説明

コネクタ

【課題】接続状態をより強固に固定することのできるコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ本体部240と、コネクタ本体部の側面に設けられたランヤード部及びラッチ部とを有し、ランヤード部は他のコネクタとの接続方向に向かって、第1の屈曲部253、直線部255、第2の屈曲部256が順に形成されており、ラッチ部は第1の屈曲部262、直線部263、第2の屈曲部265が順に形成されており、ランヤード部における第2の屈曲部256には第2の開口部を有し、ラッチ部の第2の屈曲部265は、第2の開口部内に入り込んでおり、ランヤード部における直線部255よりも、ラッチ部における直線部263は外側に位置しており、直線部263には、コネクタ本体部の外側方向に出っ張った形状で形成されている他のコネクタとの接続状態を固定するためのフック264が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置及び電子機器等を電気的に接続し、電気信号等の伝達を行なうための接続部材としてコネクタが用いられている。このようなコネクタとしては、用途に応じて様々な種類のものがあり、各々の用途に応じて使い分けられている。
【0003】
ところで、このようなコネクタでは、一方のコネクタと他方のコネクタとの接続、例えば、ジャックコネクタとプラグコネクタとの接続において、このコネクタ接続を円滑にはずすことができるとともに、ワイヤが誤って引っ張られた場合等には、ジャックコネクタとプラグコネクタとの接続がはずれない構造とすることにより、コネクタ接続の信頼性を向上させたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3078147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、ワイヤが誤って引っ張られた場合等において、ジャックコネクタとプラグコネクタとの接続がはずれないようにするためには、ジャックコネクタ又はプラグコネクタのどちらか一方に爪を設け、他方に爪に対応する凹部を設け、ジャックコネクタとプラグコネクタとが接続されている状態において、凹部に爪が引っ掛かる構造のものが開示されている。
【0006】
しかしながら、このような構造において、ジャックコネクタ又はプラグコネクタのどちらか一方が強く引っ張られた場合には、爪にすべての力がかかるため、爪が変形等してしまい、ジャックコネクタとプラグコネクタとの接続がはずれてしまう場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、一方のコネクタと他方のコネクタとの接続をはずしたいときには、容易にはずすことが可能であるとともに、一方のコネクタと他方のコネクタとが接続されている状態においては、意図することなく接続がはずれることのない、信頼性の高い接続を維持することのできるコネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、他のコネクタと接続されるコネクタ本体部と、前記コネクタ本体部の側面に設けられたランヤード部及びラッチ部と、を有し、前記ランヤード部は、前記他のコネクタとの接続方向に向かって、第1の屈曲部、直線部、第2の屈曲部が順に形成されており、前記ラッチ部は、前記他のコネクタとの接続方向に向かって、第1の屈曲部、第1の直線部、第2の屈曲部が順に形成されており、前記ランヤード部における第1の屈曲部には第1の開口部を有し、前記ラッチ部の第1の屈曲部は、前記第1の開口部内に入り込んでおり、前記ランヤード部における第2の屈曲部には第2の開口部を有し、前記ラッチ部の第2の屈曲部は、前記第2の開口部内に入り込んでおり、前記ランヤード部における前記直線部よりも、前記ラッチ部における前記第1の直線部は外側に位置しており、前記第1の直線部には、前記コネクタ本体部の外側方向に出っ張った形状で形成されている前記他のコネクタとの接続状態を固定するためのフックが設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記コネクタ本体部と前記他のコネクタとの接続方向に対し、前記ランヤード部を平行に動かすことにより、前記他のコネクタとの接続状態の固定、または、前記接続状態の固定の解除が行なわれるものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記ランヤード部における第1の屈曲部、直線部、第2の屈曲部は、前記コネクタ本体部の両側に設けられており、前記ランヤード部における前記第1の屈曲部が設けられている側において、ランヤード連結部により連結されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記ランヤード部は、前記第2の開口部内に突起部を有しており、前記ラッチ部は、前記第2の屈曲部よりも、前記他のコネクタとの接続方向側に、第2の直線部を有しており、前記ランヤード部における前記突起部と、前記ラッチ部の前記第2の直線部とが接触することにより、前記他のコネクタとの接続状態が固定されるものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記ラッチ部は、前記第2の屈曲部よりも、前記他のコネクタとの接続方向側