歴記憶部162bに存在することとなる。
【0102】
図18は、クライアント端末装置の起動時における処理の一部である、ログデータ管理部161oによって行われるログデータの処理のフローチャートの一例を示す。プレーヤが電源線9をコンセント7から引き抜いた後、再びプレーヤによって電源線9がコンセント7に差し込まれると、電源が再投入される。当該クライアント端末装置1の起動後、まず履歴記憶部162bにログデータのファイルが存在するか否かが判定される(ステップST161)。この判定が否定されると、異常終了はなかったものとしてリターンする。一方、この判定が肯定されると、履歴記憶部162bからログデータのファイルの読み込まれ(ステップST163)、読み込まれたログデータは異常情報としてセンターサーバ装置3に送信され(ステップST165)、その後、ログファイルの消去が行われる(ステップST167)。なお、通信ケーブル8がコンセント7から抜かれた後に、プレーヤによって再度差し込まれた時にも、一定期間通信が途絶えた後、当該クライアント端末装置の履歴記憶部162bに格納されたログデータがセンターサーバ装置3に送信される。
【0103】
図19は、センターサーバ装置3によるログファイルの取り込み処理のフローチャートの一例を示す。センターサーバ装置3では、監視部361gによって、クライアント端末装置から送信されてくるデータにログデータがあるか否かの判定が行われており(ステップST171)、この判定が否定されると、リターンする。一方、この判定が肯定されると、監視部361gによって以下の処理が行われる。まず、RAM362の所定の領域にプレーヤ情報を元にした不正ポイント(BlackPoint)ファイルが作成される(ステップST173)。ついで、受信したログデータに基づいて、順位に応じて重み付けされた不正ポイントの設定が行われる(ステップST175)。ここでは、順位が1位であれば、不正の意図はないものとして(例えば通信障害や瞬停が原因)、不正ポイントが0とされる。振り込みを行ったときの順位が2位であれば、不正の意図は小さいものとして、不正ポイントが1とされる。振り込みを行ったときの順位が3位であれば、不正の意図は大きいものとして、不正ポイントが4とされる。振り込みを行ったときの順位が4位(最下位)であれば、不正を行った(通信ケーブル8及び電源線9の少なくとも一方をコンセント7から引き抜いた)として、不正ポイントが16とされる。なお、重み付けはなくてもよく、例えば最下位に対してのみ不正ポイントを付与してもよい。また、順位に対する重み付けは種々の態様が考えられ、例えば劣勢側のプレーヤ(ここでは3位,4位)に不正ポイントを設定する態様としてもよい。
【0104】
ついで、振り込みが有効であれば、振り込み時の点数に応じて重み付けされた不正ポイントの(追加)設定が行われる(ステップST177)。振り込みが有効である条件として、ここでは、振り込みを行った後、所定時間以内、例えば3分以内に不正操作が行われた場合としている。振り込み時の点数が8000点以内であれば、不正の意図は小さいものとして、不正ポイントが2とされ、ステップST175で付与されたポイントに加算される。振り込み時の点数が8000点以上16000以内であれば、不正の意図は大きいものとして、不正ポイントが8とされ、ステップST175で付与されたポイントに加算される。振り込み時の点数が16000点以上であれば、不正を行った(通信ケーブル8及び電源線9の少なくとも一方をコンセント7から引き抜いた)として、不正ポイントが16とされ、ステップST175で付与されたポイントに加算される。従って、順位が4位で振り込み時の点数が16000以上の時は、不正ポイントとして32ポイントが設定されることとなる。なお、振り込み時の点数に対する重み付けは種々の態様が考えられ、例えば最下位に対してのみ、あるいは劣勢側のプレーヤ(ここでは3位,4位)に不正ポイントを設定する態様としてもよい。
【0105】
そして、監視部361gによって、不正者情報記憶部362eから当該ログデータの所有者と同一のプレーヤのデータを読み出して、当該プレーヤの不正者情報に今回算出した不正ポイント、及び不正回数を1回加算して、不正者情報記憶部362eの該当するプレーヤのデータに更新書き込みされる。なお、初めてログデータが発行されたプレーヤの場合には、不正者情報記憶部362eに該当するプレーヤのデータが存在しないから、新たに作成されて書き込まれる。なお、不正ポイントの設定は、順位と振り込み時の点数とで行ったが、いずれか一方のみでもよいし、他の要素を加味する態様としてもよい。
【0106】
