説明

コネクタ

【課題】基板の実装面からの突出量を少なくでき、ハウジングの上端面を平坦な面にすることができ、更に、小型化が可能なコネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング50を、LED実装基板に形成された切欠に挿入されるハウジング本体51と、ハウジング本体51に連なり、LED実装基板の実装面と対向する天板部52とで構成する。ハウジング本体51に、コンタクト30の接触部34を収容するとともに、ケーブルコネクタのハウジングを受け容れるコネクタ受容部51aを設ける。天板部52に、コネクタ嵌合方向DCと直交する挿入方向DIからコンタクト30の保持部31を受け容れる保持部受容部52aを設ける。コンタクト30の接続部32,33を天板部52の側方へ突出させ、その接続部32,33の先端をハウジング50に向かって折り曲げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一部が基板の実装面から突出するように基板に実装され、基板に実装された発光ダイオード(LED)に電力を供給するコネクタ組立体が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
このコネクタ組立体はハウジングとコンタクトとタブとを有する。
【0004】
ハウジングは2つの開口と2つの上側スロットと2つの下側スロットと2つの突起とを有する。
【0005】
2つの開口はハウジングの後端(ハウジングの相手コネクタを受け容れる側と反対側の端)に形成されている。
【0006】
2つの上側スロットはそれぞれハウジングの後端に形成され、ハウジングの側面(前面)及びハウジングの後端で開口し、上述の開口の一端に通じている。
【0007】
2つの下側スロットはそれぞれハウジングの側面(前面)に形成され、ハウジングの上下方向に沿ってハウジングの前端から上側スロットの近くまで延びている。下側スロットの上端は棚部となっている。
【0008】
突起はハウジングの両側面に形成されている。突起内にはスロットが形成されている。このスロットはハウジングの上下方向へ延び、突起の下端で開口している。
【0009】
コンタクトは挿入部と平坦部と傾斜部と実装部とを有する。
【0010】
挿入部は相手コネクタに接触する部分であり、ハウジングの上下方向へ延びている。
【0011】
平坦部は挿入部に連なり、ハウジングの前後方向へ延びている。
【0012】
傾斜部は平坦部に連なり、ハウジングの上下方向に対してやや傾斜した方向へ延びており、傾斜部の下端は傾斜部の上端よりもハウジングから離れている。傾斜部の挿入部側面には、凸状の保持バーブが形成されている。
【0013】
実装部は傾斜部に連なり、ハウジングから離れるようにハウジングの前後方向へ延びている。
【0014】
タブは挿入部と実装部と曲げ部とを有している。
【0015】
挿入部の前面及び後面には凸状の保持バーブが形成されている。
【0016】
実装部は挿入部に対してほぼ直角であり、基板に対向する実装面を有している。曲げ部は挿入部と実装部とを連結する。
【0017】
コンタクトをハウジングに固定するには、コンタクトの挿入部をハウジングの開口に挿入し、コンタクトの平坦部をハウジングの上側スロットに挿入し、コンタクトの傾斜部の保持バーブをハウジングの下側スロットの棚部に引っ掛ければよい。
【0018】
タブをハウジングに固定するには、タブの挿入部を突起の下方から突起のスロットに挿入すればよい。
【0019】
コネクタ組立体を基板に実装するには、まず、基板の開口にハウジングを挿入するとともに、コンタクトの実装部を基板のコンタクトパッド上に配置し、タブの実装部を基板の実装パッド上に配置する。
【0020】
その後、コンタクトの実装部を基板のコンタクトパッドに、タブの実装部を基板の実装パッドにそれぞれ半田付けする。
【0021】
以上の工程により、コネクタ組立体は基板上に実装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2010−3688号公報(段落0014〜0017、図3、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述のコネクタ組立体では、コンタクトの平坦部をハウジングの上下方向に沿ってハウジングの上側スロットに挿入し、コンタクトの傾斜部の保持バーブをハウジングの下側スロットの棚部に引っ掛け、タブの挿入部をハウジングの上下方向に沿ってハウジングの突起のスロットに挿入する構成が開示されているので、コネクタ組立体の基板の実装面から突出する部分が高くなる。その結果、コネクタ組立体の近傍に配置されたLEDの光がコンタクト組立体に当たって遮られる。