に、第2の直線部を有しており、前記ラッチ部の前記第2の直線部が、前記ランヤード部の前記直線部の外側に位置することにより、前記他のコネクタとの接続状態が固定されるものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記ランヤード部の前記直線部の内側に前記コネクタ本体部が接触し、前記ランヤード部を支持することにより、前記フックを固定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記コネクタ本体部の側面には、前記ラッチ部及び前記ランヤード部の一部が設置される溝部が設けられており、前記他のコネクタとの接続状態が固定されていない状態において、前記ラッチ部における前記第2の直線部が入ることのできる前記溝部よりも幅の広い溝幅広領域が前記溝部に連通して設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記ランヤード部は、前記第2の屈曲部よりも、前記他のコネクタとの接続方向側に終端部を有しており、前記終端部には、凹凸が形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記ランヤード部及び前記ラッチ部は金属材料により形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記他のコネクタには、前記フックに対応する開口部が設けられており、前記接続状態が固定される場合には、前記フックは前記他のコネクタにおける前記開口部に入り込んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一方のコネクタと他方のコネクタとの接続をはずしたいときには、容易にはずすことが可能であり、また、一方のコネクタと他方のコネクタとが接続されている状態においては、意図することなく接続がはずれることのない、信頼性の高い接続を維持することのできるコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態におけるコネクタの説明図
【図2】第1の実施の形態におけるコネクタの接続状態を示す上面図
【図3】第1の実施の形態におけるコネクタの斜視図
【図4】第1の実施の形態におけるコネクタの側面図
【図5】第1の実施の形態におけるコネクタの下カバーをはずした状態の上面図
【図6】第1の実施の形態におけるコネクタの断面図
【図7】第1の実施の形態におけるコネクタのランヤード部とラッチ部の斜視図
【図8】第1の実施の形態におけるコネクタの接続状態の固定方法の説明図(1)
【図9】第1の実施の形態におけるコネクタの接続状態の固定方法の説明図(2)
【図10】第1の実施の形態におけるコネクタの接続状態の固定方法の説明図(3)
【図11】第2の実施の形態におけるコネクタのランヤード部の上面図
【図12】第2の実施の形態におけるコネクタのランヤード部の斜視図
【図13】第2の実施の形態におけるコネクタのランヤード部とラッチ部の斜視図(1)
【図14】第2の実施の形態におけるコネクタのランヤード部とラッチ部の斜視図(2)
【図15】第2の実施の形態におけるコネクタの第2のコネクタ本体部の上カバーの斜視図
【図16】第2の実施の形態におけるコネクタの第2のコネクタ本体部の上カバーの要部上面図
【図17】第2の実施の形態におけるコネクタの下カバーをはずした状態の斜視図
【図18】第2の実施の形態におけるコネクタの下カバーをはずした状態の上面図
【図19】第2の実施の形態におけるコネクタが固定されている状態において下カバーをはずした状態の斜視図
【図20】第2の実施の形態におけるコネクタが固定されている状態において下カバーをはずした状態の上面図
【図21】第2の実施の形態におけるコネクタが固定されている状態において下カバーをはずした状態の断面図
【図22】第2の実施の形態におけるコネクタの固定が解除されている状態において下カバーをはずした状態の斜視図
【図23】第2の実施の形態におけるコネクタの固定が解除されている状態において下カバーをはずした状態の上面図
【図24】第2の実施の形態におけるコネクタの固定が解除されている状態において下カバーをはずした状態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0021】
〔第1の実施の形態〕
(コネクタの構造)
図1及び図2に基づき本実施の形態におけるコネクタについて説明する。図1及び図2に示すように本実施の形態におけるコネクタは、第2のコネクタ200であり、基板170に固定される第1のコネクタ(他のコネクタ)100における第1のコネクタ本体部110と接続されることにより、電気的に接続をすることができ、高速な電気信号を伝達することができるものである。尚、図2は、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200とが接続されている状態の上面図である。
【0022】
第1のコネクタ100は、基板170に接続されている第1のコネクタ本体部110と、第1のコネクタ本体部110と第2のコネクタ200とが接続された状態において、第1のコネクタ本体部110及び第2のコネクタ200の側面の略全体を覆うことのできるケージ部120と、ケージ部120に取り付けられる押え部130とを有している。
