説明

ゲーム装置

【課題】シミュレーションゲームにおいて、コマンドウインドウからのコマンド入力をなくし、キー操作を簡略化する。
【解決手段】入力装置に設けられたキーに予めキャラクタの行動内容を割り当て、入力装置のキー操作によってゲームを展開するゲーム装置において、画面上の所定領域にアイコン601、602、603を表示し、当該アイコンに入力装置のキーを対応付けるとともに、キャラクタの行動可能量を示すゲージ604をアイコンと関連付けて表示することで、ゲームプログラム上キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビデオゲームにおいて、遊戯者(プレイヤ)によるコントロールパッド等の入力デバイスの入力操作を簡易かつ迅速に行えることを可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームには、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム等、様々な種類がある。特に、シミュレーションゲームは、プレイヤが操作するキャラクタ(プレイヤキャラクタ)と、これに対峙するキャラクタ(エネミキャラクタ)とが対戦する対戦型ゲームにおいて、プレイヤが画面に表示されるコマンドウインドウからコマンドを選択し、所定の攻撃動作、防御動作等を実行することでゲームを展開するゲームである。図7(A)に示すように、この種のゲームでは、プレイヤキャラクタ7を操作するプレイヤがカーソル10の操作によりコマンドウインドウ9から所定のコマンドを選択し、これを実行することでエネミキャラクタ8を攻撃する。
【0003】
また、このようなシミュレーションゲームにおいては、プレイヤキャラクタ7等が移動するフィールドは、通常、碁盤目状のグリッドで区画されており、プレイヤキャラクタ7がこのフィールド上を一駒分移動することでエネルギーが減少するようにプログラムが設定されている。このため、コマンドウインドウからプレイヤキャラクタ7を移動させるコマンドを選択した場合、同図(B)に示すように、プレイヤキャラクタ7が有するエネルギーに応じてプレイヤキャラクタ7の行動可能範囲11が表示される。プレイヤは、この行動可能範囲11とプレイヤキャラクタ7が有するエネルギーとを比較考慮して移動先を決定する。
【発明の開示】
【発明の効果】
【0004】
本発明によれば、表示画面に表示されていた選択肢を各入力手段に割り当てるため、簡易かつ迅速にキー操作を行うことができる。特に、シミュレーションゲームにおいては、従来のようにコマンドウインドウを表示する必要はないため、画面の表示上の煩雑さを回避できるとともに、ゲームプレーを円滑に行うことが可能となる。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画面にコマンドウインドウを表示し、この中から任意のコマンドを選択するようにゲームプログラムを構成すると、コマンドの選択に煩わされ、迅速かつ簡易にコマンドを選択することができない。特に、シミュレーションゲームに不慣れなプレイヤはコマンドウインドウからのコマンドの選択に時間がかかり、ゲームの流れが一旦止まる場合があった。このため、キャラクタをリアルタイムに行動させることが困難となり、ゲームの進行よりもコマンドウインドウの表示を見ている時間が長くなる問題が生じていた。また、コマンドウインドウの表示により画面の視界が狭くなり、煩雑さを与える要因にもなっていた。
【0006】
また、キャラクタの移動の際にフィールド上に表示されるグリッドがプレイヤに対して見た目に難しい印象を与えるため、キャラクタの操作に手間取り、 ゲームの楽しさが半減する要因ともなっていた。
【0007】
そこで、このような問題点に鑑み、本発明はビデオゲームにおける入力操作を簡易かつ迅速に行うことのできるゲーム装置、操作信号の入力方法及び情報記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のゲーム装置は、キャラクタの操作に必要なコマンドを、キー操作により、コマンド選択肢から選択し、その選択されたコマンドを実行することによりゲームを展開させるゲーム装置(例えば、シミュレーションゲーム装置)において、コマンドを予め操作キーに割り当てることで、選択肢を表示することなく、キー操作によりコマンド入力可能に構成したものである。
【0009】
