説明

ゲーム装置

【課題】 通信機能を備えて、複数人が同時にプレーに参加できるようにした場合でも、プレーヤを充分に集めることができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】 複数のプレーヤが同時にプレーする場合には、一人のプレーヤのみがプレーする場合よりも、1ゲーム当たりのゲーム制限時間を長く変更するとともに、長くしたゲーム制限時間に対応して、ゲーム内容の一部を変更するサービス付与部42をゲーム装置に設けた。複数のプレーヤにとってゲームが魅力的なものになるため、ゲームに参加するプレーヤを増やすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数人が参加して同時にプレーできる通信機能を有したゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、モニター(ディスプレー)を有するゲーム機本体と、オートバイに似せた模擬バイクとを複数組備え、各モニターの画面中に、他の模擬バイクで操作されるオートバイをも示すようにして、自らが操作するオートバイと他のプレーヤが操作するオートバイとを競争させるようにした通信機能付きゲーム装置は知られている。
【0003】
このような複数人が参加して同時にプレーできる通信機能付きゲーム装置では、複数のプレーヤが各自の操作するオートバイを競争させることにより、一人のプレーヤが操作するオートバイを単にコンピュータによって操作されるオートバイと競争させる場合に比べて、プレーヤ間において種々の駆け引きが生じ、各プレーヤはより現実に近い形でオートバイレースを楽しむことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなゲーム装置では、定員(例えば4人)になるまで、できるだけ多くのプレーヤが集まってゲームを行う必要があるが、プレーヤ間で種々の駆け引きが楽しめるといったメリットのみでは魅力に乏しく、プレーヤが充分に集まらないという問題があった。このため、ゲーム装置の一部が使われないままになってしまって、装置の稼働率が上がらないことが多かった。
【0005】
この発明は、以上の点に鑑み、通信機能を備えて、複数人が同時にプレーに参加できるようにした場合でも、プレーヤを充分に集めることができるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の請求項1記載の発明は、複数人が参加して同時にプレーできる通信機能を備えたゲーム装置において、同一ゲームに参加するプレーヤの人数を判定するプレーヤ人数判定部と、ゲーム内容とは無関係に、一人のプレーヤのみがプレーする場合よりもサービスとして長くした、複数のプレーヤが同時にプレーする場合の、1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした前記ゲーム制限時間に対応して、ゲーム内容の一部をサービスとして変更した場合の、このゲーム内容の変更部分とを記憶するサービス項目記憶部と、前記複数のプレーヤが同時にプレーする場合には、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させるサービス付与制御部とを有することである。
【0007】
この発明では、複数人がゲームに参加すれば、ゲームに駆け引きが生じてゲームが面白くなるという利点以外に、一人でプレーする場合よりも、1ゲーム当たりのゲーム制限時間が長く変更され、かつ、ゲーム制限時間が長くなった分だけゲーム内容の一部も変えられるため、多くのプレーヤをゲームに惹き付けることができる。例えば、オートバイレースゲームの場合、ゲーム制限時間が長くなるだけでは、ゲームに上達したプレーヤは、そのサービス(ゲーム制限時間の延長)を充分に受けられないが、ゲーム内容の一部、例えば、オートバイが走行するコースの長さを長く変更することにより、かかるプレーヤでも、そのサービスを充分に受けることができるようになる。
【0008】
ここで、ゲーム内容の一部とは、モニター画面やスピーカを介して、プレーヤが認識できるゲームの構成等を言い、オートバイレースゲームでは、例えば、オートバイの走行するコースの形状や長さ、プレーヤの操作するオートバイの加速性能やスピード、競争車の数やスピード、コース中に設定される障害物の数、位置、大きさ等を言う。
【0009】
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、前記サービス項目記憶部は、同時にプレーするプレーヤの数の増加に応じてより長くした、複数の前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした複数の前記ゲーム制限時間の各々に対応して、ゲーム内容の一部を変更した場合の、複数の前記ゲーム内容の変更部分とを記憶しており、前記サービス付与制御部は、同時にプレーするプレーヤの数に応じて、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させることである。