【0023】
第2のコネクタ200は、略直方体状に形成されており、第1のコネクタ本体部110との接続面と反対側には、ケーブル210と接続されており、上面部及び底面部には放熱部220及び230が設けられている。
【0024】
第1のコネクタ本体部110には、ハウジング内において第2のコネクタ200に設けられた接続端子と電気的に接続される接続端子が設けられている。第1のコネクタ本体部110は、略直方体状に形成されており、6面のうち底面となる1面において基板170と接続されている。具体的には、第1のコネクタ本体部110の底面となる1面に設けられた不図示の信号端子及びGND(接地)端子が、基板170に設けられた所定の穴に差込まれて、半田付け等により接続されている。
【0025】
第1のコネクタ本体部110は、基板170と接続されている面を底面として、4つの側面のうちいずれか一つの側面において、第2のコネクタ200と接続されている。このため、第2のコネクタ200は基板170に対し略平行に移動することにより、第1のコネクタ本体部110と接続される。
【0026】
ケージ部120はEMI対策のため設けられているものであり、四角筒状に形成されており、第1のコネクタ本体部110に取り付けられている。ケージ部120はアルミニウム、亜鉛等の合金のダイキャストにより形成されており、十分な厚みを有しているため、容易に変形することはなく、また、第1のコネクタ本体部110と第2のコネクタ200とが接続している状態でぐらつくことはない。ケージ部120は、第1のコネクタ本体部110と第2のコネクタ200とが接続された状態で側面の略全体が覆われるような形状で形成されている。また、ケージ部120には、第1のコネクタ本体部110が第2のコネクタ200と接続された状態で、第2のコネクタ200の放熱部220に対応する部分、即ち、上面部分に開口部121が設けられており、開口部121が設けられている部分の側面には、後述する押え部130を固定するための複数の突起部122が設けられている。また、開口部121の形成されている面及び隣接する2つの側面には、第1のコネクタ本体部110と第2のコネクタ200との接続方向に長く伸びる複数の溝部123が設けられている。更に、後述するように、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続がはずれないように固定するための、開口部124が両側に設けられている。
【0027】
押え部130は金属板を加工することにより形成されており、金属板を折曲げることにより、3面を有する形状が形成されている。押え部130は、第1のコネクタ本体部110と第2のコネクタ200とが接続された状態で、第2のコネクタ200の放熱部220から放熱される熱を放出するための複数の放熱穴131が設けられている。また、押え部130には、ケージ部120の複数の突起部122に対応する位置に設けられた複数の固定穴132が設けられており、ケージ部120の各々の突起部122が、押え部130の対応する各々の固定穴132に入り込むことにより、押え部130とケージ部120とは固定される。
【0028】
押え部130には、ケージ部120の溝部123に対応する位置に複数のバネ部133が設けられており、押え部130とケージ部120とが固定され第1のコネクタ本体部110に取り付けられている状態で、第2のコネクタ200と第1のコネクタ100とを接続することにより、バネ部133を第2のコネクタ200の外側と接触させることができる。尚、押え部130は接地されているため、この接触により第2のコネクタ200の外側は接地電位となる。また、押え部130には、基板170と接続される側に複数のプレスフィット134が設けられており、基板170に設けられた対応する穴171に嵌合させて固定されている。
【0029】
(第2のコネクタ200のロック機構)
次に、図3から図6に基づき、本実施の形態における第2のコネクタ200について説明する。尚、図3は、本実施の形態における第2のコネクタ200の斜視図であり、図4は、側面図であり、図5は、下カバーをはずした状態の上面図である。図6は、図5における一点鎖線5A−5Bにおいて切断した第2のコネクタ200の要部断面図である。第2のコネクタ200は、樹脂材料または金属材料等により形成された第2のコネクタ本体部240を有しており、第2のコネクタ本体部240の接続部241より、第1のコネクタ100と接続される。第1のコネクタ100と第2のコネクタ200とを接続する際には、第1のコネクタ100に対し第2のコネクタ200を矢印Aに示す方向に相対的に移動させることにより接続される。従って、本実施の形態では、矢印Aに示す方向をコネクタ接続方向とも称する。尚、図6に示されるように、第2のコネクタ本体部240は、上カバー271と下カバー272とを有しており、後述するラッチ部260は、上カバー271と下カバー272とにより、上下方向における動きが制限されている。
【0030】
第2のコネクタ200におけるロック機構としては、コの字状に形成されたランヤード部250と2つのラッチ部260を有している。ランヤード部250は、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に延びる2本の部材をコネクタ接続方向に略垂直方向に延びるランヤード連結部251により連結された構造となっている。図7に示されるように、ランヤード部250におけるコネクタ接続方向に延びる2本の部材は、ランヤード連結部251の側より矢印Aに示されるコネクタ接続方向に向かって、第1の直線部252、第1の屈曲部253、第2の直線部255、第2の屈曲部256、突起部258、終端部259の順に形成されている。