ここで、「コマンド」とは、プレイヤのキー入力によりキャラクタに対して所定の動作を実行させる命令をいう。また、「シミュレーションゲーム」とは、プレイヤが複数あるコマンドの中から任意のコマンドを選択してゲームを展開するゲームをいい、エネミキャラクタ等との攻防を目的とするアクションゲームとは異なる。このため、通常、シミュレーションゲームにおいては、プレイヤが選択するコマンドによってはゲーム展開が異なるように構成される。また、「キー」とは、コントロールパッド、ジョイスティック等の入力デバイスに設けられている十字キー(上下左右キー)、ABXYキー等のボタンの他、アナログジョイスティック等の入力信号の操作手段を含む概念である。
【0010】
本発明のゲーム装置は、画面の所定領域にキャラクタが採りうる行動内容を選択肢として表示し、入力装置に設けられたキー操作により表示欄から任意の選択肢を選択することで、当該選択肢に予め割り当てられた行動内容をキャラクタに対して実行させるゲーム装置において、選択肢に替えて画面上の所定領域にアイコンを表示し、当該アイコンに入力装置のキーを対応付けるとともに、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示し、入力装置のキーに予めキャラクタの行動内容を割り当てることで、入力装置のキー操作によりキャラクタに所定の行動内容を実行させるものである。
【0011】
本発明のゲーム装置は、入力装置に設けられたキーに予めキャラクタの行動内容を指定するコマンドを割り当て、入力装置のキー操作によってゲームを展開するゲーム装置において、コマンド実行可能量を既定する総合ポイントを画面に表示するとともに、コマンド毎に実行可能なポイントを割り振り、コマンド実行毎に総合ポイントから所定ポイント数を引くことで、総合ポイントが実行可能なポイント数を下回っているコマンドの実行を制限するものである。
【0012】
好ましくは、コマンド毎に設定される実行可能ポイントを、キャラクタに予め設定された行動パターンに対応して定める。ゲームに登場するキャラクタには予め個性が決められており、それぞれのキャラクタは自身の個性に応じた行動を採るようにプログラムされる。「行動パターン」とは、キャラクタが仮想空間内でとる一連の行動傾向をいい、例えば、攻撃が得意なキャラクタであれば、攻撃コマンドの実行可能ポイント数を小さい値に設定することで、攻撃コマンドの実行を多くすることができる。また、後述するように、コマンドの実行可能ポイント数をアイコンと関連付けて表示する場合は、当該アイコンの配置についてもキャラクタ毎に設定することができる。
【0013】
本発明のゲーム装置は、入力装置に設けられたキーに予めキャラクタの行動内容を割り当て、入力装置のキー操作によってゲームを展開するゲーム装置において、画面上の所定領域にアイコンを表示し、当該アイコンに入力装置のキーを対応付けるとともに、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示するものである。
【0014】
好ましくは、キャラクタの行動可能量を示唆する指示器をアイコンとともに画面上に表示し、指示器の指示量に従って、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示する。
【0015】
「指示器」とは、キャラクタの行動可能量、即ち、入力装置からのキー操作によりコマンド実行可能な回数等を画面の所定領域に表示するものである。例えば、この指示器を、いわゆるゲージタイプのもので表示する場合、キャラクタの行動可能量として予め所定のポイント数を割り当て、コマンドの実行毎に当該コマンドに対応するポイント数を減じるように表示する。表示形態はデジタル式のものでもよく、アナログ式のものでもよい。
【0016】
また、上記アイコンはゲージ上又はその近傍に配置し、ゲージのポイント数の加減により、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示するとよい。このように表示することでゲージのポイント数とキー入力可能なキーの対応関係が視覚的に把握しやすくなるのでゲーム好適である。また、アイコンと指示器の配置上の組み合わせは、キャラクタ毎に異なるように表示してもよい。
【0017】
本発明の操作信号の入力方は、画面の所定領域にキャラクタが採りうる行動内容を選択肢として表示し、入力装置に設けられたキー操作により任意の選択肢を選択することで、キャラクタに対して当該選択肢に予め割り当てられた行動内容を実行させることを目的とした、キャラクタの動作内容決定のための操作信号の入力方法において、上記選択肢に替えて画面上の所定領域にアイコンを表示し、当該アイコンに入力装置のキーを対応付けるとともに、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示し、入力装置のキーに予めキャラクタの行動内容を割り当てることで、入力装置のキー操作によりキャラクタに所定の行動内容を実行させるものである。
