説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、プログラム

【課題】指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせるのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置300において、音声出力部301は、楽曲を再生して出力し、受付部302は、プレイヤからの入力を受け付け、判定部303は、当該入力が受け付けられた時刻(入力時)が、当該再生されて出力される楽曲のリズムに合わせて定められる複数の時刻(基準時)のいずれかに一致するか否かを判定し、決定部304は、前記判定部303の判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定し、前記音声出力部301は、当該ガイド音声を出力すると決定された場合、当該ガイド音声として所定の音声を当該楽曲のリズムに合わせてさらに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせるのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽のリズムに合わせてプレイヤが入力を操作する、いわゆる音楽ゲーム(リズムゲーム)が知られている。音楽ゲームは、操作タイミングデータが音楽のリズムに合わせて作成されており、それがデータ化されている。操作タイミングデータにより定義された基準となる操作タイミングと、実際にプレイヤが行った入力操作のタイミングとのずれの大小に基づいて、ゲーム成績が評価され、ゲームが進行していく(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−222280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特に初心者の場合には、入力するタイミングが基準に対してずれているのか否かをわかりやすく示してもらいたいという要望が強い。また、そのずれが、早いのか遅いのかを、詳しく知りたいという要望もある。従って、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせる技術が求められている。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせるのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、音声出力部と、受付部と、判定部と、決定部と、を含んで構成される。
【0006】
音声出力部は、楽曲を再生して出力する。
受付部は、プレイヤからの入力を受け付ける。
判定部は、当該入力が受け付けられた時刻(以下「入力時」という。)が、当該再生されて出力される楽曲のリズムに合わせて定められる複数の時刻(以下「基準時」という。)のいずれかに一致するか否かを判定する。
決定部は、前記判定部の判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する。
また、前記音声出力部は、当該ガイド音声を出力すると決定された場合、当該ガイド音声として所定の音声を当該楽曲のリズムに合わせてさらに出力する。
【0007】
これらの構成により、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせることができる。つまり、プレイヤが入力した入力時と楽曲のリズムに合わせて定められる基準時とが一致しない場合、当該楽曲のリズムに合わせて出力されるガイド音声から、プレイヤは入力するタイミングを知得することができる。ここで、入力時と基準時とが一致しない場合とは、入力時が基準時と比べ早い場合、また、入力時が基準時と比べ遅い場合をいう。なお、入力時と基準時との差の絶対値が、例えば、0.1秒以上の場合を一致しないとすることもできる。
【0008】
前記決定部は、当該入力時と当該基準時とが一致しない場合、当該ガイド音声を出力すると決定し、
前記音声出力部は、当該入力時と当該基準時とが一致しない回数に対応付けられる音量で当該所定の音声を出力する、することも可能である。
【0009】
これらの構成により、入力時と基準時とが一致しない回数が多い場合には出力されるガイド音声の音量が大きくなるため、プレイヤは、当該楽曲のリズムに合わせて出力されるガイド音声を認識でき、入力するタイミングを知得することができる。
【0010】
前記決定部は、当該入力時と当該基準時とが一致しない回数が所定の回数以上である場合、当該ガイド音声を出力すると決定する、ことも可能である。
【0011】
これらの構成により、入力時と基準時とが一定回数以上一致しない場合にのみガイド音声が出力されるため、プレイヤは、入力したタイミングが一定以上ずれていたことを知得することができる。
【0012】
前記判定部は、当該入力時が当該基準時より早いか、遅いか、をさらに判定し、
前記音声出力部は、当該ガイド音声として、前記判定部が早いと判定した場合は、第1の音声を、遅いと判定した場合は、第2の音声を出力する、ことも可能である。
【0013】
これらの構成により、プレイヤは、異なるガイド音声から入力時が早いか遅いかを認識できるため、入力するタイミングを知得することができる。
【0014】
前記音声出力部は、当該ガイド音声を当該楽曲のリズムに合わせて出力するのにかえて、当該楽曲のリズムを補正時間だけずらした時点に出力し、
当該補正時間の初期値は0であり、当該入力時と当該基準時との差の絶対値が所定の閾値以下である場合、当該補正時間は当該差に設定され、当該補正時間は時間の経過とともに減衰する、ことも可能である。