【0010】
この発明では、ゲームへの参加人数が一人でも増えれば、それだけ、ゲーム制限時間が長くなり、かつ、ゲーム内容の一部も変えられるため、定員になるまでプレーヤをゲームに惹き付けることができる。
【0011】
この発明の請求項3記載の発明は、複数人が参加して同時にプレーできる通信機能を備えたゲーム装置において、同一ゲームに参加するプレーヤの人数を判定するプレーヤ人数判定部と、ゲーム内容とは無関係に、一人のプレーヤのみがプレーする場合よりもサービスとして長くした、複数のプレーヤが同時にプレーする場合の、1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした前記ゲーム制限時間に対応して、ゲーム内容の一部をサービスとして複雑化しゲーム難易度を上げるように変更した場合の、このゲーム内容の変更部分とを記憶するサービス項目記憶部と、前記複数のプレーヤが同時にプレーする場合には、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させるサービス付与制御部とを有することである。
【0012】
この発明の請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の場合において、前記サービス項目記憶部は、同時にプレーするプレーヤの数の増加に応じてより長くした、複数の前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした複数の前記ゲーム制限時間の各々に対応して、ゲーム内容の一部を複雑化しゲーム難易度を上げるように変更した場合の、複数の前記ゲーム内容の変更部分とを記憶しており、前記サービス付与制御部は、同時にプレーするプレーヤの数に応じて、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させることである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の請求項1及び3記載の発明によれば、複数人がゲームに参加すれば、一人でプレーする場合よりも、1ゲーム当たりのゲーム制限時間が長くなり、かつ、ゲーム内容の一部も変えられるので、複数のプレーヤにとってはゲームが魅力的なものになり、ゲームに参加するプレーヤが増加する。したがって、この発明では、ゲーム装置の稼働率を上げることができる。
【0014】
この発明の請求項2及び4記載の発明によれば、定員になるまでゲームに参加するプレーヤが集まり、ゲーム装置の稼働率を上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係るオートバイゲーム装置の外観を示している。
【0016】
オートバイゲーム装置1は、複数人が参加して同時にプレーできる通信機能を有したものであり、図1で示されるように、基台5上に設置される、オートバイを模した4台の模擬バイク2と、各模擬バイク2の前方に設置される4台のゲーム機本体3と、各模擬バイク2の後部側の基台5上に設置される4つのコイン投入機4とから構成されている。なお、各模擬バイク2、各ゲーム機本体3、及び各コイン投入機4は、それぞれ同一仕様で製作されている。
【0017】
模擬バイク2には、図1で示されるように、車体部20の中程上部にプレーヤPが着座するシート20aが設けられ、このシート20aの下方に足掛け用のステップ20bが設けられている。また、この模擬バイク2には、車体部20の前端にハンドル21が設けられ、このハンドル21の回動自在な右部側グリップにアクセル22が設けられているとともに、ハンドル21の左部側グリップ近傍にブレーキ23が設けられている。さらに、ハンドル21の左部側グリップ近傍には、ゲームのスタート等を行うゲームボタン24が設けられている。なお、ハンドル21とアクセル22とブレーキ23とゲームボタン24とが、プレーヤPが操作する操作部となる。
【0018】
ゲーム機本体3には、図1で示されるように筺体30の上部側にモニター31が設けられ、この筺体30の下部側にスピーカ32と、コンピュータ33とが設けられている。モニター31はゲーム画面を形成するものであり、CRT、LCD又はプロジェクター等から形成されている。スピーカ32は、ゲームの効果音を発生するものである。
【0019】
