ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム
【課題】選手キャラクタ間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが移動物体を保持している状態において、パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、操作対象変更部64は、ユーザの操作対象を、第1選手キャラクタから第2選手キャラクタに変更する。第2選手制御部66bは、第2選手キャラクタをユーザの操作に基づいて移動させる。第1選手制御部66aは、対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、第1選手キャラクタ及び移動物体を移動させる。さらに、第1選手制御部66aは、第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、第2選手キャラクタの位置、とが所定条件を満足すると判定された場合、第2選手キャラクタへのパスを第1選手キャラクタに行わせる。
【解決手段】ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが移動物体を保持している状態において、パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、操作対象変更部64は、ユーザの操作対象を、第1選手キャラクタから第2選手キャラクタに変更する。第2選手制御部66bは、第2選手キャラクタをユーザの操作に基づいて移動させる。第1選手制御部66aは、対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、第1選手キャラクタ及び移動物体を移動させる。さらに、第1選手制御部66aは、第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、第2選手キャラクタの位置、とが所定条件を満足すると判定された場合、第2選手キャラクタへのパスを第1選手キャラクタに行わせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームが知られている。例えば、サッカーゲーム、バスケットボールゲーム又はアイスホッケーゲームが知られている。
【特許文献1】特開2007−167141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなゲームでは、ユーザは選手キャラクタ間のパスを繰り返し行いながら得点イベントの発生を目指す。このため、上記のようなゲームでは、選手キャラクタ間のパスに関する操作の操作性を向上する必要がある。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームにおいて、選手キャラクタ間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、を含み、前記第1選手制御手段は、前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択ステップと、前記パス目標選択ステップによって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更ステップと、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御ステップと、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御ステップと、を含み、前記第1選手制御ステップは、前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御ステップと、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定するステップと、前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせるステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、として前記コンピュータを機能させ、前記第1選手制御手段は、前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含むことを特徴とするプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0009】
本発明によれば、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームにおいて、選手キャラクタ間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに実行させる手段と、を含むようにしてもよい。
【0011】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記移動制御手段による前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体の移動制御の実行を制限する手段と、を含むようにしてもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、前記基準時間を前記ユーザの操作に基づいて設定する手段を含むようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記基準時点からの経過時間、又は前記基準時点から前記基準時間が経過するまでの残り時間を前記ユーザに案内する手段を含むようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタへのパスの態様を前記ユーザの操作に基づいて決定する手段を含むようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記第1選手キャラクタが所定の第1条件を満足する選手キャラクタでない場合、前記操作対象変更手段による前記ユーザの操作対象の変更、又は前記第1選手制御手段による制御の実行を制限する手段を含むようにしてもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、所定の第2条件を満足する選手キャラクタを、前記パス目標の選手キャラクタとして選択するようにしてもよい。
【0017】
また本発明の一態様では、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定するようにユーザに案内する手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記第1選手キャラクタ及び前記第2選手キャラクタ以外の選手キャラクタの行動を、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて制御する手段と、を含むようにしてもよい。前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、前記パス目標の選手キャラクタを、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて選択するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、モニタ32、スピーカ34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。モニタ32及びスピーカ34は家庭用ゲーム機11に接続される。モニタ32としては例えば家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカが用いられる。
【0020】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0021】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、光ディスク36又はハードディスク26から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶16は例えばRAMを含む。主記憶16には光ディスク36又はハードディスク26から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶16はマイクロプロセッサ14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0022】
画像処理部18はVRAMを含み、マイクロプロセッサ14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、画像処理部18はVRAM上に描画されたゲーム画面をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ32に出力する。
【0023】
入出力処理部20はマイクロプロセッサ14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36又はハードディスク26からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(例えば、ゲーム音楽、ゲーム効果音、又はメッセージ等)をスピーカ34から出力する。通信インタフェース28は家庭用ゲーム機11を通信ネットワークに有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0024】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。
【0025】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための汎用操作入力手段である。家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ30を接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14はその操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。なお、コントローラ30は家庭用ゲーム機11に有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。
【0026】
ゲーム装置10では、例えば、第1チームと第2チームとの間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36又はハードディスク26から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。以下では、第1チームはユーザによって操作され、第2チームはコンピュータ(マイクロプロセッサ14)によって操作されることとして説明する。なお、第2チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0027】
サッカーゲームのゲーム画面を表示するために、仮想3次元空間が主記憶16に構築される。図2は仮想3次元空間の一例を示す。図2に示すように、仮想3次元空間40には、サッカーのフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42には例えばゴールライン42aやサイドライン42bが表される。また、フィールド42上には、ゴールを表すオブジェクトであるゴール44と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ46と、サッカーボール(移動物体)を表すオブジェクトであるボール48と、が配置される。
【0028】
ゴール44の一方は第1チームに対応づけられ、他方は第2チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール44内にボール48が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0029】
また、図2では省略されているが、第1チームに所属する11体の選手キャラクタ46と、第2チームに所属する11体の選手キャラクタ46と、がフィールド42上に配置される。
【0030】
選手キャラクタ46とボール48とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ46とボール48とが関連づけられる。この場合、ボール48は選手キャラクタ46に従動する。この様子は選手キャラクタ46のドリブル動作として表される。以下では、ボール48が選手キャラクタ46に関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ46がボール48を保持している」というように記載する。
【0031】
また、ある選手キャラクタ46がボール48を保持している状態において、他の選手キャラクタ46とボール48とが近づくと、所定条件の下、該他の選手キャラクタ46とボール48とが関連づけられる。このようにして、ボール48を保持している選手キャラクタ46から他の選手キャラクタ46がボール48を奪取する。
【0032】
上述したように第1チームはユーザによって操作されるため、第1チームに所属する選手キャラクタ46のいずれかがユーザの操作対象に設定される。試合中に、ユーザの操作対象は、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちで変更される。より具体的には、ユーザが所定操作(例えば所定ボタンの押下操作)を行った場合に、ユーザの操作対象が、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちの他の選手キャラクタ46に変更される。
【0033】
なお以下では、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちの、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ46のことを「操作対象選手キャラクタ」と記載する。また、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちの、操作対象選手キャラクタ以外の選手キャラクタ46のことを「味方選手キャラクタ」と記載する。さらに、第2チームに所属する選手キャラクタ46のことを「敵選手キャラクタ」と記載する。
【0034】
操作対象選手キャラクタはユーザの操作に基づいて動作する。例えば、操作対象選手キャラクタはユーザの移動指示操作に従って移動する。また例えば、ユーザがパス又はシュート指示操作を行った場合、操作対象選手キャラクタはパス又はシュート動作を行う。
【0035】
一方、味方選手キャラクタはコンピュータによって操作され、所定のアルゴリズムに従って動作する。このサッカーゲームでは、第1チームの戦術(行動制御情報)を設定するようにユーザに案内する設定画面が、例えば前半や後半の開始前にモニタ32に表示される。そして、設定画面でユーザは第1チームの戦術を設定する。第1チームの戦術としては、例えば第1チームのフォーメーションや作戦が設定される。設定画面では、例えば、あらかじめ用意された複数種類のフォーメーションのうちのいずれかをユーザは選択する。また例えば、あらかじめ用意された複数種類の作戦のうちのいずれかをユーザは選択する。作戦としては、例えば「右サイドアタック」、「左サイドアタック」、「カウンターアタック」、又は「サイドチェンジ」がある。「右サイドアタック」とは、右側のサイドライン42b付近の領域を主に用いて攻撃を行う作戦であり、「左サイドアタック」とは、左側のサイドライン42b付近の領域を主に用いて攻撃を行う作戦である。「カウンターアタック」とは、攻撃の選手キャラクタ46を前線に残しておき、対戦相手チームからボールを奪った場合には、その選手キャラクタ46に直ちにパスを出すことによって、速やかに攻撃を行う作戦である。「サイドチェンジ」とは、ロングパスによって、一方のサイドライン42b付近の領域から他方のサイドライン42b付近の領域へとボール48を移動させながら攻撃を行う作戦である。ユーザが設定した戦術に基づいて味方選手キャラクタの行動が制御され、ユーザが設定した戦術に合わせて味方選手キャラクタは行動する。
