説明

コイル部材

【課題】定型のフレキシブル基板から各種形状のコイル部材を製造することや、基板シートからフレキシブル基板を切り出すときに無駄を最小限とすることができる、コイル部材を提供する。
【解決手段】スリットまたは開口からなる切断部218を有する環状の初期形状のフレキシブル基板210が、初期形状とは相違する環状の完成形状に基板保持部材321,322により保持されている。従って、定型の初期形状のフレキシブル基板210から各種形状の完成形状のコイル部材200を製造することができる。また、初期形状のフレキシブル基板210を切断部218がスリット状の細長形状に形成しておき、これを曲折により切断部218が大径に拡開した枠状の完成形状とするようなこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループアンテナなどに利用されるコイル部材に関し、特に、フレキシブル基板で形成されているコイル部材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば、携帯電話端末などの電子機器にループアンテナや誘導コイルなどが搭載されている。そのループアンテナなどは、例えば、図12に示すように、フレキシブル基板から形成されているコイル部材100で形成されている。
【0003】
このコイル部材100のフレキシブル基板110は、各々線形の第一線形部分111と第二線形部分112と第三線形部分113と第四線形部分114とが環状に連続している。連続する線形部分111〜114が直交する矩形の枠状に形成されている。
【0004】
このコイル部材100では、例えば、第二線形部分112から接続部分116が突出している。この接続部分116の端部に接続コネクタ120が実装されている。フレキシブル基板110は、一本のプリント配線117が各線形部分111〜114を繰り返し周回するように形成されている。そのプリント配線の両端が接続コネクタ120に接続されている。
【0005】
このようなコイル部材100は、例えば、携帯電話端末などの電子機器の本体ハウジングに搭載され、その本体ハウジングに搭載されている回路基板に接続コネクタ120で接続されることにより(図示せず)、ループアンテナなどとして機能することになる。
【0006】
なお、上述のようにフレキシブル基板で形成されているコイル部材としては、各種の提案がある(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平10−042011号
【特許文献2】特開平06−097713号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようなコイル部材100は、フレキシブル基板110のプリント配線117により実現されている。従って、電線を巻回するような必要がなく、簡単に量産することができる。
【0008】
このようにコイル部材100を量産する場合には、大型の基板シートに複数のプリント配線117のパターンを配列させて形成し(図示せず)、その基板シートから複数のフレキシブル基板110を切り出すことになる。
【0009】
しかし、図示するように、枠状のコイル部材100は中央に空間が存在するため、基板シートからフレキシブル基板110を切り出すと、その中央の部分は無駄に廃棄することとなる。
【0010】
しかも、上述のように中央に無駄な部分が存在する枠状のコイル部材100は、その全体的な占有面積が無駄に大きい。このため、従来のコイル部材100では、基板シートに多数のプリント配線117のパターンを配列させて形成することができず、生産性が低下している。
【0011】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、基板シートからフレキシブル基板を切り出すときに無駄を最小限とすることができて生産性が良好なコイル部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のコイル部材は、初期形状ではスリットまたは開口からなる切断部を有する環状のフレキシブル基板と、フレキシブル基板を初期形状とは相違する完成形状に保持している基板保持部材と、を有する。
【0013】
