説明

コネクタ構造

【課題】部品点数を低減しつつ第1コネクタと第2コネクタとを的確に接続する。
【解決手段】待受けコネクタ構造10では、雌コネクタ12と雄コネクタ40とが接続される際に、構造部品に係合された撓みバネ22及びセンタリングバネ30の弾性変形と第1ガイド面18及び第2ガイド面48とによって雄コネクタ本体42の雌コネクタ本体14に対する位置のバラツキが吸収されて雄コネクタ本体42内に雌コネクタ本体14が良好に嵌合されると共に、防止バネ32の構造部品への係合によって雌コネクタ12の構造部品36からの脱落が防止されるため、雌コネクタ12と雄コネクタ40とを的確に接続できる。さらに、雄コネクタ40及び雌コネクタ12のみにより構成されるため、部品点数を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合される状態で接続されるコネクタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタ構造としては、パネルに雌コネクタのホルダが弾性変位可能に支持されることで、雌コネクタの雌ハウジングに雄コネクタが嵌合される際に、雌コネクタが弾性変位して、雌コネクタと雄コネクタとが芯合わせされるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、このコネクタ構造では、雌コネクタが雌ハウジングとホルダとから構成されている。このため、部品点数が多く、高コストである。
【0004】
さらに、雌ハウジングに雄コネクタが嵌合される際には、雌ハウジングがホルダに対して反雄コネクタ側へ移動可能である。このため、雌ハウジングに雄コネクタが接続できない可能性がある。
【特許文献1】特開2001−351743公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、部品点数を低減しつつ第1コネクタと第2コネクタとを的確に接続できるコネクタ構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のコネクタ構造は、構造物側に設けられる第1コネクタと、前記第1コネクタと嵌合される状態で接続される第2コネクタと、前記第1コネクタに一体に設けられ、前記構造物に係合されることで前記第1コネクタが前記構造物に変位可能に保持される保持部と、前記第2コネクタに一体に設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続される際に前記保持部に係合することで前記保持部の前記構造物への係合を解除する解除部と、前記第1コネクタに一体に設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続される際に前記構造物に係合されることで前記第1コネクタの前記構造物からの脱落を防止する防止部と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載のコネクタ構造は、請求項1に記載のコネクタ構造において、前記第1コネクタ及び第2コネクタの少なくとも一方に設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合をガイドするガイド面を備えた、ことを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載のコネクタ構造は、請求項1又は請求項2に記載のコネクタ構造において、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合された後に前記解除部が前記保持部に係合する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載のコネクタ構造では、構造物側に設けられる第1コネクタと第2コネクタとが嵌合される状態で接続される。
【0010】
ここで、第1コネクタの保持部が構造物に係合されることで、第1コネクタが構造物に変位可能に保持されている。このため、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合される際には、第1コネクタが第2コネクタの位置に対応して構造物に対して変位されることで、第2コネクタの第1コネクタに対する位置のバラツキが吸収される。
【0011】
さらに、第1コネクタと第2コネクタとが接続される際には、第2コネクタの解除部が保持部に係合することで保持部の構造物への係合が解除されるが、第1コネクタの防止部が構造物に係合されることで、第1コネクタの構造物からの脱落が防止されて、第1コネクタと第2コネクタとを接続できなくなることが防止される。
【0012】
以上により、第1コネクタと第2コネクタとを的確に接続することができる。
【0013】
また、第1コネクタに保持部及び防止部が一体に設けられると共に、第2コネクタに解除部が一体に設けられている。このため、部品点数を低減することができる。
【0014】