【0036】
また、上述したように第2チームはコンピュータによって操作されるため、敵選手キャラクタも所定のアルゴリズムに従って動作する。具体的には、敵選手キャラクタの行動は、コンピュータが設定した戦術に基づいて制御される。
【0037】
仮想3次元空間40には仮想カメラ49(視点)が設定される。仮想カメラ49は、例えばボール48の移動に基づいて仮想3次元空間40内を移動する。なお、仮想カメラ49は操作対象選手キャラクタの移動に基づいて移動するようにしてもよい。仮想カメラ49から仮想3次元空間40をから見た様子を表すゲーム画面がモニタ32に表示される。
【0038】
図3はゲーム画面の一例を示す。図3に示すゲーム画面50には、六名の選手キャラクタ46a,46b,46c,46d,46e,46fが表示されている。選手キャラクタ46aは操作対象選手キャラクタであり、ボール48を保持している。選手キャラクタ46aの頭上には、選手キャラクタ46aが操作対象選手キャラクタであることを示すマーク画像52が表示されている。また、二名の選手キャラクタ46b,46cは味方選手キャラクタであり、残りの三名の選手キャラクタ46d,46e,46fは敵選手キャラクタである。
【0039】
ここで、操作対象選手キャラクタ(選手キャラクタ46a)から他の選手キャラクタ46へのパスを実行する場合のユーザの操作について説明する。
【0040】
この場合、まず、ユーザはコントローラ30の所定ボタン(以下「パス目標設定ボタン」と記載する。)を押下することによって、パス目標とする選手キャラクタ46を指定する。具体的には、ユーザがパス目標設定ボタンを押下すると、マーク画像52が他の味方選手キャラクタの頭上に移動する。さらに、ユーザがパス目標設定ボタンを押下すると、さらに他の味方選手キャラクタの頭上にマーク画像52が移動する。このように、ユーザがパス目標設定ボタンを押下するごとに、所与の優先順序に従って、マーク画像52が他の味方選手キャラクタの頭上に移動する。ユーザは、パス目標としたい味方選手キャラクタの頭上にマーク画像52が移動するまで、パス目標設定ボタンを一又は複数回押下する。
【0041】
図4は、ユーザが選手キャラクタ46b上にマーク画像52を移動させ、選手キャラクタ46bをパス目標として選択した状態を示している。なお上述したように、マーク画像52はユーザの操作対象を案内するための画像であるため、この場合、ユーザの操作対象が選手オブジェクト46aから選手オブジェクト46bに変更されている。このように、ユーザがパス目標の選手キャラクタ46を選択すると、ユーザの操作対象がその選手キャラクタ46に切り替わるようになっている。つまり、パス目標の選手キャラクタ46を選択する操作は、ユーザの操作対象を他の選手キャラクタ46に変更する操作にも相当している。
【0042】
図4に示すゲーム画面50では、選手キャラクタ46bは操作対象選手キャラクタになったため、ユーザの操作に基づいて動作する。一方、選手キャラクタ46aは操作対象選手キャラクタでなくなったため、コンピュータの操作に基づいて動作する。この場合、コンピュータは、敵選手キャラクタ(選手キャラクタ46d〜46f)にボール48を奪われないように、選手キャラクタ46aにドリブル動作(ボールキープ動作)を行わせる。さらに、この場合、コンピュータは、選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタに妨げられずに行えるような状態であれば、選手キャラクタ46aに選手キャラクタ46bへのパスを行わせる。
【0043】
図4に示す状態では、選手キャラクタ46aと選手キャラクタ46bとの間に敵選手キャラクタ(選手キャラクタ46d,46e)がいるため、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタによって妨げられると判断され、パスは実行されない。この場合、コンピュータは、選手キャラクタ46bへのパスを敵選手キャラクタに妨げられずに行えるような位置まで、選手キャラクタ46aを移動させる。例えば、コンピュータは、図4に示すMa方向に向けて選手キャラクタ46aを移動させる。一方、ユーザは、選手キャラクタ46aからのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで、選手キャラクタ46bを移動させる。例えば、ユーザは選手キャラクタ46bを図4に示すMb方向に移動させる。図5はその場合のゲーム画面50を示す。なお、図5では、選手キャラクタ46c〜46fの位置が変化していないが、実際には、これらの選手キャラクタ46c〜46fもコンピュータによって操作されることによって移動する。
【0044】
図5に示す状態では、選手キャラクタ46aと選手キャラクタ46bとの間に敵選手キャラクタがいないため、コンピュータは、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタに妨げられないと判断し、選手キャラクタ46bへのパスを選手キャラクタ46aに実行させる。図6はパスが実行された後のゲーム画面50を示す。
【0045】
なお、パス目標として選手キャラクタ46bが選択された時点(つまり、ユーザの操作対象が選手キャラクタ46bに変更された時点)からの経過時間が基準時間(例えば3秒)に達した場合には、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタに妨げられるような状態であっても、コンピュータは、選手キャラクタ46bへのパスを選手キャラクタ46aに行わせる。このため、ユーザは、基準時間(制限時間)以内に、選手キャラクタ46aからのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで、選手キャラクタ46bを移動させる必要がある。
【0046】
以上のように、ゲーム装置10では、操作対象選手キャラクタがボール48を保持している状態でパス目標の選手キャラクタ46が指定された場合、そのパス目標の選手キャラクタ46に対して直ちにパスが実行されるのではなく、まず、ユーザの操作対象が、パス目標の選手キャラクタ46に変更される。その後、ボール48を保持している選手キャラクタ46(すなわち、元々の操作対象選手キャラクタ)から、パス目標の選手キャラクタ46(すなわち、現在の操作対象選手キャラクタ)に対して、パスが実行される。このため、ゲーム装置10では、選手キャラクタ46間のパスが実行される場合に、ユーザは、パスを受ける方の選手キャラクタ46を操作できるようになっている。その結果として、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性の向上が図られている。
【0047】
またゲーム装置10では、ユーザの操作対象が、パス目標の選手キャラクタ46に変更された場合、ボール48を保持している選手キャラクタ46(すなわち、元々の操作対象選手キャラクタ)は、敵選手キャラクタにボール48を奪われないように、ボールキープ動作を自動的に行う。その結果、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作にユーザは専念できるようになっている。この点でも、ゲーム装置10では選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性が向上している。
【0048】
またゲーム装置10では、ボール48を保持している選手キャラクタ46から、パス目標の選手キャラクタ46へのパスが可能な状態になったか否かが監視され、パスが可能な状態になった場合にパスが自動的に実行される。ユーザがパスの実行タイミングを決定する場合、ユーザはパスが可能な状態であるか否かを監視しながら、パスの実行タイミングを判断する必要がある。この点、ゲーム装置10によれば、パスが可能な状態であるか否かをユーザは監視する必要がなくなり、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作に専念できるようになっている。この点でも、ゲーム装置10では選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性が向上している。
【0049】
さらにゲーム装置10では、ユーザは、ボール48を保持する選手キャラクタ46からのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで、
パスを受ける方の選手キャラクタ46を移動させる必要がある。特にゲーム装置10では、ユーザはそのような移動操作を制限時間(例えば3秒間)内に行う必要がある。その結果、ゲーム装置10では、上記のような移動操作を制限時間内に行わなければならないという楽しみがユーザに与えられるようになっている。その結果として、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作の興趣が向上している。
【0050】
次に、上記のサッカーゲームを実現するための構成について説明する。図7は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を主として示す機能ブロック図である。図7に示すように、ゲーム装置10は、ゲーム状況データ記憶部60、パス目標選択部62、操作対象変更部64、選手制御部66、及び表示制御部68を含む。ゲーム状況データ記憶部60は例えば主記憶16によって実現され、その他の機能ブロックはマイクロプロセッサ14がプログラムを実行することによって実現される。なお、表示制御部68はマイクロプロセッサ14及び画像処理部18によって実現される。
【0051】
ゲーム状況データ記憶部60は、ゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する。例えば、選手キャラクタ46の現在の状態(例えば位置や姿勢など)がゲーム状況データ記憶部60に記憶される。また、ボール48の状態(例えば位置、移動方向や移動速度など)がゲーム状況データ記憶部60に記憶される。さらに、仮想カメラ49の状態(例えば位置や視線方向など)がゲーム状況データ記憶部60に記憶される。
【0052】
以上の他、現在ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ46や、現在ボール48を保持している選手キャラクタ46などを特定するためのデータがゲーム状況データ記憶部60に記憶される。図8はこのデータの一例を示す図である。図8に示すデータは、「操作対象選手ID」、「ボール保持選手ID」、及び「パス目標選手ID」フィールドを含んでいる。「操作対象選手ID」は、その時点でユーザが操作している選手キャラクタ46の識別情報を示す。「ボール保持選手ID」は、その時点でボール48を保持している選手キャラクタ46の識別情報を示す。「パス目標選手ID」は、ボール48を保持している選手キャラクタ46のパス目標に設定されている選手キャラクタ46の識別情報を示す。なお、図8において、「A」は例えば図4における選手キャラクタ46aのIDであり、「B」は例えば図4における選手キャラクタ46bのIDである。図8に示す例は図4に示す状態に対応している。
【0053】
パス目標選択部62は、第1チームに所属する操作対象選手キャラクタ(以下「選手キャラクタA」とする。)がボール48を保持している場合において、ユーザの操作に基づいて、第1チームに所属する味方選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタ46(以下「選手キャラクタB」とする。)を選択する。
【0054】
本実施形態の場合、パス目標選択部62は、第1チームの味方選手キャラクタの優先順序を取得する。例えば、優先順序は、操作対象選手キャラクタ(又はボール48)に近い味方選手キャラクタから順に並ぶように設定される。ここで、第1チームのすべての味方選手キャラクタに優先順位を設定する必要はない。例えば、ゴールキーパーをパス目標として選択できないようにするために、ゴールキーパーには優先順位を設定しないようにしてもよい。なお、上記の優先順序は、操作対象選手キャラクタ(又はボール48)と、味方選手キャラクタと、の間の位置関係が変化した場合に更新される。ユーザによってパス目標設定ボタンが押下された場合、パス目標選択部62は、その押下回数に対応する優先順位が設定された味方選手キャラクタをユーザがパス目標として選択したと判断する。例えば、パス目標設定ボタンの押下回数が1回である場合には、優先順位が「1」である味方選手キャラクタがパス目標として選択されたと判断される。
【0055】
パス目標として選手キャラクタBが選択された場合、操作対象変更部64はユーザの操作対象を選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更する。この場合、図8に示すデータの「操作対象選手ID」及び「パス目標選手ID」がともに選手キャラクタBのIDに更新される。なお、「ボール保持選手ID」は選手キャラクタAのIDのままになる。
【0056】
選手制御部66は選手キャラクタ46の動作制御を実行する。選手制御部66は、選手キャラクタ46に動作を行わせる場合、その選手キャラクタ46がその動作を行うように、ゲーム状況データ記憶部60に記憶されるその選手キャラクタ46の状態(例えば位置、姿勢や移動方向など)を更新する。図7に示すように、選手制御部66は第1選手制御部66a及び第2選手制御部66bを含む。
【0057】
第1選手制御部66aは、ユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された後の選手キャラクタAの動作制御を実行する。
【0058】
例えば、第1選手制御部66a(移動制御手段)は、選手キャラクタAが保持しているボール48が敵選手キャラクタに奪われないように、選手キャラクタAにボールキープ動作(ドリブル動作)を行わせる。
【0059】
また、第1選手制御部66aは、選手キャラクタA又は/及びボール48の位置と、選手キャラクタBの位置と、に関する条件を、選手キャラクタA又は/及びボール48の位置と、選手キャラクタBの位置と、が満足するか否かを判定する。
【0060】
ここで、「条件」とは、選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが敵選手キャラクタによって妨げられるか否かを判定するための条件である。例えば、「条件」は、選手キャラクタA(又はボール48)と、選手キャラクタBと、の間の領域内に位置する敵選手キャラクタの数が0であるか否かの条件である。また例えば、「条件」は、選手キャラクタAの位置から選手キャラクタBの位置への直線上及びその付近に位置する敵選手キャラクタの数が0であるか否かの条件である。なお、上記の二つの例は、いずれも、選手キャラクタA又は/及びボール48の位置と、選手キャラクタBの位置と、敵選手キャラクタの位置と、に関する条件になっている。
【0061】
上記条件が満足されると判定された場合、第1選手制御部66aは選手キャラクタAに選手キャラクタBへのパスを実行させる。
【0062】
一方、第2選手制御部66bは、ユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された後の選手キャラクタBの動作制御を実行する。第2選手制御部66bは選手キャラクタBをユーザの操作に基づいて動作させる。