従って、本発明のコイル部材では、例えば、定型の初期形状のフレキシブル基板から各種形状の完成形状のコイル部材を製造することや、初期形状のフレキシブル基板を切断部がスリット状の細長形状に形成しておき、これを基板保持部材により切断部が大径に開口した枠状の完成形状とするようなことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコイル部材では、例えば、定型の初期形状のフレキシブル基板から各種形状の完成形状のコイル部材を製造することにより、各種形状のコイル部材を良好な生産性で製造可能な構造を実現することができ、また、初期形状のフレキシブル基板を切断部がスリット状の細長形状に形成しておき、これを基板保持部材により切断部が大径に開口した枠状の完成形状とすることにより、無駄に廃棄する部分を最小としながら大径のコイル部材を製造可能な構造を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。なお、本形態では、図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは説明を簡単とするために便宜的に規定するものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0016】
本実施の形態の電子機器300は、図1および図2に示すように、本体ハウジング310を有する。この本体ハウジング310には、本実施の形態のコイル部材200が搭載されている。
【0017】
このコイル部材200は、フレキシブル基板210と基板保持部材321,322からなる。基板保持部材321は、本体ハウジング310と一体に形成されており、フレキシブル基板210を矩形の枠状の完成形状に内側から保持している。基板保持部材322は、本体ハウジング310とは別体に形成されており、完成形状のフレキシブル基板210を上方から本体ハウジング310に保持している。
【0018】
より具体的には、本実施の形態のコイル部材200のフレキシブル基板210は、基板シート(図示せず)から切り出された初期形状では、図3(a)に示すように、少なくとも四つの線形部分211〜214が環状に連続し、線形部分211〜214が少なくとも二つずつ直線状に各々連続している一対の直線状部221,222が略平行に隣接する形状に形成されている。
【0019】
換言すると、初期形状のフレキシブル基板210は、各々が細長く等長の第一線形部分211と第二線形部分212と第三線形部分213と第四線形部分214とが環状に連続し、第一線形部分211と第二線形部分212とが直線状に連続するとともに第三線形部分213と第四線形部分214とが直線状に連続し、第一線形部分211に第四線形部分214が平行に隣接するとともに第二線形部分212に第三線形部分213が平行に隣接する形状に形成されている。
【0020】
そして、図3(b)に示すように、初期形状のフレキシブル基板210が複数の線形部分211〜214の境界箇所で曲折されて完成形状とされることで、図3(c)に示すように、略平行に隣接していた線形部分211〜214が完成形状では初期形状のときより離間している。
【0021】
換言すると、図3(b)に示すように、初期形状のフレキシブル基板210が第一線形部分211と第二線形部分212との境界箇所、第二線形部分212と第三線形部分213との境界箇所、第三線形部分213と第四線形部分214との境界箇所、第四線形部分214と第一線形部分211との境界箇所、で上方に三角形状に曲折されて完成形状とされることで、図3(c)に示すように、完成形状のフレキシブル基板210では、第一線形部分211と第二線形部分212とが直交しているとともに第三線形部分213と第四線形部分214とが直交している。
【0022】
このため、完成形状のフレキシブル基板210では、第一線形部分211と第三線形部分213とが、第二線形部分212(および第四線形部分214)の全長に相当する距離まで離間するとともに、第二線形部分212と第四線形部分214とも、第一線形部分211(および第三線形部分213)の全長に相当する距離まで離間している。
【0023】
さらに、第一線形部分211と第二線形部分212と第三線形部分213と第四線形部分214との表面が同一平面に位置しており、全体に中央が開口した正方形の枠状となっている。
【0024】
そして、本実施の形態のコイル部材200では、フレキシブル基板210が上述のように完成形状に曲折された状態に、基板保持部材321,322で本体ハウジング310に保持されている。
【0025】
この本体ハウジング310には、コイル部材200の外周部と同一形状に開口した凹部311が形成されている。基板保持部材321は、本体ハウジング310の凹部311の四つの角部の近傍に立設されている。
【0026】
基板保持部材321は、完成形状のフレキシブル基板210の中央開口の四つの角部に内側から係合する形状に形成されている。基板保持部材322は、完成形状のフレキシブル基板210と同等な平面形状の矩形の枠状に形成されている。