請求項2に記載のコネクタ構造では、第1コネクタ及び第2コネクタの少なくとも一方に設けられたガイド面が、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合をガイドする。このため、第1コネクタが第2コネクタの位置に対応して構造物に対して良好に変位されることで、第2コネクタの第1コネクタに対する位置のバラツキを良好に吸収することができる。
【0015】
請求項3に記載のコネクタ構造では、第1コネクタと第2コネクタとが嵌合された後に、解除部が保持部に係合して、保持部の構造物への係合が解除される。このため、第1コネクタ及び第2コネクタが嵌合部分において応力を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1には、本発明のコネクタ構造が適用されて構成された実施の形態に係る待受けコネクタ構造10が斜視図にて示されている。
【0017】
本実施の形態に係る待受けコネクタ構造10は、例えば、車両(自動車)の部品において適用されるものである。
【0018】
待受けコネクタ構造10は、第1コネクタとしての雌コネクタ12を備えている。なお、図1では、雌コネクタ12の前方を矢印Aで示し、雌コネクタ12の上方を矢印Bで示す。
【0019】
雌コネクタ12は、第1コネクタ本体としての略矩形柱状の雌コネクタ本体14を有している。雌コネクタ本体14には、所定数の端子収容室16が形成されており、所定数の端子収容室16は、雌コネクタ本体14の左右方向及び上下方向へ格子状に整列されて配置されると共に、それぞれ雌コネクタ本体14の前面から後面に亘って貫通形成されている。端子収容室16内には、第1端子としての雌端子(図示省略)が収容されており、雌端子には、雌コネクタ本体14の後面側から端子収容室16内に挿入されたワイヤハーネス(図示省略)が接続されている。
【0020】
雌コネクタ本体14前面の全周には、ガイド面(テーパ面)としての第1ガイド面18が形成されており、雌コネクタ本体14の前端は第1ガイド面18によって前方へ向かうに従い上下方向幅及び左右方向幅を徐々に小さくされている。
【0021】
雌コネクタ本体14の後端には、上面及び下面において、平板状の係止板20が一体に設けられており、係止板20は、雌コネクタ本体14の上面では左端、右端及び左右方向中央において3つ設けられると共に、雌コネクタ本体14の下面では左端及び右端以外の位置において1つ設けられている。
【0022】
雌コネクタ本体14の上面及び下面には、保持部としての略J字形棒状の撓みバネ22が設けられており、撓みバネ22は、弾性を有すると共に、前端(基端)において雌コネクタ本体14の前端近傍と一体にされて後方へ向かうに従い反雌コネクタ本体14側へ向かう方向へ延伸されている。撓みバネ22は、雌コネクタ本体14の上面では左端近傍及び右端近傍において2つ設けられて係止板20間の位置に配置されると共に、雌コネクタ本体14の下面では左端及び右端において2つ設けられて係止板20の左右方向外側位置に配置されている。
【0023】
撓みバネ22の後端(先端)には、略平板状のセット爪24が一体に形成されており、セット爪24は撓みバネ22の後端から後方に延伸されている。また、撓みバネ22の後端面は、セット爪24の反雌コネクタ本体14側において、略平面状の係止面26にされている。
【0024】
撓みバネ22の長手方向中間部には、略三角柱状の解除突起28が一体に形成されており、解除突起28は撓みバネ22から左方及び右方へ突出されている。
【0025】
雌コネクタ本体14の右側面及び左側面には、上部において、付勢部としての略L字形棒状のセンタリングバネ30が設けられており、センタリングバネ30は弾性を有している。センタリングバネ30の前端(基端)は雌コネクタ本体14の前端近傍(撓みバネ22前端の後側)と一体にされており、センタリングバネ30は、後側部分が前側部分に比し反雌コネクタ本体14側に配置されて、前後方向中間部が前方へ向かうに従い雌コネクタ本体14側へ向かう方向へ延伸されている。
【0026】
雌コネクタ本体14の右側面及び左側面には、上下方向中間部において、防止部としての略L字形棒状の防止バネ32が設けられており、防止バネ32は、弾性を有すると共に、後端(基端)を雌コネクタ本体14の後端と一体にされている。防止バネ32の前側部分には台形平板状のロック突起34が一体に設けられており、ロック突起34は防止バネ32から雌コネクタ本体14側へ突出されている。
【0027】
図2の(A)及び(B)に示す如く、雌コネクタ12は、構造物としての平板状の構造部品36に設けられており、構造部品36には矩形状の保持孔38が貫通形成されている。保持孔38には雌コネクタ12の雌コネクタ本体14が貫通されており、構造部品36には保持孔38の周囲において雌コネクタ12の係止板20が接触されている。雌コネクタ本体14の上側及び下側の撓みバネ22は、それぞれ雌コネクタ本体14側へ撓んだ状態でセット爪24において保持孔38の上縁及び下縁に係合されており、係止板20と撓みバネ22の係止面26との間に構造部品36が配置されている。さらに、雌コネクタ本体14の右側面及び左側面のセンタリングバネ30は、それぞれ後側部分において保持孔38の右縁及び左縁に対し係合(接触)されている。これにより、雌コネクタ本体14が保持孔38の中央に高精度に配置されると共に、雌コネクタ本体14が上下方向及び左右方向へ弾性変位可能にされて、雌コネクタ12が構造部品36に待受け状態で保持されている。
