説明

コネクタ及びこれを備えた電子機器

【目的】 本発明は、防水性を有するコネクタ及びこれを備えた電子機器を提供する。
【構成】 コネクタは、接続孔130と、接続孔130に連通しており且つ外部に開放された収容穴170a、170bとを有するボディ100と、収容穴170a、170bを塞ぐカバー200と、収容穴170a、170b内に固着された固定部310aと、接続孔130内に配置された接点部320aと、ボディ100とカバー200との間から外部に突出した接続部330aとを有するコンタクト300aと、ボディ100とカバー200との境界部分、ボディ100とコンタクト300aの接続部330aとの境界部分及びカバー200とコンタクト300aの接続部330aとの境界部分を覆う絶縁樹脂製のモールド部400とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ及びこれを備えた電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコネクタとしては、スマートフォン等の携帯端末のイヤホンジャックとして備えられているものがある。前記コネクタにはカバーが嵌合している。これにより、前記コネクタから携帯端末内部に水が侵入するのを防止している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−87185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、カバーがコネクタに嵌合してない状態で、携帯端末が誤って水に晒されると、水がコネクタから携帯端末内部に侵入してしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、防水性を有するコネクタ及びこれを備えた電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のコネクタは、接続孔と、前記接続孔に連通しており且つ外部に開放された収容穴又はスリットとを有するボディと、前記ボディの収容穴又はスリットを塞ぐカバーと、前記ボディの収容穴又はスリット内に固着された固定部と、前記接続孔内に配置された接点部と、前記ボディと前記カバーとの間から外部に突出した接続部とを有するコンタクトと、少なくとも前記ボディと前記カバーとの境界部分、前記ボディと前記コンタクトの接続部との境界部分及び前記カバーと前記コンタクトの接続部との境界部分を覆う絶縁樹脂製のモールド部とを備えている。
【0007】
このような発明の態様による場合、絶縁樹脂製のモールド部が、ボディとカバーとの境界部分、ボディとコンタクトの接続部との境界部分及びカバーとコンタクトの接続部との境界部分を覆っている。よって、カバーとボディとの間、ボディとコンタクトの接続部との間及びカバーとコンタクトの接続部との間から水が侵入するのを防止することができる。しかも、モールド部は、アウトサート成形等により作成可能な絶縁樹脂製であるので、低コストで前記コネクタの防水性を実現することができる。
【0008】
前記接続孔は前記ボディを第1方向に貫通する態様とすることが可能である。前記ボディは、前記第1方向に直交する第2方向の第1端部と、前記第2方向の前記第1端部の反対側に位置する第2端部と、前記第1端部に設けられており且つ底面に前記収容穴又はスリットが設けられた第1凹部と、前記第2端部に設けられた第2凹部とを更に有する構成とすることが可能である。前記カバーは、前記接続孔を塞ぐ第1閉塞部と、前記第1凹部に収容され且つ前記収容穴又はスリットを塞ぐ第2閉塞部とを有する構成とすることが可能である。前記モールド部は、前記第2方向の第1端と、前記第2方向の前記第1端の反対側の第2端とを有する第1モールド部と、前記第1モールド部の第1端に連接された第2モールド部と、前記第1モールド部の第2端に連接された第3モールド部とを有する構成とすることが可能である。前記第1モールド部は、前記第1閉塞部を覆うと共に、当該第1閉塞部を前記ボディに接合している。前記第2モールド部は、前記ボディの第1凹部に充填され、前記第2閉塞部を覆うと共に、当該第2閉塞部を前記ボディに接合している。前記第3モールド部は、前記ボディの第2凹部に充填されている。
【0009】
このような発明の態様による場合、第1モールド部が、第1閉塞部を覆うと共に、当該第1閉塞部をボディに接合している。また、第2モールド部が、ボディの第1端部の第1凹部に充填され、第2閉塞部を覆うと共に、当該第2閉塞部をボディに接合している。第3モールド部はボディの第2端部の第2凹部に充填されている。すなわち、第2、第3モールド部が第2方向においてボディを挟持するように設けられているので、モールド部のカバー及びボディに対する接合強度を向上させることができる。
【0010】
前記ボディは、前記第1、第2方向に直交する第3方向の第3端部と、前記第3方向の前記第3端部の反対側に位置する第4端部とを更に有する構成とすることが可能である。前記第1モールド部は、前記第3方向の第3端と、前記第3方向の前記第3端の反対側の第4端とを更に有する構成とすることが可能である。前記モールド部は、前記第1モールド部の第3端に連接されており且つ前記ボディの第3端部を覆う第4モールド部と、前記第1モールド部の第4端に連接されており且つ前記ボディの第4端部を覆う第5モールド部とを更に有する構成とすることが可能である。
【0011】
このような発明の態様による場合、第1モールド部の第3端に連接された第4モールド部が、ボディの第3端部を覆い、第1モールド部の第4端に連接された第5モールド部が、ボディの第4端部を覆っている。すなわち、第4、第5モールド部が第3方向においてボディを挟持するように設けられているので、モールド部のカバー及びボディに対する接合強度を向上させることができる。
【0012】
前記第2閉塞部の第3方向の一方側の端面は、前記ボディの第3端部の端面と面一とすることが可能である。前記第4モールド部は、前記第2閉塞部の前記端面を前記ボディの第3端部の端面に接合している。また、前記第2閉塞部の第3方向の他方側の端面は、前記ボディの第4端部の端面と面一とすることが可能である。前記第5モールド部は、前記第2閉塞部の前記端面を前記ボディの第4端部の端面に接合している。
【0013】
前記コンタクトの接続部は前記第2、第4又は5モールド部を貫通している構成とすることが可能である。この場合、コンタクトの接続部とボディとの境界部分及びコンタクトの接続部とカバーとの境界部分が第2、第4又は5モールド部で覆われる。
【0014】
前記ボディ及びカバーの少なくとも一方には、前記収容穴又はスリットと外部とを繋ぐ導出孔が設けられた構成とすることが可能である。前記コンタクトの接続部が前記導出孔を通じて外部に突出している。
【0015】
前記第1、第2コネクタは、前記ボディ、カバー及びモールド部の少なくとも一つがポリアミド系樹脂で構成されていることが好ましい。このような発明の態様による場合、ポリアミド系樹脂は、他の樹脂材料に対する密着性及び金属に対する密着性が良好であるので、前記コネクタの防水性を向上させることができる。しかも、ポリアミド系樹脂は靱性も他の樹脂材料に比べて優れているため、前記コネクタのこじり強度が向上する。
【0016】