【0024】
また、上述のコネクタ組立体では、コンタクトの傾斜部及び実装部はハウジングの外にあり、コンタクトの平坦部も上側スロットを通じて露出している。その結果、このコネクタ組立体を用いた照明装置では、コンタクトの露出部分が他の部分よりも暗くなり、明るさにむらが生じる。
【0025】
更に、コンタクトの実装部やタブの実装部がハウジングの側面から突出しているので、コネクタ組立体が大型化し、基板に占めるコネクタ組立体の実装面積の割合が大きくなるおそれがある。
【0026】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は基板の実装面からの突出量を少なくし、コンタクトの露出量を少なくすることができ、実装面積を小さくすることができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、コンタクトと、このコンタクトを保持するハウジングとを備え、基板に実装され、相手側コネクタに嵌合されるコネクタにおいて、前記コンタクトは、前記ハウジングに保持される保持部と、この保持部に連なり、前記基板の実装面と接続する接続部と、前記保持部に連なり、前記相手側コネクタの相手側コンタクトと接触する接触部とを有し、前記ハウジングは、前記基板に形成された被挿入部に挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に連なり、前記実装面と対向する天板部とを有し、前記ハウジング本体に、前記接触部を収容するとともに、前記相手側コネクタの相手側ハウジングを受け容れるコネクタ受容部が設けられ、前記天板部に、コネクタ嵌合方向と直交する挿入方向から前記保持部を受け容れる保持部受容部が設けられ、前記接続部は前記天板部から前記コネクタ嵌合方向と直交する方向へ突出し、その接続部の先端が前記ハウジングに向かって折れ曲がっていることを特徴とする。
【0028】
上述のように、天板部に設けられた保持部受容部がコネクタ嵌合方向と直交する挿入方向から保持部を受け容れるので、天板部の高さを低くでき、コネクタの基板の実装面からの突出量を小さくすることができる。
【0029】
また、天板部にコネクタ嵌合方向と直交する挿入方向から保持部を受け容れる保持部受容部が設けられているので、天板部によってコンタクトの大部分を覆うことができ、コンタクトの露出量を少なくすることができる。
【0030】
更に、接続部は天板部からコネクタ嵌合方向と直交する方向へ突出し、その接続部の先端がハウジングに向かって折れ曲がっているので、コネクタのコネクタ嵌合方向と直交する方向の寸法が大きくならない。
【0031】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記保持部が平板状であり、前記保持部は、前記保持部受容部の内壁面に食い込み、前記保持部を前記天板部に保持させる第1突起部と、前記保持部受容部の内壁面を押圧する第2突起部とを有することを特徴とする。
【0032】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記天板部を上方から見たときその天板部によって前記コンタクトのほぼ全体が覆い隠されることを特徴とする。
【0033】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記接続部がほぼU字状であることを特徴とする。
【0034】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4記載のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記コンタクトは前記接続部を複数有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
この発明によれば、基板の実装面からの突出量を少なくし、コンタクトの露出量を少なくすることができ、実装面積を小さくすることできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1はこの発明の一実施形態のコネクタの使用状態を示す斜視図である。
【図2】図2は図1に示すコネクタの斜視図である。
【図3】図3は図2に示すコネクタの側面図である。