【0015】
これらの構成により、出力されるガイド音声が徐々に基準時に近づくため、プレイヤが当該ガイド音声に合わせて入力することにより、入力時と基準時とを徐々に一致させることができる。
【0016】
前記音声出力部は、当該ガイド音声を当該楽曲の拍子のそれぞれで出力し、
当該基準時は、当該楽曲の拍子のいずれか若しくは隣り合う拍子を1/2、1/4、若しくは、1/8に分割する時点のいずれかである、ことも可能である。
【0017】
これらの構成により、等しい間隔でガイド音声が出力されるため、プレイヤは楽曲のリズムを認識し、入力するタイミングを知得することができる。
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るゲーム制御方法は、音声出力部と、受付部と、判定部と、決定部と、を有するゲーム装置にて実行されるゲーム制御方法であって、音声出力工程と、受付工程と、判定工程と、決定工程と、を備える。
【0019】
音声出力工程では、楽曲を再生して出力する。
受付工程では、プレイヤからの入力を受け付ける。
判定工程では、当該入力が受け付けられた時刻(以下「入力時」という。)が、当該再生されて出力される楽曲のリズムに合わせて定められる複数の時刻(以下「基準時」という。)のいずれかに一致するか否かを判定する。
決定工程では、前記判定部の判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する。
また、前記音声出力工程では、当該ガイド音声を出力すると決定された場合、当該ガイド音声として所定の音声を当該楽曲のリズムに合わせてさらに出力する。
【0020】
上記の目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに上記のゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0021】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下では、本発明のゲーム装置の実施形態の一つについて説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0024】
(実施形態1)
まず、本発明の実施の形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図1を参照して説明する。
【0025】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、マット型コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0026】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0027】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0028】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、CPU 101がDVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出して実行する。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録され、CPU 101がこれらのプログラム等を読み出して実行する。
【0029】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行に必要なデータが保持される。
【0030】
インターフェース104を介して接続されたマット型コントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。例えば、マット型コントローラ105には、図2に示すように、左ボタン105a、下ボタン105b、上ボタン105c、右ボタン105d等が配置されている。マット型コントローラ105は、一般にユーザの足によって操作入力が行われる。そして、これらのボタンがユーザに押下されると、押下されたボタンに応じた操作入力を受け付ける。
なお、ユーザが手で操作を行う方向ボタン(方向キー)等を備えるコントローラを使用することもできる。
【0031】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータ、通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、マット型コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0032】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し,これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0033】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0034】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0035】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0036】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0037】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0038】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどの入出力デバイスを接続する形態も採用することができる。