上述したコネクタと、前記ケースに外嵌したリング状のパッキンを更に備えた構成とすることが可能である。このような発明の態様による場合、ケースに外嵌したリング状のパッキンを、前記コネクタと、当該コネクタが内蔵される電子機器の筐体との間に介在させることが可能になる。よって、前記コネクタと前記電子機器の筐体の間からの浸水を防水することができる。
【0017】
本発明の電子機器は、上述した何れかの態様のコネクタを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】図1Aは本発明の実施例1に係るコネクタの正面、平面及び右側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図1B】図1Bは前記コネクタの背面、平面及び左側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図1C】図1Cは前記コネクタの正面、底面及び右側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図1D】図1Dは前記コネクタの背面、底面及び左側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図2A】図2Aは前記コネクタの図1A中の2A−2A断面図であって、パッキンを除去した状態の図である。
【図2B】図2Bは前記コネクタの図1A中の2B−2B断面図であって、パッキンを除去した状態の図である
【図2C】図2Cは前記コネクタの図1A中の2C−2C断面図であって、パッキンを除去した状態の図である
【図2D】図3Dは前記コネクタの図1A中の2D−2D断面図であって、パッキンを除去した状態の図である
【図3A】図3Aは前記コネクタの正面、平面及び右側面を表した分解斜視図である。
【図3B】図3Bは前記コネクタの正面、底面及び左側面を表した分解斜視図である。
【図4A】図4Aは本発明の実施例2に係るコネクタの正面、平面及び右側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図4B】図4Bは前記コネクタの背面、平面及び左側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図4C】図4Cは前記コネクタの正面、底面及び右側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図4D】図4Dは前記コネクタの背面、底面及び左側面を表した斜視図であって、モールド部を透過させた図である。
【図5A】図5Aは前記コネクタの図4A中の5A−5A断面図であって、パッキンを除去した状態の図である
【図5B】図5Bは前記コネクタの図4A中の5B−5B断面図であって、パッキンを除去した状態の図である
【図5C】図5Cは前記コネクタの図4A中の5C−5C断面図であって、パッキンを除去した状態の図である
【図5D】図5Dは前記コネクタの図4A中の5D−5D断面図であって、パッキンを除去した状態の図である
【図6A】図6Aは前記コネクタの正面、平面及び右側面を表した分解斜視図である。
【図6B】図6Bは前記コネクタの正面、底面及び左側面を表した分解斜視図である。
【図7】図7は実施例1の前記コネクタの設計変形例を示す概略的底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例1及び2について説明する。
【実施例1】
【0020】
まず、本発明の実施例1に係るコネクタについて図1A〜図3Bを参照しつつ説明する。図1A〜図2Bに示すコネクタは、図示しないプラグが接続可能なジャックである。前記コネクタは、ボディ100と、カバー200と、3つのコンタクト300aと、コンタクト300bと、コンタクト300cと、モールド部400と、パッキン500とを備えている。以下、前記コネクタの各構成要素について詳しく説明する。図3A及び図3B中において、前記コネクタの幅方向をX、前後方向をY、上下方向をZとして示している。Y方向はX方向に直交しており、Z方向はX、Y方向に直交している。X方向が特許請求の範囲の第3方向、Y方向が特許請求の範囲の第1方向(すなわち、Y方向はボディ100の長さ方向でもある。)、Z方向が特許請求の範囲の第2方向に相当する。なお、前記プラグは、円柱状の接続部を有し、この接続部の外周面に第3電極、第2電極、第1電極、アース電極がこの順で当該接続部の先端側から形成されている。
【0021】
ボディ100はポリアミド系樹脂等の絶縁樹脂で構成されている。ボディ100は、ボディ本体110と、リング120とを有している。ボディ本体110は、図1A〜図3Bに示すように、Z方向の第1端部111と、Z方向の第1端部111の反対側の第2端部112と、X方向の第3端部113と、X方向の第3端部113の反対側の第4端部114と、Y方向の第5端部115と、X方向の第5端部115の反対側の第6端部116とを有する略直方体である。リング200は、ボディ本体110の第5端部115に連接された円筒である。リング200にはシリコン樹脂製のパッキン500が外嵌している。パッキン500が、リング200と、上記コネクタが搭載される電子機器の図示しない筐体との間に介在可能となっている。パッキン500は、リング200と前記筐体との間に介在することにより、両者間からの水や埃等の侵入するのを防止することができる。なお、パッキン500は省略可能である。また、ボディ本体110にパッキンを外嵌させることが可能である。
【0022】
ボディ本体110及びリング120には、図2C及び図2Dに示すように、当該ボディ本体110及びリング120をY方向に貫通する接続孔130が設けられている。ボディ本体110の接続孔130のX方向の両側には、Y方向に延びたスリット140a、140bが設けられている。スリット140a、140bは、接続孔130側が開放され、当該接続孔130に連通している。ボディ本体110のスリット140bの外側には、Y方向に延びたスリット150が設けられている。スリット150は、接続孔130側が開放され、スリット140b及び接続孔130に連通している。ボディ本体110の第6端部116には、収容凹部116aが設けられている。接続孔130、スリット140a、140b及びスリット150は、収容凹部116aを通じてY方向の一方側(後方側)がボディ100の外部に開放されている。
【0023】
ボディ本体110の第1端部111のX方向の両端部には、図3A及び図3Bに示すように、Y方向に延びた第1凹部111a、111bが設けられている。第1凹部111aの底面には、スリット140aに連通した導出孔160aが設けられている。また、第1凹部111aの底面には、Y方向に並ぶ一対の収容穴170aと、収容穴170aに連通した一対の導出孔180aとが設けられている。導出孔160aは、ボディ本体110の第3端部113側に開放され、スリット140aとボディ本体110の外部とを繋いでいる。収容穴170aはZ方向の他方側(下側)に開口している。導出孔180aは、ボディ本体110の第3端部113側に開放され、収容穴170aとボディ本体110の外部とを繋いでいる。
【0024】
第1凹部111bの底面には、スリット140bに連通した導出孔160bが設けられている。また、第1凹部111bの底面には、収容穴170bと、収容穴170bに連通した導出孔180bとが設けられている。導出孔160bは、ボディ本体110の第4端部114側に開放され、スリット140bとボディ本体110の外部とを繋いでいる。収容穴170bはZ方向の他方側(下側)に開口している。導出孔180bは、ボディ本体110の第4端部114側に開放され、収容穴170bとボディ本体110の外部とを繋いでいる。
