説明

コネクタ

【課題】 コネクタのハウジング同士の嵌合作業時にロック機構が損傷することを防止するコネクタを提供する。
【解決手段】 雌側ハウジング1と雄側ハウジング3とを嵌合させる際に、雌側ハウジング1の規制突起15およびサイドリブ16の働きによって、ロックアーム11の撓み方向の空間に作業者の指が挿入されることを防ぐことができる。これにより、ロックアーム11の撓みが妨げられた状態で雌側ハウジング1と雄側ハウジング3との嵌合作業が行われることがなく、ロックアーム11の凸部13の損傷による雌側ハウジング1と雄側ハウジング3との正規嵌合後のロック機構の消失を防ぐことができる。また、サイドリブ16はロックアーム11の両側部に臨むように配置されているので、作業者が誤ってロックアーム11を撓ませて嵌合作業を行ってしまうことを抑制でき、確実に慣性ロック機構を発揮させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに嵌合する2種類のハウジングを有するコネクタに関し、詳細には、一方のハウジングに相手側ハウジングとの嵌合状態をロックするロックアームを備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一方のハウジングに雌側端子金具を備え、他方のハウジングに雄側端子金具を備えたコネクタでは、ハウジング同士を正規嵌合させることによって雌側端子金具と雄側端子金具とが接続される。しかし、雌雄の端子金具同士の間に生じる嵌合抵抗が大きい場合、作業者が両ハウジングを嵌合させる際に、ハウジング同士の嵌合が正規状態となっていない状態(半嵌合状態)で嵌合作業が完了したと勘違いする虞があり、雌側端子金具と雄側端子金具との接続が不十分になり雌雄の端子金具間の導通に支障をきたす虞がある。
【0003】
そこで、ハウジングが半嵌合状態となることを未然に防止するために、所謂慣性ロックと称される機構をハウジングに備えたコネクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
慣性ロック機構を備えたハウジングを有するコネクタは、一方のハウジングに凸部を有する片持ち梁状のロックアームを備え、他方のハウジングにはロックアームの凸部が係合する係合部を備えている。ハウジング同士を嵌合させる際は、ロックアームの凸部が係合部に係合するまでは、ロックアームが撓んで凸部に相手側ハウジングの一部が乗り上げるが、この凸部にハウジングの一部が乗り上げる際に生じる挿入抵抗を、各ハウジングに備えられた雌雄の端子金具同士の間に生じる嵌合抵抗よりも大きく設定しておく。
【0005】
このようにすれば、ハウジング同士を嵌合させる過程で、作業者は挿入抵抗に打ち勝つ力でハウジングの挿入作業を行うこととなる。従って、ロックアームの凸部が係合部に係合した際には、挿入抵抗の急速な減少によって一気にハウジング同士を正規嵌合状態に至らしめることができ、ハウジング同士の嵌合が半嵌合状態となることを防止できる。
【0006】
図4は、特許文献1記載と同様、片持ち梁状のロックアームに慣性ロック機構を備えた公知のコネクタの一例を示している。このコネクタは、凸部120を有するロックアーム110と雌側端子金具140とを備えた雌側ハウジング100と、凸部120が係合する係合孔310と雄側端子金具320とを備えた雄側ハウジング300とからなり、図4はこれら雌側ハウジング100と雄側ハウジング300とが正規嵌合状態となっている状態を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−199620号公報(第3〜4頁、第1図、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図4に示すような慣性ロック機構を備えた雌雄ハウジングを有するコネクタでは、雌側ハウジング100と雄側ハウジング300との嵌合作業の際に、ロックアーム110と雌側ハウジング100との間の撓みスペース130に作業者の指が挟まった状態で嵌合作業が行われると、ロックアーム110の撓みスペース130方向への撓みが妨げられるため、ロックアーム110の凸部120が雄側ハウジング300と強く干渉して凸部120が損傷する(凸部120が雄側ハウジング300により削り取られる)虞があった。
【0009】