図20は、ユーザ認証処理の一部として実行される不正者確認処理のフローチャートの一例を示す。本フローは、クライアント端末装置1からゲームへの参加を希望するプレーヤの個人情報が受信されると起動する。不正者情報記憶部362e(不正DB)に、プレーヤ認証処理で認証したユーザIDデータに対応した不正履歴があるか否かが判定される(ステップST181)。不正履歴が存在しない場合には、不正回数0かつ不正ポイント0という値と共に(ステップST183)、認証結果は正常者としてリターンする。一方、不正履歴が存在する場合には、不正者情報記憶部362eから不正情報、すなわち不正回数、不正ポイント及び直近における不正を行った時刻の読み込みが行われ(ステップST185)、不正履歴が所定の閾値を超えたか否かが、ここでは、不正回数が所定回数以上、例えば3回以上、かつ不正パラメータの一種である平均不正ポイントが所定値以上、例えば1より大きいか否かが判定される(ステップST187)。なお、不正パラメータの一種である平均不正ポイントは、不正ポイント/不正回数の演算から求められる。平均不正ポイントが1を超えるということは不正操作の公算が高いと判断できるためである。この判定が否定されると、不正の意図は小さいものとして、認証結果は正常と判断し、不正回数かつ不正ポイントからなる不正者レベルを設定して(ステップST189)、ゲームへの参加が許可される。一方、この判定が肯定されると、(現時刻―最終不正時刻)が{3時間+(不正回数―3)×24時間}に等しいか小さいかの判定が行われる(ステップST191)。例えば、不正回数が5回で、最終不正時刻から51時間が経過していない場合には、上記判定は否定される。これは、最後の不正行為から長い時間不正を行っていないプレーヤに対しては、不正回数も加味して、いわば更正機会を与えるべく制限を時間方向で緩和するようにしたものである。この判定が否定された場合には、更正した可能性が高いものとして、認証結果は正常と判断し、ゲームへの参加が許可される(ステップST189)。なお、ステップST189における対戦ゲームにおいては、対戦画面に不正者同士による対戦であることを報知する所定の標記、例えば図21に示すように、画面の所定位置に「ペナルティーモード」が併記される。
【0107】
一方、上記判定が肯定された場合、いわば常習犯的な不正者と認定して、ゲームへの参加を禁止する処理が行われる(ステップST193)。ゲームへの参加を禁止する処理としては、例えばクライアント端末装置1のモニタ11にプレイ禁止のメッセージが表示される。
【0108】
図20の処理によって、図14のステップST75における不正者レベルとの異同の判定処理が可能となる。すなわち、図14のステップST75では、不正者としてのレベルが等しいプレーヤ同士で対戦ゲームを行わせ、善良なプレーヤとの対戦を制限したので、善良なプレーヤが不正操作による迷惑を被るという可能性を極力防止している。例えば、不正パラメータの一種である下記悪質度を利用し、同一のあるいは近似の不正者レベルのプレーヤ同士を対戦させることができる。この場合、前述の図21に示すように対戦者の選択画面の適所に、あるいはゲーム中におけるゲーム画面の適所に、個々にあるいは本対戦ゲームが不正者のみによって行われている旨の表示乃至は警告を行うようにして、不正操作の抑止を図ることができる。
【0109】
また、不正者レベルとは不正パラメータの一種であり、前記平均不正ポイントとして不正ポイントと不正回数との比率で演算してもよい。さらに、不正パラメータとして以下の式にて演算される悪質度を採用してもよい。
悪質度=INT((不正ポイント/不正回数)/4)
例えば、不正ポイントが28で、不正回数が5回のときには、上記式より、悪質度は1となる。
【0110】
なお、本発明は以下の態様をとることができる。
【0111】
(A)本実施態様においては、クライアント端末装置1によって行われるゲームが麻雀ゲームである場合について説明したが、他の複数のプレーヤで行うゲームである態様でもよい。例えば、カードゲーム、囲碁ゲーム、将棋ゲーム、シューティングゲーム、レースゲーム等である態様でもよい。
【0112】
(B)本実施態様においては、店舗サーバ装置2を備える場合について説明したが、クライアント端末装置1がネットワークを介してセンターサーバ装置3に接続されている態様でもよい。
【0113】
(C)本実施形態においては、ゲーム継続時にコイン受付部15からコインで投入される場合を例にとって説明したがこれに限定されない。例えば、コイン以外にカード等で受け付ける場合でもよい。
【0114】
(D)本実施形態においては、センターサーバ装置3、店舗サーバ装置2及びクライアント端末装置1の接続(ネットワーク)構成も図1に示すものに限られるものではない。例えば店舗サーバ装置2を用いずに、クライアント端末装置1とセンターサーバ装置3との接続態様として、リング型、ツリー型、スター型などの種々の接続態様を考えることができる。この場合には、ツリー型の接続態様が好ましい。また、クライアント端末装置1にセンターサーバ装置3の機能を持たせることで、クライアント端末装置1のひとつをホスト端末装置として、他のクライアント端末装置1と接続する態様としてもよい。また、店舗サーバ装置2にセンターサーバ装置3の機能を持たせて店舗内のクライアント端末装置1と接続する態様としてもよい。図1に示すように、センターサーバ装置3とクライアント端末装置1との間に店舗サーバ装置2を設け、センターサーバ装置3、店舗サーバ装置2、クライアント端末装置1で分散処理するようにする態様が好ましい。この場合、各店舗ごとに店舗サーバ装置2を設け、この店舗サーバ装置に各クライアント端末装置1を接続するようにすることが好ましい。