【0025】
ボディ本体110の第1端部111のY方向の一方側の端部には、第1凹部111a、111bに連通する凹部111cが設けられている。ボディ本体110の第2端部112のX方向の両端部には、図1A及び図1Bに示すように、Y方向に延びた第2凹部112a、112bが設けられている。
【0026】
各コンタクト300aは、導電性を有する金属板で構成されている。コンタクト300aは、固定部310aと、接点部320aと、接続部330aとを有している。固定部310aは略矩形状の板であって、幅方向の両端に突起が設けられている。この突起を含めた固定部310aの幅寸法がボディ100の収容穴170a、170bの幅寸法よりも若干大きくなっている。固定部310aは収容穴170a、170bに圧入保持されている。接点部320aは、固定部310aのZ方向の一端に連接され且つZ方向の他端側に折り返された板バネである。接点部320aは収容穴170a、170bに収容されている。この状態で、接点部320aの一部は接続孔130内に配置され、プラグの第1、第2電極に弾性接触可能となっている。接続部330aは、固定部310aのZ方向の他端に連接され且つ当該固定部310aに対して略直角に折り曲げられた板である。接続部330aは、基端部331aと、この基端部331aに連接された先端部332aとを有している。基端部331aはボディ本体110の導出孔180a、180bを通ってボディ本体110の第3端部113、114側に突出している。先端部332aは階段形状をなしている。
【0027】
コンタクト300bは導電性を有する金属板で構成されたチップスプリングである。コンタクト300bは、固定部310bと、一対の接点部320bと、接続部330bとを有している。固定部310bは略U字状の板である。固定部310bは、第1板と、第1板のX方向の両端に設けられ且つ当該第1板に対して略直角に折り曲げられた一対の第2板とを有している。固定部310bの第2板のZ方向の端部に突起が設けられている。この突起を含めた固定部310bのZ方向の寸法がボディ100のスリット140a、140bのZ方向の寸法よりも若干大きくなっている。固定部310bはスリット140a、140bに圧入保持されている。固定部310bの第1板は、ボディ本体110の接続孔130のY方向の一方側を塞ぐように配置されている。接点部320bは、固定部310bの第2板の先端に連接され且つ後側(Y方向の一方側)に折り返された板バネである。接点部320bの先端部は、接続孔130内に配置され、プラグの第3電極に弾性接触可能となっている。接続部330bは、固定部310bの一方の第2板のZ方向の他端に連接され且つ当該第2板に対して略直角に折り曲げられた板である。接続部330bは、基端部331bと、この基端部331bに連接された先端部332bとを有している。基端部331bはボディ本体110の導出孔160aを通ってボディ本体110の第3端部113側に突出している。先端部332bは階段形状をなしている。
【0028】
コンタクト300cは、導電性を有する金属板で構成されたアーススプリングである。コンタクト300cは、固定部310cと、接点部320cと、接続部330cとを有している。固定部310cはY方向に延びた略矩形状の板であって、Z方向の端部に突起が設けられている。この突起を含めた固定部310cのZ方向の寸法がボディ100のスリット150のZ方向の寸法よりも若干大きくなっている。固定部310cはスリット150に圧入保持されている。接点部320cは、固定部310cの前端(Y方向の他端)に連接され且つ内側に湾曲した板バネである。接点部320cの先端部は、接続孔130内に配置され、プラグのアース電極に弾性接触可能になっている。接続部330cは、固定部310cのZ方向の他端に連接され且つ当該固定部310cに対して略直角に折り曲げられた板である。接続部330cは、基端部331cと、この基端部331cに連接された先端部332cとを有している。基端部331cはボディ本体110の導出孔160bを通ってボディ本体110の第4端部114側に突出している。先端部332cは階段形状をなしている。先端部332a、332b、332cの下面の高さ位置は同じに設定されている。
【0029】
カバー200はポリアミド系樹脂等の絶縁樹脂で構成されている。カバー200は、第1閉塞部210と、第2閉塞部220、230とを有している。第1閉塞部210は矩形状の板であって、ボディ100の収容凹部116aに収容されている。この第1閉塞部210は、接続孔130及びスリット140a、140b、150のY方向の一方側を塞ぎ、コンタクト300b、300cを覆っている。
【0030】
第2閉塞部220、230は、第1閉塞部110の下端(Z方向の他端)に連接され且つY方向に延びた略矩形状の板である。第2閉塞部220、230の基端部は一体化されている。第2閉塞部220は、ボディ本体110の第1凹部111aに嵌合し、導出孔160a、収容穴170a及び導出孔180aを塞ぐと共に、当該収容穴170a内のコンタクト300aを覆っている。第2閉塞部220のX方向の一方側の端面は、ボディ本体110の第3端部113の端面と面一である。第2閉塞部220のX方向の他方側の端面と、ボディ本体110の第1凹部111aのX方向の他方側の内壁面との間には、図1Cに示すように間隙S1が設けられている。
【0031】
第2閉塞部230は、ボディ本体110の第1凹部111bに嵌合し、導出孔160b、収容穴170b及び導出孔180bを塞ぎ、当該収容穴170b内のコンタクト300aを覆っている。第2閉塞部230のX方向の他方側の端面は、ボディ本体110の第4端部114の端面と面一である。第2閉塞部230のX方向の一方側の端面と、ボディ本体110の第1凹部111bのX方向の一方側の内壁面との間には、図1Dに示すように間隙S2が設けられている。第2閉塞部220、230の基端部とボディ本体110の凹部111cのY方向の他方側の内壁面との間には、図1C及び図1Dに示すように間隙S3が設けられている。
【0032】
モールド部400はアウトサート成形により作成されたポリアミド系樹脂等の絶縁樹脂で構成されている。モールド部400は、第1モールド部410と、第2モールド部421、422と、第3モールド部431、432と、第4モールド部440と、第5モールド部450とを有している。
【0033】
第1モールド部410は、ボディ本体110の第6端部116及びカバー200の第1閉塞部210を覆う矩形状の板であって、第1閉塞部210をボディ本体110の第6端部116に接合している。すなわち、第1モールド部410が、ボディ本体110の第6端部116とカバー200の第1閉塞部210との境界部分を覆っている。第1モールド部410は、Z方向の第1端411と、Z方向の第1端411の反対側の第2端412と、X方向の第3端413と、X方向の第3端413の反対側の第4端414とを有している。
【0034】