【0039】
また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)を本発明に係るゲーム装置として利用することもできる。例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能させることができる。
【0040】
以下では、注記しない限り、後述するゲーム装置について、図1に示した情報処理装置100により説明を加える。ゲーム装置は、必要に応じて適宜一般的なコンピュータの要素に置換することができ、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0041】
(ゲームの説明)
図3は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置300により実現されるゲーム画面の一例を示す図である。以下、本図を参照して当該ゲームについて説明する。ゲーム画面200は、DVD−ROMドライブ107に装着されたDVD−ROMから読み出されるゲームプログラム及びゲームデータに基づいてモニタに生成される。同図に示すように、このゲーム画面200では、背景には背景画像206が全面に表示されており、基準画像201a、201b、201c、201dと、案内画像202a、202b、202c、202dと、ダンスゲージ203と、スコア204と、メッセージ205と、が背景画像206に重畳表示されている。スコア204はゲーム画面200の下段に表示されており、これまでの累積点数を表示するものである。メッセージ205は画面中段に表示されており、プレイヤの操作の巧拙に応じた内容の文字を表示するものである。例えば、「GREAT」、「PERFECT」、「GOOD」、「BAD」等の文字が表示される。
【0042】
ダンスゲージ203は画面上段に表示されており、ゲーム操作の優劣に応じて伸縮するゲージバーを含んでいる。例えば、ゲーム操作が高い評価を受けた場合は、ゲージバーは右方向に伸び、逆にゲーム操作が低い評価しか受けられなかった場合は、ゲージバーは左方向に縮む。そして、ゲージバーが所定長よりも短くなった場合には、ゲームオーバとなるようになっており、プレイヤはダンスゲージ203を見てゲームオーバが近いか否かを判断することができる。ダンスゲージ203の下側には、基準画像201a、201b、201c、201dがこの順に表示されている。基準画像201a、201b、201c、201dは、プレイヤが操作タイミングを判断するための基準である。
【0043】
また、DVD−ROMから読み出される楽曲データに基づいてスピーカから楽曲が出力される。当該楽曲データには、楽曲のリズムに合わせて定められる複数の時刻(基準時)が記憶されている。プレイヤからの入力が受け付けられた時刻(入力時)と基準時とのずれに応じて、ゲージバーは伸縮する。基準時は、各基準画像及び各案内画像と連動している。入力時と基準時とが一致するタイミングと案内画像と基準画像とが一致するタイミングとは等しい。
【0044】
図4は、入力時と基準時とのずれを説明するための図である。入力時401bは基準時401aと一致する(ずれがない)状態を示し、入力時402bは基準時402aに比べ入力が早い状態を示し、入力時403bは基準時403aに比べ入力が遅い状態を示す。プレイヤは、入力時401bのようなタイミングで入力を行うことにより、得点をあげることができる。一方、入力時402b又は403bのようなタイミングで入力を行うとゲージバーが縮小して、ゲージバーが所定長よりも短くなった場合には、ゲームオーバとなる。
【0045】
なお、必ずしも入力時が基準時に完全に重なるタイミングでプレイヤがマット型コントローラ105を操作しなければ得点を上げることができないという訳ではなく、その一致度に応じて得点が与えられるようになっている。つまり、入力時と基準時とのタイミングが近いほど、得点は高くなる。なお、案内画像202a、202b、202c、202dの出現数、出現順序、及び基準時等は、DVD−ROM等に記録されたゲームプログラム及びゲームデータに基づき決定される。
【0046】
(ゲーム装置の構成)
次に、本実施の形態に係るゲーム装置300の概要構成について図5を参照して説明する。ゲーム装置300は、音声出力部301と、受付部302と、判定部303と、決定部304と、を備える。以下にゲーム装置300の各構成要素について説明する。なお、各部の機能は互いに連関し合っているが、用途に応じて各部の採否を適宜変更することができる。
【0047】
音声出力部301は、ゲームをプレイする際に再生される楽曲をスピーカ等から出力する。当該楽曲は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ等の所定形式で、DVD−ROM等に記憶されている。また、音声出力部301は、例えば、手拍子音及びメトロノーム音等、当該楽曲のリズムをプレイヤに知らせる音(以下、ガイド音声)を、スピーカから出力する。
なお、CPU 101、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM、及び音声処理部109等が協働して動作することにより、音声出力部301として機能する。
【0048】
受付部302は、マット型コントローラ105を通じてプレイヤが操作した入力を受け付け、当該入力情報を後述する判定部303に渡す。受付部302を通じてプレイヤからの入力が受け付けられた時刻が入力時となる。図3に示すように、4つの案内画像202a、202b、202c、202dに対応する4つの入力時が存在する。