【0063】
表示制御部68は、仮想3次元空間40を仮想カメラ49から見た様子を表すゲーム画面50をゲーム状況データに基づいて生成し、該ゲーム画面50をモニタ32に表示する。
【0064】
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図9は、操作対象選手キャラクタ(以下では「選手キャラクタA」とする。)がボール48を保持している状態において、ユーザがパス目標の選手キャラクタ46(以下では「選手キャラクタB」とする。)を選択したとマイクロプロセッサ14(パス目標選択部62)が判定した場合にゲーム装置10が実行する処理を示すフロー図である。
【0065】
まず、マイクロプロセッサ14(操作対象変更部64)は、ユーザの操作対象を、パス目標として選択された選手キャラクタBに変更する(S101)。この場合、図8に示すデータの「操作対象選手ID」が選手キャラクタBのIDに更新される。なお、図8に示すデータの「パス目標選手ID」も選手キャラクタBのIDに更新される。
【0066】
その後、マイクロプロセッサ14(第2選手制御部66b)は、選手キャラクタBの状態(位置及び姿勢など)をユーザの操作内容に基づいて更新する(S102)。例えば、マイクロプロセッサ14は、選手キャラクタBをユーザの移動指示操作に基づいて移動させる。なお、図9では省略されているが、このステップの処理と並行して、選手キャラクタA以外の味方選手キャラクタ、及び敵選手キャラクタの状態を更新する処理も実行される。
【0067】
また、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は、ボール48を保持している選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態であるか否かを判定する(S103)。例えば、選手キャラクタAと選手キャラクタBとの間の領域内に位置する敵選手キャラクタの数が0であるか否かが判定される。そして、選手キャラクタAと選手キャラクタBとの間の領域内に位置する敵選手キャラクタの数が0である場合、選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態であると判定される。
【0068】
選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態でないと判定された場合、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は、基準時点からの経過時間が基準時間(例えば3秒)に達したか否かを判定する(S104)。ここで、「基準時点」とは、例えば、パス目標として選手キャラクタBが選択された時点、又はユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された時点のいずれかに基づく時点であり、より具体的には、パス目標として選手キャラクタBが選択された時点自体、又はユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された時点自体である。
【0069】
基準時点からの経過時間が基準時間に達していないと判定された場合、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は選手キャラクタAにボールキープ動作を行わせる(S105)。すなわち、マイクロプロセッサ14は、敵選手キャラクタによってボール48を奪われないように、敵選手キャラクタの位置に基づいて、選手キャラクタAにドリブル動作を行わせる。例えば、マイクロプロセッサ14は、選手キャラクタA(又はボール48)と敵選手キャラクタとの間の距離が所定距離未満にならないように、選手キャラクタA及びボール48を移動させる。
【0070】
図10は、このステップの処理の一例について説明するための図である。なお図10において、符号Aは選手キャラクタAの現在位置を示し、符号Eは敵選手キャラクタの現在位置を示している。
【0071】
このステップの処理では、まず、選手キャラクタAの移動先候補70が取得される。具体的には、移動先候補70を取得するために、まず、選手キャラクタAの移動方向候補72が決定される。そして、選手キャラクタAの現在位置から、その移動方向候補72に、選手キャラクタAの移動速度に基づく距離(D)だけ移動した位置が、選手キャラクタAの移動先候補70として取得される。選手キャラクタAの移動先候補70が取得された場合、その移動先候補70が、いずれかの敵選手キャラクタの近傍領域74内であるか否かが判定される。「敵選手キャラクタの近傍領域74」とは、敵選手キャラクタの位置に基づいて設定される領域であり、例えば、敵選手キャラクタからの距離が所定距離(R)以下となる領域である。
【0072】
移動先候補70がいずれかの敵選手キャラクタの近傍領域74内である場合、選手キャラクタAの移動方向候補72が補正され、移動先候補70が再取得(補正)される。そして、同様の判定処理が再実行される。図11において、点線で示された移動方向候補72及びそれに対応する移動先候補70は補正前の移動先候補70及び移動方向候補72を示しており、実線で示された移動方向候補72及びそれに対応する移動先候補70は補正後の移動先候補70及び移動方向候補72を示している。
【0073】
一方、移動先候補70がすべての敵選手キャラクタの近傍領域74外である場合、その移動先候補70が選手キャラクタAの移動先位置に決定され、選手キャラクタAの位置がその移動先位置に更新される。また、ボール48の位置も選手キャラクタAの位置変化に合わせて更新される。
【0074】
なお、ボール48の移動先位置を先に決定した後、ボール48の位置変化に合わせて選手キャラクタAの位置を更新するようにしてもよい。この場合、ボール48の移動先位置は、上述の選手キャラクタAの移動先位置の決定方法と同様にして決定すればよい。
【0075】
S105の処理が実行された後、S102の処理が再実行される。S102〜S105の処理は、S103又はS104における判定結果が真(図9における「Y」)にならない限り、所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。
【0076】
一方、S103において、選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態であると判定された場合、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は、選手キャラクタBへのパス動作を選手キャラクタAに行わせる(S106)。この処理では、選手キャラクタAの姿勢がパスモーションデータに従って更新される。また、パス目標位置(ボール48の移動目標位置)が、選手キャラクタBの位置に基づいて決定される。パス目標位置は、選手キャラクタBの現在位置であってもよいし、選手キャラクタBの現在位置に基づいて予測される選手キャラクタBの将来位置であってもよい。パス目標位置が決定された場合、ボール48の移動方向が、選手キャラクタAの位置からパス目標位置への方向に設定され、マイクロプロセッサ14は、その移動方向への移動をボール48に開始させる。この場合、ゲーム状況データ記憶部60に記憶されるボール48の位置が、上記の移動方向に移動するように更新される。
【0077】
なお、この場合、図8に示すデータの「パス目標選手ID」がクリアされ、初期状態(例えば空白の状態)に戻る。また、選手キャラクタAがボール48を無事に受け取った場合には、図8に示すデータの「ボール保持選手ID」が選手キャラクタAのIDに更新される。一方、ボール48が敵選手キャラクタによって奪取された場合には、図8に示すデータの「ボール保持選手ID」がその敵選手キャラクタのIDに更新される。
【0078】
ところで、図9のフロー図では省略されているが、マイクロプロセッサ14(表示制御部68)は所定時間(例えば1/60秒)ごとにゲーム画面50を更新する。
【0079】
以上に説明したゲーム装置10によれば、選手キャラクタ46間のパスが実行される場合に、パスを受ける方の選手キャラクタ46をユーザは操作できるようになる。その結果、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0080】
またゲーム装置10では、ユーザの操作対象が、パス目標の選手キャラクタ46に変更された場合、ボール48を保持している選手キャラクタ46が、敵選手キャラクタにボール48を奪われないようにボールキープ動作を行うようになっている。ゲーム装置10によれば、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作にユーザは専念できるようになる。その結果、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0081】
またゲーム装置10では、パス目標の選手キャラクタ46へのパスが可能な状態になったか否かが監視され、パスが可能な状態になった場合にパスが自動的に実行されるようになっている。ゲーム装置10によれば、パス目標の選手キャラクタ46へのパスが可能な状態であるか否かをユーザは監視する必要がなくなり、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作にユーザは専念できるようになる。その結果、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0082】
なおゲーム装置10では、ユーザは、パスを受ける方の選手キャラクタ46を、ボール48を保持する選手キャラクタ46からのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで移動させる必要がある。特にゲーム装置10では、そのような移動操作をユーザは制限時間(例えば3秒間)内に行う必要がある。このため、ゲーム装置10によれば、上記のような移動操作を制限時間内に行わなければならないという楽しみをユーザに与えることが可能になる。その結果として、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作の興趣を向上できるようになる。
【0083】
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0084】
[第1変形例]
図9のS104において、基準時点からの経過時間が基準時間に達したと判定された場合には、選手キャラクタAのボールキープ動作が制限(例えば抑止)されるようにしてもよい。具体的には、S104において、基準時点からの経過時間が基準時間に達したと判定された場合には、S105の処理を実行することなく、S102の処理が再実行されるようにしてもよい。この場合、選手キャラクタAやボール48が敵選手キャラクタに近づかないように制御するための処理(S105)が実行されなくなるため、選手キャラクタAが敵選手キャラクタにボール48を奪われる可能性が高まることになる。このようにしても、パスを受ける方の選手キャラクタ46の移動操作を制限時間内に行わなければならないという楽しみをユーザに与えることが可能になる。その結果として、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作の興趣を向上できるようになる。
【0085】
[第2変形例]
図9のS102〜S105の処理が繰り返し実行される期間、すなわち、基準時点から経過時間が基準時間以上になったか否かが監視される期間において、基準時点からの経過時間がユーザに案内されるようにしてもよい。または、基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間がユーザに案内されるようにしてもよい。
【0086】
例えば、基準時点からの経過時間を案内する画像、又は基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間を案内する画像がゲーム画面50に表示されるようにしてもよい。また例えば、基準時点からの経過時間を案内する音声、又は基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間を案内する音声がスピーカ34から出力されるようにしてもよい。また例えば、コントローラ30を振動させることが可能である場合には、基準時点からの経過時間に基づいてコントローラ30を振動させることによって、基準時点からの経過時間を案内するようにしてもよい。または、基準時点からの基準時間が経過するまでの残り時間に基づいてコントローラ30を振動させることによって、上記残り時間を案内するようにしてもよい。例えば、残り時間が1秒になったら、コントローラ30を振動させるようにしてもよい。第2変形例によれば、基準時点からの経過時間、又は基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間をユーザが把握できるように図ることが可能になる。すなわち、図9のS106のパス処理が開始されるタイミングをユーザが予測できるように図ることが可能になる。
【0087】
[第3変形例]
図9のS104における基準時間はユーザの操作に基づいて設定されるようにしてもよい。第3変形例では、例えば、複数の基準操作情報の各々に対応づけて、基準時間に関する基準時間情報が記憶される。そして、いずれかの基準操作情報に対応する操作をユーザが行った場合、その基準操作情報に対応づけられた基準時間情報に基づいて、基準時間が設定される。以下、より具体的に説明する。
【0088】
例えば、複数のボタンがパス目標設定ボタンとして機能するように設定され、複数のパス目標設定ボタンの各々に対応づけて基準時間情報が記憶される。この場合、いずれかのパス目標設定ボタンをユーザが押下した場合、いずれかの選手キャラクタ(味方選手キャラクタ)がパス目標として設定され、その選手キャラクタがユーザの操作対象として設定される。そして、図9のS104では、ユーザが押下したパス目標設定ボタンに対応する基準時間情報に基づいて、基準時間が設定される。例えば、第1ボタンと第2ボタンとがパス目標設定ボタンに設定され、第1ボタンに対応する基準時間情報として「3秒」が記憶され、第2ボタンに対応する基準時間情報として「5秒」が記憶されている場合を想定する。この場合、ユーザが第1ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、基準時間が3秒に設定され、ユーザが第2ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、基準時間が5秒に設定される。上記のようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンとして押下するボタンを変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0089】
なお、パス目標設定ボタンではない複数のボタンの各々に対応づけて基準時間情報を記憶するようにしてもよい。この場合、ユーザはパス目標設定ボタンを押下するのとともに上記複数のボタンのいずれかを押下する。そして、図9のS104では、ユーザがパス目標設定ボタンとともに押下したボタンに対応する基準時間情報に基づいて、基準時間が設定される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンとともに押下するボタンを変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0090】