【図4】図4は図2に示すコネクタのコンタクトを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図5】図5は図4に示すコンタクトを斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図6】図6は図4に示すコンタクトの正面図である。
【図7】図7は図6に示すコンタクトの平面図である。
【図8】図8は図6に示すコンタクトの底面図である。
【図9】図9は図6に示すコンタクトの右側面図である。
【図10】図10は図6に示すコンタクトの左側面図である。
【図11】図11は図2に示すコネクタのハウジングを斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
【図12】図12は図11に示すハウジングを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図13】図13は図11に示すハウジングの正面図である。
【図14】図14は図13に示すハウジングの平面図である。
【図15】図15は図13に示すコンタクトの底面図である。
【図16】図16は図13に示すコンタクトの右側面図である。
【図17】図17はコネクタLED実装基板に実装する前の状態を示す斜視図である。
【図18】図18はLED実装基板に実装されたコネクタにケーブルコネクタを接続する前の状態を示す斜視図である。
【図19】図19は図18に示すコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
【図20】図20はLED実装基板に実装されたコネクタにケーブルコネクタを接続した状態を示す斜視図である。
【図21】図21は図20に示すコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
【図22】図22はこの発明の一実施形態の変形例のコネクタの正面図である。
【図23】図23は図22に示すコネクタの平面図である。
【図24】図24は図22に示すコネクタの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1に示すように、コネクタ10は、複数のLED83が実装されたLED実装基板(基板)81に実装され、ケーブルコネクタ(相手側コネクタ)70のケーブル70bとLED実装基板81とを接続して複数のLED83に図示しない電源からの電力を供給可能にするコネクタである。この実施形態ではLED83はバックライト(図示せず)の光源である。
【0039】
図2、図3に示すように、コネクタ10は2つのコンタクト30と1つのハウジング50とを備えている。
【0040】
図4、図5に示すように、コンタクト30は1つの保持部31と2つの接続部32,33と1つの接触部34とを有する。コンタクト30は1つの金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。
【0041】
保持部31は平板状であり、先端部31aと中間部31bと後端部31cとを有する(図7、図8参照)。先端部31aと中間部31bと後端部31cとはコネクタ嵌合方向DC(図9、図10参照)と直交する挿入方向DIへ連なる。保持部31の板厚方向はコネクタ嵌合方向DCとLED実装基板81の板厚方向とのいずれにも一致する。先端部31aの一方の側面31hには2つの突起部(第1突起部)31eが形成されている。中間部31bは先端部31aに連なる。中間部31bの裏面にはダボ(第2突起部)31dが形成されている(図5、図6、図8参照)。ダボ31dの中心は、図8に示すように、先端部31aの突起部31eが形成されている側面31hと反対側の側面31iよりもコンタクト30の左右方向DLで接続部32側に位置している。後端部31cは中間部31bに連なる。
【0042】
図2、図6に示すように、接続部32は保持部31の中間部31bに連なる。接続部32はその先端が天板部52に向かうようにほぼU字形に折れ曲がっている。接続部32の固定部側の端部は保持部31から後述する天板部52の側方へ突出している。接続部33は保持部31の後端部31cに連なる。接続部33はその先端が天板部52に向かうようにほぼU字形に折れ曲がっている。接続部33の固定部側の端部は保持部31から天板部52の側方へ突出している。
【0043】
図7、図9、図10に示すように、接触部34は保持部31の中間部31bに連なり、コネクタ嵌合方向DCへ延びている。接触部34はピン状部34aと幅広部34bとを有する。ピン状部34aはケーブルコネクタ70のコンタクト(図示せず)に接触する。ピン状部34aは幅広部34bに連なる。幅広部34bは中間部31bに連なる。