第2モールド部421、422は、第1モールド部410の第1端411に連接され且つY方向に延びた矩形状の板である。第2モールド部421、422は、ボディ本体110の第1端部111の第1凹部111a、111bの間隙S1、S2及び凹部111cの間隙S3に充填され、第2閉塞部220、230を覆うと共に、第2閉塞部220、230をボディ本体110に接合している。すなわち、第2モールド部421、422は、第2閉塞部220、230とボディ本体110の第1端部111との境界部分を覆っている。
【0035】
第3モールド部431、432は、第1モールド部410の第2端412に連接され且つY方向に延びた矩形状の板である。第3モールド部431、432は、ボディ本体110の第2凹部112a、112bに充填されている。
【0036】
第4モールド部440は、第1モールド部410の第3端413に連接され且つY方向に延びた矩形状の板である。第4モールド部440は、第2モールド部421と第3モールド部431との間を繋いでいる。第4モールド部440は、ボディ本体110の第3端部113及び第2閉塞部220のX方向の一方側を覆うと共に、第2閉塞部220のX方向の一方側の端面をボディ本体110の第3端部113の端面に接合している。X方向の一方側の2つのコンタクト300aの接続部330aの基端部331a及びコンタクト300bの接続部330bの基端部331bが第4モールド部440を貫通している。すなわち、第4モールド部440が、第2閉塞部220とボディ本体110の第3端部113との境界部分、コンタクト300aの接続部330aの基端部331aと第2閉塞部220との境界部分、コンタクト300aの接続部330aの基端部331aとボディ本体110の第3端部113との境界部分、コンタクト300bの接続部330bの基端部331bと第2閉塞部220との境界部分及びコンタクト300bの接続部330bの基端部331bとボディ本体110の第3端部113との境界部分を覆っている。
【0037】
第5モールド部450は、第1モールド部410の第4端414に連接され且つY方向に延びた矩形状の板である。第5モールド部450は、第2モールド部422と第3モールド部432との間を繋いでいる。第5モールド部450は、ボディ本体110の第4端部114及び第2閉塞部230のX方向の他方側を覆うと共に、第2閉塞部230のX方向の他方側の端面をボディ本体110の第4端部114の端面に接合している。X方向の他方側の一つのコンタクト300aの接続部330aの基端部331a及びコンタクト300cの接続部330cの基端部331cが第5モールド部450を貫通している。すなわち、第5モールド部450が、第2閉塞部230とボディ本体110の第4端部114との境界部分、コンタクト300aの接続部330aの基端部331aと第2閉塞部230との境界部分、コンタクト300aの接続部330aの基端部331aとボディ本体110の第4端部114との境界部分、コンタクト300cの接続部330cの基端部331cと第2閉塞部230との境界部分及びコンタクト300cの接続部330cの基端部331cとボディ本体110の第4端部114との境界部分を覆っている。
【0038】
以下、上述した構成のコネクタの製造方法について説明する。まず、絶縁樹脂が射出成形されることにより作成されたボディ100と、金属板がプレス成形されることにより作成されたコンタクト300aとを用意する。その後、コンタクト300aの固定部310aを、ボディ100の収容孔170a、170bに各々圧入すると共に、コンタクト300aの接点部320aを収容孔170a、170bに挿入する。すると、固定部310aがボディ100の収容孔170a、170bに保持される。接点部320aが収容孔170a、170bを通じてボディ100の接続孔130内に配置される。コンタクト300aの接続部330aの基端部331aはボディ100の導出孔180a、180bに挿入され、先端部332aが導出孔180a、180bからボディ100外に突出する。
【0039】
その後、金属板がプレス成形されることにより作成されたコンタクト300cを用意する。その後、コンタクト300cの接点部320cをボディ100のスリット150に挿入し、固定部310cを当該スリット150に圧入する。すると、固定部310cがスリット150に保持される。接点部320cの先端部がスリット150を通じて接続孔130内に配置される。コンタクト300cの接続部330cの基端部331cがボディ100の導出孔160bに挿入され、先端部332cが導出孔160bからボディ100外に突出する。
【0040】
その後、金属板がプレス成形されることにより作成されたコンタクト300bを用意する。その後、コンタクト300bの固定部310bの一対の第2板をボディ100のスリット140a、140bに圧入する。すると、コンタクト300bの一対の接点部320bの先端部がスリット140a、140bを通じて接続孔130内に配置される。コンタクト300bの接続部330bの基端部331bがボディ100の導出孔160aに挿入され、先端部332bが導出孔160aからボディ100外に突出する。
【0041】
その後、絶縁樹脂が射出成形されることにより作成されたカバー200を用意する。その後、カバー200の第1閉塞部210をボディ100の収容凹部116aに収容させると共に、カバー200の第2閉塞部220、230をボディ100の第1凹部111a、111bに嵌合させる。すると、第1閉塞部210がボディ100の接続孔130、スリット140a、140b及びスリット150を塞ぎ、コンタクト300b、cを覆う。第2閉塞部220が導出孔160a、収容穴170a及び導出孔180aを塞ぎ、当該収容孔170a内のコンタクト300aを覆う。第2閉塞部230が導出孔160b、収容穴170b及び導出孔180bを塞ぎ、当該収容孔170b内のコンタクト300aを覆う。この状態で、コンタクト300aの接続部330aがボディ100とカバー200の第2閉塞部220、230との間から外部に突出する。コンタクト300bの接続部330bがボディ100とカバー200の第2閉塞部220との間から外部に突出する。コンタクト300cの接続部330cがボディ100とカバー200の第2閉塞部230との間から外部に突出する。このとき、第1閉塞部210の外面とボディ100の第6端部116の端面とが面一となり、第2閉塞部220のX方向の一方側の端面とボディ本体110の第3端部113の端面とが面一となり、第2閉塞部230のX方向の他方側の端面とボディ本体110の第4端部114の端面とが面一となる。また、第2閉塞部220のX方向の他方側の端面と、ボディ本体110の第1凹部111aのX方向の他方側の内壁面との間に、間隙S1が形成される。第2閉塞部230のX方向の一方側の端面と、ボディ本体110の第1凹部111bのX方向の一方側の内壁面との間に間隙S2が形成される。第2閉塞部220、230の基端部とボディ本体110の凹部111cのY方向の他方側の内壁面との間に、間隙S3が形成される。
【0042】