また、コントローラ30が操作レバー(操作スティック)を備えている場合には、操作レバーの傾き方向を示す情報と、基準時間情報と、を対応づけて記憶するようにしてもよい。この場合、あるタイミング(例えば、パス目標設定ボタンが押下されたタイミング)における操作レバーの傾き方向が取得される。そして、その傾き方向に対応する基準時間情報に基づいて、図9のS104における基準時間が設定される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンを押下する際の操作レバーの傾き方向を変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0091】
さらに、コントローラ30の傾きを検出できる場合には、コントローラ30の傾きを示す情報と、基準時間情報と、を対応づけて記憶するようにしてもよい。この場合、あるタイミング(例えば、パス目標設定ボタンが押下されたタイミング)におけるコントローラ30の傾きが取得される。そして、その傾きに対応する基準時間情報に基づいて、図9のS104における基準時間が設定される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンを押下する際のコントローラ30の傾きを変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0092】
[第4変形例]
パス目標の選手キャラクタ46を選択するための操作は以上に説明した態様に限られない。ここで、パス目標の選手キャラクタ46を選択するための操作の他の態様について説明する。この態様では、ユーザは、コントローラ30を用いて所望の方向を指示しながら、コントローラ30の所定ボタンを押下する。そして、ユーザが指示した方向に基づく対象領域内に位置する味方選手キャラクタのうちのいずれかが選択される。図11は対象領域の一例について示す図である。図11において、符号「A」は、ボール48を保持している操作対象選手キャラクタの位置を示している。図11に示す対象領域80は、操作対象選手キャラクタの位置(A)から、ユーザが指示した方向に伸ばした直線82との間の角度が所定角度θ以下となるような領域である。対象領域80内に一の味方選手キャラクタのみが位置している場合には、その味方選手キャラクタがパス目標として選択される。一方、対象領域80内に複数の味方選手キャラクタが位置している場合には、例えば、それらの複数の味方選手キャラクタのうちで、操作対象選手キャラクタに最も近い味方選手キャラクタがパス目標として選択される。
【0093】
[第5変形例]
味方選手キャラクタのうちの、所定条件(所定の第2条件)を満足する選手キャラクタ46のみがパス目標として選択されるようにしてもよい。例えば、「所定条件」は、特定のポジション(例えばフォワード)であるか否かの条件である。このようにすれば、例えばオフサイドの反則を犯さないように配慮しつつ、味方選手キャラクタからのスルーパスを待つフォワードの選手キャラクタ46の操作をユーザが楽しめるようになる。
【0094】
なお、「所定条件」は、特殊能力を有しているか否かを示すパラメータの値が所定値(特殊能力を有することを示す値)であるか否かの条件であってもよい。または、「所定条件」は、パスを受ける能力の高さを示すパラメータの値が基準値以上であるか否かの条件であってもよい。または、「所定条件」は、ユーザがあらかじめ選択した特定の選手キャラクタ46であるか否かの条件であってもよい。
【0095】
[第6変形例]
味方選手キャラクタのうちからパス目標の選手キャラクタ46が、第1チームの戦術に基づいて選択されるようにしてもよい。例えば、第1チームの作戦が「右サイドアタック」である場合、右側のサイドライン42bに比較的近いポジション種類の味方選手キャラクタがパス目標として優先的に選択されるようにしてもよい。また例えば、第1チームの作戦が「サイドチェンジ」である場合、ボール48を保持している選手キャラクタ46が位置している側のサイドライン42bとは反対側のサイドライン42bの比較的近くに位置している味方選手キャラクタがパス目標として優先的に選択されるようにしてもよい。なお、後者の場合、図9のS106で実行されるパスは、フィールド42上をボール48が転がるような態様のパスではなく、空中をボール48が移動するような態様のパスとなる。
【0096】
第6変形例では、戦術と、パス目標の選手キャラクタ46の選択に関する選択制御情報と、を対応づけたデータが記憶される。そして、ユーザが設定した第1チームの戦術に対応する選択制御情報が上記データに基づいて取得される。また、この選択制御情報に基づいて、パス目標の選手キャラクタ46が選択される。このようにすれば、ユーザが設定した第1チームの戦術に合わせて、パス目標の選手キャラクタ46が選択されるようになる。
【0097】
[第7変形例]
図9の処理において、選手キャラクタAが、所定条件(所定の第1条件)を満足する選手キャラクタ46でない場合、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのユーザの操作対象への変更(S101)、又は選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパス(S106)の実行が制限されるようにしてもよい。
【0098】
ここで、例えば、「所定条件」は、パス又はボールキープに関する特殊能力を有しているか否かを示すパラメータの値が所定値(特殊能力を有することを示す値)であるか否かの条件である。または、「所定条件」は、パス能力又はボールキープ能力の高さを示すパラメータの値が基準値以上であるか否かの条件であってもよい。このようにして、ボール48を保持している選手キャラクタAのパス能力又はボールキープ能力が高い場合に限って、選手キャラクタAからのパスを受ける側の選手キャラクタBをユーザが操作できるようにしてもよい。
【0099】
なお、「所定条件」は、特定のポジション(例えばミッドフィルダー)であるか否かの条件であってもよい。または、「所定条件」は、ユーザがあらかじめ選択した特定の選手キャラクタ46であるか否かの条件であってもよい。
【0100】
[第8変形例]
図9のS106で実行されるパスの種類は、ユーザの操作に基づいて決定されるようにしてもよい。第8変形例では、例えば、複数の基準操作情報の各々に対応づけて、パスの種類に関するパス種類情報が記憶される。そして、いずれかの基準操作情報に対応する操作をユーザが行った場合、その基準操作情報に対応づけられたパス種類情報に基づいて、図9のS106で実行されるパスの種類が設定される。以下、より具体的に説明する。
【0101】
例えば、複数のボタンがパス目標設定ボタンとして機能するように設定され、複数のパス目標設定ボタンの各々に対応づけてパス種類情報が記憶される。いずれかのパス目標設定ボタンをユーザが押下した場合、いずれかの選手キャラクタ(味方選手キャラクタ)がパス目標として設定され、その選手キャラクタがユーザの操作対象として設定される。そして、図9のS106では、ユーザが押下したパス目標設定ボタンに対応するパス種類情報に基づいて、パスの種類が設定される。例えば、第1ボタンと第2ボタンとがパス目標設定ボタンになっており、「フィールド42上をボール48が転がるような態様のパス」が第1ボタンに対応づけられ、「空中をボール48が移動するような態様のパス」が第2ボタンに対応づけられている場合を想定する。この場合、ユーザが第1ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、図9のS106では、「フィールド42上をボール48が転がるような態様のパス」が実行される。また、ユーザが第2ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、図9のS106では、「空中をボール48が移動するような態様のパス」が実行される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンとして押下するボタンを変えることによって、パスの種類を指示できるようになる。
【0102】
なお例えば、ユーザが操作レバーの傾き方向、又はコントローラ30の傾きを用いて、パスの種類を指示できるようにしてもよい。
【0103】
[その他の変形例]
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、三つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間をゲーム画面に表示するゲームに限られない。ゲーム装置10で実行されるゲームは、二つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間をゲーム画面に表示するゲームであってもよい。すなわち、ゲーム装置10で実行されるゲームは、ボールや選手キャラクタの位置等が二つの座標要素で管理されるゲームであってもよい。
【0104】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、複数のユーザがネットワークを介して参加するネットワークゲームであってもよい。また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲーム以外のスポーツゲームであってもよい。例えば、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボールのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも本発明は適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図8】ゲーム状況データ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図9】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図10】選手キャラクタにボールキープ動作を行わせるための処理について説明するための図である。
【図11】対象領域の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 モニタ、34 スピーカ、36 光ディスク、40 仮想3次元空間、42 フィールド、42a ゴールライン、42b サイドライン、44 ゴール、46,46a,46b,46c,46d,46e,46f 選手キャラクタ、48 ボール、49 仮想カメラ、50 ゲーム画面、52 マーク画像、60 ゲーム状況データ記憶部、62 パス目標選択部、64 操作対象変更部、66 選手制御部、66a 第1選手制御部、66b 第2選手制御部、68 表示制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームが知られている。例えば、サッカーゲーム、バスケットボールゲーム又はアイスホッケーゲームが知られている。
【特許文献1】特開2007−167141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなゲームでは、ユーザは選手キャラクタ間のパスを繰り返し行いながら得点イベントの発生を目指す。このため、上記のようなゲームでは、選手キャラクタ間のパスに関する操作の操作性を向上する必要がある。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームにおいて、選手キャラクタ間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、を含み、前記第1選手制御手段は、前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択ステップと、前記パス目標選択ステップによって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更ステップと、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御ステップと、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御ステップと、を含み、前記第1選手制御ステップは、前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御ステップと、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定するステップと、前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせるステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、として前記コンピュータを機能させ、前記第1選手制御手段は、前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含むことを特徴とするプログラムである。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0009】
本発明によれば、ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームにおいて、選手キャラクタ間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに実行させる手段と、を含むようにしてもよい。
【0011】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記移動制御手段による前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体の移動制御の実行を制限する手段と、を含むようにしてもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、前記基準時間を前記ユーザの操作に基づいて設定する手段を含むようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記基準時点からの経過時間、又は前記基準時点から前記基準時間が経過するまでの残り時間を前記ユーザに案内する手段を含むようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記第1選手制御手段は、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタへのパスの態様を前記ユーザの操作に基づいて決定する手段を含むようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記第1選手キャラクタが所定の第1条件を満足する選手キャラクタでない場合、前記操作対象変更手段による前記ユーザの操作対象の変更、又は前記第1選手制御手段による制御の実行を制限する手段を含むようにしてもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、所定の第2条件を満足する選手キャラクタを、前記パス目標の選手キャラクタとして選択するようにしてもよい。
【0017】