【0018】
本発明の操作信号の入力方は、入力装置に設けられたキーに予めキャラクタの行動内容を割り当て、入力装置のキー操作によってゲームを展開することを目的とした、キャラクタの操作信号の入力方法において、画面上の所定領域にアイコンを表示し、当該アイコンに入力装置のキーを対応付けるとともに、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示するものである。
【0019】
好ましくは、キャラクタの行動可能量を示唆する指示器をアイコンとともに画面上に表示することで、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示する。また、好ましくは、この指示器は、キャラクタの行動可能量をポイント数として表示するゲージとする。そして、キャラクタが実行する行動内容に応じて当該行動内容毎に予め割り当てられたポイント数だけ減少してゲージを表示する。
【0020】
好ましくは、アイコンをゲージ上又はその近傍に配置し、ゲージのポイント数の加減により、キー入力可能なキーに対応するアイコンとキー入力不可能なキーに対応するアイコンとを区別して表示する。アイコンと指示器の配置上の組み合わせは、キャラクタ毎に異なるように表示してもよい。
【0021】
本発明の情報記録媒体は、コンピュータに本発明の操作信号の入力方法を実行させるプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な情報記録媒体である。ここで、情報記録媒体とは、何らかの物理的手段により情報、主に、デジタルデータ、プログラム等が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の所望の機能を実現させることができるものをいう。従がって、何らかの手段でコンピュータにダウンロードし、所望の機能を実現させるものであればよい。例えば、フレキシブルディスク(FD)、ハードディスク(HD)、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、PDディスク、MDディスク、MOディスク等を含む。また、有線又は無線の通信回線(公衆回線、データ専用線、衛星回線等)を介してホストコンピュータからデータの転送を受ける場合を含む。例えば、IrDA規格の赤外線通信やインターネット経由でサーバからデータを転送する場合、サーバのデータベース等も情報記録媒体に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、各図を参照して本実施の形態について説明する。
【0023】
(ゲーム装置の構成)
図1は本ゲーム装置1のブロック図である。ゲーム装置1を機能的に大別すると、CPUブロック2、ビデオブロック3、サウンドブロック4に分けることができる。CPUブロック2は、CPU21、メインメモリ22、ROM23、CD−ROMドライブ24、バスアービタ(Bus Arbiter)25を備えている。
【0024】
バスアービタ25は、バスを介して相互に接続されるデバイスにバス占有権を割り振ることによりデータの送受信を可能にしている。また、バスアービタ25には遊戯者(プレイヤ)による操作信号の入力デバイスとしてコントロールパッド26が接続されている。コントロールパッド26はゲームプログラム実行時において、画面に登場する主人公(プレイヤキャラクタ)を操作したり、各種コマンドを選択し、実行するためのデバイスであり、プレイヤの入力操作に対応した操作信号をCPUブロック2のバス上に出力する。図2に示すように、コントロールパッド26は、スタートボタン201、Aボタン202、Bボタン203、Xボタン204、Yボタン205、十字キー(上下左右方向指示キー)206、アナログスティック207を備える。Aボタン202、Bボタン203、Xボタン204、Yボタン205は、ゲーム中の各場面において、「攻撃」、「防御」等のコマンド実行キーとして機能する。アナログスティック207はキャラクタの移動先、移動距離等を指示するために用いられる。プレイヤはこれらのキーを操作することでゲームを展開していく。また、コントロールパッド26の背面にはケーブル208が配線されており、ゲーム装置1に接続可能に構成される。
【0025】
操作信号の入力デバイスとして、コントロールパッド26の他、ジョイパッド、マウスや銃型コントローラ等のポインティングデバイス、キーボード等でもよい。これらの入力デバイスは二以上を接続可能にして複数のプレイヤが同時にゲームプレイするように構成可能である。
【0026】