【0044】
図11、図12に示すように、ハウジング50はハウジング本体51と天板部52とを有する。
【0045】
ハウジング本体51はほぼ角筒状であり、コネクタ受容部51aを有する(図2、図12、図13、図15参照)。コネクタ受容部51aは、コンタクト30の接触部34を収容するとともに、ケーブルコネクタ70のハウジング(相手側ハウジング)71(図19参照)を受け容れる。コネクタ受容部51aはハウジング本体51の下方へ開放されている。ハウジング本体51の前面部51bには開口が形成され、コネクタ受容部51aはハウジング本体51の前方へ開放されている。ハウジング本体51の両側面部51cには凹部51eが形成されている(図11、図12、図16等参照)。凹部51eの一端は前方へ開放されている。
【0046】
天板部52はハウジング本体51に連なり、LED実装基板81の実装面81bと対向する(図17、図18参照)。天板部52の板厚方向はコネクタ嵌合方向DCとLED実装基板81の板厚方向と一致する。天板部52には2つの保持部受容部52aが形成されている。保持部受容部52aは挿入方向DIに沿ってコンタクト30の保持部31を受け容れる。保持部受容部52aの保持部31の先端部31aを受け容れる部分は穴52h(図13参照)になっており、先端部31aの四方を囲む。天板部52の両側部の下面にはそれぞれ凹部52bが形成されている。凹部52bは接続部32の先端部を受け容れる。また、天板部52の前面部には2つの凹部52cが形成されている。凹部52cは接続部33の先端部を受け容れる。天板部52の上面52dは平坦面であり、溝等がない(図14参照)。
【0047】
天板部52からハウジング本体51にかけて2つの溝50aが形成されている(図13、図15参照)。溝50aはコンタクト30の接触部34の幅広部34bを受け容れる溝である。溝50aを介して保持部受容部52aとコネクタ受容部51aとが通じている。幅広部34bと溝50aとにより、左右方向DL(図8、図13参照)方向へのコンタクト30のピン状部34aの振れが規制される。
【0048】
コンタクト30をハウジング50に組み付けるには、ハウジング50の前方から挿入方向DIに沿ってコンタクト30の保持部31を天板部52の保持部受容部52aに挿入すればよい。
【0049】
コンタクト30の保持部31を天板部52の保持部受容部52aに挿入すると、保持部31の先端部31aの突起部31eが穴52hの内壁面(垂直面)と強く接触し、コンタクト30は天板部52の側面52e(図13参照)の方へ押し付けられ圧入保持される。先端部31aの側面31iはコンタクト30の打抜き加工時に傾斜面になる(いわゆるダレが生じる。)ので、側面31iが天板部52の穴52hの内壁面(垂直面)に押し付けられると、側面31iの下端を中心にして保持部31が回転し、先端部31aが穴52hの内壁面(水平面)に対して傾こうとする。しかし、コンタクト30には左右方向DLで側面31iよりも接続部32側にダボ31dがあり(図8参照)、ダボ31dが保持部31を穴52hの内壁面(水平面)に押し付けるので、先端部31aの回転が阻止され、保持部31はLED実装基板81に対して平行な状態で保持部受容部52a内に挿入され、保持される。
【0050】
コネクタ10をLED実装基板81に実装するには、まず、図17に示すように、コネクタ10のハウジング50のハウジング本体51をLED実装基板81の切欠(被挿入部)81aに挿入する。このとき、コネクタ10の一方のコンタクト30の接続部32をランド81dに、接続部33をランド81cにそれぞれ配置し、コネクタ10の他方のコンタクト30の接続部32をランド81fに、接続部33をランド81eにそれぞれ配置する。
【0051】
その後、一方のコンタクト30の接続部32,33をランド81d,81cに、コネクタ10の他方のコンタクト30の接続部32,33をランド81f,81eにそれぞれ半田付けする。
【0052】
以上の工程を経てコネクタ10はLED実装基板81に実装される。
【0053】
コネクタ10にケーブルコネクタ70を接続するには、図18、図19に示すように、コネクタ10の下方からコネクタ嵌合方向DCに沿ってケーブルコネクタ70をコネクタ10に嵌合する。
【0054】