また本発明の一態様では、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定するようにユーザに案内する手段と、前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記第1選手キャラクタ及び前記第2選手キャラクタ以外の選手キャラクタの行動を、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて制御する手段と、を含むようにしてもよい。前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、前記パス目標の選手キャラクタを、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて選択するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の全体構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、モニタ32、スピーカ34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。モニタ32及びスピーカ34は家庭用ゲーム機11に接続される。モニタ32としては例えば家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ34としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカが用いられる。
【0020】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0021】
マイクロプロセッサ14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステム、光ディスク36又はハードディスク26から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する。主記憶16は例えばRAMを含む。主記憶16には光ディスク36又はハードディスク26から読み出されたプログラム及びデータが必要に応じて書き込まれる。主記憶16はマイクロプロセッサ14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0022】
画像処理部18はVRAMを含み、マイクロプロセッサ14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。そして、画像処理部18はVRAM上に描画されたゲーム画面をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ32に出力する。
【0023】
入出力処理部20はマイクロプロセッサ14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、光ディスク36又はハードディスク26からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(例えば、ゲーム音楽、ゲーム効果音、又はメッセージ等)をスピーカ34から出力する。通信インタフェース28は家庭用ゲーム機11を通信ネットワークに有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0024】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。
【0025】
コントローラ30はユーザが各種ゲーム操作を入力するための汎用操作入力手段である。家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ30を接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介してマイクロプロセッサ14に渡す。マイクロプロセッサ14はその操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。なお、コントローラ30は家庭用ゲーム機11に有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。
【0026】
ゲーム装置10では、例えば、第1チームと第2チームとの間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク36又はハードディスク26から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。以下では、第1チームはユーザによって操作され、第2チームはコンピュータ(マイクロプロセッサ14)によって操作されることとして説明する。なお、第2チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0027】
サッカーゲームのゲーム画面を表示するために、仮想3次元空間が主記憶16に構築される。図2は仮想3次元空間の一例を示す。図2に示すように、仮想3次元空間40には、サッカーのフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42には例えばゴールライン42aやサイドライン42bが表される。また、フィールド42上には、ゴールを表すオブジェクトであるゴール44と、サッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ46と、サッカーボール(移動物体)を表すオブジェクトであるボール48と、が配置される。
【0028】
ゴール44の一方は第1チームに対応づけられ、他方は第2チームに対応づけられる。いずれか一方のチームに対応づけられたゴール44内にボール48が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0029】
また、図2では省略されているが、第1チームに所属する11体の選手キャラクタ46と、第2チームに所属する11体の選手キャラクタ46と、がフィールド42上に配置される。
【0030】
選手キャラクタ46とボール48とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ46とボール48とが関連づけられる。この場合、ボール48は選手キャラクタ46に従動する。この様子は選手キャラクタ46のドリブル動作として表される。以下では、ボール48が選手キャラクタ46に関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ46がボール48を保持している」というように記載する。
【0031】
また、ある選手キャラクタ46がボール48を保持している状態において、他の選手キャラクタ46とボール48とが近づくと、所定条件の下、該他の選手キャラクタ46とボール48とが関連づけられる。このようにして、ボール48を保持している選手キャラクタ46から他の選手キャラクタ46がボール48を奪取する。
【0032】
上述したように第1チームはユーザによって操作されるため、第1チームに所属する選手キャラクタ46のいずれかがユーザの操作対象に設定される。試合中に、ユーザの操作対象は、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちで変更される。より具体的には、ユーザが所定操作(例えば所定ボタンの押下操作)を行った場合に、ユーザの操作対象が、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちの他の選手キャラクタ46に変更される。
【0033】
なお以下では、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちの、ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ46のことを「操作対象選手キャラクタ」と記載する。また、第1チームに所属する選手キャラクタ46のうちの、操作対象選手キャラクタ以外の選手キャラクタ46のことを「味方選手キャラクタ」と記載する。さらに、第2チームに所属する選手キャラクタ46のことを「敵選手キャラクタ」と記載する。
【0034】
操作対象選手キャラクタはユーザの操作に基づいて動作する。例えば、操作対象選手キャラクタはユーザの移動指示操作に従って移動する。また例えば、ユーザがパス又はシュート指示操作を行った場合、操作対象選手キャラクタはパス又はシュート動作を行う。
【0035】
一方、味方選手キャラクタはコンピュータによって操作され、所定のアルゴリズムに従って動作する。このサッカーゲームでは、第1チームの戦術(行動制御情報)を設定するようにユーザに案内する設定画面が、例えば前半や後半の開始前にモニタ32に表示される。そして、設定画面でユーザは第1チームの戦術を設定する。第1チームの戦術としては、例えば第1チームのフォーメーションや作戦が設定される。設定画面では、例えば、あらかじめ用意された複数種類のフォーメーションのうちのいずれかをユーザは選択する。また例えば、あらかじめ用意された複数種類の作戦のうちのいずれかをユーザは選択する。作戦としては、例えば「右サイドアタック」、「左サイドアタック」、「カウンターアタック」、又は「サイドチェンジ」がある。「右サイドアタック」とは、右側のサイドライン42b付近の領域を主に用いて攻撃を行う作戦であり、「左サイドアタック」とは、左側のサイドライン42b付近の領域を主に用いて攻撃を行う作戦である。「カウンターアタック」とは、攻撃の選手キャラクタ46を前線に残しておき、対戦相手チームからボールを奪った場合には、その選手キャラクタ46に直ちにパスを出すことによって、速やかに攻撃を行う作戦である。「サイドチェンジ」とは、ロングパスによって、一方のサイドライン42b付近の領域から他方のサイドライン42b付近の領域へとボール48を移動させながら攻撃を行う作戦である。ユーザが設定した戦術に基づいて味方選手キャラクタの行動が制御され、ユーザが設定した戦術に合わせて味方選手キャラクタは行動する。
【0036】
また、上述したように第2チームはコンピュータによって操作されるため、敵選手キャラクタも所定のアルゴリズムに従って動作する。具体的には、敵選手キャラクタの行動は、コンピュータが設定した戦術に基づいて制御される。
【0037】
仮想3次元空間40には仮想カメラ49(視点)が設定される。仮想カメラ49は、例えばボール48の移動に基づいて仮想3次元空間40内を移動する。なお、仮想カメラ49は操作対象選手キャラクタの移動に基づいて移動するようにしてもよい。仮想カメラ49から仮想3次元空間40をから見た様子を表すゲーム画面がモニタ32に表示される。
【0038】
図3はゲーム画面の一例を示す。図3に示すゲーム画面50には、六名の選手キャラクタ46a,46b,46c,46d,46e,46fが表示されている。選手キャラクタ46aは操作対象選手キャラクタであり、ボール48を保持している。選手キャラクタ46aの頭上には、選手キャラクタ46aが操作対象選手キャラクタであることを示すマーク画像52が表示されている。また、二名の選手キャラクタ46b,46cは味方選手キャラクタであり、残りの三名の選手キャラクタ46d,46e,46fは敵選手キャラクタである。
【0039】
ここで、操作対象選手キャラクタ(選手キャラクタ46a)から他の選手キャラクタ46へのパスを実行する場合のユーザの操作について説明する。
【0040】
この場合、まず、ユーザはコントローラ30の所定ボタン(以下「パス目標設定ボタン」と記載する。)を押下することによって、パス目標とする選手キャラクタ46を指定する。具体的には、ユーザがパス目標設定ボタンを押下すると、マーク画像52が他の味方選手キャラクタの頭上に移動する。さらに、ユーザがパス目標設定ボタンを押下すると、さらに他の味方選手キャラクタの頭上にマーク画像52が移動する。このように、ユーザがパス目標設定ボタンを押下するごとに、所与の優先順序に従って、マーク画像52が他の味方選手キャラクタの頭上に移動する。ユーザは、パス目標としたい味方選手キャラクタの頭上にマーク画像52が移動するまで、パス目標設定ボタンを一又は複数回押下する。
【0041】
図4は、ユーザが選手キャラクタ46b上にマーク画像52を移動させ、選手キャラクタ46bをパス目標として選択した状態を示している。なお上述したように、マーク画像52はユーザの操作対象を案内するための画像であるため、この場合、ユーザの操作対象が選手オブジェクト46aから選手オブジェクト46bに変更されている。このように、ユーザがパス目標の選手キャラクタ46を選択すると、ユーザの操作対象がその選手キャラクタ46に切り替わるようになっている。つまり、パス目標の選手キャラクタ46を選択する操作は、ユーザの操作対象を他の選手キャラクタ46に変更する操作にも相当している。
【0042】
図4に示すゲーム画面50では、選手キャラクタ46bは操作対象選手キャラクタになったため、ユーザの操作に基づいて動作する。一方、選手キャラクタ46aは操作対象選手キャラクタでなくなったため、コンピュータの操作に基づいて動作する。この場合、コンピュータは、敵選手キャラクタ(選手キャラクタ46d〜46f)にボール48を奪われないように、選手キャラクタ46aにドリブル動作(ボールキープ動作)を行わせる。さらに、この場合、コンピュータは、選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタに妨げられずに行えるような状態であれば、選手キャラクタ46aに選手キャラクタ46bへのパスを行わせる。
【0043】
図4に示す状態では、選手キャラクタ46aと選手キャラクタ46bとの間に敵選手キャラクタ(選手キャラクタ46d,46e)がいるため、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタによって妨げられると判断され、パスは実行されない。この場合、コンピュータは、選手キャラクタ46bへのパスを敵選手キャラクタに妨げられずに行えるような位置まで、選手キャラクタ46aを移動させる。例えば、コンピュータは、図4に示すMa方向に向けて選手キャラクタ46aを移動させる。一方、ユーザは、選手キャラクタ46aからのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで、選手キャラクタ46bを移動させる。例えば、ユーザは選手キャラクタ46bを図4に示すMb方向に移動させる。図5はその場合のゲーム画面50を示す。なお、図5では、選手キャラクタ46c〜46fの位置が変化していないが、実際には、これらの選手キャラクタ46c〜46fもコンピュータによって操作されることによって移動する。
【0044】
図5に示す状態では、選手キャラクタ46aと選手キャラクタ46bとの間に敵選手キャラクタがいないため、コンピュータは、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタに妨げられないと判断し、選手キャラクタ46bへのパスを選手キャラクタ46aに実行させる。図6はパスが実行された後のゲーム画面50を示す。
【0045】
なお、パス目標として選手キャラクタ46bが選択された時点(つまり、ユーザの操作対象が選手キャラクタ46bに変更された時点)からの経過時間が基準時間(例えば3秒)に達した場合には、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパスが敵選手キャラクタに妨げられるような状態であっても、コンピュータは、選手キャラクタ46bへのパスを選手キャラクタ46aに行わせる。このため、ユーザは、基準時間(制限時間)以内に、選手キャラクタ46aからのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで、選手キャラクタ46bを移動させる必要がある。
【0046】
以上のように、ゲーム装置10では、操作対象選手キャラクタがボール48を保持している状態でパス目標の選手キャラクタ46が指定された場合、そのパス目標の選手キャラクタ46に対して直ちにパスが実行されるのではなく、まず、ユーザの操作対象が、パス目標の選手キャラクタ46に変更される。その後、ボール48を保持している選手キャラクタ46(すなわち、元々の操作対象選手キャラクタ)から、パス目標の選手キャラクタ46(すなわち、現在の操作対象選手キャラクタ)に対して、パスが実行される。このため、ゲーム装置10では、選手キャラクタ46間のパスが実行される場合に、ユーザは、パスを受ける方の選手キャラクタ46を操作できるようになっている。その結果として、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性の向上が図られている。
