ゲーム装置およびゲームプログラム
【課題】 斬新で面白いゲームを実現し、ひいてはゲームの興趣を高めることができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】 ゲーム装置は、複数のブロックBが環状に配置されて回転する外周壁W1と、その内側に位置する標的Tと、投射体Cを発射する発射部Lと、投射体Cが複数のブロックBのうちのいずれかに当たったか否かを判定する外周壁当否判定手段と、投射体Cが複数のブロックBのうちのいずれかに当たったと判定された場合、そのブロックBに応じた特典を付与する一部特典付与手段と、投射体Cが当たったブロックBを外周壁W1から除去し、投射体Cが通過可能な外周開口部を外周壁W1に生成する外周開口部生成手段と、投射体Cが標的Tに当たったか否かを判定する標的当否判定手段と、投射体Cが標的Tに当たったと判定された場合、全ての特典を付与する全特典付与手段とを備えている。
【解決手段】 ゲーム装置は、複数のブロックBが環状に配置されて回転する外周壁W1と、その内側に位置する標的Tと、投射体Cを発射する発射部Lと、投射体Cが複数のブロックBのうちのいずれかに当たったか否かを判定する外周壁当否判定手段と、投射体Cが複数のブロックBのうちのいずれかに当たったと判定された場合、そのブロックBに応じた特典を付与する一部特典付与手段と、投射体Cが当たったブロックBを外周壁W1から除去し、投射体Cが通過可能な外周開口部を外周壁W1に生成する外周開口部生成手段と、投射体Cが標的Tに当たったか否かを判定する標的当否判定手段と、投射体Cが標的Tに当たったと判定された場合、全ての特典を付与する全特典付与手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばビデオゲームを実行可能なゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばメダルゲーム機には、大量のメダルを払い出し可能なボーナスゲームを実行するものとして、ボールを用いて抽選を行うゲーム装置を備えたものがある(特許文献1、2参照)。このゲーム装置は、椀状あるいは皿状のボール受台と、ボール受台の中心部において回転し、その中心部へと転がってきたボールが入る複数の凹部を有する抽選チャッカーと、抽選チャッカーの何れの凹部にボールが入ったかを検出するボールセンサとを備えている。このようなゲーム装置では、抽選チャッカーの特定の凹部にボールが入ると、入賞動作あるいはさらに別のゲームが実行され、大量のメダルが払い出される。
【0003】
しかしながら、上記従来のゲーム装置では、いわゆるルーレットに似たゲームが実行されるに過ぎず、プレイヤの技量に応じてメダルの払い出し数が変わるものではないので、ゲームの面白さや斬新さに欠け、ゲームの興趣が十分得られないという面があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−253842号公報
【特許文献2】特開2007−98031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、斬新で面白いゲームを実現し、ひいてはゲームの興趣を高めることができるゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面により提供されるゲーム装置は、特典が割り当てられた複数のブロックが環状に配置されて回転する外周壁と、上記外周壁の内側に位置する標的と、上記外周壁の外側からその外周壁に向けて投射体を発射する発射部と、上記投射体が上記外周壁における上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったか否かを判定する外周壁当否判定手段と、上記外周壁当否判定手段により上記投射体が上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったと判定された場合、そのブロックに応じた特典を付与する一部特典付与手段と、上記投射体が当たった上記ブロックを上記外周壁から除去し、上記投射体が通過可能な外周開口部を上記外周壁に生成する外周開口部生成手段と、上記投射体が上記標的に当たったか否かを判定する標的当否判定手段と、上記標的当否判定手段により上記投射体が上記標的に当たったと判定された場合、その時点で上記外周壁を構成する上記ブロックに応じた全ての特典を付与する全特典付与手段と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁の内側において、上記標的を環状に囲って回転するとともに、上記投射体が通過可能な内周開口部を一部分に有する内周壁を備えている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記投射体が上記内周壁に当たったか否かを判定する内周壁当否判定手段と、上記内周壁当否判定手段により上記投射体が上記内周壁に当たったと判定された場合、ゲームを終了とするゲーム終了手段を備えている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁および内周壁は、互いに同一の回転速度で同一方向に回転する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁、標的、投射体、および発射部を画像として画面上に表示する画像表示手段を備えている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁は、上記画面の中央に表示されるとともに、上記発射部は、上記画面内の複数箇所に表示される。
【0013】
本発明の第2の側面により提供されるゲームプログラムは、コンピュータを、上記第1の側面による各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プレイヤは、外周壁のブロックに投射体を当て、そのブロックに割り当てられた特典を得る楽しみと、その後、回転する外周壁の外周開口部を狙って投射体を発射し、その内側に位置する標的に投射体を当てることによって全ての特典を得る楽しみとを享受することができる。したがって、本発明によれば、プレイヤの技量に応じて多くの特典が付与される斬新で面白い内容のゲームを実現することができ、ひいてはゲームの興趣を高めることができる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す筐体の上面図である。
【図3】図1に示すゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ゲーム画像全体を説明するための説明図である。
【図5】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図6】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図7】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図8】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図9】ゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【図11】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【図12】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【図13】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1〜9は、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示している。図1および図2に示すように、本実施形態のゲーム装置Aは、4人のプレイヤがメインゲームとしてスロットゲームを行うことができるアーケードゲーム装置である。ゲーム装置Aは、各プレイヤが遊戯媒体としてのメダルを投入してベットを行うことによりスロットゲームを実行するとともに、そのゲーム結果に応じてメダル(特典)を付与し、あるいは後述のボーナスゲームやミニゲームとしてのシューティングゲームを実行するように構成されている。ゲーム装置Aは、筐体1、屋根部2、画像表示部3、複数の操作部4(4a〜4d)、複数のスピーカ5、電飾6(図3参照)、およびCPU10を含む各種のハードウェア(図3参照)を備える。
【0019】
図1に示すように、筐体1の上部には、画像表示部3が設けられている。筐体1の上部縁端には、複数の操作部4が設けられている。各操作部4に対応する筐体1の側面の各箇所には、メダル払出口1Aが設けられている。筐体1の内部には、各種のハードウェアを備えた制御基板が設けられている。筐体1の上方には、支柱2Aを介して屋根部2が設けられている。各操作部4に対応する屋根部2の下部の各箇所には、スピーカ5が設けられている。屋根部2の側面には、電飾6が設けられている(図1において図示略)。