その後、上述の通り組み合わされたボディ100、コンタクト300a〜300c及びカバー200を、図示しない金型内に入れ、絶縁樹脂を流し込み、アウトサート成形を行う。このとき、前記絶縁樹脂がモールド部400として成形される。これにより、モールド部400の第1モールド部410が、カバー200の第1閉塞部210及びボディ100の第6端部116を覆うと共に、第1閉塞部210をボディ100の第6端部116に接合する。第2モールド部421、422は、ボディ本体110の第1凹部111a、111b及び凹部111cに充填され、第2閉塞部220、230を覆うと共に、第2閉塞部220、230をボディ100の第1端部111に接合する。第3モールド部431、432は、ボディ本体110の第2凹部112a、112bに充填される。第4モールド部440は、ボディ100の第3端部113及び第2閉塞部220のX方向の一方側を覆うと共に、第2閉塞部220のX方向の一方側の端面をボディ100の第3端部113の端面に接合する。第5モールド部450は、ボディ100の第4端部114及び第2閉塞部230のX方向の他方側を覆うと共に、第2閉塞部230のX方向の他方側の端面をボディ100の第4端部114の端面に接合する。コンタクト300a、300b、300cの接続部330a、330b、330cは第4、5モールド部440、450を貫通し、接続部330a、330b、330cの先端部332a、332b、332cが第4、5モールド部440、450外に配置される。
【0043】
以下、上述の通り組み立てられたコネクタを上記電子機器の基板に実装する手順について詳しく説明する。まず、前記コネクタを基板上に載置する。このとき、コンタクト300aの接続部330aの先端部332aを基板の電極に各々接触させる。コンタクト300bの接続部330bの先端部332bを基板の別の電極に接触させる。コンタクト300cの接続部330cの先端部332cを基板のアース電極に接触させる。その後、コンタクト300aの接続部330aの先端部332aを基板の電極に各々半田接続させる。コンタクト300bの接続部330bの先端部332bを基板の別の電極に半田接続させる。コンタクト300cの接続部330cの先端部332cを基板のアース電極に半田接続させる。
【0044】
以下、上記コネクタに上記プラグを接続する方法について説明する。まず、プラグをコネクタの接続孔130に挿入する。すると、プラグの第3電極が、コンタクト300bの接点部320b間に弾性的に挟持される。プラグの第2電極が三つのコンタクト300aのうち、一つのコンタクト300aの接点部320aに弾性接触される。プラグの第1電極が残り二つのコンタクト300aの接点部320a間に弾性的に挟持される。プラグのアース電極が、コンタクト300bの接点部320bに弾性的に接触する。
【0045】
以上のようなコネクタによる場合、第1モールド部410が、ボディ本体110の第6端部116とカバー200の第1閉塞部210との境界部分を覆っている。第2モールド部421、422は、第2閉塞部220、230とボディ本体110の第1端部111との境界部分を覆っている。第4モールド部440が、第2閉塞部220とボディ本体110の第3端部113との境界部分、コンタクト300aの接続部330aと第2閉塞部220との境界部分、コンタクト300aの接続部330aとボディ本体110の第3端部113との境界部分、コンタクト300bの接続部330bと第2閉塞部220との境界部分及びコンタクト300bの接続部330bとボディ本体110の第3端部113との境界部分を覆っている。第5モールド部450が、第2閉塞部230とボディ本体110の第4端部114との境界部分、コンタクト300aの接続部330aと第2閉塞部230との境界部分、コンタクト300aの接続部330aとボディ本体110の第4端部114との境界部分、コンタクト300cの接続部330cと第2閉塞部230との境界部分及びコンタクト300cの接続部330cとボディ本体110の第4端部114との境界部分を覆っている。よって、カバー200とボディ100との間、ボディ100とコンタクト300a、300b、300cの接続部330a、330b、330cとの間及びカバー200とコンタクト300a、300b、300cの接続部330a、330b、330cとの間から水が侵入するのを防止することができる。しかも、第1モールド部410、第2モールド部421、422、第4、第5モールド部440、450は、アウトサート成形等により作成されているので、低コストで前記コネクタの防水性を実現することができる。
【0046】
また、第2モールド部421、422が、ボディ本体110の第1凹部111a、111b及び凹部111cに充填され、第2閉塞部220、230を覆うと共に、第3モールド部431、432は、ボディ本体110の第2凹部112a、112bに充填されている。同様に、第4モールド部440が、ボディ100の第3端部113及び第2閉塞部220のX方向の一方側を覆うと共に、第5モールド部450が、ボディ100の第4端部114及び第2閉塞部230のX方向の他方側を覆っている。すなわち、第2モールド部421、422と第3モールド部431、432とがボディ100及びカバー200をZ方向において挟持するように設けられ、第4、第5モールド部440、450がボディ100をX方向において挟持するように設けられているので、モールド部400のカバー200及びボディ100に対する接合強度を向上させることができる。
【実施例2】
【0047】
次に、本発明の実施例2に係るコネクタについて図4A〜図6Bを参照しつつ説明する。図4A〜図5Bに示すコネクタは、基板の凹部又は孔に嵌合した状態で当該基板に接続可能なミッドマウントタイプである点で、実施例1のコネクタと相違している。具体的には、前記コネクタは、ミッドマウントタイプに適応させるために、ボディ100’のボディ本体110’の形状、カバー200’の形状、コンタクト300a’〜300c’の接続部330a’〜330c’の形状及びモールド部400’の形状が実施例1のコネクタと相違している。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、実施例1と重複する説明については省略する。なお、前述の通り、本コネクタのボディ、カバー、コンタクト及びモールド部については、’を付して実施例1のコネクタのボディ、カバー、コンタクト及びモールド部と区別する。
【0048】
ボディ100’は、次の2点でボディ100と相違している。これ以外については、ボディ100’は、ボディ100と略同じ構成である。第1点は、ボディ本体110’の第3端部113’の端面に複数の突起113a’及び溝113b’が、第4端部114’の端面に複数の突起114a’及び溝114b’が設けられていることである。突起113a’、114a’はY方向に間隔をあけて配置されている。溝113b’、114b’は、Z方向に延びている。第2点は、第1端部111’の第1凹部111a’、111b’のY方向の一端側の領域が、残りの領域よりも幅狭になっていることである。図4A〜図6Bにおいて、112’はボディ本体の第2端部である。112a’、112b’は第2端部の第2凹部である。115’はボディ本体の第5端部である。116’はボディ本体の第6端部である。116a’が収容凹部である。120’がリングである。130’が接続孔である。140a’、140b’、150’がスリットである。160a’、160b’が導出孔である。170a’、170b’が収容穴である。180a’、180b’が導出孔である。
【0049】
カバー200’は、第1閉塞部210’に複数の突起211’が、第2閉塞部220’に複数の突起221’、222’が、第2閉塞部230’に複数の突起231’、232’が設けられている点で、カバー200と相違している。それ以外については、カバー200’は、カバー200と略同じ構成である。