【0047】
またゲーム装置10では、ユーザの操作対象が、パス目標の選手キャラクタ46に変更された場合、ボール48を保持している選手キャラクタ46(すなわち、元々の操作対象選手キャラクタ)は、敵選手キャラクタにボール48を奪われないように、ボールキープ動作を自動的に行う。その結果、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作にユーザは専念できるようになっている。この点でも、ゲーム装置10では選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性が向上している。
【0048】
またゲーム装置10では、ボール48を保持している選手キャラクタ46から、パス目標の選手キャラクタ46へのパスが可能な状態になったか否かが監視され、パスが可能な状態になった場合にパスが自動的に実行される。ユーザがパスの実行タイミングを決定する場合、ユーザはパスが可能な状態であるか否かを監視しながら、パスの実行タイミングを判断する必要がある。この点、ゲーム装置10によれば、パスが可能な状態であるか否かをユーザは監視する必要がなくなり、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作に専念できるようになっている。この点でも、ゲーム装置10では選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性が向上している。
【0049】
さらにゲーム装置10では、ユーザは、ボール48を保持する選手キャラクタ46からのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで、
パスを受ける方の選手キャラクタ46を移動させる必要がある。特にゲーム装置10では、ユーザはそのような移動操作を制限時間(例えば3秒間)内に行う必要がある。その結果、ゲーム装置10では、上記のような移動操作を制限時間内に行わなければならないという楽しみがユーザに与えられるようになっている。その結果として、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作の興趣が向上している。
【0050】
次に、上記のサッカーゲームを実現するための構成について説明する。図7は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を主として示す機能ブロック図である。図7に示すように、ゲーム装置10は、ゲーム状況データ記憶部60、パス目標選択部62、操作対象変更部64、選手制御部66、及び表示制御部68を含む。ゲーム状況データ記憶部60は例えば主記憶16によって実現され、その他の機能ブロックはマイクロプロセッサ14がプログラムを実行することによって実現される。なお、表示制御部68はマイクロプロセッサ14及び画像処理部18によって実現される。
【0051】
ゲーム状況データ記憶部60は、ゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する。例えば、選手キャラクタ46の現在の状態(例えば位置や姿勢など)がゲーム状況データ記憶部60に記憶される。また、ボール48の状態(例えば位置、移動方向や移動速度など)がゲーム状況データ記憶部60に記憶される。さらに、仮想カメラ49の状態(例えば位置や視線方向など)がゲーム状況データ記憶部60に記憶される。
【0052】
以上の他、現在ユーザの操作対象になっている選手キャラクタ46や、現在ボール48を保持している選手キャラクタ46などを特定するためのデータがゲーム状況データ記憶部60に記憶される。図8はこのデータの一例を示す図である。図8に示すデータは、「操作対象選手ID」、「ボール保持選手ID」、及び「パス目標選手ID」フィールドを含んでいる。「操作対象選手ID」は、その時点でユーザが操作している選手キャラクタ46の識別情報を示す。「ボール保持選手ID」は、その時点でボール48を保持している選手キャラクタ46の識別情報を示す。「パス目標選手ID」は、ボール48を保持している選手キャラクタ46のパス目標に設定されている選手キャラクタ46の識別情報を示す。なお、図8において、「A」は例えば図4における選手キャラクタ46aのIDであり、「B」は例えば図4における選手キャラクタ46bのIDである。図8に示す例は図4に示す状態に対応している。
【0053】
パス目標選択部62は、第1チームに所属する操作対象選手キャラクタ(以下「選手キャラクタA」とする。)がボール48を保持している場合において、ユーザの操作に基づいて、第1チームに所属する味方選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタ46(以下「選手キャラクタB」とする。)を選択する。
【0054】
本実施形態の場合、パス目標選択部62は、第1チームの味方選手キャラクタの優先順序を取得する。例えば、優先順序は、操作対象選手キャラクタ(又はボール48)に近い味方選手キャラクタから順に並ぶように設定される。ここで、第1チームのすべての味方選手キャラクタに優先順位を設定する必要はない。例えば、ゴールキーパーをパス目標として選択できないようにするために、ゴールキーパーには優先順位を設定しないようにしてもよい。なお、上記の優先順序は、操作対象選手キャラクタ(又はボール48)と、味方選手キャラクタと、の間の位置関係が変化した場合に更新される。ユーザによってパス目標設定ボタンが押下された場合、パス目標選択部62は、その押下回数に対応する優先順位が設定された味方選手キャラクタをユーザがパス目標として選択したと判断する。例えば、パス目標設定ボタンの押下回数が1回である場合には、優先順位が「1」である味方選手キャラクタがパス目標として選択されたと判断される。
【0055】
パス目標として選手キャラクタBが選択された場合、操作対象変更部64はユーザの操作対象を選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更する。この場合、図8に示すデータの「操作対象選手ID」及び「パス目標選手ID」がともに選手キャラクタBのIDに更新される。なお、「ボール保持選手ID」は選手キャラクタAのIDのままになる。
【0056】
選手制御部66は選手キャラクタ46の動作制御を実行する。選手制御部66は、選手キャラクタ46に動作を行わせる場合、その選手キャラクタ46がその動作を行うように、ゲーム状況データ記憶部60に記憶されるその選手キャラクタ46の状態(例えば位置、姿勢や移動方向など)を更新する。図7に示すように、選手制御部66は第1選手制御部66a及び第2選手制御部66bを含む。
【0057】
第1選手制御部66aは、ユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された後の選手キャラクタAの動作制御を実行する。
【0058】
例えば、第1選手制御部66a(移動制御手段)は、選手キャラクタAが保持しているボール48が敵選手キャラクタに奪われないように、選手キャラクタAにボールキープ動作(ドリブル動作)を行わせる。
【0059】
また、第1選手制御部66aは、選手キャラクタA又は/及びボール48の位置と、選手キャラクタBの位置と、に関する条件を、選手キャラクタA又は/及びボール48の位置と、選手キャラクタBの位置と、が満足するか否かを判定する。
【0060】
ここで、「条件」とは、選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが敵選手キャラクタによって妨げられるか否かを判定するための条件である。例えば、「条件」は、選手キャラクタA(又はボール48)と、選手キャラクタBと、の間の領域内に位置する敵選手キャラクタの数が0であるか否かの条件である。また例えば、「条件」は、選手キャラクタAの位置から選手キャラクタBの位置への直線上及びその付近に位置する敵選手キャラクタの数が0であるか否かの条件である。なお、上記の二つの例は、いずれも、選手キャラクタA又は/及びボール48の位置と、選手キャラクタBの位置と、敵選手キャラクタの位置と、に関する条件になっている。
【0061】
上記条件が満足されると判定された場合、第1選手制御部66aは選手キャラクタAに選手キャラクタBへのパスを実行させる。
【0062】
一方、第2選手制御部66bは、ユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された後の選手キャラクタBの動作制御を実行する。第2選手制御部66bは選手キャラクタBをユーザの操作に基づいて動作させる。
【0063】
表示制御部68は、仮想3次元空間40を仮想カメラ49から見た様子を表すゲーム画面50をゲーム状況データに基づいて生成し、該ゲーム画面50をモニタ32に表示する。
【0064】
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図9は、操作対象選手キャラクタ(以下では「選手キャラクタA」とする。)がボール48を保持している状態において、ユーザがパス目標の選手キャラクタ46(以下では「選手キャラクタB」とする。)を選択したとマイクロプロセッサ14(パス目標選択部62)が判定した場合にゲーム装置10が実行する処理を示すフロー図である。
【0065】
まず、マイクロプロセッサ14(操作対象変更部64)は、ユーザの操作対象を、パス目標として選択された選手キャラクタBに変更する(S101)。この場合、図8に示すデータの「操作対象選手ID」が選手キャラクタBのIDに更新される。なお、図8に示すデータの「パス目標選手ID」も選手キャラクタBのIDに更新される。
【0066】
その後、マイクロプロセッサ14(第2選手制御部66b)は、選手キャラクタBの状態(位置及び姿勢など)をユーザの操作内容に基づいて更新する(S102)。例えば、マイクロプロセッサ14は、選手キャラクタBをユーザの移動指示操作に基づいて移動させる。なお、図9では省略されているが、このステップの処理と並行して、選手キャラクタA以外の味方選手キャラクタ、及び敵選手キャラクタの状態を更新する処理も実行される。
【0067】
また、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は、ボール48を保持している選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態であるか否かを判定する(S103)。例えば、選手キャラクタAと選手キャラクタBとの間の領域内に位置する敵選手キャラクタの数が0であるか否かが判定される。そして、選手キャラクタAと選手キャラクタBとの間の領域内に位置する敵選手キャラクタの数が0である場合、選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態であると判定される。
【0068】
選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態でないと判定された場合、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は、基準時点からの経過時間が基準時間(例えば3秒)に達したか否かを判定する(S104)。ここで、「基準時点」とは、例えば、パス目標として選手キャラクタBが選択された時点、又はユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された時点のいずれかに基づく時点であり、より具体的には、パス目標として選手キャラクタBが選択された時点自体、又はユーザの操作対象が選手キャラクタAから選手キャラクタBに変更された時点自体である。
【0069】
基準時点からの経過時間が基準時間に達していないと判定された場合、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は選手キャラクタAにボールキープ動作を行わせる(S105)。すなわち、マイクロプロセッサ14は、敵選手キャラクタによってボール48を奪われないように、敵選手キャラクタの位置に基づいて、選手キャラクタAにドリブル動作を行わせる。例えば、マイクロプロセッサ14は、選手キャラクタA(又はボール48)と敵選手キャラクタとの間の距離が所定距離未満にならないように、選手キャラクタA及びボール48を移動させる。
【0070】
図10は、このステップの処理の一例について説明するための図である。なお図10において、符号Aは選手キャラクタAの現在位置を示し、符号Eは敵選手キャラクタの現在位置を示している。
【0071】
このステップの処理では、まず、選手キャラクタAの移動先候補70が取得される。具体的には、移動先候補70を取得するために、まず、選手キャラクタAの移動方向候補72が決定される。そして、選手キャラクタAの現在位置から、その移動方向候補72に、選手キャラクタAの移動速度に基づく距離(D)だけ移動した位置が、選手キャラクタAの移動先候補70として取得される。選手キャラクタAの移動先候補70が取得された場合、その移動先候補70が、いずれかの敵選手キャラクタの近傍領域74内であるか否かが判定される。「敵選手キャラクタの近傍領域74」とは、敵選手キャラクタの位置に基づいて設定される領域であり、例えば、敵選手キャラクタからの距離が所定距離(R)以下となる領域である。
【0072】
移動先候補70がいずれかの敵選手キャラクタの近傍領域74内である場合、選手キャラクタAの移動方向候補72が補正され、移動先候補70が再取得(補正)される。そして、同様の判定処理が再実行される。図11において、点線で示された移動方向候補72及びそれに対応する移動先候補70は補正前の移動先候補70及び移動方向候補72を示しており、実線で示された移動方向候補72及びそれに対応する移動先候補70は補正後の移動先候補70及び移動方向候補72を示している。
【0073】
一方、移動先候補70がすべての敵選手キャラクタの近傍領域74外である場合、その移動先候補70が選手キャラクタAの移動先位置に決定され、選手キャラクタAの位置がその移動先位置に更新される。また、ボール48の位置も選手キャラクタAの位置変化に合わせて更新される。
【0074】
なお、ボール48の移動先位置を先に決定した後、ボール48の位置変化に合わせて選手キャラクタAの位置を更新するようにしてもよい。この場合、ボール48の移動先位置は、上述の選手キャラクタAの移動先位置の決定方法と同様にして決定すればよい。
【0075】
S105の処理が実行された後、S102の処理が再実行される。S102〜S105の処理は、S103又はS104における判定結果が真(図9における「Y」)にならない限り、所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行される。
【0076】
一方、S103において、選手キャラクタAから選手キャラクタBへのパスが可能な状態であると判定された場合、マイクロプロセッサ14(第1選手制御部66a)は、選手キャラクタBへのパス動作を選手キャラクタAに行わせる(S106)。この処理では、選手キャラクタAの姿勢がパスモーションデータに従って更新される。また、パス目標位置(ボール48の移動目標位置)が、選手キャラクタBの位置に基づいて決定される。パス目標位置は、選手キャラクタBの現在位置であってもよいし、選手キャラクタBの現在位置に基づいて予測される選手キャラクタBの将来位置であってもよい。パス目標位置が決定された場合、ボール48の移動方向が、選手キャラクタAの位置からパス目標位置への方向に設定され、マイクロプロセッサ14は、その移動方向への移動をボール48に開始させる。この場合、ゲーム状況データ記憶部60に記憶されるボール48の位置が、上記の移動方向に移動するように更新される。