コンピュータ33は、モニター31の画面中でオートバイレースゲームを行わせるものであり、図2で示されるように、信号線Wによって、コイン投入機4、モニター31、スピーカ32、ハンドル21、アクセル22、ブレーキ23、ゲームボタン24に接続されている。このコンピュータ33は、オートバイレースゲームのプログラムや各種データを記憶したROMや、プログラムの進行中に必要なデータを一時記憶するRAMや、操作部からの信号に基づき、ROM及びRAM等を介して種々の演算処理や制御を行ない、モニター31にゲーム画面形成用の信号を送るとともに、スピーカ32に効果音発生用の信号を送るCPU等を有すものであるが、図2で示されるように、その機能に着用すれば、ゲーム処理部40と、通信制御部41と、サービス付与部42とから構成される。
【0020】
ゲーム処理部40は、オートバイレースゲーム(ドライビングゲーム)遂行の主要部となるものであり、具体例には、コンピュータ33内のオートバイレースゲームを遂行するハード及びソフトの部分から、通信制御部41とサービス付与部42とを除いたものである。このゲーム処理部40は、ハンドル21、アクセル22、ブレーキ23を介して、模擬バイク2上のプレーヤPが操作するオートバイBと、コンピュータ33側において一定条件で運転操作されるオートバイBとの走行データや画像データをモニター31に送るとともに、一定の視点から見たコースの画像データをプレーヤPが操作するオートバイBの位置に合わせてモニター31に送ってゲームの遂行処理を行う。
【0021】
また、このゲーム処理部40は、ゲームのスタートから一定時間が経過すると、ゲームを強制的に終了させるゲームオーバー処理を行うとともに、プレーヤPの操作するオートバイBがコースのゴールに到達すれば、ゲームを終了させるゲーム達成処理を行い、かつ、スピーカにゲームの効果音発生用のデータを送る効果音処理を行う。もちろん、このゲーム処理部40は、コイン投入機4からの信号に従って、ゲーム開始前の案内画面形成等のためのデータをモニター31やスピーカ32に送るゲーム前処理も行う。
【0022】
通信制御部41は、複数のプレーヤPを同一ゲームに参加させるためのものであり、具体的には、プレーヤP自身が操作するオートバイBの走行データや画像データを他のプレーヤが操作するオートバイB側のゲーム処理部40に送るとともに、他のプレーヤが操作するオートバイBの走行データや画像データを自身が操作するオートバイB側のゲーム処理部40に受ける機能を有している。この通信制御部41は、図2で示されるように、他の通信制御部41と信号線Wで接続されていて、ゲーム処理部40は、この通信制御部41からの信号によって、各プレーヤPが操作するオートバイB同士を競争させる。
【0023】
サービス付与部42は、複数のプレーヤPが同時にプレーする場合には、一人のプレーヤPのみがプレーする場合よりも、少なくともゲームの設定条件又はゲーム内容の一部の何れかを、サービスとしてプレーヤに有利なものに変更するサービス付与手段である。このサービス付与部42は、図2で示されるように、プレーヤ人数判定部42aと、サービス項目記憶部42bと、サービス付与制御部42cとから構成されている。
【0024】
プレーヤ人数判定部42aは、同一ゲームに参加するプレーヤPの人数を判定するものであり、4台のコイン投入機4のうち、何台のコイン投入機4からの信号を受けたかにより、ゲームに参加するプレーヤPの人数を判定する。なお、図2で示されるように、各コイン投入機4は、互いに信号線Wで接続されており、一つのコイン投入機4に所定金額のコインが投入されると、コイン投入信号を他のコイン投入機4に伝えるようになっている。
【0025】
サービス項目記憶部42bは、サービスとして変更するゲームの設定条件やゲーム内容の一部を記憶手段、例えばROM中の所定部分に記憶させたものである。この場合、ゲームの設定条件とは、ゲーム内容とは無関係に設定される種々の条件を言い、例えば、1ゲーム当たりの制限時間、無料で再ゲームができるためのゲームの達成条件、ゲームを行うために必要なコイン投入金額といったものがある。また、ゲーム内容の一部とは、モニター31画面やスピーカ32を介して、プレーヤPが認識できるゲームの構成等を言い、このオートバイレースゲームでは、例えば、オートバイBの走行するコースの形状や長さ、プレーヤPの操作するオートバイBの加速性能やスピード、競争車の数やスピード、コース中に設定される障害物の数、位置、大きさ等を言う。
【0026】
なお、このオートバイレースゲームでは、サービス項目記憶部42bに、標準のゲーム制限時間にプレーヤPの数に応じた延長時間を加えた新たなゲーム制限時間が記憶されている。
【0027】
サービス付与制御部42cは、同時にプレーするプレーヤPの人数に応じて、ゲームの設定条件を変更したり、ゲーム内容の一部を変更したりするものであり、具体的には、ゲームを遂行するためにROMから、例えばRAM側に読み出されるゲームのメインプログラム等の内容を一時的に変更するものである。すなわち、このサービス付与制御部42cは、図2で示されるように、プレーヤ人数判定部42aから伝えられるプレーヤPの人数に応じて、サービス項目記憶部42bに記憶されたテーブルからゲーム条件やゲーム内容の一部を選択し、この選択された内容をゲーム処理部40に送って、ゲームの設定条件やゲーム内容の一部を変更させ、このゲーム処理部40にサービス項目が付与された内容でゲームを実行させる機能を有している。