凸部120が損傷すると、雌側ハウジング100と雄側ハウジング300とが正規嵌合状態に至った後のロック機構が十分に発揮されなくなるため、雌側ハウジング100と雄側ハウジング300との嵌合状態が維持できなくなり、最悪は雌側ハウジング100と雄側ハウジング300とが半嵌合状態となる虞や、雌側ハウジング100が雄側ハウジング300から抜けてしまう虞があった。
【0010】
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、コネクタのハウジング同士の嵌合作業時にロック機構が損傷することを防止するコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明のコネクタは、第1端子金具を有する第1ハウジングと、第1ハウジングが挿入されて第1ハウジングと嵌合し第2端子金具を有する第2ハウジングとを備えており、第1ハウジングの上面部には撓み可能なロックアームが備えられ、第2ハウジングには、ロックアームに係合する係合部が備えられている。このロックアームは、その一端が上面部の一端に接続され、その他端は自由端とされた片持ち梁状とされており、また、ロックアームの長さは上面部の長さよりも短くされている。そして、上面部には、第1ハウジングを第2ハウジングに嵌合させるときにロックアームと接しないように規制突起を設けるとともに、ロックアームの両側に立設しその一部がロックアームの高さ寸法以上とされることでロックアームの押下を規制する突出部を備えたサイドリブを設けている。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成した本発明のコネクタによれば、第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合作業を行う際に、規制突起およびサイドリブの働きによって、ロックアームと雌側ハウジングの上面部との間に、作業者の指が挿入されることを防ぐことができる。これにより、ロックアームの撓みが妨げられた状態で第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合作業が行われることがないため、ロックアームの損傷を防ぐことができ、また、第1ハウジングと第2ハウジングとの正規嵌合後のロック機構の消失を防ぐことができる。
【0013】
また、サイドリブはロックアームの両側に立設され、その一部がロックアームの押し下げを規制する突出部とされているので、第1ハウジングと第2ハウジングとを嵌合させる際に、作業者が誤ってロックアームを押し下げることによりロックアームを撓ませて嵌合作業を行ってしまうことを抑制でき、確実に慣性ロック機構を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例における、雌側ハウジングの外観図であり、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は前面図、(D)は後面図、である。
【図2】本発明の実施例における、雄側ハウジングの外観図であり、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は前面図、(D)は後面図、である。
【図3】本発明の実施例における、雌側ハウジングと雄側ハウジングとの嵌合作業説明図であり、(A)は嵌合前の状態図、(B)は嵌合後の状態図、である。
【図4】従来の雌側ハウジングと雄側ハウジングとの嵌合状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施例としては、空気調和機の室内機に使用され、室内機の制御を行う制御基板にリード線で接続される第1ハウジングである雌側ハウジング1と、雌側ハウジング1が挿入されて雌側ハウジング1と嵌合し、フィルタ自動清掃用のステッピングモータやマイナスイオン発生器の電源等が接続される中継基板に実装される第2ハウジングである雄側ハウジング3とからなるコネクタを例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。また、以下の説明では、雌側ハウジング1と雄側ハウジング3とが嵌合する方向をそれぞれ前方向(前端部)とする。
【実施例】
【0016】
図1に示すように、本実施例における雌側ハウジング1は、66ナイロンやPBT(ポリブチレンテレフタレート)等といった合成樹脂によりブロック状に形成されている。雌側ハウジング1には、その前端部1a(雄側ハウジング3との嵌合側)から後端部1bに向かって貫通する複数のキャビティ18(本実施例では、図1(C)または(D)に示すように10個)が幅方向に所定のピッチで並んで形成されている。