【0077】
なお、この場合、図8に示すデータの「パス目標選手ID」がクリアされ、初期状態(例えば空白の状態)に戻る。また、選手キャラクタAがボール48を無事に受け取った場合には、図8に示すデータの「ボール保持選手ID」が選手キャラクタAのIDに更新される。一方、ボール48が敵選手キャラクタによって奪取された場合には、図8に示すデータの「ボール保持選手ID」がその敵選手キャラクタのIDに更新される。
【0078】
ところで、図9のフロー図では省略されているが、マイクロプロセッサ14(表示制御部68)は所定時間(例えば1/60秒)ごとにゲーム画面50を更新する。
【0079】
以上に説明したゲーム装置10によれば、選手キャラクタ46間のパスが実行される場合に、パスを受ける方の選手キャラクタ46をユーザは操作できるようになる。その結果、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0080】
またゲーム装置10では、ユーザの操作対象が、パス目標の選手キャラクタ46に変更された場合、ボール48を保持している選手キャラクタ46が、敵選手キャラクタにボール48を奪われないようにボールキープ動作を行うようになっている。ゲーム装置10によれば、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作にユーザは専念できるようになる。その結果、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0081】
またゲーム装置10では、パス目標の選手キャラクタ46へのパスが可能な状態になったか否かが監視され、パスが可能な状態になった場合にパスが自動的に実行されるようになっている。ゲーム装置10によれば、パス目標の選手キャラクタ46へのパスが可能な状態であるか否かをユーザは監視する必要がなくなり、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作にユーザは専念できるようになる。その結果、選手キャラクタ46間のパスに関する操作の操作性を向上できるようになる。
【0082】
なおゲーム装置10では、ユーザは、パスを受ける方の選手キャラクタ46を、ボール48を保持する選手キャラクタ46からのパスを敵選手キャラクタに妨げられることなく受け取ることができるような位置まで移動させる必要がある。特にゲーム装置10では、そのような移動操作をユーザは制限時間(例えば3秒間)内に行う必要がある。このため、ゲーム装置10によれば、上記のような移動操作を制限時間内に行わなければならないという楽しみをユーザに与えることが可能になる。その結果として、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作の興趣を向上できるようになる。
【0083】
なお、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0084】
[第1変形例]
図9のS104において、基準時点からの経過時間が基準時間に達したと判定された場合には、選手キャラクタAのボールキープ動作が制限(例えば抑止)されるようにしてもよい。具体的には、S104において、基準時点からの経過時間が基準時間に達したと判定された場合には、S105の処理を実行することなく、S102の処理が再実行されるようにしてもよい。この場合、選手キャラクタAやボール48が敵選手キャラクタに近づかないように制御するための処理(S105)が実行されなくなるため、選手キャラクタAが敵選手キャラクタにボール48を奪われる可能性が高まることになる。このようにしても、パスを受ける方の選手キャラクタ46の移動操作を制限時間内に行わなければならないという楽しみをユーザに与えることが可能になる。その結果として、パスを受ける方の選手キャラクタ46の操作の興趣を向上できるようになる。
【0085】
[第2変形例]
図9のS102〜S105の処理が繰り返し実行される期間、すなわち、基準時点から経過時間が基準時間以上になったか否かが監視される期間において、基準時点からの経過時間がユーザに案内されるようにしてもよい。または、基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間がユーザに案内されるようにしてもよい。
【0086】
例えば、基準時点からの経過時間を案内する画像、又は基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間を案内する画像がゲーム画面50に表示されるようにしてもよい。また例えば、基準時点からの経過時間を案内する音声、又は基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間を案内する音声がスピーカ34から出力されるようにしてもよい。また例えば、コントローラ30を振動させることが可能である場合には、基準時点からの経過時間に基づいてコントローラ30を振動させることによって、基準時点からの経過時間を案内するようにしてもよい。または、基準時点からの基準時間が経過するまでの残り時間に基づいてコントローラ30を振動させることによって、上記残り時間を案内するようにしてもよい。例えば、残り時間が1秒になったら、コントローラ30を振動させるようにしてもよい。第2変形例によれば、基準時点からの経過時間、又は基準時点から基準時間が経過するまでの残り時間をユーザが把握できるように図ることが可能になる。すなわち、図9のS106のパス処理が開始されるタイミングをユーザが予測できるように図ることが可能になる。
【0087】
[第3変形例]
図9のS104における基準時間はユーザの操作に基づいて設定されるようにしてもよい。第3変形例では、例えば、複数の基準操作情報の各々に対応づけて、基準時間に関する基準時間情報が記憶される。そして、いずれかの基準操作情報に対応する操作をユーザが行った場合、その基準操作情報に対応づけられた基準時間情報に基づいて、基準時間が設定される。以下、より具体的に説明する。
【0088】
例えば、複数のボタンがパス目標設定ボタンとして機能するように設定され、複数のパス目標設定ボタンの各々に対応づけて基準時間情報が記憶される。この場合、いずれかのパス目標設定ボタンをユーザが押下した場合、いずれかの選手キャラクタ(味方選手キャラクタ)がパス目標として設定され、その選手キャラクタがユーザの操作対象として設定される。そして、図9のS104では、ユーザが押下したパス目標設定ボタンに対応する基準時間情報に基づいて、基準時間が設定される。例えば、第1ボタンと第2ボタンとがパス目標設定ボタンに設定され、第1ボタンに対応する基準時間情報として「3秒」が記憶され、第2ボタンに対応する基準時間情報として「5秒」が記憶されている場合を想定する。この場合、ユーザが第1ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、基準時間が3秒に設定され、ユーザが第2ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、基準時間が5秒に設定される。上記のようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンとして押下するボタンを変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0089】
なお、パス目標設定ボタンではない複数のボタンの各々に対応づけて基準時間情報を記憶するようにしてもよい。この場合、ユーザはパス目標設定ボタンを押下するのとともに上記複数のボタンのいずれかを押下する。そして、図9のS104では、ユーザがパス目標設定ボタンとともに押下したボタンに対応する基準時間情報に基づいて、基準時間が設定される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンとともに押下するボタンを変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0090】
また、コントローラ30が操作レバー(操作スティック)を備えている場合には、操作レバーの傾き方向を示す情報と、基準時間情報と、を対応づけて記憶するようにしてもよい。この場合、あるタイミング(例えば、パス目標設定ボタンが押下されたタイミング)における操作レバーの傾き方向が取得される。そして、その傾き方向に対応する基準時間情報に基づいて、図9のS104における基準時間が設定される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンを押下する際の操作レバーの傾き方向を変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0091】
さらに、コントローラ30の傾きを検出できる場合には、コントローラ30の傾きを示す情報と、基準時間情報と、を対応づけて記憶するようにしてもよい。この場合、あるタイミング(例えば、パス目標設定ボタンが押下されたタイミング)におけるコントローラ30の傾きが取得される。そして、その傾きに対応する基準時間情報に基づいて、図9のS104における基準時間が設定される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンを押下する際のコントローラ30の傾きを変えることによって、基準時間を指示できるようになる。
【0092】
[第4変形例]
パス目標の選手キャラクタ46を選択するための操作は以上に説明した態様に限られない。ここで、パス目標の選手キャラクタ46を選択するための操作の他の態様について説明する。この態様では、ユーザは、コントローラ30を用いて所望の方向を指示しながら、コントローラ30の所定ボタンを押下する。そして、ユーザが指示した方向に基づく対象領域内に位置する味方選手キャラクタのうちのいずれかが選択される。図11は対象領域の一例について示す図である。図11において、符号「A」は、ボール48を保持している操作対象選手キャラクタの位置を示している。図11に示す対象領域80は、操作対象選手キャラクタの位置(A)から、ユーザが指示した方向に伸ばした直線82との間の角度が所定角度θ以下となるような領域である。対象領域80内に一の味方選手キャラクタのみが位置している場合には、その味方選手キャラクタがパス目標として選択される。一方、対象領域80内に複数の味方選手キャラクタが位置している場合には、例えば、それらの複数の味方選手キャラクタのうちで、操作対象選手キャラクタに最も近い味方選手キャラクタがパス目標として選択される。
【0093】
[第5変形例]
味方選手キャラクタのうちの、所定条件(所定の第2条件)を満足する選手キャラクタ46のみがパス目標として選択されるようにしてもよい。例えば、「所定条件」は、特定のポジション(例えばフォワード)であるか否かの条件である。このようにすれば、例えばオフサイドの反則を犯さないように配慮しつつ、味方選手キャラクタからのスルーパスを待つフォワードの選手キャラクタ46の操作をユーザが楽しめるようになる。
【0094】
なお、「所定条件」は、特殊能力を有しているか否かを示すパラメータの値が所定値(特殊能力を有することを示す値)であるか否かの条件であってもよい。または、「所定条件」は、パスを受ける能力の高さを示すパラメータの値が基準値以上であるか否かの条件であってもよい。または、「所定条件」は、ユーザがあらかじめ選択した特定の選手キャラクタ46であるか否かの条件であってもよい。
【0095】
[第6変形例]
味方選手キャラクタのうちからパス目標の選手キャラクタ46が、第1チームの戦術に基づいて選択されるようにしてもよい。例えば、第1チームの作戦が「右サイドアタック」である場合、右側のサイドライン42bに比較的近いポジション種類の味方選手キャラクタがパス目標として優先的に選択されるようにしてもよい。また例えば、第1チームの作戦が「サイドチェンジ」である場合、ボール48を保持している選手キャラクタ46が位置している側のサイドライン42bとは反対側のサイドライン42bの比較的近くに位置している味方選手キャラクタがパス目標として優先的に選択されるようにしてもよい。なお、後者の場合、図9のS106で実行されるパスは、フィールド42上をボール48が転がるような態様のパスではなく、空中をボール48が移動するような態様のパスとなる。
【0096】
第6変形例では、戦術と、パス目標の選手キャラクタ46の選択に関する選択制御情報と、を対応づけたデータが記憶される。そして、ユーザが設定した第1チームの戦術に対応する選択制御情報が上記データに基づいて取得される。また、この選択制御情報に基づいて、パス目標の選手キャラクタ46が選択される。このようにすれば、ユーザが設定した第1チームの戦術に合わせて、パス目標の選手キャラクタ46が選択されるようになる。
【0097】
[第7変形例]
図9の処理において、選手キャラクタAが、所定条件(所定の第1条件)を満足する選手キャラクタ46でない場合、選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのユーザの操作対象への変更(S101)、又は選手キャラクタ46aから選手キャラクタ46bへのパス(S106)の実行が制限されるようにしてもよい。
【0098】
ここで、例えば、「所定条件」は、パス又はボールキープに関する特殊能力を有しているか否かを示すパラメータの値が所定値(特殊能力を有することを示す値)であるか否かの条件である。または、「所定条件」は、パス能力又はボールキープ能力の高さを示すパラメータの値が基準値以上であるか否かの条件であってもよい。このようにして、ボール48を保持している選手キャラクタAのパス能力又はボールキープ能力が高い場合に限って、選手キャラクタAからのパスを受ける側の選手キャラクタBをユーザが操作できるようにしてもよい。
【0099】
なお、「所定条件」は、特定のポジション(例えばミッドフィルダー)であるか否かの条件であってもよい。または、「所定条件」は、ユーザがあらかじめ選択した特定の選手キャラクタ46であるか否かの条件であってもよい。
【0100】
[第8変形例]
図9のS106で実行されるパスの種類は、ユーザの操作に基づいて決定されるようにしてもよい。第8変形例では、例えば、複数の基準操作情報の各々に対応づけて、パスの種類に関するパス種類情報が記憶される。そして、いずれかの基準操作情報に対応する操作をユーザが行った場合、その基準操作情報に対応づけられたパス種類情報に基づいて、図9のS106で実行されるパスの種類が設定される。以下、より具体的に説明する。
【0101】
例えば、複数のボタンがパス目標設定ボタンとして機能するように設定され、複数のパス目標設定ボタンの各々に対応づけてパス種類情報が記憶される。いずれかのパス目標設定ボタンをユーザが押下した場合、いずれかの選手キャラクタ(味方選手キャラクタ)がパス目標として設定され、その選手キャラクタがユーザの操作対象として設定される。そして、図9のS106では、ユーザが押下したパス目標設定ボタンに対応するパス種類情報に基づいて、パスの種類が設定される。例えば、第1ボタンと第2ボタンとがパス目標設定ボタンになっており、「フィールド42上をボール48が転がるような態様のパス」が第1ボタンに対応づけられ、「空中をボール48が移動するような態様のパス」が第2ボタンに対応づけられている場合を想定する。この場合、ユーザが第1ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、図9のS106では、「フィールド42上をボール48が転がるような態様のパス」が実行される。また、ユーザが第2ボタンをパス目標設定ボタンとして押下すると、図9のS106では、「空中をボール48が移動するような態様のパス」が実行される。このようにすれば、ユーザは、パス目標設定ボタンとして押下するボタンを変えることによって、パスの種類を指示できるようになる。