また、コントロールパッド26にはバックアップメモリ27が接続される。バックアップメモリ27は、ゲーム中に発生するゲームの進行状況やゲームの成績、操作方法等の設定を含む設定データの格納領域となっている。これらの設定データは、電源遮断時に電源遮断直前の状態からゲームを再開するためのバックアップデータとして機能する他、バックアップメモリ27を交換することで他のゲーム装置でのゲーム結果を当該ゲーム装置に反映することが可能になる。
【0027】
CPU21は、メインメモリ22、ROM23、CD−ROMドライブ24にアクセス可能に構成されている。CPU21は電源投入時にROM23に記憶されたイニシャルプログラムを実行し、装置全体の初期化を行い、CD−ROMドライブ24にCD−ROMが装着されたことを検出すると、CD−ROMに格納されているゲームプログラムや画像データをメインメモリ22に転送し、これを実行する。また、CPUは、オペレーティングシステム(OS)の制御の下、CD−ROMに記憶されている描画データや画像データをグラフィックスメモリ33に転送し、サウンドデータをサウンドメモリ42に転送する。
【0028】
メインメモリ22は、主としてOS用プログラムデータ、アプリケーションプログラムデータを格納する他、静的変数や動的変数等を記憶するワークエリアとして機能する。ROM23はイニシャルプログラムローダの格納領域として機能する。
【0029】
CD−ROMにはゲーム装置1で実行されるゲームプログラム等が格納されている。CD−ROM24は、CD−ROMが脱着可能に構成されており、CD−ROMが装着されると、制御信号を出力することでその旨をCPU21に知らせ、CPU21の制御により各種データを所定のハードウエアに転送可能に構成されている。
【0030】
尚、記録媒体はCD−ROMに限らず、各種記録媒体、例えば、フレキシブルディスク(FD)、ハードディスク(HD)、CD−R、PD、MD、MOディスク、HSディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ROMカートリッジ、バックアップ付きのRAMメモリカートリッジ等を読み取り可能に構成してもよい。
【0031】
通信装置5は、モデムやターミナルアダプタ等の通信デバイスであり、本ゲーム装置に接続可能に構成されている。この通信装置5はゲーム装置1と外部回線とを接続するアダプタとして機能し、公衆回線網等の回線に接続されるゲーム供給用サーバからデータを受信し、CPUブロック2のバスに供給する。公衆回線網には、加入者回線、専用線を含む。
【0032】
ビデオブロック3は、VDP(Video Display Processor)31、グラフィックメモリ32、ビデオエンコーダ33、ディスプレイ34を備えている。グラフィックメモリ32の所定領域にはCD−ROMからの画像データが格納される。VDP31はグラフィックメモリ32に格納される画像データのうち、画像表示に必要な画像データを読み取ってCPU21から供給される画像表示に必要な情報、例えば、コマンドデータ、視点位置データ、光源位置データ、オブジェクト指定データ、オブジェクト位置データ、テクスチャ指定データ、モデリング変換マトリクス、3次元クリッピング処理、陰線処理、シェーディング処理、表示優先処理等を実行する。ビデオエンコーダ33はVDP31が生成した画像データをNTSC方式等の所定のテレビジョン信号に変換し、ディスプレイ34に出力可能に構成されている。
【0033】
サウンドブロック4は、サウンドプロセッサ41、サウンドメモリ42、D/Aコンバータ43、スピーカ44を備える。サウンドメモリ42にはCD−ROMから供給される音声データが格納されている。サウンドプロセッサ41はCPU21から供給されるコマンドデータに基づいてサウンドメモリ42に格納される波形データ等の音声データを読み取ってDSP(Digital Signal Processor)機能に基づく各種エフェクト処理等を行う。D/Aコンバータ43はサウンドプロセッサ41により生成された音声データをアナログ信号に変換し、スピーカ44に出力可能に構成されている。
【0034】
(コマンド入力方法)