なお、CPU 101、インターフェース104、及びマット型コントローラ105等が協働して動作することにより、受付部302として機能する。
【0049】
判定部303は、入力時と基準時とのずれを判定し、当該判定結果を後述する決定部304に渡す。判定部303は、図4に示すように、入力時と基準時とを比較して、ずれ幅(ずれのタイミング)を判定する。当該ずれ幅は、例えば、秒、拍数、又はクロック数を基準として判定される。
なお、CPU 101、及びRAM 103等が協働して動作することにより、判定部303として機能する。
【0050】
決定部304は、判定部303が判定した結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する。ガイド音声を出力する場合、決定部304は、決定結果を音声出力部301に渡す。
なお、CPU 101、及びRAM 103等が協働して動作することにより、決定部304として機能する。
【0051】
(音声出力処理)
次に、ガイド音声が出力される音声出力処理を、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
ゲーム装置300の電源が投入されてゲームが開始されると、音声出力部301は、DVD−ROM等から必要な楽曲を読み出し、当該楽曲をスピーカから出力する。楽曲には、楽曲のリズムに合わせられた複数の基準時が定められている。当該基準時は、楽曲、ゲームの難易度等により、基準となる位置及び個数等が異なる。楽曲が再生されると、受付部302は、プレイヤからの入力を受け付ける(ステップS11)。受付部302が入力を受け付けた時刻が入力時となる。
【0053】
次に、CPU 101は、入力時が基準時に比べ、早いか、一致するか、又は、遅いかを判定する(ステップS12)。当該判定結果に基づいて、ガイド音声が出力されるか否かが決定される。また、CPU 101は、入力時と基準時との差(例えば、−0.5秒、2000クロック)を判定する。従って、CPU 101は、RAM 103等と協働して動作することにより、判定部303として機能する。
【0054】
入力時と基準時とが一致すると判定された場合(ステップS12;一致)、ステップS11に遷移し、受付部302は、プレイヤからの入力を受け付ける。
【0055】
入力時が基準時より早いと判定された場合(ステップS12;早い)、当該早いと判定された回数が判定される(ステップS13)。CPU 101は、入力時が基準時より早いと判定された回数をカウントし、当該回数が所定の回数(例えば、5回)以上か否かを判定する。CPU 101は、当該判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する。図7は、ガイド音声を出力する条件を示す図である。CPU 101は、図7に示すように、不一致(入力が早い場合又は遅い場合)の回数が所定回数以上の場合に、ガイド音声の出力を開始する(ガイド音声の音量を上げる)。さらに、不一致の回数が増加する場合、ガイド音声の音量を徐々に上げることにより、プレイヤは、出力されるガイド音声をよりはっきりと認識できるため、入力するタイミングを知得することができる。
【0056】
また、CPU 101は、入力時と基準時との不一致回数及び入力時と基準時との差に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定することもできる。図8は、ガイド音声を出力する条件範囲を示す図である。CPU 101は、例えば、図8に示すように、不一致の回数が少ない場合であっても、入力時と基準時との差が大きい場合、ガイド音声を出力すると決定することもできる。従って、CPU 101は、RAM 103等と協働して動作することにより、決定部304として機能する。
【0057】
不一致の回数が所定回数未満の場合(ステップS13;No)、ステップS11に遷移し、受付部302は、プレイヤからの入力を受け付ける。
【0058】
一方、不一致の回数が所定回数以上の場合(ステップS13;Yes)、音声出力部301は、決定部304の決定に基づいて、ガイド音声を出力する(ステップS14)。音声出力部301は、第1のガイド音声として、例えば、手拍子音をスピーカから出力させる。ガイド音声と楽曲とは、同期しており、例えば、楽曲のテンポが遅くなった場合、ガイド音声が出力されるテンポも遅くなる。
【0059】
図9は、楽曲の拍子を分割する時点を示す図である。音声出力部301は、図9に示すように、楽曲の拍子のいずれか若しくは隣り合う拍子を1/2、1/4、若しくは、1/8に分割する。
【0060】
図10は、ガイド音声を出力する時点を示す図である。音声出力部301は、図10に示すように、当該楽曲の拍子を分割した時点の全部又は一部の時点において、ガイド音声である手拍子音501を出力する。
【0061】
また、音声出力部301は、決定部304がカウントした入力時と基準時との不一致の回数に基づいて、ガイド音声の音量を変更することもできる。例えば、不一致の回数が多いほど、ガイド音声の音量を大きくすることができる。CPU 101、及び音声処理部109等が協働して動作することにより、音声出力部301として機能する。
なお、再生されている楽曲の音量は一定である。
【0062】
なお、ガイド音声は、メトロノーム音、「早い」又は「もっとゆっくり」等とのかけ声等、任意である。また、ガイド音声の音色、音程、音調、及び長さ等は、任意である。さらに、ガイド音声は、音声に限られず、「遅い」及び「もっと早く」等の文字、手拍子を示すマーク等の所定の画像とすることもできる。