【0017】
各キャビティ18には第1端子金具である雌側端子金具19が挿入されており、雌側ハウジング1に設けられた図示しない係止部に雌側端子金具19の図示しない突起部が係合することで抜け止めされている。尚、図示は省略するが、雌側端子金具19の後端部1b側には、空気調和機の制御基板に接続されるリード線の一端が加締められて接続されている。
【0018】
雌側ハウジング1の上面部1cには、雌側ハウジング1の幅方向の中央部に、前後方向(雌側ハウジング1の前端部1aから後端部1bに向こう方向)に沿ってロックアーム11が設けられている。ロックアーム11は、図1(A)に示すように、雌側ハウジング1の幅方向の中央部に対し左右対称に配置された2本の支柱部12と、凸部13と、レバー部14とを備えている。
【0019】
2本の支柱部12は、断面が略L字状に形成されており、図1(C)に示すように、各々の一端は雌側ハウジング1の上面部1cにおける前端部1aから固定された状態で連続して形成され、また、図1(D)に示すように、各々の他端が雌側ハウジング1の後端部1b方向に延び自由端とされた片持ち梁状に形成されている。凸部13は、図1(A)または(B)に示すように、各支柱部12の外側(後述する撓みスペース17の反対側)に所定の形状で形成されている。レバー部14は、図1(A)に示すように、各支柱部12の他端(自由端となっている方)を連結するよう形成されている。
【0020】
上記のように、ロックアーム11は、支柱部12が略L字状で片持ち梁状となっていることから、ロックアーム11の支柱部12と上面部1cとの間には、図1(A)または(D)に示すように、撓みスペース17が形成される。詳細は後述するが、ロックアーム11は、雌側ハウジング1を雄側ハウジング3に嵌合させる際に撓みスペース17側へ撓み変形し、両ハウジングの嵌合作業が完了した際は、ロックアーム11の凸部13が後述する係止孔32に係合することで、嵌合状態がロックされる。
【0021】
また、雌側ハウジング1の上面部1cには、雌側ハウジング1の幅方向の中央部に規制突起15が設けられている。規制突起15は、略四方体形状であり、図1(A)に示すように、一端が雌側ハウジング1の後端部1bと面一とされており、雌側ハウジング1の前端部1aに向かって、ロックアーム11の下方(撓みスペース17)に侵入しないよう所定の寸法で延伸されている。また、規制突起15の高さ寸法Hは、図1(D)に示すように、例えば、ロックアーム11下面(レバー部14の下面)と上面部1c間の寸法Sの略3分の2程度とされている。これにより、ロックアーム11下面と規制突起15上面との間隔が手指の厚さより十分狭い所定の間隔となっている。
【0022】
また、雌側ハウジング1の上面部1cには、ロックアーム11の両側に2本のサイドリブ16が立設されている。サイドリブ16は、細長い略四方体形状であり、図1(A)に示すように、雌側ハウジング1の前端部1aから後端部1bまで連続的に形成されている。サイドリブ16は、図1(B)に示すように、前端部1a側からロックアーム11のレバー部14後端部付近までがガイド部16a、これより後端部1bまでが突出部16bとされている。
【0023】
サイドリブ16のピッチ寸法は後述する雄側ハウジング3に設けられた2個の係合部31に備えられた案内部33の間隔寸法に対応した寸法とされている。ガイド部16aの高さ寸法は、係合部31の形状に対応した寸法とされている。突出部16bの高さ寸法は、図1(B)に示すように、ロックアーム11のレバー部14上面と略同じ高さとなるような寸法とされている。
【0024】
図2に示すように、本実施例における雄側ハウジング3は、66ナイロンやPBT(ポリブチレンテレフタレート)等といった合成樹脂により箱型に形成されている。雄側ハウジング3の内部には、図2(C)に示すように、前端部3a側(雌側ハウジング1との嵌合側)に開口する嵌合凹部3cが設けられており、ここに雌側ハウジング1が収容される。
【0025】
嵌合凹部3cは、前端部3aから後端部3bに向かって所定の奥行き寸法とされており、その終端部は突き当て部3dとなっている。雌側ハウジング1が嵌合凹部3cに収容された際には、雌側ハウジング1の前端部1aが突き当て部3dに接触する。
【0026】
また、嵌合凹部3cの上面部3e側には、雄側ハウジング3の幅方向の中央部に対し左右対称に配置された2個の係合部31が設けられている。係合部31は、略四方体形状であり、雌側ハウジング1が嵌合凹部3cに収容された際に、雌側ハウジング1のロックアーム11とサイドリブ16のガイド部16aが収容される。尚、係合部31の外側壁面は案内部31とされており、案内部31間の寸法は上述したサイドリブ16のピッチ寸法に対応した寸法とされている。