【0020】
画像表示部3は、たとえば比較的大きな液晶表示パネルからなり、筐体1の上方に水平に配置された画面30を有する。画面30は、各操作部4と対応するように4分割された領域ごとにたとえばスロットゲームのゲーム画像(図2参照)を表示する。また、画面30は、1つの操作部4に対応する領域と中央部の領域において1つのゲーム画像を表示する一方、その他の領域に他のゲーム画像を表示可能である。
【0021】
なお、4つの操作部4をそれぞれ個別に指す場合、操作部4a、操作部4b、操作部4c、操作部4dと記載し、各操作部4a,4b,4c,4dに対応する画面30の各領域を、それぞれ、領域30a、領域30b、領域30c、領域30dと記載する。画面30の中央部の領域については、共用領域30eと記載する。また、たとえば操作部4aと画面30aとを擬似的に1つのゲーム装置と考える場合、これをサテライトaと記載する。同様に、操作部4bと画面30bとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトbと記載し、操作部4cと画面30cとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトcと記載し、操作部4dと画面30dとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトdと記載する。各サテライトa〜dは、共用領域30eも利用可能である。たとえば、サテライトaにおいてボーナスゲームが実行される場合、図4に示すように、ボーナスゲームのゲーム画像が領域30aと共用領域30eとに表示される。その一方、その他のサテライトb〜dにおいては、ミニゲームとしてのシューティングゲームが実行され、各領域30b〜30dには、シューティングゲームのゲーム画像が表示される。
【0022】
図2に示すように、各操作部4a〜4dには、メダル投入口40、メダル投入センサ41(図3参照)、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が設けられている。
【0023】
メダル投入口40には、プレイヤによりメダルが投入される。投入されたメダルは、図示しないメダル貯留部に蓄えられる。
【0024】
メダル投入センサ41は、メダル投入口40に投入されたメダルを検知し、その旨の信号を後述のCPU10に出力する。なお、メダル投入口40に投入されたメダルの数(メダル投入数)は、クレジット数(ゲームプレイの権利数)としてCPU10に処理される。クレジット数には、ゲーム結果に応じて付与されたメダル付与数も含まれる。
【0025】
ベットボタン42は、スロットゲームに際してプレイヤが所望のメダルベット数を指示する際に用いられる。たとえば、ベットボタン42を1回、2回、あるいは3回押下して操作すると、それぞれのボタン操作回数に応じてメダルベット数が1、2、3となる。メダルベット数は、CPU10に伝えられる。
【0026】
スタートボタン43は、プレイヤがスロットゲームの始動を指示するために用いられる。また、スタートボタン43は、ボーナスゲームやシューティングゲームに際して発射タイミングを指示するための発射ボタンとして用いられる。たとえば、ボーナスゲームに際してスタートボタン43を押下すると、発射タイミングを特定する操作信号がCPU10に伝えられる。
【0027】
ペイアウトボタン44は、プレイヤがメダルの払い出しを指示するために用いられる。ペイアウトボタン44を押下すると、上記クレジット数に相当する数のメダルが図示しないメダル搬送機構を介してメダル貯留部からメダル払出口1Aまで送られ、メダル払出口1Aから払い出される。
【0028】
操作レバー機構45は、スロットゲームでは使用されないが、シューティングゲームに際してプレイヤキャラクタを移動させるための操作レバーとして用いられる。
【0029】
図3に示すように、ゲーム装置Aは、制御基板に設けられるハードウェアとして、CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、VRAM14、ビデオインターフェース15、入力インターフェース16、および出力インターフェース17を備える。CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、入力インターフェース16、および出力インターフェース17は、バス18を介して互いに接続されている。GPU13には、VRAM14およびビデオインターフェース15を介して、画像表示部3が接続されている。入力インターフェース16には、各操作部4のメダル投入センサ41、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が接続されている。出力インターフェース17には、スピーカ5および電飾6が接続されている。
【0030】
CPU10は、ROM11に記憶されたシステムプログラムおよびゲームプログラムを実行し、各種の入出力制御および演算処理を行う。たとえば、CPU10は、デジタルカウンタとして機能し、クレジット数、メダル投入数、メダル付与数、メダルベット数、およびメダル払出数について計数処理を行う。CPU10は、メダル投入数およびメダル付与数を加算値とし、メダルベット数を減算値としてクレジット数を算出する。メダル払出数は、ペイアウトボタン44を押下した際に払い出されるメダルの総数であり、その時点でのクレジット数に相当する。CPU10は、サテライトa〜dごとに異なる種類のゲームプログラムを並行処理可能である。すなわち、CPU10は、スロットゲーム、ボーナスゲーム、およびシューティングゲームといったゲームプログラムをサテライトa〜dごとに並行処理し、それぞれに応じたゲーム画像を画面30の領域30a〜30dおよび共用領域30eに表示させる旨の命令をGPU13に送る。ゲームプログラムの実行中、CPU10は、各サテライトa〜dにおけるプレイヤの入力操作やゲーム時間を監視している。CPU10は、各種ゲームの進行状況に応じてスピーカ5や電飾6を動作させる。
【0031】
ROM11は、読み出し専用の半導体メモリである。このROM11には、ハードウェアの基本的な動作を制御するためのシステムプログラムと、ゲームに関する各種の処理をCPU10に実行させるための命令や手順を記したゲームプログラムなどが記憶されている。また、ROM11には、スロットゲーム、ボーナスゲーム、およびシューティングゲームのゲーム画像などが記憶されている。
【0032】
システムプログラムには、CPU10をデジタルカウンタやタイマーとして機能させるためのプログラムが含まれる。ゲームプログラムには、スロットゲーム、ボーナスゲーム、およびシューティングゲームなどの進行手順を記したプログラムが含まれる。ゲーム画像は、サテライトa〜dごとに読み出されて画面30内の領域30a〜30dおよび共用領域30eに表示される。たとえば図4に示すように、操作部4aのサテライトaに応じて領域30aおよび共用領域30eに表示されるボーナスゲームのゲーム画像には、回転する円環状の外周壁W1および内周壁W2、内周壁W2の内側に位置する標的オブジェクトT、外周壁W1に向けてキャラクタC1(投射体)を発射する発射部L、発射残り回数表示部N、タイマー表示部C、ならびにメダル獲得数表示部Gなどが含まれる。外周壁W1は、メダル付与数が特典として割り当てられた複数のブロックBを円環状に配置して構成される。その他の操作部4b〜4dのサテライトb〜dに応じて画面30の領域30b〜30dに表示されるシューティングゲームのゲーム画像には、プレイヤキャラクタC2や敵キャラクタ(図示略)、プレイヤキャラクタC2を動かすための可動オブジェクトMなどが含まれる。なお、ゲームプログラムやゲーム画像は、ハードディスク、光ディスクあるいはフラッシュメモリといった記録媒体に記録しておき、この記録媒体から読み取り装置を介してCPU10が適宜読み出すようにしてもよい。
【0033】
RAM12は、読み書き可能な半導体メモリであり、CPU10によるプログラムのロードや画像データなどの一時的な記憶に用いられる。たとえばRAM12には、ROM11から読み出された画像データや、ゲームプログラムの実行に必要な各種の情報が記憶される。
【0034】
GPU13は、ゲーム画像の表示処理に必要な高速演算処理を行う。たとえばGPU13は、各サテライトa〜dに対応するゲーム画像をまとめて同時に表示するための画像データを20fpsのフレームレートで生成し、1フレームずつ生成した画像データをVRAM14に転送する。
【0035】
VRAM14は、映像表示専用の半導体メモリである。たとえばVRAM14は、GPU13によって生成された画像データを一時的に保持するフレームバッファとして機能する。このVRAM14からは、ビデオインターフェース15を介して画像表示部3に1フレームずつ画像データが送信される。これにより、画面30の領域30a〜30dおよび共用領域30eには、サテライトa〜dごとに異なる内容のゲーム画像が表示される。
【0036】