【0027】
そして、このフレキシブル基板210は、完成形状に曲折された状態で本体ハウジング310の凹部311の内側面と基板保持部材321の外側面との間隙に上方から配置されており、この間隙に上方から装着されている基板保持部材322により保持されている。
【0028】
このため、本実施の形態のコイル部材200は、基板保持部材322により曲折状態が維持された状態では、前述のように上方に三角形状に曲折された箇所が、フレキシブル基板210の表面に略面一に当接されている。
【0029】
なお、本実施の形態のコイル部材200では、例えば、フレキシブル基板210の第二線形部分212から直角に接続部分216が突出している。この接続部分216の端部に接続コネクタ230が実装されている。フレキシブル基板210は、一本のプリント配線217が各線形部分211〜214を繰り返し周回するように形成されており、そのプリント配線の両端が接続コネクタ230に接続されている。
【0030】
そして、本実施の形態の電子機器300では、本体ハウジング310にリジッド基板からなる回路基板315とコイル部材200とが搭載されている。このコイル部材200の接続コネクタ230が回路基板315の接続コネクタ316と接続されている。
【0031】
ここで、本実施の形態のコイル部材200の製造方法を以下に簡単に説明する。まず、図3(a)に示すように、第一線形部分211と第二線形部分212とが直線状に連続するとともに第三線形部分213と第四線形部分214とが直線状に連続し、第一線形部分211に少なくとも第四線形部分214が平行に隣接するとともに第二線形部分212に少なくとも第三線形部分213が平行に隣接する初期形状に、フレキシブル基板210を形成する。
【0032】
その場合、大型の基板シートに複数のコイル部材200のプリント配線217のパターンを配列させて形成し(図示せず)、その基板シートから複数のフレキシブル基板210を切り出す。
【0033】
つぎに、図3(b)に示すように、初期形状のフレキシブル基板210を、第一線形部分211と第二線形部分212との境界箇所と第二線形部分212と第三線形部分213との境界箇所と第三線形部分213と第四線形部分214との境界箇所と第四線形部分214と第一線形部分211との境界箇所とで曲折させて完成形状とする。
【0034】
そして、この完成形状のフレキシブル基板210では、図3(c)に示すように、第一線形部分211と第二線形部分212とを直交させるとともに第三線形部分213と第四線形部分214とを直交させ、第一線形部分211と第三線形部分213とを平行に離間させるとともに、第二線形部分212と第四線形部分214とを平行に離間させる。
【0035】
そして、このような完成形状にフレキシブル基板210を維持するため、本体ハウジング310の凹部311の内側面と基板保持部材321の外側面との間隙にフレキシブル基板210を挿入し、その上方から基板保持部材322を装着する。これで電子機器300にコイル部材200が搭載された状態となる。
【0036】
このように製造される本実施の形態のコイル部材200では、上述のようにフレキシブル基板210が基板シートから切り出される初期形状では、中央には線形の切断部であるスリット218が形成されているのみで、矩形の無駄な部分などが存在することがない。
【0037】
このため、初期形状のフレキシブル基板210の占有面積が必要最小限なので、多数を基板シートに配列させることが可能であり、本実施の形態のコイル部材200は生産性が良好である。
【0038】
それでいて、本実施の形態のコイル部材200は、前述のようにフレキシブル基板210が曲折された完成形状では、その中央が大径に開口した矩形の枠状となる。従って、使用するときには誘導コイルやループアンテナとして良好に機能することができる。
【0039】
しかも、本実施の形態の電子機器300では、本体ハウジング310にコイル部材200と基板保持部材322とが装着されることで、コイル部材200が本体ハウジング310に保持されるとともに曲折状態が維持されている。従って、簡単な構造でコイル部材200を適切な位置および形状に維持することができる。
【0040】
さらに、本実施の形態のコイル部材200は、各部分211〜214の表面が同一平面に位置する状態にフレキシブル基板210が曲折されている。従って、本実施の形態のコイル部材200は全体が扁平であり、電子機器300の本体ハウジング310の内部に良好に平坦に配置することができる。
【0041】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では初期形状のフレキシブル基板210を完成形状に曲折させて基板保持部材321,322により保持することを例示した。