【0027】
また、図2(A)に示すように、各係合部31の上面部3e側には、略四角形状の貫通孔である2個の係止孔32が設けられている。係止孔32の大きさや配置は、雌側ハウジング1のロックアーム11に備えられた凸部13の形状やピッチ寸法に対応したものとされている。
【0028】
図2(C)または(D)に示すように、雄側ハウジング3の突き当て部3dから後端部3bまでの部分には、突き当て部3dから後端部3bに向かって貫通する複数のキャビティ34(本実施例では、図2(C)または(D)に示すように10個)が幅方向に所定のピッチで並んで形成されている。キャビティ34のピッチは、雌側ハウジング1のキャビティ18のピッチと同じとされている。
【0029】
各キャビティ34には、雌側ハウジング1の雌側端子金具19に対応する第2端子金具である雄側端子金具35が挿入されており、雄側ハウジング3に設けられた図示しない係止部に雄側端子金具35の図示しない突起部が係合することで抜け止めされている。尚、図2(A)または(B)に示すように、雄側端子金具35は、雄側端子金具35をキャビティ34に挿入した状態でその一端が後端部3b側へ突き出るような形状とされており、図示しない中継基板に雄側ハウジング3を実装する際は、この中継基板に設けられたパターン上の孔に雄側端子金具35が挿入され、半田付けにより電気的に接続される。
【0030】
次に、図1乃至図3を用いて、本発明のコネクタにおける、雌側ハウジング1と雄側ハウジング3との嵌合作業について具体的に説明するとともに、嵌合作業の際に発揮される雌側ハウジング1の規制突起15およびサイドリブ16の効果について説明する。中継基板に実装された雄側ハウジング3に雌側ハウジング1を嵌合する際、作業者は雌側ハウジング1を指でつまんで持ち、図3(A)に示すように、雄側ハウジング3の嵌合凹部3cに雌側ハウジング1の前端部1aを合わせるとともに、雄側ハウジング3の係合部31の案内部33に雌側ハウジング1のサイドリブ16のガイド部16aを合わせて、雌側ハウジング1の挿入を開始する。
【0031】
この際、図4に示す従来例では、雌側ハウジング100のロックアーム110と上面部との間、つまり、撓みスペース130に作業者の指が入り込んでロックアーム110の下方への撓みを抑制してしまう虞がある。しかし、本発明の雌側ハウジング1では、図1および図3(B)のX−X断面図に示すように、ロックアーム11のレバー部14より後方(雌側ハウジング1の後端部1b側)に規制突起15が設けられており、規制突起15の高さ寸法Hが、ロックアーム11下面と規制突起15上面との間隔が手指の厚さより十分狭い所定の間隔となるように決められているので、規制突起15の働きにより作業者の指が撓みスペース17に入り込むことを防いでいる。
【0032】
また、図1(A)および図3(A)に示すように、サイドリブ16の突出部16bも、ロックアーム11のレバー部14後端より雌側ハウジング1の後端部1b側に設けられており、その高さがレバー部14の高さと略同一とされているので、サイドリブ16の突出部16bによっても作業者の指が撓みスペース17に入り込むことを防いでいる。これらによって、ロックアーム11の下方への撓みが規制されないようになっている。
【0033】
雄側ハウジング3の係合部31に雌側ハウジング1を挿入する際は、上述したように雌側ハウジング1の前端部1aの外形部やサイドリブ16をガイドとして挿入を行う。雌側ハウジング1の挿入を進めると、雌側ハウジング1のロックアーム11に設けられた凸部13が、雄側ハウジング3の上面部3e側の前端部3aに突き当たる。
【0034】
雌側ハウジング1の凸部13が雄側ハウジング3の上面部3e側の前端部3aに突き当たることで挿入抵抗が発生する。この状態で、雌側ハウジング1に挿入抵抗に打ち勝つ力(挿入力)を嵌合方向に加えると、雄側ハウジング3の係合部31の上面部がロックアーム11の凸部13に乗り上げるようにロックアーム11が下方に撓む。尚、雌側ハウジング1と雄側ハウジング3の嵌合時に、雌側端子金具19と雄側端子金具35の嵌合抵抗も発生するので、雌側ハウジング1に加える挿入力は、雌側端子金具19と雄側端子金具35の嵌合抵抗より大きな力を加えることが必要である。
【0035】