【0028】
つぎに、このオートバイゲーム装置の動作を、ゲーム開始時と終了時に着目して、図3のフローチャートに従って説明する。
【0029】
コイン投入機4へのコインの投入が判断され(ステップS10)、いずれかのコイン投入機4への所定金額のコインの投入があれば、スピーカ32からBGMが流されるとともに、モニター31の画面中に参加者募集中の表示がなされ、他のコイン投入機4へのコイン投入の締め切りが判断される(ステップS11)。そして、例えば、コイン投入機4内に設けられたタイマーのセット時間が経過して、他のコイン投入機4へのコインの投入が閉め切られると、ゲームへの参加人数に応じたサービス付与処理がなされ(ステップS12)、つづいて、モニターの画面中に、スタートラインに並んだオートバイBが示された後、ゲーム開始用のゲームボタン24が押されたか否かが判断される(ステップS13)。
【0030】
いずれかの模擬バイク2のゲームボタン24が押されると、オートバイレースゲームが開始され(ステップS14)、スピーカ32からオートバイBの走行音が発せられるとともに、図1で示されるように、模擬バイク2に乗って、ゲームに参加した例えば3人のプレーヤPは、ハンドル21、アクセル22、ブレーキ23を操作して、モニター31の画面中に示される自分の操作するオートバイBをコースに沿って走行させ、このオートバイBを他のプレーヤPが操作するオートバイBや、コンピュータ33によって操作されるオートバイBより少しでも早くゴールに到着させようとする。この場合、各プレーヤPのモニター31には、自らが操作するオートバイBからの視界範囲に、他のプレーヤPやコンピュータ33によって操作されるオートバイBが示され、各プレーヤPは、互いに牽制しつつゲームを進めていく。
【0031】
一方、ゲームのスタートと同時に、ゲーム制限時間タイマーがスタートし、所定のゲーム制限時間が経過したか否かが判断され(ステップS15)、ゲーム制限時間が経過していなければ、プレーヤPの操作するオートバイBがゴールに到着したか否かが判断される(ステップS16)。そして、自らが操作するオートバイBがゴールに到着すると、ゲーム達成となり(ステップS17)、例えば、モニター31の画面中にゴールまでの到達時間やおめでとうという文字が示されて、ゲームが終了する。また、ステップS15において、所定のゲーム制限時間が経過すれば、ゲームオーバーとなり(ステップS18)、ゲームの途中であっても、モニター31の画面中にゲームオーバーの表示等がなされてゲームが終了する。
【0032】
つぎに、図4のフローチャートに従って、サービス付与処理を説明する。
コイン投入機4へのコインの投入が閉め切られると、プレーヤ人数判定部42aが各コイン投入機4からの信号を受けて、このオートバイレースゲームに参加したプレーヤPの人数を判定する(ステップS20)。つづいて、プレーヤPの参加人数が4人であるか否かが判断され(ステップS21)、4人の場合には、ゲーム制限時間が標準のゲーム制限時間に例えば15秒が加えられたものとなり(ステップS22)、4人出ない場合には、3人であるか否かが判断され(ステップS23)、3人の場合には、ゲーム制限時間が標準のゲーム制限時間に例えば10秒が加えられたものとなる(ステップS24)。
【0033】
つづいて、プレーヤPの参加人数が3人でない場合には、2人であるか否かが判断され(ステップS25)、2人の場合には、ゲーム制限時間が標準のゲーム制限時間に例えば5秒が加えられたものとなり(ステップS26)、2人でない場合には、プレーヤPは1人となるので、ゲーム制限時間は当初の設定通りの標準のゲーム制限時間となり、サービス的なゲーム制限時間の延長はなされない。そして、ゲーム制限時間の設定がなされると、ゲーム開始用のゲームボタン24が押されるのを待つ状態となる。なお、この実施の形態では、3人のプレーヤPがゲームに参加しているので、ゲーム制限時間は、標準のゲーム制限時間プラス10秒となる。
【0034】
以上のように、このオートバイゲーム装置1では、コンピュータ33側にサービス付与部42を設けて、ゲームに参加するプレーヤPの人数に応じて、1ゲーム当たりのゲームの制限時間を長くしているので、プレーヤPが一人でゲームを行う場合に比べて、ゲームに参加するプレーヤPの人数が増えれば増えるほど、プレーヤPが長時間ゲームを楽しむことができるようになる。このため、このオートバイゲーム装置1では、サービスに惹かれて、多くのプレーヤPが集まるようになり、ゲーム装置の稼働率を上げることができるようになる。この場合、1ゲーム当たりのゲームの制限時間を長くすれば、ゲーム提供者側に損失が生じるが、装置の稼働率を上げることにより、この損失は簡単に取り戻すことができる。