【0115】
(E)本実施形態においては、不正のレベルを考慮して、対戦の組み合わせを設定したが、これに限定されず、不正者を一律に扱って対戦の組み合わせを行うようにしてもよい。
【0116】
(F)不正パラメータとしては、本実施形態に係るものの他、種々の要素を、あるいは別の要素を採用することが可能である。例えば、不正者の段位が同一乃至は略同一のプレーヤ同士を組み合わせるようにしてもよいし、また総合ランキングの近い者同士を組み合わせるようにしてもよい。さらに、ポイント数の近い者同士、アイテム数の近い者同士を組み合わせるようにしてもよい。
【0117】
(G)不正者の認定要素は、順位と振り込み時の点数に限定されず、総合成績のランキング者などの要素を加味してもよい。また、他の種類のゲームにおいては、それらのゲームの特質を考慮して自己に不利になる態様の要素を適宜採用することが可能である。例えば、レースゲームの場合には、自己以外のトップがゴールした場合、所定のタイムをオーバーした場合等が考えられる。このようにしても、自己に不利なゲーム結果が予想される場合に不正終了を可及的に防止することができる。自己に不利なゲーム結果が予想される場合とは、対戦ゲームにおいて、相手側のプレーヤより劣勢である場合、途中経過において対戦成績が相手側のプレーヤより悪い場合が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係るゲーム用サーバ装置が適用されるゲームシステムの構成図である。
【図2】クライアント端末装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図3】クライアント端末装置の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図4】クライアント端末装置の制御部の機能構成図である。
【図5】店舗サーバ装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図6】店舗サーバ装置の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図7】本発明に係るセンターサーバ装置の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図8】センターサーバ装置の制御部の機能構成図である。
【図9】センターサーバ装置の動作を表わすフローチャートの一例である。
【図10】図9に示すステップST5(対戦者決定処理)の詳細フローチャートの一例である。
【図11】待ち受け画面の画面図の一例である。
【図12】選択された結果を表わす待ち受け画面の一例である。
【図13】図10に示すステップST67の処理(待機状態の処理)の詳細フローチャートの一例である。
【図14】図10に示すステップST57の処理(プレーヤの選択処理)の詳細フローチャートの一例である。
【図15】クライアント端末装置の動作を表わすフローチャートの一例である。
【図16】対戦の状況を表わす対戦画面の画面図の一例である。
【図17】図15のステップST109「対戦」で行われる処理の一部である、ログ管理部によって行われる異常終了情報の取得処理のフローチャートの一例である。
【図18】クライアント端末装置の起動時における処理の一部である、ログデータ管理部によって行われるログデータの処理のフローチャートの一例を示す図である。
【図19】センターサーバ装置によるログファイルの取り込み処理のフローチャートの一例である。
【図20】ユーザ認証処理の一部で実行される不正者確認処理のフローチャートの一例である。
【図21】不正者同士による 対戦画面の画面図の一例である。
【符号の説明】
【0119】
1 クライアント端末装置(ゲーム端末装置)
161a アイテム付与部
161b 成績判定部
161d アイテム移動部
161f 段位決定部
161g 称号パラメータ算出部
161h 称号付与部
161k ライフ評価部
161l ゲーム成績評価部
161m 継続条件設定部
161n 継続参加許可部
161o ログデータ管理部(不正終了判定手段の一部を構成する)
162a 段位記憶部
162b 履歴記憶部
162c 称号記憶部
162d ライフ記憶部
162e ゲーム成績記憶部
162f 継続条件記憶部
2 店舗サーバ装置
3 センターサーバ装置(ゲーム用サーバ装置)
36 制御部
361a 受付部(プレーヤ識別手段、不正終了判定手段、不正パラメータ算出手段)
361b 選択部(組み合わせ設定手段)
361d 第1実行部
361g 監視部(不正終了判定手段の一部を構成する)
362b 段位記憶部
363c 称号記憶部
362a プレーヤ情報記憶部
362d 履歴記憶部
362e 不正者情報記憶部(不正履歴情報保存手段)