【0028】
待受けコネクタ構造10は、第2コネクタとしての雄コネクタ40を備えている。なお、図1では、雄コネクタ40の前方を矢印Cで示し、雄コネクタ40の上方を矢印Dで示す。
【0029】
雄コネクタ40は、第2コネクタ本体としての略矩形筒状の雄コネクタ本体42を有しており、雄コネクタ40内には、前側から上記雌コネクタ本体14が嵌合可能にされている。雄コネクタ本体42の後側には、矩形平板状の取付板44が一体に設けられており、取付板44は、雄コネクタ本体42の後面を閉塞すると共に、雄コネクタ本体42の全周から外側へ突出されている。取付板44は、電子部品(図示省略)側に取り付けられており、これにより、雄コネクタ40が電子部品側に取り付けられている。
【0030】
取付板44には、第2端子としての雄端子46(図2(B)参照)が所定数取り付けられており、所定数の雄端子46は、上記雌コネクタ本体14の所定数の端子収容室16に対応して、左右方向及び上下方向へ格子状に整列された状態で雄コネクタ本体42内に突出されている。
【0031】
雄コネクタ本体42周壁の前面には、ガイド面(テーパ面)としての第2ガイド面48が形成されており、雄コネクタ本体42内の前端は第2ガイド面48によって前方へ向かうに従い上下方向幅及び左右方向幅を徐々に大きくされている。
【0032】
雄コネクタ本体42の周壁には、上側部分及び下側部分において、長尺矩形状の挿入孔50が貫通形成されており、挿入孔50は雄コネクタ本体42周壁前面から前方へ開放されている。挿入孔50は、雄コネクタ本体42の周壁上側部分では、上記雌コネクタ本体14上側の撓みバネ22に対応して、左端近傍及び右端近傍において2つ設けられると共に、雄コネクタ本体42の周壁下側部分では、上記雌コネクタ本体14下側の撓みバネ22に対応して、挿入孔50は、左端及び右端において2つ設けられている。
【0033】
雄コネクタ本体42の周壁には、挿入孔50前側部の左右両側において、上記撓みバネ22の解除突起28に対応して、解除部としての台形柱状の解除柱52が一体に形成されており、解除柱52は雄コネクタ本体42内側へ向かうに従い前後方向長さを徐々に小さくされている。
【0034】
雄コネクタ本体42の周壁には、右側部分及び左側部分の上部において、上記雌コネクタ12のセンタリングバネ30に対応して、長尺矩形状の配置孔54が貫通形成されており、配置孔54は雄コネクタ本体42周壁前面から前方へ開放されている。
【0035】
雄コネクタ本体42の周壁には、右側部分及び左側部分の上下方向中間部において、上記雌コネクタ12のロック突起34に対応して、矩形状のロック孔56が貫通形成されており、ロック孔56は雄コネクタ本体42周壁の後側部分に配置されている。
【0036】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0037】
以上の構成の待受けコネクタ構造10では、雌コネクタ12に雄コネクタ40が嵌合される状態で接続される。
【0038】
すなわち、図2の(A)及び(B)に示す如く、雄コネクタ40が雌コネクタ12側に移動される。
【0039】
次に、図3の(A)及び(B)に示す如く、雄コネクタ40が雌コネクタ12側に更に移動されて、雄コネクタ40の雄コネクタ本体42内に雌コネクタ12の雌コネクタ本体14が嵌合されることで、雄コネクタ本体42の挿入孔50内に雌コネクタ12の撓みバネ22が挿入され始める。
【0040】
ここで、雌コネクタ12は、雌コネクタ本体14が撓みバネ22及びセンタリングバネ30によって上下方向及び左右方向へ弾性変位可能にされた状態で、構造部品36に待受け状態で保持されている。このため、移動される雄コネクタ本体42の位置が雌コネクタ本体14に対して上下方向及び左右方向の少なくとも一方においてずれている場合でも、例えば図8に示す如く、全ての撓みバネ22(セット爪24)及び少なくとも一方のセンタリングバネ30(後側部分)の保持孔38周縁への係合が維持された状態で、雄コネクタ本体42の位置に対応して雌コネクタ本体14が上下方向及び左右方向の少なくとも一方へ追従して変位される(図8には、移動される雄コネクタ本体42が雌コネクタ本体14に対して上方へずれて雌コネクタ本体14が上方へ変位される状況が示されている)ことで、雄コネクタ本体42の雌コネクタ本体14に対する位置のバラツキが吸収かつ許容されて、雄コネクタ本体42内に雌コネクタ本体14を良好に嵌合させることができる。
【0041】