【0042】
しかし、図4および図5に例示するコイル部材330のように、フレキシブル基板210を曲折させることなく基板保持部材331により完成形状に張架してもよい。このコイル部材330では、前述のコイル部材200に比較してフレキシブル基板210の占有容積が増大するが、フレキシブル基板210を曲折させる工程が必要ない。
【0043】
つまり、占有容積の観点では前述のコイル部材200が優位であり、製造工程の観点では上述のコイル部材330が優位である。このため、これらのコイル部材200,330を実施するときは、電子機器300の仕様などを考慮して適切な一方を選択することがよい。
【0044】
また、上記形態ではコイル部材200のフレキシブル基板210を完成形状に維持する基板保持部材321,322の一方が、電子機器300の本体ハウジング310と一体に形成されていることを例示した。
【0045】
しかし、図6に例示するコイル部材400のように、基板保持部材401,402が電子機器の本体ハウジング(図示せず)とは別体に形成されていてもよい。より具体的には、ここで例示する下方の基板保持部材401は、矩形の枠状に形成されており、その上面内周には完成形状のフレキシブル基板210の中央開口に内側から係合する凸部403が形成されている。
【0046】
上方の基板保持部材402は、矩形の枠状に形成されており、その中央開口に下方の基板保持部材401の凸部403が係合する。このため、下方の基板保持部材401に上方から装着されて凸部403で内側から張架された完成形状のフレキシブル基板210が、上方から基板保持部材402に保持されることでコイル部材400が完成している。
【0047】
このコイル部材400は、単体で取り扱うことができ、電子機器の本体ハウジングに装着することができる。上述のようにコイル部材400が基板保持部材401,402を有する構造の場合、その基板保持部材401等が係合する凹部を電子機器の本体ハウジングに形成しておくことにより(図示せず)、コイル部材400を本体ハウジングに簡単な構造で適切に装着することができる。
【0048】
また、上記形態では初期形状のフレキシブル基板210を第一から第四線形部分211〜214が等長となる箇所で曲折させて完成形状とすることにより、正方形のコイル部材200を形成することを例示した。
【0049】
しかし、図7に例示するコイル部材410のように、初期形状のフレキシブル基板210を第一線形部分411と第三線形部分413とが長くなり第二線形部分412と第四線形部分414とが短くなる箇所で曲折させて完成形状としてもよい。
【0050】
そして、上述のように長方形の完成形状に曲折したフレキシブル基板210を長方形の基板保持部材415,416で保持することにより、長方形のコイル部材410を形成することができる。
【0051】
なお、上述のように矩形で各辺の比率が相違するコイル部材400,410は、同一の初期形状のフレキシブル基板210から製造することができる。従って、本発明では複数種類のコイル部材400,410の全体的な生産性を向上させることもできる。
【0052】
このため、初期形状のフレキシブル基板を正方形の枠状に形成しておき、これを曲折により長方形状の完成形状とすることもできる(図示せず)。この場合、完成形状に比較して初期形状で無駄に廃棄する部分が増大するが、定型の初期形状のフレキシブル基板から、各種形状のコイル部材を製造できる効果がある。
【0053】
さらに、上記形態では初期形状のフレキシブル基板210を四箇所で曲折させてコイル部材200を矩形に形成することを例示した。しかし、初期形状のフレキシブル基板210を五つ以上の箇所で曲折させて五角形以上の多角形の基板保持部材で保持することにより、多角形のコイル部材を形成することも不可能ではない(図示せず)。
【0054】
また、上記形態ではフレキシブル基板210を平坦に曲折してから基板保持部材321,322で保持することを例示した。しかし、フレキシブル基板210を曲折させることなく基板保持部材321などで内側から張架することでコイル部材を形成してもよい(図示せず)。
【0055】
この場合、コイル部材の全体形状が扁平とならないので占有容積は増大する。しかし、フレキシブル基板210を曲折させる作業が必要ないのでコイル部材の生産性を向上させることができる。
【0056】
さらに、上記形態では初期形状のフレキシブル基板210の中央にスリット218が単純な線形に形成されていることのみ例示した。しかし、図8に示すように、その両端に丸孔219を形成しておくことにより、スリット218の端部からフレキシブル基板210が裂けることを防止することもできる。