【0031】
第1の直線部252は、第2のコネクタ本体部240の外側となる位置において、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って直線状に形成されている。第1の屈曲部253は、第2のコネクタ本体部240の内側方向に曲げられている部分であり、第1の開口部254を有している。第2の直線部255は、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って直線状に形成されている。第2の屈曲部256は、第2のコネクタ本体部240の外側方向に曲げられている部分であり、第2の開口部257を有しており、第2の開口部257の一部には、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って直線状に形成された突起部258が形成されている。終端部259は、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って直線状に形成されている。
【0032】
また、ラッチ部260は、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って、一方の端より他方の端に向かって、固定部261、第1の屈曲部262、第1の直線部263、第2の屈曲部265、第2の直線部266の順に形成されている。ラッチ部260は、ラッチ部260の一方の端部に形成された固定部261において、第2のコネクタ本体部240に固定されており、このため略垂直に曲げられた形状で形成されている。第1の屈曲部262は、第2のコネクタ本体部240の外側方向に曲げられている部分であり、ランヤード部250における第1の開口部254内に入ることができる太さで形成されている。第1の直線部263は、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って直線状に形成されており、第2のコネクタ本体部240の外側方向に向かって出っ張った形状のフック264が設けられている。第2の屈曲部265は、第2のコネクタ本体部240の内側方向に曲げられている部分であり、ランヤード部250における第2の開口部257内に入ることができる太さで形成されている。第2の直線部266は、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って直線状に形成されている。
【0033】
ランヤード部250とラッチ部260は、ランヤード部250における第1の開口部254にラッチ部260の第1の屈曲部262が入り込み、ランヤード部250における第2の開口部257にラッチ部260の第2の屈曲部265が入り込むように組み立てられる。よって、ラッチ部260の第1の屈曲部262は、ランヤード部250における第1の開口部254内を移動することが可能であり、ラッチ部260の第2の屈曲部265は、ランヤード部250における第2の開口部257内を移動することが可能である。また、この状態では、ラッチ部260における固定部261及び、第2の直線部266は、ランヤード部250の内側となり、ラッチ部260における第1の直線部263は、ランヤード部250の外側となる。
【0034】
第2のコネクタ本体部240の側面の両側には、矢印Aに示されるコネクタ接続方向に沿って形成された溝部242が設けられており、ランヤード部250の一部及びラッチ部260は、溝部242内に設置されている。即ち、第2のコネクタ本体部240の内側の内壁243と第2のコネクタ本体部240の外側の外壁244とに囲まれた領域により、溝部242が形成される。
【0035】
ランヤード部250の一部及びラッチ部260は、溝部242内に設置されており、接続がロックされている状態では、内壁243に、ランヤード部250の第2の直線部255が接し、外壁244の内側に、ラッチ部260の第1の直線部263が接するように設置されている。また、外壁244には、ラッチ部260の第1の直線部263に設けられたフック264が外壁244の外側に出っ張るように、開口部245が設けられている。このフック264は、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200が接続された状態において、図1等に示される第1のコネクタ100における開口部124に第2のコネクタ200におけるフック264の先端が入り込むことにより、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態を固定(ロック)することができるように形成されている。尚、図3から図7は、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態が固定されている状態を示すものである。
【0036】
(ロックの解除)