一連のゲームの流れは、以下のようになっている。
【0037】
まず、図2に示すように、各サテライトa〜dに対応する画面30内の各領域30a〜30dには、スロットゲームのゲーム画像が表示される。
【0038】
スロットゲームの進行に伴い、たとえば操作部4aに対応するサテライトaにおいて、ボーナスゲームに移行する旨のゲーム結果が生じると、図4に示すように、画面30内の領域30aおよび共用領域30eにボーナスゲームのゲーム画像が表示される。このとき、他のサテライトb〜dにおいては、全てのプレイヤの操作待ち状態を経てスロットゲームが中断され、ボーナスゲームに並行してシューティングゲームが開始される。ボーナスゲームは、クレジットを用いずにプレイ可能であるが、シューティングゲームは、発射ごとにクレジットが消費される。
【0039】
なお、ボーナスゲームは、スロットゲームで所定の絵柄が揃うことにより移行されるものとしてもよいし、あるいはスロットゲームで所定の絵柄またはアイコンが出現し、さらにそれに応じて実行されるルーレットゲームなどのミニゲームのゲーム結果に応じて移行されるものとしてもよい。本実施形態において、ボーナスゲームに移行する際には、そのボーナスゲームにおいて付与されるメダルの総付与数がCPU10の内部抽選処理あるいはプレイヤの入力操作などにより事前に決定される。たとえば、ボーナスゲームによるメダル総付与数は、「100」、「200」、「300」というようにCPU10によって可変制御される。なお、ボーナスゲームのメダル総付与数は、常に一定であってもよい。
【0040】
図4に示すように、ボーナスゲームにおいては、画面30内の領域30aおよび共用領域30eに、回転する外周壁W1および内周壁W2、標的オブジェクトT、発射部L、発射部Lから発射されるキャラクタC1、発射残り回数表示部N、タイマー表示部C、ならびにメダル獲得数表示部Gが表示される。外周壁W1の内側には、内周壁W2が配置され、内周壁W2の内側には、標的オブジェクトTが配置される。外周壁W1および内周壁W2は、同一の回転速度で同一方向に回転している。ボーナスゲームのメダル総付与数は、標的オブジェクトTの上方にチャレンジ数として表示される。なお、外周壁W1および内周壁W2は、異なる回転速度で回転してもよく、あるいは互いに反対方向に回転してもよい。
【0041】
ボーナスゲームの開始当初、外周壁W1は、複数のブロックBによって内周壁W2および標的オブジェクトTを完全に包囲するように配置されている。一方、内周壁W2には、一つのブロックBに対応する部分に内周開口部W2aが予め設けられている。この内周開口部W2aには、回転中の位置がプレイヤにとって分かりやすいように矢印状のマークが付記されている。発射部Lからは、プレイヤによるスタートボタン43の操作に応じて外周壁W1に向けてキャラクタC1が発射される。発射部Lの発射方向は、発射ごとに一定の方向を向くようになっており、キャラクタC1は、常に一定の位置に到達するように発射される。すなわち、本実施形態においては、プレイヤによる発射操作のタイミングがゲーム結果を決定付けるようになっている。なお、発射方向は、たとえばプレイヤの操作に応じて可変制御するようにしてもよい。
【0042】
複数のブロックBには、CPU10によりメダル総付与数に基づいて配分されたメダル付与数が特典として割り当てられている。発射部Lから発射可能なキャラクタC1の発射限度回数は、CPU10によりメダル総付与数に応じて可変設定される。たとえば、メダル総付与数が「100」の場合、発射限度回数が3回に設定され、「200」の場合、発射限度回数が5回に設定され、「300」の場合、発射限度回数が7回に設定される。CPU10は、発射限度回数から実際に発射した回数を減算し、そうして得られた発射残り回数を発射残り回数表示部Nに表示させる。また、CPU10は、ボーナスゲームに制限時間を設定しており、その制限時間をカウントダウンして残り時間をタイマー表示部Cに表示させる。ボーナスゲームの制限時間は、たとえば30秒である。ボーナスゲームによるメダル獲得数は、CPU10により累計されてメダル獲得数表示部Gに表示される。なお、発射限度回数は、メダル総付与数によることなく一定値として設定され、たとえば発射限度回数を一律5回としてもよい。発射限度回数は、ブロックBの数よりも少ないことが望ましい。各ブロックBには、メダル付与数に限らず、ゲームの進行に必要なアイテムなどを特典として割り当てるようにしてもよい。たとえば、シューティングゲームにおいて用いられる武器などのアイテムを特典としてもよい。
【0043】
具体的には、図5(A)に示すように、発射部Lから発射されたキャラクタC1が外周壁W1のブロックBに当たると、図5(B)に示すように、そのブロックBが外周壁W1から消え、外周壁W1に外周開口部W1aが形成される。消えたブロックBに割り当てられていたメダル付与数は、メダル獲得数に加算される。これにより、プレイヤは、外周壁W1のブロックBを狙ってキャラクタCを発射し、そのブロックBに割り当てられたメダル付与数分のメダルを得ることを楽しみながらゲームを行うことができる。
【0044】
さらに、発射部LからキャラクタC1が発射され、内周開口部W2aに対応するブロックBにキャラクタC1が当たると、図6に示すように、その内周開口部W2aに対応する外周壁W1の部分に外周開口部W1aが形成され、この外周開口部W1aと内周開口部W2aとが一致しながら回転する。これらの外周開口部W1aおよび内周開口部W2aは、キャラクタC1が通り抜けて標的オブジェクトTまで到達可能な開口F1となる。一方、その余の外周開口部W1aは、キャラクタC1が通り抜けても内周壁W2により阻止される半開口F2となる。
【0045】
その後、さらに図7(A)に示すように、発射部LからキャラクタC1が発射され、そのキャラクタC1が回転中の開口F1(外周開口部W1aおよび内周開口部W2a)を通り抜けて標的オブジェクトTに当たると、図7(B)に示すように、外周壁W1のブロックBおよび内周壁W2が爆発して崩れ、それらのブロックBに割り当てられていたメダル付与数が総取りされる様子の総取り演出画像が表示される。すなわち、この場合には、ボーナスゲームに設定されたメダル総付与数に相当するメダル数がクレジット数に加算される。これにより、プレイヤは、開口F1を通り抜けて標的オブジェクトTに当たるようにタイミングよくキャラクタC1を発射し、標的オブジェクトTにキャラクタC1を当ててメダル総付与数分のメダルを総取りすることを期待しながらゲームを行うことができる。
【0046】
一方、図8(A)に示すように、発射部LからキャラクタC1が発射され、そのキャラクタC1が回転中の半開口F2(内周開口部W2aに対応しない外周開口部W1a)を通り抜けて内周壁W2に当たると、図8(B)に示すように、外周壁W1および内周壁W2の回転が停止するとともに、標的オブジェクトTが消え去り、メダルの総取りに失敗してゲーム終了となった様子の終了演出画像が表示される。この場合、キャラクタC1を発射した回数が発射限度回数に達していなくても、ボーナスゲームが終了となる。これにより、プレイヤは、外周壁W1および内周壁W2の回転に合わせてキャラクタC1を発射するタイミングをとりながらゲームを行うことができる。
【0047】
次に、ボーナスゲーム実行時の制御処理について、図9を参照して説明する。
【0048】
図9に示すように、CPU10は、図4に示すようなボーナスゲーム画像の表示処理の開始を指示する(S1)。ボーナスゲーム画像の表示処理は、たとえば画像表示部3によって図9に示す一連の処理と並行して実行される。このとき、CPU10は、ボーナスゲームと並行してシューティングゲームのゲームプログラムを実行する。また、CPU10は、ボーナスゲームに関するメダル総付与数や発射限度回数、制限時間をゲーム開始に先立って設定しており、各ブロックBにメダル総付与数を配分してメダル付与数を割り当てる。ボーナスゲーム画像の表示処理では、外周壁W1および内周壁W2をゲーム開始に伴い同一の回転速度で同一方向に回転させる画像を生成・出力(表示)する。
【0049】
その後、プレイヤにより発射操作(スタートボタン43の押下)がなされると(S2:YES)、CPU10は、発射回数を+1加算(インクリメント)し(S3)、発射設定を行う(S4)。そして、画像表示部3は、発射設定に基づき、発射部LからキャラクタC1が発射される様子の画像(発射画像)を含めたゲーム画像を生成・出力(表示)する。なお、ボーナスゲームの制限時間がタイムアップになると、プレイヤの発射操作がなくても、プレイヤが認識できない程度にランダムに調整されたタイミングでキャラクタC1が発射される。
【0050】
キャラクタC1の発射後、CPU10は、外周壁W1のブロックBのいずれかにキャラクタC1が命中するか否かを判定する(S5)。判定結果は、外周壁W1および内周壁W2の回転速度、ならびにキャラクタC1の発射方向および発射速度をCPU10が制御しており、プレイヤによる発射操作のタイミングに基づいてCPU10が演算処理を行うことにより瞬時に得られる。
【0051】