【0050】
コンタクト300a’は、接続部330a’が上側に略L字状に折り曲げられている点で、コンタクト300aと相違している。接続部330a’は、基端部331a’と、先端部332a’とを有している。基端部331a’は、固定部310a’のZ方向の他端に連接され且つZ方向の一端側に折り返されている。基端部331a’は、ボディ本体110’の導出孔180a’、180b’を通ってボディ本体110’の第3端部113’、114’側に突出している。先端部332a’は、基端部331a’に連接され且つ当該基端部331a’に対して略直角に折り曲げられている。先端部332a’が、モールド部400’の第4、第5モールド部440’、450’を貫通している。図4A〜図6Bにおいて、320a’は接点部である。
【0051】
コンタクト300b’は、接続部330b’が上側に略L字状に折り曲げられている点で、コンタクト300bと相違している。接続部330b’は、基端部331b’と、先端部332b’とを有している。基端部331b’は、固定部310b’のZ方向の他端に連接され且つZ方向の一端側に折り返されている。基端部331b’は、ボディ本体110’の導出孔160a’を通ってボディ本体110’の第3端部113’側に突出している。先端部332b’は、基端部331b’に連接され且つ当該基端部331b’に対して略直角に折り曲げられている。先端部332b’が、モールド部400’の第4モールド部440’を貫通している。図4A〜図6Bにおいて、320b’は接点部である。
【0052】
コンタクト300c’は、接続部330c’が上側に略L字状に折り曲げられている点で、コンタクト300cと相違している。接続部330c’は、基端部331c’と、先端部332c’とを有している。基端部331c’は、固定部310c’のZ方向の他端に連接され且つZ方向の一端側に折り返されている。基端部331c’は、ボディ本体110’の導出孔160b’を通ってボディ本体110’の第4端部114’側に突出している。先端部332c’は、基端部331c’に連接され且つ当該基端部331c’に対して略直角に折り曲げられている。先端部332c’が、モールド部400’の第5モールド部450’を貫通している。図4A〜図6Bにおいて、320c’は接点部である。
【0053】
モールド部400’は、次の2点でモールド部400と相違している。それ以外については、モールド部400’は、モールド部400と略同じ構成である。第1点は、第1モールド部410’に突起211’が、第2モールド部421’、422’に突起222’、232’が、第4モールド部440’に突起221’が、第5モールド部450’に突起231’が埋め込まれている。第2点は、第4モールド部440’が溝113b’に、第5モールド部450’が溝113b’に充填されていることである。図4A〜図6Bにおいて、431’、432’が第3モールド部である。
【0054】
上述した構成のコネクタは実施例1と同様に組み立てられる。以下、前記コネクタを電子機器の基板に実装する手順について詳しく説明する。まず、前記コネクタを基板の凹部又は孔内に配置する。すると、コンタクト300a’の接続部330a’の先端部332a’が基板の凹部又は孔の縁部の電極に各々接触する。コンタクト300b’の接続部330b’の先端部332b’が基板の凹部又は孔の縁部の別の電極に接触する。コンタクト300c’の接続部330c’の先端部332c’が基板の凹部又は孔の縁部のアース電極に接触する。その後、コンタクト300a’の接続部330a’の先端部332a’を基板の電極に各々半田接続させる。コンタクト300b’の接続部330b’の先端部332b’を基板の別の電極に半田接続させる。コンタクト300c’の接続部330c’の先端部332c’を基板のアース電極に半田接続させる。
【0055】
以下、上記コネクタに上記プラグを接続する方法について説明する。まず、プラグをコネクタの接続孔130’に挿入する。すると、プラグの第3電極が、コンタクト300b’の接点部320b’間に弾性的に挟持される。プラグの第2電極が三つのコンタクト300a’のうち、一つのコンタクト300a’の接点部320a’に弾性接触される。プラグの第1電極が残り二つのコンタクト300a’の接点部320a’間に弾性的に挟持される。プラグのアース電極が、コンタクト300b’の接点部320b’に弾性的に接触する。
【0056】
以上のようなコネクタによる場合、第1モールド部410’が、ボディ本体110’の第6端部116’とカバー200’の第1閉塞部210’との境界部分を覆っている。第2モールド部421’、422’は、第2閉塞部220’、230’とボディ本体110’の第1端部111’との境界部分を覆っている。第4モールド部440’が、第2閉塞部220’とボディ本体110’の第3端部113’との境界部分、コンタクト300a’の接続部330a’と第2閉塞部220’との境界部分、コンタクト300a’の接続部330a’とボディ本体110’の第3端部113’との境界部分、コンタクト300b’の接続部330b’と第2閉塞部220’との境界部分及びコンタクト300b’の接続部330b’とボディ本体110’の第3端部113’との境界部分を覆っている。第5モールド部450’が、第2閉塞部230’とボディ本体110’の第4端部114’との境界部分、コンタクト300a’の接続部330a’と第2閉塞部230’との境界部分、コンタクト300a’の接続部330a’とボディ本体110’の第4端部114’との境界部分、コンタクト300c’の接続部330c’と第2閉塞部230’との境界部分及びコンタクト300c’の接続部330c’とボディ本体110’の第4端部114’との境界部分を覆っている。よって、カバー200’とボディ100’との間、ボディ100’とコンタクト300a’、300b’、300c’の接続部330a’、330b’、330c’との間及びカバー200’とコンタクト300a’、300b’、300c’の接続部330a’、330b’、330c’との間から水が侵入するのを防止することができる。しかも、第1モールド部410’、第2モールド部421’、422’、第4、第5モールド部440’、450’は、アウトサート成形等により作成されているので、低コストで前記コネクタの防水性を実現することができる。
【0057】
また、第2モールド部421’、422’が、ボディ本体110’の第1凹部111a’、111b’及び凹部111c’に充填され、第2閉塞部220’、230’を覆うと共に、第3モールド部431’、432’は、ボディ本体110’の第2凹部112a’、112b’に充填されている。同様に、第4モールド部440’が、ボディ100’の第3端部113’及び第2閉塞部220’のX方向の一方側を覆うと共に、第5モールド部450’が、ボディ100’の第4端部114’及び第2閉塞部230’のX方向の他方側を覆っている。すなわち、第2モールド部421’、422’と第3モールド部431’、432’とがボディ100’及びカバー200’をZ方向において挟持するように設けられ、第4、第5モールド部440’、450’がボディ100’をX方向において挟持するように設けられているので、モールド部400’のカバー200’及びボディ100’に対する接合強度を向上させることができる。
【0058】