また、楽曲の拍子を分割する時点は、例えば、3/4拍子、12/8拍子等、任意の時点で分割することができる。
【0063】
次に、入力時が基準時より遅いと判定された場合(ステップS12;遅い)、当該遅いと判定された回数が判定される(ステップS15)。ステップS13と同様に、決定部304は、入力時が基準時より遅いと判定された回数をカウントし、当該回数が所定の回数(例えば、5回)以上か否かを判定する。決定部304は、当該判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する。
【0064】
不一致の回数が所定回数未満の場合(ステップS15;No)、ステップS11に遷移し、受付部302は、プレイヤからの入力を受け付ける。
【0065】
一方、不一致の回数が所定回数以上の場合(ステップS15;Yes)、音声出力部301は、ステップS14と同様に、決定部304の決定に基づいて、ガイド音声を出力する(ステップS16)。
【0066】
以上の処理により、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせることができる。つまり、プレイヤは、表示される画面に加え、ガイド音声に基づいて入力すべきタイミングを知得することができる。
【0067】
(実施形態2)
上記実施形態においては、楽曲の拍子を所定の区分で分割した時点においてガイド音声を出力する場合について、様々な態様を説明したが、本実施形態は、その変種にかかるものである。本実施形態は、図5と同様の構成であり、その説明は省略する。
本実施形態は、基準時から補正時間だけずれた時点においてガイド音声を出力し、当該補正時間を減衰させることにより、ガイド音声が出力される時点を徐々に基準時に近づける。補正時間が徐々に減衰するため、プレイヤがガイド音声に順って入力を続けることにより、入力時と基準時とが一致することとなる。
【0068】
第2の実施形態に係る音声出力処理を、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
まず、補正時間を更新するCPU 101は、補正時間の初期値を0と設定する(ステップS21)。補正時間が0の場合、ガイド音声が出力される時点は第1の実施形態と同様である。
【0070】
次に、受付部302が入力を受け付けると(ステップS22)、CPU 101は、当該入力時と当該基準時との差の絶対値が所定の閾値(例えば、1/4小節)以下であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0071】
当該差の絶対値が所定の閾値以下である場合(ステップS23;Yes)、音声出力部301は、ガイド音声を当該楽曲のリズムに合わせて出力するのにかえて、当該補正時間だけずらした時点においてガイド音声を出力する(ステップS24)。図12は、ガイド音声が出力される時点を説明するためのタイムチャートである。音声出力部301は、図12に示すように、入力時と基準時との差だけずらした時点において、ガイド音声を出力する。
【0072】
一方、当該差の絶対値が所定の閾値より大きい場合(ステップS23;No)、基準時(第1の実施形態と同様の時点)においてガイド音声は出力される(ステップS27)。
【0073】
次に、補正時間を更新するCPU 101は、図12に示すように、当該差を徐々に減衰させる(ステップS25)。当該減少させた差を補正時間として設定することによって、ガイド音声が出力される時点は、徐々に基準時に近づくこととなる。
なお、CPU 101は、当該補正時間を、例えば、線形的、又は指数的等、任意に減衰させることができる。
【0074】
次に、CPU 101は、当該差が0か否か、又は、当該差が所定値以下か否かを判定する(ステップS26)。当該差が0でない場合(ステップS26;No)、減少した差が補正時間として設定され、当該補正時間だけずれた時点においてガイド音声が出力される(ステップS24)。以降、当該差を減少させることにより、ガイド音声が出力される時点が徐々に基準時に近づくこととなる。
【0075】
一方、当該差が0の場合(ステップS26;Yes)、補正時間が0であるため、ガイド音声は基準時において出力される。
【0076】
以上により、補正時間が時間の経過とともに減衰するため、出力されるガイド音声が徐々に基準時に近づく。従って、プレイヤが当該ガイド音声に合わせて入力を続けることにより、入力時と基準時とを一致させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上説明したように、本発明によれば、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせるのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲーム装置等が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】マット型コントローラを示す図である。
【図3】ゲーム画面例を示す図である。
【図4】基準時と入力時とのずれを示すタイムチャートである。
【図5】ゲーム装置の概要構成を示す説明図である。
【図6】音声出力処理を説明するフローチャートである。
【図7】ガイド音声を出力する条件範囲の一例を示す図である。
【図8】図7の変形例を示す図である。
【図9】楽曲の拍子を分割する時点を示す図であり、(a)は2/2拍子を示し、(b)は4/4拍子を示し、(c)は8/8拍子を示す。
【図10】ガイド音声を出力する時点を示す図である。
【図11】第2の実施形態に係る音声出力処理を説明するフローチャートである。