キャラクタC1がブロックBに命中する場合(S5:YES)、命中したブロックB部分に開口部を生成する設定を行う(S6)。そして、画像表示部3は、外周開口部生成設定に基づき、キャラクタC1がブロックBに当たり、そのブロックBが外周壁W1から消え去り、外周開口部W1aが生成される様子の図5に示すような画像を生成・出力(表示)する。
【0052】
そして、CPU10は、命中したブロックBに割り当てられたメダル付与数をメダル獲得数に加算する(S7)。加算されたメダル獲得数は、メダル獲得数表示部Gに表示される。
【0053】
その後、CPU10は、発射回数が発射限度回数に達したと判断すると(S8:YES)、ボーナスゲームの制御処理を終了する。この時点におけるメダル獲得数は、クレジット数に加算される。
【0054】
S8において、発射回数が発射限度回数に達していない場合(S8:NO)、CPU10は、S2に戻ってプレイヤによる発射操作を監視する。
【0055】
S5において、キャラクタC1がブロックBに命中しない場合(S5:NO)、CPU10は、そのキャラクタC1が標的オブジェクトTに命中するか否かを判定する(S9)。この判定結果も、CPU10が演算処理を行うことにより瞬時に得られる。
【0056】
キャラクタC1が標的オブジェクトTに命中する場合(S9:YES)、総取り演出設定を行う(S10)。そして、画像表示部3は、総取り演出設定に基づき、キャラクタC1がタイミングよく開口F1を通り抜け、そのキャラクタC1が標的オブジェクトTに当たり、全てのブロックBに割り当てられたメダ付与数を総取りすることができる様子の図7に示すような総取り演出画像を生成・出力(表示)する。
【0057】
そして、CPU10は、全てのブロックBに割り当てられたメダル付与数をメダル獲得数に加算し(S11)、ボーナスゲームの制御処理を終了する。この場合、ボーナスゲームに設定されたメダル総付与数に相当するメダル獲得数がクレジット数に加算される。
【0058】
S9において、キャラクタC1が標的オブジェクトTに命中しない場合(S9:NO)、CPU10は、キャラクタC1が半開口F2を通り抜けて内周壁W2に当たったと判定し、終了演出設定を行う(S12)。そして、画像表示部3は、終了演出設定に基づき、キャラクタC1が内周壁W2に当たり、標的オブジェクトTが消える様子の図8に示すような終了演出画像を生成・出力(表示)する。そして、CPU10は、ボーナスゲームの制御処理を終了する。
【0059】
S2において、プレイヤにより発射操作がなされない場合(S2:NO)、CPU10は、発射操作の監視を継続し、次のS3の処理を実行しない。
【0060】
したがって、本実施形態のゲーム装置Aによれば、プレイヤは、ボーナスゲームにおいて、外周壁W1のブロックBにキャラクタC1を当て、そのブロックBに割り当てられたメダル付与数を得る楽しみと、その後、回転する開口F1を狙ってキャラクタC1を発射し、標的オブジェクトTにキャラクタC1を当ててメダル総付与数に相当する多くのメダルを得る楽しみとを享受することができる。すなわち、プレイヤの技量に応じて多くのメダルが付与される斬新で面白い進行内容のボーナスゲームを実現することができ、ひいてはゲームの興趣を高めることができる。
【0061】
なお、上記実施形態はあくまで一例であり、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0062】
たとえば、ボーナスゲームは、図10に示すように複数のプレイヤが参加可能なゲームとしてもよい。この場合、各サテライトa〜dに対応する画面30内の各領域30a〜30dには、発射部Lなどが表示され、複数のプレイヤは、外周壁W1の外側四方からブロックBや標的オブジェクトTを同時に狙うことができる。どのサテライトa〜dの発射部Lから発射されたキャラクタC1がどのブロックBなどに当たったかは、コンピュータが演算処理を行うことにより瞬時に判定可能である。このようなボーナスゲームにおいては、そのゲーム開始を引き当てたプレイヤのサテライトには、たとえば比較的多い発射限度回数を設定し、他のプレイヤのサテライトには、それより少ない発射限度回数を設定することができる。これにより、複数のプレイヤにゲームプレイの条件に差を付けてゲームを楽しませることができる。もちろん同一の条件で複数のプレイヤにゲームを行わせてもよい。
【0063】
外周壁および内周壁を用いたゲームは、ボーナスゲームに限らず、1人あるいは複数人のプレイヤによりメインのゲームとして実行されるようにしてもよい。内周壁に当たった場合においてもメダルが付与されるようにしてもよい。外周壁の内側には、内周壁を設けないようにしてもよい。キャラクタが標的オブジェクトに命中した場合に付与される特典は、少なくとも1つのブロックに割り当てられた特典よりも有利なものであればよい。
【0064】
ゲーム装置は、画像表示に代えて、たとえば外周壁や内周壁を機械的に開閉可能な構造(たとえば昇降動作によって開閉する構造)とし、その外周壁に向けてボールを発射する発射部を用い、外周壁や内周壁さらには標的にボールが当たったことを検知するセンサを備えたものとしてもよい。
【0065】
外周壁もしくは内周壁は、回転しなくてもよい。たとえば図11に他の実施形態として示すように、固定された外周壁W1の内側に標的オブジェクトTが位置し、その外周壁W1の外側を発射部Lが相対的に回転するような構成であってもよい。
【0066】
外周壁に対する標的と発射部との位置関係は、先述した実施形態によるものとは逆であってもよい。たとえば図12に他の実施形態として示すように、回転する外周壁W1の内側に発射部Lが位置するとともに、その外周壁W1の外側を標的オブジェクトTが相対的に回転するような構成であってもよい。この場合、標的オブジェクトTを複数設けるようにしてもよい。また、発射部Lの発射方向は、プレイヤの操作に応じて可変制御するようにしてもよい。
【0067】
外周壁もしくは内周壁は、円環状に限らない。たとえば図13に他の実施形態として示すように、ブロックBを一列にまっすぐ並べて直線状の外周壁W1を構成し、この外周壁W1に対して互いに反対側に発射部Lと標的オブジェクトTとを配置した構成としてもよい。この場合、外周壁W1は、その配列方向に沿ってブロックBが移動するように表示されてもよいし、あるいは、標的オブジェクトTは、外周壁W1の配列方向に沿って移動するように表示されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
A ゲーム装置
B ブロック
W1 外周壁
W1a 外周開口部
W2 内周壁
W2a 内周開口部
T 標的オブジェクト
C1 キャラクタ(投射体)
L 発射部
1 筐体
2 屋根部
3 画像表示部(画像表示手段)
4 操作部
5 スピーカ
6 電飾
10 CPU(外周壁当否判定手段、一部特典付与手段、外周開口部生成手段、標的当否判定手段、全特典付与手段、内周壁当否判定手段、ゲーム終了手段)
11 ROM
12 RAM
13 GPU
14 VRAM
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばビデオゲームを実行可能なゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばメダルゲーム機には、大量のメダルを払い出し可能なボーナスゲームを実行するものとして、ボールを用いて抽選を行うゲーム装置を備えたものがある(特許文献1、2参照)。このゲーム装置は、椀状あるいは皿状のボール受台と、ボール受台の中心部において回転し、その中心部へと転がってきたボールが入る複数の凹部を有する抽選チャッカーと、抽選チャッカーの何れの凹部にボールが入ったかを検出するボールセンサとを備えている。このようなゲーム装置では、抽選チャッカーの特定の凹部にボールが入ると、入賞動作あるいはさらに別のゲームが実行され、大量のメダルが払い出される。
【0003】
しかしながら、上記従来のゲーム装置では、いわゆるルーレットに似たゲームが実行されるに過ぎず、プレイヤの技量に応じてメダルの払い出し数が変わるものではないので、ゲームの面白さや斬新さに欠け、ゲームの興趣が十分得られないという面があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−253842号公報