図3を参照して本実施の形態のコマンド入力方法について説明する。同図は、キャラクタ7とエネミキャラクタ8とが対戦する場面であり、画面の左端には入力支援用の表示バー(指示器)6が表示されている。表示バー6はプレイヤによるコントロールパッドの入力操作を簡易かつ迅速に行うことを可能にするものであり、Bボタンに対応するアイコン601、Yボタンに対応するアイコン602、Xボタンに対応するアイコン603が表示されている。これらのアイコンには当該ボタンに対応するコマンドが表示されている。例えば、アイコン601には「必殺」、アイコン602には「回復」、アイコン603には「防御」が表示されている。また、コントロールパッド26に配置されている各キーには予め当該ボタンに対応するコマンドが割り振られており、キー操作により直接コマンドを実行することができる。具体的には、Bボタンの操作により「必殺」コマンドを実行することができ、Yボタンの操作により「回復」コマンドを実行することができ、Xボタンの操作により「防御」コマンドを実行することができる。
【0035】
ここで、「必殺」コマンドとは、エネミキャラクタに決定的なダメージを与えることのできるコマンドをいい、「回復」コマンドとは、攻撃を受けたキャラクタが自己のエネルギーを回復させるコマンドをいい、「防御」コマンドとは、エネキャラクタの攻撃を回避し、或いは、攻撃を受けた場合のダメージを少なくするためのコマンドをいう。また、これらのコマンドに限らず、シミュレーションゲームの展開に必要なあらゆるコマンドを適用することもできる。
【0036】
表示バー6にはプレイヤキャラクタ7のエネルギーを示すゲージ604が、プレイヤキャラクタ7の現在のエネルギー値に基づいて点灯可能に表示される。この「エネルギー」は、プレイヤキャラクタ7が所定のコマンドを実行する毎にエネルギー値が各コマンド毎に設定されたポイントずつ減少するようにプログラムされている。また、表示バー6に表示されるアイコン601〜603は、当該アイコンに対応するコマンドの実行に必要なエネルギー値のところに配置されている。このため、コマンドを実行する際には、当該コマンドの実行に必要なエネルギーが確保されていることが必要である。例えば、図4(A)に示すように、Bボタン操作(「必殺」コマンド実行)に必要なエネルギー値を7ポイント、Yボタン操作(「回復」コマンド実行)に必要なエネルギー値を4ポイント、Xボタン操作(「防御」コマンド実行)に必要なエネルギー値を2ポイントとすると、ゲージ604が7ポイントを表示している場合には、Bボタン、Yボタン、Xボタンのいずれのボタン操作も可能になる。また、同図(B)に示すように、ゲージ604が5ポイントを表示している場合には、Bボタン操作は制限され、このボタンを入力しても入力信号はゲームプログラム上無効になる。従がって、プレイヤは、Yボタン、Xボタンについて操作が可能となる。同図(C)に示すように、ゲージ604が3ポイントを表示している場合には、Bボタン操作、Yボタン操作が制限され、これらのボタンを入力しても入力信号は無効とされる。プレイヤはXボタンについて操作が可能になる。
【0037】
尚、Aボタンに対応するアイコンは図示していないが、Aボタンに対応するコマンドを「攻撃」とし、このコマンド実行に必要なエネルギー値を既定値(例えば、1ポイント)にすることでアイコンの表示を省略することができる。また、キャラクタを移動させる場合(「移動コマンドの実行」)には、アナログスティック207の操作で行うことができる。この場合には予め定められた単位距離を移動する毎にエネルギーが1ポイント消費するようにプログラムされる。
【0038】
このように、本実施の形態のコマンド入力方法によれば、コマンドウインドウからコマンドを選択するタイプのゲームにおいて、コマンドウインドウを表示する必要がない。従がって、画面が煩雑になるという問題を解消することができ、画面構成の幅を広げることができる。また、コマンドウインドウの表示による、ゲームプレイの見た目の難しさを解消することができ、これまで敬遠していた人達にもゲームの興味感を喚起させることができ、ゲームジャンルの裾野を広げることができる。
【0039】
さらに、コマンド実行をボタン操作に直接対応させ、かつ、このボタン操作をゲージに表示されるキャラクタのエネルギー値によって制限する構成であるため、簡易かつ迅速なキー操作を可能にし、コマンド選択を必要としない。また、従来のような、コマンドウインドウからのコマンド選択が省略されるため、迅速なコマンド実行が可能になり、従来、断続しがちであったゲーム進行を円滑に進めることができる。
【0040】
また、従来のシミュレーションゲームにおいては、コマンド実行に必要なエネルギー値を数字として各コマンドに付記して表示していたが、本実施の形態によれば、コマンド実行に必要なエネルギー値をゲージで表示し、かつ、このゲージ上に各コマンドに対応するアイコンを表示する構成であるため、キー操作を感覚的に簡易化することができる。また、従来の数字表現と比較して"難しい"印象をなくし、より簡単にゲームを楽しむことができる。さらに、実行可能なコマンドを視覚的に判断することができるため、操作環境に優れた入力方法を提供することができる。