このように嵌合抵抗より大きな力を加えると、凸部13が、雄側ハウジング3の上面部3e側の前端部3aに突き当たった状態から、係合部31の上面部がロックアーム11の凸部13に乗り上げた状態に移行した際に、挿入抵抗が一気に減少しこの時生じる慣性力で、雌側ハウジング1が、前端部1aが雄側ハウジング3の突き当て部3dに接触するまで一気に進み、図3(B)に示すような雌側ハウジング1と雄側ハウジング3とが正規嵌合状態に至る。
【0036】
雌側ハウジング1と雄側ハウジング3とが正規嵌合状態となった際は、図3(B)に示すように、雌側ハウジング1のロックアーム11に設けられた凸部13が、雄側ハウジング3に設けられた係止孔32と係合する。これにより、雌側ハウジング1と雄側ハウジング3との正規嵌合状態がロックされる。
【0037】
以上説明したように、本発明における雌側ハウンジング1は、規制突起15やサイドリブ16(の突出部16b)の働きによって撓みスペース17に異物が侵入することを防いでいるため、ロックアーム11の撓みが妨げられない。従って、ロックアーム11が撓まない状態で雌側ハウンジング1が雄側ハウジング3に嵌合されることによって凸部13の損傷し、正規嵌合状態のロックが行われないといった不具合を防ぐことができる。また、ロックアーム11が確実に撓むことによって意図する慣性ロック機構が確実に働くことで、雌側ハウジング1と雄側ハウジング3との嵌合が半嵌合となってしまうことを防ぐことができる。
【0038】
尚、図4に示す従来例では、雌側ハウジング100と雄側ハウジング300との嵌合作業の際に、作業者の不注意でロックアーム110を押し下げて撓ませた状態で、雄側ハウジング300に雌側ハウジング100を挿入した場合は、慣性ロック機構が働かない虞があるが、本発明の雌側ハウジング1では、ロックアーム11のレバー部14と略同じ高さとされた突出部16bを設けているので、作業者の不注意によるロックアーム11の押し下げを抑制することができ、より確実に慣性ロック機構が働くようにしている。
【符号の説明】
【0039】
1 雌側ハウジング
1a 前端部
1b 後端部
1c 上面部
11 ロックアーム
12 支柱部
13 凸部
14 レバー部
15 規制突起
16 サイドリブ
16a ガイド部
16b 突出部
17 撓みスペース
18 キャビティ
19 雌側端子金具
3 雄側ハウジング
3a 前端部
3b 後端部
3c 嵌合凹部
3d 突き当て部
3e 上面部
31 係合部
32 係止孔
33 案内部
34 キャビティ
35 雄側端子金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子金具を有する第1ハウジングと、第2端子金具を有し前記第1ハウジングが挿入されて同第1ハウジングと嵌合する第2ハウジングとを備え、
前記第1ハウジングの上面部には、前記第2ハウジングとの嵌合状態をロックする撓み可能なロックアームが設けられ、
前記第2ハウジングには、前記ロックアームと係合する係合部が設けられ、
前記ロックアームが前記係合部に係合することによって前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの嵌合がロックされて、前記第1端子金具と前記第2端子金具とが接続されるコネクタにおいて、
前記ロックアームは、同ロックアームの一端が前記上面部における一端側に接続され前記ロックアームの他端は自由端とされた片持ち梁状とされるとともに、前記ロックアームの長さは前記上面部における一端から他端までの長さよりも短く形成され、
前記第1ハウジングの上面部の他端側には、前記第1ハウジングを前記第2ハウジングに嵌合させるとき、前記ロックアームと接しないように設けられた規制突起を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記上面部には、前記ロックアームの両側に立設するサイドリブを設け、同サイドリブの一部は、前記ロックアームの高さ寸法以上とされて同ロックアームの押下を規制する突出部とされたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−30381(P2013−30381A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166274(P2011−166274)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【出願人】(000228257)日本オートマチックマシン株式会社 (39)
【Fターム(参考)】