さらに、雌コネクタ本体14の前面全周に第1ガイド面18が形成されると共に、雄コネクタ本体42の周壁前面に第2ガイド面48が形成されている。このため、第1ガイド面18及び第2ガイド面48が雄コネクタ本体42内への雌コネクタ本体14の嵌合をガイドする。これにより、雄コネクタ本体42の位置に対応して雌コネクタ本体14が良好に追従して変位されることで、雄コネクタ本体42の雌コネクタ本体14に対する位置のバラツキが良好に吸収かつ許容されて、雄コネクタ本体42内に雌コネクタ本体14を一層良好に嵌合させることができる。
【0042】
したがって、雌コネクタ本体14の端子収容室16(雌端子)と雄コネクタ40の雄端子46とを良好に位置合わせ(調芯)することができる。
【0043】
次に、図4の(A)及び(B)に示す如く、雄コネクタ40が雌コネクタ12側に更に移動されることで、雄コネクタ本体42の配置孔54内に雌コネクタ12のセンタリングバネ30が挿入され始める。さらに、雌コネクタ12の防止バネ32が、ロック突起34において雄コネクタ本体42の左右方向両側の周壁外面に乗り上げて、反雌コネクタ本体14側へ弾性変形されると同時に、雄コネクタ本体42の解除柱52が撓みバネ22の解除突起28に係合されて撓みバネ22が雌コネクタ本体14側へ弾性変形され始める。
【0044】
これにより、雄コネクタ40が雌コネクタ12側に更に移動されて、撓みバネ22が更に雌コネクタ本体14側へ弾性変形されることで、撓みバネ22のセット爪24における保持孔38周縁への係合が解除されて、雌コネクタ12の待受け状態が解除され、さらに、撓みバネ22の係止面26が構造部品36の保持孔38内側へ移動されて、雄コネクタ40と雌コネクタ12とが一体に移動され始める。
【0045】
次に、図5の(A)及び(B)に示す如く、雄コネクタ40と雌コネクタ12とが一体に更に移動されることで、センタリングバネ30の後側部分における保持孔38周縁への係合が解除された後に、雌コネクタ12の防止バネ32が保持孔38の周縁に係合される。これにより、雌コネクタ12が雄コネクタ40と一体に移動されることが阻止されると共に、雌コネクタ12の構造部品36からの脱落が防止されて、雌コネクタ12に雄コネクタ40を接続できなくなることを防止することができる。
【0046】
次に、図6の(A)及び(B)に示す如く、雄コネクタ40が雌コネクタ12側に更に移動されることで、雄コネクタ本体42内への雌コネクタ本体14の嵌合量が大きくされて、雌コネクタ本体14の端子収容室16内に雄コネクタ40の雄端子46が挿入され始める。
【0047】
次に、図7の(A)及び(B)に示す如く、雄コネクタ40が雌コネクタ12側に更に移動されることで、雄コネクタ本体42の解除柱52が撓みバネ22の解除突起28を乗り越えて(解除柱52の解除突起28への係合が解除されて)、撓みバネ22が反雌コネクタ本体14側へ弾性力により移動される。さらに、雌コネクタ12の防止バネ32が、弾性力によりロック突起34において雄コネクタ本体42周壁のロック孔56内に挿入されて、雄コネクタ40の取付板44に当接されることで、雄コネクタ本体42内への雌コネクタ本体14の嵌合がロックされると共に、雌コネクタ12が構造部品36から離脱され、かつ、雄コネクタ40の取付板44が構造部品36の保持孔38周囲に当接される。これにより、雌コネクタ本体14の端子収容室16内に雄コネクタ40の雄端子46が完全に挿入されて、端子収容室16内の雌端子に雄端子46が電気的に接続されることで、雌コネクタ12と雄コネクタ40とが接続される。
【0048】
以上のように、撓みバネ22及びセンタリングバネ30の弾性変形と第1ガイド面18及び第2ガイド面48とによって雄コネクタ本体42の雌コネクタ本体14に対する位置のバラツキが吸収されて雄コネクタ本体42内に雌コネクタ本体14が良好に嵌合されると共に、防止バネ32によって雌コネクタ12の構造部品36からの脱落が防止されて雌コネクタ12に雄コネクタ40を接続できなくなることが防止される。このため、雌コネクタ12と雄コネクタ40とを的確に接続することができて作業性の向上(工数低減)を図ることができると共に、待受けコネクタ動作を実現できてワイヤハーネスの余剰長の削減を図ることができる。
【0049】
さらに、上述の如く、雌コネクタ12と雄コネクタ40とが嵌合された後に、撓みバネ22の解除突起28への解除柱52の係合によって撓みバネ22(セット爪24)の構造部品36(保持孔38周縁)への係合が解除されて、雌コネクタ12の待受け状態が解除される。これにより、雌コネクタ12及び雄コネクタ40が嵌合部分において応力を受けた状態で、雌コネクタ12の端子収容室16内に雄コネクタ40の雄端子46が挿入されて端子収容室16内の雌端子に雄端子46が電気的に接続されるため、雌コネクタ12の雌端子及び雄コネクタ40の雄端子46が応力を受けることを防止できる。
【0050】