【0057】
同様に、スリットを所定幅に形成して両端を半円形とすることにより(図示せず)、フレキシブル基板210が裂けることを防止することもできる。なお、前述のようにフレキシブル基板210を曲折させることなく基板保持部材321などで内側から張架してコイル部材を形成する場合、そのフレキシブル基板210が裂けやすくなることが予想されるので、これを丸孔219などで防止することは好適である。
【0058】
また、上記形態では初期形状のフレキシブル基板210の各部分211〜214の境界位置を三角形状に曲折させることで、完成形状のフレキシブル基板210の各部分211〜214の表面が同一平面に位置することを例示した。
【0059】
しかし、図9に例示するコイル部材430のように、各部が立設した立体の完成形状に曲折されたフレキシブル基板210を、矩形の枠状の基板保持部材420で保持してもよい。この場合、基板保持部材420に保持されているフレキシブル基板210の表面が、拡開された切断部により形成される平面に対して直交する。
【0060】
より詳細には、このコイル部材430のフレキシブル基板210は、図10に示すように、初期形状の各部が直角方向のみに曲折されている。このため、図9に示すように、第一線形部分431と第二線形部分432との表面が直交し、第二線形部分432と第三線形部分433との表面が直交し、第三線形部分433と第四線形部分434との表面が直交し、第四線形部分434と第一線形部分431との表面が直交する、完成形状とされている。
【0061】
基板保持部材420は、矩形の枠状に形成されており、その上面には平面形状がフレキシブル基板210と同一の矩形の凹溝421が形成されている。そこで、この凹溝421に完成形状のフレキシブル基板210が上方から挿入されて保持されることにより、コイル部材430が形成されている。
【0062】
なお、このコイル部材430も、当然ながら、そのフレキシブル基板210の曲折箇所を変更するとともに基板保持部材420の形状を変更することにより、矩形の縦横比を変化させることができ、全体を多角形状に形成することもでき、全体を円筒状に形成することもできる(いずれも図示せず)。
【0063】
また、このコイル部材430も、前述のコイル部材200,400と同一形状の初期形状のフレキシブル基板210から形成することができ、本発明では、同一形状の初期形状のフレキシブル基板210から、平坦なコイル部材200も立体的なコイル部材430も形成することが可能である。
【0064】
さらに、上記形態では初期形状のフレキシブル基板210の長手方向と直交する方向に接続部分216が突出していることを例示した。しかし、図11に示すように、初期形状のフレキシブル基板440の長手方向と同一方向に接続部分441が突出していることもできる。
【0065】
この場合、同一面積の基板シートに複数の初期形状のフレキシブル基板440を、より高密度に配列させることができる。従って、さらにコイル部材の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態の電子機器の要部の組立構造を示す分解斜視図である。
【図2】電子機器の要部の構造を示す斜視図である。
【図3】コイル部材の製造工程を示す斜視図である。
【図4】一変形例のコイル部材の組立構造を示す分解斜視図である。
【図5】コイル部材の構造を示す斜視図である。
【図6】他の変形例のコイル部材の組立構造を示す分解斜視図である。
【図7】他の変形例のコイル部材の製造工程を示す斜視図である。
【図8】さらに他の変形例のフレキシブル基板を示す斜視図である。
【図9】さらに他の変形例のコイル部材の組立構造を示す分解斜視図である。
【図10】そのフレキシブル基板を示す斜視図である。
【図11】さらに他の変形例のフレキシブル基板を示す斜視図である。
【図12】一従来例のコイル部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
200,330,400,410,430 コイル部材
210,440 フレキシブル基板
211,411,431 第一線形部分
212,412,432 第二線形部分
213,413,433 第三線形部分
214,414,434 第四線形部分
216 接続部分
217 プリント配線
218 スリット
219 丸孔
221,222 直線状部
230 接続コネクタ
300 電子機器
310 本体ハウジング
311 凹部
315 回路基板
316 接続コネクタ
321,322,331,401,402,415,416,420 基板保持部材