また、第1モールド部410’に第1閉塞部210’の突起211’が、第2モールド部421’、422’に第2閉塞部220’、230’の突起222’、232’が、第4モールド部440’に第2閉塞部220’の突起221’が、第5モールド部450’に第2閉塞部230’の突起231’が埋設されている。第4、第5モールド部440’、450’がボディ本体110’の溝113b’、溝113b’に充填されている。よって、モールド部400’のカバー200’及びボディ本体110’に対する接合強度が向上する。
【0059】
なお、上述したコネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0060】
上記実施例1及び2では、ボディは、接続孔と、複数の収容穴と、複数のスリットと、収容凹部とを有しているとした。しかし、ボディは、接続孔と、前記接続孔に連通しており且つ外部に開放された収容穴又はスリットとを有する限り任意に設計変更することが可能である。例えば、ボディの第1端部の第1凹部の底面にスリットが設けられた構成とすることが可能であり、ボディの接続孔のX方向の一方側又は両側に収容穴が設けられた構成とすることが可能である。
【0061】
上記実施例1及び2では、接続孔は、ボディ本体及びリングをY方向に貫通しているとした。しかし、接続孔の形状は、ボディに設けられ、相手方のコネクタが挿脱可能である限り任意に設計変更することが可能である。
【0062】
上記実施例1及び2では、ボディ本体に収容穴、スリットに連通する導出孔が設けられているとした。しかし、導出孔は省略可能である。導出孔が省略される場合、コンタクトの接続部は、ボディとカバーとの間の隙間から外部に突出させると良い。また、導出孔は、ボディ及びカバーの少なくとも一方に設けられ前記収容穴又はスリットと外部とを繋ぐものである限り任意に設計変更することが可能である。すなわち、導出孔はカバーに形成することが可能であり、カバー及びボディの双方に形成することも可能である。
【0063】
上記実施例1及び2では、ボディの第1端部に2つの第1凹部が設けられているとした。しかし、第1凹部は省略可能である。すなわち、ボディの第1端部に第1凹部を設けず、当該第1端部に収容穴又はスリットを設けることが可能である。また、第1凹部は、ボディの第1端部に1又は3以上設けることが可能である。
【0064】
上記実施例1及び2では、ボディの第2端部に2つの第2凹部が設けられているとした。しかし、第2凹部は省略可能である。また、第2凹部は、ボディの第2端部に1又は3以上設けることが可能である。
【0065】
上記実施例1及び2では、カバーは、第1閉塞部と、二つの第2閉塞部とを有しているとした。しかし、カバーは、ボディの収容穴又はスリットを塞ぐことが可能である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、ボディ100、100’に接続孔130、130’及びスリット140a、140b、140a’、140b’が設けられている場合、カバーは第1閉塞部のみを有する構成とすることができる。ボディ100、100’に接続孔130、130’及び収容穴170a、170a’のみが設けられている場合、カバーは第2閉塞部のみを有する構成とすることができる。一つの第2閉塞部が、ボディ100の第1端部111の導出孔160a、160b、収容穴170a、170b及び導出孔180a、180b又はボディ100’の第1端部111’の導出孔160a’、160b’、収容穴170a’、170b’及び導出孔180a’、180b’を覆う構成とすることが可能である。
【0066】
上記実施例1及び2では、第2閉塞部のX方向の一方側の端面とボディ本体の第3端部の端面とが面一であり、第2閉塞部のX方向の他方側の端面とボディ本体の第4端部の端面とが面一であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、第2閉塞部220’’のX方向の一方側の端面が、ボディ本体110の第3端部113’’の端面よりもX方向の他方側に位置し、第2閉塞部230’’のX方向の他方側の端面がボディ本体110の第4端部114’’の端面よりもX方向の一方側に位置する構成とすることが可能である。
【0067】
この場合、第2閉塞部220’’、230’’のX方向の一方側、他方側の端面とボディ100との境界部分、第2閉塞部220’’とコンタクトの接続部330a’’、330b’’との境界部分、ボディ100とコンタクトの接続部330a’’、330b’’との境界部分、第2閉塞部230’’とコンタクトの接続部330a’’、330c’’との境界部分及びボディ100’’とコンタクトの接続部330a’’、330c’’との境界部分が、当該ボディ100’’の第1端部111’’上に位置する。第2モールド部421’’は、第2閉塞部220’’を覆い、ボディ100’’の第1端部111’’に接合する。接続部330a’’、330b’’は第2モールド部421’’を貫通している。すなわち、第2モールド部421’’は、第2閉塞部220’’のX方向の他方側の端面とボディ100’’の第1端部111’’との境界部分、第2閉塞部220’’のX方向の一方側の端面とボディ100’’の第1端部111’’との境界部分、第2閉塞部220’’とコンタクトの接続部330a’’、330b’’との境界部分及びボディ100’’の第1端部111’’とコンタクトの接続部330a’’、330b’’との境界部分を覆う。第2モールド部422’’は、第2閉塞部230’’を覆い、ボディ100’’の第1端部111’’に接合する。接続部330a’’、330c’’は第2モールド部422’’を貫通している。すなわち、第2モールド部422’’は、第2閉塞部230’’のX方向の一方側の端面とボディ100の第1端部111との境界部分、第2閉塞部230’’のX方向の他方側の端面とボディ100の第1端部111’’との境界部分、第2閉塞部230’’とコンタクトの接続部330a’’、330c’’との境界部分及びボディ100’’の第1端部111’’とコンタクトの接続部330a’’、330c’’との境界部分を覆う。この場合、第4、第5モールド部は省略可能である。
【0068】
また、第2閉塞部のX方向の一方側の端面とボディ本体の第3端部の端面とにみが面一することが可能である。又は、第2閉塞部のX方向の他方側の端面とボディ本体の第4端部の端面とのみが面一とすることも可能である。
【0069】
上記実施例1及び2では、モールド部は、第1モールド部と、二つの第2モールド部と、二つの第3モールド部と、第4モールド部と、第5モールド部とを有しているとした。しかし、モールド部は、少なくとも前記ボディと前記カバーとの境界部分、前記ボディと前記コンタクトの接続部との境界部分及び前記カバーと前記コンタクトの接続部との境界部分を覆う絶縁樹脂である限り任意に設計変更することが可能である。例えば、モールド部は、Z方向の第1端と、Z方向前記第1端の反対側の第2端とを有する第1モールド部と、前記第1モールド部の第1端に連接された第2モールド部と、前記第1モールド部の第2端に連接された第3モールド部とを有する構成とすることが可能である。この場合、前記第1モールド部は、ボディを貫通する接続孔の一方側を塞ぐ第1閉塞部を覆うと共に、当該第1閉塞部を前記ボディに接合している。前記第2モールド部は、ボディの第1端部の第1凹部に充填され、第1凹部の底面の収容穴又はスリットを塞ぐ第2閉塞部を覆うと共に、当該第2閉塞部を前記ボディに接合している。前記第3モールド部は、前記ボディの第2凹部に充填されている。なお、ボディの第1、第2凹部が省略され、ボディの第1端部に収容孔等が設けられる場合には、第2、第3モールド部は、ボディの第1、第2端部を覆う構成とすることが可能である。