【0035】
なお、ゲームに参加するプレーヤPの人数の増分に比例させてゲーム制限時間を長くするのではなく、例えば、二人の場合5秒長くし、三人と四人の場合10秒長くしたり、二人から四人までは10秒長くする等して、少なくとも、一人のプレーヤPがゲームを行う場合に比べて複数のプレーヤPがゲームを行う場合を有利に扱うようにしてもよい。
【0036】
また、このオートバイゲーム装置1では、オートバイBが標準のゲーム制限時間前にゴールに到達した場合には、サービスが受けられないこととなるため、例えば、サービス項目記憶部42bに、ゲーム空間においてプレー領域を拡張するような追加コースの項目を設けておき、同時にプレーするプレーヤPの数に応じてゲーム制限時間が長くなるとともに、オートバイBが走行するコースの長さが標準コースよりゲーム制限時間に比例した分だけ長くなるようにして、ゲームに上達したプレーヤPも、サービスが受けられるようにしてもよい。もちろん、ゲームの制限時間を長くする替わりに、コースを長くするようにしてもよい。
【0037】
さらに、ゲームの制限時間を長くするとともに、サービス項目記憶部42bにコース形状を部分的に変更する内容の項目を設けておき、同時にプレーするプレーヤPの数に応じて、コースの形状を複雑化して、ゲームの難易度を上げるようにし、ゲームに上達したプレーヤPがサービスを充分に受けられるようにしてもよい。
【0038】
また、サービス項目記憶部42bに、プレーゾーンとなるコース形状を部分的に単純化する(例えば、急カーブを減少させる)ように変化させる内容の項目を設けておき、同時にプレーするプレーヤPの数が増加すればするほど、各プレーヤPが操作するオートバイBが、空間的に制限の少ないより自由な状態で、コースを走行できるようにしてもよい。このことにより、各プレーヤPは、他のプレーヤPを意識したプレーが容易にできるようになり、プレーヤの数の増加に合わせて、プレーヤP間におけるゲームの駆け引きが活発化し、各プレーヤPは、その分余計にゲームを楽しむことができるようになる。
【0039】
さらに、サービス項目記憶部42bに与えるサービスの内容としては、ゲームの制限時間を変えるものや、コースの長さや形状を変えるもの以外に、一人でプレーする場合に比べて、プレーヤPに有利なものとなるものであれば、サービス項目記憶部42bの説明中で示した、ゲームの設定条件、例えば、無料で再ゲームができるためのゲームの達成条件を変えるものやゲームを行うために必要なコイン投入金額を変えるものであってもよいし、ゲーム内容の一部、例えば、プレーヤPの操作するオートバイBの加速性能やスピード等を変えるものであってもよい。この場合、プレーヤPに有利なものとは、プレーヤが一人でプレーする場合よりも、より多くゲームを楽しむことができるものを意味し、これは、例えば、ゲームを複雑にしてゲームを質的に面白くしたり、ゲーム制限時間を長くしてゲームを量的に面白くしたり、プレーヤPに優越感や爽快感を抱かせてゲームを心理的に面白くすること等によって得られる。
【0040】
また、ゲーム装置は、オートバイレースゲームのようなシミュレーションゲームを行うものに限らず、通信制御部41を有して複数のプレーヤPがゲームに参加できるものであれば、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、格闘ゲーム等どのようなゲームを行うものであってもよい。例えば、複数のプレーヤPが協力して敵を倒す格闘ゲームの場合、サービス項目記憶部42bに、プレーヤPが操作する格闘者の腕力や、跳躍力を変えるサービス内容を設定しておき、一人のプレーヤPのみでゲームを行う場合に比べて、複数のプレーヤPがゲームを行う場合には、コンピュータ33によって操作される対戦者に対して、各プレーヤPが操作する格闘者の腕力を増強したり、跳躍力を増強したりして、戦いがプレーヤP側にやや有利に進行するようにしてもよい。
【0041】
さらに、例えば、敵を破壊するシューティングゲームの場合には、サービス項目記憶部42bに、プレーヤPが操作する攻撃側の弾丸の破壊力や、弾丸数を変えるサービス内容を設定しておき、一人のプレーヤPのみでゲームを行う場合に比べて、複数人のプレーヤPがゲームを行う場合には、敵に対して各プレーヤPが操作する攻撃側の弾丸の破壊力や弾丸数を増加させ、戦いがプレーヤP側にやや有利に進行するようにしてもよい。また、このようなゲームの場合、同時にプレーするプレーヤPの数の増加に合わせて、プレーゾーンとなる対戦空間中の、例えば、障害物の数を減らして対戦空間をより単純化するようにしてもよい。このことにより、複数のプレーヤPが、空間的な制限なくより自由にゲームができるようになるため、プレーヤPの数の増加に合わせて、プレーヤP間におけるゲームの駆け引きが活発化し、各プレーヤPはその分余計にゲームを楽しむことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の一実施の形態に係るオートバイゲーム装置を使用して、複数のプレーヤがゲームをしている状態を示す斜視図である。