【特許文献2】特開2007−98031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、斬新で面白いゲームを実現し、ひいてはゲームの興趣を高めることができるゲーム装置、およびこのゲーム装置を機能させるためのゲームプログラムを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面により提供されるゲーム装置は、特典が割り当てられた複数のブロックが環状に配置されて回転する外周壁と、上記外周壁の内側に位置する標的と、上記外周壁の外側からその外周壁に向けて投射体を発射する発射部と、上記投射体が上記外周壁における上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったか否かを判定する外周壁当否判定手段と、上記外周壁当否判定手段により上記投射体が上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったと判定された場合、そのブロックに応じた特典を付与する一部特典付与手段と、上記投射体が当たった上記ブロックを上記外周壁から除去し、上記投射体が通過可能な外周開口部を上記外周壁に生成する外周開口部生成手段と、上記投射体が上記標的に当たったか否かを判定する標的当否判定手段と、上記標的当否判定手段により上記投射体が上記標的に当たったと判定された場合、その時点で上記外周壁を構成する上記ブロックに応じた全ての特典を付与する全特典付与手段と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁の内側において、上記標的を環状に囲って回転するとともに、上記投射体が通過可能な内周開口部を一部分に有する内周壁を備えている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記投射体が上記内周壁に当たったか否かを判定する内周壁当否判定手段と、上記内周壁当否判定手段により上記投射体が上記内周壁に当たったと判定された場合、ゲームを終了とするゲーム終了手段を備えている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁および内周壁は、互いに同一の回転速度で同一方向に回転する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁、標的、投射体、および発射部を画像として画面上に表示する画像表示手段を備えている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記外周壁は、上記画面の中央に表示されるとともに、上記発射部は、上記画面内の複数箇所に表示される。
【0013】
本発明の第2の側面により提供されるゲームプログラムは、コンピュータを、上記第1の側面による各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プレイヤは、外周壁のブロックに投射体を当て、そのブロックに割り当てられた特典を得る楽しみと、その後、回転する外周壁の外周開口部を狙って投射体を発射し、その内側に位置する標的に投射体を当てることによって全ての特典を得る楽しみとを享受することができる。したがって、本発明によれば、プレイヤの技量に応じて多くの特典が付与される斬新で面白い内容のゲームを実現することができ、ひいてはゲームの興趣を高めることができる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す筐体の上面図である。
【図3】図1に示すゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】ゲーム画像全体を説明するための説明図である。
【図5】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図6】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図7】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図8】ゲーム画像を説明するための説明図である。
【図9】ゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【図11】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【図12】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【図13】他の実施形態によるゲーム画像を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1〜9は、本発明に係るゲーム装置の一実施形態を示している。図1および図2に示すように、本実施形態のゲーム装置Aは、4人のプレイヤがメインゲームとしてスロットゲームを行うことができるアーケードゲーム装置である。ゲーム装置Aは、各プレイヤが遊戯媒体としてのメダルを投入してベットを行うことによりスロットゲームを実行するとともに、そのゲーム結果に応じてメダル(特典)を付与し、あるいは後述のボーナスゲームやミニゲームとしてのシューティングゲームを実行するように構成されている。ゲーム装置Aは、筐体1、屋根部2、画像表示部3、複数の操作部4(4a〜4d)、複数のスピーカ5、電飾6(図3参照)、およびCPU10を含む各種のハードウェア(図3参照)を備える。
【0019】
図1に示すように、筐体1の上部には、画像表示部3が設けられている。筐体1の上部縁端には、複数の操作部4が設けられている。各操作部4に対応する筐体1の側面の各箇所には、メダル払出口1Aが設けられている。筐体1の内部には、各種のハードウェアを備えた制御基板が設けられている。筐体1の上方には、支柱2Aを介して屋根部2が設けられている。各操作部4に対応する屋根部2の下部の各箇所には、スピーカ5が設けられている。屋根部2の側面には、電飾6が設けられている(図1において図示略)。
【0020】
画像表示部3は、たとえば比較的大きな液晶表示パネルからなり、筐体1の上方に水平に配置された画面30を有する。画面30は、各操作部4と対応するように4分割された領域ごとにたとえばスロットゲームのゲーム画像(図2参照)を表示する。また、画面30は、1つの操作部4に対応する領域と中央部の領域において1つのゲーム画像を表示する一方、その他の領域に他のゲーム画像を表示可能である。
【0021】
なお、4つの操作部4をそれぞれ個別に指す場合、操作部4a、操作部4b、操作部4c、操作部4dと記載し、各操作部4a,4b,4c,4dに対応する画面30の各領域を、それぞれ、領域30a、領域30b、領域30c、領域30dと記載する。画面30の中央部の領域については、共用領域30eと記載する。また、たとえば操作部4aと画面30aとを擬似的に1つのゲーム装置と考える場合、これをサテライトaと記載する。同様に、操作部4bと画面30bとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトbと記載し、操作部4cと画面30cとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトcと記載し、操作部4dと画面30dとからなる擬似的なゲーム装置をサテライトdと記載する。各サテライトa〜dは、共用領域30eも利用可能である。たとえば、サテライトaにおいてボーナスゲームが実行される場合、図4に示すように、ボーナスゲームのゲーム画像が領域30aと共用領域30eとに表示される。その一方、その他のサテライトb〜dにおいては、ミニゲームとしてのシューティングゲームが実行され、各領域30b〜30dには、シューティングゲームのゲーム画像が表示される。
【0022】
図2に示すように、各操作部4a〜4dには、メダル投入口40、メダル投入センサ41(図3参照)、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が設けられている。
【0023】
メダル投入口40には、プレイヤによりメダルが投入される。投入されたメダルは、図示しないメダル貯留部に蓄えられる。
【0024】
メダル投入センサ41は、メダル投入口40に投入されたメダルを検知し、その旨の信号を後述のCPU10に出力する。なお、メダル投入口40に投入されたメダルの数(メダル投入数)は、クレジット数(ゲームプレイの権利数)としてCPU10に処理される。クレジット数には、ゲーム結果に応じて付与されたメダル付与数も含まれる。
【0025】
ベットボタン42は、スロットゲームに際してプレイヤが所望のメダルベット数を指示する際に用いられる。たとえば、ベットボタン42を1回、2回、あるいは3回押下して操作すると、それぞれのボタン操作回数に応じてメダルベット数が1、2、3となる。メダルベット数は、CPU10に伝えられる。
【0026】
スタートボタン43は、プレイヤがスロットゲームの始動を指示するために用いられる。また、スタートボタン43は、ボーナスゲームやシューティングゲームに際して発射タイミングを指示するための発射ボタンとして用いられる。たとえば、ボーナスゲームに際してスタートボタン43を押下すると、発射タイミングを特定する操作信号がCPU10に伝えられる。
【0027】
ペイアウトボタン44は、プレイヤがメダルの払い出しを指示するために用いられる。ペイアウトボタン44を押下すると、上記クレジット数に相当する数のメダルが図示しないメダル搬送機構を介してメダル貯留部からメダル払出口1Aまで送られ、メダル払出口1Aから払い出される。
【0028】
操作レバー機構45は、スロットゲームでは使用されないが、シューティングゲームに際してプレイヤキャラクタを移動させるための操作レバーとして用いられる。