【図12】ガイド音声を出力する時点を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
【0079】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 マット型コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 ゲーム画面
201a、201b、201c、201d 基準画像
202a、202b、202c、202d 案内画像
203 ダンスゲージ
204 スコア
205 メッセージ
206 背景画像
300 ゲーム装置
301 音声出力部
302 受付部
303 判定部
304 決定部
401a、402a、403a 基準時
401b、402b、403b 入力時
501 手拍子音

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲を再生して出力する音声出力部と、
プレイヤからの入力を受け付ける受付部と、
当該入力が受け付けられた時刻(以下「入力時」という。)が、当該再生されて出力される楽曲のリズムに合わせて定められる複数の時刻(以下「基準時」という。)のいずれかに一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する決定部と、を備え、
前記音声出力部は、当該ガイド音声を出力すると決定された場合、当該ガイド音声として所定の音声を当該楽曲のリズムに合わせてさらに出力する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記決定部は、当該入力時と当該基準時とが一致しない場合、当該ガイド音声を出力すると決定し、
前記音声出力部は、当該入力時と当該基準時とが一致しない回数に対応付けられる音量で当該所定の音声を出力する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記決定部は、当該入力時と当該基準時とが一致しない回数が所定の回数以上である場合、当該ガイド音声を出力すると決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記判定部は、当該入力時が当該基準時より早いか、遅いか、をさらに判定し、
前記音声出力部は、当該ガイド音声として、前記判定部が早いと判定した場合は、第1の音声を、遅いと判定した場合は、第2の音声を出力する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記音声出力部は、当該ガイド音声を当該楽曲のリズムに合わせて出力するのにかえて、当該楽曲のリズムを補正時間だけずらした時点に出力し、
当該補正時間の初期値は0であり、当該入力時と当該基準時との差の絶対値が所定の閾値以下である場合、当該補正時間は当該差に設定され、当該補正時間は時間の経過とともに減衰する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記音声出力部は、当該ガイド音声を当該楽曲の拍子のそれぞれで出力し、
当該基準時は、当該楽曲の拍子のいずれか若しくは隣り合う拍子を1/2、1/4、若しくは、1/8に分割する時点のいずれかである、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
音声出力部と、受付部と、判定部と、決定部と、を有するゲーム装置にて実行されるゲーム制御方法であって、
前記音声出力部が、楽曲を再生して出力する音声出力工程と、
前記受付部が、プレイヤからの入力を受け付ける受付工程と、
前記判定部が、当該入力が受け付けられた時刻(以下「入力時」という。)が、当該再生されて出力される楽曲のリズムに合わせて定められる複数の時刻(以下「基準時」という。)のいずれかに一致するか否かを判定する判定工程と、
前記決定部が、前記判定部の判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する決定工程と、を備え、
前記音声出力工程は、当該ガイド音声を出力すると決定された場合、当該ガイド音声として所定の音声を当該楽曲のリズムに合わせてさらに出力する、
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、
楽曲を再生して出力する音声出力部と、
プレイヤからの入力を受け付ける受付部と、
当該入力が受け付けられた時刻(以下「入力時」という。)が、当該再生されて出力される楽曲のリズムに合わせて定められる複数の時刻(以下「基準時」という。)のいずれかに一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、ガイド音声を出力するか否かを決定する決定部と、として機能させ、
前記音声出力部は、当該ガイド音声を出力すると決定された場合、当該ガイド音声として所定の音声を当該楽曲のリズムに合わせてさらに出力する、
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−29295(P2010−29295A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192497(P2008−192497)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【特許番号】特許第4361592号(P4361592)
【特許公報発行日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】