次に、図8から図10に基づき第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続が固定(ロック)されている状態から解除(ロック解除)する方法について説明する。具体的には、ランヤード部250を第2のコネクタ本体部240に対し、矢印Bに示す方向に相対的に動かすことにより行なわれる。図8は、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続が固定されている状態を示すものであり、図10は、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続の固定が解除されている状態を示すものであり、図9は、図8と図10の途中の段階を示すものである。
【0037】
図8に示されるように、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続が固定されている状態では、ランヤード部250の第2の直線部255は、第2のコネクタ本体部240の溝部242の内壁243と接触し、ラッチ部260の第1の直線部263は、第2のコネクタ本体部240の溝部242の外壁244と接触し、ランヤード部250の第2の直線部255の外側に、ラッチ部260の第2の直線部266が接触しており、ラッチ部260のフック264は、開口部245より第2のコネクタ本体部240の外側に出っ張った状態となっており、第1のコネクタ100のケージ部120に設けられた開口部124にフック264が入り込んだ状態となっている。この状態において突起部258の先端がコネクタ本体部240におけるコネクタ本体の内側248に接触することにより、第2の直線部266を介しラッチ部260を強固に支持し、ロック状態となる。従って、この状態においては、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態が固定されている。
【0038】
この後、矢印Bに示す方向にランヤード部250を移動させることにより、図9に示すように、ラッチ部260の第1の屈曲部262は、ランヤード部250における第1の開口部254内を移動し、ラッチ部260の第2の屈曲部265は、ランヤード部250における第2の開口部257内を移動し、ランヤード部250の突起部258は、ラッチ部260の第2の直線部266の端部と接触した状態となる。この状態においては、まだ、ラッチ部260におけるフック264は、開口部245より第2のコネクタ本体部240の外側に出っ張った状態となっており、第1のコネクタ100のケージ部120に設けられた開口部124にフック264が入り込んでいるため、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続が固定されている状態が維持される。
【0039】
更に、この後、矢印Bに示す方向にランヤード部250を移動させることにより、図10に示すように、ラッチ部260の第1の屈曲部262は、ランヤード部250における第1の開口部254内を移動し、ラッチ部260の第2の屈曲部265は、ランヤード部250における第2の開口部257内をランヤード部250の突起部258の端部に接触しながら移動し、やがて、ラッチ部260の第2の直線部266は、第2のコネクタ本体部240に設けられた溝幅広領域246に入り込んだ状態となる。この状態においては、ラッチ部260におけるフック264は、溝部242内部に入り込むため、第2のコネクタ本体部240の外壁244の外側よりも内側、または、外壁244の外側と同じ位置までフック264の先端が入り込む。これにより、第1のコネクタ100のケージ部120に設けられた開口部124から、フック264がはずれ、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態の固定が解除される。
【0040】
(ロック)
次に、図8から図10に基づき第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態を固定(ロック)する方法について説明する。具体的には、矢印Cに示す方向に、ランヤード部250を第2のコネクタ本体部240に対し、相対的に動かすことにより行なう。
【0041】
図10に示すように、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200とが接続された直後においては、接続状態が固定(ロック)されていないため、ラッチ部260の第2の直線部266は、第2のコネクタ本体部240に設けられた溝幅広領域246に入り込んだ状態となっている。この状態においては、ラッチ部260におけるフック264は、溝部242内部に入り込み、第2のコネクタ本体部240の外壁244の外側よりも内側、または、外側と同じ位置までフック264の先端が入り込んだ状態となっている。
【0042】
この後、矢印Cに示す方向にランヤード部250を移動させることにより、図9に示すように、ラッチ部260の第1の屈曲部262は、ランヤード部250における第1の開口部254内を移動し、ラッチ部260の第2の屈曲部265は、ランヤード部250における第2の開口部257内を移動し、ラッチ部260の第2の屈曲部265は、ランヤード部250における突起部258の端部と接触し、第2の屈曲部265に沿って、ラッチ部260の第2の直線部266が持ち上げられ、第2のコネクタ本体部240の外側方向に移動し、ランヤード部250の終端部259とラッチ部260の第2の直線部266とが接触した状態となる。この状態においては、ランヤード部250の第2の直線部255は、第2のコネクタ本体部240の溝部242の内壁243と接触し、ラッチ部260の第1の直線部263は、第2のコネクタ本体部240の溝部242の外壁244と接触し、ラッチ部260におけるフック264は、第2のコネクタ本体部240の外側に出っ張った状態となり、第1のコネクタ100のケージ部120に設けられた開口部124にフック264が入り込むため、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態は固定される。