【0029】
図3に示すように、ゲーム装置Aは、制御基板に設けられるハードウェアとして、CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、VRAM14、ビデオインターフェース15、入力インターフェース16、および出力インターフェース17を備える。CPU10、ROM11、RAM12、GPU13、入力インターフェース16、および出力インターフェース17は、バス18を介して互いに接続されている。GPU13には、VRAM14およびビデオインターフェース15を介して、画像表示部3が接続されている。入力インターフェース16には、各操作部4のメダル投入センサ41、ベットボタン42、スタートボタン43、ペイアウトボタン44、および操作レバー機構45が接続されている。出力インターフェース17には、スピーカ5および電飾6が接続されている。
【0030】
CPU10は、ROM11に記憶されたシステムプログラムおよびゲームプログラムを実行し、各種の入出力制御および演算処理を行う。たとえば、CPU10は、デジタルカウンタとして機能し、クレジット数、メダル投入数、メダル付与数、メダルベット数、およびメダル払出数について計数処理を行う。CPU10は、メダル投入数およびメダル付与数を加算値とし、メダルベット数を減算値としてクレジット数を算出する。メダル払出数は、ペイアウトボタン44を押下した際に払い出されるメダルの総数であり、その時点でのクレジット数に相当する。CPU10は、サテライトa〜dごとに異なる種類のゲームプログラムを並行処理可能である。すなわち、CPU10は、スロットゲーム、ボーナスゲーム、およびシューティングゲームといったゲームプログラムをサテライトa〜dごとに並行処理し、それぞれに応じたゲーム画像を画面30の領域30a〜30dおよび共用領域30eに表示させる旨の命令をGPU13に送る。ゲームプログラムの実行中、CPU10は、各サテライトa〜dにおけるプレイヤの入力操作やゲーム時間を監視している。CPU10は、各種ゲームの進行状況に応じてスピーカ5や電飾6を動作させる。
【0031】
ROM11は、読み出し専用の半導体メモリである。このROM11には、ハードウェアの基本的な動作を制御するためのシステムプログラムと、ゲームに関する各種の処理をCPU10に実行させるための命令や手順を記したゲームプログラムなどが記憶されている。また、ROM11には、スロットゲーム、ボーナスゲーム、およびシューティングゲームのゲーム画像などが記憶されている。
【0032】
システムプログラムには、CPU10をデジタルカウンタやタイマーとして機能させるためのプログラムが含まれる。ゲームプログラムには、スロットゲーム、ボーナスゲーム、およびシューティングゲームなどの進行手順を記したプログラムが含まれる。ゲーム画像は、サテライトa〜dごとに読み出されて画面30内の領域30a〜30dおよび共用領域30eに表示される。たとえば図4に示すように、操作部4aのサテライトaに応じて領域30aおよび共用領域30eに表示されるボーナスゲームのゲーム画像には、回転する円環状の外周壁W1および内周壁W2、内周壁W2の内側に位置する標的オブジェクトT、外周壁W1に向けてキャラクタC1(投射体)を発射する発射部L、発射残り回数表示部N、タイマー表示部C、ならびにメダル獲得数表示部Gなどが含まれる。外周壁W1は、メダル付与数が特典として割り当てられた複数のブロックBを円環状に配置して構成される。その他の操作部4b〜4dのサテライトb〜dに応じて画面30の領域30b〜30dに表示されるシューティングゲームのゲーム画像には、プレイヤキャラクタC2や敵キャラクタ(図示略)、プレイヤキャラクタC2を動かすための可動オブジェクトMなどが含まれる。なお、ゲームプログラムやゲーム画像は、ハードディスク、光ディスクあるいはフラッシュメモリといった記録媒体に記録しておき、この記録媒体から読み取り装置を介してCPU10が適宜読み出すようにしてもよい。
【0033】
RAM12は、読み書き可能な半導体メモリであり、CPU10によるプログラムのロードや画像データなどの一時的な記憶に用いられる。たとえばRAM12には、ROM11から読み出された画像データや、ゲームプログラムの実行に必要な各種の情報が記憶される。
【0034】
GPU13は、ゲーム画像の表示処理に必要な高速演算処理を行う。たとえばGPU13は、各サテライトa〜dに対応するゲーム画像をまとめて同時に表示するための画像データを20fpsのフレームレートで生成し、1フレームずつ生成した画像データをVRAM14に転送する。
【0035】
VRAM14は、映像表示専用の半導体メモリである。たとえばVRAM14は、GPU13によって生成された画像データを一時的に保持するフレームバッファとして機能する。このVRAM14からは、ビデオインターフェース15を介して画像表示部3に1フレームずつ画像データが送信される。これにより、画面30の領域30a〜30dおよび共用領域30eには、サテライトa〜dごとに異なる内容のゲーム画像が表示される。
【0036】
一連のゲームの流れは、以下のようになっている。
【0037】
まず、図2に示すように、各サテライトa〜dに対応する画面30内の各領域30a〜30dには、スロットゲームのゲーム画像が表示される。
【0038】
スロットゲームの進行に伴い、たとえば操作部4aに対応するサテライトaにおいて、ボーナスゲームに移行する旨のゲーム結果が生じると、図4に示すように、画面30内の領域30aおよび共用領域30eにボーナスゲームのゲーム画像が表示される。このとき、他のサテライトb〜dにおいては、全てのプレイヤの操作待ち状態を経てスロットゲームが中断され、ボーナスゲームに並行してシューティングゲームが開始される。ボーナスゲームは、クレジットを用いずにプレイ可能であるが、シューティングゲームは、発射ごとにクレジットが消費される。
【0039】
なお、ボーナスゲームは、スロットゲームで所定の絵柄が揃うことにより移行されるものとしてもよいし、あるいはスロットゲームで所定の絵柄またはアイコンが出現し、さらにそれに応じて実行されるルーレットゲームなどのミニゲームのゲーム結果に応じて移行されるものとしてもよい。本実施形態において、ボーナスゲームに移行する際には、そのボーナスゲームにおいて付与されるメダルの総付与数がCPU10の内部抽選処理あるいはプレイヤの入力操作などにより事前に決定される。たとえば、ボーナスゲームによるメダル総付与数は、「100」、「200」、「300」というようにCPU10によって可変制御される。なお、ボーナスゲームのメダル総付与数は、常に一定であってもよい。
【0040】
図4に示すように、ボーナスゲームにおいては、画面30内の領域30aおよび共用領域30eに、回転する外周壁W1および内周壁W2、標的オブジェクトT、発射部L、発射部Lから発射されるキャラクタC1、発射残り回数表示部N、タイマー表示部C、ならびにメダル獲得数表示部Gが表示される。外周壁W1の内側には、内周壁W2が配置され、内周壁W2の内側には、標的オブジェクトTが配置される。外周壁W1および内周壁W2は、同一の回転速度で同一方向に回転している。ボーナスゲームのメダル総付与数は、標的オブジェクトTの上方にチャレンジ数として表示される。なお、外周壁W1および内周壁W2は、異なる回転速度で回転してもよく、あるいは互いに反対方向に回転してもよい。
【0041】
ボーナスゲームの開始当初、外周壁W1は、複数のブロックBによって内周壁W2および標的オブジェクトTを完全に包囲するように配置されている。一方、内周壁W2には、一つのブロックBに対応する部分に内周開口部W2aが予め設けられている。この内周開口部W2aには、回転中の位置がプレイヤにとって分かりやすいように矢印状のマークが付記されている。発射部Lからは、プレイヤによるスタートボタン43の操作に応じて外周壁W1に向けてキャラクタC1が発射される。発射部Lの発射方向は、発射ごとに一定の方向を向くようになっており、キャラクタC1は、常に一定の位置に到達するように発射される。すなわち、本実施形態においては、プレイヤによる発射操作のタイミングがゲーム結果を決定付けるようになっている。なお、発射方向は、たとえばプレイヤの操作に応じて可変制御するようにしてもよい。
【0042】
複数のブロックBには、CPU10によりメダル総付与数に基づいて配分されたメダル付与数が特典として割り当てられている。発射部Lから発射可能なキャラクタC1の発射限度回数は、CPU10によりメダル総付与数に応じて可変設定される。たとえば、メダル総付与数が「100」の場合、発射限度回数が3回に設定され、「200」の場合、発射限度回数が5回に設定され、「300」の場合、発射限度回数が7回に設定される。CPU10は、発射限度回数から実際に発射した回数を減算し、そうして得られた発射残り回数を発射残り回数表示部Nに表示させる。また、CPU10は、ボーナスゲームに制限時間を設定しており、その制限時間をカウントダウンして残り時間をタイマー表示部Cに表示させる。ボーナスゲームの制限時間は、たとえば30秒である。ボーナスゲームによるメダル獲得数は、CPU10により累計されてメダル獲得数表示部Gに表示される。なお、発射限度回数は、メダル総付与数によることなく一定値として設定され、たとえば発射限度回数を一律5回としてもよい。発射限度回数は、ブロックBの数よりも少ないことが望ましい。各ブロックBには、メダル付与数に限らず、ゲームの進行に必要なアイテムなどを特典として割り当てるようにしてもよい。たとえば、シューティングゲームにおいて用いられる武器などのアイテムを特典としてもよい。