【0041】
このように、キー入力に必要な情報を表示バー6に集約することで、コマンドウインドウからのコマンド選択を不要とするとともに、コマンド実行を簡易に実現することで、シミュレーションゲームを円滑に進めることができる。
【0042】
また、表示バー6の表示形態は図3に表示した形態に限らず、例えば、図5に示す各種の形態でもよい。同図(A)に示す表示バー6は、エネルギー値を最高8ポイントとし、Yボタン操作(「回復」コマンド実行)可能ポイントを7ポイント、Xボタン操作(「防御」コマンド実行)可能ポイントを6ポイントとしている。表示バー6をこのように表示することで、「移動コマンド」、「攻撃コマンド」の実行に好適なキー操作を可能にする。但し、Bボタンに対応するアイコン601は表示されていないため、「必殺コマンド」を実行することはできない。同図(B)に示す表示バー6は、エネルギー値を最高7ポイントとし、Bボタン操作(「必殺」コマンド実行)可能ポイントを5ポイントとしている。表示バー6をこのように表示することで、「攻撃コマンド」、「必殺コマンド」の実行に好適なキー操作を可能にする。但し、Yボタンに対応するアイコン602、Xボタンに対応するアイコン603は表示されていないため、「回復コマンド」、「防御コマンド」を実行することはできない。同図(C)に示す表示バー6は、エネルギー値を最高5ポイントとし、Yボタン操作(「回復」コマンド実行)可能ポイントを2ポイント、Xボタン操作(「防御」コマンド実行)可能ポイントを1ポイントとしている。表示バー6をこのように表示することで、「防御コマンド」、「回復コマンド」の実行に好適なキー操作を可能にする。但し、Bボタンに対応するアイコン601は表示されていないため、「必殺コマンド」を実行することはできない。
【0043】
上述した形態のように、プレイヤがゲーム場面に応じて適切な表示バー6を選択するようにゲームプログラムを構成することで、ゲームの幅が広がり、ゲームの面白さを増すことができる。また、これらの表示バー6をゲームに登場するキャラクタの個性に合わせて、実行できるコマンドの種類、コマンド実行の際のエネルギーの必要量等を予め割り当てることで、キャラクタの個性に合わせた表示バー6を構成することができる。即ち、キャラクタの行動内容の方向性をおおまかに設定することで、行動に必要なポイント数を変更するとともに、アイコンの配置を決定することができる。
【0044】
(キャラクタの移動操作)
図6を参照してキャラクタの移動操作について説明する。上述したように、本ゲーム装置においては、キャラクタの移動をアナログスティック207で行う。同図(A)に示すように、アナログスティック207の操作により、プレイヤキャラクタ7をA地点からB地点へ移動させると、移動距離に対応したエネルギーの分だけゲージ604のポイント数が減少する。移動距離と消費するエネルギーのポイント数は予め決められており、エネルギー3ポイント分の距離を移動させれば、ゲージ604は3ポイント分減少する。
【0045】
尚、同図では、表示バー6のゲージ604のみを図示しており、アイコン601等は図示していない。
【0046】
また、同図(B)に示すように、プレイヤキャラクタ7をB地点からA地点へ戻すと、ゲージ604は元のエネルギー値に戻る。この場合、エネルギー3ポイント分の距離だけ戻るので、ゲージ604のポイント数も3ポイント分だけ戻る。そして、プレイヤキャラクタ7の移動地点をキー操作で確定することでゲージ604の消費エネルギー値も確定する。例えば、エネルギー2ポイント分の距離だけ移動させて移動地点を確定すると、ゲージ604の消費エネルギー値は2ポイント減少した値で確定する。キャラクタの移動操作をこのようにプログラムすることで、移動量と消費エネルギーの関係が視覚的に判断しやすくなり、移動操作を簡略化することができる。このため、従来のようにフィールドをグリッドで区画し、コマンドウインドウから移動コマンドを実行することでキャラクタを移動させる場合に比べて、キャラクタの移動操作を格段に簡易化することができる。
【0047】
また、移動地点を確定するまではキャラクタの移動先を自由に変更することができるので快適な操作環境を提供することができる。
【0048】
(ゲームプレイのリアルタイム化)
また、ゲージ604のエネルギー消費を、コマンド実行時に限らず、時間の経過とともに(リアルタイムに)減少させることで、ゲームプレイをリアルタイム化させることができる。ゲームプログラムをこのように設定することで、従来リアルタイム性に欠けていたシミュレーションゲームに臨場感を持たせることができる。また、シミュレーションゲームに限らず、アクションゲームやシューティングゲームにも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本ゲーム装置のブロック図である。