【0043】
更に、この後、矢印Cに示す方向にランヤード部250を移動させることにより、図8に示されるように、ランヤード部250の第2の直線部255の外側に、ラッチ部260の第2の直線部266が接触した状態となり、ラッチ部260のフック264は、第2のコネクタ本体部240の外側に出っ張った状態となる。この状態においては、第1のコネクタ100のケージ部120に設けられた開口部124にフック264が入り込んでいるため、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続が固定されている状態が維持されるとともに、より強固に接続状態を固定することができる。
【0044】
本実施の形態では、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態を固定する際、力が加えられる位置であるランヤード連結部251と、フック264を移動させるために作用する位置であるラッチ部260の第2の屈曲部265及びランヤード部250の突起部258との間にフック264が位置するため、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続状態をより強固に固定することができる。即ち、フック264がランヤード部250またはラッチ部260の端部に形成されていないため、フック264が容易に曲げられることはない。また、図8に示すように、ラッチ部260の第2の直線部266がランヤード部250の第2の直線部255の内側に位置するまで移動させることにより、接続状態をより強固に固定することができる。
【0045】
尚、ランヤード部250及びラッチ部260は、金属材料又は樹脂材料等により形成することが可能であるが、バネ性が高く、薄く形成することのできる金属材料により形成されていることが好ましい。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における第2のコネクタ200aは、ロック時におけるクリック感を出すため、第1の実施の形態におけるランヤード部250の終端部を凹凸部259aとした形状のものであり、第2のコネクタ本体部240aにおいて、この凹凸部259aに対応する部分には、凹凸部247aが設けられている構造のものである、このような構造とすることにより、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200aとの接続状態が固定(ロック)された場合には、ランヤード部250aの凹凸部259aと、第2のコネクタ200aの凹凸部247aとが接触し、凹凸部259aと凹凸部247aとの接触により生じる振動等により、ロックされていることを感覚的に確認することができるものである。
【0047】
尚、図11は、ランヤード部250aの上面図であり、図12は、裏面側からみた斜視図である。図13は、ランヤード部250a及びラッチ部260が組み立てられた状態の斜視図であり、図14は、ランヤード部250a及びラッチ部260が分解された状態の斜視図である。図15は、ランヤード部250a及びラッチ部260が組み込まれる前の状態の第2のコネクタ本体部240aの一部(上カバー)を示す斜視図であり、図16は、ランヤード部250a及びラッチ部260が組み込まれる前の状態の第2のコネクタ本体部240aの一部(上カバー)の要部上面図である。図17は、ランヤード部250a及びラッチ部260が組み込まれた状態の第2のコネクタ本体部240aの一部を示す斜視図であり、図18は、上面図である。
【0048】
また、図19から図21は、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続が固定(ロック)されている状態を示すものであり、図19は、下カバーをはずした状態の斜視図であり、図20は、上面図であり、図21は、図20における一点鎖線20A−20Bにおいて切断された断面図である。
【0049】
また、図22から図24は、第1のコネクタ100と第2のコネクタ200との接続の固定が解除(ロックが解除)されている状態を示すものであり、図22は、下カバーをはずした状態の斜視図であり、図23は、上面図であり、図24は、図23における一点鎖線23A−23Bにおいて切断された断面図である。
【0050】
本実施の形態におけるコネクタについては、第1の実施の形態におけるコネクタと同様に、他のコネクタとの接続状態を固定することができる。
【0051】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0052】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0053】
100 第1のコネクタ