【0070】
上記実施例2では、ボディの外面に突起及び溝が、カバーの外面に突起が設けられているとしたが、これに限定されるものではない。突起及び溝は、実施例1の如く省略可能である。また、ボディの外面のみに突起及び/又は溝が設けられた構成とすることが可能である。カバーの外面のみに突起及び/又は溝が設けられた構成とすることが可能である。突起はモールド部に埋設され、溝はモールド部が充填されている限り任意に設計変更することが可能である。
【0071】
なお、上記実施例では、コネクタの各部を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
100・・・・・ボディ
110・・・・ボディ本体
111・・・第1端部
111a・第1凹部
111b・第1凹部
112・・・第2端部
112a・第2凹部
112b・第2凹部
113・・・第3端部
114・・・第4端部
115・・・第5端部
116・・・第6端部
120・・・・リング
130・・・・接続孔
140a・・・スリット
140b・・・スリット
150・・・・スリット
160a・・・導出孔
160b・・・導出孔
170a・・・収容穴
170b・・・収容穴
180a・・・導出孔
180b・・・導出孔
200・・・・・カバー
210・・・・第1閉塞部
220・・・・第2閉塞部
230・・・・第2閉塞部
300a・・・・コンタクト
310a・・・固定部
320a・・・接点部
330a・・・接続部
331a・・基端部
332a・・先端部
300b・・・・コンタクト
310b・・・固定部
320b・・・接点部
330b・・・接続部
331b・・基端部
332b・・先端部
300c・・・・コンタクト
310c・・・固定部
320c・・・接点部
330c・・・接続部
331c・・基端部
332c・・先端部
400・・・・・モールド部
410・・・・第1モールド部
421・・・・第2モールド部
422・・・・第2モールド部
431・・・・第3モールド部
432・・・・第3モールド部
440・・・・第4モールド部
450・・・・第5モールド部
500・・・・・パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続孔と、前記接続孔に連通しており且つ外部に開放された収容穴又はスリットとを有するボディと、
前記ボディの収容穴又はスリットを塞ぐカバーと、
前記ボディの収容穴又はスリット内に固着された固定部と、前記接続孔内に配置された接点部と、前記ボディと前記カバーとの間から外部に突出した接続部とを有するコンタクトと、
少なくとも前記ボディと前記カバーとの境界部分、前記ボディと前記コンタクトの接続部との境界部分及び前記カバーと前記コンタクトの接続部との境界部分を覆う絶縁樹脂製のモールド部とを備えているコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記接続孔は前記ボディを第1方向に貫通しており、
前記ボディは、前記第1方向に直交する第2方向の第1端部と、
前記第2方向の前記第1端部の反対側に位置する第2端部と、
前記第1端部に設けられており且つ底面に前記収容穴又はスリットが設けられた第1凹部と、
前記第2端部に設けられた第2凹部とを更に有しており、
前記カバーは、前記接続孔を塞ぐ第1閉塞部と、
前記第1凹部に収容され且つ前記収容穴又はスリットを塞ぐ第2閉塞部とを有しており、
前記モールド部は、前記第2方向の第1端と、前記第2方向の前記第1端の反対側の第2端とを有する第1モールド部と、
前記第1モールド部の第1端に連接された第2モールド部と、
前記第1モールド部の第2端に連接された第3モールド部とを有しており、
前記第1モールド部は、前記第1閉塞部を覆うと共に、当該第1閉塞部を前記ボディに接合しており、
前記第2モールド部は、前記ボディの第1凹部に充填され、前記第2閉塞部を覆うと共に、当該第2閉塞部を前記ボディに接合しており、
前記第3モールド部は、前記ボディの第2凹部に充填されているコネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタにおいて、
前記ボディは、前記第1、第2方向に直交する第3方向の第3端部と、
前記第3方向の前記第3端部の反対側に位置する第4端部とを更に有しており、
前記第1モールド部は、前記第3方向の第3端と、前記第3方向の前記第3端の反対側の第4端とを更に有しており、
前記モールド部は、前記第1モールド部の第3端に連接されており且つ前記ボディの第3端部を覆う第4モールド部と、
前記第1モールド部の第4端に連接されており且つ前記ボディの第4端部を覆う第5モールド部とを更に有しているコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタにおいて、
前記第2閉塞部の第3方向の一方側の端面は、前記ボディの第3端部の端面と面一であり、
前記第4モールド部は、前記第2閉塞部の前記端面を前記ボディの第3端部の端面に接合しているコネクタ。
【請求項5】
請求項3記載のコネクタにおいて、
前記第2閉塞部の第3方向の他方側の端面は、前記ボディの第4端部の端面と面一であり、
前記第5モールド部は、前記第2閉塞部の前記端面を前記ボディの第4端部の端面に接合しているコネクタ。
【請求項6】
請求項2記載のコネクタにおいて、
前記コンタクトの接続部は前記第2モールド部を貫通しているコネクタ。
【請求項7】
請求項3〜5の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記コンタクトの接続部は前記第4又は5モールド部を貫通しているコネクタ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記ボディ及びカバーの少なくとも一方には、前記収容穴又はスリットと外部とを繋ぐ導出孔が設けられており、
前記コンタクトの接続部が前記導出孔を通じて外部に突出しているコネクタ。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記ボディ、カバー及びモールド部の少なくとも一つがポリアミド系樹脂で構成されているコネクタ。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載のコネクタにおいて、
前記ボディに外嵌したリング状のパッキンを更に備えているコネクタ。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載のコネクタを備えた電子機器。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−62194(P2013−62194A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201038(P2011−201038)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】