【図2】コントロールパッドの斜視図である。
【図3】ゲーム画面である。
【図4】表示バーの形態の説明図である。
【図5】表示バーの形態の説明図である。
【図6】キャラクタの移動方法の説明図である。
【図7】従来のゲーム画面の説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ゲーム装置、2 CPUブロック、3 ビデオブロック、4 サウンドブロック、5 通信装置、6 表示バー、7 プレイヤキャラクタ、8 エネミキャラクタ、9 コマンドウインドウ、10 カーソル、601 アイコン(Bボタン)、602 アイコン(Yボタン)、603 アイコン(Xボタン)、604 ゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタの行動内容を指定するコマンドが割り当てられたキーと、該キャラクタの移動を行う手段とを備えた入力手段と、
前記キャラクタが有する総合ポイントと、前記コマンドの実行に必要なポイントと、前記キャラクタの移動距離に応じて必要なポイントとをそれぞれ記憶する手段と、
前記キーからの入力情報に基づき、前記コマンドを実行する毎に該コマンドの実行に必要な前記ポイントを前記総合ポイントから減算し、かつ、前記キャラクタの移動を行う手段からの入力情報に基づき、前記キャラクタが移動する毎に該キャラクタの移動に必要な前記ポイントを前記総合ポイントから減算する手段と、
前記総合ポイントが、前記コマンドの実行又は前記キャラクタの移動に必要な前記ポイントを下回っている場合に、該コマンドの実行又は該キャラクタの移動を制限する手段と、を備えたゲーム装置。
【請求項2】
前記総合ポイントから時間の経過に応じた所定のポイントを減算する手段を更に備えた請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記コマンドの実行及び前記キャラクタの移動に必要なポイントは、前記キャラクタに予め設定された行動パターン情報に基づいて決定される、請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
キャラクタの行動内容を指定するコマンドが割り当てられたキーと、該キャラクタの移動を行う手段とを備えた入力手段から入力情報を送信するステップと、
前記キャラクタが有する総合ポイントを画面に表示するステップと、
前記コマンドの実行に必要なポイントと、前記キャラクタの移動距離に応じた必要なポイントとを参照するステップと、
前記キーからの入力情報に基づき、前記コマンドを実行する毎に該コマンドの実行に必要な前記ポイントを前記総合ポイントから減算し、かつ、前記キャラクタの移動を行う手段からの入力情報に基づき、前記キャラクタが移動する毎に該キャラクタの移動に必要な前記ポイントを前記総合ポイントから減算するステップと、
前記総合ポイントが、前記コマンドの実行又は前記キャラクタの移動に必要な前記ポイントを下回っている場合に、該コマンドの実行又は該キャラクタの移動を制限するステップと、を有するゲーム装置における操作信号の処理方法。
【請求項5】
前記総合ポイントから、時間の経過に応じた所定のポイントを減算するステップを更に有する、請求項4に記載のゲーム装置における操作信号の処理方法。
【請求項6】
前記コマンドの実行及び前記キャラクタの移動に必要なポイントとして、前記キャラクタに予め設定された行動パターン情報に基づいて決定される、請求項4又は5に記載のゲーム装置における操作信号の処理方法。
【請求項7】
入力装置に設けられたキーの操作によってゲームを展開するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体であって、
請求項4〜6のいずれか一項に記載された操作信号の処理方法における手順を、ゲーム装置としてのコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−252939(P2007−252939A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122588(P2007−122588)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【分割の表示】特願平10−286780の分割
【原出願日】平成10年10月8日(1998.10.8)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】