38 ネットワーク通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して互いの操作情報を交換することで、複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームが実行可能なゲーム管理方法であって、
対戦ゲームの開始前にプレーヤを識別するプレーヤ識別ステップと、
進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定する不正終了判定ステップと、
前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報を作成し、保存する不正履歴情報保存ステップと、
ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定する組み合わせ設定ステップとからなり、前記組み合わせ設定ステップは、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わせることを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項2】
進行中のゲームが異常終了したことを判定する異常終了判定ステップを有し、
前記不正終了判定ステップは、前記異常終了がプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定するステップとからなり、
前記不正履歴情報保存ステップは、前記不正終了させたプレーヤに対して所定のペナルティーの対象となるか否かを判定する不正パラメータを算出するステップからなり、
前記組み合わせ設定ステップは、それぞれ識別したプレーヤの不正パラメータを読み出し、不正パラメータの大きさが近いプレーヤ同士を組み合わせることを特徴とする請求項1記載のゲーム管理方法。
【請求項3】
前記不正パラメータを算出するステップは、異常終了回数を累積するステップと、設定された不正ポイントを直前までの不正ポイントに累積するステップと、前記累積された不正ポイントと前記累積された異常終了回数との比率から不正パラメータを算出するステップであることを特徴とする請求項1記載のゲーム管理方法。
【請求項4】
不正終了なしに対戦ゲームが実行される毎に前記識別したプレーヤの不正履歴情報を不正の度合いを減ずる方向で更新する減少処理ステップを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム管理方法。
【請求項5】
前記不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わせを報知するステップを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム管理方法。
【請求項6】
ネットワークを介して互いの操作情報を交換することで、複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームが実行可能なゲーム管理システムであって、
対戦ゲームの開始前にプレーヤを識別するプレーヤ識別手段と、
ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定する組み合わせ設定手段と、
進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定する不正終了判定手段と、
前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報を作成し、保存する不正履歴情報保存手段とからなり、
前記組み合わせ設定手段は、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わることを特徴とするゲーム管理システム。
【請求項7】
ネットワークを介して互いに情報を交換することで、対戦ゲームが実行可能なゲーム端末装置であって、
対戦ゲームの開始前にプレーヤを識別するプレーヤ識別手段と、
ネットワークを介して対戦ゲームの組み合わせを設定する組み合わせ設定手段と、
進行中のゲームがプレーヤの不正操作に起因してのゲームの不正終了か否かを判定する不正終了判定手段と、
前記不正終了させたプレーヤに対する不正の履歴情報を作成し、保存する不正履歴情報保存手段とからなり、
前記組み合わせ設定手段は、それぞれ識別したプレーヤの不正履歴情報を読み出し、不正履歴のあるプレーヤ同士を組み合わることを特徴とするゲーム端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2007−215716(P2007−215716A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38863(P2006−38863)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】