ケーブルコネクタ70のハウジング71の2つのロック部71a,71a(図19参照)にそれぞれ形成された爪71b,71bの間隔はコネクタ10のハウジング50の両側面部51c,51cの間隔よりも狭く設定されている。このため、コネクタ10にケーブルコネクタ70を嵌合するとき、爪71b,71bが両側面部51c、51c上を移動し、爪71b,71bが凹部51e,51eに達すると、ロック部71a,71aの弾性力によって爪71b,71bは凹部51e,51eに入る。このとき、音が発生するので、ケーブルコネクタ70がコネクタ10に正常に嵌合したことが分かる。したがって、爪71b,71bが凹部51e,51eに嵌合したときの音に注意してコネクタ10とケーブルコネクタ70との接続作業を行えば、コネクタ10とケーブルコネクタ70とが確実に電気的に接続されたことを知ることができる。
【0055】
この実施形態によれば、ハウジング50の天板部52の保持部受容部52aはコネクタ嵌合方向DCと直交する挿入方向DIからコンタクト30の保持部31を受け容れるので、天板部52の高さ寸法を低くすることができ、コネクタ10におけるコネクタ嵌合方向DCの寸法を容易に小さくすることができる。
【0056】
また、天板部52の高さ寸法を低くすることができるので、LED実装基板81の実装面81bからのコネクタ10の突出量を小さくすることができ、コネクタ10によって遮られるLED83の光の量が減る。
【0057】
更に、コンタクト30の挿入方向DIとコネクタ嵌合方向DCとが直交するので、天板部52の上面52dに溝や切欠等を形成する必要がなくなるので、LED83が点灯したときバックライトの導光板に明暗のむらが生じるのを防ぐことができる。また、天板部52の上面52dには溝や切欠等がないので、天板部52の上面52dを図示しないマウンタの吸着部によって吸着することができる。
【0058】
更に、コンタクト30の接続部32,33がほぼU字形に折り曲げられ、接続部32,33の先端がハウジング50に向いているので、コネクタ10をLED実装基板81に実装するのに必要な実装面積又は実装スペースを小さくすることができる。また、接続部32,33がほぼU字形に折り曲げられ、その先端部の表面(打抜き加工によって形成される切断面と直交する面)がランド81d,81c,81f,81eに半田付けされるので、接続部32,33のランド81d,81c,81f,81eに対する半田付けの面積を大きくすることができ、コンタクトの実装部の半田付け面が打抜き加工によって形成された切断面である従来のコネクタに較べて、接続部32,33の半田付け強度が高く、接続部32,33がランド81d,81c,81f,81eから剥がれるおそれが少ない。
【0059】
また、コンタクト30はダボ31dを有するので、コンタクト30をハウジング50に挿入するとき、保持部31がLED実装基板81の実装面81bに対して傾くのを抑制することができる。更に、ダボ31dによって保持部31がコネクタ受容部51aの内壁面に強く押し付けられるので、保持部31が振れにくくなり、接触部34の振れも抑制することができる。また、接触部34が振れにくいので、接触部34が傾いた状態でコネクタ10がケーブルコネクタ70と嵌合して、接触部34が相手側コンタクト(図示せず)と接触しなかったり、接触部34が相手側コンタクトによって折り曲げられたりする事故を防ぐことができる。
【0060】
更に、2つのコンタクト30はそれぞれ2つの接続部32,33を有するので、1つのコネクタ10には4つの接続部32,33があり、このうちの1つの接続部32,33がLED実装基板81から外れても、コネクタ10がぐらつくことがなく、また、LED83に電力を供給し続けることができる。更に、2つのコンタクト30はそれぞれ2つの接続部32,33を有するので、ホールドダウン(図示せず)を省略することができる。
【0061】
更に、ハウジング50の天板部52のコネクタ受容部51aはコネクタ嵌合方向DCと直交する挿入方向DIからコンタクト30の保持部31を受け容れるので、コネクタ10にケーブルコネクタ70を接続するときに、ケーブルコネクタ70によってコネクタ10のハウジング50がコネクタ嵌合方向DCに沿って上方へ押圧されても、コンタクト30がハウジング50から抜け出るおそれがない。
【0062】
次に、上述の実施形態の変形例のコネクタを図22〜図24に基づいて説明する。上述の実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
上述の実施形態では、天板部52をほぼ真上から見たとき、天板部52によってコンタクト30のほぼ全体が覆い隠され、接続部32,33の一部が露出する。
【0064】
これに対し、この変形例では、コネクタ210のハウジング250の天板部252は、天板部252をほぼ真上から見たとき、図23に示すように、天板部252によってコンタクト30の全体が覆い隠され、接続部32,33の一部が露出しない。