【0043】
具体的には、図5(A)に示すように、発射部Lから発射されたキャラクタC1が外周壁W1のブロックBに当たると、図5(B)に示すように、そのブロックBが外周壁W1から消え、外周壁W1に外周開口部W1aが形成される。消えたブロックBに割り当てられていたメダル付与数は、メダル獲得数に加算される。これにより、プレイヤは、外周壁W1のブロックBを狙ってキャラクタCを発射し、そのブロックBに割り当てられたメダル付与数分のメダルを得ることを楽しみながらゲームを行うことができる。
【0044】
さらに、発射部LからキャラクタC1が発射され、内周開口部W2aに対応するブロックBにキャラクタC1が当たると、図6に示すように、その内周開口部W2aに対応する外周壁W1の部分に外周開口部W1aが形成され、この外周開口部W1aと内周開口部W2aとが一致しながら回転する。これらの外周開口部W1aおよび内周開口部W2aは、キャラクタC1が通り抜けて標的オブジェクトTまで到達可能な開口F1となる。一方、その余の外周開口部W1aは、キャラクタC1が通り抜けても内周壁W2により阻止される半開口F2となる。
【0045】
その後、さらに図7(A)に示すように、発射部LからキャラクタC1が発射され、そのキャラクタC1が回転中の開口F1(外周開口部W1aおよび内周開口部W2a)を通り抜けて標的オブジェクトTに当たると、図7(B)に示すように、外周壁W1のブロックBおよび内周壁W2が爆発して崩れ、それらのブロックBに割り当てられていたメダル付与数が総取りされる様子の総取り演出画像が表示される。すなわち、この場合には、ボーナスゲームに設定されたメダル総付与数に相当するメダル数がクレジット数に加算される。これにより、プレイヤは、開口F1を通り抜けて標的オブジェクトTに当たるようにタイミングよくキャラクタC1を発射し、標的オブジェクトTにキャラクタC1を当ててメダル総付与数分のメダルを総取りすることを期待しながらゲームを行うことができる。
【0046】
一方、図8(A)に示すように、発射部LからキャラクタC1が発射され、そのキャラクタC1が回転中の半開口F2(内周開口部W2aに対応しない外周開口部W1a)を通り抜けて内周壁W2に当たると、図8(B)に示すように、外周壁W1および内周壁W2の回転が停止するとともに、標的オブジェクトTが消え去り、メダルの総取りに失敗してゲーム終了となった様子の終了演出画像が表示される。この場合、キャラクタC1を発射した回数が発射限度回数に達していなくても、ボーナスゲームが終了となる。これにより、プレイヤは、外周壁W1および内周壁W2の回転に合わせてキャラクタC1を発射するタイミングをとりながらゲームを行うことができる。
【0047】
次に、ボーナスゲーム実行時の制御処理について、図9を参照して説明する。
【0048】
図9に示すように、CPU10は、図4に示すようなボーナスゲーム画像の表示処理の開始を指示する(S1)。ボーナスゲーム画像の表示処理は、たとえば画像表示部3によって図9に示す一連の処理と並行して実行される。このとき、CPU10は、ボーナスゲームと並行してシューティングゲームのゲームプログラムを実行する。また、CPU10は、ボーナスゲームに関するメダル総付与数や発射限度回数、制限時間をゲーム開始に先立って設定しており、各ブロックBにメダル総付与数を配分してメダル付与数を割り当てる。ボーナスゲーム画像の表示処理では、外周壁W1および内周壁W2をゲーム開始に伴い同一の回転速度で同一方向に回転させる画像を生成・出力(表示)する。
【0049】
その後、プレイヤにより発射操作(スタートボタン43の押下)がなされると(S2:YES)、CPU10は、発射回数を+1加算(インクリメント)し(S3)、発射設定を行う(S4)。そして、画像表示部3は、発射設定に基づき、発射部LからキャラクタC1が発射される様子の画像(発射画像)を含めたゲーム画像を生成・出力(表示)する。なお、ボーナスゲームの制限時間がタイムアップになると、プレイヤの発射操作がなくても、プレイヤが認識できない程度にランダムに調整されたタイミングでキャラクタC1が発射される。
【0050】
キャラクタC1の発射後、CPU10は、外周壁W1のブロックBのいずれかにキャラクタC1が命中するか否かを判定する(S5)。判定結果は、外周壁W1および内周壁W2の回転速度、ならびにキャラクタC1の発射方向および発射速度をCPU10が制御しており、プレイヤによる発射操作のタイミングに基づいてCPU10が演算処理を行うことにより瞬時に得られる。
【0051】
キャラクタC1がブロックBに命中する場合(S5:YES)、命中したブロックB部分に開口部を生成する設定を行う(S6)。そして、画像表示部3は、外周開口部生成設定に基づき、キャラクタC1がブロックBに当たり、そのブロックBが外周壁W1から消え去り、外周開口部W1aが生成される様子の図5に示すような画像を生成・出力(表示)する。
【0052】
そして、CPU10は、命中したブロックBに割り当てられたメダル付与数をメダル獲得数に加算する(S7)。加算されたメダル獲得数は、メダル獲得数表示部Gに表示される。
【0053】
その後、CPU10は、発射回数が発射限度回数に達したと判断すると(S8:YES)、ボーナスゲームの制御処理を終了する。この時点におけるメダル獲得数は、クレジット数に加算される。
【0054】
S8において、発射回数が発射限度回数に達していない場合(S8:NO)、CPU10は、S2に戻ってプレイヤによる発射操作を監視する。
【0055】
S5において、キャラクタC1がブロックBに命中しない場合(S5:NO)、CPU10は、そのキャラクタC1が標的オブジェクトTに命中するか否かを判定する(S9)。この判定結果も、CPU10が演算処理を行うことにより瞬時に得られる。
【0056】
キャラクタC1が標的オブジェクトTに命中する場合(S9:YES)、総取り演出設定を行う(S10)。そして、画像表示部3は、総取り演出設定に基づき、キャラクタC1がタイミングよく開口F1を通り抜け、そのキャラクタC1が標的オブジェクトTに当たり、全てのブロックBに割り当てられたメダ付与数を総取りすることができる様子の図7に示すような総取り演出画像を生成・出力(表示)する。
【0057】
そして、CPU10は、全てのブロックBに割り当てられたメダル付与数をメダル獲得数に加算し(S11)、ボーナスゲームの制御処理を終了する。この場合、ボーナスゲームに設定されたメダル総付与数に相当するメダル獲得数がクレジット数に加算される。
【0058】
S9において、キャラクタC1が標的オブジェクトTに命中しない場合(S9:NO)、CPU10は、キャラクタC1が半開口F2を通り抜けて内周壁W2に当たったと判定し、終了演出設定を行う(S12)。そして、画像表示部3は、終了演出設定に基づき、キャラクタC1が内周壁W2に当たり、標的オブジェクトTが消える様子の図8に示すような終了演出画像を生成・出力(表示)する。そして、CPU10は、ボーナスゲームの制御処理を終了する。
【0059】
S2において、プレイヤにより発射操作がなされない場合(S2:NO)、CPU10は、発射操作の監視を継続し、次のS3の処理を実行しない。
【0060】
したがって、本実施形態のゲーム装置Aによれば、プレイヤは、ボーナスゲームにおいて、外周壁W1のブロックBにキャラクタC1を当て、そのブロックBに割り当てられたメダル付与数を得る楽しみと、その後、回転する開口F1を狙ってキャラクタC1を発射し、標的オブジェクトTにキャラクタC1を当ててメダル総付与数に相当する多くのメダルを得る楽しみとを享受することができる。すなわち、プレイヤの技量に応じて多くのメダルが付与される斬新で面白い進行内容のボーナスゲームを実現することができ、ひいてはゲームの興趣を高めることができる。
【0061】
なお、上記実施形態はあくまで一例であり、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。本発明に係るゲーム装置の具体的な構成は、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。
【0062】
たとえば、ボーナスゲームは、図10に示すように複数のプレイヤが参加可能なゲームとしてもよい。この場合、各サテライトa〜dに対応する画面30内の各領域30a〜30dには、発射部Lなどが表示され、複数のプレイヤは、外周壁W1の外側四方からブロックBや標的オブジェクトTを同時に狙うことができる。どのサテライトa〜dの発射部Lから発射されたキャラクタC1がどのブロックBなどに当たったかは、コンピュータが演算処理を行うことにより瞬時に判定可能である。このようなボーナスゲームにおいては、そのゲーム開始を引き当てたプレイヤのサテライトには、たとえば比較的多い発射限度回数を設定し、他のプレイヤのサテライトには、それより少ない発射限度回数を設定することができる。これにより、複数のプレイヤにゲームプレイの条件に差を付けてゲームを楽しませることができる。もちろん同一の条件で複数のプレイヤにゲームを行わせてもよい。