【図2】図1で示されるオートバイゲーム装置のコンピュータ周りのブロック図である。
【図3】コンピュータのゲームの開始時と終了時とにおける動作の状態を示すフローチャートである。
【図4】コンピュータのサービス追加処理の具体例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 オートバイゲーム装置
42 サービス付与部(サービス付与手段)
P プレーヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数人が参加して同時にプレーできる通信機能を備えたゲーム装置において、
同一ゲームに参加するプレーヤの人数を判定するプレーヤ人数判定部と、
ゲーム内容とは無関係に、一人のプレーヤのみがプレーする場合よりもサービスとして長くした、複数のプレーヤが同時にプレーする場合の、1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした前記ゲーム制限時間に対応して、ゲーム内容の一部をサービスとして変更した場合の、このゲーム内容の変更部分とを記憶するサービス項目記憶部と、
前記複数のプレーヤが同時にプレーする場合には、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させるサービス付与制御部とを有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記サービス項目記憶部は、同時にプレーするプレーヤの数の増加に応じてより長くした、複数の前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした複数の前記ゲーム制限時間の各々に対応して、ゲーム内容の一部を変更した場合の、複数の前記ゲーム内容の変更部分とを記憶しており、前記サービス付与制御部は、同時にプレーするプレーヤの数に応じて、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
複数人が参加して同時にプレーできる通信機能を備えたゲーム装置において、
同一ゲームに参加するプレーヤの人数を判定するプレーヤ人数判定部と、
ゲーム内容とは無関係に、一人のプレーヤのみがプレーする場合よりもサービスとして長くした、複数のプレーヤが同時にプレーする場合の、1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした前記ゲーム制限時間に対応して、ゲーム内容の一部をサービスとして複雑化しゲーム難易度を上げるように変更した場合の、このゲーム内容の変更部分とを記憶するサービス項目記憶部と、
前記複数のプレーヤが同時にプレーする場合には、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させるサービス付与制御部とを有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
前記サービス項目記憶部は、同時にプレーするプレーヤの数の増加に応じてより長くした、複数の前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と、この長くした複数の前記ゲーム制限時間の各々に対応して、ゲーム内容の一部を複雑化しゲーム難易度を上げるように変更した場合の、複数の前記ゲーム内容の変更部分とを記憶しており、前記サービス付与制御部は、同時にプレーするプレーヤの数に応じて、前記1ゲーム当たりのゲーム制限時間と前記ゲーム内容の変更部分とを、一人のプレーヤのみがプレーする場合のものから、前記サービス項目記憶部中のものに変更させることを特徴とする請求項3記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−244908(P2007−244908A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173652(P2007−173652)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【分割の表示】特願平11−46788の分割
【原出願日】平成11年2月24日(1999.2.24)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】