【0065】
この変形例によれば、上述の実施形態と同様の効果を奏するとともに、天板部252をほぼ真上から見たとき、天板部252によってコンタクト30の全体が覆い隠されるので、LED83の光の反射を抑制できる。
【0066】
なお、上述の実施形態、変形例では、コネクタ10,210は2つのコンタクト30を備えているが、コンタクト30の数は2つに限られず、1つでも3つ以上でもよい。
【0067】
また、上述の実施形態、変形例では、コネクタ10,210が挿入される被挿入部として切欠81aが採用されているが、被挿入部は切欠81aに限られず、例えば孔でもよい。
【0068】
なお、上述の実施形態、変形例では、コンタクト30の保持部31にダボ31dを設けたが、保持部31にダボ31dを設けなくてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態、変形例では、接続部32,33をほぼU字形に折り曲げたが、接続部32,33を、例えばJ字形や円弧状に折り曲げてもよい。
【0070】
なお、上述の実施形態、変形例では、コンタクト30は2つの接続部32,33を有しているが、コンタクト30の接続部の数は2つに限られず、1つでも3つ以上でもよい。
【0071】
また、上述の実施形態、変形例のコネクタ10,210はLED実装基板81に電力を供給するものであるが、この発明のコネクタは電力供給用のコネクタに限られない。
【符号の説明】
【0072】
10,210 コネクタ
30 コンタクト
31 保持部
31e 突起部(第1突起部)
31d ダボ(第2突起部)
32,33 接続部
34 接触部
50,250 ハウジング
51 ハウジング本体
51a コネクタ受容部
52,252 天板部
52a 保持部受容部
70 ケーブルコネクタ(相手側コネクタ)
71 ハウジング(相手側ハウジング)
81 LED実装基板(基板)
81a 切欠(被挿入部)
81b 実装面
DC コネクタ嵌合方向
DI 挿入方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトと、このコンタクトを保持するハウジングとを備え、基板に実装され、相手側コネクタに嵌合されるコネクタにおいて、
前記コンタクトは、前記ハウジングに保持される保持部と、この保持部に連なり、前記基板の実装面と接続する接続部と、前記保持部に連なり、前記相手側コネクタの相手側コンタクトと接触する接触部とを有し、
前記ハウジングは、前記基板に形成された被挿入部に挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に連なり、前記実装面と対向する天板部とを有し、
前記ハウジング本体に、前記接触部を収容するとともに、前記相手側コネクタの相手側ハウジングを受け容れるコネクタ受容部が設けられ、
前記天板部に、コネクタ嵌合方向と直交する挿入方向から前記保持部を受け容れる保持部受容部が設けられ、
前記接続部は前記天板部から前記コネクタ嵌合方向と直交する方向へ突出し、その接続部の先端が前記ハウジングに向かって折れ曲がっている
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記保持部が平板状であり、
前記保持部は、前記保持部受容部の内壁面に食い込み、前記保持部を前記天板部に保持させる第1突起部と、前記保持部受容部の内壁面を押圧する第2突起部とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記天板部を上方から見たときその天板部によって前記コンタクトのほぼ全体が覆い隠される
ことを特徴とする請求項1又は2記載のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項4】
前記接続部がほぼU字状であることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは前記接続部を複数有することを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1項記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−228138(P2011−228138A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97298(P2010−97298)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】