403 凸部
421 凹溝
441 接続部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期形状ではスリットまたは開口からなる切断部を有する環状のフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板を前記初期形状とは相違する完成形状に保持している基板保持部材と、
を有するコイル部材。
【請求項2】
前記基板保持部材は、前記フレキシブル基板を前記初期形状より前記切断部を拡開し前記完成形状に保持している請求項1に記載のコイル部材。
【請求項3】
前記初期形状のフレキシブル基板は、スリット状の切断部を有する細長形状に形成されており、
前記基板保持部材は、前記フレキシブル基板を前記切断部が拡開された枠状の前記完成形状に保持している請求項2に記載のコイル部材。
【請求項4】
前記基板保持部材により前記完成形状に保持された前記フレキシブル基板が環状に連続する少なくとも四つの線形部分を有しており、
前記初期形状のフレキシブル基板では、前記線形部分が少なくとも二つずつ直線状に各々連続している一対の直線状部が略平行に隣接する形状に形成されており、
前記初期形状のフレキシブル基板が複数の前記線形部分の境界箇所で曲折されて前記基板保持部材により前記完成形状として保持されることで、略平行に隣接していた前記線形部分が前記初期形状のときより前記完成形状では離間している請求項3に記載のコイル部材。
【請求項5】
前記基板保持部材は、各々が細長い第一線形部分と第二線形部分と第三線形部分と第四線形部分とが矩形の環状に連続する前記完成形状に前記フレキシブル基板を保持しており、
前記初期形状のフレキシブル基板は、前記第一線形部分と前記第二線形部分とが直線状に連続するとともに前記第三線形部分と前記第四線形部分とが直線状に連続し、前記第一線形部分に少なくとも前記第四線形部分が略平行に隣接するとともに前記第二線形部分に少なくとも前記第三線形部分が略平行に隣接する細長形状に形成されており、
前記初期形状のフレキシブル基板が前記第一線形部分と前記第二線形部分との境界箇所と前記第二線形部分と前記第三線形部分との境界箇所と前記第三線形部分と前記第四線形部分との境界箇所と前記第四線形部分と前記第一線形部分との境界箇所とで曲折された前記完成形状として前記基板保持部材に保持されている請求項4に記載のコイル部材。
【請求項6】
前記基板保持部材は、前記第一線形部分と前記第二線形部分と前記第三線形部分と前記第四線形部分との表面が同一平面に略位置する前記完成形状に前記フレキシブル基板を保持している請求項5に記載のコイル部材。
【請求項7】
前記基板保持部材に保持されている前記フレキシブル基板の表面が拡開された前記切断部により形成される平面に対して略直交している請求項2ないし5の何れか一項に記載のコイル部材。
【請求項8】
前記基板保持部材は、前記第一線形部分と前記第二線形部分との表面が略直交し、前記第二線形部分と前記第三線形部分との表面が略直交し、前記第三線形部分と前記第四線形部分との表面が略直交し、前記第四線形部分と前記第一線形部分との表面が略直交する前記完成形状に前記フレキシブル基板を保持している請求項5に記載のコイル部材。
【請求項9】
コイル部材が搭載されている電子機器であって、
本体ハウジングと、
請求項1ないし8の何れか一項に記載のコイル部材と、
を有する電子機器。
【請求項10】
前記基板保持部材により前記フレキシブル基板が前記本体ハウジングに装着されている請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
コイル部材が搭載されている電子機器であって、
本体ハウジングと、
請求項1ないし8の何れか一項に記載のコイル部材と、を有し、
前記コイル部材の基板保持部材の少なくとも一部が前記本体ハウジングに一体に形成されている電子機器。
【請求項12】
請求項1に記載のコイル部材を製造するためのコイル製造方法であって、
スリットまたは開口からなる前記切断部を有する環状に前記初期形状の前記フレキシブル基板を形成し、
前記フレキシブル基板を前記基板保持部材に保持させて前記初期形状とは相違する完成形状とするコイル製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−305657(P2007−305657A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130140(P2006−130140)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】