110 第1のコネクタ本体部
120 ケージ部
121 開口部
122 突起部
123 溝部
130 押え部
131 放熱穴
132 固定穴
133 バネ部
134 プレスフィット
170 基板
171 穴
200 第2のコネクタ
210 ケーブル
220 放熱部
230 放熱部
240 第2のコネクタ本体部
241 接続部
242 溝部
243 内壁
244 外壁
245 開口部
246 溝幅広領域
250 ランヤード部
251 ランヤード連結部
252 第1の直線部
253 第1の屈曲部
254 第1の開口部
255 第2の直線部
256 第2の屈曲部
257 第2の開口部
258 突起部
259 終端部
260 ラッチ部
261 固定部
262 第1の屈曲部
263 第1の直線部
264 フック
265 第2の屈曲部
266 第2の直線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のコネクタと接続されるコネクタ本体部と、
前記コネクタ本体部の側面に設けられたランヤード部及びラッチ部と、
を有し、前記ランヤード部は、前記他のコネクタとの接続方向に向かって、第1の屈曲部、直線部、第2の屈曲部が順に形成されており、
前記ラッチ部は、前記他のコネクタとの接続方向に向かって、第1の屈曲部、第1の直線部、第2の屈曲部が順に形成されており、
前記ランヤード部における第1の屈曲部には第1の開口部を有し、前記ラッチ部の第1の屈曲部は、前記第1の開口部内に入り込んでおり、
前記ランヤード部における第2の屈曲部には第2の開口部を有し、前記ラッチ部の第2の屈曲部は、前記第2の開口部内に入り込んでおり、
前記ランヤード部における前記直線部よりも、前記ラッチ部における前記第1の直線部は外側に位置しており、
前記第1の直線部には、前記コネクタ本体部の外側方向に出っ張った形状で形成されている前記他のコネクタとの接続状態を固定するためのフックが設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記コネクタ本体部と前記他のコネクタとの接続方向に対し、前記ランヤード部を平行に動かすことにより、前記他のコネクタとの接続状態の固定、または、前記接続状態の固定の解除が行なわれるものであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ランヤード部における第1の屈曲部、直線部、第2の屈曲部は、前記コネクタ本体部の両側に設けられており、前記ランヤード部における前記第1の屈曲部が設けられている側において、ランヤード連結部により連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ランヤード部は、前記第2の開口部内に突起部を有しており、
前記ラッチ部は、前記第2の屈曲部よりも、前記他のコネクタとの接続方向側に、第2の直線部を有しており、
前記ランヤード部における前記突起部と、前記ラッチ部の前記第2の直線部とが接触することにより、前記他のコネクタとの接続状態が固定されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項5】
前記ラッチ部は、前記第2の屈曲部よりも、前記他のコネクタとの接続方向側に、第2の直線部を有しており、
前記ラッチ部の前記第2の直線部が、前記ランヤード部の前記直線部の外側に位置することにより、前記他のコネクタとの接続状態が固定されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ランヤード部の前記直線部の内側に前記コネクタ本体部が接触し、前記ランヤード部を支持することにより、前記フックを固定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項7】
前記コネクタ本体部の側面には、前記ラッチ部及び前記ランヤード部の一部が設置される溝部が設けられており、
前記他のコネクタとの接続状態が固定されていない状態において、前記ラッチ部における前記第2の直線部が入ることのできる前記溝部よりも幅の広い溝幅広領域が前記溝部に連通して設けられていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ランヤード部は、前記第2の屈曲部よりも、前記他のコネクタとの接続方向側に終端部を有しており、
前記終端部には、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項9】
前記ランヤード部及び前記ラッチ部は金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のコネクタ。
【請求項10】
前記他のコネクタには、前記フックに対応する開口部が設けられており、
前記接続状態が固定される場合には、前記フックは前記他のコネクタにおける前記開口部に入り込んでいることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−142193(P2012−142193A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294270(P2010−294270)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】