【0063】
外周壁および内周壁を用いたゲームは、ボーナスゲームに限らず、1人あるいは複数人のプレイヤによりメインのゲームとして実行されるようにしてもよい。内周壁に当たった場合においてもメダルが付与されるようにしてもよい。外周壁の内側には、内周壁を設けないようにしてもよい。キャラクタが標的オブジェクトに命中した場合に付与される特典は、少なくとも1つのブロックに割り当てられた特典よりも有利なものであればよい。
【0064】
ゲーム装置は、画像表示に代えて、たとえば外周壁や内周壁を機械的に開閉可能な構造(たとえば昇降動作によって開閉する構造)とし、その外周壁に向けてボールを発射する発射部を用い、外周壁や内周壁さらには標的にボールが当たったことを検知するセンサを備えたものとしてもよい。
【0065】
外周壁もしくは内周壁は、回転しなくてもよい。たとえば図11に他の実施形態として示すように、固定された外周壁W1の内側に標的オブジェクトTが位置し、その外周壁W1の外側を発射部Lが相対的に回転するような構成であってもよい。
【0066】
外周壁に対する標的と発射部との位置関係は、先述した実施形態によるものとは逆であってもよい。たとえば図12に他の実施形態として示すように、回転する外周壁W1の内側に発射部Lが位置するとともに、その外周壁W1の外側を標的オブジェクトTが相対的に回転するような構成であってもよい。この場合、標的オブジェクトTを複数設けるようにしてもよい。また、発射部Lの発射方向は、プレイヤの操作に応じて可変制御するようにしてもよい。
【0067】
外周壁もしくは内周壁は、円環状に限らない。たとえば図13に他の実施形態として示すように、ブロックBを一列にまっすぐ並べて直線状の外周壁W1を構成し、この外周壁W1に対して互いに反対側に発射部Lと標的オブジェクトTとを配置した構成としてもよい。この場合、外周壁W1は、その配列方向に沿ってブロックBが移動するように表示されてもよいし、あるいは、標的オブジェクトTは、外周壁W1の配列方向に沿って移動するように表示されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
A ゲーム装置
B ブロック
W1 外周壁
W1a 外周開口部
W2 内周壁
W2a 内周開口部
T 標的オブジェクト
C1 キャラクタ(投射体)
L 発射部
1 筐体
2 屋根部
3 画像表示部(画像表示手段)
4 操作部
5 スピーカ
6 電飾
10 CPU(外周壁当否判定手段、一部特典付与手段、外周開口部生成手段、標的当否判定手段、全特典付与手段、内周壁当否判定手段、ゲーム終了手段)
11 ROM
12 RAM
13 GPU
14 VRAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特典が割り当てられた複数のブロックが環状に配置されて回転する外周壁と、
上記外周壁の内側に位置する標的と、
上記外周壁の外側からその外周壁に向けて投射体を発射する発射部と、
上記投射体が上記外周壁における上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったか否かを判定する外周壁当否判定手段と、
上記外周壁当否判定手段により上記投射体が上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったと判定された場合、そのブロックに応じた特典を付与する一部特典付与手段と、
上記投射体が当たった上記ブロックを上記外周壁から除去し、上記投射体が通過可能な外周開口部を上記外周壁に生成する外周開口部生成手段と、
上記投射体が上記標的に当たったか否かを判定する標的当否判定手段と、
上記標的当否判定手段により上記投射体が上記標的に当たったと判定された場合、その時点で上記外周壁を構成する上記ブロックに応じた全ての特典を付与する全特典付与手段と、
を備えていることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項2】
上記外周壁の内側において、上記標的を環状に囲って回転するとともに、上記投射体が通過可能な内周開口部を一部分に有する内周壁を備えている、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
上記投射体が上記内周壁に当たったか否かを判定する内周壁当否判定手段と、上記内周壁当否判定手段により上記投射体が上記内周壁に当たったと判定された場合、ゲームを終了とするゲーム終了手段を備えている、請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
上記外周壁および内周壁は、互いに同一の回転速度で同一方向に回転する、請求項2または3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
上記外周壁、標的、投射体、および発射部を画像として画面上に表示する画像表示手段を備えている、請求項1ないし4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
上記外周壁は、上記画面の中央に表示されるとともに、上記発射部は、上記画面内の複数箇所に表示される、請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1ないし6のいずれかに記載の各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項1】
特典が割り当てられた複数のブロックが環状に配置されて回転する外周壁と、
上記外周壁の内側に位置する標的と、
上記外周壁の外側からその外周壁に向けて投射体を発射する発射部と、
上記投射体が上記外周壁における上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったか否かを判定する外周壁当否判定手段と、
上記外周壁当否判定手段により上記投射体が上記複数のブロックのうちのいずれかに当たったと判定された場合、そのブロックに応じた特典を付与する一部特典付与手段と、
上記投射体が当たった上記ブロックを上記外周壁から除去し、上記投射体が通過可能な外周開口部を上記外周壁に生成する外周開口部生成手段と、
上記投射体が上記標的に当たったか否かを判定する標的当否判定手段と、
上記標的当否判定手段により上記投射体が上記標的に当たったと判定された場合、その時点で上記外周壁を構成する上記ブロックに応じた全ての特典を付与する全特典付与手段と、
を備えていることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項2】
上記外周壁の内側において、上記標的を環状に囲って回転するとともに、上記投射体が通過可能な内周開口部を一部分に有する内周壁を備えている、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
上記投射体が上記内周壁に当たったか否かを判定する内周壁当否判定手段と、上記内周壁当否判定手段により上記投射体が上記内周壁に当たったと判定された場合、ゲームを終了とするゲーム終了手段を備えている、請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
上記外周壁および内周壁は、互いに同一の回転速度で同一方向に回転する、請求項2または3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
上記外周壁、標的、投射体、および発射部を画像として画面上に表示する画像表示手段を備えている、請求項1ないし4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
上記外周壁は、上記画面の中央に表示されるとともに、上記発射部は、上記画面内の複数箇所に表示される、請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1ないし6のいずれかに記載の各手段を備えるゲーム装置として機能させるためのゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−45092(P2012−45092A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188406(P2010−188406)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】
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