【0102】
なお例えば、ユーザが操作レバーの傾き方向、又はコントローラ30の傾きを用いて、パスの種類を指示できるようにしてもよい。
【0103】
[その他の変形例]
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、三つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間をゲーム画面に表示するゲームに限られない。ゲーム装置10で実行されるゲームは、二つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間をゲーム画面に表示するゲームであってもよい。すなわち、ゲーム装置10で実行されるゲームは、ボールや選手キャラクタの位置等が二つの座標要素で管理されるゲームであってもよい。
【0104】
また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、複数のユーザがネットワークを介して参加するネットワークゲームであってもよい。また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲーム以外のスポーツゲームであってもよい。例えば、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボールのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも本発明は適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図5】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図8】ゲーム状況データ記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図9】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図10】選手キャラクタにボールキープ動作を行わせるための処理について説明するための図である。
【図11】対象領域の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 マイクロプロセッサ、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 モニタ、34 スピーカ、36 光ディスク、40 仮想3次元空間、42 フィールド、42a ゴールライン、42b サイドライン、44 ゴール、46,46a,46b,46c,46d,46e,46f 選手キャラクタ、48 ボール、49 仮想カメラ、50 ゲーム画面、52 マーク画像、60 ゲーム状況データ記憶部、62 パス目標選択部、64 操作対象変更部、66 選手制御部、66a 第1選手制御部、66b 第2選手制御部、68 表示制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、
前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、
を含み、
前記第1選手制御手段は、
前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、
前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、
前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、
基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、
前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに実行させる手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、
基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、
前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記移動制御手段による前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体の移動制御の実行を制限する手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、前記基準時間を前記ユーザの操作に基づいて設定する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記基準時点からの経過時間、又は前記基準時点から前記基準時間が経過するまでの残り時間を前記ユーザに案内する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタへのパスの種類を前記ユーザの操作に基づいて決定する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1選手キャラクタが所定の第1条件を満足する選手キャラクタでない場合、前記操作対象変更手段による前記ユーザの操作対象の変更、又は前記第1選手制御手段による制御の実行を制限する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定の第2条件を満足する選手キャラクタを、前記パス目標の選手キャラクタとして選択することを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定するようにユーザに案内する手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記第1選手キャラクタ及び前記第2選手キャラクタ以外の選手キャラクタの行動を、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて制御する手段と、を含み、
前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、前記パス目標の選手キャラクタを、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて選択する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択ステップと、
前記パス目標選択ステップによって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更ステップと、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御ステップと、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御ステップと、
を含み、
前記第1選手制御ステップは、
前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御ステップと、
前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定するステップと、
前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせるステップと、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項11】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、
前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、
として前記コンピュータを機能させ、
前記第1選手制御手段は、
前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、
前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、
前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含む、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置において、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、
前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、
を含み、
前記第1選手制御手段は、
前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、
前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、
前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、
基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、
前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに実行させる手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、
基準時点から基準時間が経過したか否かを判定する手段と、
前記基準時点から前記基準時間が経過したと判定された場合、前記移動制御手段による前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体の移動制御の実行を制限する手段と、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、前記基準時間を前記ユーザの操作に基づいて設定する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記基準時点からの経過時間、又は前記基準時点から前記基準時間が経過するまでの残り時間を前記ユーザに案内する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1選手制御手段は、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタへのパスの種類を前記ユーザの操作に基づいて決定する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記第1選手キャラクタが所定の第1条件を満足する選手キャラクタでない場合、前記操作対象変更手段による前記ユーザの操作対象の変更、又は前記第1選手制御手段による制御の実行を制限する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、所定の第2条件を満足する選手キャラクタを、前記パス目標の選手キャラクタとして選択することを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタの行動制御に関する行動制御情報を設定するようにユーザに案内する手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記第1選手キャラクタ及び前記第2選手キャラクタ以外の選手キャラクタの行動を、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて制御する手段と、を含み、
前記パス目標選択手段は、前記第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、前記パス目標の選手キャラクタを、前記ユーザによって設定された前記行動制御情報に基づいて選択する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項10】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択ステップと、
前記パス目標選択ステップによって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更ステップと、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御ステップと、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更ステップによって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御ステップと、
を含み、
前記第1選手制御ステップは、
前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御ステップと、
前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定するステップと、
前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせるステップと、を含む、
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項11】
ユーザの操作対象チームと、対戦相手チームと、の間で行われる移動物体を用いたスポーツのゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちの、前記ユーザの操作対象になっている第1選手キャラクタが前記移動物体を保持している場合において、前記ユーザの操作に基づいて、前記操作対象チームに所属する選手キャラクタのうちから、パス目標の選手キャラクタを選択するパス目標選択手段と、
前記パス目標選択手段によって前記パス目標として第2選手キャラクタが選択された場合、前記ユーザの操作対象を、前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに変更する操作対象変更手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第1選手キャラクタの動作を制御する第1選手制御手段と、
前記ユーザの操作対象が前記第1選手キャラクタから前記第2選手キャラクタに前記操作対象変更手段によって変更された後において、前記第2選手キャラクタを前記ユーザの操作に基づいて移動させる第2選手制御手段と、
として前記コンピュータを機能させ、
前記第1選手制御手段は、
前記対戦相手チームに所属する選手キャラクタの位置に基づいて、前記第1選手キャラクタ及び前記移動物体を移動させる移動制御手段と、
前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、に関する条件を、前記第1選手キャラクタ又は/及び前記移動物体の位置と、前記第2選手キャラクタの位置と、が満足するか否かを判定する手段と、
前記条件が満足されると判定された場合、前記第2選手キャラクタへのパスを前記第1選手キャラクタに行わせる手段と、を含む、
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−35828(P2010−35828A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202325(P2008−202325)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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