また、雌コネクタ12は、雌コネクタ本体14(第1ガイド面18を含む)、係止板20、撓みバネ22(セット爪24及び解除突起28を含む)、センタリングバネ30及び防止バネ32(ロック突起34を含む)が一体にされて構成されると共に、雄コネクタ40は、雄コネクタ本体42(第2ガイド面48、挿入孔50、配置孔54及びロック孔56を含む)、取付板44及び解除柱52が一体にされて構成されている。このため、待受けコネクタ構造10を雄コネクタ40及び雌コネクタ12のみにより構成することができ、部品点数を低減することができて、コストを低減することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、本発明の第1コネクタを雌コネクタ12にして雌コネクタ12を構造部品36に待受け状態で保持した構成としたが、本発明の第1コネクタを雄コネクタ40にして雄コネクタ40を構造部品36に待受け状態で保持した構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造を示す斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造における雌コネクタと雄コネクタとの接続状況(初期段階)を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図3】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造における雌コネクタと雄コネクタとの接続状況(図2の次の段階)を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図4】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造における雌コネクタと雄コネクタとの接続状況(図3の次の段階)を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図5】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造における雌コネクタと雄コネクタとの接続状況(図4の次の段階)を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図6】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造における雌コネクタと雄コネクタとの接続状況(図5の次の段階)を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図7】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造における雌コネクタと雄コネクタとの接続状況(図6の次の段階である完了段階)を示す概略図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る待受けコネクタ構造における雄コネクタと嵌合される際の雌コネクタの状況を示す概略的な側面図である。
【符号の説明】
【0053】
10 待受けコネクタ構造(コネクタ構造)
12 雌コネクタ(第1コネクタ)
18 第1ガイド面(ガイド面)
22 撓みバネ(保持部)
32 防止バネ(防止部)
36 構造部品(構造物)
40 雄コネクタ(第2コネクタ)
48 第2ガイド面(ガイド面)
52 解除柱(解除部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物側に設けられる第1コネクタと、
前記第1コネクタと嵌合される状態で接続される第2コネクタと、
前記第1コネクタに一体に設けられ、前記構造物に係合されることで前記第1コネクタが前記構造物に変位可能に保持される保持部と、
前記第2コネクタに一体に設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続される際に前記保持部に係合することで前記保持部の前記構造物への係合を解除する解除部と、
前記第1コネクタに一体に設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続される際に前記構造物に係合されることで前記第1コネクタの前記構造物からの脱落を防止する防止部と、
を備えたコネクタ構造。
【請求項2】
前記第1コネクタ及び第2コネクタの少なくとも一方に設けられ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの嵌合をガイドするガイド面を備えた、ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ構造。
【請求項3】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが嵌合された後に前記解除部が前記保持部に係合する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−157503(P2007−157503A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351034(P2005−351034)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】